JP2001220108A - 一酸化炭素除去方法及び一酸化炭素除去触媒 - Google Patents

一酸化炭素除去方法及び一酸化炭素除去触媒

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JP2001220108A
JP2001220108A JP2000033494A JP2000033494A JP2001220108A JP 2001220108 A JP2001220108 A JP 2001220108A JP 2000033494 A JP2000033494 A JP 2000033494A JP 2000033494 A JP2000033494 A JP 2000033494A JP 2001220108 A JP2001220108 A JP 2001220108A
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carbon monoxide
copper
catalyst
gas
monoxide removal
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Mitsuaki Echigo
満秋 越後
Minoru Suzuki
稔 鈴木
Osamu Okada
治 岡田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、耐久性に優れ、水素ロスが少な
く、しかも、効率良く一酸化炭素を除去することができ
る一酸化炭素除去方法及び一酸化炭素除去触媒を提供す
る。 【解決手段】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対象
ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去方法にお
いて、処理対象ガスに酸化剤を添加し、銅を主成分とし
て含む銅系一酸化炭素除去触媒を用いて一酸化炭素を主
に酸化反応により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素を少量
含む水素リッチな処理対象ガス中の一酸化炭素を除去す
る一酸化炭素除去方法及び一酸化炭素除去触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】かかる一酸化炭素除去方法は、一酸化炭
素を少量含む水素リッチな処理対象ガス中の一酸化炭素
を除去して、一酸化炭素濃度を低下させるものである。
一酸化炭素を少量含む水素リッチなガスとして、例え
ば、燃料電池において用いる燃料ガスがある。燃料電池
において、特に、高分子型燃料電池は、動作温度が80
〜100°C付近の低温であるため、燃料ガス中の一酸
化炭素濃度が高いと、一酸化炭素による電極触媒の被毒
が起こり易く、電池性能が低下する。そこで、高分子型
燃料電池に供給する燃料ガスは、一酸化炭素濃度を数p
pm程度にまで低下させている。
【0003】従来、かかる一酸化炭素除去方法において
は、白金、ルテニウム等の貴金属系一酸化炭素除去触媒
を用いて、処理対象ガス中の一酸化炭素を酸化反応によ
り除去するものがあった。又、酸化銅と酸化マンガンか
ら成る一酸化炭素除去触媒を用いて、処理対象ガス中の
一酸化炭素を酸化反応により除去する方法が提案されて
いる(例えば、特開平8−188783号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において、
貴金属系一酸化炭素除去触媒を用いるものでは、貴金属
材料を用いるため、コストが高くなるという問題があっ
た。
【0005】一方、従来の方法において、酸化銅と酸化
マンガンから成る一酸化炭素除去触媒を用いるもので
は、貴金属材料を用いないので、コストダウンを図るこ
とができる。しかしながら、酸化マンガン中の酸素原子
が一酸化炭素の酸化に消費される、換言すれば、酸化マ
ンガンが還元されるので、耐久性が短いという問題があ
った。つまり、酸化銅と酸化マンガンから成る一酸化炭
素除去触媒では、主として、マンガンが一酸化炭素の酸
化反応における触媒作用を担っていると考えられる。
又、酸化銅と酸化マンガンから成る一酸化炭素除去触媒
を用いるものにおいては、処理対象ガスに対して、酸化
剤としての空気を多量に混合する必要があるので、一酸
化炭素の除去処理効率が低く、処理対象ガス中の水素を
多量に燃焼してしまうので、水素ロスが多いという問題
があった。例えば、一酸化炭素の含有率が0.35〜
0.4vol%の処理対象ガスに対して、10vol%
の空気を混合すると、一酸化炭素の除去において良い結
果が得られたと記載されているが、この場合、酸素と一
酸化炭素の体積比(以下、O2 /COと記載する場合が
ある)は、5以上であり、多量の酸素を必要とする。
【0006】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、低コストで、耐久性に優れ、水
素ロスが少なく、しかも、効率良く一酸化炭素を除去す
ることができる一酸化炭素除去方法及び一酸化炭素除去
触媒を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の一酸化炭素除去方法は、前記処理対象
ガスに酸化剤を添加し、銅を主成分として含む銅系一酸
化炭素除去触媒を用いて一酸化炭素を主に酸化反応によ
り除去することを特徴としている。
【0008】本発明の発明者らは、一酸化炭素を含む水
素リッチな処理対象ガス中の一酸化炭素を除去する方法
を鋭意研究し、銅を主成分として含む銅系一酸化炭素除
