JP2001221574A - 電気炉の操業方法及び電気炉 - Google Patents
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Abstract
原単位を低減し、溶湯の鉄分酸化ロスを低減し、総合的
なコストダウンをはかる。 【解決手段】 鉄源を電気エネルギーと化石エネルギー
を併用して効率的に溶解・昇熱・脱炭・精錬する電気炉
の操業方法において、溶解期においては、冷鉄源を主に
電気エネルギーにて溶解し、昇熱期においては、溶落後
吹酸ランスより酸素を吹付けて脱炭・昇熱・精錬を行な
う。昇熱期において、吹酸中にスクラップを連続的に添
加して溶解を行なうこともできる。本発明によれば、電
気炉の炉殻内径を従来の電気炉より小さくすることがで
きる。
Description
ト・型銑・溶銑等の鉄源を電気エネルギーと化石エネル
ギーを併用して効率的に溶解・昇熱・脱炭・精錬する電
気炉の操業方法及びこれに使用する電気炉に関するもの
である。
錬するため一般的に電気炉が汎用されている。電気炉の
操業方法として、まず、上部の炉蓋を開き、スクラップ
をバケットで炉の上方より装入して、炉蓋を閉じる。こ
の時装入するスクラップ量は、炉内容積の関係からその
ヒートの全量が入らないため、予定溶解量の1/3〜1
/5に制限される。装入後、上方から黒鉛電極を挿入し
て高密度の電気エネルギーを投入しながらスクラップを
溶解する。ある程度溶解が完了したら、残りのスクラッ
プを追加で装入し再度溶解する。これを2〜3回程度繰
り返し、予定量のスクラップがほぼ溶け落ちた段階で、
コークス粉等を酸素と同時に炉内に吹き込み、スラグを
フォーミングさせながら、溶湯を昇熱・脱炭・精錬して
ゆく。所定の温度・成分となった段階で、取鍋に出湯す
る。
位の削減等を目的に、溶解操業中に石炭・コークス・灯
油・重油等の化石エネルギーが利用されている。しかし
ながら、電気炉の主たる溶解エネルギーは電気であり、
いかに大電力を効率的に投入するかが操業のポイントで
ある。そのため従来より、高電力操業(HP)・超高電
力操業(UHP)が採用されるようになり、生産性が飛
躍的に向上するに至った。
部黒鉛電極が1本である直流電気炉の普及が著しい。こ
れは、炉体の底部に特殊な陽極を設置し、上部黒鉛電極
を負極としたものであり、その操業諸元が交流電気炉に
対して優位であることが多く報告されている。
で操業する場合、上部黒鉛電極とスクラップ或いは溶湯
間に発生する高密度のアークのため電気炉炉殻側壁内面
にホットスポットと呼ばれる著しい損耗部位が生ずる。
特に、スクラップがほぼ溶け落ち、溶湯がフラットにな
った段階で、超高温のアークが直接側壁を輻射熱等によ
り大きく損傷する。このため、操業上及び設備上の対策
が実施されている。
は、投入電力を抑制し電圧を下げてアーク長さを短くし
たり、コークス粉を酸素とともに吹き込み、スラグをフ
ォーミングさせてアークをこのフォーミングスラグで包
み込んだりすること等により、側壁への影響を極力小さ
くしている。
きくとり、アークの輻射熱を低減することが行なわれて
いる。従って、電気炉炉殻内径は、経験的にUHP操業
に充分耐え得るだけの広さが確保されており、一般的に
転炉等と比較して高さに対して内径が大きい盥型の形状
となっているのが特徴である。すなわち、従来の多くの
交流、直流の電気炉についてトランス容量X(MVA)
と炉空内径Di(m)とを実測し、両者の関係を整理す
ると大体Di=1.2467×X0.3736という関係があ
ることが分かった。
くすると種々の問題を惹起する。
阻害する。内径が大きくなると壁面のスクラップは溶解
しにくくなり、スクラップの条件等により不均一溶解と
なる。これにより生産性が低下し、昇熱期の未溶解スク
ラップによりボイリングが発生する等操業阻害となる。
攪拌力の低下による溶湯の過酸化、溶湯の放熱面積拡大
による熱ロス増、即ちエネルギー原単位が増大すると同
時に生産性も低下する。
吹き込み、スクラップのカッティングを行い溶解促進を
図っているが、酸素の跳ね返り等により側壁の耐火物或
いは水冷ボックスの損傷を引き起こしたり、スクラップ
