JP3817401B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水槽の振動を抑制するための防振ダンパーを備えたドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、ドラム式洗濯機においては、水槽の振動を抑制するために防振ダンパーが設けられており、この防振ダンパーとしては、水槽の振動を抑制するための減衰力を、ピストンとシリンダーの摺動による摩擦力により得るようにしたものが一般的である(例えば、特開平6−327892号参照)。
【0003】
しかしながら、このような従来構成のものの場合、水槽の振動を抑制するための減衰力を、ピストンとシリンダーの摺動による摩擦力により得るようにしているため、ピストンとシリンダーの摺動面に高い精度が必要であり、また、初期には十分な摩擦力が得られても、摩耗などの影響による経時変化が大きく、信頼性において十分ではなかった。
【0004】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水槽の振動を抑制するための防振ダンパーを備えたものにおいて、経時的に安定した防振力が得られるドラム式洗濯機を提供するにある
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明は、本体ケースと、この本体ケースの内部に収容配置された水槽と、この水槽と前記本体ケースとの間に取り付けられ、前記水槽の振動を抑制する防振ダンパーと、前記水槽の内部にドラム駆動手段により回転されるように配設されたドラムとを具備したドラム式洗濯機において、前記防振ダンパーとして、シリンダー内にオイルを封入したオイルダンパーを用い、前記防振ダンパーは、前記シリンダーに対して相対的に移動可能に設けられたピストンロッドと、前記シリンダー内に摺動可能に配置されると共に前記ピストンロッドにこれと共に移動されるように設けられ、移動に伴いオイルの通過が可能な複数個のオリフィス孔を有するピストンと、前記ピストンロッドに前記ピストンの軸方向に所定距離離れて固定状態に設けられたストッパ部と、前記ピストンと前記ストッパ部との間に位置させて前記ピストンロッドに遊嵌状態に設けられ、それらピストンと対応するストッパ部とにより移動範囲が規制された円板状の弁体とを備え、前記ドラムを高速回転させる脱水時の定常時における水槽の振動時より大きな振動振幅において、前記弁体が前記複数個のオリフィス孔のうちいずれかを塞ぐことにより減衰係数が切り替わる構成であることを特徴とするものである。
【0006】
防振ダンパーとしてオイルダンパーを用いた場合、オイルの粘性減衰を利用したものであるため、ピストンとシリンダーの摺動による摩擦力を利用したものに比べて、経時変化による影響が少なく、経時的に安定した防振力を発揮できるようになる。
更に、ピストンに、オイルの通過が可能な複数個のオリフィス孔を形成すると共に、ピストンの振幅(ピストンロッドの移動)に対応してオリフィス孔のうちいずれかを塞ぐ弁体を備えているため、ピストンの振幅が大きくなると弁体がオリフィス孔を塞ぐことによりオリフィス孔を通過するオイルが減少するため減衰係数を大きくすることができ、ピストンの振幅が小さくなると弁体がオリフィス孔から離れることによりオリフィス孔を通過するオイルが増加するため減衰係数を小さくすることができるので、水槽の小さな振動振幅に対しても、大きな振動振幅に対しても効果的に防振力を発揮できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の参考例について、図1ないし図5を参照して説明する。まず図1及び図2において、ドラム式洗濯機の本体ケース1は、前面板1a、左右の側板1b,1c、底部の台板1d、天板1e、及び後面板1f(図1では後面板1fは外された状態)を組み合わせることにより矩形箱状に形成されている。本体ケース1の前面板1aには、洗濯物出入れ口3が形成されていると共に、この洗濯物出入れ口3を開閉する扉4が設けられている。
【0016】
本体ケース1の内部には、円筒状をなす水槽5が配設されている。この水槽5は、下部が水槽支持台6及び後述する防振ダンパー7を介して台板1dに支持され、上部の被支持部8が上部ばね9及び支持板10を介して本体ケース1の天板1eに補助的に支持されている。上記防振ダンパー7は、図1に示すように、水槽5の左右両側に1個ずつ設けられている。この場合、上記水槽5は、図2に示すように軸方向が横軸状で、かつ前上がりの傾斜状態で配設されていて、これの前面の開口部がベロー11によって前記洗濯物出入れ口3に水密に連ねられている。
【0017】
水槽5の内部には、ドラム12が回転可能に配設されている。このドラム12も、水槽5と同様に軸方向が横軸状で、かつ前上がりの傾斜状態で配置されていて、前面の開口部12aが洗濯物出入れ口3に連通している。このドラム12は図示しない洗濯物を収容するもので、周側壁に通風孔を兼ねる脱水孔(図示せず)を多数有していて、洗濯槽、脱水槽及び乾燥槽としても機能するものである。ドラム12の内部には、洗濯物をかき上げるためのバッフル12cが複数設けられ、また、ドラム12の周側壁の前部の周縁部に、内部に移動物体として液体例えば食塩水が封入されたバランサ13が設けられている。
【0018】
上記水槽5の後部には軸受ハウジング14が設けられていて、この軸受ハウジング14の外周部に、ドラム駆動手段を構成するドラム用モータ15のステータ16が配設されている。ドラム用モータ15のロータ17は、ステータ16を囲むように配置された外転形である。このロータ17にはこれと一体回転するようにシャフト18が設けられていて、このシャフト18が上記軸受ハウジング14に軸受を介して回転自在に挿通されている。そのシャフト18の先端部は、上記ドラム12の後面部の中心部に固着されている。しかして、ドラム用モータ15は、アウタロータ形の例えば直流ブラシレスモータから成っていて、ロータ17によりドラム12を直接回転駆動する構成となっている。
【0019】
水槽5の後面側には、ドラム用モータ15と並べて除湿器19が設けられている。この除湿器19は、全体に中空状で、下端部が水槽5内と連通していて、その水槽5内の空気、ひいてはドラム12内の空気を下端部から上方へと通し、それに対して、上部から水を注ぎ入れることによって、その内部を通る空気の水分を冷却し凝縮させて除湿するものである。
【0020】
水槽5の上部側には、送風装置20及び乾燥用加熱器21が配設されている。この場合、乾燥行程時に、送風装置20の図示しない送風ファンが回転されると、ドラム12内の空気が除湿器19内を通して送風装置20内に吸入された後、乾燥用加熱器21側に吐出される。乾燥用加熱器21側に吐出された空気は、当該乾燥用加熱器21を通る過程で図示しないヒータにより加熱され、その加熱された空気が送風ダクト22を通して水槽5内に供給され、その温風によりドラム12内の洗濯物が乾燥されるようになっている。
【0021】
さて、上記防振ダンパー7部分について、図3も参照して説明する。防振ダンパー7は、いわゆるオイルダンパーであり、内部にオイル25が収容された円筒状をなすシリンダー26と、このシリンダー26の内部に軸方向に摺動可能に設けられたピストン27と、このピストン27に取着されたピストンロッド28と、シリンダー26内に位置させてピストンロッド28の先端部に設けられたばね受け部29とシリンダー26の底部との間に配設されたコイルばねからなるばね30と、シリンダー26開口部を封止する封止部材31とから構成されていて、ピストンロッド28が封止部材31から外方へ突出している。シリンダー26内は、ピストン27により上下の2つの部屋に仕切られている。
【0022】
ピストンロッド28の上部には、鍔部28aが設けられていると共に、おねじ部28bが形成されている。また、シリンダー26には、ピストンロッド28とは反対方向へ突出する軸部26aが突設されていて、この軸部26aにも、鍔部26bが設けられていると共に、おねじ部26cが形成されている。
【0023】
上記ピストン27には、軸方向に延びるオリフィス孔32が複数個形成されていると共に、外周部にシリンダー26の内周面に対して摺動する摺動部材27aが設けられている。防振ダンパ7の軸方向の一端部である上記ピストンロッド28の上端部は、例えばブチルゴム製の2個のクッション材33a,33bを介して前記水槽支持台6に固定されている。また、防振ダンパ7の軸方向の他端部である上記シリンダー26の軸部26aも、例えばブチルゴム製の2個のクッション材34a,34bを介して前記台板1dに固定されている。この場合、4個のクッション材33a,33b、34a,34bのうち、台板1d側のクッション材34a,34bは、水槽支持台6側のクッション材34a,34bに対して硬度の小さいものを用いている。
【0024】
ここで、防振ダンパ7を上記水槽5及び台板1dに取り付ける際の組立て手順について説明する。まず、水槽支持台6を水槽5に取り付ける前に、図4に示すように、水槽支持台6に左右の防振ダンパー7を組み付ける。具体的には、まず防振ダンパー7におけるピストンロッド28の上端部に、図3に示すように、座金35及び一方のクッション材33aを順に嵌合させ、この後、ピストンロッド28の上端部を、水槽支持台6の孔36に挿入する。そして、水槽支持台6から突出したピストンロッド28の上端部に、前記クッション33aとの間で水槽支持台6を挟み込むようにしてクッション材33b及び座金35を嵌合させ、この後、おねじ部28bにナット37を螺合する。このようにして、水槽支持台6に防振ダンパー7を組み付ける。
【0025】
次に、この防振ダンパー7を取り付けた水槽支持台6を、図1に示すように水槽5のボス部38,39にボルト40を締め付けることにより、水槽5に組み付ける。この後、防振ダンパー7の下部の軸部26a側を、台板1dに組み付ける。この場合も、上記ピストンロッド28側と同様に、まず、軸部26aに、座金35及び一方のクッション材34aを順に嵌合させ、この後、軸部26aの下端部を、台板1dの孔41に挿入する。そして、台板1dから下方へ突出した軸部26aの端部に、前記クッション34aとの間で台板1dを挟み込むようにしてクッション材34b及び座金35を嵌合させ、この後、おねじ部26cにナット42を螺合する。このようにして、防振ダンパー7の下端部を台板1dに組み付ける。この場合、シリンダー26内のばね30は、ピストンロッド28を介して水槽5を支持している。
【0026】
なお、図2において、本体ケース1の前面板1aには、上部に操作パネル43が設けられ、下部に制御装置44が設けられている。制御装置44は、マイクロコンピュータを備えていて、ドラム式洗濯機の運転全般を制御する構成となっている。
【0027】
次に上記構成の作用を説明する。
洗濯行程における洗い及びすすぎ運転時には、ドラム用モータ15によりドラム12が低速回転(例えば約50[rpm])で正逆回転され、これに伴いドラム12内に収容された洗濯物がバッフル12cにより持ち上げられた後、落下するということを繰り返す。脱水運転では、ドラム用モータ15によりドラム12が一方向に高速回転(例えば約1000[rpm])され、これによりドラム12内の洗濯物が遠心脱水される。
【0028】
この脱水運転後の乾燥行程では、ドラム用モータ15によりドラム12が低速回転(例えば約50[rpm])で正逆回転されると共に、除湿器19によりドラム12内の湿気が除去され、さらに送風装置20及び乾燥用加熱器21が運転されることに伴いドラム12内の洗濯物が温風により乾燥されるようになる。
【0029】
ここで、ドラム12の回転に伴い、そのドラム12の振動が水槽5に伝えられるが、その水槽5の振動は防振ダンパ7により抑えられる。このとき、防振ダンパ7において、水槽5に連結されたピストンロッド28を介してピストン27が軸方向の一方に移動しようとすると、シリンダ−26内のオイル25は、ピストン27のオリフィス孔32を通してのみしか移動できないため、そのオリフィス孔32をオイル25が行き来するときの流路抵抗により減衰力が生じ、ピストン27の移動が抑制されるようになり、これにより水槽5の振動が抑えられ、その振動が本体ケース1側に伝わることも抑えられるようになる。
【0030】
上記した第1の参考例においては、次のような効果を得ることができる。まず、水槽5の振動を抑制する防振ダンパー7として、シリンダー26内にオイル25を封入したオイルダンパーを用いているので、ピストンとシリンダーの摺動による摩擦力を利用したものに比べて、経時変化による影響が少なく、経時的に安定した防振力を発揮できるようになる。また、この防振ダンパ7において、ピストン27の軸方向のストロークと、当該防振ダンパ7による反力との関係は、図5に示すように線形的で、本体ケース1側への加振力も連続的であるため、上記した従来の摩擦方式の防振ダンパーに比較して低騒音化を図ることが可能になる。
【0031】
水槽5を支持するばね30を、オイル25を封入したシリンダー26の内部に配設しているので、そのばね30のきしみ音やこすれ音がシリンダー26の外部に漏れにくく、耳障りな音の発生を防止でき、また、そのばね30の配設場所に苦慮することもない。ちなみに、従来構成のもの(特開平6−327892号)では、水槽を、本体ケースの上部に配設されたスプリングにより吊持する構成としていたため、そのスプリングのきしみ音やこすれ音などが耳障りとなったり、そのスプリングを配設する場所に苦慮するものであったが、本実施例においては、そのような不具合を防止できる。
【0032】
また、ドラム12にバランサ13を設けた構成としているので、ドラム12を高速回転させる脱水行程において、水槽12の振動を抑制する効果がある。特に防振ダンパー7としてオイルダンパーを用いたものでは、速度に比例した粘性減衰であるため、力の不連続がなく、脱水起動時であってもバランサ13内の食塩水が暴れることなく移動するようになるため、脱水起動時の共振点ではアンバランス力と90度の位相差を持った位置にバランサ13内の食塩水が偏るようになり、共振点での振動を抑制する効果を発揮するようになる。このため、水槽5と本体ケース1との間のギャップを小さくすることが可能となり、ひいてはコンパクト化することが可能となる。
【0033】
防振ダンパー7としてオイルダンパーを用いた場合、オイル25を収容したシリンダー26の封止部材31と、これに対して移動するピストンロッド28との間からのオイル漏れに注意を必要とする。この場合、防振ダンパー7は、軸方向の上端部となるピストンロッド28の上端部をクッション材33a,33bを介して水槽5に固定すると共に、下端部となるシリンダー26の軸部26aをクッション材34a,34bを介して本体ケース1の台板1dに固定するようにしているので、上記シリンダー26の封止部材31とピストンロッド28とに作用する横方向の荷重を緩和でき、オイル漏れに対する信頼性を向上できるようになる。
【0034】
また、この場合、上記4個のクッション部材33a,33b及び34a,34bのうち本体ケース1の台板1d側に配置される2個のクッション材34a,34bの硬度を小さくしておくことにより、本体ケース1側に伝達される振動を一層低減できるようになる。
【0035】
防振ダンパー7としてオイルダンパーを用いた場合、上述したように、オイル25を収容したシリンダー26の封止部材31と、これに対して移動するピストンロッド28との間からのオイル漏れに注意を必要とするため、組立てる場合も、その封止部材31とピストンロッド28との間に大きな負荷が掛からないように注意する必要がある。
【0036】
そこで、本参考例においては、組付が簡単である上流工程で、まず防振ダンパー7の一端部であるピストンロッド28の端部を水槽支持台6に組み付け、次に、その水槽支持台6を水槽5に組み付け、この後、防振ダンパー7の他端部であるシリンダー26の軸部26aを本体ケース1の台板1dに組み付けるようにすることにより、封止部材31とピストンロッド28との間に大きな負荷が掛かることを極力防止でき、組立てによる不良率を低減することが可能となる。
【0037】
図6ないし図8は本発明の実施例を示したものであり、この実施例は上記した第1の参考例とは次の点が異なっている。
すなわち、防振ダンパー49において、シリンダー26内に配設されたピストン50には、図7にも示すように、ピストンロッド28に近い中央部寄りと、摺動部材50aに近い外周部寄りとにオリフィス孔51,52がそれぞれ複数個ずつ形成されている。このうち中央部寄りのオリフィス孔51の開口面積は、外周部寄りのオリフィス孔52に対して大きく形成されている。また、ピストン50の軸方向の両端面には、中央部寄りの複数個のオリフィス孔51を内側と外側から囲むように2個の環状凸部53,54が同心円状に設けられている。
【0038】
そして、ピストンロッド28には、ストッパ部を兼ねるばね受け部29と、シリンダー26内においてばね受け部29とは反対側に位置させ、かつピストン50から所定距離離れた部位にリング状のストッパ部55が固定状態に設けられている。このストッパ部55とピストン50との間に位置させて、円板状の第1の弁体56がピストンロッド28の回りに遊嵌状態に配置され、また、ピストン50とばね受け部29との間に位置させて、円板状の第2の弁体57がピストンロッド28の回りに遊嵌状態に配置されている。第1及び第2の弁体56,57は、2個の環状凸部53,54間の幅よりも幅広に形成されている。
【0039】
次に上記構成の作用を、主に図7を参照して説明する。
水槽5の振動に伴い、ピストンロッド28及びピストン50が図7(a)において矢印A1方向(上方)へ大きく移動し、ピストン50の上面側の環状凸部53,54が上側の第1の弁体56に接触するようになると、中央部寄りの各オリフィス孔51が塞がれた状態となるため、オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔52のみを通り矢印B1方向(下方)へ移動するようになる。これにより。大きな減衰力を発揮するするようになる。なお、第2の弁体57は、ばね受け部29により所定の位置に規制される。
【0040】
図7(a)の状態から、ピストンロッド28及びピストン50が図7(b)に示すように矢印A2方向(下方)へ移動すると、上側の第1の弁体56は、オイル25の矢印B2方向(上方)への流れにより押し上げられて環状凸部53,54から離れるようになり、オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔52だけではなく、中央部寄りの各オリフィス孔51も通って矢印B2方向に流れるようになる。このため、減衰力は小さくなる。
【0041】
図7(b)の状態から、ピストンロッド28及びピストン50がさらに矢印A2方向へ移動し、(c)に示すように、ピストン50の下面側の環状凸部53,54が下側の第2の弁体57に接触するようになると、中央部寄りの各オリフィス孔51が塞がれた状態となるため、オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔52のみを通り矢印B2方向へ移動するようになる。これにより。大きな減衰力を発揮するするようになる。なお、第1の弁体56は、ストッパ部55により所定の位置に規制される。
【0042】
図7(c)の状態から、ピストンロッド28及びピストン50が図7(d)に示すように矢印A1方向へ移動するようになると、下側の第2の弁体57は、オイル25の矢印B1方向への流れにより環状凸部53,54から引き離されるようになり、オイル25は、外周部寄りのオリフィス孔52だけではなく、中央部寄りの各オリフィス孔51も通って矢印B1方向に流れるようになる。このため、減衰力は小さくなる。
【0043】
ここで、防振ダンパーとしてオイルダンパーを用いたものでは、前述したように、ピストンのオリフィス孔をオイルが行き来するときの流路抵抗により減衰力が生じるものであり、その減衰係数は、オリフィス孔の開口面積のほぼ2乗に比例することが知られている。
【0044】
上記防振ダンパー49においては、ピストン50の振動振幅が大きく第1、第2の弁体56,57でオリフィス孔51が塞がれる場合の減衰係数は、ピストン50の振動振幅が小さく第1、第2の弁体56,57でオリフィス孔51が塞がれない場合の減衰係数よりも大きくなるようにしており、少なくとも脱水時の共振時に大きな減衰力を生じさせるために、小振幅時の減衰係数の1.4倍以上に設定する(脱水共振時のピストン速度:0.19[m/s]、脱水定常時のピストン速度:0.27[m/s])。大振幅時の減衰係数は大きい方が望ましいが、共振点での反力がドラム式洗濯機の本体重量より大きくなると、共振時に本体の移動を引き起こすことがあり、本体重量を80kgとすると、減衰係数と防振ダンパーの使用本数の積が4160[本・(N・s/m)]以下に設定する。
【0045】
また、上記第1及び第2の弁体56,57の可動範囲は、例えば8.5mmとし、脱水定常時の水槽5の振動によるピストン50の振幅よりも大きい値とすることで、脱水定常時において、ピストン50は第1及び第2の弁体56,57が閉じない範囲で可動されるため、防振ダンパー49からの伝達力を小さくすることができる。また、脱水起動時の共振振動時には、第1及び第2の弁体56,57が閉じることにより大きな減衰力を得ることができ、共振振動を抑制する。
【0046】
前述した第1の参考例の場合、脱水定常時、振動振幅は小さいものの、ドラム12の回転速度が高いため、ピストン速度は大きく、防振ダンパ7による反力も大きくなり、床に与える影響が大きい。そのため、減衰係数をある程度小さくする必要があったが、この実施例のように、減衰係数を2段階有する構成とすることにより、共振振動を十分に抑制することができ、水槽5と本体ケース1との間のギャップを小さくすることが可能となり、コンパクトで大容量のドラム式洗濯機を提供することが可能となる。
【0047】
また、この実施例の場合、防振ダンパー49の反力特性は、図8に示すようになり、ピストンの振幅が小さい場合には、(a)に示すように線形的であるが、大きい場合には、(b)に示すように非線形となる(P1,P2で減衰係数が切り替わる)。しかしながら、第1、第2の弁体56,57でオリフィス孔51,52を閉じる場合には、徐々に開口面積が小さくなっていくため、従来の摩擦式に比べ、不連続な加振力が緩和できるために低騒音であり、さらに脱水定常時において伝達力が大きくなることがなく、低騒音で、低振動なドラム式洗濯機を提供することが可能となる。
【0048】
一方、図9及び図10は本発明の第2の参考例を示すものである。この第2の参考例において、前述した第1の参考例と同様な部分には同一の符号を付して説明を省略し、特に異なっている部分について説明する。
【0049】
図9において、本体ケース1内に配設された水槽5、及びこの水槽5内に配設されたドラム12は、ほぼ水平の横軸状態で配置されている。水槽5は、下部が水槽支持台6及び防振ダンパー61を介して本体ケース1の台板1dに支持され、上部は吊り用のばね62を介して本体ケース1の天井部に支持されている。なお、ドラム12には、バランサ13は設けられていない。また、この場合、除湿器、送風装置及び乾燥用加熱器は設けられていない。
【0050】
上記防振ダンパー61は、シリンダー26内にオイル25を封入したオイルダンパーであるが、この場合、シリンダー26内には、水槽5を支持するためのばねは設けられておらず、また、これに伴い、ピストンロッド28には、ばね受け部は設けられていない。図10は防振ダンパー61の反力特性を示しており、この場合も反力特性は線形的である。
【0051】
なお、上記した第2の参考例において、第1の参考例と同様な構成の防振ダンパー7(シリンダー26内に水槽5を支持するためのばね30を配設したもの)を4本用い、これら4本の防振ダンパー7により水平状態の水槽5を支持する構成とすることもできる。このような構成とした場合には、水槽5を吊り下げ支持するばね62を用いる必要はない。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、水槽の振動を抑制するための防振ダンパーを備えたものにおいて、防振ダンパーとして、シリンダー内にオイルを封入したオイルダンパーを用いるようにしたことにより、経時変化による影響が少なく、経時的に安定した防振力を得ることができるようになる。
【0053】
更に、ピストンに、オイルの通過が可能な複数個のオリフィス孔を形成すると共に、ピストンの振幅(ピストンロッドの移動)に対応してオリフィス孔のうちいずれかを塞ぐ弁体を備えているため、ピストンの振幅が大きくなると弁体がオリフィス孔を塞ぐことによりオリフィス孔を通過するオイルが減少するため減衰係数を大きくすることができ、ピストンの振幅が小さくなると弁体がオリフィス孔から離れることによりオリフィス孔を通過するオイルが増加するため減衰係数を小さくすることができるので、水槽の小さな振動振幅に対しても、大きな振動振幅に対しても効果的に防振力を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例を示すもので、本体ケースの後面板を外した状態での破断背面図
【図2】 縦断側面図
【図3】 要部の縦断側面図
【図4】 水槽支持台に防振ダンパーを組み付けた状態を一部を破断して示す背面図
【図5】 ピストンのストロークと防振ダンパーの反力との関係を示す特性図
【図6】 本発明の実施例を示す図3相当図
【図7】 (a)〜(d)は作用説明用の要部の拡大断面図
【図8】 (a)及び(b)はピストンのストロークと防振ダンパーの反力との関係を示す特性図であり、(a)は小振幅時、(b)は大振幅時を示す
【図9】 本発明の第2の参考例を示す破断側面図
【図10】 図5相当図
【符号の説明】
図面中、1は本体ケース、1aは台板、5は水槽、6は水槽支持台、7は防振ダンパー、12はドラム、13はバランサ、15はドラム用モータ(ドラム駆動手段)、25はオイル、26はシリンダー、27はピストン、28はピストンロッド、29はばね受け部(ストッパ部)、30はばね、31は封止部材、32はオリフィス孔、33a,33b,34a,34bはそれぞれクッション材、50はピストン、51,52はオリフィス孔、55はストッパ部、56,57は第1、第2の弁体(弁体)を示す。

Claims (1)

  1. 本体ケースと、
    この本体ケースの内部に収容配置された水槽と、
    この水槽と前記本体ケースとの間に取り付けられ、前記水槽の振動を抑制する防振ダンパーと、
    前記水槽の内部にドラム駆動手段により回転されるように配設されたドラムとを具備したドラム式洗濯機において、
    前記防振ダンパーとして、シリンダー内にオイルを封入したオイルダンパーを用い、
    前記防振ダンパーは、
    前記シリンダーに対して相対的に移動可能に設けられたピストンロッドと、
    前記シリンダー内に摺動可能に配置されると共に前記ピストンロッドにこれと共に移動されるように設けられ、移動に伴いオイルの通過が可能な複数個のオリフィス孔を有するピストンと、
    前記ピストンロッドに前記ピストンの軸方向に所定距離離れて固定状態に設けられたストッパ部と、
    前記ピストンと前記ストッパ部との間に位置させて前記ピストンロッドに遊嵌状態に設けられ、それらピストンと対応するストッパ部とにより移動範囲が規制された円板状の弁体とを備え、
    前記ドラムを高速回転させる脱水時の定常時における水槽の振動時より大きな振動振幅において、前記弁体が前記複数個のオリフィス孔のうちいずれかを塞ぐことにより減衰係数が切り替わる構成であることを特徴とするドラム式洗濯機。
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