JP2001210583A - 電子ビーム描画方法および描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画方法および描画装置

Info

Publication number
JP2001210583A
JP2001210583A JP2000024668A JP2000024668A JP2001210583A JP 2001210583 A JP2001210583 A JP 2001210583A JP 2000024668 A JP2000024668 A JP 2000024668A JP 2000024668 A JP2000024668 A JP 2000024668A JP 2001210583 A JP2001210583 A JP 2001210583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
electron beam
sample
driving voltage
source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000024668A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3326419B2 (ja
Inventor
Akiyoshi Tanimoto
明佳 谷本
Yasuhiro Someta
恭宏 染田
Yasunari Hayata
康成 早田
Norio Saito
徳郎 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000024668A priority Critical patent/JP3326419B2/ja
Publication of JP2001210583A publication Critical patent/JP2001210583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3326419B2 publication Critical patent/JP3326419B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】薄膜型電子源を複数個行列状に配置し、各電子
放出部の電子放射を制御することにより任意形状を持つ
電子ビームを放射させ、その像を投影光学系を用いて試
料上に投影する電子ビーム描画装置において、電子ビー
ム描画の持つ微細加工性を保ちつつ、描画時間の短縮を
はかりスループットを向上させる。 【解決手段】薄膜型電子源1の駆動電圧および駆動時間
幅を、所望の描画精度に応じて調整することによって要
求される描画精度を満たしながら描画時間の短縮をはか
る。同時に描画されたパターン内での堆積エネルギーが
均一になるように駆動時間幅を調整することによって近
接効果を補正する。要求される描画精度を保ちながら、
描画時間を短縮した。近接効果の補正を効率よく行うこ
とが出来た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子などの
製造に用いられる電子ビーム描画方法および描画装置に
係り、特に、複数の電子源を有し、それらの像を試料上
に投影することによって描画を行う電子ビーム描画方法
および描画装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜型電子源とは、図2にその断面の概
略図を示すように上部電極31−絶縁層32−下部電極
33の3層薄膜構造をなし、上部電極と下部電極の間に
電圧を印加するとトンネル現象等により絶縁膜を通過し
た電子が上部電極表面から真空中に放出されるものであ
る。上部電極・下部電極に金属を用いたMIM(金属-
絶縁体-金属)型電子源や、少なくとも一方に半導体を
用いたMIS(金属-絶縁体-半導体)型電子源などが知
られている。
【0003】この薄膜型電子源は、図3に示すように,
複数本の列方向に配線された上部電極31と複数本の行
方向に配線された下部電極33を直交させて電子放出部
34を形成することにより、任意の場所から電子線を発
生させることが出来るので、電子ビームの照射により発
光する蛍光体とを組み合わせて画像表示装置などに用い
られている。このような配線方法はマトリクス配線と呼
ばれ、その駆動方法としては全ての電子源を完全に独立
に動作させることが不可能なため一行ずつ駆動するのが
通常である。即ち、全行のうち一行の行配線に駆動電圧
を印加し、それに同期して所望の電子放出部に対応する
列配線を駆動することにより、所望の電子放出部34の
上部電極31−下部電極33間に電圧を与え、画像を一
行分得る。そして、駆動する行を次々に切り替え、全て
の行を走査することにより、全画像を得ることが出来
る。
【0004】このようなマトリクス配線された電子源に
対して、図4に示すように電子源部36と各々の電子放
出を制御するトランジスタ部35を融合させたトランジ
スタ型の電子源は、個々の電子源を完全に独立して制御
することができるためアクティブマトリクス型と呼ばれ
ているが、現状ではマトリクス配線型が主流である。
【0005】一方、半導体素子の微細化と高集積化が進
むにつれて電子ビーム描画には高スループットが要求さ
れており、電子ビーム描画の特徴である微細加工性を維
持しつつスループットを飛躍的に向上させる描画方法と
して、複数の電子源を行列状に配置して描画すべきパタ
ーンに応じた形状の電子ビームを発生させ、その像を転
写光学系により試料上に転写する描画方法が、特開平0
6―236842号公報などで提案されている。その際
使用する電子源としては、フォトエミッションカソー
ド、電界放出型電子源、表面伝導型電子源等のほか、前
述の薄膜型電子源が挙げられている。また、特開平07
−297094号公報では、複数の電子源を配置した電
子銃を用いた電子ビーム描画において、近接効果を高速
に補正するための技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、高スルー
プットを実現する手段として、複数の電子源を用いて特
定の形状の電子ビームを発生させその像を転写光学系に
より試料上に転写する描画方法や、さらにその際に高速
に近接効果を補正する方法が提案されてきたが、電子ビ
ーム描画に求められるスループットはさらに高く、これ
らの技術をもってしても未だ要求されるスループットを
満たしているとはいえない。一方で、高スループット化
は本来電子ビームの持つ微細加工性を損なうものであっ
てはならないことはいうまでもない。
【0007】本発明の目的は、複数の電子源を用いて特
定の形状の電子ビームを発生させ、その像を転写光学系
により試料上に転写する描画技術において、微細加工性
を保ちつつスループットを高めるための電子源駆動方法
をとり入れた電子ビーム描画方法および描画装置を提供
することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、複数の電子源
を用いた電子ビーム描画における必然的な問題の一つで
ある、電子源間の間隙を埋めるための電子源駆動方法を
提供することにある。
【0009】また、本発明のさらに他の目的は、同じく
複数の電子源を用いた電子ビーム描画において必然的な
問題といえる、複数の電子源のうち一部に電流の低下等
の不具合が生じた時の救済方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、先ず、薄膜
型電子源の駆動電圧と、放出電流および放出電子のエネ
ルギーと、放射角の分布の関係に注目した。駆動電圧と
放出ビーム電流の関係に注目すると、図8のグラフに示
すように駆動電圧の上昇に伴って放出ビーム電流が増え
る傾向にあることが知られており、高スループット化の
ためには駆動電圧を高くすることが有効であるといえ
る。しかし一方、駆動電圧と放出電子のエネルギー分布
および放射角分布の広がりの関係に注目すると、駆動電
圧の上昇とともにエネルギー分布および放射角分布の広
がりが大きくなることが知られている。これは、電子ビ
ーム描画装置においては、駆動電圧を高くすると、図9
に示すように、電子ビーム描画装置の投影光学系におけ
る収差が大きくなり、微細加工性が下がることを意味す
る。即ち、薄膜型電子源の駆動電圧において、スループ
ットと微細加工性はトレードオフの関係にあるといえ
る。
【0011】ところで、電子ビーム描画に求められる描
画精度は必ずしも一定ではない。描画の対象となる素子
によって要求される描画精度は異なり、また同一素子で
も層によって要求される描画精度が異なるのが通常であ
る。さらに同一層内でも要求精度の高いパターンと低い
パターンが混在している場合が多い。したがって、試料
毎、または試料内でも複数の電子源で一回または複数回
で照射できる領域毎に、要求精度に応じて駆動電圧を設
定すれば、要求される描画精度を満たしながら描画時間
の短縮をはかることが出来る。
【0012】さらに、従来の技術の項でも述べたよう
に、現在用いられているマトリクス配線された電子源に
おいては、全ての電子放出部を完全に独立に動作させ
ず、一本の行配線で配線された一行分ずつ順に駆動する
という駆動方法が行われていることに注目すれば、一行
毎に駆動電圧および電子ビーム照射時間を調整すること
も可能である。これにより、収差が描画精度に厳しく影
響するパターン端部と、収差が描画精度に比較的影響し
ないパターン内部とで、駆動電圧を個別に設定出来るな
ど、より照射時間の無駄を省くことが可能となる。
【0013】但し、この場合は、従来行われてきた駆動
方法では、次の行に切り替わるまでの時間幅が全行を通
じて一定であるため、次の行に移るまでの時間幅は最も
精度の厳しい行の照射時間で決まり、いくつかの行のみ
を駆動電圧を高く設定して照射時間を短縮しても、結局
次の行に移るまで無駄に待たねばならず描画時間の短縮
がはかれない。そこで各行の駆動時間幅に応じて次の行
に切り替えるまでの時間幅を調整することにより、全行
全列を通じて一つも駆動されない時間を短縮し、スルー
プットの向上をはかった。
【0014】さらに行毎に要求精度に応じて駆動電圧を
調整すると同時に、描画されたパターン内での堆積エネ
ルギーが均一になるように駆動時間幅を調整し、効率よ
く近接効果補正を行い、描画精度をさらに向上させた。
【0015】また、他の発明においては、複数の電子放
出部間の隙間に起因して、試料上に投影されたパターン
内画素間の隙間への対策として、駆動電圧の調整により
適度な光学収差を発生させ、画素間の隙間を埋めること
を可能とした。
【0016】また、さらに他の発明では、複数の電子源
のうち一部に電流の低下等の不具合が生じた時の救済方
法として、偏向器またはステージを用いて他の電子源か
らの照射によって画素に欠陥やムラが生じるのを防ぐ方
法、さらに簡便な方法として、不具合が生じた薄膜型電
子源の近隣の電子源の駆動電圧を高く設定することによ
って、電流を増加させると同時に収差を大きくし、欠損
部分に電子を照射させる方法を可能とした。
【0017】以上のことから、本発明によれば、規則的
に配列された複数の電子源の各電子放出部に印加する駆
動電圧を制御することにより、任意形状の断面を持つ電
子ビームを放射させ、電子光学系により試料上に投影し
て所望のパターンを描画するようにした電子ビーム描画
方法において、上記電子源の各電子放出部に印加する駆
動電圧を、上記所望のパターンに要求される描画精度に
応じて調整するよう構成したことを特徴とする電子ビー
ム描画方法を提供する。
【0018】また、本発明によれば、上記構成におい
て、上記駆動電圧に応じて上記試料上に投影される電子
照射量が所望の値になるように、上記電子源の駆動時間
幅を調整するよう構成したことを特徴とする電子ビーム
描画方法を提供する。
【0019】また、本発明によれば、上記構成におい
て、上記電子源の上記駆動電圧および上記駆動時間幅の
調整は、試料毎に行うよう構成したことを特徴とする電
子ビーム描画方法を提供する。
【0020】また,本発明によれば、上記構成におい
て、上記電子源の上記駆動電圧および上記駆動時間幅の
調整は、試料内において上記電子源で一回または複数回
で照射する領域毎に行うことを特徴とする電子ビーム描
画方法を提供する。
【0021】また、本発明によれば、上記構成におい
て、上記電子源が、行列状のマトリクス配線され、行配
線の一行分ずつ駆動される電子源であり、かつ、上記駆
動電圧および上記駆動時間幅の調整が、上記行配線の一
行分の電子源を駆動する毎に行うよう構成したことを特
徴とする電子ビーム描画方法を提供する。
