JP2001217192A - 堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成装置

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JP2001217192A
JP2001217192A JP2000023023A JP2000023023A JP2001217192A JP 2001217192 A JP2001217192 A JP 2001217192A JP 2000023023 A JP2000023023 A JP 2000023023A JP 2000023023 A JP2000023023 A JP 2000023023A JP 2001217192 A JP2001217192 A JP 2001217192A
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Kenji Shishido
健志 宍戸
Takahiro Yajima
孝博 矢島
Mitsuyuki Niwa
光行 丹羽
Masahiro Kanai
正博 金井
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 堆積膜形成装置におけるプラズマの均一性を
向上させるとともに、堆積膜の形成に要するコストを低
減させる。 【解決手段】 真空容器302内に設けられた放電室3
05の上方に、表面平板101と裏面平板102とを重
ね合わせて形成された電力印加電極306が帯状基板3
01と平行に対向して配置されている。表面平板101
は、熱膨張係数の小さい材質、あるいは、帯状基板30
1上に形成される所望の堆積膜、例えばシリコンの熱膨
張係数に近い値の材質からなり、裏面平板102は電気
伝導性が高い材質からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空容器内で電力
印加電極と対向して配置された、電極となりうる基板と
の間にプラズマを生起させて、真空容器内に導入される
反応ガスを分解し、基板上に堆積膜を形成させる堆積膜
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンなエネルギ源の代表的なものの
ひとつとして太陽電池が挙げられる。この太陽電池は、
太陽エネルギあるいはその他の光エネルギを電気エネル
ギに変換する、光起電力を利用した電子デバイスであ
り、今後のエネルギ対策の一環として注目されている。
【0003】このような太陽電池の低価格化を実現する
材料としてアモルファスシリコンが注目されている。ア
モルファス半導体、例えば、アモルファスシリコンは薄
膜化、大面積化が可能であり、組成の自由度も大きく、
電気的特性および光学的特性を広範囲で制御できること
から、最近各種デバイスの材料として注目されている。
アモルファスシリコンは、特に太陽エネルギ分布のピー
ク近傍の光に対する吸収係数がシリコン結晶より大き
く、堆積膜形成温度も低い。さらに、グロー放電により
原料から直接成膜でき、また接合形成も容易であるなど
の特徴をもつ。アモルファスシリコンはこれらの特徴を
有し性能的にはかなり高い変換効率のものが得られてい
るものの、さらなる低価格化が望まれている。低価格化
を阻害するひとつの理由として、製造工程における成膜
速度が遅いことが挙げられる。
【0004】従来、グロー放電分解法で作製するp−i
−nアモルファスシリコン太陽電池において、i型層の
膜厚方向に沿って一定の成膜速度は、例えば、0.1〜
2[Å/sec]の低速で成膜されていたので、厚さ4
000[Å]のi型膜を成膜し終えるのに30分から2
時間近く要していた。高速成膜を行う方法としては、1
00%Si4ガスや100%Si26ガスを用いて5〜
100[Å/sec]の高速成膜を行う試みがなされて
いる。また、特開平5−56850号公報には、電力印
加電極と電極となりうる基板との電極基板間距離を縮め
ることによって、成膜速度を増加させることが開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
堆積膜形成装置においては、電力印加電極が変形するこ
とにより、均一な堆積膜の形成が困難となる場合があっ
た。成膜する堆積膜の光学的、電気的特性を向上させる
ために、放電室内の部材を所望の温度まで加熱する必要
があることに加え、プラズマ放電により加速された電子
やイオン等の粒子が、放電室内の部材に衝突することに
より、さらに温度は上昇する。また、成膜中は基板以
外、例えば電力印加電極上にも堆積膜が形成される。こ
れら、熱エネルギによる熱膨張と、堆積膜が形成された
ことによる応力とによって電力印加電極が変形し、基板
と電力印加電極との間の距離が変化してしまい、プラズ
マの不均一が起こり、均一な堆積膜の形成が困難となる
場合があった。
【0006】特開平5−73327号公報では、均一な
堆積膜を形成するために、電力印加電極を分割し、なお
かつ分割した電極間隔を大きくし、さらにその電極間隔
を可変とする接続体に、電気的に接続させる装置が開示
されている。基板においても同様の変形が生じるが、基
板は基板ホルダにしっかり固定されており、帯状基板に
おいても磁石で吸引し、またテンションを強くかけるな
どの対策により、基板の変形量を微量に抑制することが
できる。しかしながら、特開平5−73327号公報で
開示されているように、隣接する分割電極を接続体で電
気的に接続した場合、接続板の厚さや接続板を分割電極
に接続するボルトなどが突起物となり、電極基板間距離
に影響を及ぼし、その部分のプラズマは乱れる恐れがあ
る。
【0007】このように、電力印加電極の変形が与える
影響は、電極基板間距離が大きい場合は、その影響は小
さいため無視できるが、高速成膜の実現には電極基板間
距離を縮めることが有効であり、この場合、電極の変形
がプラズマの均一性等に与える影響を無視できない。
【0008】また、電力印加電極の変形による影響以外
に、電力印加電極への給電点を電力印加電極の側面や端
部に設けると電力が電力印加電極全体に均一に供給され
ないことにより、投入電力にむらが生じ、プラズマ不均
一の原因となる場合があった。このような問題に対して
従来は、給電点を電力印加電極の裏面中央に設けていた
(L.Sansonnens et al.、 14T
H EUROPEANPHOTOVOLTAIC SO
LOR ENERGY CONFERENCE BAR
CERONA、 SPAIN 30 JUNE−4
JULY 1997)。
【0009】しかし、大面積成膜を行う場合、電力印加
電極も大きくなり、給電点を中央に設けたとしても電力
を十分に均一に供給できない場合があった。
【0010】以上のような要因により、従来の堆積膜形
成装置によって堆積膜の形成に要するコストを抑制する
には困難を伴う場合があった。
【0011】そこで、本発明は、均一な堆積膜形成のた
めに、電極基板間において均一なプラズマを発生させる
ことのできる堆積膜形成装置を提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、均一な堆積膜形成を可能とする
ことにより、堆積膜の形成に要するコストが低い堆積膜
形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の堆積膜形成装置は、電力が印加される電力印
加電極と堆積膜を形成すべき基板とで構成された一対の
電極が内部に設けられた真空容器を有し、前記基板と前
記電力印加電極との間でプラズマを発生させて、前記真
空容器内に導入された前記堆積膜の原料となるガスを分
解して前記基板上に前記堆積膜を形成する堆積膜形成装
置において、前記電力印加電極は、電力が外部より直接
印加される第1の平板型電極と、前記第1の平板型電極
に電気的に接触し、かつ、重ねて配置されることで前記
基板と対向するように配置される第2の平板型電極とを
有し、前記第2の平板型電極の熱膨張係数は、前記第1
の平板型電極の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とす
る。
【0013】上記の通り構成された本発明の堆積膜形成
装置は、堆積膜の形成される基板に対向するように配置
された電力印加電極の第2の平板型電極の熱膨張係数が
第1の平板型電極の熱膨張係数よりも小さいため、プラ
ズマの発生等によって生じる熱による、第2の平板型電
極への熱膨張の影響が少ない。すなわち、第2の平板型
電極は熱膨張による変形が少ないため、基板と第2の平
板型電極との間の距離の変化が小さくなり、よって、基
板と電力印加電極との間にプラズマを安定して発生させ
ることができる。
【0014】また、第2の平板型電極の熱膨張係数は、
第1の平板型電極の熱膨張係数よりも堆積膜の熱膨張係
数に近い値であってもよいし、第2の平板型電極の熱膨
張係数は、第1の平板型電極の熱膨張係数よりもシリコ
ンの熱膨張係数に近い値であってもよい。これらの場
合、第2の平板型電極の熱膨張係数が、基板だけでなく
第2の平板型電極上にも堆積される堆積膜、すなわち、
熱膨張係数の小さいシリコンの膜に近い熱膨張係数の材
質とすることで、熱による第2の平板型電極の変形が抑
制される。
【0015】さらに、第1の平板型電極の電気抵抗は、
第2の平板型電極の電気抵抗よりも小さい値であっても
よく、この場合、外部から印加された電力が第1の平板
型電極全体に均一にいきわたり、次いで、第2の平板型
電極にこの電力が印加されるため、第2の平板型電極に
対する外部からの投入電力の均一性が向上する。このた
め、基板と電力印加電極との間にプラズマを安定して発
生させることができる。
【0016】また、第1の平板型電極と第2の平板型電
極とが互いに電気的に接触する面の各面積は、第2の平
板型電極の基板に対向する面の面積よりも大きいもので
あってもよく、この場合、第1の平板型電極に印加され
た電力が第2の平板型電極に対して効率よく供給される
こととなる。
【0017】また、本発明の堆積膜形成装置は、電力が
印加される電力印加電極と堆積膜を形成すべき基板とで
構成された一対の電極が内部に設けられた真空容器を有
し、前記基板と前記電力印加電極との間でプラズマを発
生させて、前記真空容器内に導入された前記堆積膜の原
料となるガスを分解して前記基板上に前記堆積膜を形成
する堆積膜形成装置において、前記電力印加電極は、電
力が外部より直接印加される第1の平板型電極と、前記
第1の平板型電極に電気的に接触し、かつ、重ねて配置
されることで前記基板と対向するように配置される第2
の平板型電極とを有し、前記第1の平板型電極の電気抵
抗は、前記第2の平板型電極の電気抵抗よりも小さい値
であることを特徴とする。
【0018】上記の通り構成された本発明の堆積膜形成
装置は、電力が外部より直接印加される第1の平板型電
極の電気抵抗が、堆積膜の形成される基板に対向するよ
うに配置された電力印加電極の第2の平板型電極の電気
抵抗よりも小さいため、まず、印加された電力が第1の
平板型電極全体に均一にいきわたる。次いで、第1の平
板型電極に電気的に接触している第2の平板型電極にこ
の電力が印加されるため、第2の平板型電極に対する外
部からの投入電力の均一性が向上する。このため、基板
と電力印加電極との間にプラズマを安定して発生させる
ことができる。また、第1の平板型電極と第2の平板型
電極とが互いに電気的に接触する面の各面積は、第2の
平板型電極の基板に対向する面の面積よりも大きいもの
であってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態について説明する。 (第1の実施形態)図1に本実施形態の堆積膜形成装置
の一例の概略側断面図を示す。
【0020】本実施形態の堆積膜形成装置は平行平板容
量結合型の堆積膜形成装置である。堆積膜形成装置は、
真空容器302内に、ブロックヒータ309を内部に有
する放電室305と、帯状基板301に形成される堆積
膜の面積を調整する成膜領域開口調整板311と、外部
に設けられた不図示の電源から供給される電力が印加さ
れる電力印加電極306と、帯状基板301を加熱する
ための輻射熱を発生する、リフレクタ315を備えた一
群のランプヒータ313とを有する。
【0021】また、真空容器302は、両側壁に開口が
形成されており、この開口に、真空容器302内部の圧
力を保持するゲートガスを導入するためのゲートガス導
入管317が設けられたガスゲート303が連通してい
る。帯状基板301はこのガスゲート303を通過し、
支持ローラ316に支持されながら真空容器302内へ
と搬送される。また、真空容器302の下壁には、真空
容器302内の圧力を所望の真空圧まで下げるための真
空ポンプ等の不図示の排気装置に連通している排気管3
08が設けられており、この排気管308には放電室3
05以外の真空容器302内の排気を行うための放電室
外部排気口310が形成されている。蓋312には、真
空容器302内部の温度を測定するための熱電対314
が設けられている。なお、真空容器302は不図示の別
の真空容器に直列に接続されている。
【0022】放電室305は、開口部が帯状基板301
に対向するようにして上方に形成された、中空の直方体
形状のものである。放電室305の内部に配されたブロ
ックヒータ309は原料ガス導入管307から導入され
た原料ガスを加熱するためのものである。
【0023】電力印加電極306は、図2に示すよう
に、帯状基板301と対向する表面平板101と、表面
平板101の下方に、表面平板101と電気的に接触す
るように重ね合わされた裏面平板102とにより構成さ
れており、帯状基板301と平行に対向するように放電
室305の開口部に配されている。表面平板101は、
熱膨張係数が小さい材質、すなわち、裏面平板102の
熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さい材質、あるいは帯
状基板301上に形成されるのみならず表面平板101
上にも同時に形成される堆積膜、例えば、熱膨張係数の
小さいシリコンの熱膨張係数に近い値の材質のものが用
いられている。表面平板101の材質は、例えば、50
0[K]における熱膨張係数αが20×10-6[1/
K]以下であることが望ましく、さらに、500[K]
における熱膨張係数αが10×10-6[1/K]以下で
あることがより好ましい。ただし、熱膨張係数αは、α
=1/L0・dL/dtによって与えられるものであ
り、L0は0[℃]における長さ、Lはt[℃]におけ
る長さである。また、裏面平板102は、表面平板10
1の電気抵抗よりも電気抵抗の小さい材質のものが用い
られている。表面平板101の帯状基板301に対向す
る面と帯状基板301との距離は、例えば、成膜速度を
増加するために50[mm]以下であることが望まし
く、10[mm]以上30[mm]以下がより好まし
い。また、この電力印加電極306は、不図示のマッチ
ングボックスを介して、電源の一端に電気的に接続され
ており、5[kHz]〜500[kHz]までの低周
波、500[kHz]〜30[MHz]までの高周波、
あるいは30[MHz]〜500[MHz]までのVH
Fなどの電力が裏面平板102に印加される。すなわ
ち、外部から印加される電力は、まず、裏面平板102
に直接的に印加され、次いで裏面平板102から表面基
板101へと印加されることとなる。なお、電源の他端
は接地されている。
【0024】帯状基板301は、不図示のドラムに巻か
れた帯状の長尺基板であり、高分子フィルムなどの可と
う性絶緑体に導電性薄膜を形成したものである。なお、
帯状基板301は、ステンレスなどの可とう性導電性基
板を用いてもよい。また、帯状の基板でなく、基板支持
具に装着したガラス基板などの透光性絶縁体やステンレ
ス基板などの非透光性導電体でもよい。この帯状基板3
01は、電力印加電極306とにより、後述するプラズ
マ発生のための一対の電極を構成するものでもある。
【0025】原料ガス導入管307から導入される原料
ガスは、SiH4やSi26などとH2やHeなどの半導
体原料ガスであり、プラズマにより分解することで、シ
リコン系材料の非晶質(いわゆる微結晶も含まれる)か
ら多結晶までの非単結晶の堆積膜を形成することができ
るものである。
【0026】次に、本実施形態の堆積膜形成装置を用い
ての堆積膜の形成手順の概略について、以下に説明す
る。
【0027】まず、排気装置により真空容器302内を
排気する。続いて、原料ガス導入管307から原料ガス
を導入し、ブロックヒータ309でこの導入された原料
ガスを加熱し、また、ランプヒータ313で帯状基板3
01を加熱する。そして、電力印加電極306に電力を
印加することで、電力印加電極306と帯状基板301
との間にプラズマを発生させ、原料ガスをこのプラズマ
により分解し、帯状基板301上に堆積膜を形成する。
発生させるプラズマは、電力印加電極306に印加させ
る電力を、例えば、5[kHz]〜500[kHz]ま
での低周波、500[kHz]〜30[MHz]までの
高周波、あるいは30[MHz]〜500[MHz]ま
でのVHFとすることで、それぞれ低周波プラズマ、高
周波プラズマ、VHFプラズマなどを発生させることが
可能である。
【0028】電力印加電極306は、上述したように、
熱膨張係数の小さい、あるいは帯状基板301上に形成
される所望の堆積膜、例えばシリコンの熱膨張係数に近
い値の材質の表面平板101と、電気抵抗の小さい裏面
平板102とを重ね合わせて形成されている。このた
め、裏面平板102に直接印加された電力は、まず、裏
面平板102の導電性が高くなったことで、裏面平板1
02全体に電力が均一にいきわたり、次いで、この裏面
平板102全体に均一にいきわたった電力が表面平板1
01に伝達されるため、表面平板101での投入電力の
均一性が向上する。このため、表面平板101と帯状基
板301とが対向する面全域で安定したプラズマを発生
させることができる。そして、さらに、帯状基板301
に対向する側に配置された表面平板101の材質が、熱
膨張係数の小さい材質であるため、ヒータやプラズマの
熱による電力印加電極306の変形が抑制されること
で、電力印加電極306と帯状基板301との間の電極
間距離が安定し、よって、電極間距離の変化によるプラ
ズマの不均一性も抑制できる。
【0029】以上説明したように、本実施形態の堆積膜
形成装置によれば、電力印加電極306を、電極全体に
電力が均一にいきわたるようにするための導電性の高い
裏面平板102と、帯状基板301との電極間距離の変
化を抑制する熱膨張係数の小さい材質からなる、帯状基
板301に対向するように配置された表面平板101と
を重ね合わせた構成とすることで、表面平板101と帯
状基板301とが対向する面全域で安定したプラズマを
発生させられるとともに、電極間距離の変化によるプラ
ズマの不均一が抑制され、所望の膜厚の堆積膜を大面積
に形成することができる。 (第2の実施形態)本実施形態の堆積膜形成装置に用い
られる電力印加電極306aは、図3に模式的に示すよ
うに、表面平板201と裏面平板202とのそれぞれの
電気的な接触面積が、表面平板201の帯状基板に対向
する面より大きくなるように、表面平板201と裏面平
板202のそれぞれが形成されている。
【0030】なお、本実施形態の堆積膜形成装置は、上
述した以外は、基本的に第1の実施形態で説明した通り
と同様の構成であるため、詳細の説明は省略する。
【0031】表面平板201と裏面平板202との電気
的な接触面積が増加したことで、裏面平板202に印加
された電力は、均一に表面平板201に伝わる。これに
より、表面平板201と帯状基板とが対向する面全域で
安定したプラズマを発生させることができる。
【0032】以上説明したように、本実施形態の堆積膜
形成装置によれば、電力印加電極306aを、電極全体
に電力が均一にいきわたるようにするための導電性の高
い裏面平板202と、帯状基板との電極間距離の変化を
抑制する材質からなる、帯状基板と対向するように配置
された表面平板201とが、電気的な接触面積が大きく
なるように重ね合わせた構成とすることで、第1の実施
形態と同様に、表面平板201と帯状基板とが対向する
面全域で安定したプラズマを発生させられるとともに電
極間距離の変化によるプラズマの不均一が抑制され、所
望の膜厚の堆積膜を大面積に形成することができる。
【0033】なお、本発明は、第1および第2の実施形
態を例として説明してきたが、これらに何ら限定される
ものではない。また、以下に第1および第2の実施形態
の実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら限定さ
れるものでもない。
【0034】
【実施例】まず、本発明の第1の実施形態についての実
施例に関して、以下に説明する。 (第1の実施例)本実施例では、堆積膜の製造装置とし
て、図1に示した第1の実施形態の平行平板型の堆積膜
製造装置を用い、また、電力を印加するための電極とし
て、図2に示した形状の表面平板101と裏面平板10
2とからなる電力印加電極306を用いた。
【0035】表面平板101としては、500[K]に
おける熱膨張係数αが5.1×10 -6[1/K]である
ニッケル鋼(64Fe、36Ni)を用いた。
【0036】また、裏面平板102としては、300
[℃]における比抵抗が5.9×10 -8[Ω・m]のア
ルミニウムを用いた。
【0037】表面平板101および裏面平板102の寸
法は、それぞれ長さ848[mm]、幅500[m
m]、厚さ50[mm]で、これら表面平板101およ
び裏面平板102を重ねた厚さ100[mm]の電力印
加電極306を用いた。
【0038】電力印加電極306には、300[W]、
60[MHz]のVHFを印加し、表面平板101と帯
状基板301との間の距離は20[mm]に設定し、真
空容器302内の平均温度は300[℃]に設定した。
原料ガスとしては、SiH4とH2とを用いた。
【0039】図4に、以上のような条件で、本発明の堆
積膜製造装置を用いて帯状基板301上に形成された堆
積膜の膜厚分布を、膜厚が同じ部分を線(等厚線)で表
した模式図を示す。
【0040】図4において、線Bは帯状基板301の長
辺に平行な中央線であり、線Aは線Bに平行で、帯状基
板301の端から短辺の長さの10[%]の位置を示す
線である。
【0041】次に、原料ガス導入部を0とし、原料ガス
の流れる方向を正にとったときの成膜速度を図5に示
す。
【0042】図5において、実線は、図4で示した線
B、すなわち、帯状基板301の中央部の成膜速度分布
を示し、破線は図4で示した線A、すなわち、帯状基板
301の端から短辺の長さの10[%]の位置の成膜速
度分布を示す。成膜速度のむらを評価するには種々の方
法が考えられるが、ここでは中央部(線B)と端部(線
A)との成膜速度の最大値の比を求めたところ、7
[%]の良好な結果が得られた。
【0043】これは、表面平板101の材質に熱膨張係
数の小さいニッケル鋼(64Fe、36Ni)を用いた
ことにより、プラズマにさらされ、熱膨張、堆積膜の応
力の影響を最も受けやすい帯状基板301と対向した電
力印加電極306の面の変形を抑え、平坦性が保たれた
ことによって、プラズマの均一性が向上したためと考え
られる。 (第2の実施例)次に、電力印加電極306の裏面平板
102を、300[℃]における比抵抗が3.6×10
-8[Ω・m]の銅を用いて、帯状基板301に堆積膜を
形成した。
【0044】なお、表面平板101は、第1の実施例と
同じ、500[K]における熱膨張係数αが5.1×1
-6[1/K]であるニッケル鋼(64Fe、36N
i)を用い、堆積膜の製造装置も第1の実施例と同じ
く、第1の実施形態の平行平板型の堆積膜製造装置を用
いた。また、表面平板101と裏面平板102との各寸
法、電力印加電極306への印加電力、表面平板101
と帯状基板301との間の距離、真空容器302内の設
定温度、原料ガスは、第1の実施例と同様である。以上
のような条件で、本発明の堆積膜製造装置を用いた場合
の帯状基板301での成膜速度のむらを評価するため、
第1の実施例と同じように中央部と端部との成膜速度の
最大値の比を求めたところ、5[%]とさらに良好な結
果が得られた。これは、裏面平板102の材質に比抵抗
の小さい銅を用いたため導電性が向上し、投入電力の均
一性が向上したためと考えられる。 (第3の実施例)次に、本発明の第2の実施形態につい
ての実施例に関して、以下に説明する。堆積膜の製造装
置として、第2の実施形態の平行平板型の堆積膜製造装
置を用いて帯状基板上に堆積膜を形成した。すなわち、
電力印加電極306aとして、表面平板201と裏面平
板202とが電気的に互いに接触する各接触面積を、表
面平板201の帯状基板に対向する面よりも大きくした
ものが用いられた。
【0045】なお、表面平板201は、第1および第2
の実施例と同様の、500[K]における熱膨張係数α
が5.1×10-6[1/K]であるニッケル鋼(64F
e、36Ni)を用いた。
【0046】また、裏面平板202としては、第2の実
施例と同様の、300[℃]における比抵抗が3.6×
10-8[Ω・m]の銅を用いた。
【0047】なお、表面平板201と裏面平板202と
の各寸法は、第1および第2の実施例で示した表面平板
101と裏面平板102との各寸法と同様であり、ま
た、電力印加電極306への印加電力、表面平板101
と帯状基板301との間の距離、真空容器302内の設
定温度、原料ガスも、第1および第2の実施例と同様で
ある。
【0048】以上のような条件で、本発明の堆積膜製造
装置を用いた場合の帯状基板での成膜速度のむらを評価
するため、第1および第2の実施例と同じように中央部
と端部との成膜速度の最大値の比を求めたところ、3
[%]とさらに良好な結果が得られた。
【0049】これは、第1および第2の実施例で示され
たように熱膨張係数の減少、電気抵抗の低下による効果
に加えて、表面平板と裏面平板との接触面積が大きくな
ったことにより、導電性がさらに向上し、プラズマの均
一性がさらに向上したためと考えられる。 (比較例)比較例として、図1に示した第1の実施形態
の平行平板型の堆積膜製造装置を用い、また、電力を印
加するための電極が一枚の平板で、その材質に300
[℃]における比抵抗が5.9×10-8[Ω・m]で、
500[K]における熱膨張係数αが26.4×10-6
[1/K]であるアルミニウムを用い、かつ、平板の厚
さを、第1の実施例の電力印加電極306の厚さと同じ
100[mm]にしたときの成膜速度分布を図6に示
す。なお、電力印加電極306への印加電力、表面平板
101と帯状基板301との間の距離、真空容器302
内の設定温度、原料ガスも、第1ないし第3の実施例と
同様である。また、図6における実線および破線の意味
は第1の実施例と同じである。
【0050】熱膨張やプラズマ照射、電力印加電極への
堆積した堆積膜などの要因により、電力印加電極の反り
や湾曲などの変形が発生し、中央部と端部で成膜速度分
布に大きな差が生じ、中央部と端部との成膜速度の最大
値の比は30[%]もの大きな値を示した。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、堆
積膜の形成される基板に対向するように配置された電力
印加電極の第2の平板型電極の熱膨張係数を第1の平板
型電極の熱膨張係数よりも小さくし、第1の平板型電極
の電気抵抗を第2の平板型電極の電気抵抗よりも小さく
することで、基板と電力印加電極との間にプラズマを安
定して発生させることができ、よって、所望の膜厚の堆
積膜を大面積に成膜することができる。また、第1の平
板型電極と第2の平板型電極との接触面積を大きくする
ことで、より安定にプラズマを発生させることができ
る。さらには、電極間において均一なプラズマを発生さ
せることができる。これらにより、堆積膜の形成に要す
るコストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の堆積膜形成装置の一
例の概略側断面図である。
【図2】図1に示した堆積膜形成装置の電力印加電極の
斜視概略図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の堆積膜形成装置の電
力印加電極の斜視概略図である。
【図4】本発明の第1の実施例の電力印加電極を用いた
場合の、帯状基板上に形成された堆積膜の膜厚分布を表
した模式図である。
【図5】本発明の第1の実施例の電力印加電極を用いた
場合の、帯状基板の各位置における成膜速度の関係を示
す図である。
【図6】電力印加電極が一枚の平板であり、材質がアル
ミニウムである場合の、帯状基板の各位置における成膜
速度の関係を示す図である。
【符号の説明】
