JP2001223525A - アンテナ装置およびその設計方法 - Google Patents

アンテナ装置およびその設計方法

Info

Publication number
JP2001223525A
JP2001223525A JP2000035025A JP2000035025A JP2001223525A JP 2001223525 A JP2001223525 A JP 2001223525A JP 2000035025 A JP2000035025 A JP 2000035025A JP 2000035025 A JP2000035025 A JP 2000035025A JP 2001223525 A JP2001223525 A JP 2001223525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna device
input
branch circuit
active element
branch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000035025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3588297B2 (ja
Inventor
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Toshihiro Seki
智弘 関
Toshikazu Hori
俊和 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2000035025A priority Critical patent/JP3588297B2/ja
Publication of JP2001223525A publication Critical patent/JP2001223525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3588297B2 publication Critical patent/JP3588297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】入出力端子に接続された信号を複数の分岐路に
分岐し複数の放射素子に供給するアンテナ装置につい
て、その構成を単純化して所望の放射パターンを実現す
ることができる装置およびその設計方法を提供する。 【解決手段】一つの入出力端子から複数の放射素子にい
たる分岐回路を含む信号通路の一部に、このアンテナ装
置に一体的に集積化され能動素子を介挿し、その介挿位
置およびまたはその実効利得を制御設定することにより
所望の放射パターンを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信用のアンテ
ナ装置に関する。本発明は、複数の放射素子および能動
素子が一つの誘電体基板に実装され集積化されたアンテ
ナ装置に関する。本発明は、本発明は複数の放射素子に
より形成される総合的な放射パターンの設計に関する。
本発明は、Ka帯衛星通信に利用するために開発された
めものであるが、これ以外の用途のアンテナ装置として
も広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】衛星通信装置では、電波資源を有効利用
するために、送信用アンテナ装置は目的とする方向に有
効な指向特性を持つように設計することが求められる。
これを国際標準により定めて、不要な方向への電波放
射、すなわちサイドローブを少なくすることが図られて
いる。このためには、例えば〔大塚他:Ku帯衛星通信
可搬端末用平面アンテナ、信学技報、SAT97-102,1997〕
に記載されたようなアンテナ装置放射パターン設計のた
めの技術が知られている。
【0003】一例を示すと、図7(a)のように一つの
誘電体基板の表面に多数の平面放射素子を配列形成した
アンテナ装置で、この放射パターンを狭くまたは鋭くす
るために、図7(b)に示すように放射素子の位置によ
り励振振幅を変更して、誘電体基板の中心に近い位置の
放射素子に対する励振振幅を大きくし、周辺位置の放射
素子に対する励振振幅を小さくするように設計する技術
がある。これを振幅分布型という。
【0004】この振幅分布型では、中心部では一つの給
電点から放射素子への電力分配比を大きくし、周辺に近
づくにしたがって放射素子への電力分配比を小さくする
ことによりこれを実現することができる。また、給電点
から放射素子までの信号通路に減衰素子を配置して、周
辺部に近づくにしたがってその減衰素子の実効的な減衰
量を大きく設定することにより構成することもできる。
【0005】また別の例では、誘電体基板の表面に形成
する平面放射素子の分布密度を中心付近で高くし、周辺
で低くするように設計する技術がある。これを密度分布
型という。この場合には各平面放射素子への供給電力を
均一にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記放射素子への電力
分配比を制御設定するものでは、不等電力分配器を用い
ることが必要になる。これには、複数のT分岐および方
向性結合器を組み合わせて構成するなどが必要であり、
電力分配器の回路寸法が大きくなる。しかも鋭い放射パ
ターンを形成するために放射素子の数が大きくすると、
