JP2001215706A - ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

ポジ型フォトレジスト組成物

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JP2001215706A
JP2001215706A JP2000028104A JP2000028104A JP2001215706A JP 2001215706 A JP2001215706 A JP 2001215706A JP 2000028104 A JP2000028104 A JP 2000028104A JP 2000028104 A JP2000028104 A JP 2000028104A JP 2001215706 A JP2001215706 A JP 2001215706A
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Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
Kazuyoshi Mizutani
一良 水谷
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体デバイスの製造において、露光マージ
ン(特に繰り返しパターン、いわゆるdenseパターンの
露光マージン)に対する改善効果がある、すなわち露光
量を変化させたときの、denseラインパターン孤立ライ
ンの線幅変動が小さいポジ型フォトレジスト組成物を提
供すること。 【解決手段】(A)特定の構造で表されるスルホン酸を
発生する化合物、(B)特定の構造単位を有する酸分解
性ポリシロキサンを含有することを特徴とするポジ型フ
ォトレジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路素
子、集積回路製造用マスク、プリント配線板、液晶パネ
ル等の製造に用いるポジ型フォトレジスト組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、磁気バブルメモリ、集積回
路等の電子部品を製造するためのパターン形成法として
は、従来より、紫外線又は可視光線に感光するフォトレ
ジストを利用する方法が幅広く実用に供されている。フ
ォトレジストには、光照射により被照射部が現像液に不
溶化するネガ型と、反対に可溶化するポジ型とがある
が、ネガ型はポジ型に比べて感度が良く、湿式エッチン
グに必要な基板との接着性及び耐薬品性にも優れている
ことから、近年までフォトレジストの主流を占めてい
た。
【0003】しかし、半導体素子等の高密度化・高集積
化に伴い、パターンの線幅や間隔が極めて小さくなり、
また、基板のエッチングにはドライエッチングが採用さ
れるようになったことから、フォトレジストには高解像
度及び高ドライエッチング耐性が望まれるようになり、
現在ではポジ型フォトレジストが大部分を占めるように
なった。特に、ポジ型フォトレジストの中でも、感度、
解像度、ドライエッチング耐性に優れることから、例え
ばジェー・シー・ストリエータ著、コダック・マイクロ
エレクトロニクス・セミナー・プロシーディングス、第
116頁(1976年)(J.C. Strieter, Kodak Micro
electronics Seminar Proceedings、116(1976
年)等に記載されているアルカリ可溶性のノボラック樹
脂をベースにしたアルカリ現像型のポジ型フォトレジス
トが現行プロセスの主流となっている。
【0004】しかしながら、近年電子機器の多機能化、
高度化に伴ない、さらに高密度化及び高集積化を図るべ
くパターンの微細化が強く要請されている。
【0005】即ち、集積回路の横方向の寸法の縮小に比
べてその縦方向の寸法はあまり縮小されていかないため
に、レジストパターンの幅に対する高さの比は大きくな
らざるを得なかった。このため、複雑な段差構造を有す
るウエハー上でレジストパターンの寸法変化を押さえて
いくことは、パターンの微細化が進むにつれてより困難
になってきた。さらに、各種の露光方式においても、最
小寸法の縮小に伴ない問題が生じてきている。例えば、
光による露光では、基板の段差に基づく反射光の干渉作
用が、寸法精度に大きな影響を与えるようになり、一方
電子ビーム露光においては、電子の後方散乱によって生
ずる近接効果により、微細なレジストパターンの高さと
幅の比を大きくすることができなくなった。
【0006】これらの多くの問題は多層レジストシステ
ムを用いることにより解消されることが見出された。多
層レジストシステムについては、ソリッドステート・テ
クノロジー、74(1981)[Solid State Technolog
y, 74 (1981)]に概説が掲載されているが、この他にも
このシステムに関する多くの研究が発表されている。一
般的に多層レジスト法には3層レジスト法と2層レジス
ト法がある。3層レジスト法は、段差基板上に有機平坦
化膜を塗布し、その上に、無機中間層、レジストを重
ね、レジストをパターニングした後、これをマスクとし
て無機中間層をドライエッチングし、さらに、無機中間
層をマスクとして有機平坦化膜をO2 RIE(リアクテ
ィブイオンエッチング)によりパターニングする方法で
ある。この方法は、基本的には、従来からの技術が使用
できるために、早くから検討が開始されたが、工程が非
常に複雑である、あるいは有機膜、無機膜、有機膜と三
層物性の異なるものが重なるために中間層にクラックや
ピンホールが発生しやすいといったことが問題点になっ
ている。
【0007】この3層レジスト法に対して、2層レジス
ト法では、3層レジスト法でのレジストと無機中間層の
両方の性質を兼ね備えたレジスト、すなわち、酸素プラ
ズマ耐性のあるレジストを用いるために、クラックやピ
ンホールの発生が抑えられ、また、3層から2層になる
ので工程が簡略化される。しかし、3層レジスト法で
は、上層レジストに従来のレジストが使用できるのに対
して、2層レジスト法では、新たに酸素プラズマ耐性の
あるレジストを開発しなければならないという課題があ
った。
【0008】以上の背景から、2層レジスト法等の上層
レジストとして使用できる酸素プラズマ耐性に優れた、
高感度、高解像度のポジ型フォトレジスト、特に、現行
プロセスを変えることなく使用できるアルカリ現像方式
のレジストの開発が望まれていた。
【0009】さらに、ハーフミクロン以下の線幅からな
る超微細パターンの加工が必要な超LSIの製造等にお
いては、リソグラフィーに用いられる露光装置の使用波
長の短波化が進行し、今やKrFエキシマーレーザー
光、ArFエキシマーレーザー光を用いる事が検討され
るまでになってきている。この様な短波長の光リソグラ
フィーでは、レジストは化学増幅型と呼ばれるものを用
いるのが一般的である。なかでもArFエキシマーレー
ザー光を利用する場合は、膜の光学的透明性の観点から
レジストの主成分となるバインダー樹脂中にフェノール
構造を導入する事は適当ではなく、t−ブチルエステル
等の3級エステル、1−アルキルアダマンチルエステ
ル、カルボン酸のTHP保護体など、酸で分解してカル
ボン酸を発生する構造を画像形成性部位として含有する
樹脂ポリマーをバインダーとして用いるのが一般的であ
る。ArFエキシマーレーザー光に透明な画像形成性部
位を含有するポリシロキサンは、例えば特開平8−16
0623号、特開平10−324748号、特開平11
−60733号、特開平11−60734号に開示され
ている。これらの技術でも露光マージンにおいて問題点
が存在した。ここで露光マージンとは、露光量が変化す
ると、それに従って得られるパターンの線幅が変化して
しまう現象をいう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、半導体デバイスの製造において、露光マージン(特
に繰り返しパターン、いわゆるdenseパターンの露光マ
ージン)に対する改善効果がある、すなわち露光量を変
化させたときの、denseラインパターンの線幅変動が小
さいポジ型フォトレジスト組成物を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポジ型化
学増幅系におけるレジスト組成物について鋭意検討した
結果、(A)特定の光酸発生剤、(B)特定の構造単位
を有する酸分解性樹脂を用いることにより、本発明の目
的が達せられることを見出した。即ち、上記目的は、下
記酸分解性樹脂を含有するポジ型フォトレジスト組成物
を用いることにより達成される。
【0012】(1)(A)活性光線又は放射線の照射に
よりスルホン酸を発生する下記一般式 (I')〜(III')で表される化合物のうち少なくとも
1種 (B)少なくとも下記一般式(I)で示される構造単位
を有する酸分解性ポリシロキサン を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成
物。
【0013】
【化3】
【0014】上記一般式(I')〜(III')中:R1〜R
37は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状、分岐状あ
るいは環状アルキル基、直鎖状、分岐状あるいは環状ア
ルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−S
−R38基を表す。R38は、直鎖状、分岐状あるいは環状
アルキル基又はアリール基を表す。また、R1〜R15
16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して、
単結合、炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される
1種又は2種以上を含む環を形成していてもよい。X-
は、RFSO3 -を表す。ここでRFは、炭素数2以上のフ
ッ素置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基
である。
【0015】
【化4】
【0016】式(I)中、L1は−A1−OCO−、−A
1−COO−、−A1−NHCO−、−A1−NHCOO
−、−A1−NHCONH−、−A1−CONH−、−A
1−OCONH−又は−A1−S−を表す。A1はアルキ
レン基、アリーレン基並びに単環式及び有橋式の脂環構
造から選ばれる少なくとも1つの2価の連結基を表す。
1は単結合、アルキレン基、アリーレン基、または単
環式もしくは有橋式の脂環構造である2価の連結基を表
す。 R'〜R'''はそれぞれ独立にアルキル基、ハロアル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシ
リル基又はトリアルキルシリルオキシ基を表す。
【0017】(2)X-のRFがCF3(CF2)y(ここ
で、yは1〜15の整数である)で示されるフッ素置換
直鎖状アルキル基であることを特徴とする前記(1)に
記載のポジ型レジスト組成物。 (3)yが3〜13の整数であることを特徴とする前記
(2)に記載のポジ型レジスト組成物。 (4)yが7〜11の整数であることを特徴とする前記
(3)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に使用する化合物に
ついて詳細に説明する。まず本発明の(B)酸分解性ポ
リシロキサン(以下、酸分解性樹脂ともいう)について
説明する。一般式(I)において、L1は−A1−OCO
−、−A1−COO−、−A1−NHCO−、−A1−N
HCOO−、−A1−NHCONH−、−A1−CONH
−、−A1−OCONH−又は−A1−S−を表す。A1
はアルキレン基、アリーレン基、並びに単環式及び有橋
式の脂環構造から選ばれる少なくとも1つの2価の連結
基を表す。
【0019】上記A1において、アルキレン基は、炭素
数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げら
れ、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のア
ルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基である。アリーレン基は、o−フェ
ニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基が具体
例として挙げられる。また上記A1において、単環式ま
たは有橋式の脂環構造としては、下記で示すもの等が挙
げられる。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】M1は単結合、アルキレン基、アリーレン
基、または単環式もしくは有橋式の脂環構造である2価
の連結基を表す。ここでアルキレン基は炭素数1〜10
の直鎖状、分岐状のアルキレン基が挙げられる。好まし
くは炭素数1〜6の直鎖状、分岐状のアルキレン基であ
り、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基である。またアリーレン基、または単環式もしく
は有橋式の脂環構造である2価の連結基としてはA1
同様なものが挙げられる。
【0023】R'〜R'''は、それぞれ独立にアルキル基、
ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリア
ルキルシリル基、トリアルキルシリルオキシ基から選ば
れる基を示す。上記アルキル基としては、炭素数1〜1
0の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、より好ま
しくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であ
り、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基である。ハロアルキル基とし
ては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル
基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜6
の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくは
メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−
プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、
s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、中でも特に好ましい
のはメトキシとエトキシ基である。
【0024】トリアルキルシリル基のアルキル基として
は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、
更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、中でも最も好ましいのはメチル
基である。トリアルキルシリルオキシ基のアルキル基と
しては炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であ
り、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基であり、中でも最も好ましい
のはメチル基である。
【0025】酸分解性ポリシロキサンは、さらに下記一
般式(II)及び/又は(III)で示される繰り返し構造
単位を含有することが好ましい。
【0026】
【化7】
【0027】式(II)中、L2は、単結合、−A2−OC
O−、−A2−COO−、−A2−NHCO−、−A2
NHCOO−、−A2−NHCONH−、−A2−CON
H−、−A2−OCONH−又は−A2−S−を表す。A
2は単結合、アルキレン基またはアリーレン基を表す。
2はアリール基、アラルキル基または単環式もしくは
有橋式の脂環基を表す。
【0028】
【化8】
【0029】上記A2において、アルキレン基は炭素数
1〜10の直鎖状、分岐状のアルキレン基が挙げられ
る。好ましくは炭素数1〜6の直鎖状、分岐状のアルキ
レン基であり、特に好ましくは、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基である。同じくアリーレン基は、o−
フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基が
具体例として挙げられる。上記M2において、アリール
基としては、置換基を有していても良いフェニル基が具
体例として挙げられる。同じくアラルキル基としてはベ
ンジル基が挙げられる。
【0030】上記A2、M2の単環式または有橋式の脂環
構造としては、M1の単環式あるいは有橋式の脂環構造
の例と同様のものが挙げられる。
【0031】一般式(III)は、テトラクロロシラン、テ
トラヒドロシラン、テトラアルコキシシランから誘導さ
れるシロキサン構造単位である。この内でもテトラクロ
ロシラン、テトラアルコキシシランとしては、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシランが好適である。
【0032】本発明の酸分解性ポリシロキサンは、一般
式(I)で表される単位を10〜100モル%含有する
ことが好ましく、30〜70モル%含有することがさら
に好ましい。さらに一般式(II)の構造を含む本発明の
酸分解性ポリシロキサンでは、式(II)の構造を20〜8
0モル%含むことが好ましく、40〜60モル%含むこ
とがさらに好ましい。さらに一般式(III)の構造を含
む本発明の酸分解性ポリシロキサンでは、式(III)の
構造を1〜10モル%含むことが好ましく、2〜5モル
%含むことがさらに好ましい。
【0033】本発明の酸分解性ポリシロキサンは、溶剤
溶解性、アルカリ溶解性の調節のため、下記一般式(I
V)及び/又は(V)の構造単位を共縮合されていてもよ
い。
【0034】
【化9】
【0035】ここで、W、W1、W2は、アルカリ溶解性
や酸分解性を有さない基を表す。具体的には、置換基を
有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、置換基を有
していてもよい炭素数3〜10の分岐状あるいは置換基
を有していてもよい炭素数6〜10の環状のアルキル
基;置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリー
ル基;又は置換基を有していてもよい炭素数7〜11の
アラルキル基を表す。これらの基の好ましい具体例とし
て、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニ
ル、n−デシル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチ
ル、ベンジル、ナフチルメチルを挙げることができる。
これらの基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1
〜6のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシル基等
が挙げられる。なおW1、W2は同じであっても異なって
いてもよい。
【0036】一般式(IV)及び/又は一般式(V)の構
造を含む本発明の酸分解性ポリシロキサンでは、式(I
V)及び/又は式(V)の構造の含有量は、全繰り返し単
位中、70モル%以下であり、好ましくは65モル%以
下であり、さらに好ましくは60モル%以下である。7
0モル%を超えた場合は、解像性が劣化する。
【0037】上記一般式(I)で表される構造単位を有
する酸分解性ポリシロキサンは、以下の方法により得ら
れる。エチレン性不飽和結合を有する脂環構造が連結さ
れたトリアルコキシシランまたはトリクロロシランを塩
化白金酸触媒存在下あるいはラジカル反応開始剤存在下
で、対応するR'〜R'''を有する3置換シラン化合物をヒ
ドロシリレーションする。
【0038】その後、 1)末端にカルボキシル基を有するトリアルコキシシラ
ンを、酸及び水、または塩基触媒及び水の存在下、加熱
によりポリシロキサン化した後、カルボキシル基を酸分
解性基で保護する。 2)末端に酸分解性保護したカルボキシル基を有するト
リアルコキシシランを合成した後、塩基触媒と水を添加
し、加熱によりポリシロキサン化する。のいずれかの方
法により合成することができる。
【0039】別法として、エチレン性不飽和結合を有す
る脂環構造が連結された酸分解性基ポリシロキサンを塩
化白金酸触媒存在下あるいはラジカル反応開始剤存在下
で、対応するR'〜R'''を有する3置換シラン化合物をヒ
ドロシリレーションする方法もある。
【0040】上記酸分解性基の導入方法としては、酸分
解性基に対応するビニルエーテル化合物との酸触媒反応
や、二炭酸ジt−ブチル、トリメチルシリルクロリド、
あるいはt−ブチルジメチルシリルクロリドとの塩基触
媒反応等、それぞれ公知の反応を用いることにより得ら
れる。
【0041】また前記(IV)または(V)で示される構造単
位を有するシロキサン単位の使用は、溶剤溶解性や感
度、解像力、パターンの矩形性の点で好ましい。
【0042】本発明のポリシロキサンについて、一般式
(I)の構造単位の具体例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】本発明のポリシロキサンについて、一般式
(II)の構造単位の具体例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0046】
【化12】
【0047】本発明のポリシロキサンの重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定
されたポリスチレン換算値として、500〜10000
0が好ましく、さらに好ましくは700〜50000で
あり、特に好ましくは800〜20000である。
【0048】次に、(A)活性光線または放射線の照射
により酸を発生する化合物(光酸発生剤)について説明
する。本発明では、光酸発生剤として、上記一般式
(I')〜(III')で表される化合物の少なくとも1種
が用いられる。一般式(I')〜(III')において、R1
〜R38の直鎖状、分岐状アルキル基としては、置換基を
有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭
素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基とし
ては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8
個のものが挙げられる。R1〜R37の直鎖状、分岐状ア
ルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
【0049】環状アルコキシ基としては、シクロペンチ
ルオキシ基、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロ
ヘキシルオキシ基が挙げられる。R1〜R37のハロゲン
原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素
原子を挙げることができる。R38のアリール基として
は、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル
基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6
〜14個のものが挙げられる。これらの置換基として好
ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原
子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜1
0個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シ
アノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカル
ボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0050】また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R
37のうち、2つ以上が結合して形成する、単結合、炭
素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2
種以上を含む環としては、例えば、フラン環、ジヒドロ
フラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオフェン
環、ピロール環等を挙げることができる。
【0051】一般式(I')〜(III')において、X
-は、RFSO3 -で表されるアニオンである。ここでRF
は、炭素数が2以上、好ましくは炭素数2〜10、より
好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜5
のフッ素置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルキ
ル基である。好ましいRFとしては、CF3(CF2)yで
表され、yが1〜15の整数であるフッ素置換直鎖状ア
ルキル基であり、より好ましくはyが3〜13の整数、
さらに好ましくはyが7〜11の整数のフッ素置換直鎖
状アルキル基である。これらのフッ素置換直鎖状アルキ
ル基〔CF3(CF2)y〕を用いることにより、感度、解
像力のバランスに優れ、また露光から後加熱までの経時
によっても性能変化が小さくなる。RFとしては、具体
的には、CF3CF2−、CF3(CF22−、CF3(C
23−、CF3(CF24−、CF3(CF25−、C
3(CF27−、CF3(CF29−、CF3(CF2
11−、CF3(CF213−、CF3(CF215−であ
り、好ましくはCF3(CF23−、CF3(CF2
4−、CF3(CF25−、CF3(CF27−、CF
3(CF29−、CF3(CF211−、CF3(CF2
13−であり、更に好ましくはCF3(CF27−、CF3
(CF29−、CF3(CF211−である。特に好まし
くはCF3(CF27−である。
【0052】特に好ましい光酸発生剤は、一般式
(I')で表され、かつX-がCF3(CF2) 3SO3 -であ
る化合物である。
【0053】このようなアニオン部がフッ素置換された
アルキル基を有するスルホン酸アニオンで構成されてい
る一般式(I')〜(III')で表される化合物を光酸発
生剤として用い、かつ前記特定構造の樹脂成分(A)と
組み合わせることにより、本発明のポジ型レジスト組成
物は、遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光(波
長193nm)の露光に対する十分な感度及び解像力を
有し、しかも露光後の経時に対して優れたパターンプロ
ファイル及び解像力を維持する。
【0054】一般式(I')〜(III')で表される光酸
発生剤の具体例として、下記の化合物(I−1)〜(I
−32)、(II−1)〜(II−11)、(III−1)〜
(III−22)を挙げることができる。
【0055】
【化13】
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】上記一般式(I')〜(III')で表される
(A)光酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準
として、通常0.001〜20重量%の範囲で用いら
れ、好ましくは0.01〜15重量%、更に好ましくは
0.1〜10重量%の範囲で使用される。光酸発生剤の
添加量が、0.001重量%より少ないと感度が低くな
り、また添加量が20重量%より多いとレジストの光吸
収が高くなりすぎ、プロファイルの悪化や、プロセス
(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。ま
た、本発明の光酸発生剤に併用可能な光酸発生剤の添加
量は、本発明の光酸発生剤に対して200重量%以下で
あり、好ましくは150重量%以下であり、更に好まし
くは100重量%である。
【0065】本発明のポジ型レジスト組成物には、上記
一般式(I')〜(III')で表される化合物以外の光酸
発生剤を併用することができる。併用することができる
光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラ
ジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、
あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光
(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好まし
くは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー
光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子
線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれ
らの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0066】本発明に用いられる活性光線又は放射線の
照射により酸を発生する化合物としては、例えば S. I.
Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974)、
T. S.Bal et al, Polymer, 21, 423(1980)等に記載のジ
アゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056
号、同Re27,992号、特開平3-140140号等に記載のアンモ
ニウム塩、D. C. Necker et al, Macromolecules, 17,
2468(1984)、C. S. Wenet al, Teh, Proc. Conf. Rad.
Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)、米国特許第4,06
9,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.
V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307(19
77)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1988)、欧州特
許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201
号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号等に記載の
ヨードニウム塩、J. V. Crivello etal, Polymer J. 1
7, 73(1985)、J. V. Crivello et al. J. Org. Chem.,
43, 3055(1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci.,
Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Crivello
et al, Polymer Bull., 14, 279(1985)、J. V. Crivel
lo et al, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、J. V.
Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. E
d., 17, 2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同161,81
1号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,
443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号同4,933,3
77号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827
号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,
581号、特開平7-28237号、同8-27102号等に記載のスル
ホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules,
10(6), 1307(1977)、J. V. Crivello et al, J. Polyme
r Sci.,Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979)等に記載の
セレノニウム塩、C. S. Wen etal, Teh, Proc. Conf. R
ad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)等に記載のア
ルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815
号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特開昭55-32
070号、特開昭60-239736号、特開昭61-169835号、特開
昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401
号、特開昭63-70243号、
【0067】特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲ
ン化合物、K.Meier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26
(1986)、T. P. Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007(1
980)、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(189
6)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲ
ン化物、S. Hayase et al, J. Polymer Sci., 25, 753
(1987)、E. Reichmanis et al, J. Pholymer Sci., Poly
mer Chem. Ed., 23, 1(1985)、Q. Q. Zhu et al, J. Pho
tochem., 36, 85, 39, 317(1987)、 B. Amit et al,Tetr
ahedron Lett., (24) 2205(1973)、D. H. R. Barton et
al, J. Chem Soc.,3571(1965)、P. M. Collins et al,
J. Chem. Soc., PerkinI, 1695(1975)、M. Rudinstein e
t al, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975)、J. W. Wa
lker et al,J. Am. Chem. Soc., 110, 7170(1988)、S.
C. Busman et al, J. Imaging Technol., 11(4), 191(1
985)、H. M. Houlihan et al, Macormolecules, 21, 200
1(1988)、 P. M. Collins et al, J. Chem. Soc., Chem.
Commun., 532(1972)、S. Hayase et al, Macromolecule
s, 18, 1799(1985)、E. Reichman et al, J. Electroche
m. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. H
oulihan et al, Macromolcules, 21, 2001(1988)、欧州
特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,
851号、同0,388,343号、 米国特許第3,901,710号、同4,1
81,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に
記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、M. TUNOOKA et al, Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G. Berneret al, J. Rad. Curing, 13(4)、 W. J. M
ijs et al, Coating Technol., 55(697), 45(1983), Ak
zo、H. Adachi et al, Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84,515号、同044,115
号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605
号、同4,431,774号、特開昭64-18143号、特開平2-24575
6号、特開平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−
ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合
物、特開昭61-166544号、特開平2-71270号等に記載のジ
スルホン化合物、特開平3-103854号、同3-103856号、同
4-210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジス
ルホン化合物を挙げることができる。
【0068】また、これらの光により酸を発生する基、
あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した
化合物、たとえば、M. E. Woodhouse et al, J. Am. Ch
em.Soc., 104, 5586(1982)、S. P. Pappas et al, J. I
maging Sci., 30(5), 218(1986)、S. Kondo et al, Mak
romol. Chem., Rapid Commun., 9, 625(1988)、Y. Yama
da et al, Makromol. Chem., 152, 153, 163(1972)、J.
V. Crivello et al,J. Polymer Sci., Polymer Chem.
Ed., 17, 3845(1979)、米国特許第3,849,137号、獨国特
許第3914407号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824
号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-
163452号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に
記載の化合物を用いることができる。
【0069】さらにV. N. R. Pillai, Synthesis, (1),
1(1980)、A. Abad et al, Tetrahedron Lett., (47)45
55(1971)、D. H. R. Barton et al, J. Chem. Soc.,
(C), 329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第1
26,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用
することができる。
【0070】上記活性光線または放射線の照射により分
解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられ
るものについて以下に説明する。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PA
G2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0071】
【化22】
【0072】式中、R201は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換の
アリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3
をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。具体的
には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定
されるものではない。
【0073】
【化23】
【0074】
【化24】
【0075】
【化25】
【0076】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表され
るスルホニウム塩。
【0077】
【化26】
【0078】ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換も
しくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基とし
ては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカ
プト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0079】R203、R204、R205は各々独立に、置換
もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ま
しくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の
アルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい
置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8の
アルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、
カルボキシル基、ヒロドキシ基およびハロゲン原子であ
り、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ
基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0080】Zは対アニオンを示し、例えばBF4
AsF6 、PF6 、SbF6 、SiF6 2-、ClO4
CF3SO3 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニ
オン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナ
フタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族
スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸 アニ
オン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるが
これらに限定されるものではない。
【0081】またR203、R204、R205のうちの2つお
よびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介
して結合してもよい。
【0082】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】
【化29】
【0086】
【化30】
【0087】
【化31】
【0088】
【化32】
【0089】
【化33】
【0090】
【化34】
【0091】
【化35】
【0092】
【化36】
【0093】
【化37】
【0094】一般式(PAG3)、(PAG4)で示さ
れる上記オニウム塩は公知であり、例えばJ. W. Knapcz
yk et al, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969)、A. L.
Maycok et al, J. Org. Chem., 35, 2532, (1970)、E.
Goethas et al, Bull. Soc.Chem. Belg., 73, 546, (19
64)、H. M. Leicester, J. Ame. Chem. Soc., 51, 3587
(1929)、J. V. Crivello et al, J. Polym. Chem. Ed.,
18, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号および同4,24
7,473号、特開昭53-101331号等に記載の方法により合成
することができる。
【0095】(3)下記一般式(PAG5)で表される
ジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表される
イミノスルホネート誘導体。
【0096】
【化38】
【0097】式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もし
くは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは
未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もし
くは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレ
ン基を示す。具体例として以下に示す化合物が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0098】
【化39】
【0099】
【化40】
【0100】
【化41】
【0101】
【化42】
【0102】
【化43】
【0103】
【化44】
【0104】(4)ジアゾスルホン誘導体 ジアゾジスルホン誘導体化合物としては、下記一般式
(PAG7)で示されるものが挙げられる。
【0105】
【化45】
【0106】ここでR207、R208は、それぞれ独立し
て、置換基を有していても良いアルキル基、シクロアル
キル基、置換基を有していても良いアリール基を表す。
ここでアルキル基としては、炭素数が1〜20までの直
鎖状または分岐状のアルキル基が好ましく、さらに好ま
しくは炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル
基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペン
チル基もしくはシクロヘキシル基が好ましい。アリール
基としては、炭素数6〜10の置換基を有していても良
いアリール基が好ましい。 ここで置換基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデ
シル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アセチル基などが挙げられる。
【0107】ジアゾジスルフォン誘導体化合物の具体例
としては、下記化合物が挙げられる。ビス(メチルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(エチルスルホニル)ジア
ゾメタン、ビス(プロピルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メ
チルブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ヘプチル
スルホニル)ジアゾメタン、ビス(オクチルスルホニ
ル)ジアゾメタン、ビス(ノニルスルホニル)ジアゾメ
タン、ビス(デシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(ドデシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(トリフル
オロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘ
キシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(2−クロロベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジ
アゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(2−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(2、4−ジメチルフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン、ビス(2、5−ジメチルフェニル
スルホニル)ジアゾメタン、ビス(3、4−ジメチルフ
ェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2、4、6−
トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビ
ス(2,4−ジフルオロフェニルスルホニル)ジアゾメ
タン、ビス(2,4、6−トリフルオロフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン、ビス(4−ニトロフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン
【0108】ジアゾケトスルホン誘導体化合物として
は、下記一般式(PAG8)で示されるものが挙げられ
る。
【0109】
【化46】
【0110】ここでR207,R208は、上記(PAG7)
のR207、R208と同義である。ジアゾケトスルフォン誘
導体化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられ
る。
【0111】メチルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメ
タン、エチルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメタン、
メチルスルホニル−4−ブロモベンゾイル−ジアゾメタ
ン、エチルスルホニル−4−ブロモベンゾイル−ジアゾ
メタン、フェニルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメタ
ン、フェニルスルホニル−2−メチルフェニル−ジアゾ
メタン、フェニルスルホニル−3−メチルフェニル−ジ
アゾメタン、フェニルスルホニル−4−メチルフェニル
−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−3−メトキシフ
ェニル−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−4−メト
キシフェニル−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−3
−クロロベンゾイル−ジアゾメタン、フェニルスルホニ
ル−4−クロロフェニル−ジアゾメタン、トリルスルホ
ニル−3−クロロベンゾイル−ジアゾメタン、トリルス
ルホニル−4−クロロフェニル−ジアゾメタン、フェニ
ルスルホニル−4−フルオロフェニル−ジアゾメタン、
トリルスルホニル−4−フルオロフェニル−ジアゾメタ
【0112】これらの(A)光酸発生剤の添加量は、本
発明のポジ型フォトレジスト組成物の全重量(塗布溶媒
を除く)を基準として通常0.001〜40重量%の範
囲で用いられ、好ましくは0.01〜20重量%、さら
に好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。活
性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化
合物の添加量が、0.001重量%より少ないと感度が
低くなり、また添加量が40重量%より多いとレジスト
の光吸収が高くなりすぎ、プロファイルの悪化や、プロ
セス(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。
【0113】本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、
塗布溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸
アルキルエステル類、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等
のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアル
キルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテ
ルアセテート類、2−へプタノン、γ―ブチロラクト
ン、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン
酸エチル等のアルコキシプロピオン酸アルキル類、ピル
ビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のピルビン酸アルキ
ルエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等から選ばれ
る少なくとも1種の溶剤を用いて塗布される。
【0114】本発明のポジ型フォトレジスト組成物に
は、有機塩基性化合物を配合することができる。これに
より、保存時の安定性向上及びPEDによる線巾変化が
少なくなるため好ましい。本発明で用いることのできる
好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基
性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好
ましい。好ましい化学的環境として、下記式(A)〜
(E)構造を挙げることができる。
【0115】
【化47】
【0116】ここで、R250、R251及びR252は、同一
又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロ
キシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置
換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結
合して環を形成してもよい。
【0117】
【化48】
【0118】上記式(E)中、R253、R254、R255
びR256は、同一又は異なり、炭素数1〜6のアルキル
基を示す。
【0119】さらに好ましい化合物は、一分子中に異な
る化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性
化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換の
アミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物も
しくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好まし
い具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、
置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未
置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換の
アミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾー
ル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未
置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置
換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミ
ダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もし
くは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノ
モルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモ
ルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ
基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリ
ール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ
基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0120】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラ
メチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピ
リジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミ
ノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミ
ノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリ
ジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−
6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−
アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラ
ジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2
−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペ
リジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチ
ル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチル
ピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリル
ピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メ
チルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジ
ン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリ
ン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−
(2−アミノエチル)モルフオリン、ジアザビシクロウ
ンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DB
N)、ジアザビシクロオクタン等が挙げられるがこれに
限定されるものではない。
【0121】これらの含窒素塩基性化合物は、単独であ
るいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性
化合物の使用量は、感光性樹脂組成物(溶媒を除く)1
00重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好
ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部
未満では上記効果が得られない。一方、10重量部を超
えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向が
ある。
【0122】本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、
フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素
原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤、ノニオン
系界面活性剤の少なくとも1種の界面活性剤を含有する
ことが好ましい。中でもフッ素系界面活性剤、シリコン
系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有す
る界面活性剤が特に好ましい。これらの界面活性剤とし
て、例えば特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特
開昭61-226745号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540
号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開平9-544
32号、特開平9-5988号記載の界面活性剤を挙げることが
でき、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもで
きる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフ
トップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラード
FC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF17
1、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、
サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106
(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケ
ミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン
系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサ
ンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコ
ン系界面活性剤として用いることができる。
【0123】他の界面活性剤としては、具体的には、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
オクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプ
ロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレ
ート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタント
リオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビ
タン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパ
ルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア
レート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等の
ノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。界面活
性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準とし
て、通常0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.
01重量%〜1重量%である。これらの界面活性剤は単
独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで
添加することもできる。
【0124】本発明のポジ型フォトレジスト組成物に
は、必要に応じて更に酸分解性溶解阻止化合物、染料、
可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤、および現像
液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させるこ
とができる。
【0125】本発明のポジ型フォトレジスト組成物は精
密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シ
リコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター
等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通し
て露光し、べークを行い現像することにより良好なレジ
ストパターンを得ることができる。
【0126】本発明のポジ型フォトレジスト組成物の現
像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナト
リウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機
アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第
1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等
の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルア
ミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のアルコールアミン類、ホルムア
ミドやアセトアミド等のアミド類、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヒド
ロキシド、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、メチルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、
ベンジルメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、ベンジルジメチルエタノールアンモニウムヒドロキ
シド、ベンジルトリエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラブロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウ
ム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン等のアルカ
リ類の水溶液等がある。
【0127】本発明のポジ型フォトレジスト組成物によ
るレジストを2層レジストの上層レジストとして使用す
る場合、上層レジストパターンを保護マスクとして下層
の有機高分子膜の酸素プラズマによるエッチングが行な
われるが、この上層レジストは酸素プラズマに対する十
分な耐性を有する。本発明のポジ型フォトレジスト組成
物の酸素プラズマ耐性は上層レジストのシリコン含有量
や、エッチング装置、及びエッチング条件にも依存する
が、エッチング選択比(下層と上層レジストとのエッチ
ング速度比)は10〜100と充分大きく取ることがで
きる。
【0128】また、本発明のポジ型フォトレジスト組成
物によるパターン形成方法においては、まず、被加工基
板上に有機高分子膜を形成する。この有機高分子膜は各
種公知のフォトレジストでよく、たとえば、フジフィル
ムオーリン社製FHシリーズ、FHiシリーズあるいは
オーリン社製OiRシリーズ、住友化学社製PFIシリ
ーズの各シリーズを例示することができる。この有機高
分子膜の形成は、これらを適当な溶剤に溶解させ、得ら
れる溶液をスピンコ一ト法、スプレイ法等により塗布す
ることにより行なわれる。次いで、上記有機高分子膜の
第1層上に、本発明のポジ型フォトレジスト組成物の膜
を形成する。これは第1層と同様にレジスト材料を適当
な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコート法、ス
プレイ法等により塗布することにより行なわれる。得ら
れた2層レジストは次にパターン形成工程に付される
が、その第1段階として、まず第2層、すなわち上層の
フォトレジスト組成物の膜にパターン形成処理を行な
う。必要に応じてマスク合わせを行ない、このマスクを
通して高エネルギー線を照射することにより、照射部分
のフォトレジスト組成物をアルカリ水溶液に可溶とし、
アルカリ水溶液で現像してパターンを形成する。
【0129】次いで、第2段階として有機高分子膜のエ
ッチングを行なうが、この操作は上記のレジスト組成物
の膜のパターンをマスクとして酸素プラズマエッチング
により実施し、アスペクト比の高い微細なパターンを形
成する。この酸素プラズマエッチングによる有機高分子
膜のエッチングは、従来のホトエッチング操作による基
板のエッチング加工の終了後に行なわれるレジスト膜の
剥離の際に利用されるプラズマアッシングとまったく同
一の技術である。この操作は、例えば円筒形プラズマエ
ッチング装置、平行平坂形プラズマエッチング装置によ
り、反応性ガス、すなわちエッチングガスとして酸素を
使用して実施することができる。さらに、このレジスト
パターンをマスクとして基板の加工が行なわれるが、加
工法としてはスパッタエッチング、ガスプラズマエッチ
ング、イオンビームエッチング等のドライエッチング法
を利用することができる。
【0130】本発明のレジスト膜を含む2層膜レジスト
法によるエッチング処理は、レジスト膜の剥離操作によ
って完了する。このレジスト層の剥離は単に第1層の有
機高分子材料の溶解処理によって実施することができ
る。この有機高分子材料は任意のフォトレジストであ
り、かつ、上記フォトエッチング操作においてなんら変
質(硬化等)されていないので、各公知のフォトレジス
ト自体の有機溶媒を使用することができる。あるいは、
プラズマエッチング等の処理により、溶媒を使用するこ
となく剥離することも可能である。
【0131】
【実施例】以下、合成例、実施例、および比較例を示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0132】合成例1(樹脂(1)の合成) (2−ヒドロキシエチル)トリス(トリメチルシリル)
シラン58.4gとシクロヘキサンジカルボン酸無水物
30.8gをTHF500mlに溶かしたところへ、4
−ジメチルアミノピリジン2gを添加し、60℃窒素下
で6時間反応させた。そこへにクロロメチルトリメトキ
シシラン34.0gを加え、そこへ、ジアザビシクロウ
ンデセン19.0gを添加した。 白色沈殿を濾別した
のち、THFを留去して、トリメトキシシラン中間体を
得た。
【0133】上記中間体46.5gにシクロヘキシルト
リメトキシシラン31.2gをN,N−ジメチルアセト
アミド200mlへ添加し、さらに水20mlおよび4
−ジメチルアミノピリジン5gを添加した後、60℃で
3時間、さらに140℃で3時間反応させた。反応液を
室温に戻した後、蒸留水3L中に攪拌下投入して、白色
の粉体状ポリマーを得た。 これをアセトン200ml
に溶解させた後、攪拌下蒸留水を添加することによりポ
リマーのオリゴマー成分を分別除去し、下層を蒸留水2
L中に再沈処理して白色のポリマーを得た。 このポリ
マーの平均分子量をGPC(ポリスチレン標準)で測定
したところ、重量平均分子量3900であり、分子量が
1000以下の成分の含有量はGPC面積比で3%であ
った。
【0134】以下同様にして下記のポリシロキサンを合
成した。
【0135】
【化49】
【0136】実施例1〜16及び比較例1〜3 (ポジ型レジスト組成物の調製と評価)上記合成例で合
成した表1に示す樹脂をそれぞれ2g、表1に示す光酸
発生剤100mg、有機塩基性化合物25mg、界面活
性剤10mgを配合し、それぞれ固形分10重量%の割
合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トに溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過
し、実施例1〜16のポジ型レジスト組成物を調製し
た。また、比較例1〜3として、各々上記樹脂と光酸発
生剤を用いる以外は、上記実施例1〜16と同様にポジ
型レジスト組成物を調製した。
【0137】界面活性剤としては、 W−1:メガファックF176(大日本インキ(株)
製)(フッ素系) W−2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)
(フッ素及びシリコーン系) W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化
学工業(株)製) W−4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル W−5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)
製) 有機塩基性化合物として、 1:DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−
7−ウンデセン) 2:4−DMAP(4−ジメチルアミノピリジン) 3:TPI(2,4,5−トリフェニルイミダゾール) を表す。
【0138】(評価試験)シリコンウエハーにFHi−
028Dレジスト(フジフイルムオーリン社製、i線用
レジスト)をキャノン製コーターCDS−650を用い
て塗布し、90℃、90秒ベークして膜厚0.83μm
の均一膜を得た。これをさらに200℃、3分加熱した
ところ膜厚は0.71μmとなった。この上に上記で調
整したレジスト液を塗布、140℃、90秒ベークして
0.20μmの膜厚で塗設した。
【0139】こうして得られたウェハーをArFエキシ
マレーザーステッパーに解像力マスクを装填して露光量
と焦点を変化させながら露光した。その後クリーンルー
ム内で110℃、90秒加熱した後、テトラメチルアン
モニウムヒドロオキサイド現像液(2.38%)で60
秒間現像し、蒸留水でリンス、乾燥してパターンを得
た。このようにして得られたシリコンウエハーのレジス
トパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストを下
記のように評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0140】〔露光マージン〕:0.14μmの繰り返
しパターン(ピッチ1/1)のマスク線幅を再現する露
光量を±5%変動させたときの得られるパターンの線幅
の変動率(%)を露光マージンの指標とした。この値が
小さいほど好ましい。
【0141】
【表1】
【0142】上記表1に示すように、本発明のポジ型フ
ォトレジスト組成物は、露光マージンにおいて優れた性
能を示した。
【0143】
【発明の効果】本発明は、半導体デバイスの製造におい
て、露光マージン(特に繰り返しパターン、いわゆるde
nseパターンの露光マージン)に対する改善効果があ
る、すなわち露光量を変化させたときの、denseライン
パターンの線幅変動が小さいポジ型フォトレジスト組成
物を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)活性光線又は放射線の照射によりス
    ルホン酸を発生する下記一般式(I')〜(III')で表
    される化合物のうち少なくとも1種 (B)少なくとも下記一般式(I)で示される構造単位
    を有する酸分解性ポリシロキサン を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成
    物。 【化1】 上記一般式(I')〜(III')中:R1〜R37は、同一又
    は異なって、水素原子、直鎖状、分岐状あるいは環状ア
    ルキル基、直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、
    ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−S−R38基を表
    す。R38は、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基又
    はアリール基を表す。また、R1〜R15、R16〜R27
    28〜R37のうち、2つ以上が結合して、単結合、炭
    素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2
    種以上を含む環を形成していてもよい。X-は、RFSO
    3 -を表す。ここでRFは、炭素数2以上のフッ素置換さ
    れた直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基である。 【化2】 式(I)中、L1は−A1−OCO−、−A1−COO
    −、−A1−NHCO−、−A1−NHCOO−、−A1
    −NHCONH−、−A1−CONH−、−A1−OCO
    NH−又は−A1−S−を表す。A1はアルキレン基、ア
    リーレン基並びに単環式及び有橋式の脂環構造から選ば
    れる少なくとも1つの2価の連結基を表す。M1は単結
    合、アルキレン基、アリーレン基、または単環式もしく
    は有橋式の脂環構造である2価の連結基を表す。 R'〜
    R'''はそれぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、ハ
    ロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基又は
    トリアルキルシリルオキシ基を表す。
  2. 【請求項2】 X-のRFがCF3(CF2)y(ここで、y
    は1〜15の整数である)で示されるフッ素置換直鎖状
    アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のポ
    ジ型レジスト組成物。
  3. 【請求項3】 yが3〜13の整数であることを特徴と
    する請求項2に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 【請求項4】 yが7〜11の整数であることを特徴と
    する請求項3に記載のポジ型レジスト組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011215385A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Jsr Corp 感放射線性組成物

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