JP2001224616A - 介護用パンツ装置及び介護用着衣装置 - Google Patents

介護用パンツ装置及び介護用着衣装置

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JP2001224616A
JP2001224616A JP2000041809A JP2000041809A JP2001224616A JP 2001224616 A JP2001224616 A JP 2001224616A JP 2000041809 A JP2000041809 A JP 2000041809A JP 2000041809 A JP2000041809 A JP 2000041809A JP 2001224616 A JP2001224616 A JP 2001224616A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出パイプ内への排泄物の取込みをより確実
に行わせると共に、介護用パンツに送られる空気、温水
又は泡等を一定箇所に滞らせることなくパンツ内部全体
に供給させるようにする。 【解決手段】 介護用パンツ1内の排泄物を排出パイプ
3に吸引してパンツ外部に排出すると共に、供給パイプ
2を介して温水、洗浄水、温風を供給し、パンツ内部を
洗浄又は乾燥する装置であって、排泄物を排出パイプ3
内に取込む際は、人体の排泄部を取り囲むように開いた
状態となり、排泄物を外部に排出する際は、排出パイプ
3内に引き込まれる状態となる排泄物取込部3Aを備
え、介護用パンツ1の内素材1aと外素材1bの間に人
体表面に向かって上下動する複数の突起部11A(11
B)を設け

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、病人、幼児、体
の不自由な人、自力でトイレに行くことが困難な人のた
めの介護用パンツ又は介護用着衣装置に係り、排泄物を
検知してパンツ内部を洗浄・乾燥し、またパンツ又は着
衣内部を清潔に保ち、更に、着衣者の床づれを防止し、
マッサージ効果を有する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、病人や幼児等がパンツを着用した
ままの状態で排泄できる排泄パンツとして、特開昭61
−342号に示すものがあった。この排泄パンツは、パ
ンツ主体の肛門部又はその近傍に設けられ排出パイプを
連設した伸縮自在な袋部と、パンツ主体の股部適所に配
置した排泄物用センサーと、この排泄物センサーの作動
により袋部にエアを供給するエア供給装置を備え、排泄
時に自動的に袋部を膨らませるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記従来
の排泄パンツを改良し、より実用化したもので、排泄物
や洗浄水を漏出させることなくパンツ内部全体を汚さな
いようにすることを目的とする。
【0004】また、排出パイプ内への排泄物の取込みを
より確実に行わせ、排泄物や洗浄水の吸引時に、パンツ
内部が真空状態にならず、効果的な吸引が可能になるよ
うにする。
【0005】また、介護用パンツ又は介護用着衣に送ら
れる空気、温水又は泡等を一定箇所に滞らせることなく
パンツ又は着衣の内部全面に供給させるようにする。
【0006】また、介護用パンツ又は介護用着衣の着衣
者の姿勢を排泄しやすい体勢にすると共に、パンツ又は
着衣内部の洗浄を全体的に行わせる。
【0007】更に、床づれ防止機能、自動寝返り機能、
マッサージ機能を有する介護用着衣を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、パン
ツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸引してパンツ外部に
排出すると共に、パンツ内部を洗浄する介護用パンツを
備えた装置において、排泄物を排出パイプ内に取込む際
は、人体の排泄部を取り囲むように開いた状態となり、
排泄物を外部に排出する際は、排出パイプ内に引き込ま
れる状態となる排泄物取込部を備えたことを特徴とす
る。
【0009】請求項2の発明は、パンツ内部の排泄物を
排出パイプ内に吸引してパンツ外部に排出すると共に、
パンツ内部を洗浄する介護用パンツを備えた装置におい
て、パンツの内側に人体の排泄部を取り囲む膨張体を設
け、排泄時又は排泄物洗浄時には膨張体が膨張して人体
表面に密着すると共に、この膨張体にパンツ外部からパ
