JP2001226459A - 光,熱応答性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

光,熱応答性エポキシ樹脂組成物

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JP2001226459A JP2000038192A JP2000038192A JP2001226459A JP 2001226459 A JP2001226459 A JP 2001226459A JP 2000038192 A JP2000038192 A JP 2000038192A JP 2000038192 A JP2000038192 A JP 2000038192A JP 2001226459 A JP2001226459 A JP 2001226459A
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absorption band
curing agent
resin composition
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Masaki Akatsuka
正樹 赤塚
Yoshitaka Takezawa
由高 竹澤
Faren Christopher
ファレン クリストファー
Yuzo Ito
雄三 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光によって新たな吸収帯が現れ、40℃におい
て該吸収帯は安定であり、熱によって該吸収帯が消失す
る光,熱応答性エポキシ樹脂組成物の提供。 【解決手段】エポキシ化合物と該エポキシ化合物の硬化
剤を含む光,熱応答性エポキシ樹脂組成物であって、前
記硬化剤はp−フェニレンジアミンまたは1,5−ナフ
タレンジアミンを含み、p−フェニレンジアミンは硬化
剤の1〜50mol%、1,5−ナフタレンジアミンは
硬化剤の1〜100mol%含むことを特徴とする光,
熱応答性エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光によって新たな
吸収帯が現れ、熱によって該吸収帯が消失する特性を備
えた光,熱応答性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】光によって新たな吸収帯が現れ、熱によ
って該吸収帯が消失する性質の化合物は、各種の記録媒
体や表示媒体として、その用途が期待されている。
【0003】こうした性質を有する化合物としては、フ
ォトクロミック化合物が知られている。フォトクロミッ
ク化合物には無機化合物および有機化合物があり、有機
化合物としては、例えば、アントラセン誘導体等が知ら
れている(特開平6−263728号公報)。通常、こ
のような有機フォトクロミック化合物は、低分子に分類
されるものである。
【0004】高分子材料として、光によって新たな吸収
帯が現れ、熱によって該吸収帯が消失する性質を付与す
るために、低分子の有機フォトクロミック化合物を高分
子材料の表面に塗布する手法や、高分子材料内に物理的
に分散させる手法が取られている。しかしながら、こう
した手法では、耐熱性が低下する等の欠点があった。
【0005】その他には液晶高分子が知られているが、
この液晶高分子は側鎖の配列状態が変化するタイプなの
で、高密度に架橋させることができず、耐熱性が低い。
【0006】耐熱性の優れた高分子材料で、光によって
新たな吸収帯が現れ、熱によって該吸収帯が消失する性
質を備えたものとしては、フォトクロミック的性質を有
する樹脂組成物が知られている(特開平7−16588
1号公報)。この材料は紫外領域の光を照射することで
新たな吸収帯が現れ赤紫色になり、熱によってその吸収
帯が消失する。例えば、100℃で1hの熱処理によっ
て該吸収帯は消失する。しかし、40℃付近においても
該吸収帯は40hで消失してしまい、低温での安定性が
悪いと云う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、光によって新たな吸収帯が現れ40℃付近の低
温においても該吸収帯は安定で、熱によって該吸収帯が
消失する光,熱応答性エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0009】〔1〕 エポキシ化合物と該エポキシ化合
物の硬化剤を含む光,熱応答性エポキシ樹脂組成物であ
って、前記硬化剤はp−フェニレンジアミンまたは1,
5−ナフタレンジアミンを含み、p−フェニレンジアミ
ンは硬化剤の1〜50mol%、1,5−ナフタレンジ
アミンは硬化剤の1〜100mol%含む光,熱応答性