去触媒(以下、単に銅系一酸化炭素除去触媒と記載する
場合がある)を一酸化炭素の選択酸化反応に用いると、
一酸化炭素の酸化反応に高い選択性を示し、処理対象ガ
スに添加する酸化剤の量を従来より少なくしても(例え
ば、O2 /COが3以下)、速い反応速度で、効率良く
一酸化炭素を酸化反応させて、二酸化炭素に転化するこ
とができることを発見した。又、この銅系一酸化炭素除
去触媒は、処理対象ガスに添加されている酸化剤と一酸
化炭素との酸化反応に対して触媒作用して、自身はほと
んど変化することがない。従って、貴金属材料を用いな
いので、コストダウンを図ることができ、O2 /COを
従来よりも小さくすることができるので、水素ロスを少
なくするとともに、効率良く一酸化炭素を除去すること
ができるようになった。又、一酸化炭素の酸化のために
酸素原子が消費されるような酸化マンガンを主成分とし
て含む触媒を用いた従来の方法に比べて、耐久性を向上
することができるようになった。
【0009】〔請求項2記載の発明〕請求項2に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒に
よる一酸化炭素除去反応を100〜400°Cの温度範
囲で行わせることを特徴としている。
【0010】銅系一酸化炭素除去触媒は、本来、高い活
性を有するが、一酸化炭素除去反応を行わせる温度(以
下、単に反応温度と記載する場合がある)を特に100
〜400°Cの範囲に設定すると、CO転化率(下記の
数式にて示される)を高くする上で好ましいことが分か
った。
【0011】
【数1】
【0012】従って、銅系一酸化炭素除去触媒による一
酸化炭素除去反応を100〜400°Cの温度範囲で行
わせることにより、一層効率良く一酸化炭素を除去する
ことができるようになった。
【0013】〔請求項3記載の発明〕請求項3に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒に
よる一酸化炭素除去反応を150〜300°Cの温度範
囲で行わせることを特徴としている。
【0014】銅系一酸化炭素除去触媒を用いた一酸化炭
素除去反応は、その反応温度が低くなり過ぎるほど反応
速度が遅くなり、反応温度が高くなり過ぎるほど却って
CO転化率が低くなる傾向がある。そこで、反応温度
を、特に150〜300°Cの範囲に設定すると、反応
速度を速くしながら、CO転化率を可及的に高くするこ
とができることが分かった。従って、銅系一酸化炭素除
去触媒による一酸化炭素除去反応を150〜300°C
の温度範囲で行わせることにより、可及的に高効率で一
酸化炭素を除去することができるようになった。
【0015】〔請求項4記載の発明〕請求項4に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒
に、タングステン又はモリブデンを含ませてあることを
特徴としている。
【0016】発明者らは、銅系一酸化炭素除去触媒に、
タングステン又はモリブデンを含ませることにより、一
酸化炭素の酸化反応の選択性が更に高くなり、触媒活性
も更に高くなることを発見した。従って、タングステン
又はモリブデンを含ませた銅系一酸化炭素除去触媒を用
いることにより、更に効率良く一酸化炭素を除去するこ
とができるようになった。
【0017】〔請求項5記載の発明〕請求項5に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒中
の銅とタングステンの原子比、又は、銅とモリブデンの
原子比が、1:0.002〜0.2であることを特徴と
している。
【0018】タングステン又はモリブデンの添加量が少
なすぎると、一酸化炭素の酸化反応の選択性及び触媒活
性を向上させる効果が少なく、多すぎると、添加したタ
ングステン又はモリブデンを効率良く作用させることが
できない。銅系一酸化炭素除去触媒中の銅とタングステ
ンの原子比、又は、銅とモリブデンの原子比が、1:
0.002〜0.2の範囲となるように、タングステン
又はモリブデンを添加すると、添加したタングステン又
はモリブデンを効率良く作用させながら、一酸化炭素の
酸化反応の選択性及び触媒活性を向上させる上で、好ま
しいことが分かった。従って、銅とタングステンの原子
比、又は、銅とモリブデンの原子比が1:0.002〜
0.2の範囲の銅系一酸化炭素除去触媒を用いることに
より、更に効率良く一酸化炭素を除去することができる
ようになった。
【0019】〔請求項6記載の発明〕請求項6に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒
が、酸化銅の粉末を焼成することにより得られたもので
あることを特徴としている。
【0020】酸化銅の粉末そのものでも、一酸化炭素を
選択的に酸化反応させることが可能であるが、酸化銅の
粉末を焼成すると、触媒活性が更に向上することが分か
った。又、酸化銅の粉末を焼成することにより、処理対
象ガスの圧損を小さくすることができる。従って、銅系
一酸化炭素除去触媒として、酸化銅の粉末を焼成するこ
とにより得られたものを用いると、更に効率良く一酸化
炭素を除去することができるようになった。
【0021】〔請求項7記載の発明〕請求項7に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒
が、銅化合物及び亜鉛化合物を用いる共沈法により調製
した酸化銅と酸化亜鉛との混合物を焼成することにより
得られたものであることを特徴としている。
【0022】処理対象ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反
応させて、二酸化炭素と水素に転換する一酸化炭素変成
反応は、一酸化炭素を除去する方法として従来から用い
られているが、この一酸化炭素変成反応においては、共
沈法により調製した酸化銅と酸化亜鉛との混合物を焼成
することにより得られた銅亜鉛系一酸化炭素変成触媒を
用いている。そして、発明者らは鋭意研究し、この銅亜
鉛系一酸化炭素変成触媒を一酸化炭素の選択酸化反応に
用いると、一酸化炭素の酸化反応に高い選択性を示し、
2/COを従来より少なくしても、速い反応速度で、
効率良く一酸化炭素を酸化反応させて、二酸化炭素に転
化することができることを発見した。又、この銅亜鉛系
一酸化炭素変成触媒は、処理対象ガスに添加されている
酸化剤と一酸化炭素との酸化反応に対して触媒作用し
て、自身はほとんど変化することがない。つまり、共沈
にて得られた酸化銅及び酸化亜鉛を主成分として含む銅
亜鉛系一酸化炭素変成触媒を、本発明における銅系一酸
化炭素除去触媒として用いることができることを発見し
た。
【0023】従って、従来から用いられている銅亜鉛系
一酸化炭素変成触媒を、銅系一酸化炭素除去触媒として
用いることにより、コストダウンを更に図ることができ
るようになった。又、従来の一酸化炭素変成装置を、処
理対象ガスに酸化剤を添加させることができる程度に、
わずかに改造することにより、本発明による一酸化炭素
除去方法を用いた一酸化炭素除去装置を製作することが
できるので、装置コストをも低減することができる。
【0024】〔請求項8記載の発明〕請求項8に記載の
一酸化炭素除去方法は、前記銅系一酸化炭素除去触媒
が、銅化合物、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を用
いる共沈法により調製した酸化銅と酸化亜鉛と酸化アル
ミニウムとの混合物を焼成することにより得られたもの
であることを特徴としている。
【0025】共沈法により調製した酸化銅と酸化亜鉛と
酸化アルミニウムとの混合物を焼成することにより得ら
れた銅系一酸化炭素除去触媒は、アルミニウムを加えた
ことにより、耐熱性が向上することが分かった。従っ
て、請求項8に記載の一酸化炭素除去方法によれば、請
求項7に記載の一酸化炭素除去方法によるよりも更に耐
久性を向上することができるという効果を得ることがで
きる。
【0026】〔請求項9記載の発明〕請求項9に記載の
一酸化炭素除去方法は、一酸化炭素を含む水素リッチな
処理対象ガス中の一酸化炭素を、請求項1〜8のいずれ
か1項に記載の一酸化炭素除去方法を用いて除去し、そ
のように一酸化炭素を除去処理した後の前記処理対象ガ
ス中に残った一酸化炭素を、貴金属系一酸化炭素除去触
媒を用いて除去することを特徴としている。
【0027】例えば、高分子型燃料電池に供給する燃料
ガスのように、一酸化炭素濃度を数ppm程度にまで低
下させる必要がある場合は、従来では、水素ロスを極力
少なくしながら一酸化炭素濃度を低下するために、貴金
属系一酸化炭素除去触媒を用いて処理対象ガス中の一酸
化炭素を除去する処理を、複数回にわたって段階的に行
っている。
【0028】そこで、一酸化炭素濃度が極めて低い水素
リッチなガスを必要とする用途において、複数段にわた
って一酸化除去処理を行う場合に、前段を、本発明によ
る銅系一酸化炭素除去触媒を用いた方法にて行い、後段
を、従来の貴金属系一酸化炭素除去触媒を用いた方法に
て行うことにより、貴金属の使用量を減らしてコストダ
ウンを図ることができるようになった。又、本発明によ
る銅系一酸化炭素除去触媒のみにて、複数段にわたって
一酸化除去処理を実行する場合に比べて、多少コストア
ップとなるものの、効率良く一酸化炭素を除去すること
ができる。
【0029】〔請求項10記載の発明〕請求項10に記
載の一酸化炭素除去方法は、前記貴金属系一酸化炭素除
去触媒を用いた一酸化炭素の除去処理が、一酸化炭素を
酸化反応により除去するものであることを特徴としてい
る。
【0030】貴金属系一酸化炭素除去触媒を用いた一酸
化炭素の除去処理としては、酸化反応によるものとメタ
ン化反応によるものとがあるが、酸化反応によるものの
方が、CO転化率が高くなる。従って、前段を前記銅系
一酸化炭素除去触媒を用いた方法にて行い、後段を前記
貴金属系一酸化炭素除去触媒を用いた方法にて行う場合
において、一酸化炭素除去性能を更に向上する上で好ま
しい具体構成を提供することができる。
【0031】〔請求項11記載の発明〕請求項11に記
載の一酸化炭素除去方法は、前記貴金属系一酸化炭素除
去触媒が、Pt、Ru、Pd、Rhのうちの少なくとも
一つを含むものであることを特徴としている。
【0032】Pt、Ru、Pd、Rhのうちの少なくと
も一つを含ませることにより、触媒活性の高い貴金属系
一酸化炭素除去触媒を得ることができる。従って、貴金
属系一酸化炭素除去触媒として、特に、Pt、Ru、P
d、Rhのうちの少なくとも一つを含むものを用いるこ
とにより、更に効率良く一酸化炭素を除去することがで
きる。
【0033】〔請求項12記載の発明〕請求項12に記
載の一酸化炭素除去方法は、前記処理対象ガスが、炭化
水素系の原燃料を改質して得られた改質ガスであること
を特徴としている。
【0034】炭化水素系の原燃料を、水蒸気を用いた水
蒸気改質反応あるいは部分燃焼反応により改質させて、
一酸化炭素を少量含む水素リッチな改質ガスを生成す
る。又、更に低い一酸化炭素濃度が要求される場合は、
水蒸気改質反応や部分燃焼反応にて得られた改質ガスに
対して、一酸化炭素を水蒸気と反応させて二酸化炭素と
水素に転換する一酸化炭素変成反応処理を施して、水素
濃度が更に高く、一酸化炭素濃度が更に低い (例え
ば、1%以下)改質ガスを得る。そして、これらの改質
ガスを処理対象ガスとして、本発明による一酸化炭素除
去方法にて一酸化炭素を除去処理するのである。従っ
て、炭化水素系の原燃料を改質して得られた改質ガスを
用いる用途において、本発明による一酸化炭素除去方法
に用いることにより、一酸化炭素の除去処理にかかるコ
ストを低減することができるようになった。
【0035】〔請求項13記載の発明〕請求項13に記
載の一酸化炭素除去方法は、前記処理対象ガスが、燃料
電池の燃料ガス用に炭化水素系の原燃料を改質して得ら
れた改質ガスであることを特徴としている。燃料電池に
おいて用いる燃料ガスとしては、一酸化炭素濃度が低い
水素リッチなガスが要求される。従って、本発明による
一酸化炭素除去方法は、燃料電池用の燃料ガス生成する
用途に好適である。
【0036】〔請求項14記載の発明〕請求項14に記
載の一酸化炭素除去触媒は、酸化銅の粉末を焼成するこ
とにより得られることを特徴としている。
【0037】〔請求項15記載の発明〕請求項15に記
載の一酸化炭素除去触媒は、銅化合物及び亜鉛化合物を
用いる共沈法により調製した酸化銅と酸化亜鉛との混合
物を焼成することにより得られることを特徴としてい
る。
【0038】〔請求項16記載の発明〕請求項16に記
載の一酸化炭素除去触媒は、銅化合物、亜鉛化合物及び
アルミニウム化合物を用いる共沈法により調製した酸化
銅と酸化亜鉛と酸化アルミニウムとの混合物を焼成する
ことにより得られることを特徴としている。
【0039】本発明の発明者らは、一酸化炭素を含む水
素リッチな処理対象ガスに酸化剤を添加して、処理対象
ガス中の一酸化炭素を主に酸化反応により除去するのに
用いる一酸化炭素除去触媒を鋭意研究し、請求項14、
請求項15及び請求項16夫々に記載の特徴を備えた一
酸化炭素除去触媒を用いると、一酸化炭素の酸化反応に
高い選択性を示し、処理対象ガスに添加する酸化剤の量
を従来より少なくしても(例えば、O2 /COが3以
下)、速い反応速度で、効率良く一酸化炭素を酸化反応
させて、二酸化炭素に転化することができることを発見
した。又、これらの銅系一酸化炭素除去触媒は、処理対
象ガスに添加されている酸化剤と一酸化炭素との酸化反
応に対して触媒作用して、自身はほとんど変化すること
がないことを発見した。従って、低コストで、耐久性に
優れ、水素ロスが少なく、しかも、効率良く一酸化炭素
を除去することができる一酸化炭素除去触媒を提供する
ことができるようになった。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 〔第1実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末(平均粒径7
5μm以下)を錠剤に成形した後、空気中において、3
00°Cで1時間、焼成し、更に、粉砕して、ふるいで
1〜2mmの範囲に整粒して、銅系一酸化炭素除去触媒
を得る。以下、この銅系一酸化炭素除去触媒を、触媒
(1)と記載する。
【0041】そして、この触媒(1)を用いて、触媒を
充填した触媒充填部(触媒層に相当する)に、COが
0.5%、O2 が1%、N2 が4%、CO2 が20%、
CH4が0.5%、H2 Oが16%、H2 バランスの組
成の処理対象ガス(O2 、N2を除いた組成が、一酸化
炭素変成処理後の改質ガスの組成に相当する)をGHS
V(ガス時間当たり空間速度)15000/hで通流さ
せる試験条件(以下、試験条件(1)と記載する)で、
反応温度を変化させて各反応温度でCO転化率を測定す
ることにより、触媒活性を評価する触媒活性試験を行っ
た。この試験条件(1)では、処理対象ガスに対して、
2 /COが2になるように空気を添加することに相当
する。試験結果を下記の表1に示す。
【0042】尚、この第1実施形態での触媒活性試験で
は、触媒充填部に流入する前、及び、触媒充填部から流
出した後の夫々のガス組成は水素炎イオン化検知器を有
するガスクロマトグラフにより測定した。以下で説明す
る各実施形態での触媒活性試験においても、この第1実
施形態と同様にガス組成を測定する。
【0043】〔第2実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末
(平均粒径75μm以下)を錠剤に成形した後、空気中
において、600°Cで1時間、焼成し、更に、粉砕し
て、ふるいで1〜2mmの範囲に整粒して、銅系一酸化
炭素除去触媒を得る。以下、この銅系一酸化炭素除去触
媒を、触媒(2)と記載する。そして、この触媒(2)
を用いて、上記の試験条件(1)で、反応温度を変化さ
せて触媒活性試験を行った。その試験結果を下記の表1
に示す。
【0044】〔第3実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末
(平均粒径3μm以下)を錠剤に成形した後、空気中に
おいて、600°Cで1時間、焼成し、更に、粉砕し
て、ふるいで1〜2mmの範囲に整粒して、銅系一酸化
炭素除去触媒を得る。以下、この銅系一酸化炭素除去触
媒を、触媒(3)と記載する。そして、この触媒(3)
を用いて、試験条件(1)で、反応温度を変化させて触
媒活性試験を行った。その試験結果を下記の表1に示
す。
【0045】〔第4実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末
(平均粒径3μm以下)30gに対して、Na2 WO 4
・2H2 Oの粉末を4.3g加えて、乳鉢で混合した
後、錠剤に成形し、空気中において、600°Cで1時
間、焼成し、更に、粉砕して、ふるいで1〜2mmの範