ンツ内部へ一方向の通気を可能にする通気路を設けたこ
とを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、パンツ内部の排泄物を
排出パイプ内に吸引してパンツ外部に排出すると共に、
パンツ内部を洗浄する介護用パンツを備えた装置におい
て、介護用パンツの生地は内素材と外素材により構成さ
れ、この内素材と外素材の間に人体表面に向かって上下
動する複数の突起部を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、パンツ内部の排泄物を
排出パイプ内に吸引してパンツ外部に排出すると共に、
パンツ内部を洗浄する介護用パンツを備えた装置におい
て、介護用パンツの腰回り部と足回り部に、排泄時又は
排泄物洗浄時に肌に密着する肌密着帯を備えると共に、
この肌密着帯にパンツ外部からパンツ内部へ一方向の通
気を可能にする通気路を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、パンツ内部の排泄物を
排出パイプ内に吸引してパンツ外部に排出すると共に、
パンツ内部を洗浄する介護用パンツを備えた装置におい
て、着衣者の臀部に相当する箇所の左右対称位置に膨張
袋を取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時に膨張袋内の圧
力を調整して着衣者の姿勢を左右対称にすることを特徴
とする。
【0013】請求項6の発明は、パンツ内部の排泄物を
排出パイプ内に吸引してパンツ外部に排出すると共にパ
ンツ内部を洗浄する介護用パンツを含むと共に、着衣者
の胴体部を被覆する介護用着衣を備えた装置において、
少なくとも着衣者の背中部、臀部に相当する箇所の左右
対称位置に膨張袋を取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時
に膨張袋内の圧力を調整して着衣者の姿勢を左右対称に
することを特徴とする。
【0014】請求項7の発明は、少なくとも着衣者の胴
体部、腰部、股間部を被覆する介護用着衣を備えた装置
において、着衣者の背中部又は臀部に相当する箇所の左
右対称位置に膨張袋を取り付け、膨張袋内の圧力を調整
して着衣者の姿勢を中心線を軸にして左右に重心移動さ
せることを特徴とする。
【0015】請求項8の発明は、少なくとも着衣者の背
中部又は臀部に相当する箇所の介護用着衣の内側に、人
体表面に向かって上下動する複数の突起部を設けると共
に、これらの突起部に圧力センサを設け、この圧力セン
サが所定の体重圧を検知すると、当該圧力センサに対応
する突起部が上下動することを特徴とする。
【0016】請求項9の発明は、内素材と外素材により
構成された介護用着衣を備えた装置であって、この内素
材と外素材の間に人体表面に向かって上下動する複数の
突起部を設け、介護用着衣の内部に送風する手段を設け
たことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1による介護用パンツ1を示す構造図であ
り、一部の破断断面部をも示している。介護用パンツ1
の生地は、図示(A)に示すように内素材1aと外素材
1bを重ね合わせた二重構造となっている。通常の着用
時には素材1a,1bは剥がれない状態となり、メンテ
ナンス時には後述する供給パイプ2、突起部11A,1
1B等を取り替え又は修理できるように相互に剥すこと
が可能な構造となっている。また、介護用パンツ1には
ファスナー又はマジックテープ等からなる着脱部14が
設けられており、着衣者が腰を上げることなく寝たまま
の状態で介護用パンツ1を容易に着脱できるように構成
されている。
【0018】内素材1aと外素材1bの間には、適切な
温度に保持された空気又は温水を送るための供給パイプ
2がパンツ全面に渡って縦横に配置されている。そし
て、供給パイプ2の複数箇所には噴出孔が設けられパン
ツ内部に空気又は温水を吹き付ける構造となっている。
内素材1aは通気性、通水性の良好な素材により構成さ
れ、供給パイプ2から噴出される空気又は温水が人体表
面にも達するようになっている。
【0019】また、内素材1aと外素材1bの間には、
パンツ全面又は着衣者の臀部に相当する部分に、図2
(a)に示す突起部11A、又は図2(b)に示す突起
部11Bが配設されている。図2(a)に示す突起部1
1Aは例えば先端がプラスチックで全体がゴム製の袋の
ようなものであり、その内部に圧力用パイプ110を通
してオイル圧、エア圧、又は水圧が送られ、それぞれ個
別に着衣者の体に向けて膨張・収縮する。また、ネット
12は所定の緊張を持って内素材1aの内側に張られて
おり、人体表面にフィットすると共に、突起部11Aか
ら人体表面への直接刺激を防止する役割を果たす。図2
(b)に示す突起部11Bは、同じくその内部に圧力用
パイプ110を通してオイル圧、エア圧、又は水圧が送
られ、それぞれ個別に上下に駆動制御される。突起部1
1Bの先端は羽状の構造となっており、内素材1aを介
して人体表面に接触する構造となっている。
【0020】介護用パンツ1の腰回り部と足回り部に
は、それぞれ肌密着パイプ10が取付けられている。こ
の肌密着パイプ10は、後述する圧力制御部20から圧
力用パイプ120を介して送られるオイル圧、エア圧、
又は水圧によりそれぞれ収縮・膨張するように構成さ
れ、パンツ内部の洗浄時には肌に密着することによりパ
ンツ外部への水漏れ、臭気漏れを遮断する役割を果た
す。また、肌密着部10にはパンツ外部から内部への一
方向の通気を可能にする一方向弁を有する通気路15が
設けられ、後述する排泄物吸引装置5による排泄物の吸
引効果(バキューム効果)を実行あらしめるようになっ
ている。
【0021】また、介護用パンツ1の股間部分には排出
パイプ3が取付けられており、その先端部分には排泄物
を取り込むための排泄物取込部3Aが設けられている。
この排泄物取込部3Aは、通常時又は排泄物検知時には
扇状に開いて肛門、泌尿器、性器等の排泄部を取り囲む
状態となっており、排泄物の排出後には排泄物とともに
排出パイプ3に引き込まれるように構成されている。
【0022】また、介護用パンツ1には、肛門等の排泄
部に対向した位置に、排泄物に多く含まれる化学物質
(例えばアンモニア等)、排泄物の臭い、又は排泄物の
重量を検出する排泄物検知センサ9が取付けられてい
る。更に、肛門等の排泄部に向かって温水を噴射するこ
とにより排便を促し又は洗浄するための温水噴射パイプ
13が取付けられている。
【0023】排出パイプ3は、パイプ脱着部4により介
護用パンツ1から分離し取り外しできるように構成され
ており、着衣者の移動時には介護用パンツ1と排出パイ
プ3との接続を取り外した後、通気性の良い栓をするよ
うになっている。また、温水噴射パイプ13、空気又は
温水を送る供給パイプ2、圧力用パイプ110,12
0、及びセンサ9の信号線も上記排出パイプ3と同様に
介護用パンツ1から切り離すことができるように構成さ
れている。
【0024】図3は、図1の介護用パンツ1を含む介護
用パンツ装置全体を示す構成図である。コントローラ1
00は中央演算処理的な機能を果たすものであって、介
護用パンツ1内部の圧力センサ30および排泄物検知セ
ンサ9の検知信号を入力し、排泄物吸引装置5、送風機
6、温水制御部7、切替コック8、圧力制御部20に対
し制御指令信号を送信する。
【0025】排泄物吸引装置5は排泄物を排出パイプ3
を通して吸引する役割を果たすもので、吸引ポンプ等を
内蔵している。また、排泄物吸引装置5は、排出パイプ
3の先端部に設置した排泄部取込部3Aの開閉、引き込
み動作を制御する役割をも果たす。送風機6は、供給パ
イプ2を通して介護用パンツ1の内部全面に適切な温度
に制御した空気を送り出し、パンツ内部の蒸れを防止す
る役割を果たす。温水制御部7は、洗浄時に供給パイプ
2を通して介護用パンツ1の内部全面に適切な温度に制
御した温水を送り出すと共に、温水噴射パイプ13を通
して排便を促し又は洗浄するための温水を送り出す役割
を果たす。切替コック8は、供給パイプ2への送風機6
の送風又は温水制御装置7の温水を切り替えるための制
御弁である。圧力制御部20は、圧力用パイプ110を
通してオイル圧、エア圧、又は水圧を送り出して突起部
11A又は11Bの上下動作を制御すると共に、圧力用
パイプ120を通してオイル圧、エア圧、又は水圧を送
り出して肌密着パイプ10の収縮・膨張を制御する。
【0026】次に、実施の形態1の介護用パンツ装置に
よる洗浄動作について説明する。介護用パンツ1の排泄
物検知センサ9が排泄物を検知すると、その検知信号が
コントローラ100に送られる。そして、コントローラ
100は排泄物吸引装置5に指令を出して排泄物取込部
3Aの通路を開くとともに、圧力制御部20に指令を出
し、圧力用パイプ120を介してオイル圧、エア圧、又
は水圧を送り出し、肌密着パイプ10内の圧力を高めて
膨張させ、介護用パンツ1の腰回り部及び足回り部を肌
に密着させてパンツ内部の臭気及び洗浄時の水分が外部
に漏れないようにする。その後、コントローラ100は
温水制御部7に指令を出し、温水噴射パイプ13により
肛門等の排泄部に向かって温水を噴射し、排泄を促すと
ともに排泄部の洗浄を行う。
【0027】そして、排泄物が完全に排泄された所定時
間T2経過後、コントローラ100は排泄物吸引装置5
に指令を出し、扇状に開いた排泄物取込部3Aを排出パ
イプ3に引き込むと同時に吸引ポンプにより排泄物を吸
引する。この時、肌密着部10に設けている通気弁15
を通してパンツ外部から内部への通気が行われるので、
排泄物吸引装置5による排泄物の吸引はスムーズに実施
される。
【0028】なお、排泄物取込部3Aは、通常時は排出
パイプ3に引き込まれた状態にあり、排泄物検知センサ
9により排泄物を検知した時に、排泄物を取り込むよう
に扇状に開き、所定時間T2経過後、排出パイプ3に引
き込まれるように構成しても良い。
【0029】次に、コントローラ100は供給パイプ2
の切替コック8を温水制御装置7側に切り替えるととも
に、温水制御装置7から供給パイプ2及び温水噴射パイ
プ13を通して洗浄剤を混合した温水又は洗浄材を混合
した泡を介護用パンツ1に供給する。供給パイプ2に送
られた温水又は泡はパンツ全面に渡って噴出してパンツ
内部及び人体を洗浄する。一方、排泄物吸引装置5に取
り込まれた排泄物は、携帯型の排泄物入れタンクに収納
しても良いし、そのまま下水道施設に送り出しても良
い。
【0030】介護用パンツ1内部の洗浄が終了すると、
コントローラ100は供給パイプ2の切替コック8を送
風機6側に切り替えるとともに、送風機6から供給パイ
プ2を通して温風を介護用パンツ1の内部全面に供給し
て乾燥させる。この時、パウダー等も一緒に噴霧して湿
気を除去しても良い。
【0031】次に、介護用パンツ1の突起部11A(1
1B)の動作について説明する。コントローラ100の
指令により圧力制御部20が圧力用パイプ110を介し
てオイル圧、エア圧、又は水圧を制御することにより、
突起部11A(11B)は膨張収縮又は上下動する。特
に、介護用パンツ1内部の排泄物の洗浄時には、突起部
11A(11B)の全てを突出させたり、隣り合う突起
部11A(11B)のうち一方のみを突出させたり、又
は隣り合う突起部11A(11B)を交互に上下動させ
たりすることにより、内素材1aと外素材1bの間に空
間S1を作り、温水制御装置7から供給パイプ2及び温
水噴射パイプ13を通して供給される温水又は泡や、送
風機6から供給パイプ2を通して供給される温風を、一
定箇所に滞らせることなく介護用パンツ1の内部全面に
供給させることができる。なお、排泄物の洗浄時以外に
も、複数の突起部11A,11Bを動作させることによ
り、介護用パンツ1の内部全面に温水又は温風を供給さ
せ、介護用パンツ内部の清潔さや快適さを維持するよう
にしても良い。
【0032】実施の形態2.実施の形態2では、実施の
形態1で述べた突起部11A(11B)に体重圧を検知
する圧力センサ30(図2参照)を取り付け、それぞれ
体重圧を感知して上下動することによりマッサージ機能
を持たせるようにする。
【0033】すなわち、複数の突起部11A(11B)
に設置された圧力センサ30が所定の体重圧W0以上の
圧力値を検知すると、コントローラ100は圧力制御部
20に対して指令を出す。そして、所定値W0以上を検
知している圧力センサ30が設置された突起部11A
(11B)の内部のオイル圧、エア圧又は水圧を制御す
ることにより、突起部11A(11B)を所定時間間隔
をおいて上下運動させる。その結果、同じ箇所での体重
圧による長時間の皮膚の圧迫が避けられ、うっ血、床づ
れを防止することができる。なおこの場合、隣り合う突
起部11A(11B)を交互に上下動させたり、複数の
突起部11A(11B)の列を波状的に上下動させるこ
とにより、心地よいマッサージ効果を得ることができ
る。
【0034】実施の形態3.実施の形態3では、実施の
形態1で述べた介護用パンツ1の内側に人体の排泄部を
取り囲む膨張体16を取り付け、排泄時又は排泄物洗浄
時には膨張体16が人体表面と密着することにより、排
泄物をパンツ全体にまき散らさないようにする。
【0035】図4(a)は実施の形態3の膨張体16を
取り付けた介護用パンツ1を示す斜視図であり、図4
(b)は当該膨張体16の構造を示す断面図である。図
に示すように、介護用パンツ1の内素材1aには、上述
の圧力用パイプ120を介して送られる空気圧、オイル
圧、水圧等により膨張するゴム等で構成された膨張体1
6が取り付けられている。
【0036】排泄物検知センサ9が排泄物を検知する
と、その検知信号がコントローラ100に送られ、コン
トローラ100は圧力制御部20に指令を出し、圧力用
パイプ120を介してオイル圧、エア圧、又は水圧を送
り出し、膨張体16の圧力を高めて膨らませる。
【0037】その結果、膨張体16は人体表面並びに介
護用パンツの外素材1b又は突起部11と密着すること
となり、尿を含む排泄物が膨張体16で囲まれた部分の
外側に流出しなくなり、パンツ内部全体に広がることが
なくなる。また、膨張体16には介護用パンツの外側か
ら膨張体16で囲まれた内側への通気を可能にする例え
ば一方向弁を有する通気路16aが設けられ、排泄物吸
引装置5による排泄物の吸引(バキューム)がスムーズ
に行くように構成されている。
【0038】実施の形態4.実施の形態4では、実施の
形態1で述べた介護用パンツ1の臀部の左右対称位置に
膨張袋18a,bを取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時
には膨張袋18a,bの圧力の圧力を調整し、パンツ着
衣者が排泄しやすい左右対称姿勢になるように矯正する
と共に、パンツ内部の洗浄をスムーズに行わせるように
する。
【0039】図5は実施の形態4による膨張袋18a,
bを取り付けた介護用パンツ1の背部を示す斜視図であ
る。図に示すように、介護用パンツ1の外側であって着
衣者の臀部に相当する箇所に、体の中央線に対してほぼ
左右対称位置に一対の膨張袋18a,bが取り付けられ
る。この膨張袋18a,bは、それぞれ圧力用パイプ1
80a,bを介して図3の圧力制御部20から送られる
空気圧、オイル圧、水圧等により膨張・収縮するように
構成されている。
【0040】排泄物検知センサ9が排泄物を検知する
と、その検知信号がコントローラ100に送られ、コン
トローラ100は圧力制御部20に指令を出し、圧力用
パイプ180a,bを介してオイル圧、エア圧、又は水
圧を送り出し、膨張袋18a,bの圧力を所定値に高め
て膨らませる。この場合、膨張袋18a,bに設置した
圧力センサ19a,bにより体重圧を検出し、コントロ
ーラ100がその検出値に基づいて圧力制御部20に指
令を出し、左右の体重圧が均等になるように膨張袋18
a,b内の圧力を調整する。
【0041】その結果、排泄時には、パンツ着衣者が寝
たままの状態でもその臀部が左右均等になるように矯正
されるので、排泄しやすくなる。また、排泄物洗浄時に
おいても、パンツ内部の洗浄を左右対称に行わせること
ができる。
【0042】実施の形態5.実施の形態5は、胴体部、
臀部、大腿部等を被覆する介護用着衣装置に関し、その
背部の左右対称位置に膨張袋を取り付け、排泄時又は排
泄物洗浄時には膨張袋の圧力を調整し、パンツ着衣者が
左右対称姿勢になるようにする。
【0043】図6は実施の形態5による膨張袋を取り付
けた介護用着衣50の背部を示す斜視図である。図にお
いて、介護用着衣50は、着衣者の胴体部、臀部、大腿
部を被覆するものであって、実施の形態1〜4で説明し
た介護用パンツ1を繋げた構造となっている。介護用着
衣50の外側であって着衣者の肩部、背中部、臀部、又
は大腿部の裏側に相当する箇所に、体の中央線に対して
ほぼ左右対称位置に膨張袋51a,b、52a,b、5
3a,bが取り付けられる。これら膨張袋は、それぞれ
図示しない圧力用パイプを介して図3の圧力制御部20
から送られる空気圧、オイル圧、水圧等により膨張・収
縮するように構成されている。
【0044】排泄物検知センサ9が排泄物を検知する
と、その検知信号がコントローラ100に送られ、コン
トローラ100は圧力制御部20に指令を出し、圧力用
パイプを介してオイル圧、エア圧、又は水圧を送り出
し、膨張袋51a,b、52a,b、53a,bの圧力
を所定値に高めて膨らませる。この場合、膨張袋に設置
した圧力センサ(図示せず)により体重圧を検出し、コ
ントローラ100がその検出値に基づいて圧力制御部2
0に指令を出し、左右の体重圧が均等になるように膨張
袋内の圧力を調整する。なお、膨張袋51a,b、52
a,bはそれぞれ複数の膨張室a1,a2,a3,a
4,b1,b2,b3,b4を有しており、各膨張室の
圧力をそれぞれ制御することにより着衣者の姿勢をこま
やかに調整することができる。
【0045】図7は実施の形態5の膨張袋による着衣者
の排泄時又は洗浄時の姿勢例を示す図である。図におい
て、膨張袋51a,bの膨張室a1,a2,b1,b2
を多めに膨らませ、膨張袋51a,bの膨張室a3,a
4,b3,b4を少なめに膨らませ、膨張袋53a,b
を膨らませることにより、着衣者の上体及び大腿部が少
し起上がり、排泄しやすい体勢になる。
【0046】以上のように実施の形態5によれば、排泄
時には、着衣者が寝たままの状態でも背部、臀部、大腿
部等が左右均等になるように矯正されるので、排泄しや
すくなる。また、排泄物洗浄時においても、パンツ内部
の洗浄を左右対称に行わせることができる。
【0047】実施の形態6.実施の形態6は、実施の形
態5の介護用着衣装置において、その背部の左右対称位
置に設けた膨張袋内の圧力を調整することにより、着衣
者の姿勢を中心線を軸として左右に重心を移動させ、自
動寝返り機能をもたせるようにした。
【0048】すなわち、各膨張袋51a,b、52a,
b、53a,bに設置された圧力センサ(図示せず)が
所定の体重圧W0以上の圧力値を所定時間連続して検知
すると、図示しない圧力制御装置により、所定値W0以
上を検知している圧力センサ側の膨張袋の圧力を高め、
左右反対側の膨張袋の圧力を弱める。その結果、所定時
間連続して片側に寄っていた着衣者の姿勢を左右反対側
に重心移動させ、床づれを防止させる。また、左右対称
位置にある膨張袋51a,b、52a,b、53a,b
の膨張・収縮を所定時間ごとに交互に繰り返すことによ
り、寝返り機能を持たせることができる。
【0049】実施の形態7.実施の形態7は、少なくと
も胴体部、臀部を被覆する介護用着衣装置に関し、介護
用着衣の内側に突起部を取り付け、この突起部を人体の
表面に対して上下動させることによりマッサージ機能を
持たせるようにする。
【0050】図8は実施の形態7による介護用パンツの
全体構造図、及び介護用パンツの内部の突起部の構造を
示す断面図である。図において、介護用着衣60の生地
は、内素材60aと外素材60bの二重構造となってお
り、内素材60aと外素材60bの間には、送風制御装
置62から適切な温度に保持された空気を送るための送
風パイプ63が縦横に配置されている。そして、送風パ
イプ63の複数箇所には噴出孔が設けられ、着衣内部に
空気を吹き付ける構造となっている。内素材60aは通
気性の良好な素材により構成され、送風パイプ63から
噴出される空気が人体表面にも達するようになってい
る。
【0051】また、内素材1aと外素材1bの間には、
少なくとも着衣者の背中部又は臀部に相当する部分に、
突起部61a又は突起部61bが配設されている。突起
部61aは例えばゴム製袋のようなものであり、その内
部に圧力用パイプ(図示せず)を通してオイル圧、エア
圧、又は水圧が送られ、それぞれ個別に着衣者の体に向
けて膨張・収縮する。また、ネットは所定の緊張を持っ
て内素材60aの内側に張られており、人体表面にフィ
ットすると共に、突起部61aから人体表面への直接刺
激を防止する役割を果たす。突起部61bは、同じくそ
の内部に圧力用パイプを通してオイル圧、エア圧、又は
水圧が送られ、それぞれ個別に上下に駆動制御される。
突起部61bの先端は羽状の構造となっており、内素材
60aを介して人体表面に接触する構造となっている。
【0052】複数の突起部61a(61b)には圧力セ
ンサが設置されており、この圧力センサが所定の体重圧
W0以上の圧力値を検知すると、図示しない圧力制御部
により、所定値W0以上を検知している圧力センサが設
置された突起部61a(61b)の内部のオイル圧、エ
ア圧又は水圧を制御して、突起部61a(61b)を所
定時間間隔をおいて上下運動させる。その結果、同じ箇
所での体重圧による長時間の皮膚の圧迫が避けられ、う
っ血、床づれを防止することができる。なおこの場合、
隣り合う突起部61a(61b)を交互に上下動させた
り、複数の突起部61a(61b)の列を波状的に上下
動させることにより、心地よいマッサージ効果を得るこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、排泄物を排出
パイプ内に取込む際は人体の排泄部を取り囲むように開
いた状態となり、排泄物を外部に排出する際は排出パイ
プ内に引き込まれる状態となる排泄物取込部を備えたこ
とにより、排泄物を排泄物取込部外に漏出させることな
くパンツ内部全体を汚さないようにする効果がある。ま
た、排出パイプ内への排泄物の取込みをより確実に行う
ことができる。
【0054】請求項2の発明によれば、パンツの内側に
