JP2001210879A - 高出力多孔質熱電変換素子 - Google Patents

高出力多孔質熱電変換素子

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JP2001210879A
JP2001210879A JP2000104322A JP2000104322A JP2001210879A JP 2001210879 A JP2001210879 A JP 2001210879A JP 2000104322 A JP2000104322 A JP 2000104322A JP 2000104322 A JP2000104322 A JP 2000104322A JP 2001210879 A JP2001210879 A JP 2001210879A
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Futoshi Katsuki
太 香月
Toshiro Tomita
俊郎 富田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス燃焼式熱電発電装置に適した、高出力で構
造的にも十分な強度を有する多孔質のp−n半導体から
なる熱電変換素子の提供。 【解決手段】(1)低温側の分岐部の端面に多孔質導電体
の出力電極が設けられており、その出力電極が金属、ま
たは金属と半導体との混合体、もしくは多数の穴をあけ
た金属箔である多孔質熱電変換素子。(2)両半導体の間
にある絶縁体が、無機系機能繊維からなる(1)の熱電変
換素子。(3)高温側の接合電極として金属、または金属
と半導体との混合体、もしくは多数の穴をあけた金属箔
の多孔質導電体を設置した、上記(1)または(2)の熱電変
換素子。(4)多孔質半導体がFeSi2半導体で、金属が
Au、Co、Cu、Fe、Ni、Pdまたはこれらを主
成分とするそれぞれの合金である上記(1)、(2)、または
(3)の多孔質熱電変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はガス燃焼式の熱電発
電に用いる、多孔構造の熱電変換素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に関連してエネルギの有
効利用の観点から、様々なエネルギ変換技術の開発が進
められている。それらの中に、温度差を効果的に電力に
変換し得る可能性のある手段の一つとして熱電変換発電
がある。2種の異なった導体または半導体の両端を接続
して回路を作り、2つの接点を異なる温度に保つと、熱
起電力により電流が発生する現象があり、これはたとえ
ば熱電対として温度計測に広く活用されている。この熱
起電力を発電に利用しようとするのが熱電変換発電であ
り、そのための熱電変換用の素子が種々検討されてい
る。
【0003】図1は熱電変換用素子の構造を模式的に説
明したものであるが、p型の半導体とn型の半導体の接
合端を加熱し、分岐端を冷却すると、熱起電力が発生し
て出力電極から電流を取り出すことができる。接合端で
両半導体が直接接合している図1(a)の場合はU字形
素子、加熱された導体金属にそれぞれの半導体が接しこ
の導体を介して接合した形になっている図1(b)の場
合はΠ字形素子と呼ばれる。
【0004】素子から取り出せる電気出力は、素子の材
料特性(ゼーベック係数、抵抗率)と接合端と分岐端と
の温度差で決定される。たとえば、ゼーベック係数をα
(V/K)、抵抗率をρ(Ω/cm)、温度差をΔT(K)と
し、素子の温度差のある方向の長さを1cm、断面積を1cm
2とすると、熱起電力Vはα×ΔT(V)、最大出力Pは
0.25(α×ΔT)2/ρと表すことができる。したがっ
て、温度差が同じであればゼーベック係数αを高くし、
抵抗率ρを小さくすることにより出力を向上できるの
で、従来よりこのような材料が種々検討されてきた。
【0005】ところが、入熱を電力に変換する変換効率
向上の観点からは、温度差ばかりでなく高温端部と低温
端部間の距離を小さくすること、すなわち温度勾配を大
きくすることの重要性が新たに認識され、緻密体ではな
く多孔質体を用いる熱電変換素子が提案された(越後亮
三:日本機械学会誌、Vol.96(1993)、No.892、p.20
4)。この場合、低温端側から燃料と空気などの可燃混
合ガスを多孔質体中に導入し高温端で燃焼させると、多
孔質体の高温端では温度の上昇が促進されるだけでな
く、混合ガス通過による低温端の冷却効果も加わって、
きわめて大きな温度勾配を素子の両端間に発生させるこ
とができる。
【0006】たとえば図2に示すように熱電変換素子を
多孔質のp型(またはn型)およびn型(またはp型)
の半導体1および2からなる構造とし、低温端側の面6