分配比の大きい不等電力分配器が必要になる。とくに利
用周波数の高いものでは、定められた寸法内で所望の特
性のものを実現することが困難になる。
【0007】減衰素子を配置するものは、減衰素子によ
る電力損失があるから、アンテナ装置への入力電力に対
する有効な放射電力の割合が小さくなる。とくに、放射
素子の数が大きいアンテナ装置では、減衰素子による損
失量が大きくなる。
【0008】上で説明した分布密度型は、鋭い放射パタ
ーンを設計するには放射素子の数をきわめて多数にする
必要があり、アンテナ装置そのものが大型になる。
【0009】また、一つの給電点から放射素子の間の信
号通路に複雑な回路を多数設けると、その回路の特性ば
らつきなどから、理論的な設計値のとおりの特性が実現
できないことになる。一つの入出力端子から複数の放射
素子にいたる信号通路に、複雑な回路素子が介在する
と、その理論的な設計も煩雑になる。
【0010】このようなアンテナ装置が衛星通信用の地
上装置に利用される場合には、同一特性のアンテナ装置
を大量に製造することが必要であり、複雑な回路が挿入
される装置では、製造時の調整工数が大きくなり、製造
ばらつきが大きくなる欠点がある。
【0011】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、入出力端子に接続された信号を複数の分岐路に
分岐する分岐回路と、この分岐回路の分岐路側にそれぞ
れ接続された複数の放射素子と、を備えたアンテナ装置
について、その構成を単純化して所望の放射パターンを
実現することができる装置およびその設計方法を提供す
ることを目的とする。本発明は、所望の放射パターンを
実現するためにアンテナ装置の内部で電力損失を与える
ことがなく、供給電力に対する放射電力が大きいアンテ
ナ装置を提供することを目的とする。本発明は、実効的
に1を越えるアンテナ利得を有するアンテナ装置を提供
することを目的とする。本発明は、大量生産により均一
な製品を多数安価に製造することができるアンテナ装置
を提供することを目的とする。本発明は、回路構成が単
純化され、設計どおりの放射特性を有する装置を製造す
ることができるアンテナ装置および設計方法を提供する
ことを目的とする。本発明は、コンピュータ装置を利用
して、所望の放射パターンのアンテナ装置を単純に設計
もしくは設計変更することができる設計装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一つの入出力
端子から複数の放射素子にいたる分岐回路を含む信号通
路の一部(または全部)に、このアンテナ装置に一体的
に集積化され増幅素子を介挿して所望の放射パターンを
実現することを特徴とする。
【0013】すなわち本発明の第一の観点は、アンテナ
装置であって、一つの入出力端子(1)と、この入出力
端子に接続された信号を複数の分岐路に分岐する分岐回
路と、この分岐回路の分岐路側にそれぞれ接続された複
数の放射素子(3)と、前記分岐回路内の信号通路に介
挿された能動素子(5)とが一つのまたは複数の積層さ
れた誘電体基板に一体的に実装され、前記能動素子
(5)の前記分岐回路内の介挿位置およびまたはその能
動素子の実効利得により、前記複数の放射素子(3)に
よる総合的な放射パターンが設定されたことを特徴とす
る。上記括弧内の数字はあとから説明する実施例図面の
参照符号であって、発明の構成を理解しやすいように付
記するものであって、発明の範囲を実施例装置に限定し
て理解するためのものではない(以下同じ)。
【0014】このとき、分岐回路は一つの信号通路の信
号を二つの信号通路に分岐する二分回路(2)が複数個
順次接続されて構成され、前記放射素子(3)は前記誘
電体基板の表面に点対称または線対称に配置された多数
の同一形状の平面素子とすることが望ましい。
【0015】前記能動素子(5)は、入力信号を増幅す
る増幅素子とすることができるし、前記能動素子(5)
は、入力信号に同期して動作する発振素子とすることも
できる。
【0016】このような構成により、どの信号通路にど
のような実効利得を有する能動素子を配置するかによ
り、多数の放射素子の各々に対する供給電力を異なる値
に設定して、多数の放射素子により総合的に設定される
このアンテナ装置の放射パターンを所望の形に設定する
ことができる。
【0017】前記能動素子(5)は、前記二分回路
(2)の信号通路に配置することとし、その能動素子は
多数の素子について利得が1を越える均一な特性の素子
として、その能動素子がその信号通路に縦続的に配置さ
れる個数によりその信号通路の実効利得が設定されるよ
うにすることが望ましい。このような構成により、回路
設計が単純化されるとともに、均一な処理操作により所
望の利得の能動素子を形成することができる。
【0018】前記能動素子(5)は、前記誘電体基板の
中央部近傍の配置密度が周辺部の配置密度より大きく
(または小さく)なるように配置して、総合的な放射パ
ターンを単純に設計することができる。
【0019】本発明のアンテナ装置は、能動素子を内蔵
するので実効的にその利得が1より大きいアンテナ利得
をもつように設計することができる。
【0020】本発明のアンテナ装置は、送信用装置とし
ても受信用装置としても利用することができる。すなわ
ち、能動素子(5)を増幅素子として、その増幅素子の
向きを入出力端子(1)の側を入力とし放射素子(3)
