JP2001221621A - 3次元形状測定装置 - Google Patents

3次元形状測定装置

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JP2001221621A
JP2001221621A JP2000386336A JP2000386336A JP2001221621A JP 2001221621 A JP2001221621 A JP 2001221621A JP 2000386336 A JP2000386336 A JP 2000386336A JP 2000386336 A JP2000386336 A JP 2000386336A JP 2001221621 A JP2001221621 A JP 2001221621A
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light
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distance
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measurement
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JP2000386336A
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Toshio Norita
寿夫 糊田
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対象物体の形状を測定する3次元形状測定装
置において、測定時の条件に関わりなく常に安定した測
定を行う。 【構成】 焦点距離fが36.7mmまでは3個、それ以
上では1個のレーザを用いる。さらに、焦点距離fとA
Fセンサの出力で決定される測定対象までの距離情報D
afから算出される像倍率β(=Daf/f)に応じて、距
離画像センサ出力に対してアナログ前処理回路内で与え
るアンプゲインを変化させることでも制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物体の3次元形状
を測定する3次元形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自然物や生体の計測、ロボットの視覚認
識など様々な産業分野において3次元情報が利用されて
いる。静止物体の形状を測定するのであれば計測に数秒
要しても特に問題とはならない。しかし、移動ロボット
の視覚認識のように動体の3次元計測を行う装置におい
ては、高速で精度よく3次元形状をを計測する装置が必
要となってくる。従来、物体の3次元形状の認識を行う
手段のうち、最も実用的な手段として光切断法がよく利
用されている。光切断法は図1に示すように対象物体に
参照光としてスリット状のレーザ光Sを照射し、スリッ
ト光Sに対応する対象物体1のスリット像をカメラの撮
像面上に捕える。すると、スリット上のある1点p'に
対応する対象物体上の点pの空間座標は、スリット光の
なす平面Sと、点p'と撮像装置のレンズの中心点Oと
を結ぶ直線Lとの交点の座標として求められる。このよ
うに、1枚の画像からスリット像上の各点に対応した物
体表面の点群の空間座標が求められ、スリット光の水平
方向の移動と画像入力を繰り返すことで対象物体全体の
3次元情報を獲得することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような3次元形状
測定において、測定装置と対象物までの距離や撮像光学
系の焦点距離等が常に同じ条件であれば、投光するレー
ザ光の強度を変更する必要はない。しかし、対象物まで
の距離や光学系の焦点距離が変化しても投光するレーザ
光の強度が常に同じであれば、受光素子に入射する光の
強度も変化する。具体的には、対象物までの距離が遠く
なるほど入射光は少なくなり、焦点距離が短くなるほど
投光する範囲が広くなるので強度としては弱くなってし
まう。
【0004】本発明はこれらの問題を解決し、測定条件
の変化に関わらず、常に安定した測定ができる3次元形
状測定装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、対象物体の形状を測定する3次元形状測定
装置において、対象物体に対して参照光を投光する投光
手段と、対象物体を測定するための光学系と、前記光学
系を通過した光を受光する受光手段と、前記投光手段か
ら投光される参照光の強度を測定条件に応じて変更する
制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】また、本発明の他の3次元形状測定装置
は、対象物体に対して参照光を投光する投光手段と、対
象物体を測定するための光学系と、前記光学系を通過し
た光を受光する受光手段と、前記受光手段により出力さ
れる信号に対して増幅を行う増幅手段と、前記増幅手段
による増幅率を測定条件に応じて変更する制御手段とを
有することを特徴とする。
【0007】
【実施例】以下に本発明に係る実施例を図面を参照しな
がら説明する。まず、図2に示すのは本発明に係る装置
全体の概略ブロック図である。本装置を大きく分ける
と、半導体レーザ5から出力されたレーザ光をスリット
状の光線として対象物体1に照射する投光光学系2、照
射されたレーザ光を画像用センサ24、12へ導く受光
光学系3があり、これら投光光学系、受光光学系は同じ
回転架台4上に配置されている。光学系以外にはセンサ
から出力される信号を処理してピッチズレ画像とカラー
画像を生成する信号処理系と、生成された画像を記録す
る記録装置から構成されている。図2に示す実線矢印は
画像信号、制御信号の電気的信号の流れを示し、破線矢
印は投光される光の流れを示している。なお、これら光
学系についての詳細な説明は後述する。
【0008】信号処理系の概略について説明すると、距
離画像用センサ12により得られた画像はスリット光投
光時画像18aとスリット光非投光時画像18bとの減
算を行い、その画像に対して入射光重心位置算出処理1
9、ピッチズレ情報算出処理20、ピッチズレ画像生成
処理21が行われる。得られたピッチズレ画像はNTS
C変換処理27により出力端子50へ出力したり、或い
は、ディジタルのままSCSI端子49や内蔵の記録装
置22へ転送したりして利用される。また、カラー画像
用センサ24により得られた画像は、アナログ処理25
を介してカラー画像生成処理26が行われる。得られた
カラー画像はNTSC変換処理28されて出力端子51
へ出力したり、或いは、ディジタルのままSCSI端子
49や記録装置22へ転送したりして利用される。
【0009】次に、装置全体の概略構成を示す斜視図を
図3に示す。本実施例では、スリット光の長さ方向に2
56点、スリットの走査方向に324点の距離情報を持
つ256×324の距離画像生成システムを一例として
説明する。LCDモニタ41はカラー画像センサ24に
より撮像されたカラー画像、或は本装置内外の記録装置
に記録されている3次元データ、或は各種の情報や選択
メニュー等の表示を行う。カーソルキー42、セレクト
キー43、キャンセルキー44は画像の選択やメニュー
から各種モードの設定等を行うための操作部材である。
45は投光・受光光学系の焦点距離を変化させるズーム
ボタンで、46はマニュアルで焦点合わせを行うMFボ
タンである。47は後述のシャッタモードでONするこ
とにより距離画像を取り込むシャッタボタンである。撮
像した画像の記録装置としては本装置内蔵の光磁気ディ
スク(以下、MOと称す)やミニディスク(以下、MD
と称す)等のドライブ装置48を装備している。端子4
9は画像等の信号をディジタルで入出力する端子でSC
SI等である。ピッチズレ画像出力端子50、カラー画
像出力端子51は画像をアナログ信号として出力する端
子で、例えばNTSC等のビデオ信号で出力する。
【0010】投光光学系は、水平方向に長いスリット光
を上下方向に走査するもので、半導体レーザ5からの光
は回転するポリゴンミラー7、コンデンサレンズ10、
投光用ズームレンズ11等を経て対象物体へ投影され
る。受光光学系は受光用ズームレンズ14、ビームスプ
リッタ15等を経て受光撮像面に配置された距離画像用
センサ12、カラー画像用センサ24で撮像を行う。な
お、これら光学系、撮像系の詳細な説明は後述する。
【0011】投光系からのスリット光は、距離画像用セ
ンサ12が1枚の画像蓄積を行う間に、定常回転してい
るポリゴンミラー7により距離画像用センサ12の1画
素ピッチ分ずつ下方に走査される。距離画像用センサは
この蓄積された画像情報を走査、出力を行うと共に次の
画像蓄積を行う。この1度の出力による画像からスリッ
ト光の長さ方向の256点の距離情報が算出可能とな
る。更にミラー走査、画像取り込みを324回繰り返し
行うことで256×324点の距離画像生成が行われ
る。
【0012】一本のスリット光に対して測定される対象
物体までの距離範囲は、測定最近距離、測定最遠距離に
制限があるため、そのスリット光が物体で反射して撮像
素子に入射する範囲はある範囲内に制限される。これ
は、投光系と受光系が基線長(長さl)だけ離れて設置
されているためである。これを図に示したものが図17
であり、距離画像用の撮像素子面に垂直な方向をZ軸と
している。dで示す破線の位置は測定基準面であり、素
子面からの距離がdである。
【0013】このため、まず測定装置においてはこの入
力された画像から256ラインでの受光されたレーザ光
の重心位置をオートフォーカスユニットからの物体距離
出力と投光するスリット光の方位、すなわち走査開始か
らの時間とに基づき決定される測定基準面からのズレ量
として演算を行う。このピッチズレ量の算出について図
4を参照して説明すると、まず、図4は対象物体面へ投
光されるスリット光により生成される光量分布を示して
いる。図の下方に示されている升目は距離画像用センサ
のそれぞれの素子が睨む領域を示していて、升目に手前
から1,2,3,4,・・・と番号を付す。極めて細い
スリット幅を持つスリット光がポリゴンミラー7の回転
により1画像蓄積間に距離画像用センサの1ピッチ分だ
け走査されるので、1画像入力時の光量分布は距離画像
用センサの1ピッチ分の幅を持つ矩形状の光量分布とな
る。
【0014】距離画像用センサの各画素について、それ
ぞれZ軸方向の距離情報を算出するためには、このよう
な1ピッチ幅の矩形光量分布であることが望ましい。光
量分布の幅が1ピッチ以上となった場合には計測される
距離情報は隣接する領域にまたがっている受光強度の荷
重平均として求められてしまい正確な距離情報は得られ
ない。
【0015】このような光量分布の下、図4で網点で示
している階段状の物体面が存在したとして、物体面に垂
直な方向からスリット光を投光したとする。細長い直方
体で示されているのはスリット光量分布で、斜線で示し
た領域は投光スリット像を表している。そして、投光系
光軸Oxaより左側に傾いた方向に受光系光軸Oxpを設け
た位置関係とすると、受光面での受光スリット光量分布
は後述のフィルタにより図5に示されるような分布とな
る。この受光光量には定常光成分が含まれないように、
レーザ光成分以外の定常光成分を除去するのが望まし
く、そのために、レーザ光が照射されていない状態と照
射状態の画像を入力し両者の差を用いる。下方に示され
た升目は距離画像用センサのそれぞれの素子領域を示し
ている。
【0016】距離画像用センサの前面には、受光される
スリット光の長さ方向には分解能を低下させることな
く、スリット光の幅方向には分解能を低下させる異方性
を持つ光学フィルタが配置されており、このフィルタに
より図5に示すようなガウス分布の光量分布が生じる。
この光量分布に対して、各列1,2,3,4,・・・内
の各センサからの光量分布の重心を求めることで画素ピ
ッチより細かな分解能で受光位置の算出を行うことがで
きる。このように、スリット光入射位置を検出するのに
センサに入射するスリット光の幅を細くせずにフィルタ
を用いて5〜6画素程度の幅のある分布としているの
は、入射するスリット光の幅が1画素の幅より細くなっ
てしまうと画素ピッチと同じ程度の位置検出分解能しか
得られないためである。
【0017】第1列に入射した光量分布D1から第1列
重心位置G1が求められ、同様に第2,3,4,・・・
の各列の重心位置G2,G3,G4,・・・を求めること
で各列毎に重心が算出される。図に示すように、投光系
光軸は物体面に垂直な方向であるが、受光系光軸は左に
傾いた方向であるので、図4の様な段差を有する対象物
体の場合、低い部分(第1、2列)の重心に対して高い
部分(第3、4列)は右側にずれた位置に重心が位置す
ることになる。なお、図5には、第1列の分布D1と第
4列の分布D4の2種類の分布しか示していないが、第
2列の分布D2は第1列の分布D1と同じで、第3列の分
布D3は第4列の分布D4と同じ分布となる。これらの光
量分布と重心位置の関係を平面的に示すと図6のように
なる。第1列と第2列の分布は同じであるため求まる重
心G1、G2は同じ位置として、第3列と第4列は同じ分
布であるため重心G3、G4は同じ位置として検出され
る。
【0018】このように1つのスリットに対する帯状画
像から256点の入射光位置が求められ、更に、324
の方位に投光されるスリットに対して同様の計算を行う
ことで324枚の画像が得られ、256×324点から
なるピッチズレ画像が得られる。得られたピッチズレ画
像はスリット光の位置情報のみの画像であり、これから
正確な距離画像を得るにはレンズ収差の補正等の詳細な
データのテーブルからのキャリブレーション(補正)が
必要となる。これは撮影レンズの焦点距離f、ピント位
置dから推測されるレンズ収差を算出し補正を行い、カ
メラに対する縦、横方向の歪みの補正を行う。これはカ
ラー画像についても同様の処理が行われる。このときに
必要なデータは各種測定レンズの情報、すなわち、焦点
距離f、ピント位置dである。本実施例のシステムで
は、キャリブレーションはコンピュータシステム上で行
い、本計測装置(図3に図示)とはSCSI等の端子を
介して接続する、或はMO等の記録メディアでデータを
共有できるようにする。
【0019】このように計測装置本体からはカラー画
像、ピッチズレ画像をSCSI等の端子からディジタル
信号として、或はNTSC等の出力端子からアナログビ
デオ信号として出力し、キャリブレーションに必要なデ
ータはSCSI等からディジタル信号としてコンピュー
タへ出力する。また、本体に内蔵しているMOやMD等
のドライブ装置48を使って記録媒体に記録する場合も
画像と各種のデータを記録する。
【0020】取り込まれたピッチズレ画像とカラー画像
は各種の撮影レンズ情報と共に計測装置と接続されたコ
ンピュータへ転送され、コンピュータでは転送されたピ
ッチズレ画像と撮影レンズ情報とから対象物体までの距
離の情報を持った距離画像にキャリブレーション、変換
を行う。キャリブレーションを行った後、ピッチズレ画
像については、焦点距離fとピント位置d、画面内の各
縦横位置、XY位置毎に記憶されたズレ量と計測距離と
の変換曲線を導きだし、その変換曲線に基づいてピッチ
ズレ画像を距離画像に変換する。
【0021】距離画像への変換については周知であり、
詳細には、電子情報通信学会研究会資料PRU91-113
[カメラの位置決めのいらない画像の幾何学的補正]小
野寺・金谷や、電子情報通信学会論文誌D-II vol. J74
-D-II No.9 pp.1227-1235,'91/9 [光学系の3次元モデ
ルに基づくレンジファインダの高精度キャリブレーショ
ン法]植芝・吉見・大島、などに開示されている。
【0022】次に、本発明に係る計測装置について詳細
に説明をする。まずは、光学系について説明する。図
1、図2に示しているように、距離画像撮像時において
は、対象物体1に対しスリット光照射装置(投光光学
系)2からスリット光Sが照射される。このスリット光
照射装置2は、発光源、例えば半導体レーザ5と集光レ
ンズ6およびポリゴンミラー7、シリンドリカルレンズ
8、コンデンサレンズ10、投光用ズームレンズ11の
光学系により構成される。ポリゴンミラー7は、これに
限らず、例えば共振ミラー、ガルバノミラー等の回転ミ
ラーでもよい。
【0023】シリンドリカルレンズ8は、凸面側が球形
ではなく円柱形であるため、焦点を結ばず、円柱軸に平
行な焦線を結ぶレンズである。ポリゴンミラー7は回転
軸の回りに多数のミラーで形成したもので、回転するこ
とによって入射する光を各ミラー面ごとに一方向に次々
と走査するものである。
【0024】投光光学系の構成を図7に示し説明する。
図7(a)は投光系の側面図であり、図7(b)は上面
図である。なお、図7(b)では図示すると重なる構成
は一部省略している。図7(a)では、スリット光は紙
面に垂直な方向に長さを有していて、半導体レーザ5か
らコンデンサレンズ10までの実線で描かれたものは光
路を示しており、コンデンサレンズ10以降はスリット
光が再結像される位置を示すための作図線を破線で示し
ている。図7(b)では、スリット光は図面の上下方向
に長さを有していて、半導体レーザ5からシリンドリカ
ルレンズ8までの実線で描いたものは光路を示し、コン
デンサレンズ10以降は再結像される位置を示すための
作図線を破線で示している。シリンドリカルレンズ8と
コンデンサレンズ10の間の1点鎖線で示したものは、
ほぼ点状で進んできたレーザ光がシリンドリカルレンズ
8によって幅のあるスリット光に変換される様子を模式
的に示したものである。そして図7(a)、図7(b)
で左端に縦方向の直線(2点鎖線)で示されている位置
にスリット光が再結像する。
【0025】コリメータレンズ6(図2の集光レンズ6
に対応)は、半導体レーザ5の出力光(例えば発光波長
670nm)をコンデンサレンズ上に集光させるレンズパ
ワーを有している。このコリメータレンズ6を通過した
レーザ光はポリゴンミラー7によりスリット光の長さ方
向と垂直な向きに偏向を行う。この偏向により物体面上
でスリット光の走査が可能となる。ポリゴンミラー7に
より偏向されたレーザ光は、まず、fθレンズ29に入
射する。このfθレンズ29は、ポリゴンミラー7の一
定の回転速度に対して物体面上でのスリット光移動速度
が非線形となるので非線形成分を補正するために配置さ
れているレンズである。次に配置されているコリメータ
レンズ30はコンデンサレンズ10に入射する光束をポ
リゴンミラー7によって走査された方向からコンデンサ
レンズに垂直な方向に向け、投影効率の向上をはかるた
めのものである。レーザ光はシリンドリカルレンズ8に
よって水平方向(図7(a)では紙面に垂直な方向)に
長さのあるスリット光に変換され、コンデンサレンズ1
0の瞳面上に集光されて結像し極めて幅の狭いスリット
光として物体に投光される。
【0026】投光用ズームレンズ11のイメージプレイ
ン(結像面)10p上に配置されたコンデンサレンズ1
0で一度結像したスリット光は、投光用ズームレンズ1
1を通過して、対象物体に対して投光される。結像面の
大きさは、例えば1/2インチ、1/3インチ等撮像素
子のサイズに合わせてあり本実施例では1/2インチと
している。このスリット光はシリンドリカルレンズ8で
生成された水平方向に長さを持ち、投光されたスリット
光の長さ方向と垂直方向にポリゴンミラーの回転に従い
高速で走査される。この時、投光用ズームレンズの焦点
位置は撮像系に設けられたオートフォーカスセンサ31
からの信号に基づいてAF駆動系17により、対象物体
面までの距離に応じて撮像系と同値、同時に制御され
る。オートフォーカスセンサ31は、スチルカメラで一
般に用いられているものと同様のものである。また、焦
点距離についても撮像系と同値、同時に、ユーザあるい
はシステムからの操作に基づき制御される。
【0027】ポリゴンミラー7は、ポリゴンミラー駆動
モータ、ポリゴンミラー駆動ドライバーからなる投光走
査駆動系9に接続されており、これらによって回転制御
されている。また、33は、コンデンサレンズ10横に
配置されたフォトダイオードを用いた走査開始センサ
で、レーザ走査が安定に達したか否か、走査開始タイミ
ングをモニタするものである。
【0028】この投光系はズーム機能を備えており、対
象物体1に対し、必要な倍率に調整することが可能にな
る。ズーム機能には、ユーザが任意に画角を選べるパワ
ーズーム(PZ)と、予め設定された画角に自動で合わ
すオートズーム(AZ)の2つの機能を備えている。受
光光学系3のズーミングに対し、投光光学系2は常に画
角が一致するようにAZ駆動系16により制御され、常
に光学的倍率が等しくなるようにズーミングを行う。ズ
ーミングによるスリット光投光の関係は図8の模式図を
参照すると式(1)〜(3)のようになる。 θ=α1×1/f (1) φ=α2×1/f (2) ψ=α3×1/f (3) 投光系のある1点を基準として、θは一列の256点の
ピッチズレ画像を得るため1枚の画像を積分する間に極
めて細いスリット光が移動する角度、φは対象物体上の
スリット光の長さを表す角度、ψは対象物体上でのスリ
ット光の324回の総走査角度で、スリット光は実線で
示す位置から矢印の方向へ走査され破線で示す位置まで
移動する。fは投光レンズの焦点距離を表す。スリット
光の幅自体は可能な限り細く設定される。α1,α2,α
3は比例係数であり、これらの角度θ、φ、ψは焦点距
離fの逆数に比例する。
【0029】スリット光照射装置(投光光学系)2の垂
直方向に、スリット光照射装置2と基線長lだけ離れた
位置にカラー画像撮像系、距離画像撮像系を含む撮像装
置(受光光学系)3が一つの回転架台4上に配置されて
おり、この受光光学系の構成を図9に示す。受光光学系
