JP2001213032A

JP2001213032A - プリントシステム、プリンタ、プリンタ用の記録剤カートリッジ及びプリンタのホスト装置

Info

Publication number: JP2001213032A
Application number: JP2000032748A
Authority: JP
Inventors: Shinji Tanaka; 慎治田中
Original assignee: Seiko Epson Corp
Current assignee: Seiko Epson Corp
Priority date: 2000-02-04
Filing date: 2000-02-04
Publication date: 2001-08-07

Abstract

(57)【要約】【課題】プリンタにセットされた記録剤の種類に適合
しない誤った用紙が選択されないようにして、常に、良
好な印刷結果が得られるようにする。【解決手段】ホスト装置５のプリンタドライバ７又は
プリンタ状況モニタ８は、プリンタ５へコマンドを送信
して、プリンタ５からインクカートリッジ１９のEEPROM
２１に記憶されているインク特性の情報を取得する。プ
リンタドライバ７は、取得したインク特性情報からプリ
ンタ５に装着されたインクカートリッジ１９で印刷可能
な用紙種類を判断し、その用紙種類だけをユーザが選択
できる内容の用紙選択メニューを設定し、プリンタドラ
イバ７の設定画面にその用紙選択メニューを表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタなどを用いたプリントシステムに関し、特に、記
憶媒体を備えた記録剤カートリッジを用いて良好な印刷
結果が得られるようなプリントシステムに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】普通のインクと特殊なインクというよう
に、異なる種類のインクが使用できるインクジェットプ
リンタが知られている。このようなプリンタでは、使用
するインクの種類によって印刷できる用紙の種類が異な
ることがある。たとえば、普通インクは、普通紙や写真
専用紙やＯＨＰ用プラスチックシートや官製はがきなど
に印刷でき、一方、特殊インキは、フォトプリントコー
ト紙（ＰＰコート紙）及びＯＨＰプラスチックシートの
みに印刷できるというように、普通インクと特殊インク
とで印刷できる用紙が異なっている。

【０００３】また、プリンタで印刷を行うとき、通常、
ユーザはホストコンピュータのプリンタドライバを起動
し、プリンタドライバの画面上で、使用する用紙の選択
などの印刷条件を設定した上で、プリンタドライバから
印刷ジョブデータをプリンタへ送信する。

【０００４】このとき、プリンタドライバの画面上で用
紙の選択を行う場合、プリンタドライバの画面には、そ
のプリンタで使用可能な全ての用紙種類のリストが表示
されるので、ユーザは、表示されたリストの中から実際
に使用する用紙種類を選択して印刷を実行している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
の種類によって使用できる用紙が異なる場合、ユーザ
は、現在プリンタにセットされているインクの種類では
使用できない用紙をプリンタドライバの画面上で選択し
てしまう可能性がある。そのような誤った用紙を選択し
て印刷ジョブをプリンタに送れば、当然であるが、正常
な印刷結果は得られない。

【０００６】上記の問題は、インクジェットプリンタだ
けに限らず、レーザプリンタや複写機などの各種のプリ
ンタにおいて、使用できる用紙種類の異なる複数種類の
記録剤（トナー、インクなど）カートリッジが使用可能
なものに共通することである。

【０００７】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、インクの種類に適合しない
ような誤った用紙が選択されないようにして、常に、良
好な印刷結果が得られるようなプリントシステムを提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の第１の観点に従うプリントシステムは、
プリンタと、このプリンタを制御するホスト装置とが、
互いに通信可能に接続されて構成されているものであっ
て、プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記録剤カ
ートリッジが装着されており、その記憶媒体には、その
記録剤カートリッジに含まれる記録剤の用紙に対する特
性に関する情報である対メディア特性情報が記憶されて
いる。ホスト装置は、設定画面を表示して、この設定画
面上でユーザの設定した用紙種類に基づいて印刷データ
を作成して前記プリンタに送信するプリンタドライバを
備えている。さらに、ホスト装置又はプリンタの少なく
とも一方は、上記記憶媒体から対メディア特性情報を読
み込む情報読み込み手段と、読み込んだ対メディア特性
情報に基づいて、現在使用されている記録剤で使用でき
る用紙種類を判断する情報判断手段と、この情報判断手
段で判断された用紙種類のみが選択できる内容に、用紙
選択メニューを設定するメニュー設定手段とを備える。
そして、ホスト装置のプリンタドライバは、メニュー設
定手段で設定された用紙選択メニューを、その設定画面
に表示させる。この設定画面上では、ユーザは、カート
リッジの記録剤に適合した用紙種類しか選択することが
できない。

【０００９】本発明の第２の観点に従うプリントシステ
ムは、プリンタと、このプリンタを制御するホスト装置
とが、互いに通信可能に接続されて構成されているもの
であって、プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記
録剤カートリッジが装着されており、この記憶媒体に
は、記録剤カートリッジに含まれる記録剤の用紙に対す
る特性に関連する情報である対メディア特性情報が記憶
されている。ホスト装置は、ユーザの設定した用紙種類
に基づいて印刷データを作成してプリンタに送信するプ
リンタドライバを備えている。さらに、ホスト装置又は
プリンタの少なくとも一方は、記憶媒体から対メディア
特性情報を読み込む情報読み込み手段と、読み込んだ対
メディア特性情報に基づいて、プリンタドライバに設定
されている用紙種類が、記録剤カートリッジに対して適
合するか否かを判断する適合性判断手段と、この適合性
判断手段が、プリンタドライバに設定されている用紙種
類が不適合であると判断したとき、ユーザに用紙不適合
を通知する通知手段と備える。よって、ユーザがプリン
タドライバに設定した用紙種類が、カートリッジの記録
剤に不適合である場合には、それを確実に知ることがで
きるので、適合した用紙種類に設定を変えることができ
る。

【００１０】本発明のプリントシステムにおいて、プリ
ンタには、複数種類の用紙がセットでき且つセットされ
た用紙を自動選択する給紙装置を設けて、そして、ホス
ト装置又はプリンタの少なくとも一方に、上記対メディ
ア特性情報に基づいて、記録剤カートリッジに適合した
種類の用紙を選択するように上記給紙装置を制御する手
段を更に設けても良い。

【００１１】本発明の第３の観点に従うプリンタは、ホ
スト装置と通信可能に接続されるものであって、記憶媒
体を有する交換可能な記録剤カートリッジが装着され、
その記憶媒体には、その記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関する情報である対メディ
ア特性情報が記憶されている。そして、このプリンタ
は、ホスト装置から印刷データを受けて、記録剤カート
リッジを用いて印刷を行う手段と、ホスト装置からの要
求に応答して、記録剤カートリッジの記憶媒体から対メ
ディア特性情報を読み込んでホスト装置へ送る手段とを
備えている。そのため、ホスト装置は、プリンタからの
対メディア特性情報に基づいて、記録剤カートリッジに
適合した用紙種類を判断することが可能になる。

【００１２】本発明の第４の観点に従うプリンタは、ホ
スト装置と通信可能に接続されるものであって、記憶媒
体を有する交換可能な記録剤カートリッジが装着され、
その記憶媒体には、その記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関する情報である対メディ
ア特性情報が記憶されている。そして、このプリンタ
は、ホスト装置から印刷データを受けて、記録剤カート
リッジを用いて印刷を行う手段と、ホスト装置からの要
求に応答して、記録剤カートリッジの記憶媒体から対メ
ディア特性情報を読み、この対メディア特性情報に基づ
き記録剤カートリッジに適合した用紙種類を判断し、こ
の用紙種類を前記ホスト装置へ通知する手段とを備え
る。これにより、ホスト装置は、記録剤カートリッジに
適合した用紙種類を認識することが可能になる。

【００１３】本発明のプリンタは、複数種類の用紙がセ
ットでき且つセットされた用紙を自動選択する給紙装置
と、ホスト装置からの命令、又は対メディア特性情報に
基づく適合する用紙種類の判断結果に応答して、記録剤
カートリッジに適合した種類の用紙を選択するように給
紙装置を制御する手段とを更に備えることができる。

【００１４】本発明の第５の観点に従う、記プリンタに
着脱自在に装着される記録剤カートリッジは、プリンタ
からアクセス可能な記憶媒体であって、記録剤カートリ
ッジに含まれる記録剤の用紙に対する特性を示す情報で
ある対メディア特性情報が記憶された記憶媒体を備えて
いる。この記録剤カートリッジをプリンタに装着するこ
とで、プリンタ及びホスト装置からなるプリントシステ
ムは、カートリッジの記憶媒体から対メディア特性情報
を読み込んで、この対メディア特性情報に基づいてその
カートリッジに適合した用紙種類を判断することが可能
になる。

【００１５】本発明の第６の観点に従う、プリンタと通
信可能に接続されてプリンタを制御するホスト装置は、
次のようなプリンタに適用される。すなわち、プリンタ
には、記憶媒体を有する交換可能な記録剤カートリッジ
が装着されており、記憶媒体には、記録剤カートリッジ
に含まれる記録剤の用紙に対する特性に関する情報であ
る対メディア特性情報が記憶されており、更に、プリン
タが、記憶媒体から対メディア特性情報を読み込む情報
読み込み手段を備えている。この場合において、ホスト
装置は、設定画面を表示して、この設定画面上でユーザ
の設定した用紙種類に基づいて印刷データを作成して前
記プリンタに送信する手段と、プリンタから、上記情報
読み込み手段が読み込んだ対メディア特性情報を受け取
り、この対メディア特性情報に基づいて、現在使用され
ている記録剤で使用できる用紙種類を判断する情報判断
手段と、この情報判断手段で判断された用紙種類のみが
選択できる内容に、用紙選択メニューを設定するメニュ
ー設定手段と、このメニュー設定手段で設定された用紙
選択メニューを、前記設定画面に表示させるメニュー表
示手段とを備える。

【００１６】本発明の第７の観点に従うホスト装置は、
上記と同様のプリンタに適用されるものであって、ユー
ザの設定した用紙種類に基づいて印刷データを作成して
前記プリンタに送信する手段と、プリンタから、上記情
報読み込み手段が読み込んだ前記対メディア特性情報を
受け取り、この対メディア特性情報に基づいて、ユーザ
の設定した用紙種類が、記録剤カートリッジに対して適
合するか否かを判断する適合性判断手段と、この適合性
判断手段が、前記設定されている用紙種類が不適合であ
ると判断したとき、ユーザに用紙不適合を通知する通知
手段と備える。

【００１７】本発明のホスト装置は、典型的には、この
ホスト装置としてコンピュータを機能させるコンピュー
タプログラムをコンピュータに搭載することによって実
現することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の一実
施形態にかかるプリントシステムを詳細に説明する。図
1は、このプリントシステムの全体的な構成を示すブロ
ック図である。尚、この図ではインクジェットプリンタ
を例にしているが、以下の説明では、単にプリンタと称
することにする。

【００１９】同図において、ホスト装置１は、プリンタ
インタフエース回路３を介してプリンタ５と接続されて
いる。このホスト装置１は、典型的にはパーソナルコン
ピュ―タのような汎用型のコンピュータであり、プリン
タ５へ送るべき印刷データの作成処理を行なうプリンタ
ドライバ７と、プリンタの状態をモニタしてユーザに表
示するソフトウェアであるプリンタ状況モニタ８とを有
している。

【００２０】プリンタドライバ７は、ホスト装置１のデ
ィスプレイ画面に印刷条件の設定画面を表示し、その設
定画面上で設定された条件を用いて、印刷データを作成
してプリンタ５へ送る機能を有している。その設定画面
には、使用可能な用紙種類を一覧表示する用紙選択メニ
ューがあり、ユーザはその用紙選択メニューの中から、
実際に使用する１つの用紙種類を選択できるようになっ
ている。この用紙選択メニューを表示する際、プリンタ
ドライバ７は、後述するように、プリンタ状況モニタ８
が判断した、プリンタ５で現在使用されているインク種
類で使用可能な用紙種類に基づいて、上記用紙選択メニ
ューを、その使用可能な用紙種類のみしか選択できない
ような内容に設定する機能を備えている。

【００２１】プリンタ状況モニタ８は、プリンタ５の各
種の状態（インクや用紙などの消耗品の種類や数量、ジ
ョブの処理状況、エラーの発生状況、など）をモニタし
て、ホスト装置１のディスプレイ画面にモニタ結果を示
すプリンタ状況画面を表示するものである。このプリン
タ状況モニタ８は、後述するように、プリンタ５のイン
クカートリッジ（以下、カートリッジという）１９か
ら、そのインク種類の用紙に対する特性を示す情報（以
下、対メディア特性情報という）を取得して、この対メ
ディア特性情報に基づき、そのインク種類で使用可能な
用紙種類を判断する機能、及びその判断した使用可能な
用紙種類と、プリンタドライバ７に設定されている用紙
種類との適合性を判断し、不適合である（つまり、設定
されている用紙種類が使用可能な用紙種類ではない）場
合は、プリンタ状況画面にその旨のエラーメッセージを
表示する機能を備えている。

【００２２】尚、プリンタ状況モニタ８は、プリンタド
ライバ７に組み込まれていても、或いは、プリンタドラ
イバ７からは独立したプログラムであっても、いずれで
もいい。

【００２３】プリンタ５は、ホストインタフエース回路
１３を介してホスト装置１に接続されている。このプリ
ンタ５は、ホスト装置１からホストインタフエース回路
１３を介して転送されて来る印刷データに基づいて印刷
イメージの作成や紙送り制御等を行なう印刷処理回路１
５と、印刷処理回路１５が作成した印刷イメージを、印
刷処理回路１５の制御の下で印刷する印刷機構２０とを
有する。

【００２４】印刷処理回路１５は、図示していないが、
印刷ヘッド駆動回路やモータ駆動回路やカートリッジ１
９へのデータ書込み回路や外部データの入出力回路や印
刷処理回路１５全体を制御するＣＰＵなどを備えてい
る。さらに、印刷処理回路１５は、特定のデータを保存
しておくための不揮発性の記憶媒体、例えばEEPROM１７
を備えている。

【００２５】印刷機構２０は、図示していないが、印刷
ヘッド、キャリッジ、紙送り装置、ヘッドメンテナンス
装置などから構成され、インクを印刷ヘッドへ供給する
ための交換可能なカートリッジ１９が着脱自在にセット
される。カートリッジ１９は、不揮発性の記憶媒体、例
えばEEPROM２１を有しており、そのアクセス端子２２
が、カートリッジ１９の外表面に露出している。カート
リッジ１９がプリンタ５に完全に装着されると、カート
リッジ１９のEEPROM２１のアクセス端子２２が、プリン
タ５に備えられている接続端子２３に結合して、EEPROM
２１と印刷処理回路１５とが電気的に接続される。

【００２６】一般に、カートリッジのタイプには、キャ
リッジ上に印刷ヘッドと共に搭載されるオンキャリッジ
タイプと、キャリッジから離れた不動の場所にセットさ
れるオフキャリッジタイプとがあるが、本実施の形態の
カートリッジ１９は、どちらのタイプであってもよい。
このカートリッジ１９は、あるプリンタに装着してある
程度使った後、取り外して別のプリンタに再装着すると
いうように、複数のプリンタに使い回すことも可能であ
る。

【００２７】プリンタ５に装着できるカートリッジ１９
には複数種類がある。例えば、汎用の普通インクの入っ
たカートリッジと特定用途向けの特殊インクの入ったカ
ートリッジ、或いは、染料インクのカートリッジと類料
インクのカートリッジというようにである。これら複数
種類のカートリッジの中から、ユーザが任意の種類のカ
ートリッジを選択してプリンタ５に装着することができ
る。カートリッジの種類（インクの種類）によって、使
用できる用紙の種類が異なる場合がある。例えば、普通
インクは、普通紙や写真専用紙やＯＨＰ用プラスチック
シートや官製はがきなどに印刷でき、一方、特殊インキ
は、フォトプリントコート紙（ＰＰコート紙）及びＯＨ
Ｐプラスチックシートのみにしか印刷できないというよ
うにである。

【００２８】図２は、図１のプリントシステムに装着さ
れるカートリッジの構成図である。このカートリッジ１
９は、インクが充填されているインクタンク１９ａと不
揮発性の記憶素子であるEEPROM２１とを備えており、イ
ンクタンク１９ａにはインクを供給するインク供給孔１
９ｂが設けられ、EEPROM２１には外部回路と電気的に接
続するためのアクセス端子２２が設けられている。イン
クタンク１９ａは、黒インクの場合は一層のタンクであ
るが、カラーインクの場合は多層のタンクで構成されて
いる。

【００２９】EEPROM２１には、対メディア特性情報が工
場出荷段階で既に記録されている記憶領域がある。対メ
ディア特性情報とは、このカートリッジ内のインクがも
つ用紙（印刷メディア）に対する特性を示す情報であ
り、これに基づいて、このカートリッジで印刷できる用
紙種類を決定することができる情報である。対メディア
特性情報は、このカートリッジで印刷できる用紙種類を
直接的に示すものであってもよいし、或いは、何らかの
計算或いはルックアップテーブル参照などの演算処理を
経て使用可能な用紙種類を決定できるような基礎的な情
報（例えば、インクの浸透性や広がり具合や光学的特性
などのようにインクの物理的又は化学的特性を示す情
報、或いは、カートリッジ種類又はインクの種類を示す
情報で、これに基づいて、これらの情報の値又は値範囲
と使用可能用紙の種類とを対応付けたルックアップテー
ブルを参照することで、使用可能用紙が割り出せるよう
なもの）であってもよい。上述のように計算やルックア
ップテーブル参照で使用可能用紙種類を割り出す場合に
は、その計算機能やルックアップテーブルは、上述した
プリンタ状況モニタ８がもつことになる。

【００３０】EEPROM２１には、さらに、カートリッジ９
の種類又は識別を示すカートリッジＩＤが予め記録され
た記憶領域や、ユーザが誰であるかを示すユーザ情報を
記録するための記憶領域や、カートリッジの製造年月日
が記録された記憶領域や、カートリッジのインク量を記
録するための記憶領域や、各種のインク特性を記録する
ための記憶領域など、種々の情報の記憶領域を設けるこ
とができる。

【００３１】次に、上述したプリントシステムにおい
て、印刷開始時にインク種類を検出して用紙選択メニュ
ーを表示させる動作について説明する。

【００３２】先ず、ホスト装置１のプリンタ状況モニタ
８は、定期的又は随時（例えば、プリンタ状況モニタ８
の起動時、或いは、ユーザ又はプリンタドライバ７に要
求されたとき、など）に、インクカートリッジ１９のEE
PROM２１から対メディア特性情報を読み込む。そして、
プリンタ状況モニタ８は、読み込んだ対メディア特性情
報に基づいて、現在装着されているインクカートリッジ
１９に含まれているインクで使用できる用紙種類を判断
して、その判断結果を保存する。この判断は、前述した
ように、対メディア特性情報が使用可能用紙種類を直接
示している場合には、その示された使用可能用紙種類を
単純に把握することであるし、或いは、対メディア特性
情報が上述した基礎的な情報を示している場合には、そ
の基礎情報から計算又はルックアップテーブル参照など
で使用可能用紙種類を割り出す動作になる。この判断で
得られた使用可能用紙種類情報は、以後、新たな判断が
行われるまで保持されて、プリンタドライバ７などが随
時にそれを参照することができる。

【００３３】ホスト装置１のプリンタドライバ７は、定
期的又は随時（例えば、プリンタドライバ７の起動時、
設定画面上に用紙選択メニューを表示するとき、などの
ようじこれから印刷が開始される可能性の高い適当時
期）に、プリンタドライバ７は、プリンタ状況モニタ８
によって判断されて保持されている使用可能用紙種類を
参照して、その使用可能用紙種類のみをユーザが選択で
きる内容の用紙選択メニュー（例えば、使用可能用紙種
類のみしかメニューに載せない、或いは、メニューには
全ての用紙種類が載っているが、そのうち使用可能用紙
種類のみが選択可能な点灯表示で、それ以外の用紙種類
は選択不可能な消灯表示にする、など）を設定して、ユ
ーザから要求があれば、その用紙選択メニューを設定画
面上に表示する。

【００３４】また、プリンタ状況モニタ８は、定期的又
は随時に、プリンタドライバ７に現在設定されている用
紙種類を把握し、その現在設定されている用紙種類が使
用可能用紙種類に含まれるか否かを判断し、もし含まれ
ていない場合には、用紙不適切を示すエラーメッセージ
を、プリンタ状況画面上に表示する。

【００３５】また、プリンタ５に複数種類の用紙がセッ
トされていて、プリンタ５がそれらの用紙を自動選択で
きるような場合には、プリンタ５に対して使用可能な種
類の用紙を選択するように、プリンタ状況モニタ８又は
プリンタドライバ７が、プリンタ５をコントロールする
こともできる。

【００３６】ところで、上述したプリンタ状況モニタ８
の処理機能をプリンタドライバ７に組み込んで、プリン
タドライバ７が単独で上記の全ての処理を行なえるよう
にしてもよい。

【００３７】次に、普通インクと特殊インクの２種類の
インクが用いられる場合を例にとり、図３のフローチャ
ートを用いて、プリンタドライバ７とプリンタ状況モニ
タ８が、用紙選択メニューの画面を表示する処理の流れ
を説明する。

【００３８】先ず、プリンタ状況モニタ８が、プリンタ
５へコマンドを送信して、プリンタ５から、インクカー
トリッジ１９のEEPROM２１に記憶されている対メディア
特性情報を取得する（ステップＳ１）。対メディア特性
情報は、普通インクのカートリッジの場合、単純に普通
インクであることが認識できる情報（例えば、インクＩ
Ｄ、カートリッジＩＤ、或いはヌルデータなど）であれ
ば十分であり、一方、特殊インクのカートリッジの場合
は、少なくとも特殊インクのインク種類が認識できる情
報（例えば、インクＩＤ、カートリッジＩＤなど）であ
ることが必要であり、更には、（必ずしも必要というわ
けではないが）その特殊インクで使用可能な用紙種類又
はその特殊インクの物理的若しくは化学的特性を示して
いる情報であってよい。プリンタ状況モニタ８は、取得
した対メディア特性情報から、プリンタ５に装着された
インクカートリッジ１９に含まれるインクのインク種類
を判断する（Ｓ２）。

【００３９】この判断の結果、特殊インクであれば（Ｓ
２，ＮＯ）、プリンタ状況モニタ８が、その特殊インク
で使用できる用紙種類が何であるかを判断する（Ｓ
３）。その後、判断された使用可能用紙種類に基づい
て、プリンタドライバ７が、その用紙種類だけが選択で
きる内容の特殊インク用用紙紙選択メニューを設定し
（Ｓ４）、ユーザから要求が有れば、設定画面上に、そ
の設定された用紙選択メニューを表示する（Ｓ５）。

【００４０】一方、ステップＳ２の判断結果が普通イン
クであれば（Ｓ２，ＹＥＳ）、プリンタモニタ８はデフ
ォルトで決められている普通インク用の用紙種類が使用
可能な用紙種類であると判断する（Ｓ６）。その後、プ
リンタドライバ７は、デフォルトで用意されている普通
インク用の用紙選択メニューを使用することとして（つ
まり、用紙選択メニューを作成したり変更したりという
特別の動作は何もせずに）、ユーザから要求が有れば、
設定画面上に、そのデフォルトの用紙選択メニューを表
示する（Ｓ７）。

【００４１】図４は、普通インクが使用されている場合
に、プリンタドライバの設定画面に表示される用紙選択
メニューの一例である。

【００４２】この画面では、普通インクで選択可能な用
紙リストとして、普通紙、写真専用紙、ＯＨＰ用プラス
チックシート、及び官製はがきが表示され、その中から
ユーザによって写真専用紙が選択されている。

【００４３】図５は、特殊インクが使用されている場合
に、プリンタドライバの設定画面に表示される用紙選択
メニューの一例である。

【００４４】この場合は、装着されているインクカート
リッジ１９に含まれる特殊インクの対メディア特性に基
づいて、特殊インクの特性に合わせた用紙選択メニュー
が設定画面に表示される。この画面では、特殊インクで
選択可能な用紙リストとして、ＰＰコート紙及びＯＨＰ
用プラスチックシートが表示され、その中からユーザに
よってＰＰコート紙が選択されている。

【００４５】次に、図６のフローチャートを用いて、ホ
スト装置１のプリンタ状況モニタ８が、設定されている
用紙と使用可能な用紙との適合性をチェックする処理に
ついて説明する。

【００４６】図３に示したステップＳ３又はＳ６の後、
プリンタ状況モニタ８は、プリンタドライバ７に現在設
定されている用紙種類を確認し、それがステップＳ３又
はＳ６で判断した使用可能用紙種類に含まれているか否
かを判断する（Ｓ１１）。その結果、含まれていれば
（Ｓ１２，Ｙｅｓ）特に何もしないが、含まれていなけ
れば（Ｓ１２，ＮＯ）、プリンタ状況画面に、用紙が不
適合である旨のエラーメッセージを表示させる（Ｓ１
４）。

【００４７】図７は、用紙の不適合が検出された場合
に、プリンタ状況画面に表示されるエラーメッセージの
一例である。この例では、『このインクは現在選択され
ている用紙に印刷することはできません。設定を確認し
てください。』と表示される。

【００４８】このエラーメッセージは、ユーザがプリン
タ状況画面を開いたときに、そこに表示されているもの
である。しかし、それ以外のときでも、必要に応じてこ
のエラーメッセージを強制的に表示させるようにするこ
ともできる。例えば、ユーザが印刷を行おうとしてプリ
ンタドライバを起動したときなどに、図６に示す処理を
行って、その結果、用紙が不適合であれば、上記エラー
メッセージを表示したダイアログボックスを強制的にポ
ップアップさせて、ユーザに用紙不適合を確実に知らせ
るようにしてもよい。

【００４９】以上述べた実施の形態は本発明を説明する
ための一例であり、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可
能である。例えば、上記の実施形態では、プリンタドラ
イバが対メディア特性情報を読み出して、インクと用紙
との適合性をチェックする場合について述べたが、プリ
ンタ自身にこれらの適合性をチェックする機能を持たせ
てもよい。また、上記の実施形態の応用例として、用紙
選択メニュー表示の切り替えに連動して、これらの情報
をプリンタにも伝え、プリンタを制御して、用紙カセッ
トの切り替えなどの方法で強制的に印刷メディアを適合
するものに切り替えるようにしてもよい。また、発明
は、インクジェットプリンタだけでなく、レーザプリン
タや複写機などにも適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るプリントシステムの
全体的な構成を示すブロック図である。

【図２】図１のプリントシステムに装着されるカートリ
ッジの構成図である。

【図３】用紙選択メニューを表示するときの処理手順を
示すフローチャートである。

【図４】普通インクが使用されている場合の、プリンタ
ドライバの設定画面に表示される用紙選択メニューの一
例である。

【図５】特殊インクが使用されている場合の、プリンタ
ドライバの設定画面に表示される用紙選択メニューの一
例である。

【図６】プリンタ状況モニタが用紙の適合チェックを行
う場合の処理手順を示すフローチャートである。

【図７】用紙の不適合が検出された場合に、プリンタ状
況画面に表示されるエラーメッセージの一例である。

【符号の説明】

１ホスト装置３プリンタインタフエース回路５インクジェットプリンタ（プリンタ）７プリンタドライバ８プリンタ状況モニタ１３ホストインタフエース回路１５印刷処理回路１７、２１ EEPROM １９インクカートリッジ（カートリッジ）１９ａインクタンク１９ｂインク供給孔２０印刷機構２２アクセス端子２３接続端子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プリンタと、該プリンタを制御するホス
ト装置とが、互いに通信可能に接続されて構成されてい
るプリントシステムにおいて、前記プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記録剤カ
ートリッジが装着されており、前記記憶媒体には、前記記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関する情報である対メディ
ア特性情報が記憶され、前記ホスト装置は、設定画面を表示して、この設定画面
上でユーザの設定した用紙種類に基づいて印刷データを
作成して前記プリンタに送信するプリンタドライバを備
え、前記ホスト装置又は前記プリンタの少なくとも一方は、前記記憶媒体から対メディア特性情報を読み込む情報読
み込み手段と、読み込んだ対メディア特性情報に基づいて、現在使用さ
れている記録剤で使用できる用紙種類を判断する情報判
断手段と、前記情報判断手段で判断された用紙種類のみが選択でき
る内容に、用紙選択メニューを設定するメニュー設定手
段とを備え、前記ホスト装置のプリンタドライバが、前記メニュー設
定手段で設定された用紙選択メニューを、前記設定画面
に表示させることを特徴とするプリントシステム。
【請求項２】プリンタと、該プリンタを制御するホス
ト装置とが、互いに通信可能に接続されて構成されてい
るプリントシステムにおいて、前記プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記録剤カ
ートリッジが装着されており、前記記憶媒体には、前記記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関連する情報である対メデ
ィア特性情報が記憶され、前記ホスト装置は、ユーザの設定した用紙種類に基づい
て印刷データを作成して前記プリンタに送信するプリン
タドライバを備え、前記ホスト装置又は前記プリンタの少なくとも一方は、前記記憶媒体から対メディア特性情報を読み込む情報読
み込み手段と、読み込んだ対メディア特性情報に基づいて、プリンタド
ライバに設定されている用紙種類が、前記記録剤カート
リッジに対して適合するか否かを判断する適合性判断手
段と、前記適合性判断手段が、前記設定されている用紙種類が
不適合であると判断したとき、ユーザに用紙不適合を通
知する通知手段と備えるプリントシステム。
【請求項３】請求項１又は２に記載のプリントシステ
ムにおいて、前記プリンタは、複数種類の用紙がセットでき且つセッ
トされた用紙を自動選択する給紙装置を有し、前記ホスト装置又は前記プリンタの少なくとも一方は、
前記対メディア特性情報に基づいて、前記記録剤カート
リッジに適合した種類の用紙を選択するように、前記給
紙装置を制御する手段を更に備えるプリントシステム。
【請求項４】ホスト装置と通信可能に接続されるプリ
ンタにおいて、記憶媒体を有する交換可能な記録剤カートリッジが装着
され、前記記憶媒体には、前記記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関する情報である対メディ
ア特性情報が記憶され、前記ホスト装置から印刷データを受けて、前記記録剤カ
ートリッジを用いて印刷を行う手段と、前記ホスト装置からの要求に応答して、前記記録剤カー
トリッジの前記記憶媒体から前記対メディア特性情報を
読み込んで前記ホスト装置へ送り、それにより、前記ホ
スト装置をして前記記録剤カートリッジに適合した用紙
種類を判断することを可能とする手段と、を備えたプリ
ンタ。
【請求項５】ホスト装置と通信可能に接続されるプリ
ンタにおいて、記憶媒体を有する交換可能な記録剤カートリッジが装着
され、前記記憶媒体には、前記記録剤カートリッジに含まれる
記録剤の用紙に対する特性に関する情報である対メディ
ア特性情報が記憶され、前記ホスト装置から印刷データを受けて、前記記録剤カ
ートリッジを用いて印刷を行う手段と、前記ホスト装置からの要求に応答して、前記記録剤カー
トリッジの前記記憶媒体から前記対メディア特性情を読
み、この対メディア特性情報に基づき前記記録剤カート
リッジに適合した用紙種類を判断し、この用紙種類を前
記ホスト装置へ通知する手段と、を備えたプリンタ。
【請求項６】請求項４又は５に記載のプリンタにおい
て、複数種類の用紙がセットでき且つセットされた用紙を自
動選択する給紙装置と、前記ホスト装置からの命令、又は前記対メディア特性情
報に基づく適合する用紙種類の判断結果に応答して、前
記記録剤カートリッジに適合した種類の用紙を選択する
ように前記給紙装置を制御する手段とを更に備えるプリ
ンタ。
【請求項７】前記プリンタに着脱自在に装着される記
録剤カートリッジにおいて、前記プリンタからアクセス可能な記憶媒体であって、前
記記録剤カートリッジに含まれる記録剤の用紙に対する
特性を示す情報である対メディア特性情報が記憶された
記憶媒体を備えた記録剤カートリッジ。
【請求項８】プリンタと通信可能に接続されて、前記
プリンタを制御するホスト装置において、前記プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記録剤カ
ートリッジが装着されており、前記記憶媒体には、前記
記録剤カートリッジに含まれる記録剤の用紙に対する特
性に関する情報である対メディア特性情報が記憶されて
おり、更に、前記プリンタが、前記記憶媒体から対メデ
ィア特性情報を読み込む情報読み込み手段を備えている
場合において、設定画面を表示して、この設定画面上でユーザの設定し
た用紙種類に基づいて印刷データを作成して前記プリン
タに送信する手段と、前記プリンタから、前記情報読み込み手段が読み込んだ
前記対メディア特性情報を受け取り、この対メディア特
性情報に基づいて、現在使用されている記録剤で使用で
きる用紙種類を判断する情報判断手段と、前記情報判断手段で判断された用紙種類のみが選択でき
る内容に、用紙選択メニューを設定するメニュー設定手
段と、前記メニュー設定手段で設定された用紙選択メニュー
を、前記設定画面に表示させるメニュー表示手段とを備
えるホスト装置。
【請求項９】プリンタと通信可能に接続されて、前記
プリンタを制御するホスト装置において、前記プリンタには記憶媒体を有する交換可能な記録剤カ
ートリッジが装着されており、前記記憶媒体には、前記
記録剤カートリッジに含まれる記録剤の用紙に対する特
性に関する情報である対メディア特性情報が記憶されて
おり、更に、前記プリンタが、前記記憶媒体から対メデ
ィア特性情報を読み込む情報読み込み手段を備えている
場合において、ユーザの設定した用紙種類に基づいて印刷データを作成
して前記プリンタに送信する手段と、前記プリンタから、前記情報読み込み手段が読み込んだ
前記対メディア特性情報を受け取り、この対メディア特
性情報に基づいて、前記ユーザの設定した用紙種類が、
前記記録剤カートリッジに対して適合するか否かを判断
する適合性判断手段と、前記適合性判断手段が、前記設定されている用紙種類が
不適合であると判断したとき、ユーザに用紙不適合を通
知する通知手段と備えるホスト装置。
【請求項１０】請求項８又は９に記載のホスト装置に
おいて、前記プリンタが、複数種類の用紙がセットでき且つセッ
トされた用紙を自動選択する給紙装置を有している場合
において、前記対メディア特性情報に基づいて、前記記録剤カート
リッジに適合した種類の用紙を選択するように、前記給
紙装置を制御する手段を更に備えるホスト装置。
【請求項１１】請求項８記載のホスト装置としてコン
ピュータを機能させるためのプログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項１２】請求項９記載のホスト装置としてコン
ピュータを機能させるためのプログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記録媒体。