囲に整粒して、タングステンを、銅とタングステンの原
子比Cu:Wが1:0.1になるように添加した銅系一
酸化炭素除去触媒を得る。以下、この銅系一酸化炭素除
去触媒を、触媒(4)と記載する。そして、この触媒
(4)を用いて、試験条件(1)で、反応温度を変化さ
せて触媒活性試験を行った。その試験結果を下記の表1
に示す。
【0046】
【表1】
【0047】〔第5実施形態〕上記の触媒(3)を用い
て、触媒を充填した触媒充填部に、COが0.5%、O
2 が0.5%、N2 が2%、CO2 が20%、CH4
0.5%、H2 Oが16%、H2 バランスの組成の処理
対象ガスをGHSV15000/hで通流させる試験条
件(以下、試験条件 (2)と記載する)で、反応温度
を変化させて各反応温度でCO転化率を測定することに
より、触媒活性を評価する触媒活性試験を行った。この
試験条件(2)では、処理対象ガスに対して、O2 /C
Oが1になるように空気を添加することに相当する。試
験結果を下記の表2に示す。
【0048】〔第6実施形態〕上記の触媒(4)を用い
て、試験条件(2)で、反応温度を変化させて触媒活性
試験を行った。その試験結果を下記の表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】上記の表1及び表2から、銅系一酸化炭素
除去触媒を、酸化銅粉末のみを焼成して作製する場合
は、酸化銅粉末の粒径、及び、焼成温度にかかわらず、
略同等の触媒活性が得られることが分かる。ちなみに、
酸化銅粉末を焼成する温度は、低すぎると、触媒使用中
に粒成長が進むため触媒活性が安定せず、高すぎると、
粒成長が進んで触媒活性が低くなる。そして、安定して
高い触媒活性を得るためには、酸化銅粉末の加熱温度
は、300°〜700°Cの範囲が好ましく、400°
〜600°Cの範囲が更に好ましいことが分かった。
【0051】又、酸化銅粉末のみを焼成して形成した銅
系一酸化炭素除去触媒では、O2 /COにより差はある
が、反応温度が200〜300°Cの範囲で、高い触媒
活性が得られ、O2 /COが2のときは、240〜28
0°Cの範囲で、一層高い触媒活性が得られる。
【0052】又、タングステンを添加することにより、
反応選択性及び触媒活性が向上することが分かる。尚、
タングステンを添加する場合、銅系一酸化炭素除去触媒
中の銅とタングステンの原子比が1:0.002〜0.
2の範囲となるように添加すると、添加したタングステ
ンを効率良く作用させながら、反応選択性及び触媒活性
を向上させる上で好ましいことが分かった。
【0053】処理対象ガスに添加する酸化剤の量は、O
2 /COが3以下になる量が好ましく、O2 /COが3
よりも大きくなると、水素ロスが多くなるので好ましく
ない。
【0054】触媒量は、少なすぎるとCO転化率が低く
なるので、GHSV100000/h以下で用いるのが
好ましく、一方、圧力損失を大きくしないためには、G
HSV2000/h以上で用いるのが好ましい。
【0055】〔第7実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末
を錠剤に成形した後、空気中において、600°Cで、
焼成し、更に、粉砕して、ふるいで1〜2mmの範囲に
整粒して、銅系一酸化炭素除去触媒を得る。以下、この
銅系一酸化炭素除去触媒を、触媒(5)と記載する。
【0056】そして、この触媒(5)を用いて、触媒を
充填した触媒充填部に、COが2.1%、CO2 が16
%、H2 Oが24%、H2 バランスの組成の処理対象ガ
スをGHSV15000/hで通流させて、反応温度2
60°Cで酸化反応させる試験条件(以下、試験条件
(3)と記載する)で、O2 /COを変化させて各O2
/COでCO転化率を測定することにより、触媒活性を
評価する触媒活性試験を行った。試験結果を図1に示
す。
【0057】〔第8実施形態〕酸化銅( CuO) の粉末
に対して、タングステン換算で10重量%のNa2 WO
4 ・2H2 Oの粉末を加えて、乳鉢で混合した後、錠剤
に成形し、空気中において、600°Cで焼成し、更
に、粉砕して、ふるいで1〜2mmの範囲に整粒して、
銅を主成分として含み、タングステンを添加した銅系一
酸化炭素除去触媒を得る。以下、この銅系一酸化炭素除
去触媒を、触媒(6)と記載する。そして、この触媒
(6)を用いて、試験条件(3)で、O2 /COを変化
させて触媒活性試験を行った。その試験結果を図1に示
す。
【0058】図1からは、タングステンの添加の有無に
より、CO転化率のO2 /CO依存性が異なり、タング
ステンを添加する方が、添加しないものに比べて、小さ
いO 2 /COで、高いCO転化率が得られ、好ましいこ
とが分かる。
【0059】〔第9実施形態〕共沈法によって銅化合物
と亜鉛化合物とアルミニウム化合物との混合沈殿物を形
成させ、それを洗浄、乾燥し、更に錠剤に成形した後、
空気中で350°Cで焼成することにより得た酸化銅と
酸化亜鉛と酸化アルミニウムとの混合物を粉砕、整粒し
て、銅系一酸化炭素除去触媒を得る。以下、この銅系一
酸化炭素除去触媒を、触媒(7)と記載する。
【0060】そして、この触媒(7)を用いて上記の試
験条件(1)で、反応温度を変化させて触媒活性試験を
行った。その試験結果を下記の表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】〔第10実施形態〕上記の触媒(7)を用
いて、上記の試験条件(2)で、反応温度を変化させて
触媒活性試験を行った。その試験結果を下記の表4に示
す。
【0063】
【表4】
【0064】〔第11実施形態〕共沈法によって銅化合