3は撮像用ズームレンズ14、オートフォーカス用ユニ
ット31、ビームスプリッタ15、各種フィルタ61、
62、カラーCCD撮像素子24、距離画像用センサ1
2で構成されている。
【0030】受光した光は撮像系ズームレンズ14内に
配置されたビームスプリッタ14sで分割され、一部の
光はオートフォーカスユニット31に導かれる。このA
Fユニット31は物体面までの概略距離を測定し、投光
系、受光系レンズの焦点調節を行うため機能するもの
で、本実施例ではビデオカメラ、一眼レフカメラ等で用
いられているものを用いる。
【0031】撮像系ズームレンズ14内に配置されたビ
ームスプリッタ14sで分割されたもう一方の光束はさ
らに撮像系ズームレンズの後に配置されたビームスプリ
ッタ15で透過と反射の2光束に分割され、それぞれ距
離画像用センサ12とカラー画像用センサ24に導かれ
る。このビームスプリッタ15は距離画像用センサ12
に入射する光束として長波長成分、ここではレーザ波長
成分(670nm)を含む長波長成分としておよそ650
nmより長い波長成分を透過し、他の波長成分を反射する
光学特性を持つ。
【0032】反射された短波長成分は、可視光のほとん
どの波長成分を有するため、カラー情報に支障をきたす
ことは通常の場合はありえない。この反射された光束は
偽解像を防止するための水晶フィルタなどのローパスフ
ィルタ61を通過し、単板のカラー画像用センサ24上
に結像する。単板のカラー画像用センサ24はビデオカ
メラ等で用いられるCCD撮像素子で、素子上にRG
B、あるいは補色系のイエローYe、シアンCy、マゼ
ンタMg、グリーンGの色素フィルタがモザイク上に配
置され、色情報を抽出する撮像素子である。なお、グリ
ーンは輝度信号の代わりとして用いることができる。図
10に補色系カラー画像用センサで受光する光の波長帯
域を示す。カラー画像用撮像素子は、反射率hで示す特
性を持つビームスプリッタにより反射された波長領域の
光を受光する。曲線で示すのはイエローYe、シアンC
y、マゼンタMg、グリーンGの各色素フィルタ付き画
素の分光感度である。
【0033】一方、ビームスプリッタ15で透過された
長波長成分の光束は、レーザ光成分(波長670nm)の
みを抽出するために赤外光(Infrared Ray、以下IRと
称す)カットのフィルタを通過し、さらに水晶フィルタ
などのローパスフィルタを通過し距離画像用センサ12
上に結像する。図9に示す受光光学系構成図では、これ
らIRカット、ローパス両特性を一つのフィルタ62で
示している。図11に距離画像用センサ12で受光する
光の波長帯域(斜線部分)を示す。レーザ光の波長より
短波長領域はビームスプリッタ15(実線で示す透過
率)によって、長波長領域はIRカットフィルタ62
(破線で示す透過率)によってカットされている。
【0034】ここで用いられるローパスフィルタ62は
前述したカラー画像用の偽解像を防止する目的と異な
り、距離データ算出の際の受光レーザビーム位置の撮像
素子ピッチより細かな分解能で検出するための補完機能
を持たすためのものである。そのため、カラー画像時の
ローパスフィルタ61の持つ等方性の光学特性とは異な
り、受光されるスリット光の長さ方向には分解能を低下
させることがなく、スリット光の幅方向には分解能を低
下させる異方性を持つ光学特性を持つことが望ましい。
こうした光学特性を実現する手段として単層の水晶フィ
ルタやグレーティングなど回折を用いたローパスフィル
タを用いることができるが、このローパスフィルタはシ
ステム構成上必須のものではなく、後のセンサ出力に対
するアナログフィルタ、あるいはセンサ出力のディジタ
ル変換後のディジタルフィルタによってもその機能は代
行しうる。
【0035】次に、撮像素子12、24の走査について
説明する。図9の撮像素子12、24の横に並べて図示
している12p、24pは説明のために12、24を平
面図で示した撮像素子である。CCD撮像素子は、一般
に、水平レジスタ12h、24hの長さ方向(水平方
向)の走査速度に対して、垂直方向の走査は低速であ
る。そのため、撮像素子24(24p)で得られるカラ
ー画像は通常、高速走査を行うCCDの水平転送ライン
の出力に応じてアナログ信号処理を行い、逐次NTSC
の信号に変換し、モニターへ画像出力可能である。この
同一のモニターにピッチズレ画像を出力しようとした場
合、カラー画像の水平走査方向と同じ方向、同じ位置順
に距離画像用データが生成されることが、位置の情報を
記憶しなくても済み必要となるメモリ容量の削減と共
に、メモリに要求する機能の単純化から望ましい。
【0036】そこで距離データ測定のために投光するス
リットの長さの方向はカラー画像用のイメージセンサの
高速走査方向、すなわち一般的には水平走査方向である
ことが望ましい。また、スリットの投光される走査方向
はカラー画像の垂直走査方向であることが望ましい。す
なわち、投光されるスリット光は上から下への走査とな
るのが望ましい。
【0037】そこで、本実施例のような測定対象をカラ
ー画像用センサ、距離画像用センサの2種の画像入力セ
ンサで捕える光切断法を用いた3次元形状測定装置、3
次元入力カメラにおいては、カラー画像用撮像素子の水
平走査方向にスリット長を持つスリット光を投光し、カ
ラー画像用撮像素子の垂直走査方向と同じ方向にスリッ
トを走査することによりメモリの削減と、メモリへの要
求事項の削減につながる。また、このようなスリット光
に対して距離画像用センサから帯状画像を高速に読み出
すには方向が制限され、距離画像用センサの高速走査の
できる水平方向はカラー画像用センサの水平走査方向と
平行な方向にする必要がある。つまり、これらのイメー
ジセンサと入射するスリット光の位置関係、走査方向関
係は図9に示すような関係となる。
【0038】上述のような撮像部の構成とした場合の光
学系において、以下に説明する2つの構成が新たに必要
となる。
【0039】まず、カラー画像、距離画像生成用画像を
同一レンズより入力するが、カラー画像用の波長から得
ることのできる光量と距離画像用の波長から得られる光
量に関係はないため露光光量制御をそれぞれ独立に行う
ことが必要となる。暗いところで、近い測定対象を計測
する場合は距離用の明度は高いものの、カラー画像用の
明度は低い。逆に明るいところで、遠い測定対象を計測
する場合は距離用の明度は低いものの、カラー画像用の
明度は高い。そこで、この受光ズームレンズにおいては
一般のレンズでの露出調整手段である絞りによる制御は
行わず、常に開放の状態に固定している。
【0040】カラー画像の露出制御はカラー画像用セン
サとして一般に用いられるFIT−CCD等が有する電
子シャッタ機能で蓄積時間による調整を行う。通常、カ
ラー画像用センサとして用いられるFIT−CCD等の
電子シャッタ機能は1/60〜1/10000秒の蓄積時間制御を
可能にしている。さらに広いダイナミックレンジを確保
するために、明るい屋外での使用条件下では、カラー画
像センサ直前には入射光の成分を変えずに透過光量を減
少させる機能を有するNDフィルタを挿入することによ
りセンサ入射光量を低下させ、距離画像用センサに入射
する光量の低下なしに、より高輝度状態での使用も可能
となる。
【0041】一方、距離画像用の露出制御は投光するレ
ーザの使用個数の制御、レーザへの供給電流の制御、レ
ーザから出力レンズまでの任意の光学位置でのNDフィ
ルタの挿入制御などによるレーザ強度の調整、あるいは
出力信号に供給するアンプゲインで出力レベルの調整を
行う。この制御はAF制御部より得られる測定対象まで
の距離情報Dafと測定条件下でのレンズの焦点距離fか
らレーザ強度制御値が決定される。図12にその制御マ
ップ例を示す。
【0042】通常、距離画像用センサの出力は測定対象
までの距離情報Dafの2乗に反比例する。また、焦点距
離fが短くなると照明を要する面積が拡大することから
距離画像用センサの出力信号は小さくなる。そこで本実
施例の装置においては、距離画像算出用データの出力レ
ベルは焦点距離に応じてレーザ個数が制御され、図12
に示す例では、焦点距離fが36.7mmまでは3個、そ
れ以上では1個のレーザを用いる。さらに、焦点距離f
とAFセンサの出力で決定される測定対象までの距離情
報Dafから算出される像倍率β(=Daf/f)に応じ
て、距離画像センサ出力に対してアナログ前処理回路内
で与えるアンプゲインを変化させることでも制御されて
いる。図示した例では、β=35〜50では1/2、β
=50〜75では1、β=75〜100では2、β=1
00〜200では4、のようにアンプのゲインを設定し
てる。この他には、近距離で焦点距離の長い望遠系での
測定においてJISに定める安全規格を越えるレーザ光
量を用いる場合には、レーザから出力レンズまでの任意
の光学位置でのNDフィルタの挿入による光量制御も有
効な手段である。
【0043】しかし、上記の制御による制御値で測定を
行っても良好な測定結果が得られない場合には、レーザ
光強度調整キーを設けキー操作によりレーザ強度の調整
をする、あるいはセンサ蓄積時間の変更を行う等の手段
を用いることも可能である。また、その他の手段として
は、距離情報とカラー画像から得られる測定対象の推定
される反射率とから、得られる推定レーザ強度制御値を
もとにレーザプリ走査を行う方法がある。プリ走査時の
距離画像用センサの出力最大値を算出し、この値がA/
D変換のダイナミックレンジ内で収まり、かつ、後段で
の距離情報算出に充分な信号となるレーザ強度、イメー
ジセンサ蓄積時間の算出を行い、この算出された制御値
を基に距離画像の取り込みを行う。他には、AF用の補
助照明装置がある場合には、測定対象が存在すると考え
られる画面中央部に対してこの補助照明の照射によって
反射する光量をAF用センサで検出し、検出された反射
光量をもとにレーザ強度、イメージセンサ蓄積時間の算
出を行い距離画像の取り込みを行うことも可能である。
【0044】もうひとつは、異なる視点(位置)から投
光、受光を行うことで視差が生じてしまうため(図13
参照)これを解決するための手段が必要になる。イメー
ジプレインサイズ、焦点距離の同値である同一レンズ系
で投受光を行うと、特定の距離でしか視野の一致は起こ
らない(大きい矢印OBJ1で示す)。一致する距離に物体
が無い場合は投光されていない領域の3次元形状測定を
行うことになり、測定不能の領域が生じてしまう。例え
ば図13の小さい矢印OBJ2で表したような視野の一致し
ない位置にある物体を測定しようとすると、投光範囲と
受光範囲にずれが生じるため、矢印上端部が投光されて
いない範囲であるのに受光系は走査するという不具合が
生じる。
【0045】上記不具合への対応としては、以下の様な
構成により解決する。 (1)投光系の光軸の仰角を対象までの距離によって無
段階に変化させる(図14参照)。投受光系の焦点距離
は同値に設定し、オートフォーカス測定による対象物体
