JPH06349745A - ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置 - Google Patents

ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置

Info

Publication number
JPH06349745A
JPH06349745A JP14027693A JP14027693A JPH06349745A JP H06349745 A JPH06349745 A JP H06349745A JP 14027693 A JP14027693 A JP 14027693A JP 14027693 A JP14027693 A JP 14027693A JP H06349745 A JPH06349745 A JP H06349745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film forming
gas
film
forming chamber
microwave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14027693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3080515B2 (ja
Inventor
Yutaka Echizen
裕 越前
Yasushi Fujioka
靖 藤岡
Akira Sakai
明 酒井
Tatsuyuki Aoike
達行 青池
Toshihito Yoshino
豪人 吉野
Hideichiro Sugiyama
秀一郎 杉山
Masahiro Kanai
正博 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP05140276A priority Critical patent/JP3080515B2/ja
Publication of JPH06349745A publication Critical patent/JPH06349745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3080515B2 publication Critical patent/JP3080515B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 安定な放電を維持しながら、大面積にわたっ
て高品位且つ均質な半導体膜を、高速で形成可能なロー
ル・ツー・ロール型マイクロ波プラズマCVD装置を提
供する。 【構成】 真空容器に内蔵された角柱状の成膜室102
を備えるロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマC
VD装置であって、成膜室に向かって方形導波管10
4、円形導波管105、誘電体円板の順に取り付けられ
たマイクロ波アプリケーター103と、該アプリケータ
と成膜室の1側面との間に設けられ、誘電体円板の成膜
室側の面上に、その端部がほぼ密着し且つ方形導波管の
長辺側の面に平行に配置された複数の金属板と、成膜室
の上蓋を構成する帯状基板と、成膜室の底面または側面
に列状に設けられたガスノズルと、成膜室の側面または
底面に列状に設けられた排気孔と、から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール・ツー・ロール
型マイクロ波プラズマCVD装置に係わる。特に、グロ
ー放電でアモルファス・シリコン系(以下「a−Si:
H系」と略記)あるいはアモルファス・シリコン合金系
等の非単結晶系半導体膜からなる光起電力素子の製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVD装置においては、近年の
半導体素子の高性能化・低価格化への要求から、所望の
性能に必要な膜質の半導体膜を高速成膜し、同時に安定
放電を維持しながら大面積にわたって成膜することで生
産性・歩留りを上げることが要請されている。
【0003】高速成膜の観点から、最近注目されている
のがマイクロ波を用いたプラズマCVD技術である。マ
イクロ波は、RFよりも周波数が高いため、プラズマの
電子密度を高めることが可能となり、プラズマを効率良
く発生・持続させることができる。
【0004】また、マイクロ波プラズマCVD装置は、
従来のRFプラズマCVD装置と比較して低圧(10-4
Torr台まで)でのプラズマ発生が可能である。特
に、a−Si:H膜を成膜する場合、膜特性の低下の原
因となる活性種のポリマー化を防ぎ、高品質の半導体膜
が得られる。それに加えて、原料ガスの分解効率が高い
ためポリシラン等の粉末の発生を抑えるとともに、高速
成膜が可能である。
【0005】従来のマイクロ波プラズマ処理装置は、特
公昭54−03343号公報及び特公昭54−0334
4号公報に記載されているように、マグネトロン、導波
管、原料ガス導入管、放電管或いは成膜室及び真空ポン
プ等により概ね構成されている。この構成のプラズマC
VD装置では、原料ガス導入管を通して所定量の原料ガ
スを放電管内部に導入し、真空ポンプで放電管の圧力を
一定に保ちながら導波管及び放電管壁を通過させてマイ
クロ波電力を原料ガスに投入し、プラズマを発生させ
る。しかし、このような従来の装置には、マイクロ波電
力が最大となる放電管壁にプラズマが接触し、放電管を
破損させるという問題がある。
【0006】また、従来のマイクロ波プラズマCVD装
置の別の例として、特公昭63−67332号公報及び
特公昭62−43335号公報に記載された、いわゆる
ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ付着装置を
挙げることができる。このECR装置においては、マイ
クロ波導入窓を備えた円筒空胴共振器の周囲に電磁石を
同芯に配置し、数mTorrの圧力で高速プラズマ処理
を行う。このプラズマ中の電子は、磁場によるサイクロ
トロン運動をするため前記従来例よりもかなり低い圧力
で動作が可能である。しかし、a−Si:H膜等の半導
体膜を長時間成膜すると、放電が断続的になったり放電
が停止したりする問題がある。
【0007】次に、安定放電の観点から、上記のような
マイクロ波プラズマCVD装置のマイクロ波導入窓上に
成膜するのを防止する(以下、「防着」と称す)方法が
特開平3−110798号公報、特開平3−12227
3号公報において提案されている。これらの提案によ
り、マイクロ波電界を金属等のマイクロ波反射部材で垂
直に分割し、その分割部におけるプラズマの発生を抑制
し、その結果、成膜室内のプラズマとマイクロ波導入窓
との距離を拡大させて防着効果を得ることができる。そ
して、前記放電管を用いたり、ECRプラズマCVD付
着装置を用いたりした場合の問題を回避することができ
る。
【0008】図19及び図20は、上記の特開平3−1
10798号公報で提案された防着構造体を示す図であ
り、同一構造体を異なる方向から見た図である。これら
の図において、防着構造体はマイクロ波電界1801を
垂直に分割する多数の紡錘形に配置された略円筒面の一
部をなすフィン1702で構成され、マイクロ波導入窓
がプラズマに接触する部分に配置される。
【0009】これらの防着手段を有するマイクロ波プラ
ズマCVD装置においては、特に円形導波管と紡錘形に
配置されたフィンを用いた場合、フィン上に堆積するa
−Si:H等の半導体膜中の応力により略円筒面を保つ
ことができなくなる。その結果フィンの一部がマイクロ
波でスパッタされ、マイクロ波導入窓上にフィンの材質
が付着してマイクロ波の反射電力を増大させ、同時に基
板上に形成される半導体膜中にもフィンの材質が混入し
て電気特性を劣化させるという問題がある。
【0010】また、他の防着構造としては、特開昭63
−72871号公報において提案されたように、ミラー
磁場でプラズマ中の荷電粒子を閉じ込めることにより、
マイクロ波導入窓上への成膜を回避するものである。し
かし、このような防着手段を有するマイクロ波プラズマ
CVD装置においては、プラズマ中で生成した化学的な
活性種は磁場によらずに拡散する。一方、プラズマに磁
場をかけると、磁場の分布による電子密度の分布を生
じ、均一で均質な成膜ができないという問題がある。
【0011】さらに、別の防着手段としては、特開昭6
2−80275号公報において提案されているように、
マイクロ波導入窓の表面に非堆積性のガスを吹付け、成
膜用原料ガスの濃度を低下させて窓表面での成膜速度を
低下させるものがある。
【0012】しかしながら、成膜用の原料ガスの濃度を
低下させマイクロ波導入窓波の成膜を防ぐためには、大
量の非成膜性ガスをマイクロ波導入窓に吹付ける必要が
ある。例えばマイクロ波導入窓に問題が起こる平均時間
を10倍以上に延長するには、上記非成膜性ガスの流量
は成膜用の原料ガスの流量の10倍以上とする必要があ
り、それに応じて排気管の大口径化と真空ポンプの能力
の大幅な増大を必要とする。さらに、このような非成膜
性ガスの成膜室への流入は、成膜室内部における均質か
つ均一な半導体膜の形成を阻害するという別の問題も含
んでいる。
【0013】一方、大面積成膜の要請に対しては、従来
のRFプラズマCVD装置に関するロール・ツー・ロー
ル(Roll to Roll)方式を採用した提案が
米国特許第4,400,409号明細書に開示されてい
る。この提案によれば、所望の幅で十分に長いフレキシ
ブルな帯状基板が複数のRFグロー放電領域を順次貫通
するように、該帯状基板の長手方向に連続的に搬送さ
れ、各RFグロー放電領域において必要な導電型の半導
体層を堆積形成することによって、半導体接合を有する
半導体素子を連続形成できるとされている。また、各半
導体層形成時に用いるドーピングガスが隣接するRFグ
ロー放電領域へ拡散するのを防止するためガスゲートを
設けている。このように、RFプラズマCVD法では、
波長の長いRF(約数十m)を用いるため、大面積成膜
が可能となり、半導体素子の連続形成に適した方式であ
ると言える。
【0014】しかし、従来のロール・ツー・ロール方式
のRFプラズマCVD装置においては、成膜速度が数Å
/secと低く、生産性を上げるためには装置自体を長
大化するしか方法がない。ところが、装置を長大化する
と、加熱・冷却・真空排気等の各準備工程に要する時間
が増大し、成膜工程時間の全工程に対する比率、即ち生
産性が低下し、製造コストを増大させるという問題があ
る。
【0015】以上述べたように、高速成膜に対しては、
マイクロ波プラズマCVD装置が適しているが安定放
電、大面積成膜に問題がある。一方、RFプラズマCV
D装置は大面積成膜に対しては適するが、高速成膜性に
問題がある。
【0016】そこでこれらの3点、即ち、高速成膜、安
定放電、大面積成膜の総てを満足させる方法として、マ
イクロ波の漏れ導波管を利用した方法が、米国特許第
3,814,983号明細書において提案された。この
提案によれば、移動する帯状基板に対して傾斜させた2
つの漏れ導波管を、それぞれの電力分布が互いに相殺し
て均一になるように逆の傾きで並設配置し、また漏れ導
波管間のマイクロ波のクロストークを回避するように帯
状基板の搬送方向にずらして配置することが開示されて
いる。
【0017】しかし、従来のマイクロ波の漏れ導波管を
用いた装置においては、マイクロ波の電界が均一となる
ことは考えられているが、原料ガスの濃度分布やプラズ
マ密度分布については全く考慮されておらず、均一の厚
さで均質な大面積成膜ができないという問題がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、
マイクロ波プラズマCVD装置において、防着によって
プラズマを安定的に長時間維持して連続的に半導体素子
を生産することが可能な大量生産用の成膜装置を提供す
ることを目的としている。
【0019】また、本発明の他の目的は、安定な放電を
維持しながら、大面積にわたって高品位且つ均質な半導
体膜が得られるマイクロ波プラズマCVD装置を提供す
ることにある。
【0020】さらに、本発明の目的は、放電開始が容易
でマイクロ波電力を損失なく成膜室に投入できる装置を
提供することにある。
【0021】本発明の更なる目的は、保守等の作業性に
優れ、その結果生産性を向上できる装置を提供すること
である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のプラズ
マCVD装置における上述の問題点を解決し、前記本発
明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、完成した
ものである。即ち、本発明のロール・ツー・ロール型マ
イクロ波プラズマCVD装置は、真空容器に内蔵された
角柱状の成膜室を備えるロール・ツー・ロール型マイク
ロ波プラズマCVD装置であって、前記成膜室に向かっ
て方形導波管、円形導波管、誘電体円板の順に取り付け
られたマイクロ波アプリケーターと、該アプリケーター
と前記成膜室の1側面との間に設けられ、前記誘電体円
板の前記成膜室側の面上に、その端部がほぼ密着し且つ
前記方形導波管の長辺側の面に平行に配置された複数の
金属板と、前記成膜室の上蓋を構成する帯状基板と、前
記成膜室の底面または側面に列状に設けられたガスノズ
ルと、成膜室の側面または底面に列状に設けられた排気
孔と、から少なくとも構成されることを特徴とする。
【0023】さらに、前記誘電体円板は、厚さの電気長
がマイクロ波の波長の概略半分で、直径の異なる少なく
とも2種の円板から構成され、大径の円板の前記成膜室
とは反対側の面上に小径円板を点対称に2個配置したこ
とを特徴とする。
【0024】
【作用及び実施態様例】マイクロ波プラズマCVD装置
を、前記成膜室に向かって方形導波管、円形導波管、誘
電体円板の順に取り付けられたマイクロ波アプリケータ
ーと、該アプリケーターと前記成膜室の1側面との間に
設けられ、前記誘電体円板の前記成膜室側の面上に、そ
の端部がほぼ密着し且つ前記方形導波管の長辺側の面に
平行に配置された複数の金属板と、前記成膜室の上蓋を
構成する帯状基板と、前記成膜室の底面または側面に列
状に設けられたガスノズルと、成膜室の側面または底面
に列状に設けられた排気孔と、で少なくとも構成するこ
とにより、長時間に亘って安定した成膜が可能となる。
【0025】また、前記誘電体円板を、厚さの電気長が
マイクロ波の波長の概略半分で、直径の異なる少なくと
も2種の円板で構成し、大径の円板の前記成膜室とは反
対側の面上に小径円板を点対称に2個配置することによ
り、放電開始が容易となり、同時にマイクロ波電力を反
射損失なく成膜室に投入することができる。その結果、
低パワーのマイクロ波電源を用いることができ設備コス
トを大幅に削減できる。 次に本発明のマイクロ波プラ
ズマCVD装置の構成を図を参照して説明する。
【0026】図1は、本発明の装置の主たる成膜室を説
明する模式的破断透視図である。ここでは内部を理解し
やすくするため、所定の位置からずらしたり、破断した
りして描いた部分がある。
【0027】図1において100は防着構造付反応炉、
101は帯状基板、102は成膜室103はマイクロ波
アプリケーター、104は方形導波管、105は円形導
波管、106はPF窓、107はマイクロ波導入用開
口、108は電磁シールド(EMIシールド)、109
はバイアス電圧印加電極(以下バイアス電極と略記)、
110は直流安定化電源、111はガス導入パイプ、1
12はガス導入口、113はガス溜り、114はガス吹
出板、115はガス・ノズル、116はガス排気口、1
17はマイクロ波漏洩防止板、118は防着板、119
は圧力測定孔である。上記部品は、概ねビスやボルトで
固定されている。
【0028】最初に、アプリケーターと成膜室の間に設
けられる複数の金属板からなるPF窓について説明す
る。ここで、PF窓とは、プラズマ・フリー窓の略称で
あり、防着構造体である。
【0029】図9は、PF窓とアプリケーターとの配置
を示す分解図(a)及び断面図(b)である。図9にお
いて、誘電体円板は、大径円板(以降、円形誘電体窓と
いう)901と小径円板(以降、ビーズという)902
とから構成されている。903はPF窓、904はフィ
ン、905はプレート、906は真空シール面、907
は外筒、908は内筒、909は変換フランジ付方形導
波管である。ここで、図1と共通の部品は同一部番とし
た。
【0030】図9において、PF窓903は多数の平行
な金属板、即ちフィン904で構成され、フィン904
の配置は方形導波管909の長辺側の面に平行に配設さ
れる。また、フィンの材質は、例えば1mm厚のステン
レスとする。特にマイクロ波の進行方向に対してフィン
904が傾いたり、フィンの強度が膜応力よりも弱い
と、前記従来例のようにスパッタされることになるの
で、フィンの材質は重要である。また、PF窓903は
円形誘電体窓901とプラズマ(不図示)の間で、かつ
全部のフィンの端部が円形誘電体窓901にほぼ密着す
るように設置され、該円形誘電体窓901に「防着」作
用を及ぼす。この密着は、フィン端部から円形誘電体窓
間で0〜3mmである。この防着作用は、フィンとフィ
ンの間隔が狭く、排気コンダクタンスが小さいほど顕著
となる。
【0031】なお、本発明の場合排気コンダクタンスを
小さくできれば、金属製の平行フィンの代用として、多
数の柱状構造をもつ誘電体でも良い。
【0032】一方、PF窓903のもう1つの作用は、
円形誘電体窓901を介してマイクロ波電力を成膜室1
02(図1参照)に投入することである。このとき、成
膜室102に投入したマイクロ波電力、原料ガス、プラ
ズマ等が外部にそのまま漏洩しないよう、マイクロ波導
入用開口107の外側に相当するPF窓903の端面
は、プレート905で覆われている。
【0033】図9において、アプリケーター103は、
円形誘電体窓901、ビーズ902、外筒907、内筒
908、変換フランジ付方形導波管909及びガスケッ
トの6点で構成される。特に、円形導波管105は、外
筒907と内筒908よりなる2重構造である。そし
て、図9(b)が示すように、外筒907の先端には、
内側に張出す段付部が設けられ、該段付部には、方形導
波管側から外筒907の内部に挿入される円形誘電体窓
901が突当てられている。この突当てられた円形誘電
体窓901の外周にOリングまたはヘリコフレックス等
のガスケットを配置する。そして、該ガスケットのみを
外筒907の内部にはめ込まれた内筒908の先端リン
グ部で押し潰して、内筒先端リング部・外筒段付部・円
形誘電体窓外周の3者で真空シール面906を形成す
る。そして、この内筒908と外筒907の間隙には、
冷却水を流すことが好ましい。
【0034】さらにアプリケーターには稜線が明確に出
ないようできるだけ平坦化するか、ゆるい曲面とする。
何故なら、長時間成膜すると、稜線部に付着した半導体
膜が剥離して基板上の半導体膜に混入するので、これを
防ぐための方策である。例えば、前記外筒の907の先
端部と円形誘電体窓901の表面とは段差ができるが、
この段差を円形誘電体窓901の形状自体に段差をもた
せて見かけ上なくしておく。そして、内筒908には、
変換フランジ付方形導波管909が締結されている。ま
た、このアプリケーター103は、マイクロ波導入用開
口107を介して、フィン904及び電磁シールド(E
MIシールド)108と密着させる。
【0035】次に、本発明のマイクロ波プラズマCVD
装置により、長時間にわたり安定した成膜が可能になる
ことを確認した実験について説明する。
【0036】(実験1)図1及び図4に示したマイクロ
波プラズマCVD装置を用いて、バイアス電極に直流バ
イアス電圧VB を印加し、スパークが発生しない限界値
BMAXを調べた。
【0037】図4は従来のマイクロ波プラズマCVD装
置であり、図1で示す防着構造付反応炉100から2つ
のPF窓106を取り除き、その結果できたスペースを
対向するアプリケーター103の距離を短縮して埋め合
せたものである。図4において、400は反応炉、40
1は円形誘電体窓であり、図1と同一部品は同一部番と
した。
【0038】VBMAX測定の結果は、図1の装置ではV
BMAX=120(V)、図4ではVBMAX=80(V)であ
った。
【0039】次に、この限界電圧VBMAXを印加し、他の
成膜条件は表9に示した成膜条件で連続5時間の成膜を
実施してPF窓の防着効果を調べた。そして、直流バイ
アス電流(A)とマイクロ波実効電力(=(入射電力)
−(反射電力))(W)、成膜室圧力(mTorr)を
記録した。なお、ここでのマイクロ波実効電力は、2個
の対向するマイクロ波アプリケーターの平均電力値とし
た。また5時間の成膜中、マッチング素子には全く手を
触れず、マグネトロンから一定のマイクロ波電力を成膜
室に投入して変化を観察した。即ち、成膜室内部の状況
変化が、直流バイアス電流、マイクロ波電力の変化とし
て認められるようにした。以上の実験を図1の装置2台
(=PF窓有)及び図4の装置1台(PF窓無)につい
て行い、その結果を表1及び図15に示す。
【0040】
【表1】
【0041】バイアス電流値は、時間とともに漸減す
るが、PF窓が無い方の変化が大きい。 マイクロ波実効電力は微増する。これは反射電力が僅
かに減るためである。この場合もPF窓が無い方が変化
が大きい。 圧力は微増するが、PF窓の有無による大小関係は判
定できない。
【0042】図15のバイアス電流の変化率を30分毎
に示したのが、図16である。図16から明らかなよう
に、PF窓が無い方は変化率が非常に大きくなることが
分かる。
【0043】マイクロ波実効電力の変化は、チューナー
で修正することができるが、これは見かけの電力P1
あり、実際にプラズマに投入される電力P2 は、P2
1−P0 (P0 はマイクロ波導入窓で吸収される電
力)であるため、P0 は小さい方が良い。マイクロ波実
効電力の変化が小さい方がP0 が小さいので、PF窓が
ある方が確実に有利であるのが分かる。
【0044】(実験2)次に、PF窓に対するガス流の
方向、及びPF窓のフィンの間隔と長時間成膜安定性と
の関係についての実験を行った。実験に用いた装置は、
図1からバイアス電極109とガス吹出板114を除去
し、ガス導入パイプ111を成膜室102内部に突出さ
せたものである。そして2個のアプリケーター103の
一方の円形誘電体窓106にPF窓を密着させた。即
ち、2個のアプリケーターと1個のPF窓とを備えた構
造とした。このPF窓は、フィンが水平となる方向に設
置されている。PF窓が密着する円形誘電体窓を「窓
A」、PF窓のない円形誘電体窓を「窓B」と名付け
る。そして、バイアス電圧は印加せず、他の成膜条件は
表9の成膜条件とし、2分間a−Si膜の成膜を行って
円形誘電体窓上のa−Si膜の付着状態を観察した。成
膜後の円形誘電体窓の写真を図17に示す。写真と条件
の関係を表2に示す。
【0045】
【表2】 表2のPF窓は、いずれもプラズマを見込む立体角を同
一としている。図17の(写真1)〜(写真3)が示す
ように、窓Bに関してはいずれも円形誘電体窓の全面に
a−Si膜が付着しているのが目視ではっきりと認めら
れた。一方、窓Aに関しては、a−Si膜の付着は少な
く、その付着量は(写真3)が最も少なく、(写真
1)、(写真2)の順に増加した。
【0046】図8は、この関係を定量化するため、PF
窓のフィン上にガラス基板を置き、このガラス基板上に
堆積したa−Siの膜厚を測定したものである。図8の
曲線L(写真1に対応)と曲線N(写真3に対応)の比
較により、ピッチが狭いほど窓A上への防着効果が高く
なることが分かった。また曲線LとM(写真2に対応)
との比較により、ガス流が円形誘電体窓に平行に流す方
が防着効果は高いことが分かった。
【0047】次に、以上の結果に基づいて、フィンピッ
チ3mm、フィン長60mmとしたPF窓を2個取り付
けた図1の装置を用いて、表9の成膜条件で10時間成
膜を持続させた。但し、ガス流は上向きとした。この場
合のPF窓の窓Aに対する防着効果を図18の写真に示
す。
【0048】図18では、10時間の成膜にもかかわら
ず、a−Si膜が全く付着しない領域(すなわち、フィ
ンが密着する部分)が認められた。また、放電状態も
(実験1)と同様極めて安定していた。以上の実験から
明らかなように、本発明により安定した放電が持続し得
ることが分かる。
【0049】続いて、誘電体円板を、円形誘電体窓及び
ビーズで構成した時の効果を説明する。誘電体円板にお
いて、マイクロ波の反射が打消されるのは、その厚さの
実効電気長がλ/2(λ:マイクロ波の波長)であるこ
とは公知である。この条件を維持しながら、誘電体円板
を少なくとも大小2種の部品で構成し、大径部品(即
ち、円形誘電体窓)をλ/2より若干薄く製作する。そ
してその不足分を2個の小径部品(ビーズ)で補う。こ
のビーズの作用によりその部分の電界は集中し、放電開
始が容易になる。
【0050】図9において、ビーズ902は、円形誘電
体窓901のPF窓903とは反対側の面上に点対称に
2個円形導波管内壁に周囲が接触するように取付られ
る。その取付け方向は、2個のビーズを結ぶ線分が方形
導波管の短辺と平行になるようにする。
【0051】ビーズの取付には、耐熱無機接着剤(例え
ば東亜合成化学(株)製のアロン・セラミック)、両面
テープ、ポリイミド粘着テープ等を使えば良い。
【0052】ビーズの寸法としては、例えば円形誘電体
窓の径がφ98mmの場合、直径がφ20〜φ30m
m、高さが15〜30mmとすれば良いが、さらに具体
的な寸法は採用する誘電体の誘電率に依存する。例え
ば、2.45GHzのマイクロ波では波長λ=122.
4mmであり、ε=10のアルミナ・セラミックスを採
用した場合、円形誘電体窓の厚さが19mmならばビー
ズの寸法を外径φ20mm、厚さ20mm程度にすれば
良い。
【0053】実効電気長という用語を用いたのは、使用
するマイクロ波モードに応じて電界密度が変わるため、
その電界密度分布を平均化して電気長を決める必要があ
るためである。従って、予めいくつかの寸法の大小部品
を製作し、最適な組合せを実験的に決めるのが好まし
い。
【0054】次に、上記の効果を確認した実験を以下に
示す。
【0055】(実験3)上記寸法の誘電体窓及びビーズ
を図1及び図2の装置にぞれぞれ適用し、表9の成膜条
件で放電させた。ここで図1の装置の場合、2つのマイ
クロ波発振機が同時に発振するように外部から同期信号
を与えた。また図2の装置の場合、パワー・ディバイダ
ーを用い、その分配比を5:5に固定して6つのアプリ
ケーターから同時放電させた。また、比較のため、ビー
ズを用いず円形誘電体窓だけを用いた場合の放電実験を
行った。そのときの放電開始電力(進行波電力)の値を
表3にまとめた。
【0056】
【表3】 表3から明らかなように、誘電体円板を大径の円形誘電
体窓と小径のビーズとで構成することにより、放電開始
電力を下げられることが分かる。
【0057】尚、上記以外のビーズの配置も許される
が、その場合は前記円形誘電体窓及びビーズの寸法を適
宜調整する。
【0058】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されることはな
い。
【0059】(実施例1)図1に、本発明の第1の実施
例を示す。図1において、100は防着構造付反応炉、
101は帯状基板、102は角柱状成膜室、103はア
プリケーター、104は方形導波管、105は円形導波
管、106はPF窓、107はマイクロ波導入用開口、
108はEMIシールド、109はバイアス電極、11
0は直流安定化電源、111はガス導入パイプ、112
はガス導入口、113はガス溜り、114はガス吹出
板、115はガス・ノズル、116はガス排気口、11
7はマイクロ波漏洩防止板、118は防着板、119は
圧力測定孔である。
【0060】本実施例において、アプリケータ103に
マイクロ波電力を導入する2台のマイクロ波発振機(不
図示)は、連続発振でリップル率3%未満のもので、
2.45GHz(ギガヘルツ)のマイクロ波を発振す
る。この2台のマイクロ波発振機には、それぞれ適宜導
波管を介在させて、発振機側からアイソレーター、方向
性結合器(電力計)、チューナー、アプリケーター10
3の順に接続されている。そして、マイクロ波電力は前
記電力計を監視しながら各マイクロ波発振機から各アプ
リケーター103を通って成膜室102の両側から投入
される。
【0061】本実施例において、アプリケーター103
を構成する円形導波管105の内径は、大略方形導波管
104の外接円となるように選ばれている。例えば、円
形導波管の内径をφ98〜φ101mm、方形導波管の
内寸を96×27mmまたは109.2×54.6m
m、72×34mmとすれば良い。2つのアプリケータ
ー103は対向して配置させ、互いの回転軸(以下、X
軸とする)が一致するように配置する。ここでX軸は、
帯状基板101とほぼ平行である。そしてX軸の帯状基
板への射影は、帯状基板の搬送方向(以下、Y軸とす
る)とほぼ直交する。さらにX軸は、角柱状成膜室10
2の側壁と平行である。
【0062】また、このアプリケーター103を構成す
る方形導波管104において、マイクロ波は、方形TE
10(=H10)モードで伝搬し、同じく円形導波管105
において、円形TE11(=H11)モードで伝搬する。さ
らに、ビーズ902及び円形誘電体窓901中でのモー
ドは、ビーズの配置によって変化し高次モードを含んだ
複雑なものとなる。
【0063】一方、偏波面に関しては、方形導波管10
4、円形導波管105ではいずれも直線偏波であるが、
ビーズ902の配置に応じて偏波面が回転した楕円偏波
と直線偏波とが部分的に合成された複雑な様相を呈す
る。
【0064】アプリケーター103に内蔵される円形誘
電体窓901(図9参照)は、マイクロ波導入と真空封
止の2つの機能を有する。このマイクロ波導入による円
形誘電体窓の熱劣化(ヒビ割れ、破壊)を防止するた
め、均一に冷却されることが好ましい。具体的には、円
形誘電体窓の大気側の面に冷却空気を吹き付けて直接冷
却しても良いし、内筒908と外筒907との間に水、
フレオン等の冷媒を流してアプリケーター103を冷却
し、円形誘電体窓とアプリケーターとの熱伝導で間接的
に冷却しても良い。
【0065】この円形誘電体窓901がプラズマに曝さ
れる場合、その材質としては、熱衝撃破壊係数=大、
熱膨張率=小、マイクロ波電力の吸収(εrtan
δ)=小、機械的強度=大、イオン再結合係数=
小、プラズマへの耐久性がある、φ100mm以上
の製作が可能、比較的安価、等の条件を満足しなけれ
ばならず、特に、a−Si:H膜を形成する場合には、
熱伝導率が良好という条件が追加される。ところが、
前記PF窓106を具備すれば、プラズマに曝されなく
なるので、上記条件のうち、、、を満足すれば
良い。また、ビーズの材質選択条件は、のみを満足
すれば良い。具体的な材質としては、例えばAl
2 3 、BeO、MgO、ZrO、SiN、SiC、B
N等のファイン・セラミックスや石英が挙げられる。
【0066】また、円形誘電体窓901は1枚構成で
も、本出願人が提案したような密着した2枚構成でも良
い(特開昭63−145781号公報)。
【0067】また、対向する2つのPF窓106のフィ
ンの取付方向は、互いに直交している。しかしながら本
発明では、ビーズの偏波面への作用により、PF窓のフ
ィンの取付方向が互いに平行な場合でさえも、対向する
アプリケーターを介してマイクロ波が漏洩する量は僅か
なので無視できる。
【0068】本実施例において、アプリケーター10
3、104とPF窓106とが接触するマイクロ波導入
開口107では、復元力を持つリン青銅製のスパイラル
・ワイヤーをEMIシールド108とし、両者を電気的
に密着させる。
【0069】本実施例では、前記X軸上にT字形の棒状
構造であるバイアス電極109を配置する。このときバ
イアス電極109端部と円形誘電体窓901との距離は
10〜55mmが好ましい。距離が30mmの場合のバ
イアス電極主要部の寸法は、φ12mm×長さ420m
mである。
【0070】このバイアス電極109は成膜室102の
底面を貫通し、電気的に該底面と絶縁されている。ま
た、このバイアス電極109には、不図示の真空容器の
外部で直流安定化電源110または高周波電源を接続す
る。特に、成膜室102を貫通する部分では、同軸とな
るよう金属スリーブを設け、該金属スリーブとバイアス
電極109とを絶縁し、異常放電を防止する。成膜室1
02の外部で、かつ真空容器の内部に相当する位置で
は、必要に応じて同軸にしたり、銅箔で引き廻したりし
てEMIシールドを設ける。
【0071】このバイアス電極109にバイアス電圧を
印加することにより、成膜中の帯状基板101に引きつ
けられるイオンのエネルギーを制御する。そしてそのイ
オン量は、バイアス電流で監視する。
【0072】このバイアス電極109の材質は、グロー
放電状態で使用する場合に堆積膜を汚染しないものであ
れば何でも良い。例えば、SUS、Ni等が好適であ
る。
【0073】図1において、帯状基板101はマイクロ
波の反射体であって、直方体状の成膜室102の上蓋を
構成している。ここで、前記帯状基板101の幅は、成
膜室102のX軸方向の長さよりも小さいため、成膜室
102の端部にはマイクロ波及びプラズマ漏洩を妨げる
マイクロ波漏洩防止板117が設置されている。このマ
イクロ波漏洩防止板117の機能は、成膜室内の圧力
を高め、放電生起を容易にする、プラズマの漏洩を防
ぎ、放電を安定させる、マイクロ波の漏洩を防ぎ、安
全性を確保する、ことである。
【0074】本実施例において、角柱状の成膜室102
のサイズは、220mm(D)×140mm(H)×4
80mm(W)であって、400mm幅の帯状基板10
1に対応できる。
【0075】この帯状基板の幅方向に均一な成膜を行う
ため、ガス流及びバイアス電圧の印加が均一になるよう
構成されている。
【0076】この成膜室102に原料ガスを均一に導入
する手段として、ガス導入パイプ111、ガス導入口1
12、ガス吹出板114、ガス・ノズル115を備えて
いる。ガスの流れとしては、ガス・ノズル115で上向
きに吹出された原料ガスが不図示の真空ポンプの作用に
より成膜室102の側壁である多孔板上のガス排気口1
16を介して成膜室102の外部に排出される。また、
ガス排気口116から真空ポンプまでの間に、排気コン
ダクタンス可変機構(不図示)が設置されている。
【0077】本実施例において、帯状基板101は、図
3に示す搬送機構で搬送される。特に、搬送ローラー
(図3の336〜346参照)は帯状基板101の非成
膜面(図では上面)のみに接触させる。具体的には、米
国特許第4,485,125号公報で提案されたものと
同様に、強磁性体(例えばSUS430等のフェライト
系ステンレス)の帯状基板101の上面にマグネット・
ローラーを密着させ、その磁力で帯状基板101をカテ
ナリー(懸垂線)状に吊り下げる。この場合、最小の張
力で搬送可能となる。
【0078】この帯状基板の吊下げ形状は、張力を強く
して帯状基板や搬送ローラーが変形したり、後述するス
テアリング機構が働かなくなる限界値以内であれば、カ
ージオイドの一部でも、最速降下線でも、円弧でも良
い。
【0079】また、マグネット・ローラーには、内部に
永久磁石が複数個組み込まれている。該永久磁石は、帯
状基板の温度に比べてキューリー点が高くかつ強磁性体
の帯状基板を貫通した磁力線がプラズマに影響しない程
度の磁力を有する。
【0080】図1において、防着板118は成膜室10
2の両側、即ち、成膜室102に帯状基板101が入る
直前及び帯状基板101が成膜室102から出た直後に
配置される。尚、図1では入る直前の方のみを図示し
た。この防着板118の作用は、成膜室102以外の周
辺領域において、帯状基板101上に堆積膜を形成させ
ないことである。実際には、ガス排気口116から排出
されたガスに含まれる僅かなラジカルにより成膜室10
2の外部においても帯状基板101上に堆積膜が形成さ
れる。この堆積膜は膜厚としてはかなり薄いが、後述す
るロール・ツー・ロール型成膜装置で多層膜を形成する
場合、電気特性を左右する界面に相当する部分であり、
精密な膜質の制御が必要である。従って、膜質の制御が
困難な成膜室102外部で堆積膜が形成されるのを防止
する必要がある。防着板118は、このような機能を有
する部品である。従って、このような機能を有する限
り、防着板118の形状は制約がない。例えば、図1の
ように平板でも良いし、曲面でも折り曲げられた板でも
良い。特に、放電時の圧力10mTorr未満で高速成
膜のため1.5slm以上のガスを流す場合には、排気
コンダクタンスが大きい必要があるので、防着板118
の形状は、平板が好ましい。防着板の寸法は、成膜条件
やガス排気口116、排気開口211(図2参照)等の
寸法に依存するので適宜調整する。
【0081】本実施例において、119は圧力測定孔で
あり、該孔はパイプを介して真性半導体層形成容器35
2(図3参照)を貫通して絶対圧力計と接続されてい
る。
【0082】(実施例2)図2に本発明の第2の実施例
を示す。図2は、図1で示す成膜室102を搬送方向に
3個隣接させて並べたものである。理解を容易にするた
め、帯状基板101と成膜室203の一部を破断して描
いてある。また、図1と同一の部品は同一部番とした。
【0083】図2において、200は防着構造付反応
炉、201〜203は成膜室、204、205はPF
窓、206、207はフィン、208はパンチング・ボ
ード、209は防着板、210はバイアス給電線、21
1は排気開口、212は落下防止板である。
【0084】本実施例において、成膜室内部のガス流は
帯状基板の搬送方向にあるいはその逆方向にのみ形成
し、帯状基板の幅方向にガス密度分布ができないように
する。即ち、ガス導入パイプ111を介して成膜室20
1〜203に導入された原料ガスは、パンチング・ボー
ド208を通り、真空容器の底面でかつ成膜室201〜
203の真下を避けて搬送方向に対称に2個設けられた
排気口211を抜け、各々の排気口に接続されたゲート
バルブ(不図示)を介して排気量21.5(Torr・
リットル/sec)すなわち1700sccm相当の油
拡散ポンプ(例えばバリアン社製HS−32)の2系統
で排出される。
【0085】このような排気開口211の配置により、
長時間に亘って成膜室201〜203に付着した堆積膜
が自然に剥離した場合でも、その剥離粉末が油拡散ポン
プに取り込まれるのを回避できる。特に、真空容器を冷
却し大気開放して付着した堆積膜に水分が吸着すると、
この堆積膜ははじけるように剥離する。その飛散距離は
1.5mにも及ぶ場合があり、この場合には上記の排気
開口の配置上の工夫のみならず、落下防止板212をそ
れぞれの排気開口に設けるのが効果的である。
【0086】具体的には、パンチング・ボード208の
位置から排気開口211が直接見えないように落下防止
板212の配置・寸法を決めれば良い。図2の場合は、
落下防止板212を水平から約30°の傾きをもつよう
に取付けた。このように対処することで、長時間に亘る
成膜を行っても油拡散ポンプのオイル中に前記剥離粉末
が取り込まれなくなり、装置の稼働率を大幅にアップす
ることができる。しかし、前記のような堆積膜が飛散剥
離するのを防止するため、該成膜室201〜203は帯
状基板101交換時でも冷却・大気開放を行わないこと
が望ましい。これについては後述するウェブ・ゲートを
用いることで可能となる。
【0087】本実施例において、成膜室201〜203
の下側には、3本のガス導入パイプ111と3本のバイ
アス給電線210とが配設される。そして、各ガス導入
パイプ111と各バイアス給電線210の一端は各成膜
室201〜203に接続され、他端は真空容器を貫通し
て不図示のガスボンベ及びバイアス印加電源に接続され
ている。
【0088】また、本実施例において、6個のアプリケ
ーター103には、方形導波管104を適宜介在させ
て、チューナー、方向性結合器(電力計)、アイソレー
ター、パワー・ディバイダー、方向性結合器(電力
計)、アイソレーター、マイクロ波発振機(いずれも不
図示)が、この順に接続されている。
【0089】該パワー・ディバイダーは、2.45GH
zの周波数のマイクロ波を1つの導波管入口から取り込
み2つの導波管出口A、Bにマイクロ波電力を分配する
可変分配器である。このパワー・ディバイダーの分配性
能は、導波管入口A、Bに無反射終端をダミー・ロード
として接続した場合、 導波管出口Aへの分配電力:導波管出口Bへの分配電力
=10:0,5:5,0:10 のいずれの分配比に対しても、損失なく所望の電力分配
が可能である。しかしながら、プラズマCVD装置にお
いては、導波管出口AまたはBを通って負荷から反射電
力がパワー・ディバイダーに戻り分配比が狂ってしまう
場合がある。このような事態を回避するため、パワー・
ディバイダーの導波管出口A及びBにはそれぞれアイソ
レーターを接続し安定した分配比で作動させることが望
ましい。そして、1つのパワー・ディバイダーを対向す
る1組のアプリケーター103に接続することが放電開
始の簡便さ、及び膜質の精密制御という2つの観点で望
ましい。
【0090】以下にパワー・ディバイダーによる放電開
始の簡便さについて説明する。前記油拡散ポンプ排気系
において、原料ガスにSiH4 やGeH4 等の水素化合
物ガスを使用し、グロー放電で該水素化合物ガスを水素
ガスとそれ以外とに解離させる場合に最も効果的であ
る。前述の油拡散ポンプでは、水素化合物ガスよりも水
素ガスの方が2倍以上排気速度が大きいことを本発明者
は確認した。更に上記SiHやGeHを解離させる
と成膜室の圧力が低下することを本発明者は確認した。
【0091】従って、パワー・ディバイダーを使わずに
6個のアプリケーターから順次マイクロ波電力を投入し
てグロー放電させると、成膜室の圧力低下のため、順次
グロー放電しにくくなり、終まいには放電しなくなる。
つまり、グロー放電させるには、6個の対向するアプリ
ケーター103から同時にマイクロ波電力を投入し、グ
ロー放電を生起させた方が簡便である。しかしながら、
対向するアプリケーター103が別々のマイクロ波発振
機に接続されていると、同時放電が困難な場合が多い。
この場合は、本発明の接続方法により1つのマイクロ波
発振機のマイクロ波電力をパワー・ディバイダーで2等
分ないし6等分して成膜室に投入することによって、同
時放電を容易に生起させることができる。
【0092】次に、パワー・ディバイダーによる大面積
成膜の膜質の精密制御について説明する。
【0093】幅が300mmを超えるような帯状基板上
に大面積成膜をマイクロ波グロー放電で行う場合、図1
のように帯状基板の幅の両端からアプリケーター103
を対向配置させることが望ましい。本発明の装置では、
このアプリケーターは、発振管としてマグネトロンを採
用したマイクロ波発振機に接続されている。このマグネ
トロンは、個体間で中心周波数が±30MHzの範囲で
分布している。また、同一のマグネトロンでもその出力
電力によって周波数特性が50MHz程度変動するとい
う性質をもつ。従って、2つの異なるマイクロ波発振機
から同一の出力電力で成膜室にマイクロ波を投入する場
合でも、その周波数は最大60MHz異なる場合があ
り、また反射電力が異なれば実効電力を一定にするため
進行波電力、すなわち出力電力を変化させることにな
り、さらに周波数の変動幅を拡大することになる。従っ
て、たとえ見かけ上の実効電力を同じ値にしても、その
周波数の差により水素化合物ガスの解離に変化を及ぼ
し、帯状基板101上に形成される堆積膜の電気特性に
微妙な影響を与えることになる。このような事態を回避
し、簡単な構成で膜質を精密制御するには、上記のパワ
ー・ディバイダーを前述のように接続することが好まし
い。
【0094】さらに、パワー・ディバイダーを次のよう
に使用すると、他の使用法に比べて、マイクロ波発振機
の出力定格を下げ、装置コストを低減させることができ
る。これは、例えば、表9に示した条件では原料ガスの
放電開始電力が放電維持電力の4倍以上であることに着
目したものである。即ち、最初に成膜室に原料ガスを流
した状態で、最大出力1.5kWのマイクロ波発振機か
らのマイクロ波実効電力1.25kWに対して、パワー
・ディバイダーの分配比を、 導波管出口Aへの分配電力:導波管出口Bへの分配電力
=10:0 とし、導波管出口Aに接続されているアプリケーター1
03からのマイクロ波電力により、該アプリケーターの
近傍でグロー放電を生起させる。次に、前記分配比を
2:8として、前記グロー放電を維持しながら、対向す
るアプリケーター103近傍でも新たなグロー放電を生
起させた。その次に、マイクロ波実効電力1.0kWに
対して分配比を5:5として対向する2つのアプリケー
ター近傍で、同じ電子密度・電子温度のプラズマを形成
する。そして膜厚及び膜質の均一な堆積膜が製造でき
る。
【0095】因みに、表9の成膜条件での放電開始電力
は1つのアプリケーター当り、1.0kW、放電維持電
力は0.25kWであった。即ち、2つの対向するアプ
リケーターからマイクロ波電力を同時に投入してグロー
放電させる場合、2.0kW以上のマイクロ波電力を出
力できるマイクロ波発振機が必要である。それに対し
て、上記の使用法によれば、1.25kW以上のマイク
ロ波電力を出力できるマイクロ波発振機で代用できるこ
とになり、装置コストを低減できる。
【0096】従って、図2において上記のようにパワー
・ディバイダーを配置すれば、放電開始の簡便さと膜質
の精密制御とが可能になる。
【0097】(実施例3)本発明の第3の実施例を図3
に示す。図3は、本発明のロール・ツー・ロール型プラ
ズマCVD装置300を示す模式的概略図である。以
下、i型半導体層をi層、ドープ半導体層をドープ層と
略記する。
【0098】図3において、301は基板送出し容器、
302は第1ドープ層形成容器、303は第2ドープ層
形成容器、304は基板巻取容器、305〜309は温
度制御機構、310〜313はガスゲート、314〜3
20は真空計、321〜327はガス導入管、328〜
332はガス排気口、333は繰出しボビン、334は
帯状基板、335は巻取りボビン、336〜346は搬
送ローラー、347、348は高周波発振機、349〜
351は成膜室、352はi層形成容器である。
【0099】図3のロール・ツー・ロール型プラズマC
VD装置300は、概ね成膜室、原料ガス導入手段、ガ
ス分離手段、排気手段、搬送手段、電力投入手段、基板
温度調整手段で構成されている。そして、このロール・
ツー・ロール型プラズマCVD装置300は、pin型
の光起電力素子のシングル・セルの半導体薄膜を形成で
きる。
【0100】まず、成膜室350は、図2で示した防着
構造に反応炉200と同じ構造である。また、成膜室3
49、351は図5で示すRFプラズマCVD反応炉5
00と同じ構造である。これらの成膜室349〜351
では、内部の圧力を真空計314〜320で監視する。
【0101】成膜室349、351に導入される高周波
電力の周波数13.56MHzまたは100kHzのも
のが用いられる。ここで高周波電源347、348は上
記周波数に限定されるものではなく、50kHz〜10
GHzまでいずれのものでも良い。但し、上記周波数以
外のものを用いる場合は、成膜条件は適宜調整が必要で
ある。特に、50MHz以上の周波数を選択する場合、
圧力は5〜20mTorrが望ましい。
【0102】また、図1及び図2で説明した成膜室35
0に導入するマイクロ波も、周波数がマイクロ波帯で連
続発振の低リップル型のものであれば特に制約されな
い。
【0103】本実施例では、ウェブ・ゲートを使用し
た。ウェブ・ゲートとは、帯状基板を上下からエラスト
マーで挟み込んで真空封止する角形開口のゲート・バル
ブに類似した機構である。このウェブ・ゲートは、帯状
基板の交換や成膜室の保守のために有用である。
【0104】特に、図14のトリプル型光起電力素子を
製造する9個の成膜室を有する装置のように、多数の成
膜室を具備しその保守のタイミングが時間的にズレる場
合に、大気開放して装置の稼働率を下げるのを防止する
効果がある。具体的に述べると、大気開放するには、帯
状基板冷却、乾燥窒素導入、大気開放という手続を必要
とする。一方、再度成膜するには、真空引き、原料ガス
導入、帯状基板加熱及び予備成膜という別の手続きを必
要とし、結局のところこれら一連の手続きの実施には、
5〜6時間を要してしまう。これらの一連の手続きが、
成膜室毎に異なるタイミングで実行することになると、
連続的な一貫生産は望めず、その結果、生産の歩留りが
低下してしまう。
【0105】このウェブ・ゲートの寸法は、帯状基板の
幅より広い開口をもつ構造で、帯状基板を通過させ易け
れば良い。
【0106】このウェブ・ゲートは、帯状基板の厚さが
0.3mm以下であれば通常のフッ素ゴムをエラストマ
ーとして使用することで、低い漏洩量で真空封止でき
る。また、該エラストマーはフッ素ゴムに限定されるわ
けではないが、弾力性があって漏洩量が低いこと、帯状
基板端部で損傷しないこと、ウェブ・ゲートの繰り返し
開閉に対して漏洩量が増大しないことという条件を満足
する必要がある。
【0107】このウェブ・ゲートの配置は、図3のガス
ゲート310、313に隣接させる位置に一対、また、
ガスゲート311、312に隣接させる位置に一対設け
ることが望ましい。即ち前者は帯状基板のロールの交換
のための配置であり、後者はi層形成容器内部の保守の
ための配置である。ここで、第1ドープ層形成容器及び
第2ドープ層形成容器では成膜速度が低く、i層形成容
器352の成膜速度が速いため、i層形成容器352の
保守の頻度を上げ、同時に生産の歩留りの低下を抑える
ことができるようにした。
【0108】図3において、帯状基板334はその一端
を巻取りボビン335に固定され、巻取りボビン335
を基板巻取容器304の外部から駆動することによって
搬送される。帯状基板334の張力は、繰出しボビン3
33に搬送方向と逆向きの力を作用させて発生させる。
その手段としては、基板送り出し容器301の外部から
クラッチを介して作用させれば良い。クラッチとして
は、パウダー・クラッチが好ましい。
【0109】次に、図5を用いてガスゲート及び温度制
御機構を説明する。図5は、図3の第1及び第2ドープ
層形成容器302、303の内部を説明する模式的断面
図である。図5において、500はドープ層形成容器、
501は高周波電極、502は帯状基板、503はガス
導入管、504はガスヒーター、505はランプ・ヒー
ター、506はガス吹出口、507は排気口、508は
マグネット・ローラー、509はガスゲート、510は
ゲ−トガス導入管、511は帯状基板搬送方向、512
は成膜室、513は分離通路、514は熱電対、515
はゲートローラー、516はゲートガス排気口である。
【0110】ドープ層形成容器500内の高周波電極5
01には、図3で説明した通り、周波数13.56MH
zまたは100kHzの高周波電源347が電気的に接
続され、高周波電力が供給される。また、原料ガスは、
ガス導入管503を通り、ガスヒーター504の下を図
の右方向に流れ、次にガスヒーター504の上を図の左
方向に流れ原料ガスは予熱される。そしてガス吹出口5
06より出て高周波電極501と帯状基板502とで囲
まれた成膜室512を図の右方向に流れ、成膜室512
の右端より下方に流れて排気口507を介して真空ポン
プでドープ層形成容器500の外部に排出される。
【0111】図5において、帯状基板502はガスゲー
ト509を通りマグネット・ローラー508の磁力で引
きつけられて吊下げられ、成膜室512を通り、再びマ
グネット・ローラー508で吊下げられ、ガスゲート5
09を通るように取付られている。そして、この帯状基
板502は図3に示した搬送機構で搬送方向511に搬
送される。
【0112】本実施例において、ガスゲートは、ガス分
離機能と帯状基板の通路としての機能とを兼備する。こ
こでガス分離機能は、隣接する形成容器をスリット状の
分離通路によって接続し、該分離通路に分離用ガス(ゲ
ートガス)を流して原料ガスと衝突させ、原料ガスの拡
散長を短縮させることで達成される。
【0113】ガスゲート509の分離通路513には帯
状基板502が通されており、円周上に複数の溝を有し
永久磁石を内蔵するゲートローラー515に帯状基板5
02の上面は密着し、帯状基板502の下面は非接触と
なって搬送される。また、分離通路513には、帯状基
板502の上下よりゲートガス導入管510を介して、
分離用ガスが導入されている。ここで、ゲートガスの流
量は、導入管の隣接する形成容器の圧力差、ガスゲート
の内寸法、分離用ガスと原料ガスの相互拡散係数、相互
拡散の許容値及び最大ガス排気量等を勘案して設計する
ことが望ましい。ゲートガスとしては、Ar、He、H
2 等を使用する。前記ゲートガス導入管510から導入
されたゲートガスは、分離通路513を通って両側に隣
接する形成容器に流れ、特にドープ層形成容器に流れ込
んだゲートガスは、成膜室512の下部に設けられたゲ
ートガス排気口516に流入し、成膜室512への混入
を回避している。
【0114】図5において、ガス分離の性能を向上させ
るには、ガスゲート509の内寸法、即ち分離通路51
3の寸法が帯状基板の厚さ方向にはできるだけ狭く、搬
送方向には長いことが望ましい。一方、この寸法は、帯
状基板の搬送中に半導体膜形成面が分離通路の内壁下面
に、接触して傷がつないようにするため、帯状基板の厚
さ方向に広く、搬送方向に短いことが望ましい。この2
点を勘案して、分離通路の寸法は帯状基板の厚さ方向に
約0.3〜5mm、搬送方向に約200〜700mm、
幅方向に帯状基板の幅+20mm程度の範囲に設定され
ている。具体的には、図3の成膜室349、350、3
51の圧力が、それぞれ1Torr、6×10-3Tor
r、1Torrの場合、最も圧力が低い成膜室350で
はi層を形成するためドープ層からの相互拡散の許容値
は厳しく、分離通路の寸法は厚さ方向では約0.3〜3
mm、搬送方向では約300〜700mmの範囲に設定
される。一方、圧力差がほとんどない基板送り出し容器
301と第1ドープ層形成容器302との間や、第2ド
ープ層形成容器303と基板巻取容器304の間に配設
されるガスゲートでは、分離通路の寸法は厚さ方向では
約1〜5mm、搬送方向では約200〜500mmの範
囲に設定される。
【0115】図5において、ガスゲート509を通過し
た帯状基板502は、ゲートガスで冷却されるので、成
膜室512に入る以前にランプヒーター505で所望の
温度まで加熱される。この場合、帯状基板502の温度
は、熱電対514でモニターされる。温度検知手段とし
ては、熱電対以外に例えば放射温度計を用いても良い。
【0116】また、成膜室512内部においても、帯状
基板502の上面からの放射で帯状基板の温度が下が
り、プラズマからの熱で帯状基板の温度が上がる。帯状
基板502からの放射熱量は、帯状基板502の表面性
と成膜室512の滞留時間に依存し、帯状基板502へ
のプラズマからの熱量は成膜条件と成膜室512の滞留
時間に依存する。さらに、成膜室512の通過位置によ
って帯状基板502の温度はさまざまに変化するので、
成膜室512におけるランプヒーター505は、成膜室
512の出口に近いほどランプ密度を下げたり、別途冷
却手段を設けたりして適宜帯状基板502の温度調整を
行えば良い。
【0117】図3において、搬送中の帯状基板334が
搬送方向に直交する方向にズレるのを修正し、巻取りボ
ビン335に帯状基板334の端部が揃って巻取られる
ようにする。本発明では、基板巻取容器304の内部に
横ズレ検知機構と横ズレ修正のためのステアリング機構
とを備えている。
【0118】図6〜図7は横ズレ検知機構とステアリン
グ機構の一例を示す見取図である。これらの図におい
て、理解を容易にするため、帯状基板334の一部を破
断して描いた。
【0119】図6において、601は横ズレ検知機構、
602は回転機構、603はローラー、604は搬送方
向、605は軸受、606は搬送速度検知用エンコーダ
ーである。
【0120】帯状基板334はローラー603でその搬
送方向604を上方に曲げられる。また、ローラー60
3は、軸受605を介して回転機構602により水平面
内で回転自在となり、この3者でステアリング機構を構
成する。この回転機構602は不図示の減速器を介して
モーター(不図示)に接続されており、前記基板巻取容
器304の外部から制御できるようになっている。
【0121】帯状基板334が図の左側にズレた場合の
ステアリングの機能について説明する。まず、予めロー
ラー603の左右に加わる張力が同一で、かつ帯状基板
334が巻取りボビン335に整列巻きされるように、
巻取りボビン335、回転機構602及び軸受605の
位置を調整する。そしてその位置を横ズレ検知機構60
1の横ズレ量=0、回転機構602の回転角θ=0°と
する。次に帯状基板が左側にズレた場合、横ズレ検知機
構601でズレ量を検知する。さらに搬送方向604に
対してローラー603の右側が奥へ、ローラー603の
左側が手前となるよう回転機構602を回転させる。こ
の回転に応じて、張力はローラー603の右側で強ま
り、左側で弱まる。その結果帯状基板334は張力の強
いローラー603の右側方向への徐々に戻るようにな
る。最終的に横ズレ量=0のとき、回転角θ=0°とな
るようにする。以上の動作を総て滑らかに行うため、フ
ィードバック機構を設け、横ズレ量と回転角とを随時比
較し調整することが望ましい。
【0122】図6において、横ズレ検知機構601は、
帯状基板334の幅方向の少なくとも一端に配置され
る。該横ズレ検知機構601は基板巻取容器304の内
部にあって、ローラー603と可及的に接近させること
が望ましい。しかしながら、止むを得ずローラー603
と横ズレ検知機構とを離して配置する場合には、離れる
ことによる敏感度の低下及び応答の遅れに対して、ソフ
トウェア上で補償すれば良い。このような構成により、
搬送速度検知用エンコーダー606で測定して、1m/
分以上の搬送速度で帯状基板を高速搬送する場合に、高
速応答が得られる。
【0123】図7は、図6に比べて軸受605の回転軸
をローラー603の回転軸から大きく離したものであ
る。図7において、701はプレート、702は回転
軸、703は継手付スライド機構、704はキャスタ
ー、705は軸受移動方向である。
【0124】軸受605はプレート701上に固定さ
れ、このプレート701は回転軸702の回りに回転自
在となっている。そして軸受605は継手付スライド機
構703で駆動され、円弧状の軸受移動方向705に沿
って動かされる。このとき動きを容易にするため、プレ
ート701の下端には複数のキャスター704が設けら
れプレート701を支えている。このような構成をとる
ことで50kgf/mm 2以上の張力で帯状基板を搬送
する場合、張力に負けずにローラー603を駆動するこ
とができる。
【0125】次に、図3のロール・ツー・ロール型プラ
ズマCVD装置300を用いた光起電力素子の作製方法
を工程順に説明する。
【0126】(工程1)所定の洗浄を完了した帯状基板
の取付 繰出しボビン333に巻付けられた帯状基板を所定の位
置に取付け、繰出しボビン333を繰出しながら、ガス
ゲート310、第1ドープ層形成容器、ガスゲート31
1、マイクロ波プラズマCVD装置、ガスゲート31
2、第2ドープ層形成容器303、ガスゲート313の
各上蓋を総て開き、この順に帯状基板を通す。そして、
巻取りボビン335に帯状基板の端部を固定して、巻取
りボビン335で帯状基板が巻き取れるよう準備する。
このとき、搬送ローラー336〜346は総て、帯状基
板の非成膜面に接触していることを確認する。
【0127】(工程2)大気中の帯状基板の搬送、搬送
確認および搬送停止 帯状基板の取付けが完了したら、大気中において、巻取
りボビン回転機構(不図示)および支持搬送ローラー駆
動機構(不図示)などの帯状基板駆動手段で連続的に支
障なく帯状基板を搬送するか否かを確認する。ここで、
帯状基板駆動手段は、前進機能と後進機能とを兼備する
ことが望ましく、また、帯状基板繰出し量の表示器を具
備することが望ましい。
【0128】帯状基板を支障なく搬送できることが確認
されたのち、帯状基板繰出し量の表示器をモニターしな
がら、帯状基板を初期設定位置まで戻して、その位置で
停止させる。
【0129】(工程3)帯状基板及び搬送手段を内蔵し
た真空容器の排気 帯状基板及び搬送手段を内蔵した各真空容器の上蓋を閉
じ、各真空ポンプで各真空容器内の排気を行う。特に、
成膜室350については、ロータリーポンプおよびメカ
ニカル・ブースター・ポンプで10-3Torr付近まで
粗引した後、油拡散ポンプで本引するという手順で成膜
室内部の圧力が6×10-6Torrに達するまで連続的
に排気する。
【0130】(工程4)原料ガスの成膜室への導入 ガスボンベ(不図示)からステンレス製のパイプ(不図
示)を介してガスの混合およびガス流量の精密制御を行
うミキシングパネル(不図示)にガスを導き、ミキシン
グパネル内のマスフローコントローラー(不図示)で所
定の流量に制御された原料ガスをガス導入管321〜3
23を介して成膜室349〜351へ導入する。このと
き成膜室349〜351の圧力が所定の値になるよう
に、真空ポンプの排気能力および排気管の排気コンダク
タンスを予め選択しておく。
【0131】(工程5)帯状基板の温度制御 原料ガスを流しながら、温度制御機構(不図示)で帯状
基板を所定の温度にする。ここで、RFを用いたプラズ
マCVD装置に比べてマイクロ波プラズマCVD装置で
は、電子密度および電子温度がともに高いためプラズマ
からの熱で帯状基板の温度が上昇しやすい。また、温度
制御機構を作動させない状態では投入するマイクロ波電
力に応じて、帯状基板の平衡温度が決まる。たとえば、
表4の条件の場合の平衡温度は表5に示す通りである。
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】 表5に示す平衡温度と比べて所望の温度が異なる場合
は、前記温度制御機構を作動させて所定値に管理でき
る。
【0134】従って、帯状基板の材質及び表面処理法、
成膜室の大きさ、ガス流量、ガス混合比、成膜室の圧
力、バイアス電圧、マイクロ波、電力等の条件が異なる
場合も、同様に平衡温度を測定し温度制御機構の性能を
最適化すれば帯状基板の温度を所定値に管理できる。
【0135】(工程6)高周波による放電(成膜工程そ
の1) RF電源またはマイクロ波電源から高周波を発振させ、
胴軸ケーブルまたは導波管を介して成膜室349〜35
1内にRF電力またはマイクロ波電力を投入する。そし
て、成膜室349〜351内部に導入された原料ガスを
該電力で電離する。その結果生ずるラジカルの作用で帯
状基板の成膜室349〜351の各内部に相当する部位
に、均一な堆積膜を形成する。RF電力、マイクロ波電
力いずれの場合も、電離後の状態で反射電力が入射電力
の20%以下となるようチューナーで調整する。
【0136】また、成膜室350の内部構造は図2の通
りであり、3本のバイアス電極109に、直流バイアス
電圧を印加する。
【0137】(工程7)帯状基板の搬送(成膜工程その
2) 前記(工程6)での放電で生ずるプラズマ発光及びバイ
アス電流が安定な状態に達した後、帯状基板上に連続的
に堆積膜を形成するため帯状基板を搬送する。その搬送
速度は、所望の堆積膜の膜厚、堆積速度及び成膜室内の
滞留時間で決定する。例えば、所望の堆積膜の膜厚が2
000Å、堆積速度が100Å/secの場合、前記滞
留時間tは、 t=2000Å÷100(Å/sec)=20(se
c) となる。従って、図1に示す搬送方向の幅200mmの
放電炉1個で成膜する場合、搬送速度V1 は、 V1 =200(mm)÷20(sec)=10(mm/
sec)=0.6(m/min) となる。
【0138】一方、図2に示す前記幅200mmの放電
炉3個で成膜する場合、搬送速度V 2 は、同様の計算
で、 V2 =30(mm/sec)=1.8(m/min) となる。逆に膜厚を減らしたい場合は、放電炉の幅を狭
く設計するか、放電炉に絞りを設けて実効的な開口幅を
狭くすれば良い。勿論、成膜速度を遅くしても良いし、
滞留時間を短縮しても良い。いずれにしても、所望の膜
質が得られるように、膜厚・堆積速度・放電炉の幅・滞
留時間等を適宜選択すれば良い。
【0139】(工程8)帯状基板の冷却および搬送停止 前述のように帯状基板を搬送しながら連続的に堆積膜を
形成し、繰出しボビンに巻付けられた帯状基板の残量が
ほとんど無くなったら、帯状基板の搬送、高周波放電お
よび温度制御を停止する。ここで、繰出しボビンに巻付
けられた帯状基板の残量検知手段としては、前述した帯
状基板の繰出し長表示器や繰出しボビンの外径検知など
を用いればよい。また、成膜が完了した帯状基板を大気
中に取出すためには、予め帯状基板を冷却しなければな
らない。この冷却による堆積膜の剥離を防止するために
は、徐冷することが望ましく、高周波放電を止めたのち
も暫く原料ガスを流しておく。
【0140】(工程9)原料ガスの導入停止 原料ガスを5分程度流したのち、原料ガスの導入を停止
して、不活性(He)ガスを200sccm程度の流量
で流す。帯状基板の表面温度が70℃程度になったとこ
ろで不活性ガスの導入を停止したのち、残留ガスを排気
して成膜室の圧力が2×10-5Torrに達するまで排
気を続ける。
【0141】(工程10)真空容器の窒素リーク 成膜室349〜351の圧力を2×10-5Torrから
大気圧に戻すために、乾燥窒素を成膜室349〜351
に導入し、成膜室349〜351の圧力が大気圧になっ
たことをブルドン管式圧力計(不図示)で確認したの
ち、真空容器302、303、100の蓋を開け、成膜
が完了した帯状基板を大気中に取出す。
【0142】(工程11)帯状基板の取出し 帯状基板の取出し方法は、概ね次の2通りである。
【0143】(a)1ロール分の帯状基板をすべて巻取
りボビンに巻取り、繰出しボビンを空にしたのち、巻取
りボビンと繰出しボビンとを取出す。
【0144】(b)繰出しボビン335にまだ残留があ
るときには、帯状基板を繰出しボビン近くで切断し、繰
出しボビンを別の帯状基板が巻かれている繰出しボビン
と交換して、新規の帯状基板の端部と、切断され残され
た帯状基板の切断部とを接合する。そして、この接合線
が巻取りボビン近傍にくるまで新規の帯状基板を搬送し
たのち、再びこの接合線で帯状基板を切断する。切断
後、成膜後の帯状基板が巻取られた巻取りボビンを取出
し、別の巻取りボビンを取付ける。
【0145】この2通りの取出し方法のいずれがよいか
は、装置の長さや成膜室の数によるため、適宜選択する
ことが望ましい。
【0146】以上の手順に従い、大面積の光起電力素子
を安定して形成することが可能となる。
【0147】(実施例4)実施例3では、各部品は概ね
ビスやボルトで締結されていたが、本実施例では、成膜
速度が高く成膜室内部の清掃を最も頻繁に行う必要があ
るi層を形成する防着構造付反応炉200(図2参照)
のユニット化について説明する。他の部分は図3と同じ
である。
【0148】図10は、本発明の第4の実施例を示すも
ので、ユニット化されたi層反応炉の分解図である。こ
の図では内容を理解しやすいように対称な構造は一部省
略した。
【0149】図10において、1000は防着構造付反
応炉、1001は底板ユニット、1002は仕切り板ユ
ニット、1003は側面パネル、1004はバイアス電
極貫通口、1005はバイアス給電管、1006はバイ
アス電極、1007は突起部、1008はロック機構で
ある。図1と共通の部品は同一部番とした。
【0150】底板ユニット1001は溝型鋼と似た直交
する3平面で概ね構成される。特に対向する側面パネル
1003上には、マイクロ波電力を投入できるPF窓2
04、205が固定されている。また、底板ユニット1
001の底面には、ガス溜り113が3個形成され、該
底面の裏側にはガス導入パイプ111が3本固定されて
いる。さらに底板ユニット1001の底面には、バイア
ス電極貫通口1004が3個設けられ、該底面の裏側に
おいてバイアス給電管1005が固定されている。
【0151】仕切板ユニット1002は、溝型鋼を3個
横に連結したものと類似の形状である。仕切板ユニット
1002の底面には、多数のガスノズル115が設けら
れ、一方側面には多数のガス排気口116を有するパン
チングボードが固定されている。そしてこの仕切板ユニ
ット1002は、底板ユニット1001上にワンタッチ
のロック機構1008で4箇所固定されており、ワンタ
ッチで着脱可能となっている。特に、長時間成膜する場
合、プラズマからの熱分布や付着した半導体膜の応力等
で仕切板ユニット1002が変形し、原料ガスがノズル
115以外から噴出しないよう、仕切板ユニット100
2の底面の板厚・材質を決定する。例えば材質としてア
ルミニウムを使用する場合、この厚さは15mm以上が
好ましい。
【0152】バイアス電極1006はワンタッチで着脱
できるよう、突起部1007を設けてある。そしてこの
バイアス電極1006は、仕切板ユニット1002、底
板ユニットで1001を貫通し、底板ユニット1001
に固定されたバイアス給電管1005に挿入される。
【0153】また、このバイアス電極1006は、バイ
アス給電管1005内部に設けられた突当て面(不図
示)で上下方向の位置再現性が確保されている。さらに
また、バイアス給電管1005内部に設けられた板バネ
(不図示)構造が前記突起部1007と接触し、その結
果、電気的な損失を回避している。
【0154】図10のような構成で原料ガスを流すと、
ガスは、まずガス導入パイプ111、ガス導入口112
を介してガス溜り113に送り込まれ、次いでガスノズ
ル115を介して成膜室201〜203内を通り最後に
ガス排気口116を介して防着構造付反応炉1000の
外部に排出される。即ち、図10の斜線入り矢印のよう
な経路でガス流が形成される。そしてパンチング・ボー
ドの孔径及び開口率を適宜選べば、緩やかに電気特性・
光学・応力特性等が変化するデバイス(例えば、それぞ
れグレーディド・バンドギャップ、グレーディド・イン
デックス、応力緩和構造等)が製造できる。
【0155】また、上記のようにユニット化したこと
で、非常に作業性が向上し、装置の稼働率を向上させる
ことが可能になった。
【0156】(実施例5)本実施例は、実施例3、4の
ように緩やかに特性が変化するデバイスの製造ではな
く、境界が明確な部分の層形成を可能とする装置であ
り、ガスの流し方に特徴がある。
【0157】図11は、本発明の第5の実施例を示す反
応炉の分解図である。この図では内容を理解しやすいよ
うに対称な構造は一部省略した。
【0158】図11において、1100は防着構造付反
応炉、1101は底板ユニット、1102は仕切板ユニ
ット、1103はガス導入口、1104は櫛状ガスノズ
ル、1105はガス排気口、1106は開口、1107
はガス排気口、1108は中空仕切板、1109はガス
ノズル、1110は蓋である。図1、図10と共通の部
品は同一部番とした。
【0159】底板ユニット1101は、溝型鋼と似た直
交する3平面で概ね構成される。特に対向する側面パネ
ル1003上には、マイクロ波電力を投入できるPF窓
204、205が固定されている。また、底板ユニット
1101の底面には、バイアス電極貫通口1004が3
個設けられ、裏側にバイアス給電管1005が固定され
ている。
【0160】さらに底板ユニット1101の底面には、
ガス導入口1103及び櫛状ガスノズル1104及びガ
ス排気口1105が設けられ、該底面の裏側にはガス導
入パイプ111が3本固定されている。
【0161】仕切板ユニット1102は溝型鋼を3個横
に連結したものと類似の形である。仕切板ユニット11
02の底面中央部(成膜室202対応)には、櫛状ガス
ノズル1104が挿入できる開口1106及びガス排気
口1107が設けられている。仕切板ユニット102の
最も外側の側面には、図10と同様なガス排気口116
を有するパンチングボードが固定されている。それ以外
の側面である2枚の中空仕切板1108はマイクロ波電
力が透過できず、原料ガスが導入できる中空構造体であ
る。そして2枚の中空仕切板1108の両側面のうち、
成膜室201及び203の壁面を構成する面には、中空
部(不図示)まで貫通するように3列の多数のガスノズ
ル1109が設けられている。そして、3列のうち1例
からのみガスが噴出するよう、他の2列のガスノズル1
109上にはそれぞれ蓋1110が取付けられている。
【0162】この3列の上段・中段・下段のガスノズル
1109は、製造するデバイスに応じて適宜選択され
る。そしてこの中空仕切板1108の中空部は、ガス導
入口1103と接続され、ガス導入パイプ111を介し
て該中空部を通り成膜室201、203に原料ガスが導
入される。一方、成膜室202には、ガス導入パイプ1
11を介して櫛状ガスノズル1104から原料ガスが導
入される。
【0163】仕切板ユニット1102は底板ユニット1
101上にワンタッチのロック機構(不図示)で4箇所
固定されており、ワンタッチで着脱可能となっている。
仕切板ユニット1102の板厚・材質の決め方は実施例
4と同様である。
【0164】図11のような構成で原料ガスを流すと、
図11の斜線入り矢印のような経路でガス流が形成され
る。即ち、成膜室201、203にガスノズル1109
を介して水平方向に導入された原料ガスは、ガスノズル
1109に対向するガス排気口116から防着構造付反
応炉1100外部に排出される。また、成膜室202に
櫛状ガスノズル1104を介して上方に導入された原料
ガスは、帯状基板にぶつかって反転し、下方にあるガス
排気口1107、1105から防着構造付反応炉110
0外部に排出される。
【0165】本実施例の装置は、光起電力素子のp層/
i層界面及びi層/n層界面のバッファ層を形成するの
に好適である。この場合、成膜室201、203上には
絞りを設け、開口率を調整できる構造とすることが望ま
しい。
【0166】(実施例6)本実施例は、実施例3で示し
た図3の装置において、マイクロ波プラズマCVD法を
実施するi層形成容器352の両側にバッファi層とし
てRFプラズマCVD法を行うi層形成容器をガスゲー
トを介して接続したものである。即ち、真空容器の配列
は左から順に表6のようになる。
【0167】
【表6】 尚、バッファi層形成容器では圧力0.3〜2.5To
rr、RF電力1〜5W程度でSi2 6 ガスとH2
スとを分解させ、低い成膜速度でごく薄い良質の界面膜
を形成する。
【0168】(実施例7)本実施例では、実施例6のバ
ッファi層形成容器(2)と第2ドープ層形成容器との
間に、ガスゲートを介して水素プラズマ処理容器を接続
する。この水素プラズマは75kHzの低周波電源を用
いて、圧力1〜3Torr、30〜300Wの電力でH
2 ガスを分解する。尚、この水素プラズマ処理では薄膜
は形成されない。また、電極形状は棒状でその外径はφ
5〜φ8mmである。
【0169】(実施例8)本実施例では、実施例7の基
板送り出し容器・基板巻取り容器以外の形成容器をガス
ゲートを介在させて2セット直列で連結し、その両側に
もとの基板送り出し容器・基板巻取り容器を復元してタ
ンデム・セルを作れるようにしたものである。即ち、真
空容器の配列は左から順に表7のようになる。
【0170】
【表7】 (実施例9)本実施例では、実施例7の基板送り出し容
器・基板巻取容器以外の形成容器をガスゲートを介在さ
せた3セット直列で連結し、その両側に元の基板送り出
し容器・基板巻取り容器を復元して、トリプル・セルを
作れるようにしたものである。
【0171】(実施例10)本実施例では、実施例9の
形成容器の配列からトップセルの6つの形成容器のうち
2つのバッファi層形成容器を除去したものである。即
ち、ボトム・セルとミドル・セルを合せた形成容器が表
7で示される実施例8の形成容器の配列と同一であっ
て、トップ・セルの形成容器が実施例7の形成容器の配
列と同一である。
【0172】以下、本発明のロール・ツー・ロール型マ
イクロ波プラズマCVD装置を用いての具体的製造例を
示すが、本発明はこれらの製造例によって限定されるも
のではない。
【0173】(実施例11)図3に示すロール・ツー・
ロール型マイクロ波プラズマCVD装置300の成膜室
350の1つを用いて、コーニング社製7059ガラス
上及びSi(シリコン)ウエハー上にa−Si:H膜を
形成した。ここでマイクロ波電力投入手段は図2のもの
を使った。その寸法諸元は表8の通りである。
【0174】
【表8】 この7059ガラスとSiウエハーは、いずれも1イン
チ角の溝を持つAl(アルミニウム)ホルダー上にセッ
トされる。Alホルダーには外部制御可能なスライド式
のシャッターが具備される。このAlホルダーは帯状基
板の代用として成膜室350の上蓋として載置される。
そして、次の(手順)でa−Si:H膜を形成する。 (手順1)シャッターを閉じ、成膜室350でプラズマ
が生起されても7059ガラス及びSiウエハー上にa
−Si:H膜が形成されないよう準備する。 (手順2)表9の成膜条件通りのプラズマを形成し、放
電安定後2分程度待つ。 (手順3)放電安定後シャッターをスライドさせ、70
59ガラス及びSiウエハーをプラズマに曝す。 (手順4)約1μmの厚さのa−Si:H膜が形成され
た時点でマイクロ波電力の投入を停止する。 (手順5)自然冷却後、成膜室350を大気開放し、7
059ガラス及びSiウエハーを取出して以下の評価を
する。その結果を表10の(初期)に記す。
【0175】
【表9】
【0176】
【表10】 なお、表10において、σp、σdはそれぞれ光照射時の
導電率及び暗導電率、ημτは、キャリアの輸送を示す
量子効率、移動度、寿命の積を表す。
【0177】次に、同じ装置を用いて、(手順2)の2
分を10時間に変える以外は全く同一の作業を行って、
膜質を評価した。その結果を表10の(10時間後)に
記す。表10が示すように、本発明のCVD装置により
長時間、高品質の膜質を安定して得られることが確認さ
れた。
【0178】(実施例12)本実施例においては、図1
2の模式断面図に示す層構成のpin型光起電力素子を
図3に示す装置を用いて作製した。
【0179】該光起電力素子は、基板1201上に下部
電極に1202、n型半導体層1203、i型半導体層
1204、p型半導体層1205、(以下図3と同様に
「n層」1203、「i層」1204、「p層」120
5と略記する)、透明電極1206及び集電電極120
7をこの順に堆積形成した光起電力素子1200であ
る。なお、本光起電力素子では透明電極1206の側よ
り光の入射が行われることを前提としている。
【0180】まず、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS4
30製帯状基板を連続スパッタ装置にセットし、Ag
(99.99%)電極をターゲットとして用いて100
0 ÅのAg薄膜を、また連続してZnO(99.99
9%)電極をターゲットとして用いて約2μmのZnO
薄膜をスパッタ蒸着し、下部電極1202を形成した。
【0181】ひき続き、該下部電極1202の形成され
た帯状基板を図3に示したロール・ツー・ロール型プラ
ズマCVD装置300の基板送り出し容器301中の繰
出しボビン333にセットし、下部電極1202を下側
に向けた状態で第1ドープ層形成容器302、i層形成
容器352、第2ドープ層形成容器303を介して、基
板巻取り容器304中の巻取ボビン335にその端部を
巻きつけ、たるまないように張力を調整した。
【0182】また、第1ドープ層形成容器302及び第
2ドープ層形成容器303においては、n型a−Si:
H膜、p型μc−Si:H:F膜を形成した。前記(工
程1)〜(工程11)の手順に従い、表11に示す成膜
条件で放電を生起させた。放電安定後に帯状基板を搬送
速度127cm/min(=50inch/min)で
搬送し、連続してn、i、p型半導体層を積層形成し
た。帯状基板334の全長約300mに亘って半導体層
を形成するのが完了したら、装置の運転を停止する。そ
して帯状基板334を徐冷した後、大気中に取り出し
た。その中から約10時間後(完了直前の付近)の光起
電力素子を選び連続モジュール装置で、35cm×70
cmの太陽電池モジュールを作製した。
【0183】
【表11】 (比較例1)本実施例では、実施例12で使用した装置
のPF窓204を取り除き、それ以外は表11で示す成
膜条件で半導体膜を形成した。即ち、図2で示す防着構
造付反応炉200を、図4で示す反応炉400を3個隣
接させたもので代用した。そして同様の手順で35cm
×70cmの太陽電池モジュールを作製した。
【0184】前述の実施例12、比較例1で作製した太
陽電池モジュールのうち、成膜初期のサンプルと10時
間連続成膜後のサンプルについてAM1.5(100m
W/cm2 )光照射下で、光電変換効率を測定し、その
結果を表12に示す。
【0185】
【表12】 表12から明らかな通り、10時間連続成膜後における
光電変換効率の低下はPF窓204の効果でかなり抑制
され、帯状基板上の位置によらず全般的に高い光電変換
効率が得られた。また、下限値の変化量は、成膜初期と
10時間連続成膜後の光電変換効率の差を表す。この値
が小さいほど安定した製造ができることを示す。
【0186】なお、表12は、10時間同一の成膜条件
で製造したサンプルに関する結果であるが、5時間を超
えた後RFバイアス電力を1000Wとすることによ
り、成膜初期のサンプルに近い8.0%以上の変換効率
を有するサンプルが得られた。従って、上記PF窓と時
系列的に予め設定された複数の成膜条件とを組合わせれ
ば更に変換効率の向上が期待できる。
【0187】(実施例13)本実施例においては、図1
3の模式断面図で示す層構成のpinpin型光起電力
素子、いわゆるタンデム型光起電力素子1300を表7
に構成を示した装置を用いて作製した。ここで、トップ
・セル1302とボトム・セル1301の光学バンドギ
ャップEgは異なるものとした。
【0188】図13において、1303、1306はn
層、1304、1307はi層、1305、1308は
p層である。なお、図12と共通の層は、同一部番とし
た。そして本起電力素子では、透明電極1206側より
光の入射が行われることを前提としている。
【0189】また、該光起電力素子の作製手順は、実施
例12と同様に行い、(n層、i層、p層)までの一連
の部分を2回くり返した。そして連続モジュール装置
で、35cm×70cmの太陽電池モジュールを作製し
た。ここで、(工程1)〜(工程11)で用いた成膜条
件を表13及び表14に記す。
【0190】
【表13】 実施例13で作製した太陽電池モジュールをAM−1.
5(100mW/cm 2 )光照射下で光電変換効率を測
定した結果、約9.3%であった。
【0191】
【表14】 なお、表14には図2または図10のようなガスの流れ
を形成する場合の原料ガスの流量を表記した。一方、図
11のようなガスの流れを形成する場合には、H2 =0
sccmの所を600sccmとすれば良い。
【0192】
【実施例14】本実施例において、図14の模式断面図
で示す層構成のpinpin型光起電力素子、いわゆる
トリプル型光起電力素子1400を実施例9に示した装
置を用いて作製した。ここで、ボトム・セル1401と
ミドル・セル1402はほぼ同じ光学バンドギャップで
トップ・セル1403とは異なるものとした。
【0193】図14において、1404、1407、1
410はn層、1405、1408、1411はi層、
1406、1409、1412はp層である。尚、図1
2と共通の層は、同一部番とした。そして、本起電力素
子では、透明電極1206側より光の入射が行われるこ
とを前提としている。
【0194】また、該光起電力素子の作製手順は、実施
例13と同様にして、(n層、i層、p層)までの一連
の部分を合計3回くり返した。そして連続モジュール装
置で、35cm×70cmの太陽電池モジュールを作製
した。この作製手順中で用いた成膜条件を表15、表1
6に記す。
【0195】
【表15】
【表16】
【0196】本実施例で作製した太陽電池モジュールを
AM−1.5(100mW/cm2)光照射下で光電変
換効率を測定した結果、約10%であった。
【0197】また、実施例14において使用した装置の
代わりに、実施例10の装置を使用して同様に太陽電池
モジュールの光電変換効率を測定した結果、約10%で
あった。従って、トリプル・セルを作る場合には、トッ
プ・セルにおける2つのバッファi層及び水素プラズマ
処理は必ずしも必要とは言えないことが分かった。
【0198】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のロール
・ツー・ロール型マイクロ波プラズマCVD装置によ
り、長時間安定した成膜が可能となり、また、大面積に
わたって均一かつ均質な半導体膜を得ることができる。
さらに、放電開始が比較的容易で、同時に保守作業性に
優れて高生産性のロール・ツー・ロール型マイクロ波プ
ラズマCVD装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール・ツー・ロール型マイクロ波プ
ラズマCVD装置の一部を示す破断透視図である。
【図2】本発明のロール・ツー・ロール型マイクロ波プ
ラズマCVD装置の一部を示すの破断透視図である。
【図3】本発明のロール・ツー・ロール型プラズマCV
D装置を示すの概略図である。
【図4】従来の装置を示す概略図である。
【図5】図3の一部であるドープ層形成容器を示す概略
断面図である。
【図6】帯状基板の横ズレ修正機構を示す概略図であ
る。
【図7】帯状基板の横ズレ修正機構を示す概略図であ
る。
【図8】PF窓のフィン上に付着したa−Si:H膜の
膜厚分布を示すグラフである。
【図9】PF窓とアプリケーターの配置を示す概略図で
ある。
【図10】ユニット化された反応炉を示す概略分解図で
ある。
【図11】ユニット化された反応炉を示す概略分解図で
ある。
【図12】光起電力素子の構造を示す模式断面図であ
る。
【図13】光起電力素子の構造を示す模式断面図であ
る。
【図14】光起電力素子の構造を示す模式断面図であ
る。
【図15】バイアス電流、マイクロ波電力及び圧力の時
間変化を示すグラフである。
【図16】バイアス電流の変化率の時間変化を示すグラ
フである。
【図17】円形誘電体窓へのa−Siの付着状態を示す
写真である。
【図18】円形誘電体窓へのa−Siの付着状態を示す
写真である。
【図19】従来の防着構造体を示す概略図である。
【図20】従来の防着構造体中のマイクロ波電界を示す
図である。
【符号の説明】
100 防着構造付反応炉、 101 帯状基板、 102 成膜室、 103 マイクロ波アプリケーター、 104 方形導波管、 105 円形導波管、 106 PF窓、 107 マイクロ波導入用開口、 108 EMIシールド、 109 バイアス電極、 110 直流安定化電源、 111 ガス導入パイプ、 112 ガス導入口、 113 ガス溜り、 114 ガス吹出板、 115 ガス・ノズル、 116 ガス排気口、 117 マイクロ波漏洩防止板、 118 防着板、 119 圧力測定孔、 200 防着構造付反応炉、 201〜203 成膜室、 204、205 PF窓、 206、207 フィン、 208 パンチング・ボード、 209 防着板、 210 バイアス給電線、 211 排気開口、 212 落下防止板、 301 基板送出し容器、 302 第1ドープ層形成容器、 303 第2ドープ層形成容器、 304 基板巻取容器、 305〜309 温度制御機構、 310〜313 ガスゲート、 314〜320 真空計、 321〜327 ガス導入管、 328〜332 ガス排気口、 333 繰出しボビン、 334 帯状基板、 335 巻取りボビン、 336〜346 搬送ローラー、 347、348 高周波発振機、 349〜351 成膜室、 352 i層形成容器、 500 ドープ層形成容器、 501 高周波電極、 502 帯状基板、 503 ガス導入管、 504 ガスヒーター、 505 ランプ・ヒーター、 506 ガス吹出口、 507 排気口、 508 マグネット・ローラー、 509 ガスゲート、 510 ゲートガス導入管、 511 帯状基板搬送方向、 512 成膜室、 513 分離通路、 514 熱電対、 515 ゲートローラー、 516 ゲートガス排気口、 601 横ズレ検知機構、 602 回転機構、 603 ローラー、 604 搬送方向、 605 軸受、 606 搬送速度検知用エンコーダー、 701 プレート、 702 回転軸、 703 継手付スライド機構、 704 キャスター、 705 軸受移動方向、 901 大径円板(円形誘電体窓)、 902 小径円板(ビーズ)、 903 PF窓、 904 フィン、 905 プレート、 906 真空シール面、 907 外筒、 908 内筒、 909 変換フランジ付方形導波管、 1000 防着構造付反応炉、 1001 底板ユニット、 1002 仕切り板ユニット、 1003 側面パネル、 1004 バイアス電極貫通口、 1005 バイアス給電管、 1006 バイアス電極、 1007 突起部、 1008 ロック機構、 1100 防着構造付反応炉、 1101 底板ユニット、 1102 仕切板ユニット、 1103 ガス導入口、 1104 櫛状ガスノズル、 1105 ガス排気口、 1106 開口、 1107 ガス排気口、 1108 中空仕切板、 1109 ガスノズル、 1110 蓋、 1200 光起電力素子、 1201 基板、 1202 下部電極、 1203 n型半導体層、 1204 i型半導体層、 1205 p型半導体層、 1206 透明電極、 1207 集電電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青池 達行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 吉野 豪人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 杉山 秀一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器に内蔵された角柱状の成膜室を
    備えるロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマCV
    D装置であって、前記成膜室に向かって方形導波管、円
    形導波管、誘電体円板の順に取り付けられたマイクロ波
    アプリケーターと、該アプリケーターと前記成膜室の1
    側面との間に設けられ、前記誘電体円板の前記成膜室側
    の面上に、その端部がほぼ密着し且つ前記方形導波管の
    長辺側の面に平行に配置された複数の金属板と、前記成
    膜室の上蓋を構成する帯状基板と、前記成膜室の底面ま
    たは側面に列状に設けられたガスノズルと、成膜室の側
    面または底面に列状に設けられた排気孔と、から少なく
    とも構成されることを特徴とするロール・ツー・ロール
    型マイクロ波プラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電体円板は、厚さの電気長がマイ
    クロ波の波長の概略半分で、直径の異なる少なくとも2
    種の円板から構成され、大径の円板の前記成膜室とは反
    対側の面上に小径円板を点対称に2個配置したことを特
    徴とする請求項1に記載のロール・ツー・ロール型マイ
    クロ波プラズマCVD装置。
JP05140276A 1993-06-11 1993-06-11 ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置 Expired - Fee Related JP3080515B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05140276A JP3080515B2 (ja) 1993-06-11 1993-06-11 ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05140276A JP3080515B2 (ja) 1993-06-11 1993-06-11 ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06349745A true JPH06349745A (ja) 1994-12-22
JP3080515B2 JP3080515B2 (ja) 2000-08-28

Family

ID=15265015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05140276A Expired - Fee Related JP3080515B2 (ja) 1993-06-11 1993-06-11 ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3080515B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007188722A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置
JPWO2008050662A1 (ja) * 2006-10-27 2010-02-25 株式会社アルバック プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007188722A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置
JPWO2008050662A1 (ja) * 2006-10-27 2010-02-25 株式会社アルバック プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置
JP5078903B2 (ja) * 2006-10-27 2012-11-21 株式会社アルバック プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3080515B2 (ja) 2000-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2824808B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法による大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する装置
US5397395A (en) Method of continuously forming a large area functional deposited film by microwave PCVD and apparatus for the same
US6096389A (en) Method and apparatus for forming a deposited film using a microwave CVD process
JP3332700B2 (ja) 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置
US5714010A (en) Process for continuously forming a large area functional deposited film by a microwave PCVD method and an apparatus suitable for practicing the same
US5629054A (en) Method for continuously forming a functional deposit film of large area by micro-wave plasma CVD method
US4995341A (en) Microwave plasma CVD apparatus for the formation of a large-area functional deposited film
US20030164225A1 (en) Processing apparatus, exhaust processing process and plasma processing
JP3101330B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法による大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
US5296036A (en) Apparatus for continuously forming a large area functional deposit film including microwave transmissive member transfer mean
JPH1180964A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置
JP3990867B2 (ja) 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法
JP2722114B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
US6136162A (en) Method and apparatus for depositing zinc oxide film and method for producing photoelectric converter device
JP3659512B2 (ja) 光起電力素子及びその形成方法及びその形成装置
JP3080515B2 (ja) ロール・ツー・ロール型マイクロ波プラズマcvd装置
JP3093504B2 (ja) 光起電力素子及びその形成方法及びその形成装置
JP2722115B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
JP2810529B2 (ja) 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置
JP3235896B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積 膜を連続的に形成する方法及び装置
JPH06216039A (ja) マイクロ波プラズマcvd装置
JP3658165B2 (ja) 光電変換素子の連続製造装置
JP2819030B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
JP2819031B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
JPH06120144A (ja) プラズマcvd装置とこれによる機能性堆積膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080623

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees