JP2001215351A - 誘電率多重周期構造素子およびその設計方法ならびに製造方法 - Google Patents

誘電率多重周期構造素子およびその設計方法ならびに製造方法

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JP2001215351A
JP2001215351A JP2000027041A JP2000027041A JP2001215351A JP 2001215351 A JP2001215351 A JP 2001215351A JP 2000027041 A JP2000027041 A JP 2000027041A JP 2000027041 A JP2000027041 A JP 2000027041A JP 2001215351 A JP2001215351 A JP 2001215351A
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wavelength
period
dielectric constant
optical fiber
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JP2000027041A
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Ryoko Shimada
良子 島田
Takao Koda
隆夫 國府田
Akira Ikushima
明 生嶋
Takumi Fujiwara
巧 藤原
Kazuo Imamura
一雄 今村
Takeshi Genchi
武士 源地
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Toyota Gauken
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Toyota Gauken
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02057Optical fibres with cladding with or without a coating comprising gratings
    • G02B6/02076Refractive index modulation gratings, e.g. Bragg gratings
    • G02B6/0208Refractive index modulation gratings, e.g. Bragg gratings characterised by their structure, wavelength response
    • G02B6/02085Refractive index modulation gratings, e.g. Bragg gratings characterised by their structure, wavelength response characterised by the grating profile, e.g. chirped, apodised, tilted, helical

Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに波長帯が異なる複数の電磁波を選択的
に反射する素子などを実現することが可能な誘電率多重
周期構造素子およびその設計方法ならびにその製造方法
を提供する。 【解決手段】 誘電率が第1の方向に沿って第1周期Λ
1で変化する第1周期構造と、第1周期構造に重畳さ
れ、第1周期Λ1より長い第2周期Λ2で誘電率が第1方
向に沿って変化する第2周期構造とを有する。第1周期
構造に対応する第1波長λ1の電磁波と、第1周期構造
が第2周期構造によって変調された結果第1波長λ1
長波長側と短波長側とに生じる2つのサイドバンドであ
る第2波長λ2および第3波長λ3の電磁波とを選択的に
反射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトニック結晶
のような誘電率の周期構造を有する素子およびその設計
方法ならびに製造方法に関する。特に、互いに波長帯が
異なる複数の電磁波を選択的に反射する素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光の波長オーダの誘電率(屈折
率)の周期構造を有する、いわゆるフォトニック結晶を
用いた素子の研究が盛んに行われている。特に、フォト
ニック結晶の周期構造に対応したフォトニックバンドギ
ャップ(半導体におけるエネルギーバンドギャップに類
似している)を利用することによって、しきい値電圧が
ゼロの半導体レーザや光ファイバグレーティングなどへ
の応用が注目されている。
【0003】しかしながら、フォトニック結晶の周期構
造とフォトニックバンドギャップ(以下、「PBG」と
略す。)との関係が十分に解明されておらず、また、所
望の周期構造を得るための方法も開発されていないのが
現状である。
【0004】例えば、1次元のフォトニック結晶と考え
られる光ファイバグレーティングは、主に、単一の周期
構造または連続的に変化する周期構造(チャープされた
周期構造)を有し、基本モードで伝搬する単一の波長の
光を選択的に反射するフィルタとして利用されている
(「短周期光ファイバグレーティング」と呼ばれること
もある。)。但し、単一の周期構造であっても、その周
期が長い(100μmオーダ)と、異なるモードで伝搬
する光の間に結合が生じるので、このような長周期構造
を有する光ファイバグレーティング(「長周期光ファイ
バグレーティング」と呼ばれることもある。)は、複数
の波長の光を透過するフィルタとして利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た光ファイバグレーティングは、短周期および長周期の
いずれにおいても、単一の周期構造を有するものしか実
現されていない。従って、近年ますます重要になってい
る波長多重伝送方式に適用可能な、互いに異なる複数の
波長の光を反射する多重反射帯光ファイバグレーティン
グが得られるに至っていない。
【0006】光ファイバグレーティングを例に説明した
ように、屈折率(または誘電率、屈折率は誘電率の平方
根)の周期構造を利用した素子は限られており、互いに
波長帯が異なる複数の電磁波を選択的に反射する素子を
得るに至っていない。
【0007】なお、特開平10−293222号公報
は、複数のグレーティングを重畳して形成した光ファイ
バグレーティグを開示している。この公報に開示されて
いる技術は、単純にそれぞれのグレーティングに対応し
た損失ピークを有する光ファイバグレーティングを作製
しているだけで、後述する本願発明とは異なり、2つの
グレーティングを重畳することによる周期構造の変調の
効果を全く考慮していないので、グレーティングの分光
特性(透過率や反射率の波長依存性など)を正確に制御
することはできない。また、重畳される複数のグレーテ
ィングのピッチは0.53〜0.58μmの範囲内にあ
り、この技術は互いに近接した周期を有する周期構造に
しか適用できない。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、互いに波長帯が異なる複数の
電磁波を選択的に反射する素子などを実現することが可
能な誘電率多重周期構造素子およびその設計方法ならび
にその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電率多重周期
構造素子は、誘電率が第1の方向に沿って第1周期Λ 1
で変化する第1周期構造と、前記第1周期構造に重畳さ
れ、前記第1周期Λ1より長い第2周期Λ2で誘電率が前
記第1方向に沿って変化する第2周期構造と、を有し、
前記第1周期構造に対応する第1波長λ1の電磁波と、
前記第1周期構造が前記第2周期構造によって変調され
た結果前記第1波長λ1の長波長側と短波長側とに生じ
る2つのサイドバンドである第2波長λ2および第3波
長λ3の電磁波とを選択的に反射する構成を有してお
り、そのことによって上記目的が達成される。
【0010】なお、第1周期構造と第1周期構造に重畳
された第2周期構造とからなる2重周期構造によって生
成されるサイドバンドの数は2本(一対)に限られず、
4本(2対)以上のサイドバンドが生成され得る。
【0011】前記第1方向とは異なる第2方向に沿っ
て、誘電率が第3周期Λ3で変化する第3周期構造と、
前記第3周期構造に重畳され、前記第3周期Λ3より長
い第4周期Λ4で誘電率が前記第2方向に沿って変化す
る第4周期構造とをさらに有する構成としてもよい。前
記第3周期Λ3および第4周期Λ4は、それぞれ前記第1
周期Λ1および第2周期Λ2と独立に設定され得る。
【0012】コアおよびクラッドを有する光ファイバ状
素子であって、前記第1周期構造および第2周期構造は
前記コアに形成されており、前記第1方向は前記光ファ
イバ状素子のコア伝搬方向またはコア伝搬方向に垂直な
方向である構成としてもよい。
【0013】前記第2周期Λ2は、前記第1周期Λ1
りも5倍以上大きいことが好ましい。
【0014】前記第2周期構造において、誘電率は前記
第1方向に沿って連続的に変化する構成としてもよい。
【0015】前記第1周期構造および第2周期構造の少
なくとも一方は、チャープされた周期構造であってもよ
い。
【0016】本発明の屈折率多重周期構造素子の製造方
法は、屈折率が第1の方向に沿って第1周期Λ1で変化
する第1周期構造と、前記第1周期構造に重畳され、前
記第1周期Λ1より長い第2周期Λ2で屈折率が前記第1
方向に沿って変化する第2周期構造とを有し、前記第1
周期構造に対応する第1波長λ1の電磁波と、前記第1
周期構造が前記第2周期構造によって変調された結果前
記第1波長の長波長側と短波長側とに生じる2つのサイ
ドバンドである第2波長λ2および第3波長λ3の電磁波
と、を選択的に反射する屈折率多重周期構造素子の製造
方法であって、光誘起屈折率変化を呈するコアと、前記
コアを包囲するクラッドとを有する光ファイバを用意す
る工程と、前記光ファイバに書き込み光を照射すること
によって、第1周期Λ1で屈折率が変化する第1周期構
造と、前記第1周期構造に重畳され、前記第1周期Λ1
より長い第2周期Λ2で屈折率が前記第1方向に沿って
変化する第2周期構造と、を前記コアに形成する工程と
を包含し、そのことによって上記目的が達成される。前
記第1周期構造の形成と前記第2周期構造の形成とは、
別々の工程で行ってもよいし(分離作製法)、同一の工
程で行ってもよい(同時作製法)。
【0017】前記第2周期Λ2は、前記第1周期Λ1より
も5倍以上大きいことが好ましい。
【0018】本発明の誘電率多重周期構造体素子の設計
方法は、選択的に反射される電磁波の第1波長λ1、第
2波長λ2および第3波長λ3(λ2<λ1<λ3)を設定
する工程と、第1誘電率εaを有する厚さaの第1仮想
誘電体層と、前記第1誘電率εaと異なる第2誘電率εb
を有する厚さbの第2仮想誘電体層とを準備する工程
と、前記第1仮想誘電体層と前記第2誘電体層とが交互
に積層され、前記第1波長λ1の電磁波を選択的に反射
する第1周期構造の第1周期Λ1を求める工程と、前記
第1周期Λ1よりも長く、且つ、前記第1周期構造に重
畳され、前記第1周期構造を変調することによって前記
第2波長λ2および前記第3波長λ3のサイドバンドを生
じる第2周期Λ2を、ε0=εa/εb、f(p、x)、p
=Λ1/Λ2、Λ 1=a+b、xは第1方向に沿った位置
として表される、下記の式:εa(x)={(ε0+1)
/2}+{(ε0−1)/2}・f(p、x)に基づい
て求める工程と、を包含し、そのことによって上記目的
が達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の誘電率多重周期構
造素子の理論的な背景を説明する。
【0020】本願発明者の一部は他の者とともに、2重
周期性を有する誘電体多層膜のエネルギースペクトルを
理論的に検討した結果、新規な性質を見出した(R. Shi
madaet al., Journal of Physical Society of Japan,
67(10), 3414(1998))。
【0021】誘電率の2重周期構造として、図1に示し
た1次元の周期性を有するモデルを考える。この1次元
モデルは、第1誘電率εaを有する厚さaの第1誘電体
層と、第2誘電率εb(<εa)を有する厚さbの第2誘
電体層とが交互に積層された、1周期がa+bの積層構
造の第1誘電体層の誘電率の大きさが下記の式(1)の
周期関数によって変調されている。
【0022】 εa(x)= {(ε0+1)/2}+{(ε0−1)/2}・f(p、x) ・・・(1) ここで、f(p、x)=cos(2πpx)とし、1周
期毎の位置をサイト指数iで表し、i番目の第1誘電体
層の誘電率をεa(i)とすると、上記の式(1)は、
下記の式(2)になる。
【0023】 εa(i)={(ε0+1)/2}+{(ε0−1)/2}cos(2πpi) ・・・(2) ここで、ε0とpはモデル2重周期構造のエネルギース
ペクトルを特徴付ける定数である。pは、第1周期(短
周期)Λ1の第2周期(長周期)Λ2に対する比(p=Λ
1/Λ2)であり、Λ1=a+bである。p(=Λ1
Λ2)を変調パラメータと呼ぶことにする。また、図1
中のxは、i・aに相当する。
【0024】上記式(2)において、変調パラメータp
が無理数の場合には、積層構造の周期性は失われ、準結
晶となるが、変調パラメータpが有理数であるとき(p
=m/n;m,n整数で表されるとき)、全系は、長周
期を持った1次元規則構造となる。図1は、ε0=8、
b/a=3、p=1/10のときの2重周期構造におけ
るε(i)の計算結果を示している。図1から分かるよ
うに、ε(i)は、Λ 1=a+b(=4)の基本周期
が、Λ2=Λ1/p=10・Λ1(=40)で変調されて
いる。
【0025】上述した誘電率2重周期構造を有する誘電
体多層膜のエネルギースペクトルは、超格子半導体のエ
ネルギースペクトルと同様に、例えば、トランスファー
マトリクス法を用いて計算される。上述した誘電率2重
周期構造について、変調パラメータpの値を種々変化さ
せてエネルギースペクトル(透過スペクトル)を計算し
た結果、p=0の単一周期で得られる透明帯域が変調パ
ラメータpの増加に伴って分裂することが分かった。特
に、変調パラメータpがわずかに0より大きい値のと
き、光を反射する特定のエネルギー領域中に極めて鋭い
透過ピークが現れる。この透過ピークは、強く局在化し
た光の状態に対応する。
【0026】例えば、図1に示した2重周期構造につい
ては、図2に示したようなバンド構造が得られる。図2
の縦軸は、規格化された光子のエネルギー(ka)、横
軸は、規格化された波数ベクトル(kベクトル:多層膜
の積層方向(x)に沿ったkベクトル)である。このバ
ンド構造は、パラメータa、b、ε0およびpに依存す
る。3つのパラメータa、bおよびε0は、第2誘電体
層における電磁エネルギーの局在化の程度を決定する。
【0027】ε0=8、b/a=3の2重周期構造につ
いて、種々の変調パラメータpに対して求めた典型的な
エネルギースペクトルを図3に示す。上記の式(1)お
よび(2)から明らかなように、図3のエネルギースペ
クトルは、p=0.5に関して対称なパターン(「光の
バタフライ・ダイヤグラム」と称する。)となる。図3
中の垂直な実線で示した領域が透過帯に対応し、実線の
間の空白領域が透過率がゼロの領域(フォトニック・バ
ンド・ギャップ)に対応する。図3中の不連続な黒い点
は、透過スペクトルにおける急峻なピークとなる。
【0028】このように、上記の文献は、2重周期性を
1次元フォトニック結晶としての誘電体多層膜に導入す
ることによって、単一の周期構造では本来フォトニック
・バンド・ギャップが存在しないエネルギー領域に、所
望の幅を有するフォトニック・バンド・ギャップが出現
する可能性を理論的に示している。
【0029】本願発明者は、上記の理論的に示された可
能性を実証するために、光ファイバグレーティングへの
適用を試み、本発明に至った。
【0030】以下、図面を参照しながら、本発明による
実施形態の光ファイバグレーティングを説明する。
【0031】図4(a)は、従来の単一周期の光ファイ
バグレーティングの分光透過率特性を示すグラフであ
り、図4(b)は、そのエネルギーバンド図である。ま
た、図4(c)は、短周期構造(第1周期構造または基
本周期構造とも言う。)を長周期構造(第2周期構造)
で変調した誘電率多重周期構造を有する本発明による光
ファイバグレーティングの分光透過率特性を示すグラフ
であり、図4(d)はそのエネルギーバンド図である。
いずれも計算結果を示している。なお、この計算は、ト
ランスファーマトリクス法を用いた数値計算プログラム
を用いて実行することができる。トランスファーマトリ
クス法とは、ある方向から入射される光波の状態から、
物質を通過して出射される光波の状態を行列式を用いて
求める方法であり、具体的には、物質の厚さと物質の光
学定数(誘電率と減衰係数)を用いて、光の入出射特性
を計算する。
【0032】図4(a)および(b)に示したように、
上記の式(2)中のp=0に対応する従来の光ファイバ
グレーティングは、単一の波長(第1波長λ1=約1.
52μm)の光だけを反射する。これに対し、上記の式
(2)中のp=1/10の多重周期構造(変調構造)を
有する本発明による光ファイバグレーティングは、図4
(c)および(d)に示したように、短周期構造に対応
する第1波長λ1(=約1.52μm)の光だけでな
く、その両側にサイドバンドとして現れる第2波長λ2
(=約1.47μm<λ1)および第3波長λ3(約1.
57μm>λ1)の光を選択的に反射する。
【0033】本発明による光ファイバグレーティングが
有する多重周期構造に起因するサイドバンドが出現する
波長は、変調パラメータpに依存する。図5(a)〜
(e)に、変調パラメータp=0、1/5、1/10、
1/15および1/20に対応する光ファイバグレーテ
ィングの分光透過率特性のグラフ(計算値)を示す。
【0034】図5(a)に示したp=0の単一周期構造
の従来の光ファイバグレーティングは、単一の周期構造
(周期をΛ1とする)しか有していないので、その単一
の周期Λ1に対応した波長帯(約1.52μm)の光だ
けを選択的に反射する。周期と反射波長との関係は、良
く知られたブラッグの回折条件に基づいて求められる。
【0035】これに対し、図5(b)から(e)に示し
た本実施形態の光ファイバグレーティングは、複数の波
長帯の光が選択的に反射されている。これは、本実施形
態の光ファイバグレーティングは、上述したように、第
1周期Λ1の第1周期構造に、第1周期Λ1よりも長い第
2周期Λ2を有する第2周期構造が重畳されているの
で、第1周期Λ1に対応する第1波長域(λ1)の光(約
1.52μm)と、その両側(短波長側および長波長
側)に生じる2つのサイドバンド(第2波長λ2および
第3波長λ3)の光がさらに選択的に反射される。ま
た、第1波長域λ1とサイドバンドの光の波長域λ2およ
びλ3との差(Δλ)は、図5(b)〜(e)の比較か
ら明らかなように、変調パラメータpが小さくなるにつ
れて、言い換えると第2周期Λ2が長くなるにつれて、
大きくなる。なお、図5(b)では、変調パラメータp
=1/5のときに生じる2つのサイドバンドのうちの短
波長側のサイドバンドだけを図示している。
【0036】このように、第1周期Λ1を有する第1周
期構造に、第1周期よりも長い第2周期Λ2を有する第
2周期構造を重畳することによって、すなわち第1周期
構造を第2周期構造で変調することによって、第1周期
に対応する(第1周期の格子によってブラッグ反射され
る)第1波長の光だけでなく、第1波長の両側に生成さ
れる2つのサイドバンドに対応する光をも反射する光フ
ァイバグレーティングが得られる。また、サイドバンド
が出現する波長(第2波長および第3波長)は、変調パ
ラメータpを変化させることによって調整することがで
きる。勿論、変調によって生じるサイドバンドの数は2
本(一対)に限られず、図5(d)および(e)に見ら
れるように、より高次のサイドバンドも生成される。
【0037】このように、本発明によると、1つの光フ
ァイバグレーティングによって、互いに異なる波長帯の
複数の光を選択的に反射することができる。このような
光ファイバグレーティングは、波長多重通信における波
長選択素子などとして好適に利用され得る。光多重通信
に用いられる波長範囲は年々拡大しつつあり、光ファイ
バグレーティングによって選択的に反射すべき光の波長
範囲を広く、且つ、選択的に反射される複数の光の波長
の間隔を狭くすることが必要となってきている。このこ
とを考慮すると、多重周期構造の変調パラメータpは1
/5よりも小さいことが好ましい。すなわち、変調パラ
メータpを1/5よりも小さくすることによって、広い
波長範囲に亘り、狭い波長間隔で多数の波長の光を選択
的に反射できる光ファイバグレーティングを得ることが
できる。このような光ファイバグレーティングは挟帯域
の波長多重通信に好適に用いられ得る。
【0038】上記の例では、第1周期構造(短周期構
造)を第2周期構造(長周期構造)で変調した例を示し
たが、勿論、さらに、第3周期構造を重畳(3重周期構
造)してもよい。このとき、第3周期構造の周期は、短
周期であってもよいし、長周期であってもよい。勿論、
さらに他の周期構造を重畳(4重以上の周期構造)して
もよい。
【0039】また、上記の例では、グレーティングが有
する第1周期構造および第2周期構造とも等間隔のピッ
チを有するとして説明したが、勿論、いずれか一方また
は両方がチャープされていてもよい。チャープされたグ
レーティングとは、そのピッチが連続的に変化するもの
で、チャープの程度によって反射ピークの幅(波長幅)
が広がる。例えば、第1周期構造(短周期構造)をチャ
ープすると、図5に示した、第1波長λ1、第2波長λ2
および第3波長λ3のピークのそれぞれの幅が広くな
る。また、逆に、第2周期構造(長周期構造)をチャー
プすると、変調によって生成されるサイドバンドである
第2波長λ2および第3波長λ3のピークの幅が広くな
る。光ファイバグレーティングの用途に応じて、各周期
構造のピッチおよびチャープの程度を適宜決定すればよ
い。
【0040】(実施形態1)以下に、誘電率多重周期構
造を有する光ファイバグレーティングを作製した結果を
示す。なお、下記の実施形態の誘電率多重周期構造素子
は光ファイバグレーティングであり、選択的に反射する
電磁波は光なので、直感的な理解のしやすさのために、
「誘電率」に代えて「屈折率」を用いる。
【0041】本実施形態では、光誘起屈折率変化を用い
て、光ファイバグレーティングを製造する。図6を参照
しながら、本実施形態の光ファイバグレーティングの製
造方法を説明する。
【0042】本実施形態の光ファイバグレーティング
は、コア12およびクラッド14を有する光ファイバ1
0を用いて製造される。クラッド14の表面をグレーテ
ィング書き込み光(例えば240nm〜270nmの波
長帯の紫外線)を透過する材料(例えば脂肪族ウレタン
系アクリレートもしくは脂肪族エポキシ系アクリレー
ト)から形成された被覆層(不図示)で覆った光ファイ
バを用いることが好ましい。被覆型光ファイバは非被覆
型光ファイバよりも強度が強いので、製造プロセスで破
損されることが少ない。
【0043】光ファイバ10のコア12は光誘起屈折率
変化を呈する材料から形成されている。コア12として
は、通常仕様の光ファイバと同等濃度のGeに加え、S
n、或いは、Sn及びAl、もしくは、Sn、Al及び
Bのドーパントを添加したものを用いることが光誘起屈
折率変化を定常的に高める上で好ましい。ここで、通常
仕様の光ファイバとは上記光ファイバ10に対し接続さ
れる接続対象の光ファイバのことであり、このような光
ファイバはそのコアに対し比屈折率差が0.9%となる
程度の量のGeがドープされて製造されたものである。
上記光ファイバ10のコア12には、上記の通常仕様の
光ファイバのコアと同量(比屈折率差が0.9%となる
程度の量)のGeに加え、濃度10、000ppm以
上、好ましくは濃度10、000〜15、000ppm
のSn或いは、このような濃度のSn及び濃度1、00
0ppm以下のAl等を共ドープすればよい。上記のド
ープは種々の公知の方法により行えばよく、例えば液浸
により行う場合には、上記GeやSnの化合物(Snの
場合、例えばSnCl2・2H2O)をメチルアルコール
と混合し、その溶液の中に浸漬することによって実行さ
れる。
【0044】用意された光ファイバ10の所定の領域
に、被覆層の外側から紫外レーザ光を例えば、位相マス
ク22を介して照射することによって、光ファイバ10
のコア12の所定の領域に、ファイバ軸方向に第1周期
(基本周期あるいは短周期)を有するグレーティング2
0を書き込む(図6(a))。ここでは、第1周期Λ1
を0.5325(=1.065/2)μmとする。
【0045】光ファイバ10として、GeとSn(Sn
濃度は15、000ppm)とを共ドープした石英ガラ
ス系ファイバ(直径125μm)を厚さ約37.5μm
の被覆層(単層:両側で厚さ約75μm)で被覆した被
覆型光ファイバ(被覆外径約200μm)を用いる。被
覆層(不図示)は、波長約240nm〜約270nmの
紫外線に対する透過率が約10%以上の脂肪族系ウレタ
ンアクリレート(光重合開始剤:2,4,6,−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)を紫
外線硬化することによって形成する。さらに、得られた
被覆型ファイバ10の光誘起屈折率変化を大きくするた
めに、被覆型光ファイバ10を約20MPaの高圧水素
ガス中に約2週間放置し、水素充填処理を施した。ま
た、グレーティングの書き込みは、Nd−YAGレーザ
光の4倍波(4ω)である266nmのコヒーレント紫
外レーザ光(10mW)を掃引照射(約22mm)する
ことによって実行する。なお、グレーティングの書き込
みは、公知の方法で実行でき、位相マスク22を用いる
方法に限定されない。
【0046】このようにしてコア12に形成された第1
周期構造(グレーティング)20は、ファイバの長手方
向に沿って、図7(a)に示したような屈折率分布を有
している。これは、従来の単一周期構造を有する光ファ
イバグレーティングにおける屈折率分布と同じである。
【0047】次に、先に形成された第1周期構造(グレ
ーティング)20を変調するための第2周期構造をグレ
ーティング20に重畳するように形成する(図6
(b))。この第2周期構造の書き込み工程は、紫外線
照射に用いるマスク32のピッチを変更するだけで、先
の第1周期構造の書き込み工程と実質的に同じ方法で実
行することができる。なお、長周期グレーティングの書
き込みには、位相差マスク32に代えて、強度変調マス
クを用いてもよい。ここでは、第2周期Λ2を10.6
5μm、すなわち変調パラメータpを20とする。第2
周期構造は、図6(b)に示したように、屈折率が連続
的(例えば正弦関数に従って)に変化すると、サイドバ
ンドの線幅(半値幅)が狭くなるので好ましい。なお、
屈折率変化の周期構造の形状は、位相マスクまたは強度
変調マスクの構造を調整することによって、例示した矩
形波状や正弦波状に限られず種々の形状に変更され得
る。
【0048】第2周期構造を第1周期構造20に重畳す
るとは、第1周期構造20の少なくとも一部に第2周期
構造が重なっていることを言い、第1周期構造20の全
てに第2周期構造が重なる必要はない。少なくとも第2
周期の1周期分が第1周期構造に重畳されれば、2重周
期構造による変調の効果が得られうる。なお、第2周期
構造による第1周期構造20の変調の効果を十分に得る
ためには、50%程度の範囲が重なっていることが好ま
しい。
【0049】なお、第1周期構造書き込み工程と第2周
期構造書き込み工程との間に、光誘起屈折率変化を増大
するために、水素拡散処理を行ってもよい。
【0050】第2周期構造が書き込まれたグレーティン
グ30は、ファイバの長手方向に沿って、図7(b)に
示したような屈折率分布を有している。得られた光ファ
イバグレーティングは、図8の分光反射スペクトルに示
したように、第1周期に対応する第1波長(1.545
μm)と、その両側も生成された2つのサイドバンド
(第2波長1.509μm、第3波長1.585μm)
の光を選択的に反射する。また、さらに、1次のサイド
バンド(上記第2および第3波長)のさらに両側に、第
4波長1.474μmおよび第5波長1.627μmの
2次のサイドバンドの光も反射されている。
【0051】このように、屈折率2重周期構造を有する
光ファイバグレーティング30が実際製造され、この光
ファイバグレーティング30が、第1周期構造(短周期
構造)に対応する第1波長の光と、第1周期構造が第2
周期構造(長周期構造)によって変調された結果生じる
2つのサイドバンド(第2および第3波長)の光を選択
的に反射することが確認された。
【0052】なお、図7(b)に示した2重周期構造
は、厳密には、図1に示したモデル2重周期構造と異な
っている。すなわち、第1周期構造においてコア屈折率
が変化すべきでない領域(短周期構造における低屈折率
領域)の屈折率が、第2周期で変化している。これは、
上述したように、第1周期構造(短周期グレーティン
グ)を書き込んだ後に、第2周期構造(長周期グレーテ
ィング)を書き込む、分離作製法を採用したためであ
る。図8に示したように、分離作製法を用いて屈折率多
重周期構造を形成しても、ほとんどの場合に実用的なレ
ベルの反射率を有するサイドバンドが生成するが、第1
周期と第2周期との組合せによっては、十分な反射率を
有するサイドバンドが得られない可能性がある。
【0053】図7(c)に示したように、第1周期構造
においてコア屈折率が変化すべきでない低屈折率領域の
屈折率が一定で、高屈折率領域の屈折率だけが第2周期
で変化する理想的な多重構造を形成する方法として、図
6(c)に示したように、第1周期のグレーティングを
書き込むためのマスク22と第2周期のグレーティング
を書き込むためのマスク32とを重ねて紫外線を照射す
ることによって、単一の工程で、第1周期および第2周
期のグレーティングを書き込む方法(同時作製法)が考
えられる。勿論、第1周期のマスク22と第2周期のマ
スク32とを一体に形成したマスクを用いてもよい。
【0054】サイドバンドが生成される波長帯(例え
ば、第2波長および第3波長)は、上記式(1)または
(2)に基づいて予測することができる。但し、実際に
得られる多重周期構造における屈折率変化を定量的に予
測することは困難であるので、以下の方法を用いること
によって、所望の屈折率多重周期構造素子(多重周期グ
レーティング)を製造することができる。
【0055】まず、上記式の右辺のパラメータ(屈折
率、基本周期、変調パラメータ等)の値を適宜設定し、
得られる屈折率多重構造(上記式のεa(i))からト
ランスファーマトリクス法等を用いてサイドバンドの波
長帯(計算値)を求める。所望の波長帯のサイドバンド
が得られるように、上記パラメータの値を設定し直すこ
とによって、所望の屈折率多重周期構造素子の基本的な
設計(パラメータの予備的な決定)を行う。上記の設計
方法に従って予備的に決定されたパラメータに基づい
て、実際に多重周期グレーティングを作製する。実際に
作製されたグレーティンのサイドバンドの波長帯の測定
値と、目標値とを比較し、比較結果に基づいて、予備的
に決定したパラメータの設定値を修正する。修正したパ
ラメータに基づいて製造条件(マスクの周期や紫外線照
度など)を変更し、再度、実際に多重周期グレーティン
グを作製する。この後、サイドバンドの波長帯の目標値
と測定値とを比較し、目標値と測定値との差が許容範囲
内に収まるまで上記の工程を繰り返すことによって、所
望の屈折率多重周期構造素子が得られる。一旦、製造条
件(マスクの周期や紫外線照度など)を決定した後は、
同一の条件で多数の屈折率多重周期構造素子を容易に量
産することができる。
【0056】(実施形態2)第1周期(短周期)を0.
5325nm、第2周期(長周期)を202.85μm
(「p=1/約400」)として、実施形態1と同様の
方法で、屈折率2重周期構造を有する光ファイバグレー
ティングを作製する。なお、pは理論的には有理数であ
る必要があるが、p=1/400のように、pが非常に
小さな値のときには、実際に形成されるグレーティング
のピッチの精度等を考慮すると、pの有理数からのずれ
(長周期の揺らぎ)は、短周期に対して極めて鈍感であ
るので、作製上の制限とはならない。
【0057】紫外線の照射条件は、第1周期構造の書き
込み工程では、ファイバの長手方向に沿って約25mm
の範囲を上記のレーザ光を1往復走査し、第2周期構造
の書き込み工程は、所定のマスクを介して、20mmの
範囲を上記レーザ光を10分間照射した。
【0058】得られた屈折率2重周期構造を有する光フ
ァイバグレーティングは、図9の分光反射スペクトルに
示されるように、第1周期に対応する第1波長(1.5
4284μm)と、その両側も生成された2つのサイド
バンド(第2波長1.5384μm、第3波長1.54
684μm)の光を選択的に反射する。
【0059】このように、実施形態2の光ファイバグレ
ーティングの変調パラメータpは約200であり、実施
形態1の光ファイバグレーティングの変調パラメータp
よりも大きいので、第1波長とサイドバンド(第2およ
び第3)との波長との差は、実施形態1の光ファイバグ
レーティングよりも小さい。
【0060】上記の実施形態では、2つの周期構造の重
ね合わせだけを例示したが、本発明はこれに限られず、
さらに他の周期構造を重ね合わせてもよい。
【0061】また、誘電率多重周期構造として、1次元
の多重周期構造を例示したが、本発明は、2次元または
3次元の多重周期構造にも適用できる。すなわち、本発
明は、第1方向(上記の例ではコア伝搬方向)に沿って
誘電率が変化する周期構造を互いに重畳させた多重周期
構造と、第1方向とは異なる第2方向に沿って誘電率が
変化する周期構造を互いに重畳させた多重周期構造とを
有する2次元素子や、第1および第2方向と異なる第3
方向に沿って誘電率が変化する周期構造を互いに重畳さ
せた多重周期構造をさらに有する3次元素子に適用する
ことができる。
【0062】2次元的に誘電率多重周期構造を有する光
ファイバグレーティングは、例えば、ファイバ心線の作
製時に、コア伝搬方向(ファイバ軸方向)に垂直な方向
(ファイバの半径方向)に沿った屈折率多重構造を形成
し、このコアに対して上記の実施形態について説明した
方法を用いて、コア伝搬方向に沿った屈折率多重構造を
形成することによって製造され得る。コア伝搬方向に垂
直な方向に沿った屈折率多重構造を形成する具体的な方
法としては、例えば、多重周期膜堆積方法や異質物質の
多重周期挿入法、多重周期エッチング、多重周期削出し
法が挙げられる。 さらに、上記の2次元の屈折率多重
周期構造を有する光ファイバグレーティングに相当する
光導波路は、平面型光回路に用いることができる。ま
た、上述の方法を適宜組み合わせることによって、3次
元的に誘電率多重周期構造を有する光回路を製造するこ
とができる。
【0063】上記の実施形態では、光ファイバグレーテ
ィングを例に、本発明による多重誘電率周期構造素子の
構造と動作とを説明したが、本発明はこれに限られず、
所定の電磁波に対する誘電率が多重周期構造を有する素
子を形成すれば、他の波長域の電磁波にも適用できる。
例えば、サブミリ波または準ミリ波などの比較的波長が
長い電磁波を閉じ込めたり、特定の方向に指向性よく反
射させる素子を構成することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によると、互いに波長帯が異なる
複数の電磁波を選択的に反射する素子などを実現するこ
とが可能な誘電率多重周期構造素子およびその設計方法
ならびにその製造方法が提供される。
【0065】本発明を光ファイバグレーティングに適用
することによって、挟帯域で且つ互いに波長が異なる複
数の光を選択的に反射できる、屈折率多重周期構造を有
する光ファイバグレーティングが得られる。本発明によ
る光ファイバグレーティングは、波長多重通信に好適に
用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1次元の誘電率2重周期構造のモデルを示す図
である。
【図2】図1に示した誘電率2重周期構造のバンド構造
(計算)を示す図である。
【図3】図1に示した誘電率2重周期構造(ε0=8、
b/a=3)のエネルギースペクトル(光のバタフライ
ダイアグラム;計算)を示す図である。
【図4】(a)は従来の単一周期の光ファイバグレーテ
ィングの分光透過率特性を示すグラフであり、(b)は
そのエネルギーバンド図、(c)は短周期構造を長周期
構造で変調した誘電率多重周期構造を有する本発明によ
る光ファイバグレーティングの分光透過率特性を示すグ
ラフであり、(d)はそのエネルギーバンド図である。
【図5】(a)〜(e)は、誘電率多重周期構造の変調
パラメータp=0、1/5、1/10、1/15および
1/20に対応する光ファイバグレーティングの分光透
過率特性を示すグラフ(計算値)である。
【図6】(a)、(b)および(c)は、本発明による
本実施形態の光ファイバグレーティングの製造方法を説
明するための模式図である。
【図7】(a)、(b)および(c)は、図6に示した
本実施形態の光ファイバグレーティングの製造方法の各
工程における屈折率分布(周期構造)を示す模式図であ
る。
【図8】本発明の実施形態1の光ファイバグレーティン
グの分光反射スペクトルを示す図である。
【図9】本発明の実施形態2の光ファイバグレーティン
グの分光反射スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ 12 コア 14 クラッド 20 第1周期構造(グレーティング) 22、32 マスク 30 2重周期構造(グレーティング)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國府田 隆夫 東京都文京区目白台2丁目8番1号 日本 女子大学内 (72)発明者 生嶋 明 愛知県名古屋市天白区久方2丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 藤原 巧 愛知県名古屋市天白区久方2丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 今村 一雄 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 源地 武士 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2H038 AA22 BA23 2H047 KA03 LA18 TA05 2H050 AA01 AC84 AD16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電率が第1の方向に沿って第1周期Λ
    1で変化する第1周期構造と、 前記第1周期構造に重畳され、前記第1周期Λ1より長
    い第2周期Λ2で誘電率が前記第1方向に沿って変化す
    る第2周期構造と、を有し、 前記第1周期構造に対応する第1波長λ1の電磁波と、
    前記第1周期構造が前記第2周期構造によって変調され
    た結果前記第1波長λ1の長波長側と短波長側とに生じ
    る2つのサイドバンドである第2波長λ2および第3波
    長λ3の電磁波と、を選択的に反射する誘電率多重周期
    構造素子。
  2. 【請求項2】 前記第1方向とは異なる第2方向に沿っ
    て、誘電率が第3周期Λ3で変化する第3周期構造と、
    前記第3周期構造に重畳され、前記第3周期Λ3より長
    い第4周期Λ4で誘電率が前記第2方向に沿って変化す
    る第4周期構造と、をさらに有する請求項1に記載の誘
    電率多重周期構造素子。
  3. 【請求項3】 コアおよびクラッドを有する光ファイバ
    状素子であって、前記第1周期構造および第2周期構造
    は前記コアに形成されており、前記第1方向は前記光フ
    ァイバ状素子のコア伝搬方向またはコア伝搬方向に垂直
    な方向である請求項1または2に記載の誘電率多重周期
    構造素子。
  4. 【請求項4】 前記第2周期Λ2は、前記第1周期Λ1
    りも5倍以上大きい、請求項1から3のいずれかに記載
    の誘電率多重周期構造素子。
  5. 【請求項5】 前記第2周期構造において、誘電率は前
    記第1方向に沿って連続的に変化する請求項1から4の
    いずれかに記載の誘電体多重周期構造体素子。
  6. 【請求項6】 前記第1周期構造および第2周期構造の
    少なくとも一方は、チャープされた周期構造である請求
    項1から5のいずれかに記載の誘電率多重周期構造素
    子。
  7. 【請求項7】 屈折率が第1の方向に沿って第1周期Λ
    1で変化する第1周期構造と、前記第1周期構造に重畳
    され、前記第1周期Λ1より長い第2周期Λ2で屈折率が
    前記第1方向に沿って変化する第2周期構造とを有し、
    前記第1周期構造に対応する第1波長λ1の電磁波と、
    前記第1周期構造が前記第2周期構造によって変調され
    た結果前記第1波長の長波長側と短波長側とに生じる2
    つのサイドバンドである第2波長λ2および第3波長λ3
    の電磁波と、を選択的に反射する屈折率多重周期構造素
    子の製造方法であって、 光誘起屈折率変化を呈するコアと、前記コアを包囲する
    クラッドとを有する光ファイバを用意する工程と、 前記光ファイバに書き込み光を照射することによって、
    第1周期Λ1で屈折率が変化する第1周期構造と、前記
    第1周期構造に重畳され、前記第1周期Λ1より長い第
    2周期Λ2で屈折率が前記第1方向に沿って変化する第
    2周期構造と、を前記コアに形成する工程と、 を包含する屈折率多重周期構造素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2周期Λ2は、前記第1周期Λ1
    りも5倍以上大きい、請求項7に記載の屈折率多重周期
    構造素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 選択的に反射される電磁波の第1波長λ
    1、第2波長λ2および第3波長λ3(λ2<λ1<λ3)を
    設定する工程と、 第1誘電率εaを有する厚さaの第1仮想誘電体層と、
    前記第1誘電率εaと異なる第2誘電率εbを有する厚さ
    bの第2仮想誘電体層とを準備する工程と、 前記第1仮想誘電体層と前記第2誘電体層とが交互に積
    層され、前記第1波長λ1の電磁波を選択的に反射する
    第1周期構造の第1周期Λ1を求める工程と、 前記第1周期Λ1よりも長く、且つ、前記第1周期構造
    に重畳され、前記第1周期構造を変調することによって
    前記第2波長λ2および前記第3波長λ3のサイドバンド
    を生じる第2周期Λ2を、ε0=εa/εb、f(p、
    x)、p=Λ1/Λ2、Λ1=a+b、xは第1方向に沿
    った位置として表される、下記の式:εa(x)=
    {(ε0+1)/2}+{(ε0−1)/2}・f(p、
    x)に基づいて求める工程と、を包含する誘電率多重周
    期構造体素子の設計方法。
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