の燃焼により歩留を著しく低下させたりしている。
設備費の増大、及び側壁耐火物の費用増、或いは水冷ボ
ックスの給排水量増加による冷却水の費用増等の問題が
起きている。
提供するものである。
〜(4)の通りである。
源を電気エネルギーと化石エネルギーを併用して効率的
に溶解・昇熱・脱炭・精錬する電気炉の操業方法におい
て、スクラップ等の冷鉄源を主に電気エネルギーにて溶
解する溶解期と、溶落後主に上部からコークス・石炭等
の化石エネルギーを添加しつつ、吹酸ランスより酸素を
吹付けて脱炭・昇熱・精錬を行なう昇熱期とから成るこ
とを特徴とする電気炉の操業方法。
クラップを連続的に添加して溶解を行なうことを特徴と
する前記(1)の電気炉の操業方法。
ることを特徴とする電気炉。この電気炉は、従来の電気
炉の炉殻内径と比較して、同様のトランス容量に対して
著しく狭い炉殻内径となっていることが特徴である。
合、最小の内径を代表炉殻内径とする。
指数Rfが(2)式を満足することを特徴とする電気
炉。この電気炉は、従来の電気炉の耐火物溶損指数と比
較して、同様の公称炉容量に対して著しく高い耐火物溶
損指数となっていることが特徴である。換言すれば、従
来より狭い炉殻で大きな電力を投入できることになる。
の炉殻内壁〜上部黒鉛電極間距離をLの代表値とする。
合、初期のスクラップ溶解期は、通常、炉用トランス能
力上限に近い高電力・高電圧で操業する。これは、上部
黒鉛電極の周囲はスクラップに覆われているため、超高
温アークの輻射熱をスクラップが吸収することに依る。
しかし、フラットバスとなった昇熱期には直接アークが
壁に輻射されるため、壁面の損傷が著しくなる。そこ
で、溶解期と昇熱期を分けて、溶解期は電気炉と類似の
操業を行い、昇熱期は転炉と類似の操業を行なうことに
より、両者の長所を併用して効率的なスクラップ溶解が
可能となる。設備的には、電気炉における電源供給装置
及び転炉における酸素供給装置を備え、炉体形状は、通
常の電気炉の炉殻内径よりも狭く設計する。
鉄源を装入する。前ヒートの溶湯を残すホットヒール操
業の場合もあるし、全量スクラップのコールドスタート
の場合もある。冷鉄源の種類として、スクラップ・DR
I(直接還元鉄)・HBI(塊状還元鉄)・型銑等、現
在電気炉で使用され得る全ての鉄源が使用でき、以下、
単にスクラップということもある。また、これらの冷鉄
源は予め予熱炉・スクラップバケット等で予熱されてい
る場合もあるし、予熱されていない場合もある。
鉛電極を溶解炉内に挿入して通電溶解を開始する。通電
のきわめて初期は別としても、溶解期の全般にわたりト
ランス容量のフル能力の高電圧・高電力操業が可能であ
る。溶解中、炉壁、炉底或いは上部から、酸素、不活性
ガス等で希釈した酸素を吹き込み、溶解を促進する。ま
た、スクラップの装入に先立って、或いは同時にコーク
ス或いは石炭を溶解炉内に投入しておき、溶解スクラッ
プを加炭したり、酸素と反応させて熱源とすることも可
能である。一方、黒鉛電極の軸中心を穿孔しておき、こ
の中空部を通して石炭粉・コークス粉・ダスト等を吹き
込むことも可能である。電気炉のタイプは直流・交流ど
ちらでもよい。
だけ短時間にスクラップの大部分を溶解することであ
る。そのため、溶解炉の炉殻内径は出来るだけ狭くして
おく。通常電気炉内のスクラップは、初期は上部黒鉛電
極の周辺のみボーリングされた様に溶解し、側壁部のス
クラップはリング上に厚く残存している。溶解中期にな
ると、残存している周辺のスクラップが徐々に加熱さ
れ、或いは散乱したアークにより、崩落溶解が繰り返さ
れる。この時、炉殻内径が広いとこの崩落溶解に時間が
かかり、電力ロスが増加し、生産性も低くなる。よっ
て、アーク溶解時間の短縮には、炉殻内径を出来るだけ
狭くして、側壁にリング上に残存した未溶解スクラップ
の水平方向の厚みを極力薄くし、崩落溶解を容易にする
ことが必須である。本発明の電気炉では、側壁の内径即
ち炉殻内径が通常の電気炉より狭く設計されているた
め、スクラップのアーク溶解は従来型電気炉よりも著し
く短縮され、電力原単位及び生産性の向上が図れる。こ
の通電溶解期は、スクラップが側壁に沿ってリング状に