までの距離に応じて投光系の光軸(破線で示す)の仰角
を変化させることで固定された受光系の走査範囲に対応
させている。つまり、近距離であるほどパララックスの
影響が大きくなるため仰角を大きくし走査範囲をS1と
し、遠距離ほど仰角を小さくし走査範囲をS2とてい
る。なお、投光系光軸の変化は機械的な手段により変化
させる。
【0046】(2)投光レンズ系の投光直後に屈折率可
変のプリズムを設ける光学的手段により、投光系光軸の
仰角を対象までの距離に応じて連続的に変化させる。た
だし、投・受光系の焦点距離fは等しくとる。オートフ
ォーカス測定距離に応じて曲率を持ったプリズムを出し
入れすることで屈折率が変化し投光系光軸の仰角が変化
する。
【0047】(3)同一のイメージプレインサイズを持
つ光学系を用いて投光系の焦点距離faを受光系焦点距
離fpより小さくなるように制御する。あるいは、大き
なイメージプレインサイズを持つ光学系を投光系に用
い、投受光系焦点距離fa、fpが同値になるように制御
する。このような手段で受光系走査範囲に対して投光系
の走査範囲に余裕(受光系に対して1.5倍程度)をも
たせると同時に、対象物体までの距離を複数のゾーンに
ゾーン分けを行い、それぞれのゾーンに応じて投光系光
軸の仰角を段階的に変更する。例えば図15に示す例で
は、対象までの距離を2つのゾーンに分け、遠い側をゾ
ーンZ1、近い側をゾーンZ2としている。そして、ゾ
ーンZ1に該当する場合は投光系の光軸の仰角を所定の
角度だけ変更し、近距離側のゾーンZ2に該当する場合
はゾーンZ1のときよりも大きい角度の仰角変更を行
う。
【0048】(4)前記(3)と同様に投光系の走査範
囲に余裕(受光系の1.5倍程度)をもたせ、投光系光
軸の仰角は固定し、焦点距離fに応じて最近接測定距離
に制限を設定する。図16に示す例では、小さい矢印OB
J2が位置している距離より近い距離では受光範囲が投光
範囲外になる領域が生じるため、このときの距離を最近
接距離とする。
【0049】(1)、(2)の場合(図14)は視野は
完全に一致していると想定しているため、レーザの走査
開始と共に距離画像用センサの駆動を行い、画像の取り
込みを開始することができる。一方、(3)、(4)の
場合は図15、図16に示すように視野は一致しておら
ず投光系によるレーザの走査領域が広いため無駄な領域
が生じる。そこで、この無駄な領域を走査するのに要す
る時間をオートフォーカス算出基準距離から算出する。
走査は上から下へと進むので始めに無駄な領域があり、
走査開始から上記算出時間経過後に、マイコンは距離画
像用センサからのデータ取り込みを開始するようにす
る。この場合には、走査範囲が広いため(1)、(2)
の場合に比べて1.5倍程度のレーザ走査時間が必要と
なり、3次元形状入力時間がその分延びることになる。
【0050】また、このように投光系、受光系で異なる
仰角を持つため受光系光軸に垂直な物体面上では厳密な
等速でのレーザの移動は行われず、物体の下側に密、上
側に粗な移動となるが、この仰角自体が小さい角度であ
るためあまり問題とならず、センサの走査している垂直
方向の位置情報とピッチズレ量から距離情報への変換テ
ーブルを持つことでほぼ等方性を有する3次元計測は可
能である。
【0051】次に撮像系についての詳細な説明をする。
1本のスリットの投光された方向に対して、測定される
物体までの距離範囲に制限があれば、そのスリットの物
体での反射光を受光するセンサ上の位置はある範囲内で
制限される。この様子を図17に示す。
【0052】測定最遠距離をDf、測定最短距離をDnと
する。今、投光系から照射されるスリット光による切断
平面が、スリットAの場合、物体面で反射したスリット
光を受光する撮像素子面の範囲は、測定最近距離Dnと
スリットAとの交点PAnの3次元的位置が撮像素子上に
投影される点を図中最下点とし、測定最遠距離Dfとス
リットAとの交点PAfの3次元的位置が撮像系レンズ主
点位置を中心として撮像素子上に投影される点を図中最
上点とする撮像素子上の閉区間Arに限定される。投光
系、受光系の位置関係をそのままとして、同様にスリッ
ト光Bの場合も、測定最近距離DnとスリットBとの交
点PBnの投影される点を図中最下点とし、測定最遠距離
DfとスリットBとの交点PBfの投影される点を図中最
上点とする撮像素子上の閉区間Brに限定される。
【0053】このように、1本のスリット光投光による
256点の1列の距離データを生成するために、撮像素
子全範囲を走査するのではなくスリット光に対応した必
要な範囲だけを走査することができ、処理の高速化が可
能となる。
【0054】更に3次元形状データを生成する装置の高
速化をはかるために、この領域のみの帯状画像、例えば
256×16画素の素子画像のみを高速に出力する機能
が要求される。このような帯状領域の選択的読み出しを
可能とする高速駆動固体撮像素子として以下に述べる3
種の固体撮像素子を用いることができる。第1は、MO
S、CMD等のX−Yアドレス走査方式を持つ撮像素子
の読み出し開始アドレス設定機能を付加する構成である
(図18)。第2はCCD撮像素子等のアナログ転送
方式における読み出し転送路(一般には水平レジスタ)
への電荷転送時に並列に電荷排出機能を付加する構成で
ある(図19、図20)。第3は走査方式にかかわらず
帯状に分割したブロックをあらかじめ設定し、ブロック
毎に出力機能を持たせ、その並列出力を用いる構成であ
る(図21)。
【0055】第1の構成としてX−Yアドレス走査方式
センサの構成を図18に示す。通常、各画素の走査は垂
直走査回路61と水平走査回路62のマトリクス配置さ
れたスイッチで行われる。この垂直走査回路61、水平
走査回路62はディジタルシフトレジスタで構成され、
垂直走査の1シフト信号入力に対して水平シフト信号の
256シフト信号を入力することにより1行(256画
素)を走査することができる。本実施例においてはこの
垂直走査回路61に対してレジスタ初期値である走査開
始セット信号を供給する走査開始セットレジスタ63を
設置することで帯状のランダムアクセス読み出しを実現
する。走査開始セットレジスタ63へは走査開始位置を
表す信号sgn1、sgn2を入力することでどの位置の帯状画
像を読み出すかを指示する。
【0056】また、画素数が増加するとこの走査開始セ
ット信号のビット数が増えてしまい、入力ピンの増加が
起こるため、走査開始セット信号のデコーダ64を配置
するのが望ましい。そして、読み出し開始時に走査開始
セットレジスタ63の内容を垂直走査回路61に並列転
送することで走査開始位置(行)がセットされたことに
なる。この後、水平走査を256回行うことで所望の行
からの信号が得られる。続いて、垂直走査の1シフト信
号入力、水平方向の256シフト信号入力を行い、次の
行の信号を読み出し、これを繰り返すことで所望の帯状
領域の画像の読み出しを行う。以上の動作を行うことで
所望の帯状領域のみの走査が実現され、全領域の走査を
行う時間よりはるかに短い時間(読み出し行数/全領域
行数)で必要な走査が完了する。
【0057】一度読み出された領域はリセットされ次の
蓄積を開始しているが、読み出されなかった領域は電荷
の蓄積が継続して行れている。そのとき、次回の読み出
しが同じ領域なら問題ないが、異なる領域を読み出す場
合、蓄積時間の異なる画像情報が混在することになる。
光切断を用いた3次元計測装置の場合、レーザスリット
の走査とともに読み出しが必要な帯状領域をシフトしな
がら読み出す必要が有る。そして重複して読み出される
領域の画像は前回読み出しから今回読み出しまでの積分
時間の画像が読み出されるが、読み出し領域のシフトに
ともない新規に読み出される領域の画像の積分は以前か
ら継続された画像となってしまう。そこで本実施例にお
いてはこの読み出し帯状領域を今回必要な領域と次回必
要な領域、両方を包含する領域に設定する。そうするこ
とで、次回入力に必要な領域については必ず前回に積分
がクリアされることになり、積分時間の異なる画素から
なる画像を取り込んでしまうという支障を回避すること
ができる。
【0058】次に、第2の構成としてCCD撮像素子の
インターライン転送の場合の構成を図19に、フレーム
転送の場合の構成を図20に示す。本実施例のCCD撮
像素子においては、この水平レジスタ66への並列電荷
転送を行う転送ゲートTGと並列に、電荷をオーバーフ
ロードレインODへ排出するための積分クリアゲートI
CGを設置することで、帯状のランダムアクセス読み出
しを実現している。
【0059】インターライン転送の場合、通常は、全領
域の画像蓄積が完了した時点ですべての画素の蓄積電荷
は受光部から転送領域に並列に移送される。この各画素
で発生した電荷の走査は垂直レジスタと、転送ゲートT
Gへの1シフト信号入力を行い、垂直レジスタの各電荷
を一段づつ並列に下方にシフトすると共に、最下の垂直
レジスタ内の電荷を水平レジスタ66へ読み出す。この
後、水平シフト信号の256シフト信号入力を供給する
ことにより一行の電荷を走査することができる。この動
作を行数(340行)だけ繰り返すことで全領域の読み
出しを行う。
【0060】本実施例においては、各画素で発生した電
荷を走査する段階で不要な行に発生した電荷は、垂直レ
ジスタ、積分クリアゲートICGへの1シフト信号入力
を供給することで、並列にオーバーフロードレインOD
へ排出する。読み出しの必要な行については通常の場合
と同様に垂直レジスタ、転送ゲートTGへの1シフト信
号入力を行い、垂直レジスタの各電荷を一段づつ並列に
下方にシフトすると共に、最下の垂直レジスタ内の電荷
を水平レジスタ66へ読み出し、この後、水平シフト信
号の256シフト信号入力を供給することにより一行の
電荷を走査する。以上のようにすることで、行単位のラ
ンダムアクセス機能が実現され、撮像素子の全領域の走
査を行う時間よりはるかに短い時間(読み出し行数/全
領域行数)で必要な走査が完了する。
【0061】図20に示すフレーム転送の場合、インタ
ーライン転送の場合の素子に比べて大きな構成になって
おり、上側は光電変換領域で下側は蓄積領域になってい
る。一般に蓄積領域は光電変換部と同数の画素を有して
いる。通常の動作は、全領域の画像蓄積が完了した時点
ですべての画素の蓄積電荷は光電変換領域から蓄積領域
に行数分の垂直転送パルスにより並列に転送される。転
送後、インターライン転送時と同様に各画素で発生した
電荷の走査は垂直レジスタ、転送ゲートTGのコントロ
ールで水平レジスタ66へ読み出し、この後、水平シフ
ト信号の256シフト信号を入力することにより一行の
電荷を走査することができる。
【0062】本実施例においては、全領域の画素の蓄積
電荷は光電変換領域から蓄積領域に行数分の垂直転送パ
ルスにより並列に転送後、水平レジスタ66への転送の
際、各画素で発生した電荷の走査の段階で不要な行の電
荷は垂直レジスタ、積分クリアゲートICGへの1シフ
ト信号を入力するのみで並列にオーバーフロードレイン
ODへ排出する。また、蓄積領域は毎回読み出し必要行
数(例えば16行)のみ用意しておき、最初の読み出し
不要画素行の信号については、光電変換領域から蓄積領
域に垂直転送する際の垂直転送パルスに同期し積分クリ
アゲートICGを開放して電荷を排出し、読み出し必要
な画素行の電荷のみを蓄積領域に転送した段階で水平レ
ジスタ66からの読み出しを行うようにしてもよい。以
上のようにすることにより、行単位のランダムアクセス
機能が実現され、全領域の走査を行う時間よりはるかに
短い時間(読み出し行数/全領域行数)で必要な走査が
完了する。
【0063】次に、第3として、複数のブロックに分割
しブロック毎に出力するセンサの構成を図21に示す。
ここではX−Yアドレス走査式センサの場合を例に説明
を行うが、CCD撮像素子などのアナログ転送方式にお
いても同様の構成をとることは容易である。本実施例に
おいては予め設定された読み出しに必要な行数毎に分割
されたブロック構成をとり、各ブロックの信号を並列走
査し出力している。この並列読み出し出力に対して、読
み出したい領域に応じてマルチプレクサ65の操作によ
り出力を選択し、最終出力するものである。このような
読み出しを行うことにより出力順番は異なるものの行単
位のランダムアクセスが実現され、読み出し時間もブロ
ック分割数だけ圧縮される。このブロック分割した構成
によりランダムに読み出される帯状画像の出力形態とマ
ルチプレクサのブロック切り替え信号との関係を図22
に示す。図中の数字1〜6は図21のライン番号に対応
している。
【0064】図21に示すのは、極めて簡単な2ブロッ
ク(B1、B2)に分割し、任意の3行の読み出しを行
う場合の例で、この図と図22の出力信号の関係図を基
に説明をする。センサは内部で2系列出力、ライン1〜
3を出力するブロックB1出力(図22・a)、ライン
4〜6を出力するブロックB2出力(図22・b)を持
ち、これらはアナログ信号としてマルチプレクサへ送ら
れ選択信号Sel により選択されて出力される。マルチプ
レクサ65の操作で、センサ出力Out としてブロックB
1出力を選択した場合、ブロックB1の出力がそのまま
センサ出力となり、ライン1、2、3の帯状画像の出力
が順次出力される(図22・c)。また、センサの出力
としてブロックB2出力を選択した場合はライン4、
5、6の帯状画像が読み出される(図22・f)。
【0065】一方、ブロック出力として第1、4ライン
出力中はブロックB2を選択しライン4を出力し、その
後、マルチプレクサ65をブロックB1選択に切り替え
を行うことにより、センサ出力はライン4、2、3の出
力が順次出力され、ライン2、3、4の帯状画像の読み
出しが行われる(図22・d)。また、センサ出力は始
めの2ラインまではブロックB2を選択してライン4、
5を出力し、その後、ブロックB1を選択しライン3を
出力すると、ライン3、4、5の帯状画像の読み出しが
行われる(図22・e)。図中、黒▽印は出力をブロッ
クB2からブロックB1に切り替えたところを示してい
る。このように走査途中にブロック選択信号を切り替え
ることにより、出力順序は異なるものの分割されたブロ
ックと同じ大きさを持つ任意の位置の帯状画像が選択的
に読み出し可能である。
【0066】以上、3種類の行単位のランダムアクセス
可能な距離画像用センサが、本実施例において3次元形
状測定装置への入力時間の高速化のために適用すること
ができる。
【0067】次に電子回路について説明を行う。電子回
路全体の構成を示すブロック図を図23に示す。本実施
例の計測装置本体は、投受光系レンズ駆動回路71、7
2、AF回路73、電動雲台駆動回路76、入出力7
5、74等の制御を行うマイコンCPU1と、画像セン
サ駆動回路13、23、レーザ・ポリゴン駆動回路7
7、78、タイマー79、SCSIコントローラ80、
メモリコントローラMC、ピッチズレ画像処理回路83
等の制御を行うマイコンCPU2の、2つのマイコンで
制御される。レンズ、入出力等の制御を行うマイコンC
PU1の制御で電源操作、撮影モードのキー操作等の信
号をコントロールパネル75から受け取り、マイコンC
PU2、受光系レンズ駆動部71、投光系レンズ駆動部
72、AF駆動部73、表示画像生成部74等へ制御信
号を送信し、ズーム、フォーカス、撮像等の制御を行
う。
【0068】カラー画像用にはカラー画像用センサ24
とセンサ駆動回路23、アナログ前処理回路81、画像
メモリ84のブロックがある。距離画像用には、距離画
像用センサ12とセンサ駆動回路13、アナログ前処理
回路82、ピッチズレ画像処理回路83、ピッチズレ画
像メモリ85のブロックがある。
【0069】電源投入により、カラー画像センサ24、
カラー画像センサ駆動回路23、カラー画像アナログ前
処理回路81のカラー画像撮像系が駆動され、モニター
として機能させるために撮像されたカラー画像が表示画
像生成部74に供給されディスプレイ41に表示され
る。これらのカラー画像撮像系回路は従来のビデオカメ
ラ等で周知の回路と同様の回路系となる。一方、距離画
像撮像のためのセンサ、レーザ等は電源投入により初期
化されるだけで駆動されず、ポリゴンミラー駆動回路7
8だけはミラーの定速回転までの所要時間が長くかかる
ため駆動が開始される。この状態で、ユーザはモニター
画面41のカラー画像を参考にしながら、パワーズーム
操作により視野設定を行い画像入力のためのレリーズ準
備を行う。レリーズ操作が行われレリーズ信号の発生・
送信により距離画像用センサ12、距離画像用センサ駆
動回路13、距離画像用アナログ前処理回路82の距離
画像撮像系と、レーザ駆動回路77が駆動され、ピッチ
ズレ画像メモリ85、カラー画像メモリ84にそれぞれ
の画像情報が取り込まれる。
【0070】カラー画像については、モニター装置へは
アナログ信号として供給していたのを、カラー画像用フ
レームメモリ85にはA/D変換器AD1でA/D変換
を行ってディジタルの情報として画像入力を行う。これ
らの処理については、ディジタルビデオ、ディジタルス
チルビデオ等で周知の技術と同様である。
【0071】距離画像については図7に記載された走査
開始センサ33から送信されるレーザスリット光の走査
開始信号をマイコンCPU2は待っている。その後、前
述した焦点距離f、基線長l、測定基準面までの距離d
に起因する無駄走査に要する無駄時間Tdだけ待つ。こ
の走査開始信号から上記の無駄時間Tdを計時した後、
距離画像用センサ12及びその駆動回路13の駆動を開
始しデータの取り込みを開始する。これらの計時動作は
タイマー79により行われている。
【0072】センサが駆動開始されると、水平方向に長
さを持つスリット状レーザが受光系走査範囲の最上部か
ら下方に向けて走査を開始する。それと同時に距離画像
用センサの画像積分が開始され、ポリゴンミラー7の走
査によりスリット光が距離画像用センサの1画素に対応
した角変動量での走査が行われたときに画像積分部から
蓄積部への高速垂直転送が行われる。次に、この最上部
の行の画像を帯状領域の中心に捕えるように距離画像用
センサ駆動部13を制御して、画像の読み出しを行う。
画像の積分部から蓄積部への垂直転送が完了すると同時
に、距離画像用センサの出力として画像を蓄積部から順
次読み出し処理と、次の画像読み出しのため積分部で入
力光量に応じた電荷の積分処理を行うことになる。
【0073】こうして1つの帯状画像の読み出しが完了
すると、レーザスリット光はまた距離画像用センサ1画
素に対応した角変動量での走査が行われ、画像積分部か
ら蓄積部への高速垂直転送が行われる。距離画像用セン
サの帯状領域を、前回読み出しに対して1ピッチ下方に
ずらした位置に、今回読み出し距離画像用センサの帯状
領域を設定し、画像の読み出しを行う。
【0074】一連のこの動作を継続して行い、順次、帯
状画像入力を繰り返し324枚の画像を得る。この間、
ポリゴンミラーは定速で回転しているので、次々に異な
る光切断面を持つスリット光に対する帯状画像が入力さ
れることになる。この距離画像用センサの出力を相関2
重サンプリング、オフセット、暗時出力の処理などを距
離画像用アナログ前処理回路82で行った後、A/D変
換器AD2でディジタルに変換し、ピッチズレ画像処理
回路83にディジタルデータとして送信する。
【0075】ピッチズレ画像処理回路83では、1枚の
帯状画像データ(256×16画素)から256点の受
光レーザ光重心位置に変換する重心演算を図24に示す
受光重心位置算出回路(後述)を用いて算出し、算出さ
れたピッチズレ量をピッチズレ画像メモリ85に格納す
る。これを324回繰り返すことにより、256×32
4のピッチズレ画像を得る。
【0076】以上の処理でピッチズレ画像メモリ85と
カラー画像メモリ84にそれぞれの画像が記憶されたこ
とになる。これらの2つの画像はメモリ制御を担うマイ
コンCPU2の制御でメモリコントローラMCを介し
て、SCSIコントローラ80によるSCSI端子4
9、内蔵のMO装置22等へのディジタルデータでの出
力、または、D/A変換器DA1でアナログに変換しN
TSC信号として、LCDモニタ41、NTSC出力端
子50、51へ出力することができる。
【0077】SCSI端子49から出力するとき、SC
SI規格による出力ではカラー/ピッチズレ画像の1セ
ットの出力画像の送信完了に数秒要することになる。そ
こで、カラー画像は通常ビデオ機器で用いられるカラー
NTSC信号としてビデオ機器で録画し、ピッチズレ画
像をNTSC信号の輝度信号として扱い、モノクロ画像
をピッチズレ画像NTSC信号として出力することによ
り動画でのカラー/ピッチズレ画像の出力が可能とな
る。高速な画像処理装置を用いればこうしたリアルタイ
ムのビデオ画像のコンピュータへの入力も可能であり、
また他の手段としてはこのNTSC信号を通常のビデオ
機器に接続して録画し、その後、再生時にコマ送りしな
がら、この濃淡画像(ピッチズレ画像)を処理すること
でコンピュータへの入力も可能である。こうしてコンピ
ュータへ入力された動体のカラー、ピッチズレ画像を用
いることにより動体の運動解析などの分野への活用が可
能である。
【0078】また、システムの外部機器として、本計測
装置を設置する電動雲台4のパン、チルトなどの動作を
制御する回転架台制御部76を備えることで制御するこ
とも可能である。この制御動作については後に説明を加
える。
【0079】次に、ピッチズレ画像処理回路83の受光
重心位置算出回路の詳細な構成を図24に示す。この回
路は1枚の帯状画像データ16点の内の5点の情報から
重心を算出するハード構成になっている。距離画像用セ
ンサ12からの信号は有効画素のみアナログ前処理回路
82で抽出され、A/D変換器AD1でA/D変換され
て、図24左端の入力端子inputから本回路に入力され
る。この入力された信号は4つのレジスタ101a〜1
01dにより256×8bitのFIFO (FirstIn First
Out) で256×4ライン分記憶され、直接入力される
1ラインと、計5本のラインが演算に用いられる。レジ
スタ103、104は、レジスタ101と同じ256×
8bitのレジスタである。レジスタ109は256×5b
itのFIFOレジスタである。これらのレジスタ10
3、104、109が同じ用途に2つずつ用意されてい
るのは、選択回路106、108、比較回路107等で
の処理にクロックパルスで数パルスの時間を要するため
メモリ容量を増やして2つを奇数用(O)、偶数用
(E)として交互に利用するようにしてあり、いずれを
用いるかはクロックパルスRCLK_O、RCLK_Eにより制御さ
れている。
【0080】受光レーザの重心演算は5ラインの5点の
データを基に以下の式で計算される。まず、重心位置近
傍での受光光量が最大となることから、I行目(I=1〜2
56)の重心点は、 Σ(I,n) = D(I,n+2)+D(I,n+1)+D(I,n)+D(I,n-1)+D(I,n-2) (4) が各Iに対して最大となる n = N(I) を求める。この
N(I)列目近傍に重心を持つと考え、それから荷重平均
点Δ(I,N(I))だけの補完量を次式で求める。 Δ(I,N(I))={2*D(I,N(I)+2)+D(I,N(I)+1)-D(I,N(I)-1)-2*D(I,N(I)-2)} /Σ(I,N(I)) (5) 最終的には、 W(I) = N(I) + Δ(I,N(I)) (6) を求める重心位置とする。
【0081】ここで D(I,n) は I行n列目のデータを
指す。1列は256個のデータを持っており、レジスタ
101aには D(I,n-1)、レジスタ101bには D(I,
n)、レジスタ101cには D(I,n+1)、101dには D
(I,n+2)のデータが保存され演算に用いられる。Σ(I,n)
の演算((4)式)は、加算回路Σで演算され、レジスタ
104に記憶される。そして次に演算された結果を各行
の前回算出されレジスタ104に記憶された MAX(Σ(I,
n)) と比較し(比較回路107)、大きければこのレジ
スタ104の内容を更新すると共に、同時に算出される
{2*D(I,n+2)+D(I,n+1)-D(I,n-1)-2*D(I,n-2)} の値
(=(5)式の分子=R1とする)をレジスタ103に、
その列番号nをレジスタ109に更新記憶する。R1の
算出は、D(I,n+2),D(I,n-2)のデータはシフト回路10
2で左に1ビットシフトさせることで(×2)の処理を
している。その後、加算回路(+)、減算回路(-)で演算を
行いA点でR1が算出されており、レジスタ103に記
憶される。
【0082】なお、列番号nは、5ビットバイナリカウ
ンタ110でクロックパルスPCLKをカウントしてお
り、比較回路107での比較の結果、最大値が更新され
るとそのときのカウンタ値をレジスタ109に取り込み
記憶する。本実施例では数nは1〜16であるのでレジ
スタ109、バイナリカウンタ110は5ビットあれば
十分である。
【0083】この操作を1帯状画像に対して繰り返すこ
とで、上記の式の計算に必要な MAX(Σ(I,n)) となるN
(I)、Σ(I,N(I))、R1の値がそれぞれレジスタ10
9、104、103に格納される。Σ(I,N(I))=R2と
すると、除算回路(÷)でR1/R2の演算を行い、次に
加算回路(+)でR1/R2+N(I)=Δ(I,N(I))+N(I)
=W(I)が演算され、最終的に右端の出力端子outputか
ら256列に対するW(I)の値が出力される。
【0084】この256個のW(I)をピッチズレ画像メ
モリ85に格納し、324枚の帯状画像に対してこの処
理を繰り返すことで、ピッチズレ画像メモリ85上には
256×324の点のピッチズレ情報W(I)からなるピ
ッチズレ画像が形成される。
【0085】次に、装置の動作についてフローチャート
を用いて詳細に説明する。図25に示すのは、メインス
イッチon時に実行されるメインのルーチンのフローチ
ャートである。まず、ステップ#1でCPU、メモリ、
SCSI、MO、ディスプレイ、コントロールパネル等
のデバイスの初期化を行う。次に、ステップ#3では、
動作モードの判別を行う。動作モードとしては、3次元
計測を行うカメラモードと、3次元データをMO等のメ
モリデバイス22から読み出し内蔵ディスプレイに表示
を行うリプレイモードとがあり、スイッチ操作により選
択できる。または、いずれかのモードをデフォルトで設
定してもよい。リプレイモードであればステップ#5へ
進み後述のリプレイモードの処理を行う。カメラモード
であればステップ#6へ進み後述のカメラモードの処理
を行う。カメラモードを終了すると、ステップ#7でポ
リゴンミラーを停止しステップ#8でAF/PZのリセ
ットを行いレンズを初期位置に復帰させる。ステップ#
9ではイメージセンサ及びセンサ駆動回路を停止させ、
ステップ#3へ戻り動作モードの判別を行う。
【0086】次に、カメラモードの動作についてフロー
チャートを図26(a)に示し、説明をする。カメラモ
ードが選択されると、ステップ#11で各デバイスの初
期化を行い、ステップ#13でカラー画像用センサを起
動し、カラー画像をモニターディスプレイ41に供給す
る。この画像は、受光ズームレンズ内に配置されたオー
トフォーカスセンサ31を駆動して、常に最適な焦点状
態で受光して最適なカラー画像を得るようになってい
る。次に、ステップ#15で、距離画像撮像の準備を行
うため、安定するまでに時間が長く必要なポリゴンミラ
ーの駆動を先に開始し、ステップ#17でAF/PZサ
ブルーチンの処理を行う。次に、ステップ#19でポリ
ゴンミラーが安定するまで待機し、安定した時点でステ
ップ#21のシャッタモードに入り、シャッタモードの
サブルーチンを実行する。ステップ#23ではデータ転
送モードに入り、データ転送モードのサブルーチンを実
行する。ステップ#25では、カメラモードの終了かど
うかを判別し、終了であればステップ#27へ進みリタ
ーンする。終了でなければステップ#21へ戻る。
【0087】AF/PZサブルーチンについて図26
(b)に示し説明すると、ステップ#31では投受光系
のレンズ位置のリセットを行い、ステップ#33でレー
ザ走査範囲のリセットを行い、ステップ#35でリター
ンする。
【0088】次に、シャッタモードの動作について、フ
ローチャートを図27に示し説明をする。この状態でユ
ーザは計測装置位置、姿勢、ズーミングの変更して構図
の設定を行い、一方、装置はシャッタレリーズボタン4
7が押されレリーズ信号が出力されるのを待つ。まず、
ステップ#41でAF/AEサブルーチンを実行し、焦
点合わせ、測光を行う。このサブルーチンについては後
述する。次に、ステップ#43でセレクトキー43とA
F/AEの状態チェックを行う。ここでは、まず、セレ
クトキーが押されたかどうかの判別を行う。押されてい
れば([Select])ステップ#79でリターンしシャッタ
モードを抜け出す。これは、一般の一眼レフカメラでの
シャッタレリーズボタンの第1段までの押し下げ解除に
相当する。セレクトキーが押されていなければAF/A
E処理の状態チェックを行い、AF/AE処理が動作中
であればステップ#41へ戻りAF/AE処理を繰り返
し行う。AF/AE処理が完了していれば次のステップ
#45へ進む。つまり、上記の処理期間では連続的に受
光、投光系ズームレンズのフォーカシングと測光を繰り
返して行い、常時合焦状態を保つよう制御されている。
【0089】AF/AEが完了すると、それ以後はステ
ップ#45で撮影準備としてシャッタボタン47のロッ
クを解除し、フォーカシング、ズーミングの駆動を禁止
(AF/PZロック)する。そして、ステップ#47で
シャッタボタン47が押されたかどうかを判別する。シ
ャッタボタンが押されていればステップ#55へ進む。
押されていなければステップ#51へ進み所定時間経過
したかを判別し、経過していなければステップ#47へ
戻りシャッタボタンが押されたかどうかの判定を行う。
所定時間経過していればステップ#53でシャッタボタ
ンの操作をロックし、ステップ#41へ戻る。
【0090】ステップ#55では、レーザ光の発光を行
い、ステップ#57でレーザ光の正常発振になるまでの
立ち上がりと、ポリゴンミラーの準備が完了するまでの
時間を待機する。準備が完了するとステップ#59でセ
ンサ駆動を開始する。まず、ステップ#61で、コンデ
ンサレンズの横に付けられた走査開始センサからの出力
を受けるまで待ち、走査開始信号を受けるとステップ#
63では無駄時間Tdを待ってから距離画像用センサの
駆動を開始する。無駄時間Tdは、焦点距離fと基線長
lと測定基準面までの距離dから算出される。ステップ
#65で距離画像用センサの入力帯状画像位置を初期位
置にセットし、ピッチズレ画像、カラー画像の取り込み
操作を開始する。同時に入力光の重心位置算出を行う。
ステップ#67で走査完了かどうかを判別する。完了で
なければステップ#65へ戻って画像取り込みを繰り返
す。入力帯状画像位置を初期位置から1ピッチずつレー
ザスリット光の走査に応じてずらしながら、324枚の
帯状画像の取り込みを行う。
【0091】また、センサ駆動が開始されると、距離画
像用センサの駆動開始に引き続き、ステップ#69でカ
ラー画像用センサが再駆動され、ステップ#71で読み
こんだカラー画像をカラー画像メモリに取り込む。両画
像用センサの駆動、メモリへの取り込みはハードウェア
の構成により自動的に同時に処理されるようになされて
いる。その後はステップ#73へ進む。
【0092】ピッチズレ画像、カラー画像の取り込みが
完了すると、ステップ#73でレーザ光の発光を停止
し、ステップ#75でズーム駆動、フォーカス駆動の禁
止を解除し、ステップ#77で取り込んだ画像を選択さ
れたモードに従って表示し、ステップ#79でリターン
する。
【0093】次に、ステップ#41のAF/AEサブル
ーチンのフローチャートについて図28に示し説明する
と、まず、ステップ#91でAFセンサ31の情報によ
りレンズ駆動量を算出し、算出結果に基づいてフォーカ
スレンズの駆動を行う(ステップ#93)。ステップ#
95で、走査開始レーザ位置セットを行い、ステップ#
97でレーザパワー制御を行う。ステップ#99では測
光(AE)を行い、ステップ#101でリターンする。
【0094】次に、データ転送モードについて、フロー
チャートを図29に示し、動作の説明をする。まず、ス
テップ#111で表示モードの判別を行う。表示すべき
画像が濃淡で表示されるピッチズレ画像か、カラー画像
か、何れを選択状態にあるかのフラグチェックを行う。
この表示モードは、例えばデフォルトではカラー画像表
示が設定されていて、キー操作により選択が可能になっ
ている。キー操作がないとき、または、キー操作されて
カラー画像が選択されると、ステップ#113でカラー
画像の表示を行う。ピッチズレ画像表示が選択されれ
ば、ステップ#115でピッチズレ画像の表示を行う。
画像表示を行った後は、ステップ#117で表示モード
が変更されたかの判別を行う。変更されていればステッ
プ#111へ戻り選択されたモードに従って画像表示を
行う。表示モードが変更されていなければ、ステップ#
119へ進む。
【0095】ステップ#119では、データの転送が必
要かどうかの判別を行う。データ転送が必要でなければ
ステップ#133へ進み、カラー画像表示を行う。デー
タ転送が必要であれば、ステップ#121でデータヘッ
ダを作成する。ステップ#123でSCSI出力モード
かどうかの判別を行う。SCSI出力モードが選択され
ていれば、ステップ#125で外部出力用データの作成
を行いステップ#131でデータ転送を行う。SCSI
出力モードでなければ内蔵の記録装置での記録になり、
ステップ#127で内蔵MOドライブ用データの作成を
行い、ステップ#129でMOへのデータ転送命令がC
PU2からSCSIコントローラへ送られ、ステップ#
131でデータ転送を行う。その後、ステップ#133
でカラー画像表示を行い、ステップ#135でリターン
する。これらのデータ転送先の選択は、キー操作により
選択可能である。
【0096】次に、リプレイモードについて説明する。
ステップ#3でリプレイモードへの切り換えスイッチを
チェックし、切り換えが行われていなければ次の画像入
力を行うための待機状態(カメラモード)となり、切り
換えが行われていれば、リプレイモードに移行する。
【0097】このリプレイモードは前述のカメラモード
とは異なり、すでにMO等の内蔵記録装置に記録済み画
像データをリプレイして再確認したり、改めてSCSI
端子を介して外部の装置に出力するモードであり、この
リプレイモードの動作のフローチャートを図30に示し
て動作の説明を行う。
【0098】まず、ステップ#151でMOに記録され
ている画像のリストを表示する。ステップ#153で、
ユーザはこのリスト表示画面から再確認表示または外部
へ転送する画像データの選択を行う。次のステップ#1
55で、選択された画像データは内蔵のMOからカラー
/ピッチズレ画像をそれぞれカラー画像用/ピッチズレ
画像用メモリ84、85にロードし、ステップ#157
で、表示すべき画像がカラー画像かピッチズレ画像かい
ずれの表示モードになっているのかフラグチェックを行
う。選択されている表示モードに応じて、ステップ#1
59でカラー画像の表示を、またはステップ#161で
ピッチズレ画像の表示を行う。画像表示後、ステップ#
163で表示モードが変更されているかを判別し、変更
されていればステップ#157へ戻り再度表示を行う。
【0099】変更がなければステップ#165で次の画
像データを表示するかどうかの判別を行い、表示する場
合は本サブルーチンの始めのステップ#151へ戻り画
像の選択、表示を繰りかえす。次の画像表示を行わない
場合はステップ#167でMOからメモリに読み込んだ
画像データを外部へ転送するかどうかの判別を行う。転
送しなければステップ#173へジャンプする。転送す
る場合はステップ#169で外部出力用データ作成を行
い、ステップ#171でデータ転送を行う。そして、ス
テップ#173で、次の画像データ表示を行うかの判別
をして、表示するのであればステップ#151で戻り、
表示しなければステップ#175でリターンする。
【0100】次に、これら一連の動作の各キー操作によ
る状態遷移図を図31に示す。この図で、操作を示す上
下左右向きの△印は図3のカーソルキー42の操作を示
しており、[Shutter]、[Select]、[Cancel]はそれぞれ
シャッタボタン47、セレクトキー43、キャンセルキ
ー44の操作を示してる。また、本実施例では時計機能
を有しているが、記録される画像ファイルのファイル名
に時刻を自動的に割り付けることもできる。
【0101】メニュー画面では、再生表示、リスト表
示、時計機能の選択可能状態から左右カーソルキー操作
とセレクトキー43操作で選択・実行ができ、選択・実
行後はキャンセルキー44で選択可能状態に戻る。時計
機能では時刻設定ができ、リスト表示機能ではファイル
名変更、消去、表示ファイル選択等のファイル操作がで
きる。再生表示機能ではデフォルトでカラー画像表示に
設定されており、左右カーソルキーでピッチズレ画像表
示、文字画面表示に切り替えることができる。それぞれ
の表示モードでは上下カーソルキーの操作で前画像、次
画像の表示も可能である。文字画面表示ではセレクトキ
ーでファイル名変更、消去等のファイル操作ができる。
【0102】メニュー画面から、キャンセルキーを操作
すると撮影待ち状態(カメラモード)になり、セレクト
キーでメニューに戻ることができる。撮影待ち状態でシ
ャッタボタンを押すと撮影が可能でありメモリへの画像
取り込みを行い、撮影後にキャンセルキーで撮影待ち状
態に戻ることができる。撮影直後の状態からセレクトキ
ーを操作すると画像の録画が行えメモリに取り込んだ画
像を記憶装置へ転送を行い、録画後は撮影待ち状態に戻
る。このときの画像は、デフォルトではカラー画像が設
定されており、左右のカーソルキーでピッチズレ画像/
カラー画像の選択が可能である。
【0103】次に、この3次元形状測定装置の分割取り
込みによる高精度入力について説明を行う。投光系、受
光系間の距離、すなわち基線長lと焦点距離f、計測対
象までの距離dが決ると、3次元的分解能、精度は決定
される。そこで、高精度で計測するためには、焦点距離
fを大きく設定し、測定することで達成される。つま
り、望遠にするほど測定精度は高くなる。しかし、測定
精度の高い3次元画像を得ることは出来るが、視野領域
は焦点距離fが延びるに従い狭められる。
【0104】そこで、焦点距離fを測定したい分解能、
精度に応じた値に設定し、電動雲台等の回転架台4を操
作し視野領域を複数の領域に分割して、分割した領域毎
に測定し、その結果得られた画像を貼り合わせ、1枚の
画像に再構築するものである。このような機能を持つこ
とで分解能を可変とする3次元形状測定装置が実現でき
る。また、この機能を生かすことにより、全周囲的空間
について3次元測定を行うことで、環境の測定も可能と
なる。以下に具体的例を示し、その動作の説明を行う。
なお、図32に示す例は簡略化した説明図であって、投
光系2と受光系3は水平方向の位置関係に配置されてお
り、図3に示した例とは異なっている。この配置ではス
リット光は縦方向に長さを有し左右方向に走査する必要
がある。
【0105】画像貼り合わせ機能利用時の様子を図32
に示し、図33に画像貼り合わせ機能における動作を表
わすフローチャートを示す。図34には本機能使用時の
表示状態を示しており、画像表示部の下部に測定精度を
表す表示部がある。
【0106】まず、図32(a)に示すようにユーザに
よる操作で対象物体1を視野範囲内に撮像可能な広角、
ワイド状態(焦点距離f0)になるようにズーム駆動系
16を駆動し視野範囲を設定する(ステップ#20
1)。このときに想定されるZ軸方向(図17参照、物
体の凹凸方向)分解能は図34(a)で示すように画像
の下のバー表示で表現される。このZ軸方向分解能ΔZ
は本システムのように基線長が固定の場合、簡単には測
定対象までの距離dと測定時の焦点距離fで以下のよう
な関係がある。 ΔZ = K×d×(d−f)/f (7) ここでKはZ軸方向分解能見積りのための係数であり、
センサピッチ等により決まるものである。また、上記の
ズーミング操作は、システムコンピュータからSCSI
端子を介してコマンドを送信し、遠隔操作によるズーム
操作、レリーズ操作等の動作設定も可能である。
【0107】ユーザは、以上の設定操作で満足する精
度、分解能で測定が行われると判断した場合(ステップ
#203の判定でNO)には、ユーザのレリーズ操作に
より測定が開始され(ステップ#205)、その結果が
ディスプレイに表示される(ステップ#207)。この
表示は図34(a)に示すように、入力されたピッチズ
レ画像、あるいはカラー画像と、その取り込みで得られ
たZ軸方向測定分解能が画像の下のバーで表示される。
その結果、更に測定精度の高い計測を必要としない場合
(ステップ#209の判定でNO)は、この計測で完了
し記憶メディアへの書き込みを行うか否かの判定をユー
ザに求め、それに応じた処理を行い動作を完了する。
【0108】ユーザは、満足する精度で測定が行われな
いと判断した場合(ステップ#203の判定でYE
S)、あるいは一度目のレリーズ操作により取り込まれ
たピッチズレ画像、あるいはZ軸方向測定分解能表示に
より、ユーザは所望のZ軸方向分解能、精度の設定をキ
ー操作により精度を変更して再測定の指示を行うことが
できる(ステップ#209の判定でYES)。
【0109】この精度設定キー入力が行われると、シス
テムはそのときの状態、すなわち測定対象の全景が捕え
られた状態の焦点距離f0と、AFセンサから得られる
測定対象までの概略距離dとをメモリし視野範囲の記憶
を行う(ステップ#210)。さらに入力された所望の
Z軸方向測定分解能と概略距離dから上式(7)を用いて
設定すべき焦点距離f1の算出を行う(ステップ#21
1)。
【0110】焦点距離f1が算出されると、その焦点距
離f1に自動的にズーミングを行い(ステップ#21
3)、記憶された測定すべき視野範囲、概略距離d、焦
点距離f1より分割入力すべきフレーム数、それに応じ
たパン、チルト角度の算出、パン、チルト回転架台のパ
ン、チルトにより視野位置の設定を行い(ステップ#2
15)、各分割入力フレームでの計測を行う(ステップ
#217)。画像貼り合わせ機能時の分割入力する画像
は、後で貼り合わせて1枚の画像に再構築するために、
のりしろとなるべき重複部分を含むよう設定される。
【0111】得られたピッチズレ画像、カラー画像、取
り込まれたX、Y方向の視野方向を示す情報(例えば、
パン、チルトのデコード角度値、あるいは、X、Y方向
の取り込み順番など)、レンズ焦点距離、測定距離情報
は内部のMO記憶装置に記憶される(ステップ#21
9)。この際、メモリへファイル名、ファイルサイズ等
のディレクトリ情報の書き込みは行わず、最後にユーザ
の確認の後にディレクトリ情報の書き込みを行うことで
一時的な格納にすることも可能である。
【0112】次に、上記の視野位置とわずかに重複され
た視野位置に、算出されたパン、チルト角度に従いパ
ン、チルト操作で視野を制御し隣接する領域の画像の入
力を行い、この動作を繰り返すことで全領域の入力を行
う(ステップ#221の判定でNO、図32(b)参
照)。
【0113】全領域の入力が終了した時点(ステップ#
221の判定でYES)で、測定精度を高くする前の初
期のカメラ姿勢、焦点距離に戻して(ステップ#22
3)動作を完了し、ユーザの書き込みの判断を待ち、書
き込み指示の場合にはディレクトリ情報の書き込みを行
い、書き込まないという指示の時は、ディレクトリ情報
の書き込みを行わずに終了することで、それまでの連続
してメモリに格納しておいた情報を消去する。
