JP2001217209A - 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム - Google Patents

半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム

Info

Publication number
JP2001217209A
JP2001217209A JP2000022071A JP2000022071A JP2001217209A JP 2001217209 A JP2001217209 A JP 2001217209A JP 2000022071 A JP2000022071 A JP 2000022071A JP 2000022071 A JP2000022071 A JP 2000022071A JP 2001217209 A JP2001217209 A JP 2001217209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
benzocyclobutene
semiconductor
semiconductor device
dicing
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000022071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3663100B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Matsumoto
信之 松本
Masaharu Yamashita
雅治 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000022071A priority Critical patent/JP3663100B2/ja
Publication of JP2001217209A publication Critical patent/JP2001217209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3663100B2 publication Critical patent/JP3663100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dicing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイシング時におけるチッピングを防止す
る。 【解決手段】 化合物半導体基板11の素子領域13に
は素子16が形成され、さらに、化合物半導体基板11
上全体にはベンゾシクロブテン膜12が形成されてい
る。スクライブ領域14のベンゾシクロブテン膜12の
厚みは素子領域13よりも薄く形成されている。こうし
て、スクライブ領域14をベンゾシクロブテンで補強す
ることによって、スクライブ領域14をダイシングソー
でダイシングする際にチッピングを生じないようにす
る。その際に、スクライブ領域14のベンゾシクロブテ
ン膜12の厚みを、素子領域13の20μmに対して5
μmにすることによって、ダイシングソーへのダメージ
を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チップ分離工程
において有効な半導体装置およびその半導体装置を用い
た無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9‐275164号公報には、基
板上にベンゾシクロブテンを塗布形成して成る半導体装
置が開示されている。この公報においては、上記半導体
装置におけるスクライブライン上のベンゾシクロブテン
を除去することが記載されている。そして、その理由と
して、上記ベンゾシクロブテンがスクライブ領域に残っ
ている場合には、チップ分離工程において行うダイシン
グの際にベンゾシクロブテンがダイシングブレードに巻
き込まれるために、ダイシングブレードの寿命を縮める
からであることが記載されている。
【0003】ところで、無線通信システムにおいては、
電力効率が低く、50%近くが熱となって放出されてし
まう。したがって、大きな出力を得るためには大量に発
生する熱の速やかな放出が問題となる。そこで、半導体
装置の基板を薄くした薄い半導体チップを用いることに
よって、放熱性を高め、搭載されている素子の熱抵抗を
下げたり、実装時に付けるワイヤの長さを短くして電気
信号の損失を小さくしたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の基板上にベンゾシクロブテンを塗布形成して成る半
導体装置には、以下のような問題がある。
【0005】すなわち、上記半導体装置においては、ダ
イシングの際にベンゾシクロブテンがダイシングブレー
ドに巻き込まれないようにするために、スクライブライ
ン上のベンゾシクロブテンを除去するようにしている。
ところが、ガリウム砒素等の化合物半導体基板はシリコ
ン基板に比べてダイシングが難しく、チップ周辺が欠け
る「チッピング」という不具合が生じる。図5に示すよう
に、このチッピング1は、ダイシングした部分2の周辺
に発生して、チップ3の一部を欠けさせてしまう。そこ
で、ダイシングに際しては、チッピング1によって欠け
るエリアを考慮する必要が生じるため、スクライブ領域
4を必要以上に広く取る必要が生じる。
【0006】尚、上述のごとく上記化合物半導体基板を
ダイシングする際に生じるチッピングは、ダイシングの
スピードを減ずる方法や、ダイシングブレードを研磨し
て鋭くする方法等によって減らすことは可能である。し
かしながら、上述のチッピング減少方法は、ダイシング
ブレードの寿命を縮め、円滑にダイシングができなくな
るという問題を発生させることになり、結局はダイシン