残存しているため、アーク溶解のための投入電力は高電
圧・高電力で、トランス容量のフル能力に近い操業がで
きる。
プの溶解促進のため、側壁に設けた排滓扉を開けて酸素
によりスクラップの溶断を行なっている。しかし、スク
ラップに酸素を吹付けると、スクラップが酸化してスラ
グ中には相当量の酸化鉄が存在する。更に、灯油・重油
等のバーナーを側壁に設置しスクラップの溶解促進をは
かっているが、バーナーにおいても、燃料を燃焼するた
めには一般的に酸素比が1.2〜1.4程度の過剰な酸
素が流されるため、当然スクラップも酸化されることと
なる。こうして生成される酸化鉄の多いスラグは、操業
中排滓扉から流滓として電気炉外に排出され、大きな鉄
分歩留りロスの原因となっている。このように、一般の
電気炉は炉殻内径が広いために、スクラップの未溶解防
止のため酸素を導入し、スクラップの酸化ロスを増や
し、歩留りロス、或いは昇熱期に最終的にコークス等の
炭材で還元することによる生産性の阻害を引き起し、悪
循環を繰り返すこととなっている。本発明では、これら
の酸素吹き込み或いはバーナーによる溶解促進は不要と
なり、或いは僅かな程度の実施だけで、アーク溶解期が
短時間で操業完了となる。よって、歩留りロスを抑制し
つつ生産性の向上が図れる。
溶解炉を密閉化することがより好ましい。前述したよう
に、従来の電気炉では、操業中は排滓扉を開けて排滓し
ながら、酸素パイプによるスクラップ溶断作業が行なわ
れている。しかし、この炉腹に開口された排滓扉から空
気が大量に侵入し、炉内を酸化性の雰囲気としているた
め、高温に予熱されたスクラップ及びアーク溶解された
溶湯の酸化が加速され、結局鉄分の歩留りロスとなる。
本発明では、アーク溶解が効率的に実施可能であるた
め、排滓扉からの酸素溶断が不要となると同時に、スク
ラップの溶け落ち状況の観察も排滓扉から実施する必要
が無くなる。また、排滓は、溶解精錬後の取鍋への出湯
前或いは後に行なえばよいため、排滓扉は密閉性の良い
形状として、溶解精錬中は閉鎖し断気することにより、
溶解炉内を非酸化性雰囲気に保持でき、鉄歩留りが向上
する。
の安定及び溶解炉から発生する騒音レベルの低位安定等
により、炉内のスクラップ溶解状況の目視確認をしない
で溶け落ちを判断する。これも、溶解炉の炉殻内径を狭
くしたことにより、スクラップが効率的に安定して溶け
落ちるようになったため、スクラップの種類・性状等に
余り影響されないで溶け落ち時間及び溶け落ち挙動の再
現性が向上することによるものである。
解を終了し、上部の吹酸ランスから溶湯面に対して酸素
の吹付けを開始する。この時期を昇熱期と呼ぶ。ランス
装置は、上吹き転炉と同様の水冷ランスが好ましく、溶
湯中の炭素分又は吹酸前若しくは吹酸中に投入されたコ
ークス等の炭材を燃焼させつつ、溶湯の昇熱を図る。こ
れは、一般的な転炉における吹酸脱炭昇熱と類似した操
業形態となる。昇熱期の目的は、溶解炉内に多少残存し
ている未溶解スクラップの完全溶解、所定の溶湯温度・
炭素含有量となるように昇熱・脱炭を行なうことであ
る。但し、上吹きランスによる吹酸と上部黒鉛電極によ
る通電溶解を同時に併用することも設備上の工夫により
可能となる。この場合、投入電力は制約されることとな
り、溶湯昇熱の主たる手段は上吹きランスからの吹酸に
よる炭材燃焼である。
て、ある程度サイジングされたスクラップを上部より投
入しながら溶解することが可能である。このスクラップ
は予熱・未予熱どちらでも使用可能であるが、溶解効率
から言えば予熱されていた方が好ましい。また、スクラ
ップを投入する場合、前述の通電溶解を併用している場
合は、上部黒鉛電極への悪影響が考えられるため、通電
溶解中の投入は好ましくない。上吹きランスは、投入さ
れるスクラップが衝突するため、疵・磨耗等が考えられ
るが、水冷・表面硬化処理・外面の厚肉化等を実施すれ
ば、工業的に問題なく操業が可能である。昇熱期におい
て、スクラップを全溶解量に対してある程度の比率で溶
解すれば、溶解期での溶解スクラップ量が少なくて済
み、従って溶解期におけるスクラップの追装入が必要な
くなり、また延いては、電気炉の内容積の低下・炉殻内
径の低減にも繋がる。
り、上吹きランスによる吹酸脱炭昇熱とすることは、電
気エネルギーを安価な化石燃料に代替するのみならず、
1次エネルギー換算で大幅な省エネルギーを達成するこ
とが可能となる。また、従来、昇熱期に通電加熱する場
合、生産性向上のため大電力を投入すると溶解炉の炉壁
にホットスポットが生成し、壁面耐火物の異常溶損或い
は水冷ボックスの水漏れ・寿命低下をもたらしていたの
で、溶け落ち後の溶湯の昇熱・脱炭は、工業的に電気炉
方式の通電加熱より転炉方式の吹酸脱炭昇熱の方が有利
である。
の操業のポイントである上吹きランスの吹酸による溶鋼
攪拌を強化することができる。即ち、側壁周辺に生成す
る溶湯流れのデッドスペースを無くすことが可能とな
り、脱炭・昇熱効率の向上が図れる。更に、溶鋼攪拌を
強化する為に一般的に導入される底吹きガス攪拌につい
ても、炉殻内径の減少により溶湯深さが大きくとれ、同
一底吹きガス量であっても攪拌力は大きくなる。
熱に変更したので、通電加熱時の上部黒鉛電極によるホ
ットスポットが無くなり、溶解炉の炉殻内径を決める制
約条件が大幅に緩和される。
は、昇熱期にも顕著に現れる。従来は排滓扉を開放して
操業していたため、溶解炉内の攪拌を強化するとスラグ
のみならず地金も排出され、歩留りが低下したが、密閉
化により溶鋼の攪拌を充分に行なえ、脱炭・昇熱効率が
向上するとともに、スラグ/メタル間の反応が促進さ
れ、溶湯中の不純物である燐・硫黄を効率的にスラグ中
に除去することが可能となる。
に、トランス容量X(MVA)に対する関係で炉殻内径
Di(m)をどれだけ小さくすることができるかについ
ては、両者の実測データを整理した結果、Di<1.6
3×X1/3−1.5、さらに好ましくはDi<1.63
×X1/3−1.8まで炉殻の損傷等の問題を生じること
なく小さくすることができることが明らかとなった。す
なわち、本発明により同一のトランス容量に対して、D
i=1.2467×X0.3736の関係にある従来の電気炉
の炉殻より小さい炉殻で操業することが可能となる。
る耐火物溶損指数Rf(kWV/cm2)は、電気炉炉
壁がどの程度の熱負荷或いはアークによる放電アタック
を受けるかを定量的に表現したパラメータである。ま
ず、Pa:アーク電力が高い程、アークが発するエネル
ギーが大きくなり、壁の損傷負荷が高くなる。同様に、
Ea:アーク電圧が高い程、アークが発するエネルギー
が大きくなり、壁の損傷負荷が高くなる。一方、L:炉
殻内壁〜上部黒鉛電極間距離が大きいと炉壁がアークの
熱負荷を受けにくくなり、これは一般的に距離の2乗に
反比例する。従来の多くの電気炉について公称炉容量
(ton)と耐火物溶損指数Rf(kWV/cm2)と
の関係を整理すると、より耐火物溶損指数が厳しく、バ
ラツキの少ない交流電気炉の回帰式は、Rf=1.68
61×Y+171.42となる。これに対し、本発明で
は、(2)式のRf>1.8×Y+300、好ましくは
Rf>1.8×Y+370というより炉殻の熱負荷の厳
しい範囲を選択することができる。
を詳細に説明する。
本図は直流型電気炉を示し、炉殻1、上部黒鉛電極2か
らなり、Diは炉殻内径(m)、dは上部黒鉛電極外径
(cm)、Lは炉殻内壁〜上部黒鉛電極間距離(cm)
を示している。
電極2で通電溶解中を示す図である。
度溶解した後、上部黒鉛電極2を上昇させ、炉蓋3を旋
回し、スクラップを追加装入して、図2の通電溶解を繰
り返す。追加スクラップが溶解した後、入力電圧・電力
を抑制して昇熱・脱炭・精錬を行なう。
溶解後、図3に示すように上部黒鉛電極2に代わり、水
冷上吹吹酸ランス6を装入して、炉内の溶湯7を吹酸脱
炭・昇熱する。この昇熱期では、通常シュレッダー屑等
の小片スクラップ、及び小割りのコークス等の酸化発熱
源を連続して電気炉内に投入しながら溶解する。昇熱期
において連続投入される小片スクラップは、排ガスダク
ト4を通して流れる排ガスの顕熱により、及び後面に設
置されるロータリー炉やシャフト炉で排ガスの潜熱成分
を2次燃焼させることにより予熱することが可能であ
る。
ランス容量X:100MVA、黒鉛電極径:28インチ
の電気炉を設置するにあたり、表1に示すように、実施
例では炉殻内径Diを5.7mとしたので、(1)式の
右辺は1.6×1001/3−1.5で約5.93とな
り、(1)式を満足するが、比較例である従来の電気炉
は、炉殻内径Diを7.2mとしたので、(1)式の右
辺の約5.93より大きくなり、(1)式を満足してい
ない。即ち、同一トランス容量100MVAに対して、
本発明の電気炉は従来型と比較してかなり狭い内径とな
っている。
はアーク電力Pa:60700kW、アーク電圧Ea:
607V、炉殻内壁〜上部黒鉛電極間距離L:260c
mであるので、(3)式より耐火物溶損指数Rfが54
5kWH/cm2となり、(2)式の右辺480より大き
くなって(2)式を満足した。一方、比較例では、アー
ク電力Pa:60700kW、アーク電圧Ea:607
V、炉殻内壁〜上部黒鉛電極間距離L:335cmであ
るので、(3)式より耐火物溶損指数Rfは328kW
H/cm2となり、(2)式の右辺480より小さくなっ
て、(2)式を満足しなかった。
は、電力原単位300KWH/t、コークス50kg/
tを使用した。一方、比較例では、電力原単位440K
WH/t、コークス原単位17kg/t、灯油原単位4
l/tであった。表1のその他のエネルギーは、スクラ
ップ中のFe分が酸化発熱したものである。比較例は実
施例と比べて炉殻が広く溶湯の浴深が浅いため、溶湯攪
拌が不充分でFeの酸化がより大きくなり、発熱量が増
加した。これは、裏返せば装入したFe分の歩留りが低
下してコストが悪化したことになる。これらを1次エネ
ルギー換算で合計すると、比較例に対して実施例では大
幅に低減した。また、これらの投入したエネルギー及び
歩留り等のコスト評価を行なうと、比較例を100とす
ると、実施例では86であった。更に、操業時間を溶解
期と昇熱期の合計時間で比較すると、実施例では44
分、比較例では51分となり、実施例が比較例に対し7
分の短縮となった。
において、大幅なエネルギー原単位の低減、溶湯の鉄分
酸化ロスの低減、及び総合的なコストダウン効果がもた
らされる。
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄源を電気エネルギーと化石エネルギー
を併用して効率的に溶解・昇熱・脱炭・精錬する電気炉
の操業方法において、冷鉄源を主に電気エネルギーにて
溶解する溶解期と、溶落後吹酸ランスより酸素を吹付け
て脱炭・昇熱・精錬を行なう昇熱期とから成ることを特
徴とする電気炉の操業方法。 - 【請求項2】 前記昇熱期において、吹酸中にスクラッ
プを連続的に添加して溶解を行なうことを特徴とする請
求項1記載の電気炉の操業方法。 - 【請求項3】 炉殻内径Diが(1)式を満足すること
を特徴とする電気炉。 Di < 1.63×X1/3−1.5 ……………(1) ここに、Di:炉殻内径 (m) X :トランス容量 (MVA) - 【請求項4】 (3)式で定義される耐火物溶損指数R
fが(2)式を満足することを特徴とする電気炉。 Rf > 1.8×Y+300 ……………………(2) Rf=Pa×Ea/L2 …………………………(3) ここに、Rf:耐火物溶損指数 (kWV/cm2) Y :公称炉容量 (ton) Pa:アーク電力 (kW) Ea:アーク電圧 (V) L :炉殻内壁〜上部黒鉛電極間距離 (cm)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7128602B1 (ja) | 2022-03-11 | 2022-08-31 | 山田 榮子 | 産業廃棄物の少ない屑鉄の溶解方法 |
JP7485939B2 (ja) | 2020-08-24 | 2024-05-17 | 日本製鉄株式会社 | 銑鉄溶解装置、及び、銑鉄の溶解方法 |
-
2000
- 2000-02-09 JP JP2000031540A patent/JP3431877B2/ja not_active Expired - Lifetime
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