【0114】また、上記の操作のように、事前に測定を
行い再度測定を行う場合には、1度目の測定により対象
物体までの距離測定、また測定画角内での距離分布の測
定が完了している。そこで、この対象物体との距離に大
きな差を持つ領域、すなわち測定対象とは違う周辺領域
(背景)のみとなる分割入力フレームについては貼り合
わせのため再測定は行わず、対象物体を含む分割入力フ
レームのみの再測定を行うことも可能である。図34
(b)に示す例では、対象物体が含まれる網点領域が再
測定を行う領域で、他の領域は対象物体が無い領域で再
測定は行われない領域であることを示している。
【0115】以上説明したように、高速な3次元計測が
可能となり、この3次元計測をもとに部分的入力を繰り
返し、貼り合わせ作業を行うことで分解能を自由に設定
可能な3次元形状計測が可能となる。
【0116】このような貼り合わせ計測においては、全
画面の分解能が均一の分解能で測定が行われるが、人間
の顔のように目、口、鼻の部分であれば形状、色彩情報
が複雑で分解能の高いデータが必要となるが、頬、額な
ど低い分解能で十分測定の要を足す測定対象も考えられ
る。このような測定対象については、部分的なズーミン
グ動作によりデータ貼り合わせを行うことで効率の良い
データ入力が実現しうる。この部分ズーミング貼り合わ
せ機能は以下の動作で実現する。
【0117】図35にこの部分ズーミング貼り合わせ機
能の動作を示すフローチャートを示す。まず、ステップ
#251で均一分解能貼り合わせの場合と同様に、測定
対象の全体域を捕える視野設定を行い、ステップ#25
3で部分ズーミング入力モードの選択を行う。選択が行
われると、現在設定されている焦点距離f0、パン・チ
ルトのデコード角度値をメモリし(ステップ#25
5)、焦点距離f0の状態で測定を開始し概略画像デー
タとして画像入力を行う(ステップ#257)。その結
果得られたピッチズレ画像、カラー画像、その画像の取
り込まれたX、Y方向の視野方向を示す情報(例えば、
パン、チルトのデコード角度値)、レンズ焦点距離、測
定距離情報は内部の記憶装置に記憶される(ステップ#
259)。続いてステップ#261で最大焦点距離fma
xになるようにズーミングを行った後、上記の概略画像
データの解析を行い、ズーミング後入力される分割入力
フレーム毎に再計測を実施するか否かを決定する。
【0118】ズーミングを行い最大焦点距離fmaxで測
定を行った場合、入力しうるフレームサイズにこの概略
データを分割する。ステップ#263でパン・チルト位
置X,Yをスタート初期位置Xs、Ysにセットする。ス
テップ#265でセットされたX,Y位置にパン・チル
トを制御する。次に、ステップ#267で、X±ΔX、
Y±ΔYの領域の初期入力カラー画像のカラー情報R、
G、B値について統計処理を行い各領域についての標準
偏差σR、σG、σB の算出を行う。ステップ#269で
これらの算出されたすべての標準偏差σR、σG、σB の
値ががそれぞれ設定された所定値未満であるかを判別
し、所定値未満であれば、その小領域は明暗色情報は一
様な領域であるとしてズーミング測定は実施せずにステ
ップ#271へ進む。逆に所定値以上となる標準偏差σ
R、σG、σB がある場合には複雑な色彩情報を有する領
域であると判断してズーミング測定を行う(ステップ#
275)。
【0119】ステップ#271ではX±ΔX、Y±ΔY
の領域の初期入力距離値dの情報から標準偏差σdを算
出し、ステップ#273では算出された標準偏差σdの
値が設定された所定値未満であるかを判別し、所定値未
満であればその小領域は形状変化の少ない平坦な領域で
あるとしてズーミング測定は行わず、ステップ#279
へ進む。逆に所定値以上であれば複雑な形状(距離情
報)を有する領域であるとしてズーミング測定を行う
(ステップ#275)。
【0120】ステップ#275でのズーミング測定の
後、得られたピッチズレ画像、カラー画像、その画像が
取り込まれたX、Y方向の視野方向を示す情報(例え
ば、パン、チルトのデコード角度値)、レンズ焦点距
離、測定距離情報等の情報が内部のMO等の記憶装置に
記憶される(ステップ#277)。その後は、ステップ
#279へ進む。
【0121】次にステップ#279では、パン・チルト
位置Xを2ΔXだけ変化させる。ステップ#281でX
方向走査が完了しているかを判別し、完了していなけれ
ばステップ#265へ戻る。完了していればステップ#
283でパン・チルト位置Yを2ΔYだけ変化させる。
ステップ#285で全走査が完了しているかを判別し、
完了していなければステップ#265へ戻り、完了して
いればステップ#287へ進み本ルーチンを終了する。
【0122】このように、概略画像データと、位置の判
別が可能な部分詳細画像情報の入力ができ、概略画像デ
ータにその位置にあった部分詳細画像データを貼り合わ
せることで形状や色彩情報の複雑さに応じた効率の良い
3次元入力が実現できる。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、測定の際に投光手
段により投光される参照光の出力が、測定条件に応じて
適切に変更されるように制御されるので、測定条件に関
わらず常に安定した測定が行われる。また、受光手段に
より受光された信号の増幅率を、測定条件に応じて適切
に変更するように制御されるので、測定条件にかかわら
ず常に安定した大きさの信号が得られ、安定した測定が
行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光切断法の原理を示す説明図である。
【図2】本発明に係る3次元形状測定装置全体の概略ブ
ロック図である。
【図3】3次元形状測定装置全体の概略構成を示す斜視
図である。
【図4】対象物体面に生成する光量分布についての説明
図である。
【図5】撮像素子受光面に生成する光量分布についての
説明図である。
【図6】撮像素子受光面に生成する光量分布についての
説明図である。
【図7】投光光学系の構成を示す断面図である。
【図8】投光スリット光の説明図である。
【図9】受光光学系の構成を示す断面図である。
【図10】カラー画像センサの入射波長の特性を示す説
明図である。
【図11】距離画像用センサの受光波長を示す説明図で
ある。
【図12】距離用センサの出力制御の例を示す説明図で
ある。
【図13】投光系と受光系の視差の説明図である。
【図14】無段階仰角制御の説明図である。
【図15】多段階仰角制御の説明図である。
【図16】仰角固定最近接距離制御の説明図である。
【図17】撮像素子に入射する反射光の入射範囲と走査
範囲の説明図である。
【図18】X−Yアドレス走査方式のセンサの説明図で
ある。
【図19】アナログ転送方式のセンサ(インターライン
転送時)の説明図である。
【図20】アナログ転送方式のセンサ(フレーム転送方
式時)の説明図である。
【図21】ブロック分割のセンサの説明図である。
【図22】ブロック分割センサの行ランダムアクセスの
説明図である。
【図23】装置全体の回路構成のブロック図である。
【図24】受光重心位置算出回路図である。
【図25】メインルーチンの動作を示すフローチャート
である。
【図26】カメラモードの動作を示すフローチャートで
ある。
【図27】シャッタモードの動作を示すフローチャート
である。
【図28】AF/AEサブルーチンのフローチャートで
ある。
【図29】データ転送モードの動作を示すフローチャー
トである。
【図30】リプレイモードの動作を示すフローチャート
である。
【図31】本計測装置の動作状態遷移図である。
【図32】画像貼り合わせ機能の説明図である。
【図33】画像貼り合わせ機能の動作を示すフローチャ
ートである。
【図34】画像貼り合わせ機能表示状態の説明図であ
る。
【図35】部分ズーミング貼り合わせ機能の動作を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 対象物体 2 投光光学系(投光手段) 3 受光光学系(光学系) 5 半導体レーザ(投光手段) 12 距離画像用センサ(受光手段) CPU1,CPU2 マイコン(制御手段) 82 アナログ前処理回路(増幅手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物体の形状を測定する3次元形状測
    定装置において、 対象物体に対して参照光を投光する投光手段と、 対象物体を測定するための光学系と、 前記光学系を通過した光を受光する受光手段と、 前記投光手段から投光される参照光の強度を測定条件に
    応じて変更する制御手段とを有することを特徴とする3
    次元形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記光学系の焦点距離
    に応じて投光手段の出力を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の3次元形状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、対象物体までの距離に
    応じて投光手段の出力を制御することを特徴とする請求
    項1に記載の3次元形状測定装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、対象物体までの距離と
    前記光学系の焦点距離により決まる像倍率に応じて投光
    手段の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載
    の3次元形状測定装置。
  5. 【請求項5】 前記投光手段は複数の発光素子を有し、
    前記制御手段は発光する素子の数を変更することで投光
    出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の3次
    元形状測定装置。
  6. 【請求項6】 前記投光手段は、参照光を投光する方向
    を順次変化させて走査を行うことを特徴とする請求項1
    に記載の3次元形状測定装置。
  7. 【請求項7】 前記投光手段は、発光素子から出力され
    た光を一方向に長さを持つスリット状の参照光として出
    力することを特徴とする請求項6に記載の3次元形状測
    定装置。
  8. 【請求項8】 対象物体の形状を測定する3次元形状測
    定装置において、 対象物体に対して参照光を投光する投光手段と、 対象物体を測定するための光学系と、 前記光学系を通過した光を受光する受光手段と、 前記受光手段により出力される信号に対して増幅を行う
    増幅手段と、 前記増幅手段による増幅率を測定条件に応じて変更する
    制御手段とを有することを特徴とする3次元形状測定装
    置。
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