人体の排泄部を取り囲む膨張体を設け、排泄時又は排泄
物洗浄時には膨張体が膨張して人体表面に密着するよう
にしたので、排泄物や洗浄水を膨張体より外側に漏出さ
せることなくパンツ内部全体を汚さないようにする効果
がある。また、この膨張体にパンツ外部からパンツ内部
へ一方向の通気を可能にする通気路を設けることによ
り、排泄物や洗浄水を吸引する場合、膨張体で囲まれた
部分が真空状態にならず、効果的な吸引が可能になる。
【0055】請求項3の発明によれば、介護用パンツの
内素材と外素材の間に人体表面に向かって上下動する複
数の突起部を設けることにより、内素材と外素材の間に
空間を確保することができ、パンツ内部に送られる空
気、温水又は泡等を一定箇所に滞らせることなく介護用
パンツの内部全面に供給させることができる。
【0056】請求項4の発明によれば、介護用パンツの
腰回り部と足回り部に、排泄時又は排泄物洗浄時に肌に
密着する肌密着帯を備えることにより、排泄物や洗浄水
をパンツより外側に漏出させるない効果が得られる。ま
た、この肌密着帯にパンツ外部からパンツ内部へ一方向
の通気を可能にする通気路を設けることにより、排泄物
や洗浄水を吸引する場合、パンツ内部が真空状態になら
ず、効果的な吸引が可能になる。
【0057】請求項5の発明によれば、着衣者の臀部に
相当する箇所の左右対称位置に膨張袋を取り付け、排泄
時又は排泄物洗浄時に膨張袋内の圧力を調整して着衣者
の姿勢を左右対称にすることにより、着衣者が排泄しや
すい体勢になる。また、排泄物洗浄時においても、パン
ツ内部の洗浄を左右対称に行わせることができる。
【0058】請求項6の発明によれば、少なくとも着衣
者の背中部、臀部に相当する箇所の左右対称位置に膨張
袋を取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時に膨張袋内の圧
力を調整して着衣者の姿勢を左右対称にすることによ
り、着衣者が排泄しやすい体勢になる。また、排泄物洗
浄時においても、パンツ内部の洗浄を左右対称に行わせ
ることができる。
【0059】請求項7の発明によれば、少なくとも着衣
者の胴体部、腰部、股間部を被覆する介護用着衣を備え
た装置において、着衣者の背中部又は臀部に相当する箇
所の左右対称位置に膨張袋を取り付け、膨張袋内の圧力
を調整して着衣者の姿勢を中心線を軸にして左右に重心
移動させることにより、床づれを防止すると共に、自動
寝返り機能を持たせることができる。
【0060】請求項8の発明によれば、少なくとも着衣
者の背中部又は臀部に相当する箇所の介護用着衣の内側
に、人体表面に向かって上下動する複数の突起部を設け
ると共に、これらの突起部に圧力センサを設け、この圧
力センサが所定の体重圧を検知すると、当該圧力センサ
に対応する突起部が上下動することにより、床づれを防
止し、マッサージ機能を持たせることができる。
【0061】請求項9の発明によれば、介護用着衣の内
素材と外素材の間に人体表面に向かって上下動する複数
の突起部を設け、介護用着衣の内部に送風する手段を設
けることにより、上下動する突起部により内素材と外素
材の間に空間を確保し、着衣内部に送られる空気、温水
又は泡等を一定箇所に滞らせることなく介護用着衣の内
部全面に供給させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による介護用パンツ
を示す構造図である。
【図2】 実施の形態1の介護用パンツの内部の突起部
の構造を示す断面図である。
【図3】 実施の形態1の介護用パンツを含む介護用装
置全体を示す構成図である。
【図4】 実施の形態3による膨張体を取り付けた介護
用パンツを示す図である。
【図5】 実施の形態4による膨張袋を取り付けた介護
用パンツの背部を示す斜視図である。
【図6】 実施の形態5による膨張袋を取り付けた介護
用着衣の背部を示す斜視図である。
【図7】 実施の形態5の膨張袋による着衣者の排泄時
又は洗浄時の姿勢例を示す図である。
【図8】 実施の形態7による介護用パンツの全体構造
図及び介護用パンツの内部の突起部の構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 介護用パンツ、1a,60a 内素材、1b,60
b 外素材、3 排出パイプ、3A 排泄物取込部、5
排泄物吸引装置、6 送風機、7 温水制御部、9
排泄物検知センサ、10 肌密着部、11A,11B,
61a,61b突起部、16,18a,18b,51