グブレード寿命の延命を図ることはできないのである。
【0007】さらには、上記ダイシングによって分割さ
れたチップのダイシング端においては、上記ベンゾシク
ロブテンが除去されているため、化合物半導体基板が露
出している。したがって、放熱性を高めると共に、素子
の熱抵抗や電気信号の損失の低減を図るために、上記化
合物半導体基板を薄くする際に、冶具によるハンドリン
グ中にダイシング端が破壊されてしまうという問題があ
る。
【0008】そこで、この発明の目的は、ダイシング時
におけるチッピングおよびハンドリング時におけるエッ
ジの損傷を防止できる半導体装置およびその製造方法、
並びに、上記半導体装置を用いた無線通信システムを提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、有機絶縁材料によって半導体の表面
が覆われて成る半導体装置において、上記半導体は,素
子が形成されている複数の素子領域と個々の素子領域の
間におけるスクライブ領域を有し、上記スクライブ領域
における表面は,上記素子領域の表面を覆っている有機
絶縁材料の厚みよりも薄く上記有機絶縁材料によって覆
われていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、半導体におけるスクラ
イブ領域の表面は有機絶縁材料によって補強されてい
る。したがって、上記スクライブ領域においてダイシン
グを行って半導体チップに分割される際に、半導体チッ
プの周囲にチッピングが発生することが防止される。そ
の際に、上記スクライブ領域の表面を覆っている上記有
機絶縁材料の厚みは素子領域の表面を覆っている有機絶
縁材料よりも薄くなっている。したがって、上記ダイシ
ング時におけるダイシングブレードに対するダメージが
低減される。さらに、上記スクライブ領域で分割された
半導体チップにおけるダイシング端は、上記有機絶縁材
料によって補強されている。したがって、上記半導体チ
ップに対するハンドリングの際に、上記ダイシング端が
冶具によって損傷されることはない。
【0011】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記有機絶縁材料をベンゾシクロブテンで構成することが
望ましい。
【0012】上記構成によれば、上記スクライブ領域の
表面が、上記有機絶縁材料としてのベンゾシクロブテン
によってより強固に補強される。こうして、上記ダイシ
ング時におけるチッピングの発生や、ハンドリング時に
おける上記ダイシング端の損傷が、より確実に防止され
る。
【0013】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記素子領域の表面を覆っているベンゾシクロブテンの厚
みを5μm以上とすることが望ましい。
【0014】上記構成によれば、上記素子領域の表面は
5μm以上の厚みのベンゾシクロブテンで覆われてい
る。したがって、上記素子は、上記ベンゾシクロブテン
によって確実に保護される。
【0015】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記有機絶縁材料によって表面が覆われている半導体を、
ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,インジウムリ
ン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウムリン,
ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリコンカー
バイド等の化合物半導体とすることが望ましい。
【0016】上記構成によれば、シリコンウェハやガラ
ス基板よりもチッピングが生じ易い上記化合物半導体を
用いる場合に、上記ダイシング時におけるチッピングの
発生が効果的に防止される。
【0017】また、第2の発明の半導体装置は、ベンゾ
シクロブテンによって半導体の表面が覆われて成る半導
体装置において、上記半導体におけるスクライブ領域の
表面は、厚みが10μm未満のベンゾシクロブテンによ
って覆われていることを特徴としている。
【0018】上記構成によれば、半導体におけるスクラ
イブ領域の表面はベンゾシクロブテンによって補強され
ている。したがって、上記スクライブ領域においてダイ
シングを行って半導体チップに分割される際に、半導体
チップの周囲にチッピングが発生することが防止され
る。その際に、上記スクライブ領域の表面を覆っている
上記ベンゾシクロブテンの厚みは10μm未満である。
したがって、上記ダイシング時におけるダイシングブレ
ードに対するダメージが低減される。さらに、上記スク
ライブ領域で分割された半導体チップにおけるダイシン
グ端は、上記ベンゾシクロブテンで補強されている。し
たがって、上記半導体チップに対するハンドリングの際
に、上記ダイシング端が冶具によって損傷されることは
ない。
【0019】また、上記第2の発明の半導体装置は、上
記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われる半導体
を、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,インジウ
ムリン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウムリ
ン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリコン
カーバイド等の化合物半導体とすることが望ましい。
【0020】上記構成によれば、シリコンウェハやガラ
ス基板よりもチッピングが生じ易い上記化合物半導体を
用いる場合に、上記ダイシング時におけるチッピングの
発生が効果的に防止される。
【0021】また、第3の発明の半導体装置の製造方法
は、素子が形成されている半導体の表面をベンゾシクロ
ブテンで覆い、複数の素子領域の間におけるスクライブ
