JP2001212809A - 建築用木材の形状固定処理方法及びその装置 - Google Patents
建築用木材の形状固定処理方法及びその装置Info
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- JP2001212809A JP2001212809A JP2000026890A JP2000026890A JP2001212809A JP 2001212809 A JP2001212809 A JP 2001212809A JP 2000026890 A JP2000026890 A JP 2000026890A JP 2000026890 A JP2000026890 A JP 2000026890A JP 2001212809 A JP2001212809 A JP 2001212809A
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】木材本来の持つ有益な特性を残したまま、しか
も低コストで、建築用木材の形状固定処理を行なうこと
ができる建築用木材の形状固定処理方法及びその装置を
提供する。 【解決手段】含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定し、矯正固定した状態で材内温度が60℃〜200
℃になるように加熱処理した後、自然冷却しながら乾燥
させる。そして、形状固定処理装置を、処理すべき木材
Wが多数収容可能な加熱処理室1と、この加熱処理室1
に併設され、加熱処理室1内へ熱風を送風する熱風発生
装置2と、加熱処理室1と熱風発生装置2とを連結する
煙道3と、多数の処理木材Wを多段に積載する外力付与
手段としてのプレス装置4とから構成する。
も低コストで、建築用木材の形状固定処理を行なうこと
ができる建築用木材の形状固定処理方法及びその装置を
提供する。 【解決手段】含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定し、矯正固定した状態で材内温度が60℃〜200
℃になるように加熱処理した後、自然冷却しながら乾燥
させる。そして、形状固定処理装置を、処理すべき木材
Wが多数収容可能な加熱処理室1と、この加熱処理室1
に併設され、加熱処理室1内へ熱風を送風する熱風発生
装置2と、加熱処理室1と熱風発生装置2とを連結する
煙道3と、多数の処理木材Wを多段に積載する外力付与
手段としてのプレス装置4とから構成する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、製材した木材を建
築用資材として出荷する前に施される建築用木材の形状
固定処理方法及びその装置に関するものである。
築用資材として出荷する前に施される建築用木材の形状
固定処理方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】山林から伐採された原木は、先ず、直材
と曲がり材とに分別される。このうち、直材について
は、そのまま製材加工され乾燥した後、直ぐに建築資材
として使用しても差ほど問題は起こらないが、曲がり材
については製材・乾燥後に曲がりや狂いが発生し易いと
いう問題があった。また、直材であってもアテや芯ず
れ、不完全乾燥などの理由により、後日、曲がりや狂い
が発生することがある。
と曲がり材とに分別される。このうち、直材について
は、そのまま製材加工され乾燥した後、直ぐに建築資材
として使用しても差ほど問題は起こらないが、曲がり材
については製材・乾燥後に曲がりや狂いが発生し易いと
いう問題があった。また、直材であってもアテや芯ず
れ、不完全乾燥などの理由により、後日、曲がりや狂い
が発生することがある。
【0003】従来、建築用資材である柱や床材等の木材
の乾燥工程においては、桟切りした木材に錘を載せて乾
燥する方法が良く採られているが、乾燥後の木材の約一
割程度に曲がりや狂いが発生してしまい歩留まりの悪い
ものであった。そこで、固定力を高めるために錘を重く
すると、桟切した桟木が木材に食い込んで、曲がりや変
形を更に大きくしてしまう不具合が生じる。
の乾燥工程においては、桟切りした木材に錘を載せて乾
燥する方法が良く採られているが、乾燥後の木材の約一
割程度に曲がりや狂いが発生してしまい歩留まりの悪い
ものであった。そこで、固定力を高めるために錘を重く
すると、桟切した桟木が木材に食い込んで、曲がりや変
形を更に大きくしてしまう不具合が生じる。
【0004】積層集成材は、狂いも少なく、強度も高い
ことから近年使用が増加しているが、接着剤が人体に与
える健康問題や製造コストが高いという問題があり、需
要者のニーズに真に答えるものではない、このため、自
然素材だけで構成された狂わない強い木材の開発が望ま
れて来た。
ことから近年使用が増加しているが、接着剤が人体に与
える健康問題や製造コストが高いという問題があり、需
要者のニーズに真に答えるものではない、このため、自
然素材だけで構成された狂わない強い木材の開発が望ま
れて来た。
【0005】そこで、木材を塑性加工して曲げ戻し加工
あるいは圧縮加工を行い、その形状を変形させると共
に、強度を高め、その後固定化する塑性加工手段が採ら
れる。この木材の塑性加工は、概略、可塑化・変形・固
定化の工程によりなる。すなわち、木材を可塑化、すな
わち軟化させた後、矯正固定して変形させ、そのままそ
の形状に固定するものである。
あるいは圧縮加工を行い、その形状を変形させると共
に、強度を高め、その後固定化する塑性加工手段が採ら
れる。この木材の塑性加工は、概略、可塑化・変形・固
定化の工程によりなる。すなわち、木材を可塑化、すな
わち軟化させた後、矯正固定して変形させ、そのままそ
の形状に固定するものである。
【0006】水分を含んだ木材に熱を与えることにより
可塑化が起こり、木材が軟化することは良く知られてい
る。この軟化した状態の木材を曲げたり圧縮して変形さ
せる技術は、所謂、曲げ物と呼ばれる木製の桶や食器あ
るいは家具や楽器等の製作過程の一部として取り入れら
れている。また、木材を圧縮して変形させる圧密木材
は、先ず木材に水分と熱を与えて、可塑化を起こして軟
化した木材に外力を与えて変形させるものであるが、こ
れをそのまま放置すると形状が回復してしまうので、再
度、高温による蒸煮や煮熟を行なって薬品を使用して形
状が回復しないように安定化処理をする必要があり、木
片サンプルを使用した実験等では成功しているものの、
建築資材としての柱や床材を加工処理するには至ってい
ない。すなわち、建築資材のように大きな木材を加熱し
て曲げたり圧縮する工程は、作業に危険が伴うため作業
保安上の問題から適確且つ緻密な工程管理等が要求さ
れ、加工設備等に過大なコストがかかるため、大きさの
割には比較的安価な建築用木材を加工処理するには不経
済となる。
可塑化が起こり、木材が軟化することは良く知られてい
る。この軟化した状態の木材を曲げたり圧縮して変形さ
せる技術は、所謂、曲げ物と呼ばれる木製の桶や食器あ
るいは家具や楽器等の製作過程の一部として取り入れら
れている。また、木材を圧縮して変形させる圧密木材
は、先ず木材に水分と熱を与えて、可塑化を起こして軟
化した木材に外力を与えて変形させるものであるが、こ
れをそのまま放置すると形状が回復してしまうので、再
度、高温による蒸煮や煮熟を行なって薬品を使用して形
状が回復しないように安定化処理をする必要があり、木
片サンプルを使用した実験等では成功しているものの、
建築資材としての柱や床材を加工処理するには至ってい
ない。すなわち、建築資材のように大きな木材を加熱し
て曲げたり圧縮する工程は、作業に危険が伴うため作業
保安上の問題から適確且つ緻密な工程管理等が要求さ
れ、加工設備等に過大なコストがかかるため、大きさの
割には比較的安価な建築用木材を加工処理するには不経
済となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、木材形
状の固定と材木強化を実現しているものは、薬品処理を
併用させた方法と、高温による圧密化処理があるに過ぎ
ない。しかし、これらの方法は、木材特性の失活やコス
トが嵩むなどの欠点がある。本発明は、上記問題点に鑑
み、木材本来の持つ有益な特性を残したまま、しかも低
コストで建築用木材の形状固定処理を行なうことができ
る建築用木材の形状固定処理方法及びその装置を提供す
ることを目的とするものである。
状の固定と材木強化を実現しているものは、薬品処理を
併用させた方法と、高温による圧密化処理があるに過ぎ
ない。しかし、これらの方法は、木材特性の失活やコス
トが嵩むなどの欠点がある。本発明は、上記問題点に鑑
み、木材本来の持つ有益な特性を残したまま、しかも低
コストで建築用木材の形状固定処理を行なうことができ
る建築用木材の形状固定処理方法及びその装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の建築用木材の形状固定方法は、含水状態の
建築用木材に外力を与えて矯正固定し、矯正固定した状
態で材内温度が60℃〜200℃になるように加熱処理
した後、自然冷却しながら乾燥させるものである。本発
明により処理する木材は、含水率の高い木材が好適であ
る。これは、材内が加熱されたときに、水分が熱伝導の
媒体となり芯部まで熱が均一に伝わり、細胞内や細胞壁
の構成成分に無理なく変化を起こさせるのに有効だから
である。したがって、含水率の低い木材では、水分を含
ませた湿熱気で加熱処理を行うのが良い。また、含水状
態の表皮付き丸太は、表皮がラップの役目を果すため好
適に処理できる。
に、本発明の建築用木材の形状固定方法は、含水状態の
建築用木材に外力を与えて矯正固定し、矯正固定した状
態で材内温度が60℃〜200℃になるように加熱処理
した後、自然冷却しながら乾燥させるものである。本発
明により処理する木材は、含水率の高い木材が好適であ
る。これは、材内が加熱されたときに、水分が熱伝導の
媒体となり芯部まで熱が均一に伝わり、細胞内や細胞壁
の構成成分に無理なく変化を起こさせるのに有効だから
である。したがって、含水率の低い木材では、水分を含
ませた湿熱気で加熱処理を行うのが良い。また、含水状
態の表皮付き丸太は、表皮がラップの役目を果すため好
適に処理できる。
【0009】また、本発明に係る建築用木材の形状固定
処理装置は、含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定する外力付与手段と、矯正固定した状態で材内温度
が60℃〜200℃になるように加熱処理する加熱手段
とからなることを特徴とする。
処理装置は、含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定する外力付与手段と、矯正固定した状態で材内温度
が60℃〜200℃になるように加熱処理する加熱手段
とからなることを特徴とする。
【0010】この建築用木材の形状固定処理装置は、外
力付与手段が、建築用木材を挟持する少なくとも一対の
プレートと、該プレートの少なくともどちらか一方側か
ら前記挟持方向に付勢する付勢手段とからなるプレス装
置であって、その付勢手段がばねであるものが好まし
い。また、プレス装置のプレート自体を発熱体にすれば
別途加熱手段を講じる必要が無くなる。
力付与手段が、建築用木材を挟持する少なくとも一対の
プレートと、該プレートの少なくともどちらか一方側か
ら前記挟持方向に付勢する付勢手段とからなるプレス装
置であって、その付勢手段がばねであるものが好まし
い。また、プレス装置のプレート自体を発熱体にすれば
別途加熱手段を講じる必要が無くなる。
【0011】本発明により処理することができる木材の
種類はとくに限定されず、針葉樹でも広葉樹でもその太
さや長さに関係なく処理することができる。とくに含水
率の高い木材や皮付の木材に対して好適である。これ
は、木材内部の組織が煮えた状態になり、細胞壁の変化
に有効だからである。したがって、含水率の低い木材で
は、処理室内で散水して水分を含ませた状態にするのが
良い。また、本発明方法の形状固定処理を同一の木材に
複数回繰り返して施すことにより、木材形状の固定化を
更に確実なものとすることができる。
種類はとくに限定されず、針葉樹でも広葉樹でもその太
さや長さに関係なく処理することができる。とくに含水
率の高い木材や皮付の木材に対して好適である。これ
は、木材内部の組織が煮えた状態になり、細胞壁の変化
に有効だからである。したがって、含水率の低い木材で
は、処理室内で散水して水分を含ませた状態にするのが
良い。また、本発明方法の形状固定処理を同一の木材に
複数回繰り返して施すことにより、木材形状の固定化を
更に確実なものとすることができる。
【0012】含水木材に熱を与えると、木材組織が軟化
し、自然に冷却乾燥することにより固化される。すなわ
ち、軟化しているときプレスで外圧を与えると木材繊維
を傷めず変形できる。
し、自然に冷却乾燥することにより固化される。すなわ
ち、軟化しているときプレスで外圧を与えると木材繊維
を傷めず変形できる。
【0013】
【0014】本発明方法は、例えば次のような装置によ
り実施することができる。以下、本発明装置の実施の形
態を図面に示す実施例により説明する。図1は本発明の
一実施例に係る建築用木材の形状固定処理装置の斜視
図、図2は本発明処理装置の概略構成を示す説明図、図
3はプレス装置の一例を示す説明図である。
り実施することができる。以下、本発明装置の実施の形
態を図面に示す実施例により説明する。図1は本発明の
一実施例に係る建築用木材の形状固定処理装置の斜視
図、図2は本発明処理装置の概略構成を示す説明図、図
3はプレス装置の一例を示す説明図である。
【0015】
【実施例1】図1及び図2に示すように、本発明に係る
形状固定処理装置は、処理すべき木材Wが多数収容可能
な加熱処理室1と、この加熱処理室1に併設され、加熱
処理室1内へ熱風を送風する熱風発生装置2と、加熱処
理室1と熱風発生装置2とを連結する煙道3と、多数の
処理木材Wを多段に積載する外力付与手段としてのプレ
ス装置4とから構成されている。ここで、加熱処理室1
は、プレス装置4を被覆するドーム屋根1Aを有してお
り、このドーム屋根1Aの下端に取付けられた車輪5で
もって加熱処理室1の底板1Bの両側端に設けられた一
対の軌道6上を平行移動できるようにされている。加熱
処理室1内を開閉可能としている。
形状固定処理装置は、処理すべき木材Wが多数収容可能
な加熱処理室1と、この加熱処理室1に併設され、加熱
処理室1内へ熱風を送風する熱風発生装置2と、加熱処
理室1と熱風発生装置2とを連結する煙道3と、多数の
処理木材Wを多段に積載する外力付与手段としてのプレ
ス装置4とから構成されている。ここで、加熱処理室1
は、プレス装置4を被覆するドーム屋根1Aを有してお
り、このドーム屋根1Aの下端に取付けられた車輪5で
もって加熱処理室1の底板1Bの両側端に設けられた一
対の軌道6上を平行移動できるようにされている。加熱
処理室1内を開閉可能としている。
【0016】加熱処理室1の底板1Bは耐火コンクリー
ト製で、その上には、同じく耐火コンクリート製のドー
ム状の屋根1Aを開閉自在に覆設してあり、ドーム屋根
1Aを閉じた状態において、加熱処理室1内が密閉でき
るように、ドーム屋根1A下縁と底板1Bとの間にパッ
キング等(図示せず)を介してシールすることができる
ようにされている。また、加熱処理室1の前方には加熱
処理室1内で冷めた空気が排出される煙突7が取付けら
れている。尚、図中、8は熱風循環用のパイプ、9は循
環用ブロワーである。
ト製で、その上には、同じく耐火コンクリート製のドー
ム状の屋根1Aを開閉自在に覆設してあり、ドーム屋根
1Aを閉じた状態において、加熱処理室1内が密閉でき
るように、ドーム屋根1A下縁と底板1Bとの間にパッ
キング等(図示せず)を介してシールすることができる
ようにされている。また、加熱処理室1の前方には加熱
処理室1内で冷めた空気が排出される煙突7が取付けら
れている。尚、図中、8は熱風循環用のパイプ、9は循
環用ブロワーである。
【0017】熱風発生装置2も加熱処理室1と同様に耐
火コンクリート製で、密閉された箱状に形成され、加熱
処理室1の後部近傍に配置されている。熱風発生装置2
は、蛇腹状で表面積を大きくされた放熱板2bを加熱す
る燃焼室2aと、ここで、加熱された空気を送風ファン
2cにより加熱処理室1内に送風する構成とされてい
る。尚、燃焼室2は、耐化レンガ、耐化コンクリート、
粘土等による耐火造り。前記加熱処理室1は、石、レン
ガ、コンクリートブロックなどの保温材料を用いるもの
でもよい。
火コンクリート製で、密閉された箱状に形成され、加熱
処理室1の後部近傍に配置されている。熱風発生装置2
は、蛇腹状で表面積を大きくされた放熱板2bを加熱す
る燃焼室2aと、ここで、加熱された空気を送風ファン
2cにより加熱処理室1内に送風する構成とされてい
る。尚、燃焼室2は、耐化レンガ、耐化コンクリート、
粘土等による耐火造り。前記加熱処理室1は、石、レン
ガ、コンクリートブロックなどの保温材料を用いるもの
でもよい。
【0018】加熱処理装置1の後端部は、2本の円筒状
の煙道3でもって熱風発生装置2と連通されている。こ
の煙道3には、処理目的に応じて乾熱風、湿熱風、燃焼
ガスを選択するための切替弁3a、熱循環用パイプ8に
は、外気を導入するための切替弁8aが設けられてお
り、形状固定処理や乾燥処理のいずれにも対応できるよ
うにされている。
の煙道3でもって熱風発生装置2と連通されている。こ
の煙道3には、処理目的に応じて乾熱風、湿熱風、燃焼
ガスを選択するための切替弁3a、熱循環用パイプ8に
は、外気を導入するための切替弁8aが設けられてお
り、形状固定処理や乾燥処理のいずれにも対応できるよ
うにされている。
【0019】以下に形状固定処理装置を用いて木材を処
理する方法について説明する。
理する方法について説明する。
【0020】先ず、ドーム屋根1Aを開放した状態で、
加熱処理室1内部に処理すべき含水状態の木材Wを、プ
レス装置4内に多段に積載して上下の圧搾プレート4a
及び4bにより挟持圧縮した状態にしておく。次いで、
ドーム屋根1Aを移動させて加熱処理室1を閉じ、熱風
発生装置2からの熱風を加熱処理室1内へ導入して加熱
処理を行う。熱風発生装置2の燃料としては、ガス、石
油、蒔を用いるが、熱風発生装置2に代えて廃棄物の焼
却炉等から発生する熱風を利用するようにしても良い。
加熱処理室1内部に処理すべき含水状態の木材Wを、プ
レス装置4内に多段に積載して上下の圧搾プレート4a
及び4bにより挟持圧縮した状態にしておく。次いで、
ドーム屋根1Aを移動させて加熱処理室1を閉じ、熱風
発生装置2からの熱風を加熱処理室1内へ導入して加熱
処理を行う。熱風発生装置2の燃料としては、ガス、石
油、蒔を用いるが、熱風発生装置2に代えて廃棄物の焼
却炉等から発生する熱風を利用するようにしても良い。
【0021】熱風発生装置2で燃料を燃焼させることに
より発生する帯熱した空気は、煙道3を通り、加熱処理
室1内部へ流入し、プレス装置4に圧搾された木材Wを
加熱する。加熱処理室1内に流入した熱風は、温度が低
下すると加熱処理室1の底部を流動し、煙突7により外
部に排出される。図中、7aは排気と循環気との切替弁
である。
より発生する帯熱した空気は、煙道3を通り、加熱処理
室1内部へ流入し、プレス装置4に圧搾された木材Wを
加熱する。加熱処理室1内に流入した熱風は、温度が低
下すると加熱処理室1の底部を流動し、煙突7により外
部に排出される。図中、7aは排気と循環気との切替弁
である。
【0022】加熱処理における木材の含水率は20%以
上であれば良いが、50%以上あるのが好ましい、そこ
で、含水率の低い木材は、水槽等に浸漬して、予め含水
率を上げておくか、水分を与えながら加熱するのが良
い。そして、プレス装置4にて真っ直ぐに矯正固定した
状態で、材内が60℃〜200℃の温度になるように加
熱する。これにより木材Wを可塑化(すなわち、軟化)
することができる。次いで、この矯正固定した状態で自
然冷却して養生させると固定化された成形木材が得られ
る。
上であれば良いが、50%以上あるのが好ましい、そこ
で、含水率の低い木材は、水槽等に浸漬して、予め含水
率を上げておくか、水分を与えながら加熱するのが良
い。そして、プレス装置4にて真っ直ぐに矯正固定した
状態で、材内が60℃〜200℃の温度になるように加
熱する。これにより木材Wを可塑化(すなわち、軟化)
することができる。次いで、この矯正固定した状態で自
然冷却して養生させると固定化された成形木材が得られ
る。
【0023】各処理工程での具体的な水分付与方法は、
図2に示すように、熱風発生装置2の燃焼室2a内の放
熱板2b上に水を滴下して水蒸気を発生させ、この水蒸
気によって加熱処理室1内を加熱することにより行う
か、又は、含水の高い蒔(木質燃料)を使用して、水分
を多量に含んだ燃焼ガスにより行なう。
図2に示すように、熱風発生装置2の燃焼室2a内の放
熱板2b上に水を滴下して水蒸気を発生させ、この水蒸
気によって加熱処理室1内を加熱することにより行う
か、又は、含水の高い蒔(木質燃料)を使用して、水分
を多量に含んだ燃焼ガスにより行なう。
【0024】図3は、木材の矯正固定を行う外力付与手
段であるプレス装置4の詳細を示すものであり、整列配
置された複数の柱状木材Wの上下から一対の圧搾プレー
ト4a、4b及び中間プレート4cでもって挟持押圧す
る構成にされている。具体的には、下部プレート4bの
四角部及び長辺の略中点部に、複数のプレート摺動杆4
dが立設され、これらプレート摺動杆4dに対応して上
部プレート4aの四角部及び長辺の略中点部に摺動杆挿
通孔4eが設けられ、この摺動杆挿通孔4eにプレート
摺動杆4dを挿通させることにより、上部プレート4a
が上下に摺動できるようにされている。プレート摺動杆
4dの上部には、コイルスプリング4fがボルト止めし
て取り付けられており、上部プレート4aを下方に向か
って付勢するようにされている。すなわち、コイルスプ
リング4fの付勢力でもって木材Wを連続的に圧搾した
状態にすることができる。
段であるプレス装置4の詳細を示すものであり、整列配
置された複数の柱状木材Wの上下から一対の圧搾プレー
ト4a、4b及び中間プレート4cでもって挟持押圧す
る構成にされている。具体的には、下部プレート4bの
四角部及び長辺の略中点部に、複数のプレート摺動杆4
dが立設され、これらプレート摺動杆4dに対応して上
部プレート4aの四角部及び長辺の略中点部に摺動杆挿
通孔4eが設けられ、この摺動杆挿通孔4eにプレート
摺動杆4dを挿通させることにより、上部プレート4a
が上下に摺動できるようにされている。プレート摺動杆
4dの上部には、コイルスプリング4fがボルト止めし
て取り付けられており、上部プレート4aを下方に向か
って付勢するようにされている。すなわち、コイルスプ
リング4fの付勢力でもって木材Wを連続的に圧搾した
状態にすることができる。
【0025】ここで、上記プレス装置4の圧搾プレート
4a、4b及び中間プレート4c自体を発熱体、例え
ば、プレート内に電熱線を配したり、熱したオイルを循
環させた熱板とすれば、本形状固定処理装置における熱
風発生室2等の加熱手段を不要にすることができる。
4a、4b及び中間プレート4c自体を発熱体、例え
ば、プレート内に電熱線を配したり、熱したオイルを循
環させた熱板とすれば、本形状固定処理装置における熱
風発生室2等の加熱手段を不要にすることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、木
材本来の持つ有益な特性を残したまま、しかも低コスト
で建築用木材の形状固定処理を行なうことができるとい
う優れた効果がある。
材本来の持つ有益な特性を残したまま、しかも低コスト
で建築用木材の形状固定処理を行なうことができるとい
う優れた効果がある。
【図1】本発明の一実施例に係る建築用木材の形状固定
処理装置を示す斜視図である。
処理装置を示す斜視図である。
【図2】本発明処理装置の概略構成を示す説明図であ
る。
る。
【図3】プレス装置の一例を示す斜視図である。
W 木材 1 加熱処理装置 1A ドーム屋根 1B 底板 2 熱風発生装置 2a 燃焼室 2b 放熱板 2c 送風ファン 3 煙道 3a 切替弁 4 プレス装置 4a 上部プレート(圧搾プレート) 4b 下部プレート(圧搾プレート) 4c 中間プレート(圧搾プレート) 4d プレート摺動杆 4e 摺動杆挿通孔 4f コイルスプリング 5 車輪 6 軌道(レール) 7 煙突 8 熱風循環用パイプ 8a 切替弁 9 循環用ブロワー
Claims (5)
- 【請求項1】含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定し、矯正固定した状態で材内温度が60℃〜200
℃になるように加熱処理した後、自然冷却しながら乾燥
させることを特徴とする建築用木材の形状固定処理方
法。 - 【請求項2】含水状態の建築用木材に外力を与えて矯正
固定する外力付与手段と、矯正固定した状態で材内温度
が60℃〜200℃になるように加熱処理する加熱手段
とからなることを特徴とする建築用木材の形状固定処理
装置。 - 【請求項3】外力付与手段が、建築用木材を挟持する少
なくとも一対のプレートと、該プレートの少なくともど
ちらか一方側から前記挟持方向に付勢する付勢手段とか
らなるプレス装置であることを特徴とする請求項2記載
の建築用木材の形状固定処理装置。 - 【請求項4】プレス装置の付勢手段がばねであることを
特徴とする請求項3記載の建築用木材の形状固定処理装
置。 - 【請求項5】プレス装置のプレートが発熱体であること
を特徴とする請求項3又は請求項4記載の建築用木材の
形状固定処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000026890A JP2001212809A (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 建築用木材の形状固定処理方法及びその装置 |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001212809A true JP2001212809A (ja) | 2001-08-07 |
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ID=18552553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000026890A Pending JP2001212809A (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 建築用木材の形状固定処理方法及びその装置 |
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JP (1) | JP2001212809A (ja) |
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2000
- 2000-02-04 JP JP2000026890A patent/JP2001212809A/ja active Pending
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