a,51b,52a,52b,53a,53b 膨張
体、20 圧力制御部、30 圧力センサ、50,60
介護用着衣、62 送風制御装置、100 コントロ
ーラ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共に、パンツ内部を洗浄
    する介護用パンツを備えた装置において、 排泄物を排出パイプ内に取込む際は、人体の排泄部を取
    り囲むように開いた状態となり、排泄物を外部に排出す
    る際は、排出パイプ内に引き込まれる状態となる排泄物
    取込部を備えたことを特徴とする介護用パンツ装置。
  2. 【請求項2】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共に、パンツ内部を洗浄
    する介護用パンツを備えた装置において、パンツの内側
    に人体の排泄部を取り囲む膨張体を設け、排泄時又は排
    泄物洗浄時には膨張体が膨張して人体表面に密着すると
    共に、この膨張体にパンツ外部からパンツ内部へ一方向
    の通気を可能にする通気路を設けたことを特徴とする介
    護用パンツ装置。
  3. 【請求項3】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共に、パンツ内部を洗浄
    する介護用パンツを備えた装置において、介護用パンツ
    の生地は内素材と外素材により構成され、この内素材と
    外素材の間に人体表面に向かって上下動する複数の突起
    部を設けたことを特徴とする介護用パンツ装置。
  4. 【請求項4】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共に、パンツ内部を洗浄
    する介護用パンツを備えた装置において、 介護用パンツの腰回り部と足回り部に、排泄時又は排泄
    物洗浄時に肌に密着する肌密着帯を備えると共に、この
    肌密着帯にパンツ外部からパンツ内部へ一方向の通気を
    可能にする通気路を設けたことを特徴とする介護用パン
    ツ装置。
  5. 【請求項5】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共に、パンツ内部を洗浄
    する介護用パンツを備えた装置において、 着衣者の臀部に相当する箇所の左右対称位置に膨張袋を
    取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時に膨張袋内の圧力を
    調整して着衣者の姿勢を左右対称にすることを特徴とす
    る介護用パンツ装置。
  6. 【請求項6】 パンツ内部の排泄物を排出パイプ内に吸
    引してパンツ外部に排出すると共にパンツ内部を洗浄す
    る介護用パンツを含むと共に、着衣者の胴体部を被覆す
    る介護用着衣を備えた装置において、 少なくとも着衣者の背中部、臀部に相当する箇所の左右
    対称位置に膨張袋を取り付け、排泄時又は排泄物洗浄時
    に膨張袋内の圧力を調整して着衣者の姿勢を左右対称に
    することを特徴とする介護用着衣装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも着衣者の胴体部、腰部、股間
    部を被覆する介護用着衣を備えた装置において、 着衣者の背中部又は臀部に相当する箇所の左右対称位置
    に膨張袋を取り付け、膨張袋内の圧力を調整して着衣者
    の姿勢を中心線を軸にして左右に重心移動させることを
    特徴とする介護用着衣装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも着衣者の背中部又は臀部に相
    当する箇所の介護用着衣の内側に、人体表面に向かって
    上下動する複数の突起部を設けると共に、これらの突起
    部に圧力センサを設け、この圧力センサが所定の体重圧
    を検知すると、当該圧力センサに対応する突起部が上下
    動することを特徴とする介護用着衣装置。
  9. 【請求項9】 内素材と外素材により構成された介護用
    着衣を備えた装置であって、この内素材と外素材の間に
    人体表面に向かって上下動する複数の突起部を設け、介
    護用着衣の内部に送風する手段を設けたことを特徴とす
    る介護用着衣装置。
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