の側を出力とするように構成すると送信用装置となる。
また、能動素子(5)を増幅素子として、その増幅素子
の向きを放射素子(3)の側を入力とし入出力端子
(1)の側を出力とすることにより受信用アンテナ装置
となる。
【0021】本発明は、上記のようなアンテナ装置を異
なる利用周波数について二系統の装置を一つに集積実装
した構成とすることができる。このとき、一方の系統を
送信用、他方の系統を受信用として利用することができ
る。
【0022】本発明の第二の観点は、アンテナ装置の設
計方法である。本発明は、一つの入出力端子と、この入
出力端子に接続された信号を複数の分岐路に分岐する分
岐回路と、この分岐回路の分岐路側にそれぞれ接続され
た複数の放射素子と、前記分岐回路内の信号通路に介挿
された能動素子とが一つの誘電体基板に実装されたアン
テナ装置の設計方法であって、前記能動素子の前記分岐
回路内の介挿位置およびまたはその能動素子の実効利得
をパラメタとして、すなわち前記能動素子の前記分岐回
路内の介挿位置およびまたはその能動素子の実効利得を
変更、選択、設定する要素として、そのアンテナ装置の
放射パターンを設計することを特徴とする。
【0023】本発明の第三の観点は、アンテナ装置を設
計するための演算処理装置である。すなわち本発明は、
一つの入出力端子と、この入出力端子に接続された信号
を複数の分岐路に分岐する分岐回路と、この分岐回路の
分岐路側にそれぞれ接続された複数の放射素子と、前記
分岐回路内の信号通路に介挿された能動素子とが一つの
誘電体基板に実装されたアンテナ装置について、前記複
数の放射素子の各放射パターンを空間的にベクトル合成
した放射パターンを演算する手段と、前記能動素子の前
記分岐回路内の介挿位置およびまたはその能動素子の実
効利得をパラメタとして、前記放射パターンがシミュレ
ーション結果として出力される演算処理手段とを備えた
設計装置である。
【0024】さらに本発明の第四の観点は、前記演算処
理装置を実現するためのコンピュータ・ソフトウエアが
記録された記録媒体である。この記録媒体に記録された
コンピュータ・ソフトウエアを所定の規模および性能を
有するパーソナル・コンピュータにインストールするこ
とにより、前記設計装置を実現することができる。
【0025】本発明のアンテナ装置は、その構成を単純
化することができるから、このような設計方法を採り、
このような演算処理を実効するプログラムを利用して、
コンピュータ上でアンテナ装置の放射特性パターンを設
計することができる。このような設計を行うことによ
り、製造された製品により実現された特性と設計値との
比較は単純にかつ高い精度で行うことができるから、こ
の演算処理プログラムに製造された製品に生じる特性の
相違を簡単に反映し修正することが可能になる。
【0026】本発明のアンテナ装置は、構成が単純化さ
れるので、コンピュータ装置を利用して放射パターンの
シミュレーションを行うことができる。このシミュレー
ションにより所望の放射パターンのアンテナ装置を設計
することができる。
【0027】本発明により設計されたアンテナ装置は、
その構成が単純化されているから量産に適するととも
に、集積回路加工技術により、均一な製品を多量に安価
に製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】(第一実施例)図1および図2は
本発明第一実施例装置の構成図である。図1は立体構造
を示す斜視図であり、図2は平面図である。いずれも構
造を理解しやすいように、模式化して描かれている。こ
の装置は二つの誘電体基板11および12が積層化され
て形成された構造であり、上側の誘電体基板11には放
射素子3が配置され、下側の誘電体基板12にはこの放
射素子3に対する信号通路が配置される。放射素子3は
それぞれ正方形の平面放射素子であり、誘電体基板11
の表面には一般的な表現でm行n列に配列される。図2
は具体例として4行4列として描かれている。この上側
の誘電体基板11および下側の誘電体基板12との間に
は、図に描かれていないビアホールが形成されて相互に
電気的に連結される。
【0029】この実施例装置は、一つの入出力端子1
と、この入出力端子1に接続された信号を複数の分岐路
に分岐する分岐回路とを備える。この分岐回路は、多数
の二分回路2が順次枝状に接続されて構成された構造で
あり、その二分回路の最終枝はそれぞれ放射素子3に接
続される。
【0030】ここでこの装置の特徴とするところは、こ
の二分回路の枝となる信号通路のところどころに、能動
素子5が介挿されていることにある。能動素子5は、こ
の例では入出力端子側を入力とする増幅素子である。各
能動素子5にはそれぞれ利得がある。この例では入出力
端子1から放射素子3にいたる信号通路には、各放射素
子3について1個だけ能動素子5が介挿されることにな
っている。したがって、この能動素子5の利得をそれぞ
れ変更する、あるいは異なる利得のものを配置すること
により、異なる放射パターンを設定することができる。
また本発明の構成では、放射素子3のそれぞれに能動素
子5を配置するのではなく、複数の放射素子3に対する
共通の信号通路に能動素子5が配置されるから、能動素
子5の総数を少なくすることができる。
【0031】これらの能動素子5にはそれぞれ駆動電流
が供給される。これは装置の裏面13に設けた駆動電流
供給回路から貫通孔を介して配線される構造になってい