物と亜鉛化合物とアルミニウム化合物との混合沈殿物を
形成させ、それを洗浄、乾燥し、更に錠剤に成形した
後、空気中で400°Cで焼成することにより得た酸化
銅と酸化亜鉛と酸化アルミニウムとの混合物を粉砕、整
粒して、銅系一酸化炭素除去触媒を得る。以下、この銅
系一酸化炭素除去触媒を、触媒(8)と記載する。
【0065】そして、この触媒(8)を用いて上記の試
験条件(3)で、O2 /COを変化させて触媒活性試験
を行った。その試験結果を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】以下、第12〜第14実施形態において、
COが0.5%、CO2 が20%、CH4 が0.5%、
2 Oが18%、H2 バランスの組成の処理対象ガス
(一酸化炭素変成処理後の改質ガスに相当する)を、本
発明による銅系一酸化炭素除去触媒を充填した銅系触媒
使用CO除去部、貴金属系一酸化炭素除去触媒を充填し
た貴金属系触媒使用CO除去部にて、順次処理して、一
酸化炭素を除去する場合の実施形態について説明する。
尚、貴金属系一酸化炭素除去触媒としては、アルミナに
Ruを重量百分率で1%担持したものを用いた。
【0068】〔第12実施形態〕触媒(4)を充填した
銅系触媒使用CO除去部に、改質ガスに相当する組成の
処理対象ガスを、O2 /COが1になるように空気を添
加した状態で導入して、反応温度が220°C、GHS
Vが15000/hでCO選択酸化反応を行ったとこ
ろ、1520ppmまでCOを除去することができた。
続いて、銅系触媒使用CO除去部にて処理されたガス
を、その銅系触媒使用CO除去部にて処理されたガス中
のCOに対するO2 /COが2になるように(換言すれ
ば、O2 濃度が3000ppm程度になるように)、空
気を添加した状態で、貴金属系触媒使用CO除去部に導
入し、160°C、GHSVが15000/hでCO選
択酸化反応を行ったところ、5ppm以下にまでCOを
除去することができた。
【0069】〔第13実施形態〕触媒(7)を充填した
銅系触媒使用CO除去部に、改質ガスに相当する組成の
処理対象ガスを、O2 /COが1になるように空気を添
加した状態で導入して、反応温度が160°C、GHS
Vが15000/hでCO選択酸化反応を行ったとこ
ろ、2335ppmまでCOを除去することができた。
続いて、銅系触媒使用CO除去部にて処理されたガス
を、そのガス中のCOに対するO2 /COが2になるよ
うに空気を添加した状態で、貴金属系触媒使用CO除去
部に導入し、160°C、GHSVが15000/hで
CO選択酸化反応を行ったところ、5ppm以下にまで
COを除去することができた。
【0070】〔第14実施形態〕触媒(7)を充填した
銅系触媒使用CO除去部に、改質ガスに相当する組成の
処理対象ガスを、O2 /COが0.5になるように空気
を添加した状態で導入して、反応温度が200°C、G
HSVが15000/hでCO選択酸化反応を行ったと
ころ、2270ppmまでCOを除去することができ
た。続いて、銅系触媒使用CO除去部にて処理されたガ
スを、そのガス中のCOに対するO2 /COが2になる
ように空気を添加した状態で、貴金属系触媒使用CO除
去部に導入し、160°C、GHSVが15000/h
でCO選択酸化反応を行ったところ、5ppm以下にま
でCOを除去することができた。
【0071】上記の第12〜第14実施形態により、改
質ガスに相当する組成の処理対象ガスを、本発明による
銅系一酸化炭素除去触媒を用いた方法、貴金属系一酸化
炭素除去触媒を用いた方法にて、順次、一酸化炭素除去
処理を行うことにより、例えば高分子型燃料電池に要求
される10ppm程度にまで、一酸化炭素濃度を低下さ
せることができることが分かった。
【0072】〔一酸化炭素除去装置の実施形態〕次に、
図2に基づいて、本発明による一酸化炭素除去方法を用
いた一酸化炭素除去装置の実施形態について説明する。
図2は、高分子型燃料電池(図示省略)に供給する燃料
ガスを生成する燃料ガス生成設備のブロック図である。
この燃料ガス生成設備は、脱硫装置1と、改質装置2
と、一酸化炭素変成装置3と、本発明にかかる一酸化炭
素除去装置4とから構成してある。脱硫装置1は、原燃
料供給路5を通じて供給される原燃料ガスとしての天然
ガスを脱硫処理する。改質装置2は、脱硫装置1から脱
硫ガス路6を通じて供給される脱硫原燃料ガスを、水蒸
気路7から供給される水蒸気と改質反応させて、一酸化
炭素を少量含む水素リッチな改質ガスを生成する。一酸
化炭素変成装置3は、改質装置2から改質ガス路8を通
じて送られてくる改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と変
成反応させて、二酸化炭素と水素に転換する。
【0073】一酸化炭素除去装置4は、銅を主成分とす
る銅系一酸化炭素除去触媒として、例えば、上記の触媒
(1)〜(8)のいずれかを充填して、本発明による一
酸化炭素除去方法により一酸化炭素を除去する銅系触媒
使用CO除去部4aと、ルテニウムから成る貴金属系一
酸化炭素除去触媒を充填して、一酸化炭素を酸化反応に
より除去する貴金属系触媒使用CO除去部4bとを、銅
系触媒使用CO除去部4aをガス流れ方向の上流側に位
置させた状態で接続して構成してある。
【0074】銅系触媒使用CO除去部4aには、変成装
置3から処理対象ガス路9を通じて、一酸化炭素変成処
理後の改質ガスが処理対象ガスとして供給され、銅系触
媒使用CO除去部4aは、処理対象ガス中の一酸化炭素
を、銅系一酸化炭素除去触媒の触媒作用で、空気路10
を通じて供給される空気中の酸素により選択的に酸化反
応させて、二酸化炭素に転化する。
【0075】貴金属系触媒使用CO除去部4bは、銅系
触媒使用CO除去部4aから送られてくる処理対象ガス
中の一酸化炭素を、貴金属系一酸化炭素除去触媒の触媒
作用で、空気路11を通じて供給される空気中の酸素に
より選択的に酸化反応させて、二酸化炭素に転化する。
尚、空気路10,11夫々には、処理対象ガスに添加す
る空気の量を調節する比例弁Vを設けてある。そして、
一酸化炭素除去装置4からは、燃料ガス路12を通じ
て、10ppm以下の低一酸化炭素濃度の燃料ガスが、
図示しない高分子型燃料電池に供給される。
【0076】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明す
る。 (イ) 銅系一酸化炭素除去触媒に、タングステンに替
えてモリブデンを添加しても、タングステンを添加した
ときと同様に、反応選択性及び触媒活性が向上する。モ
リブデンを添加する場合は、銅とモリブデンの原子比が
1:0.002〜0.2の範囲となるように添加する
と、添加したモリブデンを効率良く作用させながら、反
応選択性及び触媒活性を向上させる上で好ましい。
【0077】(ロ) 銅系一酸化炭素除去触媒を作製す
る条件は、上記の各実施形態において例示した条件に限
定されるものではない。例えば、原料として用いる酸化
銅の粉末の粒径は、種々に変更可能である。又、酸化銅
の粉末を焼成する温度は、300°〜700°Cの範囲
で適宜変更可能であり、加熱時間も1時間に限定される
ものではなく、適宜変更可能である。又、ふるいで整粒
する場合の粒径は、上記の実施形態において例示した1
〜2mmの範囲に限定されるものではなく、その範囲よ
りも小さくても、あるいは、大きくても良い。
【0078】(ハ) 上記の各実施形態においては、酸
化銅の粉末を焼成して粒状にしたものを、銅系一酸化炭
素除去触媒として用いる場合について例示した。これに
代えて、銅系一酸化炭素除去触媒として酸化銅を、アル
ミナなどの担体に担持させたり、ペレット状に成形した
り、耐熱性のハニカム状体にウォッシュコートして用い
ても良い。
【0079】(ニ) 共沈法にて得られた酸化銅(Cu
O)及び酸化亜鉛(ZnO)を銅系一酸化炭素除去触媒
としても良い。この場合、銅系一酸化炭素除去触媒は以
下のようにして作製する。硝酸銅水溶液と硝酸亜鉛水溶
液を1:1で混合したものを、炭酸ナトリウム水溶液に
少しずつ滴下させて、酸化銅及び酸化亜鉛を沈殿させ
る。この混合沈殿物を洗浄、乾燥し、粉末状の沈殿物を
錠剤に成形した後、空気中で焼成して、触媒を得る。
【0080】(ホ) 銅系一酸化炭素除去触媒の反応温
度は、上記の実施形態において例示した160〜300
°Cの範囲に限定されるものではなく、例えば、160
°Cより低くても、300°Cよりも高くても良いが、
100〜400°Cの範囲が好ましい。
【0081】(ヘ) 上記の実施形態においては、一酸
化炭素除去装置4は、銅系触媒使用CO除去部4aと貴
金属系触媒使用CO除去部4bとを、銅系触媒使用CO
除去部4aを上流側に位置させて、夫々1段ずつ設けて
構成する場合について例示した。一酸化炭素除去装置4
を、上流側の銅系触媒使用CO除去部4aと下流側の貴
金属系触媒使用CO除去部4bとにより構成する場合、
一酸化炭素濃度の低下目標に応じて、上流側の銅系触媒
使用CO除去部4aを複数段に設けたり、下流側の貴金
属系触媒使用CO除去部4bを複数段に設けたり、ある
いは、上流側の銅系触媒使用CO除去部4a及び下流側
の貴金属系触媒使用CO除去部4bを夫々複数段に設け
ても良い。又、貴金属系触媒使用CO除去部4bを上流
側に、銅系触媒使用CO除去部4aを下流側に位置させ
ても良い。
【0082】又、一酸化炭素除去装置4を、銅系触媒使
用CO除去部4aのみにて構成しても良い。この場合、
一酸化炭素濃度の低下目標に応じて、銅系触媒使用CO
除去部4aの設置段数を設定することができる。
【0083】(ト) 貴金属系一酸化炭素除去触媒を用
いた一酸化炭素除去処理しては、酸化反応によるものと
メタン化反応によるものとを併用すると、一酸化炭素除
去性能を更に向上する上で好ましい。
【0084】(チ) 貴金属系触媒使用CO除去部4b
は、ルテニウム以外に、白金、ルテニウム、パラジウ
ム、ロジウムのうちの少なくとも一つを含む種々の貴金
属系一酸化炭素除去触媒を充填して構成することができ
る。
【0085】(リ) 処理対象ガスに添加する酸化剤と
しては、空気、純酸素、酸素富化空気等、種々のものを
用いることができる。 (ヌ) 改質ガスを処理対象ガスとする場合、炭化水素
系の原燃料としては、上記の実施形態において例示した
天然ガス以外に、プロパンガス、ナフサ、灯油や、メタ
ノール等のアルコール類等、種々の原燃料を用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CO転化率とO2 /COとの関係を示す図
【図2】本発明の一酸化炭素除去方法を用いた一酸化炭
素除去装置を備えた燃料ガス生成設備のブロック図
【符号の説明】
1 脱硫装置 2 改質装置 3 一酸化炭素変成装置 4 一酸化炭素除去装置 4a 銅系触媒使用CO除去部 4b 貴金属系触媒使用CO除去部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 治 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB31 4G069 AA04 AA08 AA15 BA01A BB04A BB04B BC02B BC31A BC31B BC35A BC59A BC59B BC60A BC60B CC17 CC32 FB04 FB09 FB30 4H060 AA01 AA04 BB08 BB11 FF02 GG02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対象
    ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去方法であ
    って、 前記処理対象ガスに酸化剤を添加し、銅を主成分として
    含む銅系一酸化炭素除去触媒を用いて一酸化炭素を主に
    酸化反応により除去する一酸化炭素除去方法。
  2. 【請求項2】 前記銅系一酸化炭素除去触媒による一酸
    化炭素除去反応を100〜400°Cの温度範囲で行わ
    せる請求項1記載の一酸化炭素除去方法。
  3. 【請求項3】 前記銅系一酸化炭素除去触媒による一酸
    化炭素除去反応を150〜300°Cの温度範囲で行わ
    せる請求項1記載の一酸化炭素除去方法。
  4. 【請求項4】 前記銅系一酸化炭素除去触媒に、タング
    ステン又はモリブデンを含ませてある請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の一酸化炭素除去方法。
  5. 【請求項5】 前記銅系一酸化炭素除去触媒中の銅とタ
    ングステンの原子比、又は、銅とモリブデンの原子比
    が、1:0.002〜0.2である請求項4記載の一酸
    化炭素除去方法。
  6. 【請求項6】 前記銅系一酸化炭素除去触媒が、酸化銅
    の粉末を焼成することにより得られたものである請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の一酸化炭素除去方法。
  7. 【請求項7】 前記銅系一酸化炭素除去触媒が、銅化合
    物及び亜鉛化合物を用いる共沈法により調製した酸化銅
    と酸化亜鉛との混合物を焼成することにより得られたも
    のである請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭
    素除去方法。
  8. 【請求項8】 前記銅系一酸化炭素除去触媒が、銅化合
    物、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を用いる共沈法
    により調製した酸化銅と酸化亜鉛と酸化アルミニウムと
    の混合物を焼成することにより得られたものである請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭素除去方法。
  9. 【請求項9】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対象
    ガス中の一酸化炭素を、請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の一酸化炭素除去方法を用いて除去し、そのように
    一酸化炭素を除去処理した後の前記処理対象ガス中に残
    った一酸化炭素を、貴金属系一酸化炭素除去触媒を用い
    て除去する一酸化炭素除去方法。
  10. 【請求項10】 前記貴金属系一酸化炭素除去触媒を用
    いた一酸化炭素の除去処理が、一酸化炭素を酸化反応に
    より除去するものである請求項9記載の一酸化炭素除去
    方法。
  11. 【請求項11】 前記貴金属系一酸化炭素除去触媒が、
    Pt、Ru、Pd、Rhのうちの少なくとも一つを含む
    ものである請求項9又は10記載の一酸化炭素除去方
    法。
  12. 【請求項12】 前記処理対象ガスが、炭化水素系の原
    燃料を改質して得られた改質ガスである請求項1〜11
    のいずれか1項に記載の一酸化炭素除去方法。
  13. 【請求項13】 前記処理対象ガスが、燃料電池の燃料
    ガス用に炭化水素系の原燃料を改質して得られた改質ガ
    スである請求項12記載の一酸化炭素除去方法。
  14. 【請求項14】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対
    象ガスに酸化剤を添加して、前記処理対象ガス中の一酸
    化炭素を主に酸化反応により除去するのに用いる一酸化
    炭素除去触媒であって、 酸化銅の粉末を焼成することにより得られる一酸化炭素
    除去触媒。
  15. 【請求項15】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対
    象ガスに酸化剤を添加して、前記処理対象ガス中の一酸
    化炭素を主に酸化反応により除去するのに用いる一酸化
    炭素除去触媒であって、 銅化合物及び亜鉛化合物を用いる共沈法により調製した
    酸化銅と酸化亜鉛との混合物を焼成することにより得ら
    れる一酸化炭素除去触媒。
  16. 【請求項16】 一酸化炭素を含む水素リッチな処理対
    象ガスに酸化剤を添加して、前記処理対象ガス中の一酸
    化炭素を主に酸化反応により除去するのに用いる一酸化
    炭素除去触媒であって、 銅化合物、亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を用いる
    共沈法により調製した酸化銅と酸化亜鉛と酸化アルミニ
    ウムとの混合物を焼成することにより得られる一酸化炭
    素除去触媒。
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