から可燃性ガスと空気との混合ガスを注入して多孔質半
導体を通過させて、p−n接合部3側の面7で燃焼させ
る。そうすると、低温端の面6に近い部分は注入ガスに
よって冷却され、高温端の面7およびこの面に近い部分
は燃焼により加熱されて温度が上昇する。多孔質である
ため熱伝導性がよくないので、面6の低温端部と面7の
高温端部との温度差を大きくできるばかりでなく、温度
勾配もきわめて大きくなる。その結果、同じ材料を用い
ても、より高出力で高効率の発電が可能になる。
【0007】この多孔質体の熱電変換素子を使った発電
装置としては、図2のような素子2組を用い、その高温
端側の面7同志を向かい合わせて、その間を燃焼室とし
多孔質の絶縁体などを置き、それぞれの低温端側の面6
から交互に混合ガスを注入して燃焼させる。一方の熱電
変換素子の面6から注入された混合ガスは、温度を高め
られながら面7に達して燃焼し、その高温の排ガスは、
対向するもう一方の熱電変換素子の面7を加熱しつつそ
こから素子に注入され、面6に向けて通過していくとと
もに冷却されて排出される。
【0008】次に、排ガスの通過した方の素子の面6か
ら混合ガスを注入すると、今度はガスの流れを逆向きに
して同じことがおこる。これを1サイクルとし、サイク
ル数/時間を適宜選定して繰り返し燃焼をおこなう。こ
れを往復動燃焼方式と言い、高効率のガス燃焼式熱電発
電装置を作り出すことができる。ことに加熱された多孔
質体を通過し高温にされてから燃焼するので、現状利用
できずに廃棄され環境汚染の原因となっている、低発熱
量ガスも燃焼できると期待されている。
【0009】多孔質の半導体としては、ガスなどの燃焼
温度に耐え、耐酸化性がよく、熱電能の大きい材料が好
ましい。しかし、必ずしも特性がすぐれているとはいえ
ないとしても、現状では原料が豊富で安価と言うことも
あり、鉄珪化物のFeSi2が最も有望視されている。
この場合FeSi2のFeの一部をMnなどに置き換え
てp型半導体とし、おなじくFeの一部をCoなどに置
き換えてn型半導体とする。しかしながら、効率のよい
多孔質体の熱電変換素子をこのFeSi2にて作製する
には、いくつかの解決しなければならない問題がある。
【0010】高温端部の温度を高めるには、燃焼するガ
スが容易に通過できる多孔質体にしなければならない
が、そのためには気孔率を十分大きくする必要がある。
多孔質体を製造する方法は、ある程度大きさの揃った半
導体粒子をまず作製し、これらの粒子同志を加圧焼結す
ることによる。しかし、気孔率が大きくなれば粒子間の
密着部の面積が低下し、それにより多孔質体の電気抵抗
率は増し、強度は低下してくる。
【0011】前述のように素子の抵抗率、すなわち内部
抵抗は高くなると出力が低下してくる。内部抵抗は素子
を構成する半導体そのものの抵抗に、出力を取り出すた
めの電極と半導体との接触抵抗が加わったものである。
半導体自体の抵抗は、用いる材料とその形状で定まる
が、素子の半導体への電極の取り付け方によっては接触
抵抗が増加し、熱電変換素子としての内部抵抗が増加し
て、実質的に電気出力を低下させる結果となる。このた
め、出力電極についても種々検討されている。
【0012】たとえば、特開平11-112037号公報には、
FeSi2を用いた半導体による熱電変換素子におい
て、出力電極の材料にFe,Ni,Co、またはドーピ
ング材と同じMnやCoを含むFe合金を用いることに
より、接触抵抗値を低下させ、熱電変換素子の実質的内
部抵抗を低下させる発明が開示されている。ただしこの
発明は緻密な焼結体の熱電変換素子に関するものであ
り、多孔質半導体を用いた場合の実質内部抵抗低下の効
果については、必ずしも明らかではない。
【0013】また、多孔質体熱電変換素子とその製造方
法および熱電変換発電装置に関する発明を開示した特開
平8-306967号公報には、多孔質体熱電変換素子の低温側
にリード線を接合して電力を取り出す場合、多孔質体よ
り導電率の高い金属を表面に被覆して端子取り付け部を
形成する、と記載されている。この取り付け部は、真空
蒸着、イオンプレーティング、スパッタなどの物理蒸
着、化学蒸着またはめっきなどの各種表面処理によっ
て、燃焼を阻害しない多孔質を維持する程度に金属を被
覆するとし、金属にはNiやAuが有効としているが、
それ以上の詳細については何ら示されていない。
【0014】U字形またはΠ字形の形態をとる熱電変換
素子では、図1に示したようにp型半導体とn型半導体
の間に空隙を設けなければならないので、その接合部分
には応力が集中し破壊しやすい。このため、脆い鉄珪化
物半導体を用いた熱電変換素子においては、緻密焼結体
で作られる通常の場合でも、接合部分への応力集中抑止
策としての構造や製造方法に関して、多くの提案がなさ
れている。
【0015】たとえば、特開平3-293783号公報には、p
型半導体とn型半導体の間の空隙に、B23を少量添加
したフォルステライト(2MgO・SiO2)を絶縁層
として充填した構造の、熱電変換素子の発明が開示され
ている。空隙に絶縁層を充填することにより素子として
の構造が強化され、このフォルステライトの熱膨張係数
が鉄珪化物とほぼ等しいので、熱処理や使用中の加熱冷
却による熱応力を抑制でき、接合部分の脆弱さを保護で
きるというものである。
【0016】この熱電変換素子の製造は、素子形状のホ
ットプレス用モールド内にp型(またはn型)鉄珪化物
の原料粉末、絶縁層となるフォルステライト原料粉末、
n型(またはp型)鉄珪化物の原料粉末の順に、p−n
接合部には絶縁層粉末が入り込まないようにして積層
し、ホットプレス後、熱処理して素子とする。また、絶
縁層は原料粉末にバインダーを配合して混練し、ドクタ
ーブレード法にてグリーンシートとして、ホットプレス
用モールド内に挿入してもよいとしている。
【0017】上述の発明は、緻密な焼結体の熱電変換素
子に関するものであるが、多孔質体の熱電変換素子に対
しては、たとえば特開平9-237920号公報に、両半導体の
間の空隙、ないしは絶縁部分にセラミック系接着剤を充
填させた構造の熱電変換素子の発明が提示されている。
この場合、まず熱電変換素子をU字の底部のp−n接合
面を有する部分と、垂直部に相当するp型またはn型半
導体部分の三つの部分に分け、それぞれの多孔質体ブロ
ックを仮焼して作製する。底部はp型とn型との両半導
体素材により、所要接合部と同じ厚さの板状で中央部に
板面に垂直なp−n接合面を有するブロックとする。垂
直部は接合部分の厚さ分を除いた高さのp型とn型との
多孔質半導体ブロックをそれぞれ作製し、これら二つの
ブロックを、U字形素子の空隙に相当する垂直部分にセ
ラミック系接着剤を充填する形で焼結して接着してお
く。
【0018】そしてこの接着したブロックの底面に、前
記のp−n接合面を有する多孔質の板状半導体を、p型
とn型とがそれぞれ付き合わされるようにして焼結し一
体化する。セラミック接着剤としては、熱膨張率がFe
Si2のそれとほぼ等しいAl23、MgO、ZrO2
を用いている。このようにすれば、製造過程でクラック
等が発生せず接合部に応力集中のないものになるとして
いる。しかし、この熱電変換素子の製造方法は、焼結を
何度も繰り返す必要があり、実用上、工程増加が難点に
なると思われる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、ガ
ス燃焼式熱電発電装置に用いることのできる多孔質半導
体の熱電変換素子に関して、改良すべき点がまだ多く残
されている。本発明の目的は、このような発電装置に適
した、高出力で構造的にも十分な強度を有する熱電変換
素子の提供にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多孔質半
導体の熱電変換素子に関し、その性能や効率を高めるべ
く種々検討をおこなった。半導体としては、熱電能が高
く、高温に耐え、しかも低コストと言う点で、現状では
FeSi2の使用が最も望ましいと考えられるので、主
にこの鉄珪化物を用いた熱電変換素子を対象とした。こ
の検討の過程で次のようなことがあきらかになった。
【0021】検討に用いた図3に示す形状が円柱状の素
子の例で説明する。多孔質体素子では低温側の端面6か
ら混合ガスを注入し、高温側の端面7で燃焼させる。ガ
スが十分に通過できるよう、低温側端面6にはガスの流
通を阻害するものは何も設置しないか、あってもできる
だけ小面積であることが好ましい。
【0022】そこで、熱電出力を取り出す低温側の電極
として、図3に示したように素子の側面側に電極5を配
置し、これに導電性のよい金属箔を用いた。なお、図3
の2つの半導体1、2の間の空隙4には、絶縁および接
着強化のためジルコニア−マグネシア系のセラミックを
充填した。この場合、素子が多孔質体なので、電気的接
触不十分による内部抵抗増加を避けるため、電極5の円
柱面の長さ方向の幅を大きくし、電極と多孔質半導体と
の接触面積を増加させてみた。これによって内部抵抗値
を低下できることがわかったが、熱起電力は低下の傾向
を示した。これは、熱伝導のよい電極5の金属の幅を温
度差のある方向に拡大したため、熱電変換素子の実効温
度差が減少したためと考えられた。
【0023】このような検討結果から、ガスの流通を阻
害せず、多孔質体半導体との接触面積が大きく、しかも
素子の温度勾配に影響を及ぼさない電極として、金属の
多孔質体を図3のガスを通過させる面6の位置に配置す
ることを検討した。図4にこの素子の状態を示すが、低
温端面部に金属の多孔質体9を密着配置してこれを電極
とし、この電極の端部に出力用導線をろう付けなどで接
続する。その結果、内部抵抗値が低下し、出力が増大す
ることがあきらかになった。
【0024】この出力電極には、ガスの流通を阻害しな
いよう端部に出力用導線を取り付け、その上薄くなけれ
ばならないことから、電気抵抗を小さくするため当初A
g用いた。ところが、素子本体となるFeSi2の粉末
とAg粉末とを同時に焼結して一体化する方法にて素子
を作製してみたところ、素子本体と電極との接触が必ず
しも十分でなく内部抵抗の高い場合が多く生じた。
【0025】原因を調査した結果、電極の多孔質体と多
孔質半導体との間に破断が発生していることが判明し
た。その理由としては熱膨張係数の差が影響していると
推定された。すなわちFeSi2は脆い材料であるが、
多孔質体としたために強度が低下し、さらにFeSi2
の熱膨張係数が約10×10-6/Kであるのに、Agは19×10
- 6/Kと倍近い。このため、一体化焼結などの加熱後の冷
却の際の伸縮の差によって、焼結した粒子間の結合部分
などに応力が集中し破断したと考えられた。
【0026】そこで、熱膨張係数が10×10-6/Kにできる
だけ近い、FeまたはNiを電極用材料とし用いてみ
た。焼結の型内に半導体粉末を素子形状となるよう充填
し、電極位置にこれら金属粉末を置き、一体化焼結して
図4に示すような熱電変換素子を作製した。この素子の
性能を調査した結果、内部抵抗値は大きく低下し、しか
も予想以上に最大出力を増大できることがあきらかにな
った。
【0027】電極用として、その熱膨張係数がFeSi
2のそれにできるだけ近く、半導体のFeSi2を焼結す
る温度にて多孔質体に焼結でき、かつFeSi2との電
気的接触が十分得られる金属を調べた結果、Au、C
o、Cu、Fe、Ni、Pdおよびステンレス鋼(とく
にフェライト系ステンレス鋼)が利用できることがわか
った。これらの金属による電極は、多孔質半導体と同程
度の粒子径の粉末としておき、焼結型内の電極位置に半
導体の粉末と共に装入し、加圧焼結して一体化すればよ
い。
【0028】さらに、半導体と電極の接触を密にし、か
つ焼結時や使用時に電極と半導体の間の亀裂分離を抑止
するという点からは、電極にする多孔質体を、金属と半
導体との混合物とすることも有効であることがわかっ
た。上述の素子端部の電極を、半導体粉末と金属粉末と
を混合したものとし、一体化焼結するのである。
【0029】また、ガスが通過でき、低温部の端面全体
と十分接触し、その上電極の厚さが薄くでき、しかも良
好な導通を得るという目的には、多数の小穴を全面均一
にあけた、上記の金属の箔を電極に用いることも有効で
あることがわかった。図4の金属多孔質電極9の位置
に、金属粉末の代わりに穴をあけた金属箔を置いて加圧
焼結するのである。この場合、穴の部分の面積を増すと
ガスの流通はよくなるが、多孔質半導体との接触面積が
減少し内部抵抗が増加するので、穴による開口部面積の
大きさには限界がある。金属箔の厚さは、変形して半導
体と接触を密にするためには薄い方がよいが、電気抵抗
が高くなりすぎないよう適度の厚さが必要である。
【0030】熱電出力を取り出す導線は、ガスの流通を
阻害しないよう上記電極の側面またはガス通過面の端
部、あるいは電極から引き出した接点部に、はんだなど
で接続する。
【0031】熱電変換素子の形状は、p−n接合部以外
は導通がないよう二つの半導体を離しておくので、接合
部に応力に集中しやすい形状となる。このため、両半導
体の間に絶縁体を埋め込む形で補強する必要がある。こ
の絶縁体に関して、素子強度を十分確保できるだけでな
く、素子を焼結して作製する際に原料粉末と一緒に加圧
焼結して一体化することが可能であること、多孔質半導
体と同等ないしはそれ以上の通気性のあること、両半導
体の間隙が小さくなっても確実に絶縁できること、など
の条件を満足できる材料を種々検討した。その結果、無
機系機能繊維を利用するのが好適であること見出した。
【0032】無機系機能繊維をこの熱電変換素子の絶縁
体として用いると、まず十分な電気絶縁性を有している
ことは言うまでもないが、多孔質半導体と同等ないしは
それ以上の通気性があるので、その使用によるガスの通
過阻害がない。さらに接触面において多少の変形が可能
なため、一体化焼結の際や、使用時の昇温降温時の多孔
質半導体の膨張収縮を吸収することができ、絶縁体との
熱膨張率の相違による破損のおそれがなくなる。また、
加圧焼結時に半導体粒子が繊維にめり込むことから機械
的な結合も得られ、その際のわずかな変形は、二つの半
導体の接合部分における接合を確実にする効果もあると
考えられた。
【0033】このように、2つの半導体の間の空隙を無
機系機能繊維を用いて埋めることにより、素子が強化で
きることがわかったので、図4に示す2つの半導体の接