る。この構造をこの図面に表すと複雑になるので、この
図面では駆動電流供給回路の記載を省略してある。
【0032】(第二実施例)図2は本発明第二実施例装
置の構造図である。この例は上述の図1(b)で説明し
た第一実施例装置の構造と比べると、能動素子5の配置
位置が異なる。すなわち、この第二実施例装置では、能
動素子5が入出力端子1からはじめの二分回路2にいた
る信号通路に1個介挿され、この二分回路2から右折し
た信号通路に1個介挿され、さらに二分回路2を通過し
て右折した信号通路に1個介挿され、さらにもう一度二
分回路2を通過して右折した信号通路に1個介挿されて
いる。したがって、この装置の16個の放射素子のうち
図の下半分にあたる8個の放射素子については能動素子
を1回通過した信号で励振され、左上の4個の放射素子
については能動素子を2回通過した信号で励振され、右
上の2個の放射素子については能動素子を3回通過した
信号で励振され、右上の二段目にある2個の放射素子に
ついては能動素子を4回通過した信号で励振される。
【0033】この例では能動素子5は均一に実効利得は
2(3dB)であり、各能動素子5はその入力に現れた
信号を増幅して出力に送出する。そして、この能動素子
5が介挿された信号通路に接続された放射素子3は大き
い電力の信号を空間に放射する。その信号通路に1回だ
け能動素子5が介挿された放射素子からは3dB高い電
力が放射される。2回能動素子5が介挿された放射素子
からは6dB高い電力が放射される。したがって多数の
能動素子5が入出力端子1に入力する信号により同時に
励振されると、その多数の能動素子5によりそれぞれ放
射される電力は空間で合成され、この能動素子5の位置
と数にしたがって、その放射パターンは、すべての能動
素子を均一な電力で励振した場合の放射パターンとは違
ってくることになる。
【0034】この放射パターンは、1個の放射素子の形
状から1個の放射素子による放射パターンを知り、これ
を複数の放射素子が配列されたときの放射パターンとし
て合成することができる。すなわち、その放射素子の配
列の形態からこれを知ることができる。さらにそれぞれ
の放射素子を励振する信号の電力および位相が異なる場
合にも、それぞれこれを与えることにより、合成放射パ
ターンを計算により求めることができる。これを2個、
4個、など少ない数の放射素子について試験し、その計
算値との一致を確認することにより、これを数多い放射
素子を利用する場合に拡大することができる。試験値と
計算値にずれが生じる場合には、それを補正値として認
識し総合的な放射パターンをそのずれに応じて補正する
ことができる。
【0035】このようにして、例えば4×4個の放射素
子を配列した場合について、所望の放射パターンを設計
することができる。これを図形的に認識することができ
るコンピュータ・ソフトウエアに構成することにより、
能動素子の介挿位置とその実効利得をパラメタとして与
え、アンテナ装置全体の放射パターンを画面上で認識し
ながら設計することができる。このような設計を行うこ
とにより、アンテナ装置の放射パターンの設計自由度が
大幅に拡大される。そして、本発明のアンテナ装置は、
能動素子を内蔵するのでその総合的なアンテナ利得を1
より大きく設計することが可能になる。
【0036】この構造により、図1に示す第一実施例と
は同じ16個の放射素子および4個の能動素子を備えた
構成であっても、その総合的な放射パターンは異なるも
のになる。
【0037】上記説明では能動素子は、その特性が一種
類であるとしたが、これは二種類の特性の能動素子を混
ぜて利用することもできる。さらに多くの種類の能動素
子を併せて使用することもできる。
【0038】この構造では、能動素子5が縦続的に接続
される回路に、整合をよくするためにインピーダンス変
換回路を必要とする場合があるが、これはこの図面には
記載を省略する。
【0039】(第三実施例)図3は第三実施例装置の構
造図である。この装置は16×16個の放射素子を平面
的に配列した例であり、実用装置として適用される装置
に実施するものである。この実施例では、放射素子を図
面から省きその信号通路のみを表示する。そして、能動
素子5はこの放射素子が形成された平面の中心点に点対
称に配置され、しかも中心部の放射素子に対して密度が
高くなり、周辺部の放射素子に対して密度が低くなるよ
うに配置介挿される。この例でもインピーダンス変換回
路の記載は省略する。
【0040】この構成により中心部の放射素子が高い電
力で励振されるから、総合的な放射特性としてサイドロ
ーブが急峻に切り取られた特性を実現することができ
る。特性測定結果については後で説明する。
【0041】(第四実施例)図4は本発明第四実施例装
置の構造図である。この例も上記第三実施例と同様に中
心部の励振電力を大きく周辺部の励振電力を小さくする
ように、能動素子5の位置を定めた例であるが、上記第
三実施例とはその介挿位置が異なり、放射パターンの形
状も異なるものとなる。
【0042】(第五実施例)図5は本発明第五実施例装
置の構造図である。(a)は斜視図、(b)は断面構造
図である。この例は二つの異なる利用周波数について一
つのアンテナ装置を構成する例である。放射素子3Lは
低い周波数のためのものであり、放射素子3Hは高い周
波数のためのものであり、ともに表面の送出に形成され
る。符号2で示す層には分岐回路が形成される。符号8
で示す層は接地電位の層である。低い周波数用の能動素
子5Lおよび高い周波数用の能動素子5Hは、最も下側
の誘電体層9に配置される。上下の層の間にはスルーホ
ール10が形成され必要な接続が行われる。
【0043】この構造でも、能動素子5Lまたは5Hを
介挿する位置を選択設定することにより、放射パターン
を設定することができる。この例では、低い周波数およ
び高い周波数で別の放射パターンを設定することができ
る。また、低い周波数と高い周波数でその能動素子の接
続向き(入力と出力の向き)を違えることにより、低い
周波数は送信用、高い周波数は受信用、というように利
用することができる。この場合に、送信用の周波数はそ
の放射パターンを鋭く形成し、受信用の周波数はその放
射パターンを鈍く形成することができる。
【0044】(特性例)図6に本発明実施例装置の放射
パターンの測定例を示す。図6(a)は本発明実施例、
同(b)は比較例である。図6(a)は、上で説明した
第三実施例について、16×16個の放射素子を平面的
に配置し、中心部の励振電力が大きくなるように能動素
子を配置したときの、直交する二つの電界面E面および
H面のサイドローブをそれぞれ測定し、これを電力比で
表示したものである。図6(b)は同一の放射素子の構
成で、介挿する能動素子の実効利得を1に設定したとき
の、E面およびH面のサイドローブの測定結果である。
本発明によりサイドローブが減少した様子が理解でき
る。
【0045】
【発明の効果】本発明により、入出力端子に接続された
信号を複数の分岐路に分岐し複数の放射素子に供給する
アンテナ装置について、その構成を単純化して所望の放
射パターンを実現することができる装置およびその設計
方法を提供することができる。本発明により,実効的に
1を越えるアンテナ利得を有するアンテナ装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例装置の構造図。(a)は斜視
図、(b)は上面図。
【図2】本発明第二実施例装置の構造を説明する上面
図。
【図3】本発明第三実施例装置の構造を説明する上面
図。
【図4】本発明第四実施例装置の構造を説明する上面
図。
【図5】本発明第五実施例装置の構造図。(a)は斜視
図、(b)は断面図。
【図6】本発明実施例装置の特性図。(a)は実施例装
置特性図、(b)は比較例。
【図7】従来例装置の説明図。
【符号の説明】
1 入出力端子 2 二分回路 3 放射素子 5 能動素子 8 接地電位 9 誘電体層 10 スルーホール 11、12 誘電体基板 13 裏面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 俊和 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA09 AB06 CA06 FA26 FA32 GA08 HA05 JA07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの入出力端子と、この入出力端子に接
    続された信号を複数の分岐路に分岐する分岐回路と、こ
    の分岐回路の分岐路側にそれぞれ接続された複数の放射
    素子と、前記分岐回路内の信号通路に介挿された能動素
    子とが誘電体基板に一体的に実装され、 前記能動素子の前記分岐回路内の介挿位置およびまたは
    その能動素子の実効利得により、前記複数の放射素子に
    よる総合的な放射パターンが設定されたことを特徴とす
    るアンテナ装置。
  2. 【請求項2】前記分岐回路は一つの信号通路の信号を二
    つの信号通路に分岐する二分回路が複数個順次接続され
    て構成され、前記放射素子は前記誘電体基板の表面に点
    対称または線対称に配置された請求項1記載のアンテナ
    装置。
  3. 【請求項3】前記放射素子は同一形状の平面放射素子で
    あり、この平面放射素子が一つの平面上に多数個点対称
    または線対称に配置された請求項2記載のアンテナ装
    置。
  4. 【請求項4】前記二分回路の信号通路に前記能動素子が
    介挿された請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 【請求項5】前記能動素子は、その利得が1を越える均
    一な特性の素子であり、その能動素子が前記信号通路に
    縦続的に配置される個数によりその信号通路の実効利得
    が設定される請求項3記載のアンテナ装置。
  6. 【請求項6】前記能動素子は、前記誘電体基板の中央部
    近傍の配置密度が周辺部の配置密度より大きくなるよう
    に配置された請求項5記載のアンテナ装置。
  7. 【請求項7】前記能動素子は、入力信号を増幅する増幅
    素子である請求項1記載のアンテナ装置。
  8. 【請求項8】前記能動素子は、入力信号に同期して動作
    する発振素子である請求項1記載のアンテナ装置。
  9. 【請求項9】前記増幅素子の向きは前記入出力端子の側
    を入力とし前記放射素子の側を出力とするように設定さ
    れた請求項1記載のアンテナ装置。
  10. 【請求項10】前記増幅素子の向きは前記放射素子の側
    を入力とし前記入出力端子の側を出力とするように設定
    された請求項1記載のアンテナ装置。
  11. 【請求項11】請求項1記載のアンテナ装置であって、