領域に対して,当該スクライブ領域を覆っているベンゾ
シクロブテンごとダイシングを行って半導体チップに分
割することを特徴としている。
【0022】上記構成によれば、半導体におけるスクラ
イブ領域の表面はベンゾシクロブテンによって補強され
ている。したがって、上記スクライブ領域においてダイ
シングを行って半導体チップに分割される際に、半導体
チップの周囲にチッピングが発生することが防止され
る。さらに、上記スクライブ領域で分割された半導体チ
ップにおけるダイシング端は、上記ベンゾシクロブテン
で補強されている。したがって、上記半導体チップに対
するハンドリングの際に、上記ダイシング端が冶具によ
って損傷されることはない。
【0023】また、上記第3の発明の半導体装置の製造
方法は、上記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われ
ている半導体を、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム
砒素,インジウムリン,インジウムガリウム砒素,インジ
ウムガリウムリン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナ
イド,シリコンカーバイド等の化合物半導体で形成する
ことが望ましい。
【0024】上記構成によれば、シリコンウェハやガラ
ス基板よりもチッピングが生じ易い化合物半導体を用い
る場合に、上記ダイシング時におけるチッピングの発生
が効果的に防止される。
【0025】また、第4の発明の無線通信システムは、
上記第1の発明の半導体装置を上記スクライブ領域で上
記ベンゾシクロブテンごと分割して得られた半導体チッ
プを用いたことを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、上記素子領域およびダ
イシング端が上記ベンゾシクロブテンによって補強され
てハンドリング性が向上された半導体チップを用いるこ
とによって、半導体チップの厚みを薄くすることが容易
に可能になる。したがって、放熱性を高めると共に、搭
載されている素子の熱抵抗や信号の損失の低下が図られ
て、高信頼性,高効率の無線通信システムが容易に得ら
れる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の半導
体装置における縦断面図である。本半導体装置は、化合
物半導体基板11上に層間絶縁膜としてのベンゾシクロ
ブテン膜12が形成されている。そして、このベンゾシ
クロブテン膜12は、素子領域13と、その周辺に在る
スクライブ領域14と、このスクライブ領域14を介し
て素子領域13に隣接する素子領域15に別れている。
ここで、スクライブ領域14におけるベンゾシクロブテ
ン膜12の厚みは、素子領域13,15におけるベンゾ
シクロブテン膜12の厚みよりも薄く形成されている。
尚、素子領域13における化合物半導体基板11上に
は、素子16が形成されている。
【0028】上記断面形状を有する半導体装置は以下の
ようにして形成される。すなわち、化合物半導体基板1
1としてのガリウム砒素基板やインジウムリン基板に、
ベンゾシクロブテンの63%メシチレン溶液を、200
0rpmで60秒間スピンコートする。その後、窒素雰囲
気中において、90℃で30分間、150℃で10分
間、280℃で5分間、300℃で5分間の4回の熱処
理を行う。こうして形成されたベンゾシクロブテンの厚
みは、20μmであった。
【0029】次に、得られた半導体積層基板にノボラッ
クフォトレジストを10μmから20μmの厚みになるよ
うに塗布する。そして、このノボラックフォトレジスト
にスクライブラインのパターンをフォトリソグラフィ技
術によって形成し、SF6と酸素との混合ガス中におい
て、7Paの圧力,150WのRFパワーで、平行平板型
ドライエッチング装置によって、リアクティブエッチン
グを30分間施す。こうして、ベンゾシクロブテン膜1
2におけるスクライブ領域14の境界に15μmの段差
が形成される。その結果、スクライブ領域14における
ベンゾシクロブテン膜12の厚みは5μmとなる。その
後、半導体積層基板を薄く研磨して200μmの厚みに
する。
【0030】上述のように形成された半導体装置は、上
記スクライブ領域14をダイシングソーでダイシングす
ることによって、個々のチップに分割される。その際に
おけるダイシングの条件は、ダイシングソーのカットス
ピードを3mm/秒〜5mm/秒として行う。尚、実際にカッ
トされる部分はスクライブ領域14よりも狭く、ダイシ
ング後におけるチップの形状は、図2に示すような形状
となる。
【0031】図2において、スクライブ領域における化
合物半導体基板21は、ベンゾシクロブテン膜22によ
ってカバーされている。そして、素子(図示せず)上にお
けるベンゾシクロブテン膜23の厚みは20μmであ
り、スクライブ領域におけるベンゾシクロブテン膜22
の厚みは5μmである。
【0032】この場合、上述したように、ダイシング端
における化合物半導体基板21は、スクライブ領域のベ
ンゾシクロブテン膜22によって表面がカバーされてい
るために、上記ダイシングの際にチッピングは生じない
のである。尚、チッピングの現象は、シリコンウェハや
ガラス基板においては発生し難く、2種類以上の元素か
ら構成される化合物半導体、具体的には、ガリウム砒
素,アルミニウムガリウム砒素,インジウムリン,インジ
ウムガリウム砒素,インジウムガリウムリン,ガリウムナ
イトライド,ジンクセレナイド,シリコンカーバイト等に
おいて発生する。ところが、本実施の形態においては、
スクライブ領域において、化合物半導体基板21上には
厚みが5μmのベンゾシクロブテン膜22が存在してい
るため、ダイシングによって生ずるチッピングが抑制さ
れるのである。24は、素子上のベンゾシクロブテン膜
23上に形成されて上記素子と電気的に接続された電極
である。
【0033】また、上記ベンゾシクロブテン膜12,2
2,23の代りに、ポリキノリン膜やポリイミド膜等の
所謂有機絶縁材料の膜を形成しても上記チッピングを抑
制する効果は見られる。しかしながら、樹脂のストレス
や密着性等の問題もあり、化合物半導体基板11上に全
く樹脂層が無い場合に比してチッピングの発生は改善さ
れるが、ベンゾシクロブテン膜12,22,23を用いた
場合ほどの抑制効果はない。
【0034】化合物半導体の場合、一般に基板を薄くし
てダイシングを行うことが多い。こうして得られる薄い
チップは、素子の熱抵抗を下げたり、実装時に付けるワ
イヤの長さを短くしたりして電気信号の損失を小さくで
きる等の効果を呈する。ところが、例えば、チップ厚み
が100μm以下である場合には、チップのハンドリン
グ性が著しく損なわれ、ハンドリング中にチップを破壊
してしまう場合があるという問題がある。
【0035】図3は、チップ厚みを50μmから200
μmまで50μmずつ変えた場合におけるハンドリング時
のチップ破壊による歩留りの変化を示す。尚、図中、ベ
ンゾシクロブテンが塗布されているものは、スクライブ
領域に、素子領域におけるベンゾシクロブテン厚みより
薄くベンゾシクロブテンが残っている状態でダイシング
したものである。ここで、図中に記されたベンゾシクロ
ブテンの厚みは、素子領域におけるベンゾシクロブテン
厚みである。
【0036】図3によれば、上記ベンゾシクロブテンを
塗布しない従来の半導体装置の場合には、チップ厚みが
100μm以下では、ハンドリングによって50%以上
のチップを破壊してしまうことが分かる。これに対し
て、ベンゾシクロブテンがチップ表面に塗布されている
場合は、ベンゾシクロブテンがチップを補強するために
ハンドリング性が著しく向上することが分かる。つま
り、ベンゾシクロブテンの厚みが5μmであれば、チッ
プ厚みが50μmであっても、ハンドリングによる歩留
りを60%に保つことができ、大きく低下させることは
ない。そして、ベンゾシクロブテン厚みが10μmの場
合には更に歩留りが改善され、20μmの場合には歩留
りを損なうことは無くなる。したがって、20μm以上
の膜厚でベンゾシクロブテンが素子領域に存在すること
によって、ハンドリングによる歩留りを低下することは
ないと考えられる。
【0037】そして、この効果は、上記スクライブ領域
にベンゾシクロブテンを残すことによってさらに強めら
れるのである。すなわち、特開平9‐275164号公
報に開示されているように、20μmの膜厚で上記素子
領域に存在するベンゾシクロブテンをスクライブ領域に
おいて全部除去した場合には、「発明が解決しようとす
る課題」で述べたように、チップ端面にチッピングが発
生する。そして、チッピングが生じているチップ端面を
コレットやピンセットで触れるためにチップが破壊され
やすくなり、ベンゾシクロブテンの塗布による歩留り向
上の効果を大きくは望めない。図3に示すように、上記
素子領域は20μm厚のベンゾシクロブテンでカバーさ
れているにも拘わらず、ハンドリング歩留りは、ベンゾ
シクロブテンの塗布なしに比して15%程度の小さな改
善しかされないのである。これに対して、図2に示すご
とく、上記スクライブ領域におけるベンゾシクロブテン
22を5μm程度の厚みで残すだけで、ハンドリング歩
留りを100%に改善できるのである。
【0038】さらに、上記スクライブ領域に残されたベ
ンゾシクロブテン膜は、ダイシングされて個々に分離さ
れたチップを治具で挟んだり真空吸着して取り扱う際
に、チップの周辺部を傷めてしまう問題を解決する効果
も有する。通常、個々に分離されたチップを治具で取り
扱う場合には、治具のエッジがチップのエッジに当って
チップの周辺部を傷めてしまう。そのために、ウェハ基
板上に形成された半導体装置をチップにスクライブする
際にチップエッジの面取りを行うベベルカットのような
ダイシング方法が開発されている。このダイシング方法
では、特殊なダイシングブレードを使用する必要があ
り、手間も増える。ところが、図2に示すごとく、スク
ライブ領域がベンゾシクロブテン22で覆われている場
合は、治具のエッジのダメージをベンゾシクロブテンが
吸収するため、チップのエッジを傷めることはないので
ある。
【0039】図4に、上記チップを取り扱う際の例を示
す。上記ベンゾシクロブテン32で覆われたチップ31
は、冶具33の減圧穴34を介して治具33とチップ3
1との間の空間が減圧されて、冶具33に真空吸着され
ている。この場合、チップ31の上面全体がベンゾシク
ロブテン32で覆われている。したがって、治具33に
おけるチップ31のエッジが当接する領域35には、常
にベンゾシクロブテン32が接触することになる。した
がって、チップ31のエッジが傷められることはないの
である。
【0040】尚、上述したように、上記チップを治具で
取り扱う場合にチップエッジが傷められることは、化合
物半導体においては顕著に見られる。それにも拘わら
ず、従来においては根本的な解決法が無かったのであ
る。しかしながら、本実施の形態によれば、化合物半導
体装置をダイシングによってチップに分割する際に、ス
クライブ領域に5μm程度の厚みでベンゾシクロブテン
を残してチップエッジをベンゾシクロブテンで補強して
いる。したがって、治具33にはベンゾシクロブテン3
2が接触することになり、チップ31のエッジが傷めら
れることを解決できるのである。
【0041】尚、その場合、上記スクライブ領域におけ
るベンゾシクロブテンの厚みは、10μmより薄い(0.
5μm〜5μm)ことが望ましい。スクライブライン領域
に10μm以上のベンゾシクロブテンが残されている場
合は、特開平9‐275164号公報において指摘され
ているように、ダイシングブレードの寿命を縮めるとい
う問題が生じるのである。上記スクライブ領域における
ベンゾシクロブテンの厚みは、図1の説明で述べたよう
に5μm程度であれば、十分にチップのハンドリングに
よる歩留り低下を防ぎ、チップエッジのダメージを防ぐ
効果を奏することができるのである。
【0042】上述のように、素子領域にベンゾシクロブ
テン膜を残し、スクライブ領域にもベンゾシクロブテン
膜を上記素子領域の厚みより薄く残して形成した半導体
装置を、上記スクライブ領域でダイシングを行って得ら
れたチップは、上記ベンゾシクロブテン膜による補強効
果によって、薄く加工することが容易に可能になる。そ
して、チップの厚みを薄くすることによって、放熱性を
高めると共に、上述した素子の熱抵抗や信号の損失をハ
ンドリング歩留りを低下させることなく下げることがで
きる。
【0043】したがって、本実施の形態によって形成さ
れた半導体チップを無線通信システムに適用することに
よって、高信頼性および高効率を有する無線通信システ
ムを実現することができるのである。
【0044】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の半導体装置は、スクライブ領域における表面
が、素子領域の表面を覆っている有機絶縁材料の厚みよ
りも薄く上記有機絶縁材料によって覆われているので、
上記スクライブ領域の表面を有機絶縁材料によって補強
することができる。したがって、上記スクライブ領域に
対してダイシングを行って半導体チップに分割する際
に、上記半導体チップの周囲にチッピングが発生するこ
とを防止できる。
【0045】その際に、上記スクライブ領域の表面を覆
っている上記有機絶縁材料の厚みは素子領域の表面を覆
っている有機絶縁材料よりも薄くなっている。したがっ
て、ダイシング時におけるダイシングブレードのダメー
ジを低減できる。さらに、上記スクライブ領域で分割さ
れた半導体チップのダイシング端を、上記有機絶縁材料
によって補強することができる。したがって、上記半導
体チップに対するハンドリングの際に、上記ダイシング
端が冶具によって損傷されることを防止して、ハンドリ
ング性を向上できる。
【0046】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記有機絶縁材料をベンゾシクロブテンで構成すれば、上
記スクライブ領域の表面を上記ベンゾシクロブテンによ
ってより強固に補強できる。したがって、上記ダイシン
グ時におけるチッピングの発生やハンドリング時におけ
る上記ダイシング端の損傷を、より確実に防止できるの
である。
【0047】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記素子領域の表面を覆っているベンゾシクロブテンの厚
みを5μm以上とすれば、上記半導体中の素子を、上記
ベンゾシクロブテンによって確実に保護できる。
【0048】また、上記第1の発明の半導体装置は、上
記有機絶縁材料によって表面が覆われている半導体を、
ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,インジウムリ
ン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウムリン,
ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリコンカー
バイド等の化合物半導体とすれば、シリコンウェハやガ
ラス基板よりもチッピングが生じ易い上記化合物半導体
を用いる場合に、上記ダイシング時におけるチッピング
の発生を効果的に防止できる。
【0049】また、第2の発明の半導体装置は、スクラ
イブ領域における表面が、厚みが10μm未満のベンゾ
シクロブテンによって覆われているので、上記スクライ
ブ領域の表面をベンゾシクロブテンによって補強するこ
とができる。したがって、上記スクライブ領域において
ダイシングを行って半導体チップに分割する際に、半導
体チップの周囲にチッピングが発生することを防止でき
る。
【0050】その際に、上記スクライブ領域の表面を覆
っている上記ベンゾシクロブテンの厚みは10μm未満
である。したがって、上記ダイシング時におけるダイシ
ングブレードに対するダメージを低減できる。さらに、
上記スクライブ領域で分割された半導体チップにおける
ダイシング端を、上記ベンゾシクロブテンによって補強
することができる。したがって、上記半導体チップに対
するハンドリングの際に、上記ダイシング端が冶具によ
って損傷されることを防止して、ハンドリング性を向上
できる。
【0051】尚、上記スクライブ領域上のベンゾシクロ
ブテンの厚みは0.5μm〜5μmであることが望まし
く、その場合には上記チッピングが防がれると供に、ダ
イシングブレードの寿命も効果的に延ばされる。
【0052】また、上記第2の発明の半導体装置は、上
記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われる半導体
を、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,インジウ
ムリン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウムリ
ン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリコン
カーバイド等の化合物半導体とすれば、シリコンウェハ
やガラス基板よりもチッピングが生じ易い上記化合物半
導体を用いる場合に、上記ダイシング時におけるチッピ
ングの発生を効果的に防止できる。
【0053】また、第3の発明の半導体装置の製造方法
は、素子が形成されている半導体の表面をベンゾシクロ
ブテンで覆い、複数の素子領域の間におけるスクライブ
領域に対して当該スクライブ領域を覆っているベンゾシ
クロブテンごとダイシングを行って半導体チップに分割
するので、上記スクライブ領域の表面をベンゾシクロブ
テンで補強することができ、上記スクライブ領域におい
てダイシングを行う際に半導体チップの周囲にチッピン
グが発生することを防止できる。
【0054】さらに、上記スクライブ領域で分割された
半導体チップにおけるダイシング端を、上記ベンゾシク
ロブテンによって補強することができる。したがって、
上記半導体チップをハンドリングする際に、上記ダイシ
ング端が冶具によって損傷されることを防止して、ハン
ドリング性を向上できる。
【0055】また、上記第3の発明の半導体装置の製造
方法は、上記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われ
ている半導体を、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム
砒素,インジウムリン,インジウムガリウム砒素,インジ
ウムガリウムリン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナ
イド,シリコンカーバイド等の化合物半導体で形成すれ
ば、シリコンウェハやガラス基板よりもチッピングが生
じ易い上記化合物半導体を用いる場合に、上記ダイシン
グ時におけるチッピングの発生を防止できる。
【0056】また、第4の発明の無線通信システムは、
上記第1の発明の半導体装置を上記スクライブ領域で上
記ベンゾシクロブテンごと分割して得られた半導体チッ
プを用いるので、上記素子領域およびダイシング端が上
記ベンゾシクロブテンによって補強されてハンドリング
性が向上された半導体チップを用いることによって、半
導体チップの厚みを薄くすることが容易に可能になる。
したがって、放熱性を高めると共に、搭載されている素
子の熱抵抗や信号の損失の低下を図って、高信頼性,高
効率の無線通信システムを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の半導体装置における縦断面図であ
る。
【図2】 図1におけるスクライブ領域をダイシングし
て得られたチップの斜視図である。
【図3】 チップ厚みを変えた場合におけるハンドリン
グ歩留りの変化を示す図である。
【図4】 図2に示すチップを冶具で取り扱う場合の状
態を示す図である。
【図5】 従来の化合物半導体をダイシングする際に生
ずるチッピングの説明図である。
【符号の説明】
11,21…化合物半導体基板、 12,22,23,32…ベンゾシクロブテン膜、 13,15…素子領域、 14…スクライブ領域、 16…素子、 24…電極、 31…チップ、 33…冶具、 34…減圧穴、 35…当接領域。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機絶縁材料によって半導体の表面が覆
    われて成る半導体装置において、 上記半導体は、素子が形成されている複数の素子領域
    と、個々の素子領域の間におけるスクライブ領域を有
    し、 上記スクライブ領域における表面は、上記素子領域の表
    面を覆っている有機絶縁材料の厚みよりも薄く上記有機
    絶縁材料によって覆われていることを特徴とする半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記有機絶縁材料はベンゾシクロブテンであることを特
    徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 上記素子領域の表面を覆っているベンゾシクロブテンの
    厚みは5μm以上であることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 ベンゾシクロブテンによって半導体の表
    面が覆われて成る半導体装置において、 上記半導体におけるスクライブ領域の表面は、厚みが1
    0μm未満のベンゾシクロブテンによって覆われている
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4の何れか一つに記
    載の半導体装置において、 上記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われている半
    導体は、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,イン
    ジウムリン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウ
    ムリン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリ
    コンカーバイド等の化合物半導体であることを特徴とす
    る半導体装置。
  6. 【請求項6】 素子が形成されている半導体の表面をベ
    ンゾシクロブテンで覆い、 複数の素子領域の間におけるスクライブ領域に対して、
    当該スクライブ領域を覆っているベンゾシクロブテンご
    とダイシングを行って半導体チップに分割することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記ベンゾシクロブテンによって表面が覆われている半
    導体を、ガリウム砒素,アルミニウムガリウム砒素,イン
    ジウムリン,インジウムガリウム砒素,インジウムガリウ
    ムリン,ガリウムナイトライド,ジンクセレナイド,シリ
    コンカーバイド等の化合物半導体で形成することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至請求項5の何れか一つに記
    載の半導体装置を上記スクライブ領域で上記ベンゾシク
    ロブテンごと分割して得られた半導体チップを用いたこ
    とを特徴とする無線通信システム。
JP2000022071A 2000-01-31 2000-01-31 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム Expired - Fee Related JP3663100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000022071A JP3663100B2 (ja) 2000-01-31 2000-01-31 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000022071A JP3663100B2 (ja) 2000-01-31 2000-01-31 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001217209A true JP2001217209A (ja) 2001-08-10
JP3663100B2 JP3663100B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=18548409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000022071A Expired - Fee Related JP3663100B2 (ja) 2000-01-31 2000-01-31 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3663100B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3663100B2 (ja) 2005-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7202568B2 (en) Semiconductor passivation deposition process for interfacial adhesion
JP3455762B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US6812548B2 (en) Backside metallization on sides of microelectronic dice for effective thermal contact with heat dissipation devices
US6790709B2 (en) Backside metallization on microelectronic dice having beveled sides for effective thermal contact with heat dissipation devices
US8395241B2 (en) Through silicon via guard ring
JP2004055684A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2007194469A (ja) 半導体装置の製造方法
US6897126B2 (en) Semiconductor device manufacturing method using mask slanting from orientation flat
US8633086B2 (en) Power devices having reduced on-resistance and methods of their manufacture
US9917011B2 (en) Semiconductor wafer, semiconductor device diced from semiconductor wafer, and method for manufacturing semiconductor device
JP2003158097A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US9269676B2 (en) Through silicon via guard ring
JPH08172062A (ja) 半導体ウエハ及び半導体ウエハの製造方法
US7332414B2 (en) Chemical die singulation technique
JP3663100B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法、並びに、無線通信システム
JP2001308036A (ja) 半導体装置の製造方法
JP6384934B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002203929A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004031619A (ja) 半導体素子の製造方法
US11646392B2 (en) Method of manufacturing light-emitting device
JP3498049B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US7210987B2 (en) Wafer grinding method
JP2004200432A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004363154A (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体基板
JPS60149151A (ja) 半導体ウエハのダイシング方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050325

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080401

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees