JP2001216934A - イオン分析マグネット及び該マグネットを用いたイオンビーム電流測定方法 - Google Patents

イオン分析マグネット及び該マグネットを用いたイオンビーム電流測定方法

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JP2001216934A
JP2001216934A JP2000025965A JP2000025965A JP2001216934A JP 2001216934 A JP2001216934 A JP 2001216934A JP 2000025965 A JP2000025965 A JP 2000025965A JP 2000025965 A JP2000025965 A JP 2000025965A JP 2001216934 A JP2001216934 A JP 2001216934A
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ion
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Kazuhiro Kono
和弘 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン分析マグネットのチャンバ内で分離され
たイオンのビーム電流を測定できるようにすること。 【解決手段】イオン分析マグネットのチャンバ1の底部
に回転軸8を取り付け、回転軸8に一端を固定した支持
アーム9の他端に可動ファラデーカップ6を取り付け
る。可動ファラデーカップ6はチャンバ1に対して絶縁
しておく。可動ファラデーカップ6を移動させて、チャ
ンバ1内で分離された任意のイオンのビームに対向さ
せ、可動ファラデーカップ6を通して流れるビーム電流
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンビームに含
まれる質量が異なる複数種類のイオンを分離するために
用いるイオン分析マグネット、及び該イオン分析マグネ
ットを用いて分離された特定のイオンのビーム電流を測
定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置やイオンビーム分析装置
等のイオン応用機器においては、イオン源から得られる
複数種類のイオンから特定のイオンを選択してビームラ
インに供給するために、イオン源とビームラインとの間
にイオン分析マグネットを設けている。
【0003】イオン分析マグネットは、横断面が扇形を
呈する真空チャンバと、該チャンバ内に均一な磁界を生
じさせる電磁石とにより構成される。チャンバの一端及
び他端にはそれぞれビーム導入口及びビーム導出口が設
けられていて、ビーム導入口にイオン源が接続される。
【0004】一般にイオン源が発生するイオンビームに
は、質量が異なる複数種類のイオンが含まれている。イ
オン源からビーム導入口を通してチャンバ内に導入され
た複数種類のイオンはそれぞれの質量に応じて磁界から
異なる力を与えられて偏向させられる。そのため、チャ
ンバ内に導入された複数種類のイオンはそれぞれの質量
に応じて異なる軌道をとることになり、ビーム導出口に
到達するまでの間に分離される。
【0005】チャンバのビーム導出口には、少なくとも
1つのビームラインを構成するダクトが接続され、該ビ
ームライン内に所定の質量のイオンが送り出されるよう
に、チャンバ内の磁界が調整される。
【0006】従来のイオン分析マグネットにおいては、
チャンバをアース電位に対して電気的に浮かした状態に
して、該チャンバを通して流れるビーム電流を計測する
ことができるようにしている。しかしながら、チャンバ
を通して測定できるビーム電流はビーム全体の電流であ
るため、チャンバを電気的に浮かした状態にしても、分
離された各イオンのビーム電流を測定することはできな
い。
【0007】そのため、分離された特定のイオンのビー
ム電流を測定する必要がある場合には、そのイオンビー
ムが輸送されるビームライン内にファラデーカップを挿
入してビーム電流を測定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
イオン分析マグネットにおいては、選択されたイオンの
ビーム電流を測定する際に、そのイオンビームを輸送す
るビームライン内にファラデーカップを挿入する必要が
あったため、ビーム電流の測定を行なう際にそのビーム
ラインをイオン応用機器の運転に使用することができな
くなるという問題があった。
【0009】また従来のイオン分析マグネットでは、ビ
ームライン内にファラデーカップを挿入しないと選択さ
れたイオンのビーム電流を測定することができないた
め、イオン応用機器の運転中にビームライン内のイオン
ビーム電流をモニタすることができないという問題があ
った。
【0010】本発明の目的は、ビームライン内にファラ
デーカップを挿入することなく、分離された各質量のイ
オンのビーム電流を測定することができるようにしたイ
オン分析マグネットを提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、イオン分析マグネッ
トにつながるビームラインにファラデーカップを挿入す
ることなく、特定の質量を有するイオンのビーム電流を
測定することができるイオンビーム電流測定方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、質量が異なる
複数種類のイオンが導入されるチャンバと、該チャンバ
内に磁界を生じさせる電磁石とを備えて、チャンバ内に
おけるイオンの軌道をその質量に応じて異ならせること
により、該チャンバ内に導入された複数種類のイオンを
分離するイオン分析マグネットに係わるものである。
【0013】本発明は、上記チャンバ内に該チャンバに
対して絶縁された状態で設けられて、チャンバ内で分離
された複数種類のイオンのビームの軌道と交差する方向
に変位自在に支持された可動ファラデーカップと、該可
動ファラデーカップを外部から操作する操作機構とを備
えたことを特徴とする。上記可動ファラデーカップは、
チャンバ内で分離されたイオンのビームに個別に対向し
得る大きさに形成されている。
【0014】上記のように、チャンバ内に可動ファラデ
ーカップを配置しておくと、該可動ファラデーカップを
特定のイオンの軌道と交差する位置に位置決めすること
により、そのビーム電流を測定することができるため、
ビームライン内にファラデーカップを挿入することな
く、ファラデーカップ内で特定の質量を有するイオンの
ビーム電流を測定することができる。
【0015】可動ファラデーカップを所定の位置に位置
決めし易くするため、ステッピングモータやパルスモー
タ等の出力軸の位置出しが容易なモータを駆動源として
可動ファラデーカップを駆動する駆動機構を設けておく
のが好ましい。
【0016】本発明に係わるイオンビーム電流測定方法
は、質量が異なる複数種類のイオンを含むイオンビーム
が導入されるチャンバと、該チャンバ内に磁界を生じさ
せる電磁石とを備えたイオン分析マグネットから特定の
ビームラインに送り出されるイオンのビーム電流を測定
するイオンビーム電流測定方法である。
【0017】本発明のイオンビーム電流測定方法におい
ては、イオン分析マグネットのチャンバ内で分離された
複数種類のイオンのビームに個別に対向し得る大きさを
有する可動ファラデーカップを該複数種類のイオンの軌
道と交差する方向に変位自在に設けておく。そして、特
定のビームラインに送り出されるイオンと一定の関係を
有する他のイオンの軌道上に可動ファラデーカップを位
置決めして該可動ファラデーカップを通して流れるビー
ム電流を測定し、可動ファラデーカップにより測定され
たビーム電流から特定のビームラインに送り出されたイ
オンのビーム電流を間接的に測定する。
【0018】上記のように、ビームラインに送り出され
る特定のイオンと一定の関係を有する他のイオンのビー
ム電流を測定することにより間接的にビームラインに送
り出されるイオンのビーム電流を測定するようにする
と、ビームラインの運転を停止することなく、そのビー
ムラインに送り出されたイオンをモニタすることができ
る。
【0019】ファラデーカップは通常、その名の通りカ
ップ状に形成されている。ファラデーカップがカップ状
に形成されていると、イオンビームの衝突に伴って発生
した二次電子がカップの内面に当って戻るため、二次電
子がビーム電流と一緒に測定されて測定誤差が生じるの
を防ぐすことができる。しかし、本発明で用いるファラ
デーカップは、必ずしもカップ状に形成されている必要
はなく、平板状に形成されていてもよい。すなわち、本
明細書では、イオンビームに対向させる導電性部材を広
く包含する意味で「ファラデーカップ」の語を用いてい
る。平板状の金属板を可動ファラデーカップとして用い
ると、該可動ファラデーカップの奥行き寸法を小さくす
ることができるため、該可動ファラデーカップをチャン
バ内に容易に収容することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明に係わるイ
オン分析マグネットの構成例を示したもので、これらの
図において1は横断面の輪郭形状が扇形を呈するように
形成されたダクト状のチャンバである。チャンバ1はそ
の周方向の一端側及び他端側にそれぞれビーム導入口1
a及びビーム導出口1bを有していて、ビーム導入口1
aにはビーム供給用ダクト2を通して図示しないイオン
源が接続されている。またビーム導出口1bには所定個
数(図示の例では3個)のビームラインを構成するダク
ト3a〜3cが接続されている。チャンバ1は気密保持
構造を有していて、運転状態ではその内部が真空状態に
保持される。
【0021】図2に示したように、チャンバ1の上下に
は電磁石に設けられた対の磁極4,5が配置されてい
る。該電磁石の磁極はチャンバ1の上下の面と相似な扇
形の形状を有するように形成されていて、該電磁石によ
りチャンバ内に均一な磁界が与えられるようになってい
る。
【0022】チャンバ1内には、図示しないイオン源か
らビーム導入口1aを通してイオンビームBが導入され
る。イオン源から与えられるイオンビームBには、通常
質量が異なる複数種類のイオンが含まれている。チャン
バ1内に導入された複数種類のイオンは、それぞれの質
量に応じて磁界から異なる力を受けて、それぞれの軌道
が曲げられる。複数種類のイオンはそれぞれの質量によ
り決まる軌道に沿って走行し、質量が大きいイオンのビ
ームの軌道は質量が小さいイオンのビームの軌道よりも
外側に位置することになる。したがって、チャンバ1の
ビーム導出口1b側では、質量が異なるイオンのビーム
が異なる位置をとることになり、ビームBに含まれる複
数種類のイオンが分離される。ビーム導出口1bに接続
された各ビームラインに所定の質量を有するイオンのビ
ームが導入されるようにチャンバ内の磁界の強さが調整
される。
【0023】図1に示した例では、イオンビームBが、
3種類のイオンのビームB1 ないしB3 に分離されて、
これらのイオンビームB1 ないしB3 がそれぞれ第1な
いし第3のビームラインL1 〜L3 を構成するダクト3
aないし3c内に導入されている。
【0024】本発明においては、このようなイオン分析
マグネットにおいて、チャンバ1内に、該チャンバ内で
分離されたイオンのビームB1 〜B3 の軌道を含む平面
(チャンバ1内の磁界の方向と直交する平面)に沿って
これらのビームB1 〜B3 と交差する方向に変位し得る
可動ファラデーカップ6を、チャンバ1に対して電気的
に絶縁した状態で設けたことを特徴とする。
【0025】図1及び図2に示した例では、チャンバ1
の底部に気密保持構造の軸受7が取り付けられ、該軸受
により回転軸8が支持されている。回転軸8のチャンバ
1内に位置する端部には、絶縁材料からなるファラデー
カップ支持アーム9の一端が固定され、該支持アーム9
の他端に可動ファラデーカッブ6が固定されている。可
動ファラデーカップ6は、チャンバ内で分離されたイオ
ンに個別に対向し得る大きさに形成されていて、その板
面を支持アーム9の長手方向に対して直交させた状態
で、かつその板面をチャンバ1内の磁界の方向と平行さ
せた状態で設けられている。この可動ファラデーカップ
を構成する材料としては、二次電子が放出し難い導電材
料(例えばカーボン)を用いるのが好ましい。
【0026】また、支持アーム9を回動させて可動ファ
ラデーカップ6をチャンバ内で分離されたビームB1 〜
B3 のそれぞれと交差する位置に位置させた際に、可動
ファラデーカップ6の板面がビームB1 〜B3 のそれぞ
れとほぼ直交した状態になるように、支持アーム9の回
動中心(回転軸8の位置)と支持アーム9の長さとが設
定されている。可動ファラデーカップ6の板面を分離さ
れたビームB1 〜B3のそれぞれとほぼ直交させるため
には、支持アーム9の長さをできるだけ長く設定する
(可動ファラデーカップとその回動中心との間の距離を
長くする)のが好ましい。
【0027】支持アーム9に沿わせた状態でリード線1
0が設けられ、該リード線10の一端はファラデーカッ
プ6に接続されている。リード線10の他端は回転軸8
の軸芯部に設けられた中空部を気密に貫通した状態で外
部に導出されている。
【0028】回転軸8のチャンバ外に位置する端部は歯
車減速機構11を介してステッピングモータ12の出力
軸に結合され、該ステッピングモータ12を駆動するこ
とにより、可動ファラデーカップ6を所定の位置に移動
させることができるようになっている。
【0029】この例では、ステッピングモータ12と減
速機構11とにより、可動ファラデーカップ6を外部か
ら操作する操作機構が構成されている。
【0030】上記のように、チャンバ1内に該チャンバ
に対して絶縁された可動ファラデーカップ6を設けて、
該可動ファラデーカップをチャンバ1内で分離された任
意のビームに対向させることができるようにしておく
と、ビームラインの中にファラデーカップを挿入するこ
となく所定のイオンのビーム電流を測定することができ
る。
【0031】従来のイオン分析マグネットを用いた場合
には、例えば、図1のイオンビームB2 のビーム電流を
測定する場合に、ダクト3b内にファラデーカップを挿
入する必要があったが、本発明によれば、チャンバ1内
で可動ファラデーカップ6をビームB2 に対向する位置
に位置決めして、該ファラデーカップを通して流れる電
流を測定することにより、イオンビームB2 のビーム電
流を測定することができる。
【0032】またイオン源の物質が特定されている場
合、該イオン源から発生するイオンの種類は予め分って
いて、いずれか1つのイオンの発生量が分れば、他のイ
オンの発生量は計算で求められる。従って、イオン源か
ら発生する複数種類のイオンのうちの少なくとも1つの
イオンを測定の対象とする場合、測定の対象とするイオ
ン以外の他のイオンのビームに対向する位置に可動ファ
ラデーカップ6を位置決めしてビーム電流を測定するこ
とにより、測定の対象とするイオンの発生量を間接的に
測定することができる。例えば、図1の例において、イ
オンビームB1 及びB3 を測定の対象とする場合、イオ
ンビームB2 に対向する位置に可動ファラデーカップ6
を位置決めしてビーム電流を測定することにより、イオ
ンビームB1 及びB3 のビーム電流を間接的に測定する
ことができる。従って、ダクト3a及び3cにより構成
されるビームラインL1 及びL3 を止めることなく、両
ビームラインL1 及びL3 内のイオンビームのビーム電
流を間接的に測定して、イオン源の状態をモニタするこ
とができる。
【0033】また図1においてビームラインL1 〜L3
のすべてをイオン応用機器の運転に用いる場合には、イ
オンビームB1 〜B3 と異なる軌道をとる他のイオンの
軌道と交差する位置に可動ファラデーップを配置して、
該他のイオンのビーム電流を測定することにより、ビー
ムラインL1 〜L3 内のビームをモニタすることができ
る。
【0034】またイオン応用機器において、イオン源か
らのビーム出しを行う際には、機器の運転を開始するに
当って、イオン源の状態が定常状態に安定したか否かを
確認する必要があるが、上記のイオン分析マグネットを
用いれば、イオン源の状態を容易にモニタして、その状
態が安定したか否かを知ることができる。例えば、水素
イオンを用いるイオン応用機器において、イオン源をク
リーニングした後のビーム出しを行う際には、最初酸素
イオンが多く発生するが、イオン源の状態が安定するに
従って酸素イオンが減少し、水素イオンが増加してい
く。この場合、所定のビームラインに水素イオンを送り
出すようにチャンバ内の磁場を調整し、可動ファラカッ
プ6を酸素イオンの位置に配置して、イオン出しを行う
と、最初は酸素イオンの電流が多く測定されるが、イオ
ン源の状態が安定するにつれて酸素イオン電流が減少し
ていく。従って、酸素イオン電流が減少してある値に収
束した時に、イオン源が安定したと判定して、イオン応
用機器の運転を開始することができる。
【0035】上記のように、イオン源の状態をモニタす
る目的で、可動ファラデーカップ6を用いる場合には、
ビーム電流の測定値の絶対値はそれほど正確である必要
はないので、上記の例のように平板状のファラデーカッ
プ6を用いても特に支障は来さない。
【0036】しかしながら、例えば、チャンバ1内で可
動ファラデーカップを微少量ずつ移動させながら、ビー
ム電流を測定して、チャンバ内に入射したイオンのスペ
クトラムを求めるような場合には、ビーム電流を正確に
測定することが望ましいので、図3(A),(B)に示
したようにカップ状に形成されたファラデーカップ6´
を可動ファラデーカップとして用いるのが望ましい。
【0037】上記可動ファラデーカップによりイオンビ
ームのモニタを連続的に行わせる場合には、該フアラデ
ーカップが加熱されて損傷するおそれがあるので、可動
ファラデーカップ内に中空部を設けて、該中空部内に冷
媒を通すなどの方法により、可動ファラデーカップを冷
却する冷却手段を設けるのが好ましい。
【0038】イオン分析マグネットにおいては、ビーム
ラインに送り出されずにチャンバの内壁に衝突するイオ
ンによりチャンバが加熱されるため、チャンバを冷却す
る手段を設けておく必要がある。上記のように可動ファ
ラデーカップ6に冷却手段を設けた場合には、ビームラ
インに送り出されないイオンビームと交差する位置に該
可動ファラデーカップを配置しておくことにより、ビー
ムラインに送り出されないイオンがチャンバの内面に衝
突してチャンバを加熱するのを防ぐことができるため、
チャンバの冷却構造の簡素化を図ることができる。チャ
ンバの内面に衝突するイオンが複数種類ある場合には、
エネルギが大きい多価のイオンのビームと交差する位置
に冷却手段を備えた可動ファラデーカップ6を配置して
おく。
【0039】上記の例では、可動ファラデーカップ6を
チャンバに対して絶縁するために可動ファラデーカップ
6を支持するアーム9を絶縁材料により形成したが、可
動ファラデーカップ6をチャンバに対して絶縁するに
は、該可動ファラデーカップとチャンバとの間のいずれ
かの箇所に絶縁部材を介在させればよく、その絶縁構造
は上記の例に限定されるものではない。
【0040】上記の例では、可動ファラデーカップ6を
回動するアーム9に取り付けているが、可動ファラデー
カップ6はチャンバ内で分離されたイオンビームと交差
(直交でなくてもよい。)する方向に変位し得るように
設ければよく、必ずしも上記の例のようにアーム9に支
持する必要はない。
【0041】図4は可動ファラデーカップ6の支持構造
の変形例を示したもので、この例では、チャンバ1の出
口側の端部付近に該チャンバを幅方向に横切るネジ軸1
3が回転自在に支持され、該ネジ軸13にナット14が
螺合されている。チャンバ1の出口側の端部付近にはま
たネジ軸13と平行に伸びるガイド棒15が固定されて
いて、このガイド棒15がナット14に設けられた孔に
スライド自在に嵌合されることにより、ナット14が直
線変位自在にガイドされている。ネジ軸13の一端はチ
ャンバ1の側壁を気密かつ回転自在にに貫通して外部に
導出され、外部に導出されたネジ軸13の端部が減速機
構11を介してステッピングモータ12に連結されてい
る。
【0042】図4のように構成した場合には、ステッピ
ングモータ12を回転させることにより、ナット14を
直線移動させて、可動ファラデーカップ6をチャンバ1
の幅方向(ビームの軌道と交差する方向)に直線移動さ
せることができる。
【0043】上記の例のように、可動ファラデーカップ
を駆動する駆動源として、ステッピングモータを用いる
と、可動ファラデーカップの位置出しを容易にすること
ができ、可動ファラデーカップと交差させるビームの位
置が予め分っている場合には、その位置に可動ファラデ
ーカップを容易に位置決めすることができる。
【0044】上記の例では、ステッピングモータの出力
を歯車減速機構を介して支持アームの回転軸8(図2に
示した例)またはネジ軸13(図4に示した例)に伝達
するようにしているが、ステッピングモータの出力軸と
支持アームの回転軸8またはネジ軸13との間に設ける
動力伝達機構の構成は任意である。
【0045】なお本発明は、上記のように可動ファラデ
ーカップをモータにより駆動して移動させるように可動
ファラデーカップの操作機構を構成する場合に限定され
るものではなく、手動操作により可動ファラデーカップ
を移動させるように操作機構を構成してもよい。
【0046】上記の例では、チャンバの底部側に可動フ
ァラデーカップを支持する機構を配置したが、チャンバ
1の天井部側に可動ファラデーカップを支持する機構を
配置するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、イオン
分析マグネットのチャンバ内に可動ファラデーカップを
設けて、該ファラデーカップによりチャンバ内で分離さ
れた各イオンのビーム電流を測定できるようにしたの
で、チャンバにつながるビームライン内にファラデーカ
ップを挿入することなく所定のイオンのビーム電流を測
定することができる利点がある。
【0048】また本発明の測定方法によれば、チャンバ
内に設けた可動ファラデーカップにより、測定の対象と
するビームラインに送り出されるイオン以外の他のイオ
ンのビーム電流をチャンバ内で検出することによって、
測定の対象とするビームラインに送り出されるイオンの
ビーム電流を間接的に測定するようにしたので、ビーム
ラインを止めることなく、該ビームライン内のイオンの
量をモニタすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるイオン分析マグネットの構成例
を概略的に示した構成図。
【図2】図1のイオン分析マグネットの要部の断面図で
ある。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ本発明で用いる可
動ファラデーカップの変形例を一部断面して示した上面
図及び正面図である。
【図4】(A)及び(B)はそれぞれ本発明で用いる可
動ファラデーカップの移動機構の変形例を一部断面して
示した上面図及び正面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 4,5 電磁石の磁極 6,6´ 可動ファラデーカップ 7 軸受 8 回転軸 9 支持アーム 11 減速機構 12 ステッピングモータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量が異なる複数種類のイオンが導入さ
    れるチャンバと、前記チャンバ内に磁界を生じさせる電
    磁石とを備えていて、前記チャンバ内におけるイオンの
    軌道をその質量に応じて異ならせることにより、該チャ
    ンバ内に導入された複数種類のイオンを分離するイオン
    分析マグネットにおいて、 前記チャンバ内に該チャンバに対して絶縁された状態で
    設けられて、前記チャンバ内で分離された複数種類のイ
    オンのビームの軌道と交差する方向に変位自在に支持さ
    れた可動ファラデーカップと、前記可動ファラデーカッ
    プを外部から操作する操作機構とを具備し、 前記可動ファラデーカップは、前記チャンバ内で分離さ
    れたイオンのビームに個別に対向し得る大きさに形成さ
    れていることを特徴とするイオン分析マグネット。
  2. 【請求項2】 前記操作機構は、ステッピングモータを
    駆動源として前記可動ファラデーカップを操作するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイ
    オン分析マグネット。
  3. 【請求項3】 質量が異なる複数種類のイオンを含むイ
    オンビームが導入されるチャンバと、前記チャンバ内に
    磁界を生じさせる電磁石とを備えたイオン分析マグネッ
    トから特定のビームラインに送り出されるイオンのビー
    ム電流を測定するイオンビーム電流測定方法において、 前記イオン分析マグネットのチャンバ内で分離された複
    数種類のイオンのビームに個別に対向し得る大きさを有
    する可動ファラデーカップを該複数種類のイオンの軌道
    と交差する方向に変位自在に設けておき、 前記特定のビームラインに送り出されるイオンと一定の
    関係を有する他のイオンの軌道上に前記可動ファラデー
    カップを位置決めして該可動ファラデーカップを通して
    流れるビーム電流を測定し、前記可動ファラデーカップ
    により測定されたビーム電流から前記特定のビームライ
    ンに送り出されたイオンのビーム電流を間接的に測定す
    ることを特徴とするイオンビーム電流測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8581216B2 (en) 2008-03-31 2013-11-12 Fujitsu Semiconductor Limited Manufacturing method of semiconductor device, method for controlling ion beam, and ion implantation apparatus
CN115335692A (zh) * 2020-05-20 2022-11-11 株式会社岛津制作所 离子分析装置

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