JP2001212395A - ドラム式洗濯機及びその組立て方法 - Google Patents
ドラム式洗濯機及びその組立て方法Info
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Abstract
備えたものにおいて、経時的に安定した防振力が得られ
るようにする。 【解決手段】 水槽5の振動を抑制するための防振ダン
パー7として、シリンダー26内にオイル25を封入し
たオイルダンパーにより構成し、シリンダー26内に、
水槽5を支持するばね30を配設する。防振ダンパー7
は、ピストンロッド28の一端部をクッション材33
a,33bを介して水槽支持台6に固定し、シリンダー
26の軸部26aを、クッション材34a,34bを介
して本体ケース1の台板1dに固定する。
Description
するための防振ダンパーを備えたドラム式洗濯機及びそ
の組立て方法に関する。
濯機においては、水槽の振動を抑制するために防振ダン
パーが設けられており、この防振ダンパーとしては、水
槽の振動を抑制するための減衰力を、ピストンとシリン
ダーの摺動による摩擦力により得るようにしたものが一
般的である(例えば、特開平6−327892号参
照)。
の場合、水槽の振動を抑制するための減衰力を、ピスト
ンとシリンダーの摺動による摩擦力により得るようにし
ているため、ピストンとシリンダーの摺動面に高い精度
が必要であり、また、初期には十分な摩擦力が得られて
も、摩耗などの影響による経時変化が大きく、信頼性に
おいて十分ではなかった。
のであり、その第1の目的は、水槽の振動を抑制するた
めの防振ダンパーを備えたものにおいて、経時的に安定
した防振力が得られるドラム式洗濯機を提供するにあ
る。また、第2の目的は、防振ダンパーとしてオイルダ
ンパーを用いるようにしたドラム式洗濯機を組立てる際
に、組立てを良好に行うことができるドラム式洗濯機の
組立て方法を提供することにある。
成するために、請求項1の発明は、本体ケースと、この
本体ケースの内部に収容配置された水槽と、この水槽と
前記本体ケースとの間に取り付けられ、前記水槽の振動
を抑制する防振ダンパーと、前記水槽の内部にドラム駆
動手段により回転されるように配設されたドラムとを具
備したドラム式洗濯機において、前記防振ダンパーとし
て、シリンダー内にオイルを封入したオイルダンパーを
用いたことを特徴とするものである。
た場合、オイルの粘性減衰を利用したものであるため、
ピストンとシリンダーの摺動による摩擦力を利用したも
のに比べて、経時変化による影響が少なく、経時的に安
定した防振力を発揮できるようになる。
ダンパーは、シリンダーの内部に水槽を支持するばねを
備えた構成とすることが好ましい。これによれば、水槽
を支持するばねを、オイルを封入したシリンダーの内部
に配設しているので、そのばねを外部に配設する場合に
比べて、ばねのきしみ音やこすれ音がシリンダーの外部
に漏れにくく、耳障りな音の発生を防止でき、また、ば
ねの配設場所に苦慮することもなくすことができる。
サを設けたことを特徴としている。これによれば、ドラ
ムを高速回転させる脱水行程において、水槽の振動を抑
制する効果がある。特に防振ダンパーとしてオイルダン
パーを用いたものでは、速度に比例した粘性減衰である
ため、力の不連続がなく、脱水起動時であってもバラン
サ内の移動物体が暴れることなく移動するようになるた
め、脱水起動時の共振点ではアンバランス力と90度の
位相差を持った位置にバランサ内の移動物体が偏るよう
になり、共振点での振動を抑制する効果を発揮するよう
になる。このため、水槽と本体ケースとの間のギャップ
を小さくすることが可能となり、ひいてはコンパクト化
することが可能となる。
の振動振幅に対して、少なくとも2段階の減衰係数を有
する構成であることを特徴としている。これによれば、
水槽の小さな振動振幅に対しても、大きな振動振幅に対
しても効果的に防振力を発揮できる。
て、防振ダンパーは、オリフィス孔を有するピストン
と、このピストンの軸方向の両側にそれぞれ設けられた
ストッパ部と、前記ピストンと各ストッパ部との間にそ
れぞれ配置された弁体とを備え、ドラムを高速回転させ
る脱水時の定常時における水槽の振動時より大きな振動
振幅において、前記弁体が前記オリフィス孔を塞ぐこと
により減衰係数が切り替わる構成であることを特徴とし
ている。これによれば、一層効果的に防振力を発揮でき
る。
向の両端部をそれぞれクッション材を介して水槽及び本
体ケースに固定したことを特徴としている。防振ダンパ
ーとしてオイルダンパーを用いた場合、オイルを収容し
たシリンダーと、これに対して移動するピストンロッド
との間からのオイル漏れに注意を必要とする。防振ダン
パーの軸方向の両端部をそれぞれクッション材を介して
水槽及び本体ケースに固定することにより、上記シリン
ダーとピストンロッドに作用する横方向の荷重を緩和で
き、オイル漏れに対する信頼性を向上できるようにな
る。
て、複数のクッション材のうち一部のクッション材の硬
度、材質の少なくとも一方を、他のクッション材とは異
ならせたことを特徴としている。例えば本体ケース側に
配置されるクッション材の硬度を小さくすることによ
り、本体ケース側に伝達される振動を一層低減できるよ
うになる。
達成するために、水槽の振動を抑制するための防振ダン
パーとして、シリンダー内にオイルを封入したオイルダ
ンパーを用いるようにしたドラム式洗濯機を組立てる際
に、前記防振ダンパーの軸方向の一端部を水槽支持台に
取り付けることにより防振ダンパーを水槽支持台に組み
付け、その水槽支持台を水槽に組み付け、この後、前記
防振ダンパーの軸方向の他端部を本体ケースに組み付け
るようにしたことを特徴とするものである。
た場合、上述したように、オイルを収容したシリンダー
と、これに対して移動するピストンロッドとの間からの
オイル漏れに注意を必要とするため、組立てる場合も、
そのシリンダーとピストンロッドとの間に大きな負荷が
掛からないように注意する必要がある。そこで、請求項
8の発明のように、組付が簡単である上流工程で、まず
防振ダンパーを水槽支持台に組み付け、次に、その水槽
支持台を水槽に組み付け、この後、防振ダンパーの軸方
向の他端部を本体ケースに組み付けるようにすることに
より、シリンダーとピストンロッドとの間に大きな負荷
が掛かることを極力防止でき、組立てによる不良率を低
減することが可能となる。
て、図1ないし図5を参照して説明する。まず図1及び
図2において、ドラム式洗濯機の本体ケース1は、前面
板1a、左右の側板1b,1c、底部の台板1d、天板
1e、及び後面板1f(図1では後面板1fは外された
状態)を組み合わせることにより矩形箱状に形成されて
いる。本体ケース1の前面板1aには、洗濯物出入れ口
3が形成されていると共に、この洗濯物出入れ口3を開
閉する扉4が設けられている。
槽5が配設されている。この水槽5は、下部が水槽支持
台6及び後述する防振ダンパー7を介して台板1dに支
持され、上部の被支持部8が上部ばね9及び支持板10
を介して本体ケース1の天板1eに補助的に支持されて
いる。上記防振ダンパー7は、図1に示すように、水槽
5の左右両側に1個ずつ設けられている。この場合、上
記水槽5は、図2に示すように軸方向が横軸状で、かつ
前上がりの傾斜状態で配設されていて、これの前面の開
口部がベロー11によって前記洗濯物出入れ口3に水密
に連ねられている。
に配設されている。このドラム12も、水槽5と同様に
軸方向が横軸状で、かつ前上がりの傾斜状態で配置され
ていて、前面の開口部12aが洗濯物出入れ口3に連通
している。このドラム12は図示しない洗濯物を収容す
るもので、周側壁に通風孔を兼ねる脱水孔(図示せず)
を多数有していて、洗濯槽、脱水槽及び乾燥槽としても
機能するものである。ドラム12の内部には、洗濯物を
かき上げるためのバッフル12cが複数設けられ、ま
た、ドラム12の周側壁の前部の周縁部に、内部に移動
物体として液体例えば食塩水が封入されたバランサ13
が設けられている。
が設けられていて、この軸受ハウジング14の外周部
に、ドラム駆動手段を構成するドラム用モータ15のス
テータ16が配設されている。ドラム用モータ15のロ
ータ17は、ステータ16を囲むように配置された外転
形である。このロータ17にはこれと一体回転するよう
にシャフト18が設けられていて、このシャフト18が
上記軸受ハウジング14に軸受を介して回転自在に挿通
されている。そのシャフト18の先端部は、上記ドラム
12の後面部の中心部に固着されている。しかして、ド
ラム用モータ15は、アウタロータ形の例えば直流ブラ
シレスモータから成っていて、ロータ17によりドラム
12を直接回転駆動する構成となっている。
と並べて除湿器19が設けられている。この除湿器19
は、全体に中空状で、下端部が水槽5内と連通してい
て、その水槽5内の空気、ひいてはドラム12内の空気
を下端部から上方へと通し、それに対して、上部から水
を注ぎ入れることによって、その内部を通る空気の水分
を冷却し凝縮させて除湿するものである。
燥用加熱器21が配設されている。この場合、乾燥行程
時に、送風装置20の図示しない送風ファンが回転され
ると、ドラム12内の空気が除湿器19内を通して送風
装置20内に吸入された後、乾燥用加熱器21側に吐出
される。乾燥用加熱器21側に吐出された空気は、当該
乾燥用加熱器21を通る過程で図示しないヒータにより
加熱され、その加熱された空気が送風ダクト22を通し
て水槽5内に供給され、その温風によりドラム12内の
洗濯物が乾燥されるようになっている。
図3も参照して説明する。防振ダンパー7は、いわゆる
オイルダンパーであり、内部にオイル25が収容された
円筒状をなすシリンダー26と、このシリンダー26の
内部に軸方向に摺動可能に設けられたピストン27と、
このピストン27に取着されたピストンロッド28と、
シリンダー26内に位置させてピストンロッド28の先
端部に設けられたばね受け部29とシリンダー26の底
部との間に配設されたコイルばねからなるばね30と、
シリンダー26開口部を封止する封止部材31とから構
成されていて、ピストンロッド28が封止部材31から
外方へ突出している。シリンダー26内は、ピストン2
7により上下の2つの部屋に仕切られている。
aが設けられていると共に、おねじ部28bが形成され
ている。また、シリンダー26には、ピストンロッド2
8とは反対方向へ突出する軸部26aが突設されてい
て、この軸部26aにも、鍔部26bが設けられている
と共に、おねじ部26cが形成されている。
リフィス孔32が複数個形成されていると共に、外周部
にシリンダー26の内周面に対して摺動する摺動部材2
7aが設けられている。防振ダンパ7の軸方向の一端部
である上記ピストンロッド28の上端部は、例えばブチ
ルゴム製の2個のクッション材33a,33bを介して
前記水槽支持台6に固定されている。また、防振ダンパ
7の軸方向の他端部である上記シリンダー26の軸部2
6aも、例えばブチルゴム製の2個のクッション材34
a,34bを介して前記台板1dに固定されている。こ
の場合、4個のクッション材33a,33b、34a,
34bのうち、台板1d側のクッション材34a,34
bは、水槽支持台6側のクッション材34a,34bに
対して硬度の小さいものを用いている。
板1dに取り付ける際の組立て手順について説明する。
まず、水槽支持台6を水槽5に取り付ける前に、図4に
示すように、水槽支持台6に左右の防振ダンパー7を組
み付ける。具体的には、まず防振ダンパー7におけるピ
ストンロッド28の上端部に、図3に示すように、座金
35及び一方のクッション材33aを順に嵌合させ、こ
の後、ピストンロッド28の上端部を、水槽支持台6の
孔36に挿入する。そして、水槽支持台6から突出した
ピストンロッド28の上端部に、前記クッション33a
との間で水槽支持台6を挟み込むようにしてクッション
材33b及び座金35を嵌合させ、この後、おねじ部2
8bにナット37を螺合する。このようにして、水槽支
持台6に防振ダンパー7を組み付ける。
槽支持台6を、図1に示すように水槽5のボス部38,
39にボルト40を締め付けることにより、水槽5に組
み付ける。この後、防振ダンパー7の下部の軸部26a
側を、台板1dに組み付ける。この場合も、上記ピスト
ンロッド28側と同様に、まず、軸部26aに、座金3
5及び一方のクッション材34aを順に嵌合させ、この
後、軸部26aの下端部を、台板1dの孔41に挿入す
る。そして、台板1dから下方へ突出した軸部26aの
端部に、前記クッション34aとの間で台板1dを挟み
込むようにしてクッション材34b及び座金35を嵌合
させ、この後、おねじ部26cにナット42を螺合す
る。このようにして、防振ダンパー7の下端部を台板1
dに組み付ける。この場合、シリンダー26内のばね3
0は、ピストンロッド28を介して水槽5を支持してい
る。
板1aには、上部に操作パネル43が設けられ、下部に
制御装置44が設けられている。制御装置44は、マイ
クロコンピュータを備えていて、ドラム式洗濯機の運転
全般を制御する構成となっている。
における洗い及びすすぎ運転時には、ドラム用モータ1
5によりドラム12が低速回転(例えば約50[rp
m])で正逆回転され、これに伴いドラム12内に収容
された洗濯物がバッフル12cにより持ち上げられた
後、落下するということを繰り返す。脱水運転では、ド
ラム用モータ15によりドラム12が一方向に高速回転
(例えば約1000[rpm])され、これによりドラ
ム12内の洗濯物が遠心脱水される。
モータ15によりドラム12が低速回転(例えば約50
[rpm])で正逆回転されると共に、除湿器19によ
りドラム12内の湿気が除去され、さらに送風装置20
及び乾燥用加熱器21が運転されることに伴いドラム1
2内の洗濯物が温風により乾燥されるようになる。
ラム12の振動が水槽5に伝えられるが、その水槽5の
振動は防振ダンパ7により抑えられる。このとき、防振
ダンパ7において、水槽5に連結されたピストンロッド
28を介してピストン27が軸方向の一方に移動しよう
とすると、シリンダ−26内のオイル25は、ピストン
27のオリフィス孔32を通してのみしか移動できない
ため、そのオリフィス孔32をオイル25が行き来する
ときの流路抵抗により減衰力が生じ、ピストン27の移
動が抑制されるようになり、これにより水槽5の振動が
抑えられ、その振動が本体ケース1側に伝わることも抑
えられるようになる。
果を得ることができる。まず、水槽5の振動を抑制する
防振ダンパー7として、シリンダー26内にオイル25
を封入したオイルダンパーを用いているので、ピストン
とシリンダーの摺動による摩擦力を利用したものに比べ
て、経時変化による影響が少なく、経時的に安定した防
振力を発揮できるようになる。また、この防振ダンパ7
において、ピストン27の軸方向のストロークと、当該
防振ダンパ7による反力との関係は、図5に示すように
線形的で、本体ケース1側への加振力も連続的であるた
め、上記した従来の摩擦方式の防振ダンパーに比較して
低騒音化を図ることが可能になる。
を封入したシリンダー26の内部に配設しているので、
そのばね30のきしみ音やこすれ音がシリンダー26の
外部に漏れにくく、耳障りな音の発生を防止でき、ま
た、そのばね30の配設場所に苦慮することもない。ち
なみに、従来構成のもの(特開平6−327892号)
では、水槽を、本体ケースの上部に配設されたスプリン
グにより吊持する構成としていたため、そのスプリング
のきしみ音やこすれ音などが耳障りとなったり、そのス
プリングを配設する場所に苦慮するものであったが、本
実施例においては、そのような不具合を防止できる。
構成としているので、ドラム12を高速回転させる脱水
行程において、水槽12の振動を抑制する効果がある。
特に防振ダンパー7としてオイルダンパーを用いたもの
では、速度に比例した粘性減衰であるため、力の不連続
がなく、脱水起動時であってもバランサ13内の食塩水
が暴れることなく移動するようになるため、脱水起動時
の共振点ではアンバランス力と90度の位相差を持った
位置にバランサ13内の食塩水が偏るようになり、共振
点での振動を抑制する効果を発揮するようになる。この
ため、水槽5と本体ケース1との間のギャップを小さく
することが可能となり、ひいてはコンパクト化すること
が可能となる。
いた場合、オイル25を収容したシリンダー26の封止
部材31と、これに対して移動するピストンロッド28
との間からのオイル漏れに注意を必要とする。この場
合、防振ダンパー7は、軸方向の上端部となるピストン
ロッド28の上端部をクッション材33a,33bを介
して水槽5に固定すると共に、下端部となるシリンダー
26の軸部26aをクッション材34a,34bを介し
て本体ケース1の台板1dに固定するようにしているの
で、上記シリンダー26の封止部材31とピストンロッ
ド28とに作用する横方向の荷重を緩和でき、オイル漏
れに対する信頼性を向上できるようになる。
材33a,33b及び34a,34bのうち本体ケース
1の台板1d側に配置される2個のクッション材34
a,34bの硬度を小さくしておくことにより、本体ケ
ース1側に伝達される振動を一層低減できるようにな
る。
いた場合、上述したように、オイル25を収容したシリ
ンダー26の封止部材31と、これに対して移動するピ
ストンロッド28との間からのオイル漏れに注意を必要
とするため、組立てる場合も、その封止部材31とピス
トンロッド28との間に大きな負荷が掛からないように
注意する必要がある。
である上流工程で、まず防振ダンパー7の一端部である
ピストンロッド28の端部を水槽支持台6に組み付け、
次に、その水槽支持台6を水槽5に組み付け、この後、
防振ダンパー7の他端部であるシリンダー26の軸部2
6aを本体ケース1の台板1dに組み付けるようにする
ことにより、封止部材31とピストンロッド28との間
に大きな負荷が掛かることを極力防止でき、組立てによ
る不良率を低減することが可能となる。
したものであり、この第2実施例は上記した第1実施例
とは次の点が異なっている。すなわち、防振ダンパー4
9において、シリンダ−26内に配設されたピストン5
0には、図7にも示すように、ピストンロッド28に近
い中央部寄りと、摺動部材50aに近い外周部寄りとに
オリフィス孔51,52がそれぞれ複数個ずつ形成され
ている。このうち中央部寄りのオリフィス孔51の開口
面積は、外周部寄りのオリフィス孔52に対して大きく
形成されている。また、ピストン50の軸方向の両端面
には、中央部寄りの複数個のオリフィス孔51を内側と
外側から囲むように2個の環状凸部53,54が同心円
状に設けられている。
パ部を兼ねるばね受け部29と、シリンダー26内にお
いてばね受け部29とは反対側に位置させ、かつピスト
ン50から所定距離離れた部位にリング状のストッパ部
55が固定状態に設けられている。このストッパ部55
とピストン50との間に位置させて、円板状の第1の弁
体56がピストンロッド28の回りに遊嵌状態に配置さ
れ、また、ピストン50とばね受け部29との間に位置
させて、円板状の第2の弁体57がピストンロッド28
の回りに遊嵌状態に配置されている。第1及び第2の弁
体56,57は、2個の環状凸部53,54間の幅より
も幅広に形成されている。
て説明する。水槽5の振動に伴い、ピストンロッド28
及びピストン50が図7(a)において矢印A1方向
(上方)へ大きく移動し、ピストン50の上面側の環状
凸部53,54が上側の第1の弁体56に接触するよう
になると、中央部寄りの各オリフィス孔51が塞がれた
状態となるため、オイル25は、外周部寄りのオリフィ
ス孔52のみを通り矢印B1方向(下方)へ移動するよ
うになる。これにより。大きな減衰力を発揮するするよ
うになる。なお、第2の弁体57は、ばね受け部29に
より所定の位置に規制される。
8及びピストン50が図7(b)に示すように矢印A2
方向(下方)へ移動すると、上側の第1の弁体56は、
オイル25の矢印B2方向(上方)への流れにより押し
上げられて環状凸部53,54から離れるようになり、
オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔52だけでは
なく、中央部寄りの各オリフィス孔51も通って矢印B
2方向に流れるようになる。このため、減衰力は小さく
なる。
8及びピストン50がさらに矢印A2方向へ移動し、
(c)に示すように、ピストン50の下面側の環状凸部
53,54が下側の第2の弁体57に接触するようにな
ると、中央部寄りの各オリフィス孔51が塞がれた状態
となるため、オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔
52のみを通り矢印B2方向へ移動するようになる。こ
れにより。大きな減衰力を発揮するするようになる。な
お、第1の弁体56は、ストッパ部55により所定の位
置に規制される。
8及びピストン50が図7(d)に示すように矢印A1
方向へ移動するようになると、下側の第2の弁体57
は、オイル25の矢印B1方向への流れにより環状凸部
53,54から引き離されるようになり、オイル25
は、外周部寄りのオリフィス孔52だけではなく、中央
部寄りの各オリフィス孔51も通って矢印B1方向に流
れるようになる。このため、減衰力は小さくなる。
ーを用いたものでは、前述したように、ピストンのオリ
フィス孔をオイルが行き来するときの流路抵抗により減
衰力が生じるものであり、その減衰係数は、オリフィス
孔の開口面積のほぼ2乗に比例することが知られてい
る。
ン50の振動振幅が大きく第1、第2の弁体56,57
でオリフィス孔51が塞がれる場合の減衰係数は、ピス
トン50の振動振幅が小さく第1、第2の弁体56,5
7でオリフィス孔51が塞がれない場合の減衰係数より
も大きくなるようにしており、少なくとも脱水時の共振
時に大きな減衰力を生じさせるために、小振幅時の減衰
係数の1.4倍以上に設定する(脱水共振時のピストン
速度:0.19[m/s]、脱水定常時のピストン速
度:0.27[m/s])。大振幅時の減衰係数は大き
い方が望ましいが、共振点での反力がドラム式洗濯機の
本体重量より大きくなると、共振時に本体の移動を引き
起こすことがあり、本体重量を80kgとすると、減衰
係数と防振ダンパーの使用本数の積が4160[本・
(N・s/m)]以下に設定する。
の可動範囲は、例えば8.5mmとし、脱水定常時の水
槽5の振動によるピストン50の振幅よりも大きい値と
することで、脱水定常時において、ピストン50は第1
及び第2の弁体56,57が閉じない範囲で可動される
ため、防振ダンパー49からの伝達力を小さくすること
ができる。また、脱水起動時の共振振動時には、第1及
び第2の弁体56,57が閉じることにより大きな減衰
力を得ることができ、共振振動を抑制する。
振動振幅は小さいものの、ドラム12の回転速度が高い
ため、ピストン速度は大きく、防振ダンパ7による反力
も大きくなり、床に与える影響が大きい。そのため、減
衰係数をある程度小さくする必要があったが、この第2
実施例のように、減衰係数を2段階有する構成とするこ
とにより、共振振動を十分に抑制することができ、水槽
5と本体ケース1との間のギャップを小さくすることが
可能となり、コンパクトで大容量のドラム式洗濯機を提
供することが可能となる。
ー49の反力特性は、図10に示すようになり、ピスト
ンの振幅が小さい場合には、(a)に示すように線形的
であるが、大きい場合には、(b)に示すように非線形
となる(P1,P2で減衰係数が切り替わる)。しかし
ながら、第1、第2の弁体56,57でオリフィス孔5
1,52を閉じる場合には、徐々に開口面積が小さくな
っていくため、従来の摩擦式に比べ、不連続な加振力が
緩和できるために低騒音であり、さらに脱水定常時にお
いて伝達力が大きくなることがなく、低騒音で、低振動
なドラム式洗濯機を提供することが可能となる。
例を示すものである。この第3実施例において、前述し
た第1実施例と同様な部分には同一の符号を付して説明
を省略し、特に異なっている部分について説明する。
た水槽5、及びこの水槽5内に配設されたドラム12
は、ほぼ水平の横軸状態で配置されている。水槽5は、
下部が水槽支持台6及び防振ダンパー61を介して本体
ケース1の台板1dに支持され、上部は吊り用のばね6
2を介して本体ケース1の天井部に支持されている。な
お、ドラム12には、バランサ13は設けられていな
い。また、この場合、除湿器、送風装置及び乾燥用加熱
器は設けられていない。
内にオイル25を封入したオイルダンパーであるが、こ
の場合、シリンダー26内には、水槽5を支持するため
のばねは設けられておらず、また、これに伴い、ピスト
ンロッド28には、ばね受け部は設けられていない。図
10は防振ダンパー61の反力特性を示しており、この
場合も反力特性は線形的である。
実施例と同様な構成の防振ダンパー7(シリンダー26
内に水槽5を支持するためのばね30を配設したもの)
を4本用い、これら4本の防振ダンパー7により水平状
態の水槽5を支持する構成とすることもできる。このよ
うな構成とした場合には、水槽5を吊り下げ支持するば
ね62を用いる必要はない。
1の発明によれば、水槽の振動を抑制するための防振ダ
ンパーを備えたものにおいて、防振ダンパーとして、シ
リンダー内にオイルを封入したオイルダンパーを用いる
ようにしたことにより、経時変化による影響が少なく、
経時的に安定した防振力を得ることができるようにな
る。
入したシリンダーの内部に配設した構成とすることによ
り、ばねのきしみ音やこすれ音がシリンダーの外部に漏
れにくく、耳障りな音の発生を防止でき、また、ばねの
配設場所に苦慮することもなくすことができる。
る上流工程で、まず防振ダンパーを水槽支持台に組み付
け、次に、その水槽支持台を水槽に組み付け、この後、
防振ダンパーの軸方向の他端部を本体ケースに組み付け
るようにすることにより、オイル漏れの発生を防止で
き、組立てを良好に行うことができるようになる。
の後面板を外した状態での破断背面図
一部を破断して示す背面図
の関係を示す特性図
図
振ダンパーの反力との関係を示す特性図であり、(a)
は小振幅時、(b)は大振幅時を示す
水槽支持台、7は防振ダンパー、12はドラム、13は
バランサ、15はドラム用モータ(ドラム駆動手段)、
25はオイル、26はシリンダー、27はピストン、2
8はピストンロッド、29はばね受け部(ストッパ
部)、30はばね、31は封止部材、32はオリフィス
孔、33a,33b,34a,34bはそれぞれクッシ
ョン材、50はピストン、51,52はオリフィス孔、
55はストッパ部、56,57は第1、第2の弁体(弁
体)を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 本体ケースと、この本体ケースの内部に
収容配置された水槽と、 この水槽と前記本体ケースとの間に取り付けられ、前記
水槽の振動を抑制する防振ダンパーと、 前記水槽の内部にドラム駆動手段により回転されるよう
に配設されたドラムとを具備したドラム式洗濯機におい
て、 前記防振ダンパーとして、シリンダー内にオイルを封入
したオイルダンパーを用いたことを特徴とするドラム式
洗濯機。 - 【請求項2】 防振ダンパーは、シリンダ−の内部に水
槽を支持するばねを備えていることを特徴とする請求項
1記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項3】 ドラムにバランサを設けたことを特徴と
する請求項1記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項4】 防振ダンパーは、水槽の振動振幅に対し
て、少なくとも2段階の減衰係数を有する構成であるこ
とを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項5】 防振ダンパーは、オリフィス孔を有する
ピストンと、このピストンの軸方向の両側にそれぞれ設
けられたストッパ部と、前記ピストンと各ストッパ部と
の間にそれぞれ配置された弁体とを備え、 ドラムを高速回転させる脱水時の定常時における水槽の
振動時より大きな振動振幅において、前記弁体が前記オ
リフィス孔を塞ぐことにより減衰係数が切り替わる構成
であることを特徴とする請求項4記載のドラム式洗濯
機。 - 【請求項6】 防振ダンパーは、軸方向の両端部をそれ
ぞれクッション材を介して水槽及び本体ケースに固定し
たことを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項7】 複数のクッション材のうち一部のクッシ
ョン材の硬度、材質の少なくとも一方を、他のクッショ
ン材とは異ならせたことを特徴とする請求項6記載のド
ラム式洗濯機。 - 【請求項8】 水槽の振動を抑制するための防振ダンパ
ーとして、シリンダー内にオイルを封入したオイルダン
パーを用いるようにしたドラム式洗濯機を組立てる際
に、 前記防振ダンパーの軸方向の一端部を水槽支持台に取り
付けることにより防振ダンパーを水槽支持台に組み付
け、次に、その水槽支持台を水槽に組み付け、この後、
前記防振ダンパーの軸方向の他端部を本体ケースに組み
付けるようにしたことを特徴とするドラム式洗濯機の組
立て方法。
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