JP2001213344A - 作業車両の操向制御装置 - Google Patents

作業車両の操向制御装置

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JP2001213344A
JP2001213344A JP2000026528A JP2000026528A JP2001213344A JP 2001213344 A JP2001213344 A JP 2001213344A JP 2000026528 A JP2000026528 A JP 2000026528A JP 2000026528 A JP2000026528 A JP 2000026528A JP 2001213344 A JP2001213344 A JP 2001213344A
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steering
steering state
state
turning
operation amount
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JP2000026528A
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Inventor
Yoshitaka Tani
良孝 谷
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操向制御装置を備えた作業車両に於いて、オ
ペレータの意図により操向輪の作動量が増加または減少
する状態に切り換えるとともに、この切り換え操作を容
易且つ安全に行えるようにする。 【解決手段】 ステアリングハンドル32の回転操作に
応じて、パワーステアリング操向ユニット33から操向
シリンダ34へ圧力油を送り、前輪26を左右へ操向さ
せるトラクタ10に於いて、クラッチペダル25の踏み
込み操作に連動して作動する予告スイッチ41を設け、
オペレータの意図によって該予告スイッチ41が作動し
たときは、直ちに操向シリンダ34への圧力油を増量し
て、前輪26の作動量を大きくする。更に、該予告スイ
ッチ41を再度作動したときは、直ちに操向シリンダ3
4への圧力油を減量して、前輪26の作動量を小さくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業車両の操向制御
装置に関するものであり、特に、トラクタや田植機等の
操向制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の此種作業車両では、ステアリング
ハンドルや操向レバー等の操向操作部の操作に対して操
向輪の作動量を変更し、車両を該操向操作部の操作量に
対して操向輪の作動量が小さい第1操向状態と、該操向
操作部の操作量に対して操向輪の作動量が前記第1操向
状態よりも大きい第2操向状態とに切換可能に構成した
ものが知られている。
【0003】例えば、ステアリングハンドルの回転操作
に応じて操向用油圧アクチュエータへ圧力油を送るパワ
ーステアリング操向ユニットと、該パワーステアリング
操向ユニットから前記操向用油圧アクチュエータへ送ら
れる圧力油の流量を調整する制御弁とを備え、ステアリ
ングハンドルの操作に対して前記操向用油圧アクチュエ
ータの作動速度を変更する操向制御装置を有したものが
知られている。
【0004】該操向制御装置は、作業時に直進状態であ
るとき、即ち、前記ステアリングハンドルが中立位置を
中心とする所定角の範囲内で操作されている状態では、
ステアリングハンドルの回転操作による操向用油圧アク
チュエータの作動速度を遅くし、操向輪の作動量を小さ
くして車両の直進性を維持する。そして、旋回動作が開
始されたとき、即ち、前記ステアリングハンドルが所定
角以上に回転操作されたときは、ステアリングハンドル
の操作量を検出して前記制御弁が切り換わり、操向用油
圧アクチュエータへの圧力油の流量を増大することによ
り、ステアリングハンドルの回転操作による操向用油圧
アクチュエータの作動速度を速くし、操向輪の作動量を
大きくして車両の旋回性を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の操向制
御装置はステアリング操作の検出タイミングが遅く、旋
回動作の当初は前記制御弁が切り換わらないため、オペ
レータの意図する操向輪の俊敏な作動量増加が困難であ
った。一方、ステアリング操作の検出感度を敏感に調整
し過ぎると、直進耕耘中での僅かなステアリング操作に
よって前記制御弁が切り換わり、操向輪の作動量が急激
に大きくなって過敏なステアリング特性となり操作性が
悪化する。更に、旋回終了まで操向輪の作動量が大きい
と車両の直進性が悪くて隣接の条合わせが困難となる。
【0006】また、運転席近傍のメータパネル等にスイ
ッチ等を設け、該スイッチを手動で切り換えることによ
って操向輪の作動量を切り換えることも考えられるが、
オペレータが一方の手でスイッチを入り切りしながら、
他方の手でステアリングハンドルを操作することにな
り、操作性が悪く且つ安全性の面でも問題がある。
【0007】そこで、操向制御装置を備えた作業車両に
於いて、オペレータの意図により操向輪の作動量が増加
または減少する状態に切り換えるとともに、この切り換
え操作を容易且つ安全に行えるようにするために解決す
べき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課
題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、操向操作部の操作に
対して操向輪の作動量を変更し、車両を前記操向操作部
の操作量に対して操向輪の作動量が小さい第1操向状態
と、前記操向操作部の操作量に対して操向輪の作動量が
前記第1操向状態よりも大きい第2操向状態とに切り換
え可能に構成した作業車両に於いて、該車両には前記第
1操向状態と第2操向状態とを任意に且つ直ちに切り換
える設定部を設け、前記設定部の操作状態の如何に拘わ
らず第1操向状態に保持する操向制御の入り切り手段を
備えた作業車両の操向制御装置、及び、操向操作部の操
作に対して操向輪の作動量を変更し、車両を前記操向操
作部の操作量に対して操向輪の作動量が小さい第1操向
状態と、前記操向操作部の操作量に対して操向輪の作動
量が前記第1操向状態よりも大きい第2操向状態とに切
り換え可能に構成した作業車両に於いて、該車両には旋
回動作を検出する手段と、前記第1操向状態と第2操向
状態とを任意に切り換える設定部とを設け、第1操向状
態中に旋回動作の検出により第2操向状態に切り換わ
り、然る後に前記設定部の操作があったときは、旋回動
作の検出に優先して第1操向状態に切り換える制御手段
を備えた作業車両の操向制御装置、及び、操向操作部の
操作に対して操向輪の作動量を変更し、車両を前記操向
操作部の操作量に対して操向輪の作動量が小さい第1操
向状態と、前記操向操作部の操作量に対して操向輪の作
動量が前記第1操向状態よりも大きい第2操向状態とに
切り換え可能に構成した作業車両に於いて、該車両には
旋回動作を検出する手段と、前記第1操向状態と第2操
向状態とを任意に切り換える設定部とを設け、第1操向
状態中に前記設定部の操作により第2操向状態に切り換
わり、然る後に旋回動作があったときは、旋回動作終了
以前に第1操向状態に切り換える制御手段を備えた作業
車両の操向制御装置、並びに、操向操作部の操作に対し
て操向輪の作動量を変更し、車両を前記操向操作部の操
作量に対して操向輪の作動量が小さい第1操向状態と、
前記操向操作部の操作量に対して操向輪の作動量が前記
第1操向状態よりも大きい第2操向状態とに切り換え可
能に構成した作業車両に於いて、該車両には旋回動作を
検出する手段と、前記第1操向状態と第2操向状態とを
任意に切り換える設定部とを設け、第1操向状態中に前
記設定部の操作により第2操向状態に切り換わり、然る
後に再度前記設定部の操作があったときは、旋回動作の
検出に優先して第1操向状態に切り換える制御手段を備
えた作業車両の操向制御装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳述する。図1は作業車両の一例としてトラ
クタ10を示し、車両の前部にエンジン11を搭載し、
車両の後部にリンク機構12を介してロータリ作業機1
3が連結されている。前記リンク機構12はトップリン
ク14と左右のロワリンク15,15とからなり、ミッ
ションケース16の後上部に回動可能に設けられた左右
のリフトアーム17,17の先端部と左右のロワリンク
15,15とが、夫々リフトロッド18,18を介して
連結されている。
【0010】そして、ミッションケース16の上部に内
蔵されたリフトシリンダ19の伸縮により、前記リフト
アーム17,17が上下に回動すれば、リフトロッド1
8,18を介してロワリンク15,15が上下動する。
斯くして、前記ロータリ作業機13が上下に昇降する。
また、前記リフトアーム17の回動基部には作業機の高
さを検出する手段であるリフトアーム角センサ20が設
けられ、このリフトアーム角センサ20にてリフトアー
ム17の回動角を検出し、ロータリ作業機13の昇降高
さを演算する。
【0011】一方、運転席21の近くには、前記ロータ
リ作業機13の昇降高さを設定するポジションレバー2
2や、変速装置の変速位置を切り換える変速レバー23
を設けてある。また、運転席21の前方にハンドルポス
ト30を設け、このハンドルポスト30内にステアリン
グシャフト31を回転自在に内装し、該ステアリングシ
ャフト31の上端部に操向操作部であるステアリングハ
ンドル32を取り付けるとともに、該ステアリングシャ
フト31の下端部にパワーステアリング操向ユニット3
3を装着してある。更に、前記ステアリングハンドル3
2の下方には、足元の右側に左右独立して作動するブレ
ーキペダル24,24を設け、左側にクラッチペダル2
5を配置してある。尚、26は操向輪である前輪、27
は後輪である。
【0012】図2及び図3に示すように、車両の前部フ
レーム28には操向用油圧アクチュエータである操向シ
リンダ34が一体的に固定され、該操向シリンダ34の
左右に突出したピストンロッド34a,34aの先端部
と、前輪26,26のナックルアーム35,35とを、
タイロッド36,36にて接続する。尚、29は前輪2
6,26を支持するフロントアクスルケースである。
【0013】図4は前記ハンドルポスト30の内部を示
し、ステアリングシャフト31の下端部にパワーステア
リング操向ユニット33を装着してあり、該パワーステ
アリング操向ユニット33の後面部に設けられている油
圧ポートを覆うように方向制御弁37を取り付けてあ
る。38はステアリングハンドル32の操作量を検出し
て車両の旋回動作を検出する手段としてのステアリング
切れ角センサであり、39は後述する操向制御の入り切
り手段である操向制御スイッチである。
【0014】また、前記クラッチペダル25の回動ボス
25aにアーム40を突設し、このアーム40の後部に
操向制御の予告スイッチ41を設ける。該予告スイッチ
41はモーメンタリスイッチを使用し、前記クラッチペ
ダル25を踏み込んだときは前記アーム40に押圧され
て予告スイッチ41がオンとなり、前記クラッチペダル
25の踏み込みが解除されたときは前記アーム40が離
反して予告スイッチ41がオフとなる。該予告スイッチ
は、後述するように第1操向状態と第2操向状態とを任
意に切り換える設定部となる。尚、前記予告スイッチ4
1の取り付け位置は、クラッチペダル25の回動基部近
傍に限定されるべきではなく、左右のブレーキペダル2
4またはアクセルペダル(図示せず)の回動基部に設け
てもよい。或いは、予告スイッチ専用のペダルやウイン
カレバーのような自動復帰型のレバーであってもよい。
【0015】次に、図5乃至図8に従って、本発明の操
向制御装置の構成について説明する。図5及び図6に示
すように、前記エンジン11にてメインポンプ42及び
サブポンプ43が駆動され、前記メインポンプ42の吐
出油はL/Cフィルタ44を通ってリフトシリンダ19
へ供給されるとともに、前輪増速クラッチ45や左右ブ
レーキシリンダ46,47等、他の油圧機器に送られ
る。コントローラ70からリフト用電磁制御弁48の上
昇ソレノイド49または下降ソレノイド50に指令信号
が送られると、該電磁制御弁48が切り換わって前記リ
フトシリンダ19が伸縮し、リフトアーム17が上下に
回動して前記ロータリ作業機13が昇降する。このと
き、前記リフトアーム角センサ20の検出信号がコント
ローラ70に入力され、該コントローラ70にて作業機
の高さを算出する。
【0016】そして、コントローラ70から前輪増速用
電磁制御弁51のソレノイド52に指令信号が送られる
と、該電磁制御弁51が切り換わって前輪増速クラッチ
45が入り側に作動し、前輪26の周速度が後輪27の
周速度の略2倍に増速される。また、コントローラ70
から左ブレーキ用電磁制御弁53のソレノイド54に指
令信号が送られると、左ブレーキシリンダ46が駆動さ
れて左側の後輪27にブレーキが掛かり、右ブレーキ用
電磁制御弁55のソレノイド56に指令信号が送られる
と、右ブレーキシリンダ47が駆動されて右側の後輪2
7にブレーキが掛かる。
【0017】一方、サブポンプ43の吐出油はパワース
テアリング操向ユニット33へ送られ、ステアリングハ
ンドル32の回転操作量に応じて操向シリンダ34に供
給される。前記パワーステアリング操向ユニット33と
操向シリンダ34との間には操向状態を切り換えるため
の電磁制御弁57が介装されており、該電磁制御弁57
がノーマル位置(イ)では操向シリンダ34に送られる
圧力油の一部をタンク58に分岐して、操向シリンダ3
4への供給量を小にしている。従って、操向シリンダ3
4の作動速度が比較的遅く、前記ステアリングハンドル
32の回転操作に対する前輪26の作動量が小さい(切
れ角変化が緩慢)第1操向状態となっている。
【0018】これに対して、制御手段であるコントロー
ラ70から該電磁制御弁57のソレノイド59に指令信
号が送られると、該電磁制御弁57が(ロ)位置に切り
換わって、パワーステアリング操向ユニット33からの
圧力油が全量操向シリンダ34に供給される。従って、
操向シリンダ34の作動速度が速くなり、前記ステアリ
ングハンドル32の回転操作に対する前輪26の作動量
が前記第1操向状態よりも大きい(切れ角変化が俊敏)
第2操向状態となる。
【0019】尚、60は旋回制御スイッチであり、該旋
回制御スイッチ60がオンのときは、ステアリング切れ
角センサ38の検出信号から旋回動作を判別し、旋回時
にリフトアーム17を上昇してロータリ作業機13を所
定高さに上昇させるとともに、ブレーキシリンダ46ま
たは47を駆動して旋回内側のブレーキを作動させて、
小回り旋回可能な旋回制御モードとなる。また、61は
前輪増速制御スイッチであり、該前輪増速制御スイッチ
61がオンのときは、旋回時に前輪増速クラッチ45を
入り側に作動して前輪26の周速度を増速させる前輪増
速制御モードとなる。更に、前記操向制御スイッチ39
がオンのときは、旋回時に前記電磁制御弁57を自動的
に(ロ)位置に切り換えて、前記第1操向状態から前輪
26の切れ角変化が大きい第2操向状態となる。
【0020】図7は変形例を示し、前記電磁制御弁57
に代えてパイロット制御弁57Aを設け、該パイロット
制御弁57Aのパイロットポート59Aに前記前輪増速
クラッチ45からの分岐油路62を接続する。斯かる構
成の場合は、旋回時に前輪増速用電磁制御弁51が切り
換わって前輪増速クラッチ45が入り側に作動するのに
連動して、該パイロット制御弁57Aが(ロ)位置に切
り換わり、パワーステアリング操向ユニット33からの
圧力油が全量操向シリンダ34に供給される。即ち、旋
回時に前輪26が増速されると同時に、前輪26の切れ
角変化が俊敏である第2操向状態となる。このように、
パイロット制御弁57Aを使用することにより、メカ式
の構成でコントローラ70の負担を減らすことができ
る。尚、前輪増速クラッチ45へ供給する圧力油が低圧
であっても、該パイロット制御弁57Aを切り換えるパ
イロット圧としては十分な作動圧を有する。
【0021】ここで、旋回時に車速を自動的に減速して
安全性を確保する制御が知られており、通常は旋回時に
エンジン回転数を低下させる方式が採られている。しか
し、この方式ではエンジン回転数の低下に伴って油圧ポ
ンプの吐出量も少なくなり、油圧機器の作動が円滑に行
われなくなる虞がある。例えば、旋回時にパワーステア
リング操向ユニット33から操向シリンダ34に供給さ
れる圧力油の流量が減少して、ステアリングハンドル3
2の操作に引っかかり感が生じたり、或いは、ステアリ
ング操作不能に陥る。
【0022】これを防止するために、図8に示すよう
に、エンジン11にて駆動されるメインポンプ42の吐
出油が、パワーステアリング操向ユニット33と前後進
切換クラッチ63等に供給されている場合、前後進切り
換え用の電磁制御弁64の前段に切換弁65を設ける。
直進走行時は該切換弁65が(ハ)位置にあって圧力油
を全量通過させるため、前後進切換クラッチ63が全圧
で入り状態となるが、旋回時は該切換弁65が(ニ)位
置に切り換わって圧力油の流量を減少させるため、前後
進切換クラッチ63が滑り状態となる。従って、エンジ
ン回転数を低下させることなく、旋回時は前後進切換ク
ラッチ63の伝達力が減少して車速が自動的に減速され
る。
【0023】尚、図示は省略するが、前記パワーステア
リング操向ユニット33の後段に設けられている電磁制
御弁57に、前後進切換クラッチ63へ圧力油を供給す
るポートを追加し、該ポートの前記(ロ)位置に絞りを
設けて圧力油を前後進切換クラッチ63へ供給すれば、
旋回時には操向シリンダ34への供給量が増加されて前
輪26の切れ角変化が俊敏となるとともに、前後進切換
クラッチ63への流量が減少して前後進切換クラッチ6
3が滑り状態となって車速が低下する。
【0024】次に、図9乃至図11に従って、本発明の
操向制御装置の動作について説明する。先ず、各種スイ
ッチやセンサ類の読み込みを行い(Step1)、初期状態
ではステアリングハンドル32の回転操作に対する前輪
26の作動量が小さい第1操向状態となる。操向制御ス
イッチ39がオンとなったとき(時間t1)から、前記
第1操向状態と第2操向状態とに任意に切り換え可能な
操向制御モードとなる(Step2)。
【0025】操向制御モードでは、第1操向状態と第2
操向状態とを任意に切り換える設定部である前記予告ス
イッチ41がオンでなければ(Step3→5)、ステアリン
グ切れ角センサ38の検出信号から車両の旋回動作を監
視し、ステアリングハンドル32が中立位置を中心とす
る所定角の範囲から外れた場合は旋回動作が開始された
ときと見做して(Step5→6)、図11(a)または
(b)に示すように、旋回動作開始(時間t3)に連動
して前記パワステ用ソレノイド59に指令信号を出力す
る(Step6)。従って、前記電磁制御弁57が(ロ)位
置に切り換わり、パワーステアリング操向ユニット33
から送られる圧力油の全量が操向シリンダ34へ供給さ
れるので、操向シリンダ34の作動量が大となり、ステ
アリングハンドル32の回転操作に対する前輪26の作
動量が大である第2操向状態に切り換わる。
【0026】ここで、操向制御モード中のStep3に於い
て、オペレータが意図的に前記クラッチペダル25を軽
く1回踏み込めば予告スイッチ41がオンとなり、フラ
グSが設定された後に(Step3→4)、このオン信号によ
りコントローラ70から前記ソレノイド59に指令信号
が出力される(Step4→6)。即ち、図12(a)または
(b)に示すように、オペレータがクラッチペダル25
を軽く踏み込んで予告スイッチ41をオンすることによ
り(時間t2)、ステアリングハンドル32が旋回動作
開始位置(時間t3)に至る以前に前記電磁制御弁57
が(ロ)位置に切り換わる。
【0027】斯くして、旋回開始動作に先立ってオペレ
ータが意図的に予告スイッチ41を作動させることによ
り、操向状態が直ちに切り換わって、ステアリングハン
ドル32の回転操作に対する前輪26の作動量が大であ
る第2操向状態となり、車両の旋回性が著しく向上す
る。即ち、前記第1操向状態中に予告スイッチ41の作
動があったときは、旋回動作の検出に優先して第2操向
状態に切り換わる。
【0028】次に、前記第2操向状態を解除する手順に
ついて説明する。前記予告スイッチ41の作動なしで旋
回動作開始と同時に操向制御が開始されている場合はフ
ラグSがなく(Step7→8)、且つ、旋回中にクラッチペ
ダル25の踏み込み操作がない場合は、図11(a)に
示すように、ステアリングハンドル32が中立位置を中
心とする所定角の範囲に戻って旋回動作が終了したとき
(時間t6)に、コントローラ70からの指令信号が停
止されて前記ソレノイド59がオフとなり(Step8→9→
13)、第2操向状態から第1操向状態に切り換わった後
にフラグSをクリアする(Step14)。即ち、第1操向状
態中に旋回動作の検出により第2操向状態に切り換わ
り、更に、第2操向状態中に旋回動作を終了したとき
は、予告スイッチ41の作動がなくても該予告スイッチ
41の作動に優先して第1操向状態に切り換わる。
【0029】しかし、旋回動作が終了する以前に、前記
Step8に於いて、図11(b)に示すように、クラッチ
ペダル25を1回軽く踏み込んで予告スイッチ41がオ
ンとなったとき(時間t4)は、直ちにコントローラ7
0からの指令信号が停止されて前記ソレノイド59がオ
フとなり(Step8→13)、第1操向状態に切り換わる。
即ち、第1操向状態中に旋回動作の検出により第2操向
状態に切り換わり、更に、第2操向状態中に旋回動作を
終了する以前に予告スイッチ41の作動があったとき
は、旋回動作の検出に優先して第1操向状態に切り換わ
る。
【0030】これに対して、予告スイッチ41の作動に
て操向制御が開始されている場合はフラグSがあり(St
ep7→10)、且つ、図12(a)に示すように、旋回動
作が開始された(時間t3)後に、ステアリングハンド
ル32が中立位置を中心とする所定角の範囲に戻って旋
回動作が終了する以前に(時間t5)に、コントローラ
70からの指令信号が停止されて前記ソレノイド59が
オフとなり(Step11→12→13)、第2操向状態から第1
操向状態に切り換わった後にフラグSをクリアする(St
ep14)。即ち、第1操向状態中に前記予告スイッチ41
の作動により第2操向状態に切り換わり、更に、旋回動
作があったときは、予告スイッチ41の作動がなくて
も、旋回動作が終了する以前に(時間t5)に第1操向
状態に切り換わる。
【0031】しかし、旋回動作が終了する以前に、前記
Step10に於いて、図12(b)に示すように、クラッチ
ペダル25を再度軽く踏み込んで予告スイッチ41がオ
ンとなったとき(時間t4)は、直ちにコントローラ7
0からの指令信号が停止されて前記ソレノイド59がオ
フとなり(Step10→13)、第1操向状態に切り換わる。
即ち、第1操向状態中に前記予告スイッチ41の作動に
より第2操向状態に切り換わった場合は、旋回動作の有
無に拘わらず、旋回動作の検出に優先して第1操向状態
に切り換わる。
【0032】このように、予告スイッチ41の作動にて
操向制御が開始されている場合は、旋回動作が終了する
とき(時間t6)即ちステアリングハンドル32が戻さ
れて旋回中の片ブレーキ動作や前輪増速動作が終了する
ときではなく、それよりやや早いタイミング(時間
5)にて第2操向状態から第1操向状態に切り換わる
ことにより、直線走行に近づいたときに早目に前輪26
の作動量が小さくなって、隣接の条合わせ等が容易とな
る。尚、前記Step12に於いて、旋回中にクラッチペダル
25の踏み込み操作がない場合の操向状態の切り換えタ
イミングを、旋回動作が終了したとき(時間t6)にし
てもよい。
【0033】尚、前記操向制御スイッチ39のオンにて
操向制御が開始されると、先ず第1操向状態となるが、
その後は予告スイッチ41の作動状態に拘わらず前記操
向制御スイッチ39をオフすることによって、操向制御
をキャンセルすることができる。例えば、第1操向状態
でオペレータが誤って予告スイッチ41をオンした場合
は第2操向状態に切り換わるが、このときは、クラッチ
ペダル25を踏み込んで再度予告スイッチ41をオンす
るか、前記操向制御スイッチ39をオフすることによ
り、第1操向状態に復帰して安全を確保することができ
る。
【0034】而して、本発明は、本発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0035】
【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したよ
うに、請求項1記載の発明は第1操向状態と第2操向状
態とに切り換え可能に構成した作業車両に於いて、前記
第1操向状態と第2操向状態とを任意に且つ直ちに切り
換える設定部を設け、前記設定部の操作状態の如何に拘
わらず第1操向状態に保持する操向制御の入り切り手段
を備えたことにより、該操向制御の入り切り手段を切り
にすれば操向制御が停止されて第1操向状態に保持され
て安全性を確保できる。
【0036】請求項2記載の発明は第1操向状態と第2
操向状態とに切り換え可能に構成した作業車両に於い
て、第1操向状態中に旋回動作の検出により第2操向状
態に切り換わった後、設定部の操作があったときは、旋
回動作の検出に優先して第1操向状態に切り換わるた
め、旋回終了前に前輪26の作動量が小さくなって車両
の直進性を確保でき、隣接の条合わせ等が容易となる。
【0037】請求項3記載の発明は、第1操向状態と第
2操向状態とに切り換え可能に構成した作業車両に於い
て、第1操向状態中に設定部の操作により第2操向状態
に切り換わった後、旋回動作があったときは、旋回動作
終了以前に第1操作状態に切り換わるため、旋回終了よ
りも早目に操向輪の作動量が小さくなって車両の直進性
を確保できる。
【0038】請求項4記載の発明は、第1操向状態と第
2操向状態とに切り換え可能に構成した作業車両に於い
て、第1操向状態中に設定部の操作により第2操向状態
に切り換わった後、再度設定部の操作があったときは、
旋回動作の検出に優先して第1操向状態に切り換わるた
め、旋回終了前に前輪26の作動量が小さくなって、隣
接の条合わせ等が容易となる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】フロントアクスルケースに取り付けた操向シリ
ンダの平面図。
【図3】フロントアクスルケースに取り付けた操向シリ
ンダの一部切欠正面図。
【図4】ハンドルポストの一部切欠側面図。
【図5】制御回路図。
【図6】ブロック図。
【図7】変形例を示す制御回路図。
【図8】他の一例を示す制御回路図。
【図9】フローチャート、その1。
【図10】フローチャート、その2。
【図11】(a)及び(b)はタイミングチャート、そ
の1。
【図12】(a)及び(b)はタイミングチャート、そ
の2。
【符号の説明】
10 トラクタ 21 運転席 25 クラッチペダル 26 前輪 32 ステアリングハンドル 33 パワーステアリング操向ユニット 34 操向シリンダ 38 ステアリング切れ角センサ 39 操向制御スイッチ 41 予告スイッチ 57 電磁制御弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作部の操作に対して操向輪の作動
    量を変更し、車両を前記操向操作部の操作量に対して操
    向輪の作動量が小さい第1操向状態と、前記操向操作部
    の操作量に対して操向輪の作動量が前記第1操向状態よ
    りも大きい第2操向状態とに切り換え可能に構成した作
    業車両に於いて、該車両には前記第1操向状態と第2操
    向状態とを任意に且つ直ちに切り換える設定部を設け、
    前記設定部の操作状態の如何に拘わらず第1操向状態に
    保持する操向制御の入り切り手段を備えたことを特徴と
    する作業車両の操向制御装置。
  2. 【請求項2】 操向操作部の操作に対して操向輪の作動
    量を変更し、車両を前記操向操作部の操作量に対して操
    向輪の作動量が小さい第1操向状態と、前記操向操作部
    の操作量に対して操向輪の作動量が前記第1操向状態よ
    りも大きい第2操向状態とに切り換え可能に構成した作
    業車両に於いて、該車両には旋回動作を検出する手段
    と、前記第1操向状態と第2操向状態とを任意に切り換
    える設定部とを設け、第1操向状態中に旋回動作の検出
    により第2操向状態に切り換わり、然る後に前記設定部
    の操作があったときは、旋回動作の検出に優先して第1
    操向状態に切り換える制御手段を備えたことを特徴とす
    る作業車両の操向制御装置。
  3. 【請求項3】 操向操作部の操作に対して操向輪の作動
    量を変更し、車両を前記操向操作部の操作量に対して操
    向輪の作動量が小さい第1操向状態と、前記操向操作部
    の操作量に対して操向輪の作動量が前記第1操向状態よ
    りも大きい第2操向状態とに切り換え可能に構成した作
    業車両に於いて、該車両には旋回動作を検出する手段
    と、前記第1操向状態と第2操向状態とを任意に切り換
    える設定部とを設け、第1操向状態中に前記設定部の操
    作により第2操向状態に切り換わり、然る後に旋回動作
    があったときは、旋回動作終了以前に第1操向状態に切
    り換える制御手段を備えたことを特徴とする作業車両の
    操向制御装置。
  4. 【請求項4】 操向操作部の操作に対して操向輪の作動
    量を変更し、車両を前記操向操作部の操作量に対して操
    向輪の作動量が小さい第1操向状態と、前記操向操作部
    の操作量に対して操向輪の作動量が前記第1操向状態よ
    りも大きい第2操向状態とに切り換え可能に構成した作
    業車両に於いて、該車両には旋回動作を検出する手段
    と、前記第1操向状態と第2操向状態とを任意に切り換
    える設定部とを設け、第1操向状態中に前記設定部の操
    作により第2操向状態に切り換わり、然る後に再度前記
    設定部の操作があったときは、旋回動作の検出に優先し
    て第1操向状態に切り換える制御手段を備えたことを特
    徴とする作業車両の操向制御装置。
JP2000026528A 2000-02-03 2000-02-03 作業車両の操向制御装置 Pending JP2001213344A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006170330A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 作業用走行車

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