【0022】また、本発明によれば、上記構成におい
て、上記駆動電圧に応じた駆動時間幅の調整は、上記試
料上に描画されたパターンにおける電子照射量が均一に
分布するように行うことを特徴とする電子ビーム描画方
法を提供する。
【0023】また、本発明によれば、上記構成におい
て,上記駆動電圧に応じた駆動時間幅の調整は、上記試
料上に描画されたパターン内で電子照射による堆積エネ
ルギーが均一に分布するように行うことを特徴とする電
子ビーム描画方法を提供する。
【0024】さらに、本発明によれば、規則的に配列さ
れた複数の電子源と、該電子源の各電子放出部に印加す
る駆動電圧を制御することにより任意形状の断面を持つ
電子ビームを放射させる手段と、該電子ビームを電子光
学系により試料上に縮小投影して所望のパターンを描画
する手段を備えた電子ビーム描画装置において、上記電
子源の各電子放出部に印加する駆動電圧を、上記所望の
パターンに要求される描画精度に応じて調整する手段を
具備してなることを特徴とする電子ビーム描画装置を提
供する。また、かかる描画装置構成において、上記駆動
電圧に応じて上記試料上に投影される電子照射量が所望
の値になるように、上記電子源の駆動時間幅を調整する
手段を具備してなることを特徴とする電子ビーム描画装
置を提供する。
【0025】さらにまた、本発明によれば、規則的に配
列された複数の電子源の各電子放出部の電子放射を制御
することにより任意形状の断面を持つ電子ビームを放射
させ、電子光学系により試料上に縮小投影して所望のパ
ターンを描画するようにした電子ビーム描画方法におい
て、上記電子光学系の電子光学収差が上記電子放出部の
配列間隔から上記電子放出部の大きさを引いた値に上記
電子光学系の縮小率をかけた値の1/3よりも大きくな
るように、上記電子源の各電子放出部に印加する駆動電
圧を定めることを特徴とする電子ビーム描画方法を提供
する。
【0026】さらにまた、本発明によれば、規則的に配
列された複数の電子源の各電子放出部の電子放射を制御
することにより任意形状の断面を持つ電子ビームを放射
させ、電子光学系により試料上に投影して所望のパター
ンを描画するようにした電子ビーム描画方法において、
上記電子源のうち一つまたは複数の電子源にビーム電流
の減少が生じた場合、他の電子源を用いて電子照射量の
不足している画素へ照射するよう構成したことを特徴と
する電子ビーム描画方法を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は、本発明の第
1の実施例の構成を示したブロック図である。行列状に
配置された電子源1から放射され描画すべきパターンの
形状の断面をもつ電子ビームは、引き出し電極2により
引き出された後、加速電極3および電子レンズ4、5、
7により加速・収束され、XYステージ9に搭載された
試料8上に転写される。この時投影されるパターンの試
料上での大きさは、配列電子源の電子放出部の大きさ
と、電子光学系の縮小率によって決定される。投影され
るパターンの試料上での電子ビームの位置は、偏向器6
によって決定される。
【0028】電子源は、薄膜型電子源のうち、金属−絶
縁物−金属の3層構造を有するMIM型電子源で、本実
施例では一辺の長さが200nmの正方形の形状を持っ
た電子放出部を持つMIM型電子源が基板上に1024
×1024の行列状にマトリクス配線されたものを用い
た。光学系の縮小率は、電子放出部の大きさと描画に必
要な精度との比によって決定すべきパラメータであり、
微細パターンの描画に用いるのに充分に試料上の画素を
小さし、且つ、転写歪みを描画に必要な精度内に抑える
には、数十分の一から数百分の一が現実的である。本実
施例では光学縮小率は100分の1であり、試料上には
一つまたは複数の一辺2nmの正方形により構成される
パターンが投影されることになる。
【0029】図2に本実施例で用いたMIM型電子源の
断面の概念図を示す。絶縁層32を挟んだ上部電極31
と下部電極33の間に5V程度から15V程度の駆動電
圧が印加されると、電子が絶縁層を通り抜け真空中に放
出される。放出ビーム電流と駆動電圧との関係は図8の
グラフのようであり、駆動電圧が高くなるに従って放出
ビーム電流も増える。一方、放出される電子のエネルギ
ー分布および放射角分布の広がりもまた駆動電圧によっ
て決定され、駆動電圧が高くなるにしたがって、エネル
ギー分布の広がりが大きくなり、放射角分布の広がりも
また大きくなる。この結果、図9に示すように、駆動電
圧を高くするにしたがって試料上での球面収差および色
収差等の光学収差が大きくなる。
【0030】以上のように、駆動電圧を高くすることに
よってビーム電流を大きくすることが出来るが、一方、
収差が大きくなり描画精度は下がる。逆に、駆動電圧を
低くすることによってビーム電流は小さくなるものの、
収差が小さく描画精度は上がる。そこで、要求される精
度を保ちながらビーム電流を出来るだけ大きくとり、ビ
ーム照射時間を出来るだけ短縮するために、要求される
描画精度に応じて駆動電圧を調整しながら描画を行うの
が本発明である。即ち、パターンデータ格納部12aに
描画データを格納した後、描画に先立ち、演算機13の
ビーム較正部13eがビーム検出器10およびビーム測
定回路15により各電子放出部の駆動電圧とビーム電流
・描画精度の関係を測定し、駆動電圧計算部13cは描
画精度に応じた最適な駆動電圧を求めるためのテーブル
または計算式を作成・記憶する。
【0031】そして描画時には、この計算式を用いて、
必要な描画精度を保ちながらビーム電流を出来るだけ大
きくとることのできる最適な駆動電圧を算出し、駆動電
圧の設定を行う。これら一連の作業は制御計算機12に
よって制御される。なお、実際には試料中に要求精度の
異なるパターンが混在する場合があるが、その場合はよ
り要求精度の高いパターンで駆動電圧を決定すればよ
い。駆動時間幅は試料上に照射されるビーム量が所望の
値になるように調整する。
【0032】本実施例では、LSIの2つの層、A層お
よびB層を描画する例を紹介する。A層は、図10に示
すようにパターン幅が0.3μm程度と小さく、要求さ
れる描画精度が高い。一方、B層は、図11に示すよう
にパターン幅が1μm程度と大きく、またパターンピッ
チも荒いので、比較的大きな光学収差41(0.15μ
m)も許容範囲内である。即ち、要求される描画精度が
A層に比べて低い。
【0033】2層の描画に際し、従来は要求精度の高い
A層に合わせて駆動電圧を7Vに調整していたため、A
層およびB層それぞれに100分の描画時間を必要とし
ていた。そこで、駆動電圧と、ビーム電流および光学収
差の測定を行い、要求される描画精度に応じた最適な駆
動電圧を求める計算式を作成し、これを用いて、A層お
よびB層それぞれに最適な駆動電圧を算出した。具体的
には、A層描画時の駆動電圧7Vに対し、B層の駆動電
圧を8.5Vと高くした。これによって、図8(片対数
表示)に示すように、、放出ビーム電流は約20倍増加
し、この結果、B層の描画時間は15分に短縮された。
その際、図9に示したように、光学収差は3倍になった
が、B層に必要な描画制度は0.15μmと大きいため
問題にならない。したがって、必要な精度を保ちつつ2
層合わせて描画時間を約40%短縮できたことになる。
【0034】なお、本実施例では、図3に示されたよう
な電子放出部が正方形の形状を持つマトリクス配線型の
薄膜型電子源を用いたが、図4に示されるようなアクテ
ィブマトリクス型の薄膜型電子源を用いても本実施例と
同様の効果が得られる。アクティブマトリックス型の電
子源ではすべての電子源を同時に駆動するが、試料中で
最も要求精度の高いパターンに合わせて駆動電圧を設定
することによって必要な精度を保ちつつ描画時間を短縮
することができる。また、電子放出部の形状について
も、正方形以外の、例えば、斜め線を描画するのに適し
た図5に示す正三角形状、図6に示す直角二等辺三角形
状、および図7に示す正六角形状というように、正方形
以外の形状の電子放出部34を持った薄膜型電子源を用
いても本実施例と同様の効果があげられるのはいうまで
もない。
【0035】(実施例2)要求精度の低いパターンと要
求精度の高いパターンが混在する層を描画する際には、
実施例1のように試料毎に駆動電圧を変化させる方法で
は、より要求精度の高いパターンで試料全体の駆動電圧
が決定されるので、要求精度の低いパターンをも低駆動
電圧で描画することになる。このような場合には、各々
のパターンの要求精度に応じて試料内で複数個配置され
た電子源で一度に照射できる領域毎に駆動電圧を変化さ
せる方法が有効である。
【0036】即ち、演算機13のパターンデータ記憶部
13aに記憶された描画データをデータ展開部13bが
展開すると、駆動電圧計算部13cは予め作成されたテ
ーブルまたは計算式を用いて一度に照射できる領域毎に
駆動電圧を決定する。そして、光学制御機14の電子源
制御部14aは、一照射毎に、決定された駆動電圧で電
子源駆動回路17を動作させる。実際には、電子源駆動
回路17は加速電源11によってフローディング状態に
なっているので、電子源制御部14aから電子源駆動回
路17への信号伝送は光ケーブルを介して行われる。な
お、駆動電圧を決定する方法としては、行列状に配置さ
れた薄膜型電子源で一度に照射できる領域内で、最も要
求精度の高いパターンまたはパターン内の一部分を基準
として駆動電圧を決定すればよい。その際、駆動時間幅
は試料上に照射される電子照射量が一定になるように調
整する。
【0037】本実施例では,LSIのC層を描画する例
を紹介する。C層は,図12に示すように、要求精度の
低い大きなパターンと要求精度の高い小さなパターンが
混在している。そこで駆動電圧と、ビーム電流および光
学収差の測定から予め作成しておいた、要求される描画
精度に応じて最適な駆動電圧を求める計算式を用いて、
図中点線で区切られた、複数個配置された電子源で一度
に照射できる領域毎に、パターンの要求精度によって駆
動電圧を7Vから10Vまでの3段階にわたって調整し
た。これにより、要求精度の低い大きなパターンは駆動
電圧を高く設定し大電流で描画することによって照射時
間を短縮し、一方で要求精度の高いパターンは駆動電圧
を低く設定し高い要求精度を保つことができた。その結
果、C層全体を同一駆動電圧で描画する場合に比べて描
画時間は80分から40分に短縮され、且つ、必要な描
画精度は満たされた。
【0038】なお,本実施例においては駆動電圧の変化
を一度に照射できる領域毎に行ったが、実際に一度の照
射毎に駆動電圧を変化させることが困難な場合は、複数
回の照射毎に駆動電圧を変化させても、描画時間の短縮
をはかることが出来る。また実施例1と同様に、本実施
例においても使用する薄膜型電子源はマトリクス配線型
に限定されず、また電子放出部の形状についても正方形
に限定されるものではない。
【0039】(実施例3)行列状に配置された薄膜型電
子源のうち、特に一行ずつ駆動されることを特徴とする
マトリクス配線された薄膜型電子源においては、一行ず
つ駆動電圧を変化しながら描画する方法が、精度を保ち
ながら出来るだけ速く描画するために有効である。
【0040】例えば、図13に示すようなパターンを描
画する際、実施例2では試料面に投影される像の収差を
小さくするために、パターン全体を一様に低い駆動電圧
で描画したが、実際には収差が描画精度に厳しく影響す
るのはパターンの輪郭部分のみであり、パターンの中心
部分に近づくにしたがって収差が描画精度に与える影響
は小さくなる。したがって、要求精度の高いパターンの
輪郭部分は低駆動電圧で描画し、パターン中心部分に近
づくにしたがって高駆動電圧で描画するように調整すれ
ば、照射時間の短縮が可能である。
【0041】この方法は、特に一行ずつ駆動されること
を特徴とするマトリクス配線された薄膜型電子源におい
て有効である。図13のうち、複数の電子源で一度に照
射できるパターン領域42のさらに一部分43につい
て、行列状に配置された薄膜型電子源のオン・オフおよ
び必要な描画精度を示したものが図14である。これを
見ると1行目から3行目は電子を照射する必要が全くな
いことが分かる。一方、4行目からの数行と30行目付
近の数行はパターンの輪郭部分にあたり、精度が高く要
求される。それに対して、パターンの中心部分である1
8行目およびその付近の行は精度がそれほど要求されな
い。このように照射の必要の有無・要求精度は行毎に変
化するといえる。
【0042】従来の描画方法における図14の電子源各
行のオン・オフをタイムチャートで示すと、図15のよ
うになる。この図においては、横方向は時間、縦方向は
駆動電圧を示す。行配線で配線された一行分の電子源は
同時に駆動され、駆動される行が一定の間隔で順次切り
替わっていたため、照射がスタートしてからも3行目ま
では、図15の51に示すように、電子を放射する必要
が全くないにもかかわらず空送りする、無駄な時間とな
っていた。また、駆動電圧が要求精度の高い輪郭部分を
基準に設定されていたため、要求精度が低いパターン内
部についても低駆動電圧で長時間照射することになって
いた。
【0043】一方、図16は、本実施例における図14
の電子源各行のオン・オフを示すタイムチャートであ
る。本実施例では先ず、1行目から3行目のように電子
を照射する必要がない行についてはビーム照射をスキッ
プし、空送りをなくした。またパターンの要求精度のみ
ならずパターンの輪郭からの距離に応じて一行または数
行毎に駆動電圧を変化させ、且つ駆動時間幅を調整する
ことによって、描画時間の短縮をはかった。即ち、精度
が必要なパターン端部は52に示すように低い駆動電圧
で駆動され、精度が要求されないパターン内部について
は53に示すように高い駆動電圧で照射することによっ
て、照射時間の短縮をはかる。なお、駆動電圧の変化は
数段階に分けて数行ずつ行った。また、駆動時間幅は、
試料上に照射される電子照射量が一定になるように調整
した。
【0044】この結果、図17の各行からの電子照射量
分布に示すように、駆動電を低くしたパターンの輪郭部
分に相当する行では、シャープな電子照射量分布になっ
ており、一方、駆動電圧が高いパターン内部に相当する
行においては、電子照射量分布は広がり、他の行の照射
領域まで広がっている。しかしながら、駆動時間幅の調
整により、各行からの全電子照射量が一定になるように
したため、全電子放射量はパターン端部から内部にわた
って描画結果への影響を考える範囲で一定といえる値を
保つことができ、これにより、パターンの輪郭部分のシ
ャープさを保ちながらも描画時間の短縮をはかることが
出来た。
【0045】本実施例では、図12に示すLSIのC層
を描画する例を紹介する。実施例2では複数個配置され
た電子源で一度に照射できる領域毎に駆動電圧を設定し
たが、本実施例においては行配線一行分の電子源を駆動
する毎に7Vから11Vまで5段階で駆動電圧を調整
し、同時に試料上に照射されるビーム量が一定になるよ
うに駆動時間幅を設定することにより、描画時間を40
分から30分に短縮し、且つ必要な描画精度は満たすこ
とが出来た。
【0046】なお、本実施例においては、使用する薄膜
型電子源の電子放出部の形状は正方形であったが、正方
形以外の形状の電子放出部を持った薄膜型電子源を用い
ても同様の効果が得られる。
【0047】(実施例4)実施例3においては描画精度
に応じて駆動電圧を変化させながら、図17の全電子照
射量分布に示すように、試料上に照射される電子照射量
が一定になるように駆動時間幅を調整していた。しか
し、この方法では、図17の堆積エネルギー分布 に示
すように近接効果によりパターン内部での感光剤中のエ
ネルギー堆積が過剰になってしまい、近接効果により大
きな図形パターンが接近している部分の間隙の幅が狭く
なる現象が起こっていた。
【0048】そこで、既知の感光剤の感度に基づいた計
算により、堆積エネルギーが位置によらず一定になるよ
うに試料上に照射されるように電子照射量を調整した。
具体的には、駆動電圧は実施例3と同様の方法で調整
し、演算機の近接効果補正部13dがパターン内部の駆
動時間幅を調整した。具体的には、図18に示すように
パターン内部に相当する部分54で駆動時間幅を短縮す
ることによって、図19における各行からの電子照射量
分布に示すように各行からの電子照射量を制御し近接効
果の補正を行った。この結果、図19の堆積エネルギー
分布に示すように、パターン端部から内部各行にわたっ
て堆積エネルギーを均一に分布させることができた。ま
た、この時、パターン端部については実施例3と同様に
必要な精度を保つことができた。さらにまた、この時、
描画時間は、実施例3とほとんど変わらなかった。
【0049】本実施例では、図12に示すLSIのC層
を描画する例を紹介する。実施例3では試料上に照射さ
れるビーム量が一定になるように照射時間を調整してい
たため、近接効果により、パターン密度の高い部分の感
光剤中のエネルギー堆積が過剰になり、パターンが接近
している部分の間隙の幅が狭くなる現象が起こってい
た。これに対して、本実施例では既知の感光剤の感度に
基づいて堆積エネルギーが一定になるように試料上に照
射されるビーム量を調整することにより、近接効果を補
正し、パターン密度による描画精度の低下をなくした。
また、描画時間は実施例3に比べ殆ど変化がなかった。
【0050】(実施例5)実施例1から3の応用例の一
つとして、電子線検査装置がある(図示せず)。検査対
象のパターンサイズやパターン形状に応じて電子ビーム
のサイズ・形状を変化させながら試料上を走査する、電
子線検査装置において、本発明を用いれば、大きなパタ
ーンは高い駆動電圧で高速に検査を行い、小さなパター
ンは低い駆動電圧で高精度に計測することによって検査
速度を高めることが出来る。また、高い駆動電圧で試料
上の照射位置決定などの荒い測定を行った後、駆動電圧
を下げて精密な検査を行う等の応用も可能である。
【0051】(実施例6)本実施例では、複数の電子放
出部の間に存在する間隙に注目した。図3および図4に
示すような、マトリクス配線型、アクティブマトリクス
型のいずれの薄膜型電子源においても、個々の電子放出
部間には間隙が必然的に生じる。この結果、図20に示
した概念図のように、電子放出部間に間隙をもった電子
源1の転写像である試料上のパターン内においてもA−
A’部分の各画素60間に間隙が生じてしまう。堆積エ
ネルギー分布が、図21に示すように、A−A’間にお
いて各画素毎に分離してしまっているからである。間隙
の幅は、電子放出部の配列間隔から電子放出部の大きさ
を引いた値に等しい。この問題は、薄膜型電子源のみな
らず、複数の電子源を配列した電子ビーム描画装置にお
ける必然的な問題であるといえる。
【0052】この問題への対策としては、光学制御器の
偏向器制御部14bもしくはステージ制御器17を用い
て、試料中の照射する領域を偏向器もしくはステージの
移動によって動かすことによって、画素間の間隙を埋め
る方法が考えられる。この方法は高い精度の要求される
パターンにも対応できる方法であるが、偏向器やステー
ジの制御方式が複雑になり、偏向器やステージの制御に
時間が費やされる。
【0053】そこで、薄膜型電子源を用いた電子ビーム
描画装置においては、駆動電圧によってビーム電流のみ
ならず光学収差を変化させることが出来ることに注目
し、画素間の間隙を埋めるための手段として、駆動電圧
を含む電子光学系全体によって決定される光学収差を積
極的に利用することを考えた。具体的には、光学収差が
電子放出部の配列間隔から電子放出部の大きさを引いた
値の1/2程度になるように駆動電圧を設定することに
よって、偏向器やステージの移動によらずに、図23に
示すようにA−A’間の電子照射量分布の画素毎の分離
を防ぎ、図22に示すようにA−A’部分の各画素60
間の間隙を埋めることが出来た。その結果、偏向器・ス
テージの制御方式の簡略化を達成したほか、偏向器やス
テージの制御に費やされる時間を、従来の方法に比べて
30%短縮することが出来た。
【0054】なお、本実施例では光学収差が電子放出部
の配列間隔から電子放出部の大きさを引いた値の1/2
程度になるように駆動電圧を設定したが、描画および現
像等の条件によっては、光学収差が電子放出部の配列間
隔から電子放出部の大きさを引いた値の1/3以上、2
倍以下になるように駆動電圧を設定しても同様の効果が
あげられる。
【0055】(実施例7)複数の電子放出部の間に存在
する間隙と共に複数の電子源を配列した電子ビーム描画
装置における必然的な問題に挙げられるのが各電子源の
個体差である。各電子源からの放出ビーム電流が異なる
と、パターン内部で電子照射量にムラが生じ描画精度の
低下につながる。この個体差の効果を補正するために、
従来、描画前に予め各電子源からの放出ビーム電流を測
定し、描画時には電子ビーム照射時間を各電子源毎に調
整していた。しかし、電子源が劣化して著しくビーム電
流が減少したり、さらに絶縁破壊等によって電流が完全
になくなってしまった場合は、電子ビーム照射時間の調
整による補正は不可能であるか、または非常に長大な時
間を要し現実的でない。
【0056】そこで、描画前の電流測定の結果、放出ビ
ーム電流が基準値を満たした電子源については従来どお
り電子ビーム照射時間の調整による補正を行ったが、基
準値に満たなかった電子源については他の電子源による
救済を行った。即ち、放出ビーム電流の基準を満たした
電子源の照射終了後、図24に示したように偏向器6を
用いて電流基準を満たした電子源62による電流基準を
満たさなかった電子源61に対応する画素63に電子照
射を行った。偏向器を用いたのは所望の画素へ電子を照
射するためであるが、偏向器ではなくステージの移動に
よっても同様の効果が得られる。
【0057】さらに同様の効果をあげる簡便な方法とし
ては、放出ビーム電流が基準値に満たなかった電子源と
近隣の電子源の駆動電圧を高く設定する方法がある。即
ち、図25に示したように、隣接する電子源64のう
ち、少なくとも一つの電子源の駆動電圧を上げビーム電
流を増加させ、かつ、収差を増大させることによって、
電流基準を満たさなかった電子源61に対応する画素6
3に電子を照射する。これによって、図25のAから
A’に至る部分の各電子源からの堆積エネルギー分布
は、本実施例の実施前には図26のようであったが、実
施後には図27のように欠損になるはずであった画素に
もエネルギーが堆積することがわかる。この方法は、欠
損する画素がパターンの内部に相当する場合は非常に有
効な方法であるといえる。
【0058】なお、本実施例ではビーム電流が出なくな
った電子源に隣接する電子源のビーム電流および収差を
増大させることによって画素の欠損を救済したが、隣接
する電子源のビーム電流が充分でないなどの場合では、
光学収差で覆いきれる範囲内で、近隣の他の電子源を用
いることによっても、同様の効果を得ることができる。
また、描画および現像等の条件によっては、駆動電圧を
上げて収差を増大させることが容易でない場合は、電子
照射量の調整のみによっても同様の効果をあげることが
出来る。
【0059】(実施例8)実施例1から7においては、
電子源として薄膜型電子源を用いたが、薄膜型以外の電
子源、例えば、フィールドエミッタアレーなどを用いて
描画精度に応じてゲート電圧を調整することによっても
同様の効果をあげることが出来る。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
複数の電子源を用いて特定の形状の電子ビームを発生さ
せ、その像を投影光学系により試料上に投影する電子ビ
ーム描画方法および描画装置において、微細加工性を保
ちながら描画時間を短縮する電子源駆動方法を実現す
る。本発明は、電子ビーム描画だけでなく、電子線検査
装置等に適用可能であり、半導体素子等の製造プロセス
における高精度、スループット向上を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子ビーム描画装置の一構成例を
示すブロック図。
【図2】薄膜型電子源の断面を示す概念図。
【図3】マトリクス配線型の薄膜型電子源を示す図。
【図4】アクティブマトリクス型の薄膜型電子源を示す
図。
【図5】正三角形の形状を有する電子放出部の配置例を
示す図。
【図6】直角二等辺三角形の形状を有する電子放出部の
配置例を示す図。
【図7】正六角形の形状を有する電子放出部の配置例を
示す図。
【図8】駆動電圧と放出ビーム電流の関係を示す特性線
図。
【図9】駆動電圧と光学収差の関係を示す特性線図。
【図10】実施例1を説明するためのA層の代表的なパ
ターンを示す図。
【図11】実施例1を説明するためのB層の代表的なパ
ターンを示す図。
【図12】実施例2を説明するためのC層の代表的なパ
ターンを示す図。
【図13】実施例3を説明するためのパターンの形状を
示す図。
【図14】図13のパターン領域42を描画する際の各
電子源のオン・オフおよび必要精度を示す図。
【図15】従来の描画方法を示すタイムチャート。
【図16】実施例3における描画方法を示すタイムチャ
ート。
【図17】実施例3における電子照射量および堆積エネ
ルギーの分布を示す図。
【図18】実施例4における描画方法を示すタイムチャ
ート。
【図19】実施例4における電子照射量および堆積エネ
ルギーの分布を示す図。
【図20】従来の描画方法における電子ビーム照射状況
を示す図。
【図21】従来の描画方法における図20中のA−A’
部分の電子照射量の分布を示す図。
【図22】実施例6における電子ビーム照射状況を示す
図。
【図23】実施例6における図22中のA−A’部分の
電子照射量分布を示す図。
【図24】偏向器を用いた試料上パターン内画素の欠損
を救済する方法を示す概念図。
【図25】実施例7における試料上パターン内画素の欠
損を救済する方法を示す概念図。
【図26】実施例7における画素欠損の救済を行った場
合の図25中のA−A’部分の電子照射量分布を示す
図。
【図27】実施例7における図25中のA−A’部分の
電子照射量分布を示す図。
【符号の説明】
1・・・行列状に配置された電子源、2…引出し電極、3
…加速電極、4…第一電子レンズ、5…第二電子レン
ズ、6…偏向器、7…対物レンズ、8…試料、9…XY
ステージ、10…ビーム検出器、11…加速電源、12
…制御計算機、12a…パターンデータ格納部、13…
演算機、13a…パターンデータ記憶部、13b…デー
タ展開部、13c…駆動電圧計算部、13d…近接効果
補正部、13e…ビーム較正部、14…光学制御器、1
4a…電子源制御部、14b…偏向器制御部、15…ビ
ーム測定回路、16…ステージ制御器、17…電子源駆
動回路、31…上部電極、32…絶縁層、33…下部電
極、34…電子放出部、35…トランジスタ部、36…
電子源部、41…光学収差許容範囲、42…一度で照射
できるパターン領域、43…パターン領域42の一部、
51…空送り行、52…パターン端部、53…パターン
内部、60…画素、61…電流基準を満たさなかった電
子源、62…電流基準を満たした電子源、63…電流基
準を満たさなかった電子源に対応する画素、64…電流
基準を満たさなかった電子源に隣接する電子源。
フロントページの続き (72)発明者 早田 康成 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 斎藤 徳郎 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2H097 AA03 CA16 LA10 5F056 AA33 CB02 CC12 CC13 EA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】規則的に配列された複数の電子源の各電子
    放出部に印加する駆動電圧を制御することにより、任意
    形状の断面を持つ電子ビームを放射させ、電子光学系に
    より試料上に投影して所望のパターンを描画するように
    した電子ビーム描画方法において、上記電子源の各電子
    放出部に印加する駆動電圧を、上記所望のパターンに要
    求される描画精度に応じて調整するよう構成したことを
    特徴とする電子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】上記駆動電圧に応じて上記試料上に投影さ
    れる電子照射量が所望の値になるように、上記電子源の
    駆動時間幅を調整するよう構成したことを特徴とする請
    求項1記載の電子ビーム描画方法。
  3. 【請求項3】上記電子源の上記駆動電圧および上記駆動
    時間幅の調整は、試料毎に行うよう構成したことを特徴
    とする請求項2記載の電子ビーム描画方法。
  4. 【請求項4】上記電子源の上記駆動電圧および上記駆動
    時間幅の調整は、試料内において上記電子源で一回また
    は複数回で照射する領域毎に行うことを特徴とする請求
    項2記載の電子ビーム描画方法。
  5. 【請求項5】上記電子源が、行列状のマトリクス配線さ
    れ、行配線の一行分ずつ駆動される電子源であり、か
    つ、上記駆動電圧および上記駆動時間幅の調整が、上記
    行配線の一行分の電子源を駆動する毎に行うよう構成し
    たことを特徴とする請求項2記載の電子ビーム描画方
    法。
  6. 【請求項6】上記駆動電圧に応じた駆動時間幅の調整
    は、上記試料上に描画されたパターンにおける電子照射
    量が均一に分布するように行うことを特徴とする請求項
    2記載の電子ビーム描画方法。
  7. 【請求項7】上記駆動電圧に応じた駆動時間幅の調整
    は、上記試料上に描画されたパターン内で電子照射によ
    る堆積エネルギーが均一に分布するように行うことを特
    徴とする請求項2記載の電子ビーム描画方法。
  8. 【請求項8】規則的に配列された複数の電子源の各電子
    放出部の電子放射を制御することにより任意形状の断面
    を持つ電子ビームを放射させ、電子光学系により試料上
    に縮小投影して所望のパターンを描画するようにした電
    子ビーム描画方法において、上記電子光学系の電子光学
    収差が上記電子放出部の配列間隔から上記電子放出部の
    大きさを引いた値に上記電子光学系の縮小率をかけた値
    の1/3よりも大きくなるように、上記電子源の各電子
    放出部に印加する駆動電圧を定めることを特徴とする電
    子ビーム描画方法。
  9. 【請求項9】規則的に配列された複数の電子源の各電子
    放出部の電子放射を制御することにより任意形状の断面
    を持つ電子ビームを放射させ、電子光学系により試料上
    に投影して所望のパターンを描画するようにした電子ビ
    ーム描画方法において、上記電子源のうち一つまたは複
    数の電子源にビーム電流の減少が生じた場合、他の電子
    源を用いて電子照射量の不足している画素へ照射するよ
    う構成したことを特徴とする電子ビーム描画方法。
  10. 【請求項10】規則的に配列された複数の電子源と、該
    電子源の各電子放出部に印加する駆動電圧を制御するこ
    とにより任意形状の断面を持つ電子ビームを放射させる
    手段と、該電子ビームを電子光学系により試料上に縮小
    投影して所望のパターンを描画する手段を備えた電子ビ
    ーム描画装置において、上記電子源の各電子放出部に印
    加する駆動電圧を、上記所望のパターンに要求される描
    画精度に応じて調整する手段を具備してなることを特徴
    とする電子ビーム描画装置。