    異なる利用周波数について二系統の装置が一つに集積実
    装されたことを特徴とするアンテナ装置。
  12. 【請求項12】一つの入出力端子と、この入出力端子に
    接続された信号を複数の分岐路に分岐する分岐回路と、
    この分岐回路の分岐路側にそれぞれ接続された複数の放
    射素子と、前記分岐回路内の信号通路に介挿された能動
    素子とが一体的に実装されたアンテナ装置の設計方法に
    おいて、 前記能動素子の前記分岐回路内の介挿位置およびまたは
    その能動素子の実効利得をパラメタとしてそのアンテナ
    装置の放射パターンを設計することを特徴とする設計方
    法。
  13. 【請求項13】一つの入出力端子と、この入出力端子に
    接続された信号を複数の分岐路に分岐する分岐回路と、
    この分岐回路の分岐路側にそれぞれ接続された複数の放
    射素子と、前記分岐回路内の信号通路に介挿された能動
    素子とが一体的に実装されたアンテナ装置について、前
    記複数の放射素子の各放射パターンを空間的にベクトル
    合成した放射パターンを演算する演算手段と、前記能動
    素子の前記分岐回路内の介挿位置およびまたはその能動
    素子の実効利得をパラメタとして、前記放射パターンが
    シミュレーション結果として出力される演算処理手段と
    を備えたことを特徴とする設計装置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の演算手段および演算
    処理手段がコンピュータ・プログラムとして記録された
    機械読取可能な記憶媒体。
JP2000035025A 2000-02-14 2000-02-14 アンテナ装置 Expired - Fee Related JP3588297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035025A JP3588297B2 (ja) 2000-02-14 2000-02-14 アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035025A JP3588297B2 (ja) 2000-02-14 2000-02-14 アンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001223525A true JP2001223525A (ja) 2001-08-17
JP3588297B2 JP3588297B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=18559284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000035025A Expired - Fee Related JP3588297B2 (ja) 2000-02-14 2000-02-14 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3588297B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009290654A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Nippon Dengyo Kosaku Co Ltd アンテナ装置
JP2010509823A (ja) * 2006-11-10 2010-03-25 クインテル テクノロジー リミテッド 電気的傾斜制御を有する位相配列アンテナシステム
KR101343991B1 (ko) 2012-11-22 2013-12-24 블루웨이브텔(주) 풋프린트 시뮬레이션을 이용한 안테나 설계 시스템
JP2019508920A (ja) * 2015-12-17 2019-03-28 ヒューマティクス コーポレイション 無線周波数定位技術、並びに関連システム、装置、及び方法
KR20190131666A (ko) * 2018-05-17 2019-11-27 인천대학교 산학협력단 간접 급전형 5g용 광대역 안테나
JP2020014231A (ja) * 2016-09-01 2020-01-23 ウェハー エルエルシーWafer Llc ソフトウェア制御アンテナの作製方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010509823A (ja) * 2006-11-10 2010-03-25 クインテル テクノロジー リミテッド 電気的傾斜制御を有する位相配列アンテナシステム
US9252485B2 (en) 2006-11-10 2016-02-02 Quintel Technology Limited Phased array antenna system with electrical tilt control
US10211529B2 (en) 2006-11-10 2019-02-19 Quintel Technology Limited Phased array antenna system with electrical tilt control
JP2009290654A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Nippon Dengyo Kosaku Co Ltd アンテナ装置
JP4611401B2 (ja) * 2008-05-30 2011-01-12 日本電業工作株式会社 アンテナ装置
KR101343991B1 (ko) 2012-11-22 2013-12-24 블루웨이브텔(주) 풋프린트 시뮬레이션을 이용한 안테나 설계 시스템
JP2019508920A (ja) * 2015-12-17 2019-03-28 ヒューマティクス コーポレイション 無線周波数定位技術、並びに関連システム、装置、及び方法
US11688929B2 (en) 2015-12-17 2023-06-27 Humatics Corporation Radio-frequency localization techniques and associated systems, devices, and methods
JP2020014231A (ja) * 2016-09-01 2020-01-23 ウェハー エルエルシーWafer Llc ソフトウェア制御アンテナの作製方法
JP7045080B2 (ja) 2016-09-01 2022-03-31 ウェハー エルエルシー ソフトウェア制御アンテナの作製方法
KR20190131666A (ko) * 2018-05-17 2019-11-27 인천대학교 산학협력단 간접 급전형 5g용 광대역 안테나
KR102079811B1 (ko) 2018-05-17 2020-04-07 인천대학교 산학협력단 간접 급전형 5g용 광대역 안테나

Also Published As

Publication number Publication date
JP3588297B2 (ja) 2004-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4213132A (en) Antenna system with multiple frequency inputs
TWI806070B (zh) 用於無線收發器用多波束波束成形前端架構的系統及方法
US4101901A (en) Interleaved antenna array for use in a multiple input antenna system
US11469517B2 (en) Antenna modules for phased array antennas
JP6849086B2 (ja) アンテナモジュールおよび通信装置
US7688265B2 (en) Dual polarized low profile antenna
US11342668B2 (en) Cellular communication systems having antenna arrays therein with enhanced half power beam width (HPBW) control
CN110911834B (zh) 一种可实现左右旋圆极化切换的相控阵天线
JPH06232621A (ja) アクティブ送信フェーズドアレイアンテナ
US11652267B2 (en) Phased array architecture with distributed temperature compensation and integrated up/down conversion
JP4226373B2 (ja) スパイラル形に巻かれた直列給電型アレイアンテナ
JPH11127021A (ja) マルチビームフェーズドアレイアンテナシステム
JP6777273B1 (ja) アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置
US10840607B2 (en) Cellular communication systems having antenna arrays therein with enhanced half power beam width (HPBW) control
US20220115790A1 (en) Antenna module and antenna driving method
JP3588297B2 (ja) アンテナ装置
US20230187835A1 (en) MxN MILLIMETER WAVE AND TERAHERTZ PLANAR DIPOLE END-FIRE ARRAY ANTENNA
CN112186369A (zh) 三波束双极化阵列天线
Nakagawa et al. 28GHz active phased array antenna employing GaAs frontend module for massive MIMO in 5G
JP6305360B2 (ja) パッチアンテナ及びアレーアンテナ
JP6100075B2 (ja) アレイアンテナおよび無線通信装置
JP3410357B2 (ja) アンテナ装置
KR102290591B1 (ko) 밀리미터파 대역 무선 통신을 위한 스위치 빔포밍 안테나 장치
CN210744178U (zh) 一种可实现左右旋圆极化切换的相控阵天线
JP2003066133A (ja) レーダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees