JP2001217002A - 非水電解液二次電池用劣化防止剤 - Google Patents

非水電解液二次電池用劣化防止剤

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JP2001217002A
JP2001217002A JP2000126569A JP2000126569A JP2001217002A JP 2001217002 A JP2001217002 A JP 2001217002A JP 2000126569 A JP2000126569 A JP 2000126569A JP 2000126569 A JP2000126569 A JP 2000126569A JP 2001217002 A JP2001217002 A JP 2001217002A
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electrolyte secondary
organic solvent
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Masami Ootsuki
正珠 大月
Shigeki Endo
茂樹 遠藤
Takao Ogino
隆夫 荻野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解液二次電池における非水電解液に添
加することによって、電池として必要な充放電容量等の
電池特性を維持させつつ、非水電解液の劣化を防止する
ことが可能で、非水電解液の小界面抵抗化が可能で、優
れた低温放電特性を付与し得る非水電解液二次電池用劣
化防止剤を提供すること。 【解決手段】 支持塩及び有機溶媒を含有する非水電解
液を有する非水電解液二次電池における、非水電解液に
添加され、ホスファゼン誘導体を少なくとも含有するこ
とを特徴とする非水電解液二次電池用劣化防止剤であ
る。前記有機溶媒が、非プロトン性有機溶媒である態
様、特に非プロトン性有機溶媒が、環状又は鎖状のエス
テル化合物を含有する態様、非水電解液における非水電
解液二次電池用劣化防止剤の添加量が、2〜90体積%
である態様、非水電解液における非水電解液二次電池用
劣化防止剤の添加量が、3〜75体積%である態様等が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池における非水電解液に好適に添加可能であり、該非水
電解液の劣化を防止し得る非水電解液二次電池用劣化防
止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特に、パソコン・VTR等のAV
・情報機器のメモリーバックアップやそれらの駆動電源
用の二次電池としては、ニカド電池が主流であった。近
年、高電圧・高エネルギー密度という利点を有し、か
つ、優れた自己放電性を示すことから、ニカド電池に代
替するものとして非水電解液二次電池が非常に注目さ
れ、種々の開発が試みられて、その一部は商品化されて
いる。例えば、ノート型パソコンや携帯電話等は、その
半数以上が非水電解液二次電池によって駆動している。
【0003】これらの非水電解液二次電池においては、
負極を形成する材料として、カーボンが多用されている
が、その表面にリチウムが生成した場合の危険性の低減
及び高駆動電圧化を目的として、各種有機溶媒が電解液
として使用されている。又、カメラ用の非水電解液二次
電池としては、負極材料としてアルカリ金属(特に、リ
チウム金属やリチウム合金)等が用いられているため、
その電解液としては、通常エステル系有機溶媒等の非プ
ロトン性有機溶媒が使用されている。
【0004】しかし、これらの非水電解液二次電池は、
高性能ではあるものの、劣化し易いため、長期に亘って
高性能を維持することができず問題となっていた。この
ため、劣化を防止し、長期に亘って、前記非水電解液二
次電池の各種の電池特性を高く維持し得る技術の開発が
強く要請されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、非水電解液二次電池における
非水電解液に添加することによって、電池として必要な
充放電容量等の電池特性を維持させつつ、前記非水電解
液の劣化を防止することが可能で、非水電解液の小界面
抵抗化が可能で、優れた低温放電特性を付与することが
可能な非水電解液二次電池用劣化防止剤を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである、即ち、 <1> 支持塩及び有機溶媒を含有する非水電解液を有
する非水電解液二次電池における、非水電解液に添加さ
れ、ホスファゼン誘導体を少なくとも含有することを特
徴とする非水電解液二次電池用劣化防止剤である。 <2> 有機溶媒が、非プロトン性有機溶媒である前記
<1>に記載の非水電解液二次電池用劣化防止剤であ
る。
【0007】<3> 非プロトン性有機溶媒が、環状又
は鎖状のエステル化合物を含有する前記<2>に記載の
非水電解液二次電池用劣化防止剤である。 <4> 非水電解液における添加量が、2〜90体積%
である前記<1>から<3>のいずれかに記載の非水電
解液二次電池用劣化防止剤である。
【0008】<5> 非水電解液における添加量が、3
〜75体積%である前記<1>から<3>のいずれかに
記載の非水電解液二次電池用劣化防止剤である。 <6> 支持塩が、LiPF6塩である前記<1>から
<5>のいずれかに記載の非水電解液二次電池用劣化防
止剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水電解液二次電池用劣化防止剤は、非水電解
液二次電池における非水電解液に添加される。
【0010】<非水電解液二次電池>前記非水電解液二
次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を有し、必
要に応じてその他の部材を有する。
【0011】[正極]前記正極の材料としては、特に制
限はなく、公知の正極材料から適宜選択して使用でき
る。例えば、V25、V613、MnO2、MoO3、L
iCoO2、LiNiO2、LiMn24等の金属酸化
物、TiS2、MoS2等の金属硫化物、ポリアニリン等
の導電性ポリマー等が好適に挙げられ、これらの中で
も、高容量で安全性が高く電解液の濡れ性に優れる点
で、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24が特に好
適である。これらの材料は、1種単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0012】前記正極の形状としては、特に制限はな
く、電極として公知の形状の中から適宜選択することが
できる。例えば、シート状、円柱形状、板状形状、スパ
イラル形状等が挙げられる。
【0013】[負極]前記負極の材料としては、例え
ば、リチウム又はリチウムイオン等を吸蔵・放出可能で
あれば特に制限はなく、公知の負極材料から適宜選択し
て使用できる。例えば、リチウムを含む材料、具体的に
は、リチウム金属自体、リチウムと、アルミニウム、イ
ンジウム、鉛、又は、亜鉛等との合金、リチウムをドー
プした黒鉛等の炭素材料等が好適に挙げられ、これらの
中でも安全性がより高い点で黒鉛等の炭素材料が好まし
い。これらの材料は、1種単独で使用してもよく、2種
以上を併用してもよい。前記負極の形状としては、特に
制限はなく、前記正極の形状と同様の公知の形状から適
宜選択することができる。
【0014】[非水電解液]前記非水電解液は、支持塩
及び有機溶媒を含有する。 −支持塩− 前記支持塩としては、例えば、リチウムイオンのイオン
源となる支持塩等が好ましい。前記リチウムイオンのイ
オン源としては、特に制限はないが、例えば、LiCl
4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、及び、
LiAsF6、LiC49SO3、Li(CF3SO22
N、Li(C25SO22N等のリチウム塩が好適に挙
げられる。これらの中でも、非水電解液の導電性をより
高くし易い点で、LiPF6塩が好ましい。これらは、
1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0015】前記支持塩の前記非水電解液に対する配合
量としては、前記非水電解液(溶媒成分)1kgに対
し、0.2〜1モルが好ましく、0.5〜1モルがより
好ましい。前記配合量が、0.2モル未満の場合には、
非水電解液の十分な導電性を確保できないことがある一
方、1モルを超える場合には、粘度が高くなるため、非
水電解液の導電性の低下を来たすことがある。
【0016】−有機溶媒− 前記有機溶媒としては、安全性の点で特に非プロトン性
有機溶媒が好ましい。前記非水電解液に、前記非プロト
ン性有機溶媒が含有されていれば、前記負極の材料と反
応することなく高い安全性を得ることができる。また、
前記非水電解液の低粘度化が可能であり、容易に非水電
解液二次電池としての最適なイオン導電性を達成するこ
とができる。
【0017】前記非プロトン性有機溶媒としては、特に
制限はないが、前記非水電解液の低粘度化の点で、エー
テル化合物やエステル化合物等が挙げられる。具体的に
は、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェ
ニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、メチルエチルカーボネート、エチルメチルカーボネ
ート、等が好適に挙げられる。これらの中でも、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン等の環状エステル化合物、1、2−ジメトキシ
エタン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート等の鎖状エステル化合物等
が好適である。特に、環状のエステル化合物は、比誘電
率が高くリチウム塩等の溶解性に優れる点で、鎖状のエ
ステル化合物は、低粘度であるため、非水電解液の低粘
度化の点で好適である。これらは1種単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用す
るのが好適である。
【0018】前記非プロトン性有機溶媒の25℃におけ
る粘度としては、特に制限はないが、10mPa・s
(10cP)以下が好ましい。
【0019】[その他の部材]前記その他の部材として
は、非水電解液二次電池において、正負極間に、両極の
接触による電流の短絡を防止する役割で介在させるセパ
レーターが挙げられる。前記セパレーターの材質として
は、両極の接触を確実に防止し得、かつ、電解液を通し
たり含んだりできる材料、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂
製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これ
らの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン
又はポリエチレン製の微孔性フィルムが特に好適であ
る。
【0020】前記セパレーターのほか、前記その他の部
材としては、通常電池に使用されている公知の各部材が
好適に挙げられる。
【0021】以上説明した非水電解液二次電池の形態と
しては、特に制限はなく、コインタイプ、ボタンタイ
プ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の円筒型
電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。前記ス
パイラル構造の場合、例えば、シート状の正極を作製し
て集電体を挟み、これに、負極(シート状)を重ね合わ
せて巻き上げる等により非水電解液二次電池を作製する
ことができる。
【0022】<非水電解液二次電池用劣化防止剤>前記
本発明の非水電解液二次電池用劣化防止剤は、ホスファ
ゼン誘導体を含有し、必要に応じてその他の成分を含有
する。
【0023】前記本発明の非水電解液二次電池用劣化防
止剤が、ホスファゼン誘導体を含有する理由としては、
以下の通りである。従来の非水電解液二次電池におい
て、電解液として用いられているエステル系等の電解液
においては、例えば、LiPF6等のリチウムイオン源
となるリチウム塩(支持塩)が、経時と共にLiFとP
5とに分解し発生するPF5ガスや、該発生したPF5
ガスが更に微量の水等と反応して発生する弗化水素によ
り、腐蝕が進行して劣化すると考えられる。上記分解・
反応によれば、非水電解液の導電性が低下すると共に、
発生する弗化水素により極材が劣化してしまう。
【0024】一方、ホスファゼン誘導体は、前記LiP
6等のリチウム塩(支持塩)の分解を抑制し、安定化
に寄与する。したがって、従来の非水電解液に、ホスフ
ァゼン誘導体を添加することにより、前記非水電解液の
分解反応が抑制され、腐蝕、劣化を防止することが可能
となる。
【0025】前記非水電解液における前記本発明の非水
電解液二次電池用劣化防止剤の添加量としては、2〜9
0体積%が好ましく、2.5体積%を超え90体積%以
下であるのがより好ましく、3〜75体積%が更に好ま
しい。前記添加量が、2体積%未満では、十分な劣化防
止効果が発揮できないことがある一方、90体積%を超
えると、非水電解液の粘度が上昇し、好適な導電率を確
保できないことがある。尚、本発明において、劣化と
は、前記支持塩(例えば、リチウム塩)の分解をいい、
例えば、支持塩がリチウム塩の場合には、劣化防止の効
果を下記「安定性の評価方法」により評価した。
【0026】−安定性の評価方法− (1)先ず、リチウム塩(支持塩)を含む非水電解液を
調製後、水分率を測定する。次に、NMR、GC−MS
により、非水電解液中の弗化水素の濃度を測定する。更
に、目視により非水電解液の色調を観察した後、充放電
試験により充放電容量を算出する。 (2)上記非水電解液を2ヶ月間グローブボックス内で
放置した後、再び、水分率、弗化水素の濃度を測定し、
色調を観察し、充放電容量を算出し、得られた数値の変
化により安定性を評価する。
【0027】前記ホスファゼン誘導体としては、常温
(25℃)において液体であれば特に制限はないが、例
えば、下記一般式(1)で表される鎖状ホスファゼン誘
導体、又は、下記一般式(2)で表される環状ホスファ
ゼン誘導体が好適に挙げられる。
【0028】一般式(1)
【化1】 但し、一般式(1)において、R1、R2、及び、R
3は、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Xは、炭
素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、
アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テル
ル、及び、ポロニウムからなる群から選ばれる元素の少
なくとも1種を含む有機基を表す。Y1、Y2、及び、Y
3は、2価の連結基、2価の元素、又は、単結合を表
す。
【0029】一般式(2) (PNR4 2n 但し、一般式(2)において、R4は、一価の置換基又
はハロゲン元素を表す。nは、3〜15を表す。
【0030】一般式(1)において、R1、R2、及び、
3としては、一価の置換基又はハロゲン元素であれば
特に制限はなく、一価の置換基としては、アルコキシ
基、アルキル基、カルボキシル基、アシル基、アリール
基等が挙げられる。又、ハロゲン元素としては、例えば
前述のハロゲン元素が好適に挙げられる。これらの中で
も、特に前記非水電解液を低粘度化し得る点で、アルコ
キシ基が好ましい。R1〜R3は、総て同一の種類の置換
基でもよく、それらのうちのいくつかが異なる種類の置
換基でもよい。
【0031】前記アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、メ
トキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のア
ルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。これらの中
でも、R1〜R3としては、総てがメトキシ基、エトキシ
基、メトキシエトキシ基、又は、メトキシエトキシエト
キシ基が好適であり、低粘度・高誘電率の観点から、総
てがメトキシ基又はエトキシ基であるのが特に好適であ
る。
【0032】前記アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ
る。前記アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリ
ル基等が挙げられる。前記アリール基としては、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0033】これらの置換基中の水素元素は、前述のよ
うにハロゲン元素で置換されているのが好ましい。
【0034】一般式(1)において、Y1、Y2、及び、
3で表される基としては、例えば、CH2基のほか、酸
素、硫黄、セレン、窒素、ホウ素、アルミニウム、スカ
ンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ラン
タン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマ
ニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、
ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モ
リブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コ
バルト、ニッケル等の元素を含む基が挙げられ、これら
の中でも、CH2基、及び、酸素、硫黄、セレン、窒素
の元素を含む基等が好ましく、特に、硫黄、セレンの元
素を含む基が好ましい。Y1〜Y3は、総て同一種類でも
よく、いくつかが互いに異なる種類でもよい。
【0035】一般式(1)において、Xとしては、有害
性、環境等への配慮の観点からは、炭素、ケイ素、窒
素、リン、酸素、及び、イオウからなる群から選ばれる
元素の少なくとも1種を含む有機基が好ましく、以下の
一般式(3)で表される構造を有する有機基がより好ま
しい。
【0036】一般式(3)
【化2】 但し、一般式(3)において、R5〜R9は、一価の置換
基又はハロゲン元素を表す。Y5〜Y9は、2価の連結
基、2価の元素、又は単結合を表し、Zは2価の基又は
2価の元素を表す。
【0037】一般式(3)において、R5〜R9として
は、一般式(1)におけるR1〜R3で述べたのと同様の
一価の置換基又はハロゲン元素がいずれも好適に挙げら
れる。又、これらは、同一有機基内において、それぞれ
同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる種類でも
よい。R5とR6とは、及び、R8とR9とは、互いに結合
して環を形成していてもよい。一般式(3)において、
5〜Y9で表される基としては、一般式(1)における
1〜Y3で述べたのと同様の2価の連結基又は2価の基
等が挙げられ、同様に、硫黄、セレンの元素を含む基が
特に好ましい。これらは、同一有機基内において、それ
ぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる種類
でもよい。一般式(3)において、Zとしては、例え
ば、CH2基、CHR(Rは、アルキル基、アルコキシ
ル基、フェニル基等を表す。以下同様。)基、NR基の
ほか、酸素、硫黄、セレン、ホウ素、アルミニウム、ス
カンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ラ
ンタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲル
マニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ
素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロ
ム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、
鉄、コバルト、ニッケル等の元素を含む基が挙げられ、
これらの中でも、CH2基、CHR基、NR基のほか、
酸素、硫黄、セレンの元素を含む基が好ましく、特に、
硫黄、セレンの元素を含む基が好ましい。
【0038】一般式(3)において、有機基としては、
特に効果的に耐劣化性を付与し得る点で、有機基(A)
で表されるようなリンを含む有機基が特に好ましい。ま
た、有機基が、有機基(B)で表されるようなイオウを
含む有機基である場合には、非水電解液の小界面抵抗化
の点で特に好ましい。
【0039】前記一般式(2)において、R4として
は、一価の置換基又はハロゲン元素であれば特に制限は
なく、一価の置換基としては、アルコキシ基、アルキル
基、カルボキシル基、アシル基、アリール基等が挙げら
れる。又、ハロゲン元素としては、例えば、前述のハロ
ゲン元素が好適に挙げられる。これらの中でも、特に前
記非水電解液を低粘度化し得る点で、アルコキシ基が好
ましい。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、
フェノキシ基等が挙げられる。これらの中でも、メトキ
シ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基が特に好まし
い。これらの置換基中の水素元素は、前述のようにハロ
ゲン元素で置換されているのが好ましい。
【0040】前記一般式(1)〜(3)におけるR1
9、Y1〜Y3、Y5〜Y9、Zを適宜選択することによ
り、より好適な粘度、添加・混合に適する溶解性等を有
する非水電解液二次電池用劣化防止剤の合成が可能とな
る。これらのホスファゼン誘導体は、1種単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】前記ホスファゼン誘導体の引火点として
は、特に制限はないが、発火の抑制等の点から、100
℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。
【0042】以上説明した本発明の非水電解液二次電池
用劣化防止剤によれば、非水電解液に添加することによ
って、該非水電解液の劣化を好適に防止し、非水電解液
の小界面抵抗化が可能であり、優れた低温放電特性を付
与し得る。また、従来の非水電解液に添加するため、長
期に亘って安定性の高い非水電解液二次電池を容易に製
造可能である。更に、得られる非水電解液二次電池は、
通常の電池と同等の優れた電池特性をも有する。
【0043】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定され
るものではない。 (実施例1) [非水電解液の調製]γ−ブチロラクトン(非プロトン
性有機溶媒)49mlに、ホスファゼン誘導体(鎖状E
O型ホスファゼン誘導体(前記一般式(1)において、
Xが、一般式(3)で表される有機基(A)の構造であ
り、Y1〜Y3、及び、Y5〜Y6が総て単結合であり、R
1〜R3、及び、R5〜R6が、総てエトキシ基であり、Z
が酸素である化合物))(非水電解液二次電池用劣化防
止剤)の1mlを添加(2体積%)し、更に、LiPF
6(支持塩)を0.5モル/kgの濃度で溶解させ、非
水電解液を調製した。
【0044】−劣化の評価− 得られた非水電解液について、前述の「安定性の評価方
法」と同様に、非水電解液調製直後及び2ヶ月間グロー
ブボックス内で放置後の水分率(ppm)、弗化水素濃
度(ppm)、充放電容量(mAh/g)を測定・算出
し、劣化の評価を行った。結果を表1に示す。尚、非水
電解液調製直後及び2ヶ月間グローブボックス内で放置
後の非水電解液の色調変化を目視により観察したとこ
ろ、変化は見られなかった。
【0045】−低温放電特性の評価(低温放電容量の測
定)− 上限電圧4.5V、下限電圧3.0V、放電電流100
mA、充電電流50mAの条件で、50サイクルまで充
放電を繰り返した。この時、充電は20℃にて行い、放
電は、低温(−20℃、−10℃)にて行った。この時
の低温における放電容量を、20℃における放電容量と
比較し、下記式より放電容量減少率を算出した。結果を
表1に示す。 式:放電容量減少率=100−(低温放電容量/放電容
量(20℃))×100(%)
【0046】(実施例2)実施例1の「非水電解液の調
製」において、ホスファゼン誘導体(鎖状EO型ホスフ
ァゼン誘導体(前記一般式(1)において、Xが、一般
式(3)で表される有機基(A)の構造であり、Y1
3、及び、Y5〜Y6が総て単結合であり、R1〜R3
及び、R5〜R6が、総てエトキシ基であり、Zが酸素で
ある化合物))(非水電解液二次電池用劣化防止剤)の
非水電解液における添加量を、50体積%となるように
変えたほかは、実施例1と同様に非水電解液を調製し、
劣化の評価及び低温放電特性の評価を行った。結果を表
1に示す。尚、非水電解液調製直後及び2ヶ月間グロー
ブボックス内で放置後の非水電解液の色調変化を目視に
より観察したところ、変化は見られなかった。
【0047】(比較例1)実施例1の「非水電解液の調
製」において、γ−ブチロラクトン(非プロトン性有機
溶媒)の添加量を50mlとし、ホスファゼン誘導体
(鎖状EO型ホスファゼン誘導体(前記一般式(1)に
おいて、Xが、一般式(3)で表される有機基(A)の
構造であり、Y1〜Y3、及び、Y5〜Y6が総て単結合で
あり、R1〜R3、及び、R5〜R6が、総てエトキシ基で
あり、Zが酸素である化合物))(非水電解液二次電池
用劣化防止剤)を用いなかった外は、実施例1と同様に
非水電解液を調製し、劣化の評価及び低温放電特性の評
価を行った。結果を表1に示す。尚、非水電解液調製直
後及び2ヶ月間グローブボックス内で放置後の非水電解
液の色調変化を目視により観察したところ、2ヶ月間グ
ローブボックス内で放置後には、黒変しているのが観察
された。
【0048】(比較例2)実施例1の「非水電解液の調
製」において、γ−ブチロラクトン(非プロトン性有機
溶媒)の49mlの代わりに、エチレンカーボネート/
ジエチルカーボネート(体積比:1/1)(非プロトン
性有機溶媒)の50mlを用い、ホスファゼン誘導体
(鎖状EO型ホスファゼン誘導体(前記一般式(1)に
おいて、Xが、一般式(3)で表される有機基(A)の
構造であり、Y1〜Y3、及び、Y5〜Y6が総て単結合で
あり、R1〜R3、及び、R5〜R6が、総てエトキシ基で
あり、Zが酸素である化合物))(非水電解液二次電池
用劣化防止剤)を用いなかった外は、実施例1と同様に
非水電解液を調製し、劣化の評価及び低温放電特性の評
価を行った。結果を表1に示す。尚、非水電解液調製直
後及び2ヶ月間グローブボックス内で放置後の非水電解
液の色調変化を目視により観察したところ、2ヶ月間グ
ローブボックス内で放置後には、黒変しているのが観察
された。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、非水電解液二次電池に
おける非水電解液に添加することによって、電池として
必要な充放電容量等の電池特性を維持させつつ、前記非
水電解液の劣化を防止することが可能で、非水電解液の
小界面抵抗化が可能で、優れた低温放電特性を付与する
ことが可能な非水電解液二次電池用劣化防止剤を提供す
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持塩及び有機溶媒を含有する非水電解
    液を有する非水電解液二次電池における、非水電解液に
    添加され、ホスファゼン誘導体を少なくとも含有するこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池用劣化防止剤。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が、非プロトン性有機溶媒であ
    る請求項1に記載の非水電解液二次電池用劣化防止剤。
  3. 【請求項3】 非プロトン性有機溶媒が、環状又は鎖状
    のエステル化合物を含有する請求項2に記載の非水電解
    液二次電池用劣化防止剤。
  4. 【請求項4】 非水電解液における添加量が、2〜90
    体積%である請求項1から3のいずれかに記載の非水電
    解液二次電池用劣化防止剤。
  5. 【請求項5】 非水電解液における添加量が、3〜75
    体積%である請求項1から3のいずれかに記載の非水電
    解液二次電池用劣化防止剤。
  6. 【請求項6】 支持塩が、LiPF6塩である請求項1
    から5のいずれかに記載の非水電解液二次電池用劣化防
    止剤。
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