JP2001212980A - 溶融デバイスおよびこの溶融デバイスを備えたインクジェットプリンタ - Google Patents

溶融デバイスおよびこの溶融デバイスを備えたインクジェットプリンタ

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JP2001212980A JP2001014192A JP2001014192A JP2001212980A JP 2001212980 A JP2001212980 A JP 2001212980A JP 2001014192 A JP2001014192 A JP 2001014192A JP 2001014192 A JP2001014192 A JP 2001014192A JP 2001212980 A JP2001212980 A JP 2001212980A
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ink unit
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17593Supplying ink in a solid state

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融インクの供給をさらに高めることがで
き、また、溶融壁の熱伝導率の値があまり重要ではな
い、固体インク単位体の溶融・供給速度の高速化が可能
な溶融デバイスを提供する。 【解決手段】 インクジェットプリンタで使用するイン
ク単位体21を溶融する溶融デバイス13であって、溶
融室14を備え、インク単位体を溶融室に分配するため
の幅広端17と幅狭端18とを溶融室に設け、溶融室の
1以上の壁8、9、10、11、12により幅広端から
幅狭端への方向に対して横方向に囲まれたインク単位体
が、溶融すると前記方向に移動するような形状を溶融室
が有し、溶融中、インクが液状になる温度を超える温度
まで1以上の壁がそれぞれ加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタで使用するインク単位体(ユニット)を溶融する
溶融デバイスであって、溶融室を備え、インク単位体を
溶融室に分配するための幅広端と幅狭端とを溶融室に設
け、溶融室の1以上の壁により幅広端から幅狭端への方
向に対して横方向に囲まれたインク単位体が、溶融する
と同じ方向に移動するような形状を溶融室が有する溶融
デバイスに関する。本発明はまた、この溶融デバイスを
備えたインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の分野】この溶融デバイスについては、米国特許
第5,030,972号に開示されている。溶融デバイ
スは、熱溶融インクを用いてインクジェットプリンタの
プリントヘッドに液体インクを供給するために使用され
る。相変化インクとしても知られている熱溶融インク
は、平常の周囲条件下では固体であるが、高温では液体
であるインクのことである。インクジェットプリンタの
プリントヘッドが受入材料にインクを転写できるように
するためには、インクが液体の状態でなければならな
い。印刷中、液体インクは、受入材料の方向にプリント
ヘッドにより個々の小滴の形で放出される。このように
して、受入材料上に多数の異なるドットからなる像が形
成される。小電力で固体(固形)インクを可能な限り迅
速に溶融するために、既知のデバイスでは固体インク単
位体をヒータと直接接触させて、プリントヘッドにおい
てインクを液状に保つ。これを達成するために、溶融室
は、ヒータとしての働きを備えた第1の垂直壁(以下、
溶融壁と称す)と、インク単位体を溶融壁と接触させる
よう作用し第1の垂直壁と一定の角度に設けられた第2
の壁により画定された絞り形状を有する。インク単位体
が絞りの幅広端を介して溶融室に分配される場合、イン
ク単位体は2つの壁に包囲される。この位置でインク単
位体が溶融されるが、このときインク単位体は、インク
が液状になる温度を超える温度まで加熱された垂直溶融
壁と接触した状態にある。このように溶融することで、
インク単位体の大きさが小さくなるため、溶融インクが
排出された後、幅狭端の方向に移動する。このような状
況で、溶融インクは溶融壁にある小穴を通して排出され
る。インクは、毛細管力によりこれらの小穴を通して移
送される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の溶融デバイスには重大な欠点がある。インクジェット
のヘッドへと溶融インクが移動する通路は、垂直溶融壁
にある小穴の毛細管作用に依存しているため、プリント
ヘッドに溶融インクが供給される最大速度が比較的遅
い。低速のインク供給によるさまざまな問題は、例え
ば、インクジェットプリンタが、特にカラーのポスター
などのカバレッジが高度なイラストを印刷しなければな
らない場合など、液体インクへの要求が非常に高い場合
に特に顕著となる。溶融インクが十分に供給されなくな
ると、プリントヘッドの液体インクが空になるため、印
刷が所々途切れたものになり、インクジェットプリンタ
の生産性の面から問題となる。これに関連して生じる別
の問題は、液体インクに気泡が含まれることであり、こ
の問題は、プリントヘッドの印刷動作に非常に悪い影響
を与える。液体インクが小穴を介して供給される速度が
遅いことにより生じるさらなる欠点は、垂直溶融壁と固
体インク単位体間に液体インクの薄層が形成されること
である。この種の液体インク層が熱障壁となるため、理
想的な状況下よりもインクの溶融速度が落ちる。また、
溶融インクをプリントヘッドに供給する面からも不利益
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による溶融デバイ
スの目的は、これらの欠点を解消することである。これ
を達成するために、溶融中、インクが液状になる温度を
超える温度まで1以上の壁がそれぞれ加熱されることを
特徴とする請求項1の前文に記載の溶融デバイスが発明
された。驚いたことに、これにより溶融インクの供給が
著しく高まることが分かった。溶融室の1以上の壁によ
り固体インク単位体が囲まれているすべての場所で、融
点を超える温度まで固体インク単位体が加熱される本発
明による溶融デバイスにおいて、高速に溶融インクを排
出させる付加的な駆動力が明らかに存在する。このよう
な高速供給が得られる理由は完全には明らかになってい
ないが、最新の研究によれば、原因となりうるものが多
数あることが分かっている。1つの原因として、複数の
側面から溶融されたインク単位体が高速に小さくなるた
め、溶融室の幅狭部の方向にインク単位体が高速に移動
するようになる。本発明による溶融デバイスでは、移動
方向に対して横方向のみに固体インク単位体が囲まれる
ことにより、すなわち移動方向に垂直な面に何らインク
単位体の移動を妨げるものがないことにより、このよう
に移動することが可能となる。これにより、固体インク
単位体と溶融壁間の接触面からすでに溶融したインクを
押し出す駆動力が発生する。さらに、より高速な移動が
実現された結果、通常よりも早い時点でインク単位体が
「フレッシュな」溶融壁面と接触することになる。溶融
壁の熱伝導率は有限値をもつため、新しい溶融壁面の温
度は、そこに到達する前に加熱をすでに止めた溶融壁面
よりも高温である。再度述べるが、溶融インクの供給を
さらに高めることができるであろう。本発明のさらなる
利点は、溶融壁の熱伝導率の値があまり重要ではない点
である。互いに高め合う上述した効果に加え、インク単
位体が溶融室の1以上の壁により横方向に囲まれる場
合、インク単位体にかかる重力よりも大きな力で、固体
インク単位体が頻繁に押されて溶融壁表面の少なくとも
一部と接触することが分かった。この種の接触圧力の力
が強力になるほど、溶融インクが接触表面からより高速
に押し出されることになり、この力が、固体インク単位
体と溶融壁間の熱障壁を低減させて、すでに溶融したイ
ンクと一緒に移送するための付加的な駆動力となる。こ
のような効果は、溶融インクが大量に供給されるように
互いに高め合うものと思われる。このような効果に加
え、他にも原因となりうるものがあり、このような原因
により本発明による溶融デバイスの溶融インクは多量に
供給されることになるが、これを理解することは、本発
明をうまく適用することに関してあまり重要ではない。
【0005】好適な実施形態において、固体インク単位
体は、重力により溶融室に移動する。このように移動さ
せるには、絞りの幅狭端方向に固体インク単位体上に正
味の力がかかる重力場に対して溶融室を配置する。この
ように、幅狭端方向にインク単位体を移動させるための
手段をさらに追加する必要がない。例えば、ばねなどの
形態の手段を用いると、溶融デバイスの原価が上がるだ
けでなく、次の固体インク単位体の分配が困難になると
いう欠点も生じる。例を挙げると、溶融室の1以上の溶
融壁とばね自体の間に新しいインク単位体を配置させる
ようにばねを押さえ込まなければならない。さらなる好
適な実施形態において、溶融チャンバは、幅狭端付近に
溶融インクを通すための少なくとも1つの通路口を備え
る。通路口を設けることにより、重力の作用で幅狭端の
方向に移動する溶融インクが溶融室を出ることが可能と
なる。次いで、溶融インクが移送し始めて、最終的にプ
リントヘッドに到達する。
【0006】さらなる好適な実施形態において、溶融室
の頂角は60°よりも小さい。すなわち、固体インク単
位体を溶融中に移動させる方向に平行な溶融室の断面に
おいて、壁が60°よりも小さな角度にある少なくとも
1つの面があることを意味する。この実施形態では、1
以上の溶融壁に垂直な固体インク単位体にかかる接触圧
力がインク単位体にかかる重力よりも大きいという利点
を溶融室が備えている。接触圧力が大きくなると、1以
上の溶融壁と固体インク単位体間の接触面から高速に溶
融インクが除去される。さらに、この種の溶融デバイス
では、固体インク単位体と1以上の溶融壁間の接触面が
広くなることで、溶融インクの供給をさらに高めること
ができる。これら2つの効果を組み合わせることで、こ
の好適な実施形態による溶融デバイスでは、固体インク
単位体が溶融される速度が大幅に速くなる。
【0007】さらなる別の好適な実施形態において、溶
融室の頂角は40°以下のものである。したがって、接
触圧力が高くなり接触表面が広くなる。さらに、比較的
ゆっくりと締め付けられるこの種の溶融室において、溶
融中に溶融インク単位体が移動する距離が比較的長くな
る。すなわち、分配用の新しい個体インク単位体が溶融
室で空間を容易に利用できるため、溶融インクの供給が
さらに高められることを意味する。
【0008】さらなる別の好適な実施形態において、溶
融室の頂角は、5°以上25°以下のものである。頂角
が5°以上である場合、固体インク単位体の所与の寸法
に対して溶融室が小さくなり、すなわち幅広端と幅狭端
間の距離が必ずしも長くなるというものではない。溶融
室の所与の長さに対して、頂角が5°以上であれば、大
きな寸法にインク単位体を溶融室に分配可能であること
を意味する。頂角を25°以下にすることにより、固体
インク単位体は、溶融中、溶融室においてより高速に移
動する。
【0009】さらなる別の好適な実施形態において、溶
融室の頂角は、12°以上17°以下のものである。こ
れにより、固体インク単位体が高速に溶融可能であり、
さらに溶融室の寸法を過度に大きくせずに、寸法がかな
り大きなインク単位体を溶融室に分配可能である最適な
溶融室が得られる。
【0010】好適な実施形態において、溶融室は、溶融
インクを通路口に排出するための手段を備える。これに
は2つの利点がある。1つは、溶融インクが接触面から
さらに高速に除去されるため、溶融壁と固体インク単位
体間の熱障壁がさらに小さくなる点である。もう1つ
は、この手段により、固体インク単位体よりも密度が小
さい溶融インクが幅広端方向に押されるのを防ぐ。これ
を設ける理由は、固体インク単位体が溶融室のプラグと
して作用して、多量のインクがプラグの上に集まるため
である。これにより、通路口、ひいてはインクジェット
ヘッドへの溶融インクの流れが一時的に中断するだけで
なく、プラグの最後の固体インクが溶融すると、通路口
に突然大量の溶融インクが供給されることがある。この
ような溶融インクの断続的な供給を制御することは困難
である。本発明による排出手段、すなわち、1以上の溶
融室の壁表面にそれぞれ形成されたリセス、特に、穴、
リブ、スロット、溝、ダクトまたは何らかの凹凸を設け
ることにより、溶融室において溶融インクが通路口へと
連続的に流れる。さらなる好適な実施形態において、排
出手段は、溶融室の1以上の溶融壁に形成されたスロッ
トを備える。スロットの利点は、スロットが非常に深い
ため、溶融インク単位体が、スロットが完全に充填され
て未溶融インクにより塞がれる状態には実際ならない点
である。スロットが螺旋状であれば、溶融固体インク単
位体の運動方向に平行に延びないため、溶融インクの排
出手段として作用するスロットの障害をさらに防げる。
好適な実施形態において、溶融室は実質的に円錐形であ
る。このような形状をもつことにより、溶融させるイン
ク単位体がすべての側面上で囲まれるため、溶融速度が
さらに速くなる。さらに、この種の形のものは、射出成
形プロセスにより簡単に得られる。
【0011】以下の例を参照して本発明をより詳細に説
明する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、インクジェットプリンタ
を示す。この実施形態では、インクジェットプリンタ
は、被印刷物2を支持し、4つのプリントヘッド3に沿
って供給するローラ1を備え、4つのプリントヘッドの
色はそれぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、黒であ
る。ローラ1は、矢印Aで示されているように軸を中心
に回転可能である。走査キャリッジ4が4つのプリント
ヘッド3を運んで、ローラ1に平行な双方向矢印Bで指
し示されている方向に往復運動する。このように、プリ
ントヘッド3は、受け入れる被印刷物2、例えば、紙を
走査できる。キャリッジ4は、ロッド5および6を案内
されて、目的に合った適切な手段(図示せず)により駆
動される。
【0013】図1に示されている実施形態において、各
プリントヘッドは、ローラ1の軸に垂直の列に並べて形
成されたノズル7をそれぞれがもつ8個のインクダクト
を備える。印刷装置の実際の実施形態の多くは、プリン
トヘッド当たりのインクダクトの数が多い。各インクダ
クトには、インクダクトを作動させるための手段(図示
せず)と、関連する電気駆動回路(図示せず)が設けら
れる。このように、インクダクト、インクダクト作動手
段および駆動回路により、ローラ1の方向にインク小滴
を放出するように作用するユニットが形成される。イン
クダクトが像方向に作動されると、被印刷物2上にイン
ク小滴が重なった像が形成される。
【0014】この例では、各プリントヘッド3に、本発
明による溶融デバイス(図示せず)が設けられる。各溶
融デバイスは、対応するプリントヘッドに一体化され
る。プリンタは、例えば、インクペレット状の固体イン
ク単位体の供給部を含む。プリントヘッドが溶融インク
を必要とすれば、固体インク単位体が既知の手段により
分配ステーションを介して溶融デバイスの溶融室に分配
される。インクが溶融した後、インクダクトへとさらに
運ばれる。
【0015】図2は、図2aおよび図2bからなる。図
2aは、頂角αをもつ溶融室の2つの溶融壁8および9
により横方向に囲まれた固体インク単位体21を示す図
である。分かりやすくするために、溶融室は直立させて
設けている。固体インク単位体には重力Fzがかかる。
静止状態では、例えば、インク単位体が移動しない場
合、重力は他の力により平衡化される。インク単位体と
壁との間の摩擦力が無視でき、これが固体インク単位体
と壁との間に溶融インクの薄層が位置する状況下で許容
可能であると仮定すると、重力は、壁8および9がイン
ク単位体にかける2つの法線力Fnにより平衡化され
る。
【0016】図2bは、これに関連する力のつりあいを
示す。同図から、各壁が固体インク単位体にかける法線
力には、重力の半分に等しい縦軸成分があることが分か
る。このように、固体インク単位体にかかる正味の力は
ゼロになる。
【0017】図2bから、法線力と重力との関係は以下
の式で導き出される。
【0018】 sin(1/2・α)=(1/2・Fz)/Fn (1) これにより、 Fn=(1/2・Fz)/sin(1/2・α) (2) この関係から、頂角αが60°よりも小さければ、所与
の条件下で法線力は重力よりも大きいことになる。法線
力はインク単位体が各溶融壁8および9を押す力に等し
いため、溶融室の絞りの頂角が60°よりも小さけれ
ば、接触圧力が重力に対して大きいことを意味する。
【0019】このように接触圧力が大きくなることで生
じる利点は、接触圧力手段をさらに用いる必要がなく、
インク単位体と溶融壁間の接触表面から溶融インクがよ
り高速に除去されることである。
【0020】図3a、図3bおよび図3cは、絞り内に
形成可能な溶融室の複数の例を示す。図3aは、絞りが
頂角α(楔の傾斜角νに対応)をもつように、溶融壁8
および9で絞りが形成された楔形溶融室を示す。側面で
は、溶融室は壁10および11で閉じられる。このよう
にして溶融室が形成されると、固体インク単位体が楔の
幅広端で分配され、その後、インク単位体は溶融壁8お
よび9により横方向に囲まれる。この場合、インク単位
体が幅広端付近で溶融壁8および9によりすでに固定さ
れるように、固体インク単位体に合った大きさを選択す
ることが好ましい。インクが液状になる温度を超える温
度まで溶融壁8および9を加熱して、溶融壁8および9
と固体インク単位体を接触させて溶融させることによ
り、インク単位体は迅速に楔状になる。溶融プロセス
中、溶融インクは、溶融壁8および9上の固体インク単
位体によりかけられた圧力により接触表面からすぐに離
れるため、固体インク単位体は楔の幅狭端方向に移動す
る。溶融室の実際の実施形態では、幅狭端付近に少なく
とも1つの通路口を設けて、溶融インクをインクジェッ
トヘッドに供給する。固体インク単位体が十分に溶融さ
れると、すなわち、次の固体インク単位体用の空間が溶
融室にできるように、幅狭端方向に一定距離進むとすぐ
に、次のインク単位体が分配されてよい。
【0021】図3bは、第1の切頭角錐12と、頂角α
をもつ第2の角錐からなる溶融室を示すもので、第2の
角錐は、壁8、9、10および11により形成される。
この構造において、溶融デバイスの壁8、9、10およ
び11が加熱されて、第2の角錐が溶融室を形成する。
第1の角錐は、例えば、固体インク単位体を分配しやす
くするための分配ステーションとして機能させてよい。
【0022】図3cは、溶融室の形状が壁8により形成
される頂角αをもつ円錐状である溶融デバイスの第3の
可能な形態を示す。この種のチャンバに分配される固体
インク単位体は、壁8に囲まれる。壁が加熱されると、
インクが溶融し、インク単位体が円錐の幅狭端方向に移
動する。
【0023】上述した形態は、例示的目的のみで挙げた
ものである。インク単位体を囲む壁が加熱されてインク
単位体が溶融される溶融室が絞りを形成する形状をもつ
ものであれば、いずれの形態も本発明の一部となる。し
たがって、角柱または角錘台、回転放物線や楕円面など
の形状の溶融室も可能である。特に、1つの頂角を形成
するような絞りを設ける必要もない。固体インク単位体
の運動方向に平行な断面において1つの壁(円錐状の場
合)または複数の壁(角錘状の場合)により形成される
角度が、溶融室の幅広端から幅狭端へと延びて連続的
(回転放物線の場合)または断続的(図3bに示す二段
構造の角錘の場合)に変化する可能性も十分にある。
【0024】図4は、固体インク単位体(21)が配置
された円錐溶融室を示す線図である。固体インク単位体
が幅広端を介して溶融室内に分配された時点で、インク
単位体は球状のものである。円錐を形成する溶融室の加
熱された溶融壁(8)と接触させることにより、球状の
インクペレットが次第に速度を増して円錐状になるた
め、インクペレットと壁との間の接触面Aが広くなる。
このように表面が比較的広くなると、インクペレットの
溶融速度は速くなる。角度νが大きくなるにつれ、溶融
インクペレットも溶融室の幅狭端方向により速く移動す
ることにより、新しいインクペレットを分配するための
さらなる空間ができる。このような溶融室の実際の実施
形態では、円錐の先端が除去されて通路口が形成されて
よい。
【0025】図5は、本発明による溶融デバイスの一実
施形態の例である。図5aは、部品8aおよび8bから
なる溶融デバイス13を示す。溶融デバイスの部品8a
は、図5bに示される。この実施形態では、溶融デバイ
スは、一体にして円錐状の溶融室14の壁を形成する2
つの同一の部品8aおよび8bからなる。この例では、
部品8aおよび8bは、アルミニウムなどの熱伝導性材
料から全体が形成される。溶融デバイスには、インクを
溶融させるためにインクの融点よりも高い温度まで部品
8aおよび8bを加熱する加熱手段(図示せず)が設け
られる。これらの手段は、従来技術においてよく知られ
ているものであるため、本願明細書においてさらに説明
をする必要はない。
【0026】部品は、この例では、部品8aおよび8b
に形成された穴16の寸法に合わせたスタッドと、それ
と協働するナットとからなる固定手段15により内部接
続される。円錐状の溶融室には、幅広端17と幅狭端1
8が設けられる。実際の溶融室のすぐ外側の幅広端付近
に、分配ステーション(図示せず)が位置する。例え
ば、球状のインクペレット形状のような固体インク単位
体が幅広端に分配されて、2つの部品8aおよび8bで
形成された加熱壁と接触する。これにより、インク単位
体の一部が溶融する。溶融インクが受ける接触圧力の力
が比較的大きいことから、インク単位体と壁の間から溶
融インクが押し出されて、この例では部品8aおよび8
bにある2つのスロットで形成された排出手段19に到
達する。溶融インクは、幅狭端方向にスロットを介して
移動した後、通路口20に到達する。液体インクは、こ
の通路口を解して溶融デバイスを離れる。溶融プロセス
中、固体インク単位体の大きさはさらに小さくなり、幅
狭端の方向に移動する。幅狭端に到達すると、インクペ
レットの残りの部分がさらに溶融して、溶融インクが通
路口を介して溶融デバイスを離れる。
【0027】表1は、本発明による複数の溶融チャンバ
を用いて行った溶融実験の結果を示す。この実験では、
頂角が30°の第1の溶融室から頂角が5°の第7の溶
融室まで、頂角がそれぞれ異なる7つの円錐状溶融室を
用いた。溶融室は、2つの同一の部品(図5に示されて
いる例と類似したもの)からなるアルミニウム製のもの
であり、温度を125℃で一定に保つように加熱手段が
設けられる。溶融室は直立に設けられ、内部に長手方向
に4つのスリットがそれぞれ設けられて、角円錐の先端
を除去して形成した通路口に供給する。その結果得られ
た通路口の断面は、約1mmのものである。質量が約1
グラムで、密度が約1.1g/cmの溶融可能な混合
物からなる丸いインクペレットを各溶融室に常に分配し
て、溶融実験が行われた。約70℃で混合物の溶解が始
まる。各溶融室の下にマスバランスがあり、溶融インク
の出力が正確に決定される。前に分配されたインクペレ
ットが実際に完全に溶融すれば常に次のインクペレット
が分配される状態で、実験が行われた。
【0028】このようにして、各溶融室の可能な溶融出
力が決定された。得られた値を表1に示す。2列目に
は、対応する溶融室の頂角を示す。3列目には、毎分あ
たりのグラムで測定した溶融出力を示す。4列目には、
測定した最大溶融出力を100単位体としてそれに従っ
て標準化された溶融出力を示す。最後に、5列目には、
式2に従って計算された各溶融室の接触圧力の力を示
す。この場合、接触圧力の力の値も、最小の頂角をもつ
溶融室を100単位体として標準化されている。
【0029】表から明らかなように、得られた溶融出力
は、図2により導き出される接触圧力の力の計算値とあ
る程度類似したものである。
【0030】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの一例である。
【図2a】2つの溶融壁により横方向に囲まれたインク
単位体を示す線図である。
【図2b】2つの溶融壁により横方向に囲まれたインク
単位体を示す線図である。
【図3a】実行可能な溶融室を示す線図である。
【図3b】実行可能な溶融室を示す線図である。
【図3c】実行可能な溶融室を示す線図である。
【図4】固体インクの溶融単位体が位置する円錐状の溶
融室を示す線図である。
【図5a】本発明の好適な実施形態による溶融室の一例
である。
【図5b】本発明の好適な実施形態による溶融室の一例
である。
【符号の説明】
1 ローラ 2 被印刷物 3 プリントヘッド 4 キャリッジ 5、6 ロッド 7 ノズル 8、9、10、11 溶融壁 8a、8b 部品 12 切頭角錐 13 溶融デバイス 15 固定手段 16 穴 17 幅広端 18 幅狭端 19 排出手段 20 通路口 21 固体インク単位体
フロントページの続き (72)発明者 ヘラルドウス・ヨハンネス・カサリナ・モ ーレン オランダ国、5913・ウエー・イエー・ヘン ロ、ケルボスストラート・15 (72)発明者 ハンス・レインテン オランダ国、5941・ベー・デー・フエルデ ン、ビユルへメースター・フアン・デイー レンシンゲル・44

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットプリンタで使用するイン
    ク単位体(21)を溶融する溶融デバイス(13)であ
    って、溶融室(14)を備え、インク単位体を前記溶融
    室に分配するための幅広端(17)と幅狭端(18)と
    を前記溶融室に設け、前記溶融室の1以上の壁(8、
    9、10、11、12)により幅広端から幅狭端への方
    向に横方向に囲まれたインク単位体が、溶融すると前記
    方向に移動するような形状を前記溶融室が有し、溶融
    中、インクが液状になる温度を超える温度まで1以上の
    壁がそれぞれ加熱されることを特徴とする溶融デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 インク単位体が重力により移動すること
    を特徴とする請求項1に記載の溶融デバイス。
  3. 【請求項3】 前記溶融チャンバに、溶融インクを通す
    ための少なくとも1つの通路口(20)が幅狭端付近に
    設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の
    溶融デバイス。
  4. 【請求項4】 前記溶融室の頂角が、60°よりも小さ
    いことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記
    載の溶融デバイス。
  5. 【請求項5】 前記頂角が、40°以下であることを特
    徴とする請求項4に記載の溶融デバイス。
  6. 【請求項6】 前記頂角が、5°以上25°以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載の溶融デバイス。
  7. 【請求項7】 前記頂角が、12°以上17°以下であ
    ることを特徴とする請求項6に記載の溶融デバイス。
  8. 【請求項8】 前記溶融チャンバに、溶融インクを通路
    口に排出するための手段が設けられることを特徴とする
    請求項3に記載の溶融デバイス。
  9. 【請求項9】 前記手段が、スロット(19)からなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の溶融デバイス。
  10. 【請求項10】 前記スロットが、螺旋状に設けられる
    ことを特徴とする請求項9に記載の溶融デバイス。
  11. 【請求項11】 前記溶融チャンバが、円錐状のもので
    あることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項
    に記載の溶融デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか一項に記
    載の溶融デバイスを備えたインクジェットプリンタ。
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