合面3ないしはその接合部分の、素子円柱の高さ方向の
幅を面7の方へ小さくすることを試みた。素子を通過し
た混合ガスは面7で燃焼させるので、面7において最も
温度が高く、それより素子内部に入ると急激に温度が低
下する。したがって、接合部分の幅が大きくなると、そ
れだけ素子の高温端が低い温度で接合されていることに
なり、熱起電力や最大出力が低下する。このため接合部
分の高さ方向の幅を小さくして接合面3を面7に近い範
囲に限定し、その温度を高くすることが好ましい。しか
しながら、接合部分の幅を小さくすることは、応力の集
中が増して素子の機械的強度が低下し、さらには内部抵
抗が増加するおそれがあった。
【0034】無機系機能繊維の適用により、強度低下が
抑止できることがわかったので、接合部分の幅を小さく
し、それによる抵抗増加に対して、低温端で用いた電極
と同じものを面7の位置に配置してみた。すなわち図5
に示すように、金属多孔質体、金属と半導体との混合多
孔質体、または多数の小穴を開けた金属箔を、高温端面
側へ10と示したように密着配置するのである。その結
果、内部抵抗をより一層低下させることができ、最大出
力を増加させ得ることが明らかになった。
【0035】このように多孔質導電体を高温部端面に配
置した場合、図4に示した接合面3のある2つの半導体
の接合部分は、導電体により接続部の抵抗を十分低くで
きる場合はなくてもよい。その場合は、図1に(a)示
したU字形素子ではなく(b)のΠ字形素子となる。な
お図3〜5においては、本発明の検討過程で円柱状の素
子を用いたため、円柱形状となっているが、四角形や六
角形などの多角柱形状であっても同様である。
【0036】低温端側の電極に金属多孔質体、金属と半
導体との混合多孔質体または多数の小穴を開けた金属箔
等の導電体を配置した際、予想以上に最大出力が増加で
きることがわかったが、高温端にこのような導電体を置
くことによっても、熱起電力や最大出力の増加が認めら
れた。これは熱伝導のよい導体が低温端面あるいは高温
端面に置かれたため、それぞれの部位にて素子の温度差
の最大傾斜方向に垂直な面の温度が均一となり、素子の
高温部と低温部との有効な温度差がより大きくなったこ
とによると考えられた。
【0037】以上のような検討結果に基づく本発明の要
旨は次のとおりである。 (1) p型多孔質半導体とn型多孔質半導体とからなる熱
電変換素子であって、高温側の接合部に対する低温側の
分岐部の端面に、多孔質導電体の出力電極が設けられて
いることを特徴とする多孔質熱電変換素子。 (2) 出力電極である多孔質導電体が、金属または金属と
半導体との混合体であることを特徴とする上記(1)の多
孔質熱電変換素子。 (3) 出力電極である金属多孔質体が、多数の穴をあけた
金属箔であることを特徴とする上記(1)に記載の多孔質
熱電変換素子。 (4) 接合部を除くp型多孔質半導体とn型多孔質半導体
との間にある絶縁体が、無機系機能繊維であることを特
徴とする、上記(1)、(2)または(3)の多孔質熱電変換素
子。 (5) 接合部のある高温側の端面に接合電極として金属多
孔質体、金属と半導体との混合体である多孔質体、また
は多数の穴をあけた金属箔が設置されていることを特徴
とする、上記(1)、(2)、(3)または(4)の多孔質熱電変換
素子。 (6) 多孔質半導体がFeSi2半導体で、出力電極およ
び接合電極の多孔質導電体の金属がAu、Co、Cu、
Fe、NiもしくはPd、またはそれぞれを主成分とす
るそれらの合金からなることを特徴とする、上記(1)、
(2)、(3)、(4)または(5)の多孔質熱電変換素子。
【0038】
【発明の実施の形態】熱電変換素子に用いる半導体の種
類は、とくに限定するものではないが、熱起電力が高
く、高温に耐えると言う点でCoSi、CrSi2、M
nSi2、FeSi2などの珪化物の適用が考えられ、そ
の中でも、コスト的にも有利と言う点で、FeSi2
使用が好ましい。FeSi2の場合、通常おこなわれて
いるようにFeの一部をMnに置き換えるとp型、Co
に置き換えるとn型の半導体をそれぞれ得ることができ
る。これらの組成の素材を溶製し、ガスアトマイズ法な
どによって焼結用原料の球状粒子の粉末を製造する。得
られた粒子粉末は、水素を含む雰囲気あるいは窒素やア
ルゴンなどの不活性雰囲気中あるいは真空中で、酸化を
防止し、粒子相互が癒着しないようにして、800〜850℃
で20〜100時間程度の加熱をおこない半導体化する。あ
るいは半導体化したFeSi2を用い粉砕して粉末と
し、必要とする焼結体の強度や気孔率により粒子径を選
定してもよい。半導体化のための熱処理は、一体化焼結
により目的の素子形状とした後におこなうこともでき
る。
【0039】出力電極の多孔質体とする金属は、Au、
Co、Cu、Fe、NiもしくはPd、またはそれぞれ
を主成分とするそれらの合金を用いる。これらの金属元
素は、その熱膨張率がFeSi2の熱膨張率に近く、F
eSi2を焼結する温度で焼結できるからであり、各金
属とも、その熱膨張係数を大きく変えない範囲で、上記
以外の少量の他元素を含有させた合金であってもよい。
たとえばFeの合金であるフェライト系ステンレス鋼
は、熱膨張率がFeSi2に近いばかりでなく、高温で
の耐食性にすぐれ、コストも安く入手が容易である。各
金属または合金とも、焼結用原料に半導体の原料粉末と
同じ粒度の粉末を用い、電極部分を半導体部分と同時に
焼結して一体化し、多孔質熱電変換素子とするとよい。
【0040】出力電極には、金属と半導体とを混合した
多孔質体を用いてもよい。金属は上記の熱膨張係数の近
いいずれかのものとし、半導体は素子を構成しているF
eSi2などの珪化物とする。焼結前の原料として、素
子半導体の原料粉末と同じ粒度の金属粉に、接する半導
体と同じp型またはn型の半導体粉末を混合し、上述の
金属多孔質体による電極と同様、半導体部分と同時に焼
結して一体化する。このように電極を金属に半導体を混
合した多孔質体とすることにより、電極と素子の半導体
部分との密着性が向上し、接触抵抗や機械的強度を改善
することができる。この場合、金属粉末に対する半導体
粉末の混合量は、体積比で70%以下とするのが望まし
い。これは70%を超えて混合すると、抵抗が増加して電
極としての作用が低下するからである。
【0041】電極の厚さは、金属多孔質体または半導体
を混合した多孔質体の場合、十分な電気伝導を得るた
め、少なくとも原料に用いる粒子の直径分は必要であ
る。しかし厚くても素子の高さの10%以下とするのが望
ましい。厚くしすぎると、半導体の実効長さが短くなっ
て、熱出力が減少するからである。
【0042】出力電極を上記の金属多孔質体や混合多孔
質体の代わりに、ガスが流通できるように均一に多数の
穴をあけた金属箔としてもよい。焼結用型内の電極相当
部に金属箔を置いて加圧焼結すると、多孔質半導体に箔
が食い込み、よい電気的接触が得られる。その場合、箔
の金属は多孔質体と同様Au、Co、Cu、Fe、Ni
もしくはPd、またはそれぞれを主成分とするそれらの
合金とし、穴の開口部の合計面積を使用箔面の35%以下
とするのがよい。これは開口部の合計面積は大きいほど
ガスの通過によいが、35%を超えて大きくすると、多孔
質半導体との接触部が減少して、素子としての内部抵抗
が増すからである。ガスの流通のためには、開口部の合
計面積は10%以上あることが望ましい。
【0043】金属箔は、薄くしすぎるとそれ自体の抵抗
が増して出力電極に金属を用いる効果がなくなるので、
20μm以上の厚さにするのが望ましい。また厚さの上限
は0.2mm程度までにするのがよい。これ以上厚くなる
と、多孔質半導体への金属箔の食い込みが不十分になる
おそれがある。
【0044】素子のp型、n型両半導体の絶縁分離に用
いる無機系機能繊維は、通常耐熱セラミックス繊維と呼
ばれるものである。これには広く使用されている純度の
高いアルミナとシリカを重量比でほぼ半々に配合し溶融
紡糸した繊維を、シート状に加工したものを用いる。耐
熱温度が700〜1200℃で、かさ密度0.40g/cm3以下、加熱
による線収縮率が2.0%以下(1100℃、2時間加熱)で
あればよく、たとえばバルクファイバーに結合材と耐火
材とを混練し、少量の有機結合材を加えて成形される。
【0045】以上は低温端の出力取り出し用電極に、多
孔質の導電体を用いた多孔質体熱電変換素子に関する説
明であるが、さらに高温端の端面にこれら配置すること
により、素子の内部抵抗をさらに小さくすることができ
る。低温端のp型半導体とn型半導体とにそれぞれ配置
された出力電極は、絶縁体の無機系機能繊維で分離され
ているが、この高温端側の多孔質の導電体は、高温端面
全面に密着し両半導体の高温端を電気的に十分に接合し
た状態とする。この場合両半導体が直接接合する部分
は、とくになくてもよい。なくなれば図1(b)に示し
たΠ字形素子となる。
【0046】この高温端の接合電極は、低温端の出力電
極と同様、金属としてはAu、Co、Cu、Fe、Ni
もしくはPd、またはそれぞれを主成分とするそれらの
合金を用い、同様な金属多孔質体、半導体を混合した金
属多孔質体、または多数の穴をあけた金属箔とする。そ
の厚さの範囲もそれぞれ低温端の出力電極の同様でよ
い。
【0047】これら接合電極は電力取り出し用電極とは
異なり、熱電変換の際高温に曝される。AuおよびPd
はFeSi2の使用上限温度の900℃を超える高温の大気
中でも酸化しない。Co、Cu、FeおよびNiは、高
温の大気中で酸化するが、いずれも酸化物が水素で還元
できる元素であり、とくに往復動燃焼方式が採用される
場合、たとえば燃焼排ガスにより酸化を受けたとして
も、その後の未燃焼混合ガスに接すると還元される。し
たがって、これらの金属は多孔質熱電変換素子の高温側
接合電極用として十分使用できる。
【0048】素子の製造は、より強固な焼結体を形成さ
せる目的で広く用いられている、放電プラズマ焼結法を
適用するのが望ましい。上述のp型、n型の両半導体
粉、電極用の金属粉または小穴を多数あけた金属箔、お
よび絶縁用無機系機能繊維、を焼結用型内に素子形状と
同様にして配置し、加圧力1.96〜19.6 MPa(20〜200kgf
/cm2)で、730〜920℃にて1〜30分加熱し、一体化焼結
する。加圧力は1.96 MPaを下回ると、十分な一体化がお
こなわれず、19.6MPaを超えると気孔が減少し、ガスの
通過が不十分になる。加熱温度は730℃未満では焼結不
十分になり、920℃を超えると半導体特性が消失するお
それがある。加熱時間も短すぎると焼結不十分、長すぎ
ると気孔率が低下しガスの通過が悪くなる。
【0049】放電プラズマ焼結法以外の通常の熱間焼結
法(ホットプレス法)を用いる場合は、放電プラズマ焼
結法の場合と同様に焼結用の型内に各原料を配置し、加
圧力を0.98〜9.8MPa(10〜100kgf/cm2)950〜1100℃に
て、30〜90分加熱し一体化焼成する。その後、800〜900
℃で10〜100時間程度の加熱をおこない、半導体化すれ
ばよい。
【0050】
【実施例】〔実施例1〕図4に示す形状の、外径30mm、
高さ20mmの円柱状素子を作製した。平均粒径500μmのp
型またはn型のFeSi2半導体粒子粉を用い、p−n
接合部分3の幅が2mmとなるように、焼結用の黒鉛型内
にそれぞれの粒子粉を入れ、次いで絶縁体8となる幅30
mm、長さ17mm、厚さ2mmの無機系機能繊維シート(東芝
モノフラックス(株)製、FIBERFRAX−型番:ペーパー
#300)を、接合部分に沿ってその端部が位置するよう
に装入配置し、さらに1または2の部分に相当するそれ
ぞれの半導体粉を入れ、その上に出力電極9となる平均
径500μmの金属粉を目標厚さ1mmとして装入した。電極
9に多数の穴をあけた金属箔を用いた場合は、金属をN
iとし、厚さは25μmで、直径1mmの円形小穴を均一に多
数あけてその合計開口率を30%にした半円形の箔を、そ
れぞれp型、またはn型半導体粒子粉の上に置いた。こ
れらを加圧力11.74MPa、温度750℃、加熱時間2分として
放電プラズマ焼結をおこなった。焼結後の素子を型から
取り出して観察した結果では、亀裂、破損等は全く見い
だせなかった。
【0051】また比較のため、図3に示すような上述の
素子と同一寸法の素子を、電極5として厚さ50μm、幅5
mmのAgの箔を円柱状素子の低温端側の外周面に置き、
上記と同じ条件にて同時に焼結して一体化形成させた。
【0052】得られた各素子の高温端側をホットプレ−
トに接触させ、低温端側を液体窒素で冷却して温度制御
した容器に接触させて、高温部が150℃、低温部が30℃
の温度平衡となるようにして、起電力および内部抵抗を
測定した。 起電力の測定結果を表1に示す。これから
わかるように、出力電極を低温分岐部の側面に取り付け
た金属箔とした試験No.1の熱電変換素子に比較して、
本発明の低温端面に金属多孔質体または穴をあけた金属
箔の電極を設置した、試験No.2〜9の素子では、より
大きな熱起電力の得られていることがわかる。これはF
eSi2 の相対熱電能500μV/Kによく対応する熱起電力
である。
【0053】
【表1】
【0054】内部抵抗は、出力電極の端子間に負荷抵抗
と電圧計を取り付け、負荷抵抗の値を変えて、電圧計の
値が負荷抵抗のない開放端電圧の値の1/2になったとき
の、負荷抵抗値から求めた。結果を表1に併記する。こ
れらから明らかなように、出力取り出しの電極を、熱電
変換素子の側面に取り付けた金属箔とした試験No.1に
比較して、本発明の低温端面に金属多孔質体電極を設け
た素子の内部抵抗値は、1/2以下に低下している。さら
に、試験No.8のようにこの電極を穴をあけた金属箔と
しても、ほぼ同等の効果があることがわかる。
【0055】〔実施例2〕高温端に導電体の接合電極を
配置することによる効果を確かめるため、図5に示した
形状の外径30mm、高さ20mmの円柱状素子にて、表2に示
すように接合電極の形態を変え、これに出力電極は形態
が異なるものも含めて組み合わせた。
【0056】接合電極が金属多孔質体の場合、焼結用の
黒鉛型の底に接合電極10となる平均粒径500μmの金属
粉末を目標厚さ1mmとして装入し、つぎに絶縁体8とな
る幅30mm、長さ19mm、厚さ2mmの無機系機能繊維シート
を設置した。さらに1または2の部分に相当するp型ま
たはn型の半導体粒子粉を入れ、その上に出力電極9と
なる導電体を置き、焼結条件その他はいずれも実施例1
と同様にして熱電変換素子を作製した。
【0057】接合電極が混合多孔質体の場合、Ni粉末
におなじ粒径のp型またはn型のFeSi2半導体粒子
粉末を容積比にて50%混ぜた混合粉末を用い、焼結用の
黒鉛型の底に目標厚さ1mmとして半円形にp型半導体ま
たはn型半導体を混合した粉末を置き、それらの境界線
に下端が一致するよう無機系機能繊維シートを設置し
た。Niに混ぜる半導体は、接合電極および出力電極の
いずれもそれの接する半導体と同じものとした。
【0058】Ni穴あき箔は、厚さ25μmで直径0.2mmの
円形小穴を均等に多数開け、その開口率を30%としたも
のを用いた。接合部に用いる場合、焼結用黒鉛型の底に
円形の箔を置き、その上に約1mm厚さのp型またはn型
の半導体粉末をそれぞれ半円形に乗せ、絶縁用無機系機
能繊維シートを下端がその境界線と一致するように設置
した。
【0059】焼結条件その他はいずれも実施例1と同様
にして熱電変換素子とした。接合電極が金属多孔質体ま
たは混合多孔質体の場合は、図1(b)に示したΠ字形
素子となるが、穴あき箔を用いた場合は、U字形とΠ字
形を混合した形態の素子である。また比較のため、出力
電極を図3に示したような低温端の側面に幅3mmの厚さ2
5μmのNi箔としたものも作製した。
【0060】得られた素子の熱起電力、内部抵抗および
最大出力は実施例1と同様にして測定した。なおこの場
合、高温部は150℃であるが低温部は30℃とした。結果
を表2に合わせて示す。
【0061】これから、高温端に接合電極を設けること
により、内部抵抗が小さくなり、最大出力が大幅に増加
していることがわかる。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明は、熱起電力が大きく、内部抵抗
の低い多孔質の熱電変換素子を提供するものである。こ
の素子は熱電発電装置の出力と、熱エネルギの電気エネ
ルギへの変換効率を大幅に向上させるものであり、熱電
発電の実用化をより一層促進する効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電変換素子の構造を説明する概念図である。
【図2】多孔質半導体を用いた熱電変換素子の模式図で
ある。
【図3】出力電極を、低温端の側面に取り付けた熱電変
換素子の例を示す図である。
【図4】出力電極を多孔質導体とし、低温端のガス流入
面に取り付けた熱電変換素子の例を示す図である。
【図5】多孔質導体を出力電極および高温端接合電極に
用いた、熱電変換素子の例を示す図である。
【符号の説明】
1 p型(またはn型)半導体 2 n型(またはp型)半導体 3 p−n接合面 4 半導体間の空隙 5 金属箔電極 6 低温端面 7 高温端面 8 絶縁体 9 多孔質導体電極(低温端) 10 多孔質導体電極(高温端)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】p型多孔質半導体とn型多孔質半導体とか
    らなる熱電変換素子であって、高温側の接合部に対する
    低温側の分岐部の端面に、多孔質導電体からなる出力電
    極が設けられていることを特徴とする多孔質熱電変換素
    子。
  2. 【請求項2】出力電極である多孔質導電体が、金属また
    は金属と半導体との混合体であることを特徴とする請求
    項1に記載の多孔質熱電変換素子。
  3. 【請求項3】出力電極である多孔質導電体が、多数の穴
    をあけた金属箔であることを特徴とする請求項1に記載
    の多孔質熱電変換素子。
  4. 【請求項4】接合部を除くp型多孔質半導体とn型多孔
    質半導体との間にある絶縁体が、無機系機能繊維である
    ことを特徴とする、請求項1、2または3に記載の多孔
    質熱電変換素子。
  5. 【請求項5】接合部のある高温側の端面に接合電極とし
    て金属多孔質体、金属と半導体との混合体である多孔質
    体、または多数の穴をあけた金属箔が設置されているこ
    とを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載の多
    孔質熱電変換素子。
  6. 【請求項6】多孔質半導体がFeSi2半導体で、出力
    電極の多孔質導電体の金属がAu、Co、Cu、Fe、
    NiもしくはPd、またはそれぞれを主成分とするそれ
    らの合金からなることを特徴とする、請求項1、2、
    3、4または5に記載の多孔質熱電変換素子。
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