101、201 表面平板 102、202 裏面平板 301 帯状基板 302 真空容器 303 ガスゲート 305 放電室 306、306a 電力印加電極 307 原料ガス導入管 308 排気管 309 ブロックヒータ 310 放電室外部排気口 311 成膜領域開口調整板 312 蓋 313 ランプヒータ 314 熱電対 315 リフレクタ 316 支持ローラ 317 ゲートガス導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 光行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA16 AA17 BA29 BB03 BB05 CA02 CA07 CA17 FA03 KA15 KA18 KA24 KA46 LA16 5F045 AB03 AB04 AC01 AF07 AF10 BB01 DP22 EC01 EC09 EE07 EH12 EH13 EK07 EK11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力が印加される電力印加電極と堆積膜
    を形成すべき基板とで構成された一対の電極が内部に設
    けられた真空容器を有し、前記基板と前記電力印加電極
    との間でプラズマを発生させて、前記真空容器内に導入
    された前記堆積膜の原料となるガスを分解して前記基板
    上に前記堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、 前記電力印加電極は、電力が外部より直接印加される第
    1の平板型電極と、前記第1の平板型電極に電気的に接
    触し、かつ、重ねて配置されることで前記基板と対向す
    るように配置される第2の平板型電極とを有し、前記第
    2の平板型電極の熱膨張係数は、前記第1の平板型電極
    の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする堆積膜形成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の平板型電極の熱膨張係数は、
    前記第1の平板型電極の熱膨張係数に比べ、前記堆積膜
    の熱膨張係数に近い値である、請求項1に記載の堆積膜
    形成装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の平板型電極の熱膨張係数は、
    前記第1の平板型電極の熱膨張係数に比べ、シリコンの
    熱膨張係数に近い値である、請求項1に記載の堆積膜形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の平板型電極の電気抵抗は、前
    記第2の平板型電極の電気抵抗よりも小さい値である、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の堆積膜形成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1の平板型電極と前記第2の平板
    型電極とが互いに電気的に接触する面の各面積は、前記
    第2の平板型電極の前記基板に対向する面の面積よりも
    大きいものである、請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の堆積膜形成装置。
  6. 【請求項6】 電力が印加される電力印加電極と堆積膜
    を形成すべき基板とで構成された一対の電極が内部に設
    けられた真空容器を有し、前記基板と前記電力印加電極
    との間でプラズマを発生させて、前記真空容器内に導入
    された前記堆積膜の原料となるガスを分解して前記基板
    上に前記堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、 前記電力印加電極は、電力が外部より直接印加される第
    1の平板型電極と、前記第1の平板型電極に電気的に接
    触し、かつ、重ねて配置されることで前記基板と対向す
    るように配置される第2の平板型電極とを有し、前記第
    1の平板型電極の電気抵抗は、前記第2の平板型電極の
    電気抵抗よりも小さい値であることを特徴とする堆積膜
    形成装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の平板型電極と前記第2の平板
    型電極とが互いに電気的に接触する面の各面積は、前記
    第2の平板型電極の前記基板に対向する面の面積よりも
    大きいものである、請求項6に記載の堆積膜形成装置。
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