エポキシ樹脂組成物にある。
【0010】〔2〕 前記エポキシ化合物が、脂肪族エ
ポキシ化合物である前記の光,熱応答性エポキシ樹脂組
成物にある。
【0011】〔3〕 前記エポキシ化合物がメソゲン基
を有する前記の光,熱応答性エポキシ樹脂組成物にあ
る。
【0012】本発明におけるエポキシ化合物としては、
一般にエポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ化合物
を意味する。
【0013】具体的には、グリシジルエーテル型エポキ
シ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリ
シジルアミン型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合
物、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
【0014】特に、前記エポキシ化合物として、脂肪族
エポキシ化合物、あるいは、メソゲン基を有するエポキ
シ化合物が好ましい。これらのエポキシ化合物を用いた
場合、光の照射により新しい吸収帯が、速やかに現れる
ようになる。
【0015】本発明におけるメソゲン基とは、液晶性を
発現する官能基を指す。具体的には、ビフェニルおよび
その誘導体、ターフェニルおよびその誘導体、フェニル
ベンゾエートおよびその誘導体、アゾベンゼンおよびそ
の誘導体、スチルベンおよびその誘導体等である。
【0016】本発明における硬化剤は、少なくともp−
フェニレンジアミン、または、1、5−ナフタレンジア
ミンを含むことが必須である。2種以上のアミン化合物
を組み合わせる場合、その少なくとも1種がp−フェニ
レンジアミン、または、1,5−ナフタレンジアミンで
あればよく、その他のアミン化合物には特に制約はな
い。例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,
4'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミ
ノジフェニルエーテル等の一般的なアミン化合物と組み
合わせることができる。
【0017】本発明のp−フェニレンジアミンを用いる
場合、その硬化剤中の配合量は1〜50mol%であ
る。1mol%未満の場合、光の照射による新しい吸収
帯が現れにくく、50mol%を超える場合は作製した
エポキシ樹脂板にクラック等が入り易く、特に、大きな
エポキシ樹脂板をクラックの形成無しに作製するのは難
しい。
【0018】本発明において、1,5−ナフタレンジア
ミンを用いる場合、その硬化剤中の配合量は1〜100
mol%である。1mol%未満の場合、光の照射によ
り新しい吸収帯が現れにくい。
【0019】上記の本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
ることにより、光によって新たな吸収帯が現れ、室温付
近においても該吸収帯は安定で、かつ、熱によって該吸
収帯を容易に消失できるものを提供することができる。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、記録媒体
や表示媒体に用いることが好適である。エポキシ化合
物、硬化剤の組み合わせにより、種々の色を発色させる
ことも可能であり、望みの色の表示、例えば、文字や標
識等の案内板に用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】実施例に基づき本発明を具体的に
説明する。まず、本実施例で用いたエポキシ化合物とそ
の硬化剤の一例を次に示す。
【0022】〔エポキシ化合物〕 NPDGE:ネオペンチレングリコールジグリシジルエ
ーテル EDGE :エチレングリコールジグリシジルエーテル BGE :4,4'−ビフェノールジグリシジルエーテ
ル TMBGE:3,3',5,5'−テトラメチルー4,4'−
ビフェノールジグリシジルエーテル BADGE:ビスフェノールAジグリシジルエーテル BFDGE:ビスフェノールFジグリシジルエーテル 〔硬化剤〕 PPD :p−フェニレンジアミン ND :1,5−ナフタレンジアミン DDM :4,4'−ジアミノジフェニルメタン DDS :4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン DDE :4,4'−ジアミノジフェニルエーテル 〔実施例 1〕BADGE51g(150mmol)
に、PPD2.7g(25mmol)とDDM9.9g
(50mmol)を添加し、100℃で攪拌しながら均
一溶液とした。次いで、恒温層中で100℃/2h+1
60℃/4h硬化することで、厚さ1mmのエポキシ樹
脂板をクラック無く形成することができた。
【0023】このエポキシ樹脂板に、500Wのキセノ
ンランプを用いて光を照射した。なお、光の照射距離は
該樹脂板から35cmとした。
【0024】光の照射時間に対するエポキシ樹脂板の吸
収スペクトルの変化を図1に示す。光の照射によって新
たな吸収帯が出現し、光の照射時間が長くなるほどその
吸収が大きくなった。波長590nmの吸光度と光の照
射時間との関係を図2に示す。
【0025】ここで590nmの吸光度が1になるまで
の時間T1を次のようにして算出した。
【0026】まず、図1より、光の照射後の590nm
における吸光度の増加分を照射時間毎に読み取り、光の
照射時間を横軸に、590nmにおける吸光度の増加分
を縦軸とするグラフを作成した。その結果を図2に示
す。図2の曲線から590nmにおける吸光度の増加分
が1になる時間を読み取り時間T1とした。上記の時間
1は30minであった。なお、その結果を表1に示
す。
【0027】次に、30minの光照射により新たな吸
収帯を出現させたエポキシ樹脂板を40℃の恒温層中に
720h放置した。放置後も新たな吸収帯は消失するこ
となく、40℃における安定性は極めて優れていた。
【0028】さらに、上記の30minの光照射により
新たな吸収帯を出現させたエポキシ樹脂板を100℃の
恒温槽中で1h熱処理をした。この熱処理により、上記
の吸収帯は消失した。
【0029】その後、再度、光照射−熱処理の操作を行
っても同じ変化をたどり、吸収帯の出現/消失を光照射
−熱処理を繰り返し行うことで再現できることを確認し
た。
【0030】
【表1】
【0031】〔実施例 2〜12〕表1に示すエポキシ
化合物と硬化剤との組み合わせで、実施例1と同様の方
法でエポキシ樹脂板を作製した。なお、エポキシ化合物
と硬化剤の配合比は、化学量論量とした。いずれのエポ
キシ樹脂板もクラックなく作製することができた。
【0032】作製したエポキシ樹脂板に対し、実施例1
と同様の方法で光の照射を行ったところ、いずれのエポ
キシ樹脂板においても500〜700nm付近に新たな
吸収帯が出現した。590nmの吸光度が1になるまで
の時間T1を、実施例1と同様の方法で求め、その結果
を表1に示した。
【0033】実施例2〜4では、PPDと組み合わせる
硬化剤としてDDS、DDE、NDを用いたが、いずれ
のエポキシ樹脂板のT1も30〜32minであり、P
PDと組み合わせる硬化剤としてDDMを用いた実施例
1とほぼ同じであった。従って、本発明は、PPDと組
み合わせる硬化剤の種類によらないことが分かる。
【0034】実施例5〜7では、硬化剤中のPPDの配
合量が1〜50mol%の範囲でその配合量を変えて用
いたが、いずれのエポキシ樹脂板のT1も29〜32m
inと、硬化剤中のPPDの配合量を33mol%とし
た実施例1とほぼ同じであった。従って、本発明は、硬
化剤中のPPDの配合量が1〜50mol%の範囲なら
ば配合量に影響を受けないことが分かる。
【0035】実施例8〜12では、エポキシ化合物とし
てBFDGE、NPDGE、EDGE、BGE、TMB
GEを用いた。
【0036】エポキシ化合物としてBFDGEを用いた
実施例8のエポキシ樹脂板のT1は29minと、エポ
キシ化合物としてBADGEを用いた実施例1とほぼ同
じであった。
【0037】また、脂肪族のエポキシ化合物であるNP
DGE、EDGEを用いた実施例9、10のエポキシ樹
脂板のT1はそれぞれ15、17minと、BADGE
を用いた実施例1に比べてそれぞれ15、13min短
かった。即ち、エポキシ化合物としては脂肪族エポキシ
の使用が好ましい。
【0038】メソゲン基を有するエポキシ化合物のBG
E、TMBGEを用いた実施例11、12のエポキシ樹
脂板のT1は、それぞれ18、20minと、BADG
Eを用いた実施例1に比べてそれぞれ12、10min
短かった。即ち、エポキシ化合物はメソゲン基を有する
ものが好ましい。
【0039】実施例1と同様の方法で、それぞれのエポ
キシ樹脂板に光照射し新たな吸収帯を出現させた後、4
0℃の恒温層中に720h放置した。なお、光の照射時
間はそれぞれのエポキシ樹脂板のT1とした。放置後も
新たな吸収帯は消失することなく、40℃における安定
性は極めて優れていた。
【0040】実施例1と同様の方法で、各エポキシ樹脂
板に光を照射し新たな吸収帯を出現させた後、100℃
の恒温槽中で1h熱処理をした。なお、光の照射時間は
それぞれのエポキシ樹脂板のT1とした。いずれの場合
も、熱処理により新たな吸収帯は消失した。
【0041】それぞれのエポキシ樹脂板に対して、吸収
帯の出現/消失を光照射−熱処理を繰り返し行うことで
再現できることを確認した。
【0042】〔実施例 13〕BADGE51g(15
0mmol)に、ND2.7g(25mmol)とDD
M9.9g(50mmol)を添加し、100℃で攪拌
しながら均一溶液とした。次いで、恒温層中で100℃
/2h+160℃/4h硬化し、厚さ1mmのエポキシ
樹脂板をクラック無く作製することができた。
【0043】作製したエポキシ樹脂板に対し、実施例1
と同様の方法で光の照射を行ったところ、500〜70
0nm付近に新たな吸収帯が出現した。590nmの吸
光度が1になるまでの時間T1は50minであった。
なお、その結果は表2に示した。
【0044】50minの光照射により新たな吸収帯を
出現させた後、エポキシ樹脂板を40℃の恒温槽中に7
20h放置したが、新たな吸収帯は消失することなく、
40℃における安定性は極めて優れていた。
【0045】50minの光照射により新たな吸収帯を
出現させた後、エポキシ樹脂板を100℃の恒温槽中で
1h熱処理をしたところ、新たな吸収帯は消失した。
【0046】その後、再度、光照射−熱処理の操作を行
っても同じ変化をたどり、吸収帯の出現/消失を光照射
−熱処理を繰り返し行うことで再現できることを確認し
た。
【0047】
【表2】
【0048】〔実施例 14〜25〕表2に示すエポキ
シ化合物と硬化剤との組み合わせで実施例13と同様の
方法でエポキシ樹脂板を作製した。いずれのエポキシ樹
脂板もクラックなく作製することができた。
【0049】作製したエポキシ樹脂板に対し、実施例1
と同様の方法で光の照射を行ったところ、いずれのエポ
キシ樹脂板においても500〜700nm付近に新たな
吸収帯が出現した。590nmの吸光度が1になるまで
の時間T1を、実施例1と同様の方法で求め、表2に示
した。
【0050】実施例14,15では、PPDと組み合わ
せる硬化剤としてDDS、DDEを用いたが、そのエポ
キシ樹脂板のT1はそれぞれ50、49minと、PP
Dと組み合わせる硬化剤としてDDMを用いた実施例1
3とほぼ同じであった。従って、本発明は、PPDと組
み合わせる硬化剤の種類にはそれほど影響を受けないこ
とが分かる。
【0051】実施例16〜20では、硬化剤中のPPD
の配合量を1〜100mol%の範囲で変えたものを用
いたが、各エポキシ樹脂板のT1は48〜52min
と、PPDの配合量を33mol%とした実施例1とほ
ぼ同じであった。従って、本発明は、硬化剤中のPPD
は、その配合量が1〜100mol%の範囲ならば、配
合量の違いによる影響がそれほど無いことが分かる。
【0052】実施例21〜25では、エポキシ化合物と
してBFDGE、NPDGE、EDGE、BGE、TM
BGEを用いた。
【0053】BFDGEを用いた実施例21のエポキシ
樹脂板のT1は49minと、BADGEを用いた実施
例1とほぼ同じであった。
【0054】脂肪族のエポキシ化合物であるNPDG
E、EDGEを用いた実施例22、23のエポキシ樹脂
板のT1はそれぞれ31、35minと、BADGEを
用いた実施例1に比べてそれぞれ19、15min短か
った。即ち、エポキシ化合物として脂肪族エポキシ化合
物を用いることが好ましい。
【0055】また、メソゲン基を有するエポキシ化合物
のBGE、TMBGEを用いた実施例24、25のエポ
キシ樹脂板のT1はそれぞれ40、38minと、BA
DGEを用いた実施例1に比べてそれぞれ10、12m
in短かった。即ち、エポキシ化合物はメソゲン基を有
するものが好ましい。
【0056】実施例13と同様の方法で、各エポキシ樹
脂板に光照射し新たな吸収帯を出現させた後、40℃の
恒温層中に720h放置した。なお、光の照射時間は各
樹脂板のT1とした。放置後も新たな吸収帯は消失する
ことなく、40℃における安定性は極めて優れていた。
【0057】実施例13と同様の方法で、各エポキシ樹
脂板に光照射し新たな吸収帯を出現させた後、100℃
の恒温槽中で1h熱処理をした。なお、光の照射時間は
それぞれのエポキシ樹脂板のT1とした。いずれの場合
も、熱処理により新たな吸収帯は消失した。
【0058】その後、再度、光照射−熱処理の操作を行
っても同じ変化をたどり、吸収帯の出現/消失を光照射
−熱処理を繰り返し行うことで再現できることを確認し
た。
【0059】〔比較例 1〜8〕表3に示すエポキシ化
合物と硬化剤との組み合わせで、実施例1と同様の方法
でエポキシ樹脂板を作製した。
【0060】硬化剤中のPPDの配合量が50mol%
よりも多い比較例1、2のエポキシ樹脂板にはクラック
が多数見られた。比較例3〜8のエポキシ樹脂板はクラ
ックなく作製することができた。
【0061】比較例3〜8のエポキシ樹脂板に対し、実
施例1と同様の方法で光の照射を行った。いずれのエポ
キシ樹脂板の吸収スペクトルはほとんど変化せず、光の
照射を180min行っても、590nmの吸光度は1
以上に変化しなかった。
【0062】比較例3〜8は、硬化剤に含まれるPP
D、NDが1mol%未満の場合で、上記の結果から硬
化剤中のPPDあるいはNDは、1mol%以上含まれ
ていることが必要なことが分かった。
【0063】
【表3】
【0064】〔実施例 26〕実施例1および13で作
製したエポキシ樹脂板に、図3に示すようなマスクを貼
り、500Wのキセノンランプを用いて光をそれぞれ3
0、50min照射した。なお、光の照射距離は35c
mとした。
【0065】光照射後のマスクをはずしたエポキシ樹脂
板表面には、図3に示す文字が読み取れるか否かを目視
でチェックした。
【0066】いずれのエポキシ樹脂板からも図3の文字
がはっきりと読み取れ、情報等の表示が十分可能なこと
を確認した。
【0067】これらのエポキシ樹脂板を40℃の恒温槽
中に720h放置後、該エポキシ樹脂板の表面の文字が
読み取れるか否かをチェックした。いずれも文字は十分
に読み取れ、ほとんど変化がなく、保存安定性に優れて
いた。
【0068】次に、該エポキシ樹脂板を100℃恒温槽
中で1hの熱を加え、文字が読み取れるか否かをチェッ
クした。いずれのエポキシ樹脂板からも文字は全く読み
取れず、消去が完全にできることを確認した。
【0069】〔実施例 27〕実施例1の組成のエポキ
シ樹脂組成物を用いて50cm×50cm×1cm厚さ
エポキシ樹脂板を作製した。
【0070】次に、図4に示すマスクを上記のエポキシ
樹脂板の一方の面に密着させ、500Wのキセノンラン
プを用いて光照射し、図4の文字を示し表示板を作製し
た。
【0071】これを透明なUVカットフィルムが貼付け
られているホルダー内に設置し、案内板とした。
【0072】上記案内板は、屋外に1ヶ月放置したが表
示内容が消失し、読み取れなくなることは無かった。
【0073】1ヶ月放置後の上記案内板を取り出し、1
00℃,1h加熱処理することで、上記表示内容は完全
に消失した。別の表示内容のマスクを用いて、再度、光
照射することにより再利用できることを確認した。
【0074】本発明のエポキシ樹脂組成物によるエポキ
シ樹脂板は、以上のような表示媒体として好適であっ
た。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、光によって新たな吸収
帯が現れ(40℃において該吸収帯は安定)、熱によっ
て該吸収帯は消失する特性を有する光,熱応答性エポキ
シ樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエポキシ樹脂板に光照射し
た際のエポキシ樹脂板の吸収スペクトル変化のグラフで
ある。
【図2】本発明のエポキシ樹脂板の光照射時間と、59
0nmの吸光度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例で用いたマスクの図である。
【図4】実施例で用いた案内板用のマスクの図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストファー ファレン 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 伊藤 雄三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 4J002 CD011 CD051 EN076 FD146 4J036 AA01 AB01 AD07 AD08 DC03 DC10 JA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ化合物と該エポキシ化合物の硬
    化剤を含む光,熱応答性エポキシ樹脂組成物であって、
    前記硬化剤はp−フェニレンジアミンまたは1,5−ナ
    フタレンジアミンを含み、p−フェニレンジアミンは硬
    化剤の1〜50mol%、1,5−ナフタレンジアミン
    は硬化剤の1〜100mol%含むことを特徴とする
    光,熱応答性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ化合物が、脂肪族エポキシ
    化合物である請求項1に記載の光,熱応答性エポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ化合物がメソゲン基を有す
    る請求項1に記載の光,熱応答性エポキシ樹脂組成物。
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