  11. 【請求項11】上記駆動電圧に応じて上記試料上に投影
    される電子照射量が所望の値になるように、上記電子源
    の駆動時間幅を調整する手段を具備してなることを特徴
    とする請求項10記載の電子ビーム描画装置。
JP2000024668A 2000-01-28 2000-01-28 電子ビーム描画方法 Expired - Fee Related JP3326419B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024668A JP3326419B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 電子ビーム描画方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024668A JP3326419B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 電子ビーム描画方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001210583A true JP2001210583A (ja) 2001-08-03
JP3326419B2 JP3326419B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=18550616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000024668A Expired - Fee Related JP3326419B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 電子ビーム描画方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3326419B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006019436A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Canon Inc 荷電粒子線露光装置、荷電粒子線露光方法及びデバイス製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006019436A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Canon Inc 荷電粒子線露光装置、荷電粒子線露光方法及びデバイス製造方法
JP4634076B2 (ja) * 2004-06-30 2011-02-16 キヤノン株式会社 荷電粒子線露光装置及びデバイス製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3326419B2 (ja) 2002-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4313145B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置
US7126140B2 (en) Multi-electron beam exposure method and apparatus
KR101679469B1 (ko) 묘화 장치 및 물품의 제조 방법
TWI605305B (zh) Multiple-charged particle beam drawing device and multiple-charged particle beam drawing method
JP7026554B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
US10784081B2 (en) Charged particle beam lithography apparatus and charged particle beam pattern writing method
US20160126062A1 (en) Drawing apparatus, lithography system, pattern data creation method, drawing method, and method of manufacturing articles
JP2000260686A (ja) 露光方法及び露光装置
JP2019033117A (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP2000030647A (ja) 荷電粒子ビーム露光装置
JP4184782B2 (ja) マルチ電子ビーム装置およびそれに用いられるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法
JP2018073916A (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP3326419B2 (ja) 電子ビーム描画方法
JPH10106931A (ja) 電子ビーム露光方法およびそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法
JPH0653129A (ja) 電子ビーム露光方法
JP2020085838A (ja) 電子ビーム検査装置
TWI783487B (zh) 多帶電粒子束描繪裝置及多帶電粒子束描繪方法
JP2007133140A (ja) 画像表示装置
US20140162191A1 (en) Drawing apparatus, and method of manufacturing article
JP2000331635A (ja) 走査電子顕微鏡
WO2023171277A1 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
WO2023234178A1 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP6845000B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム露光装置およびマルチ荷電粒子ビーム露光方法
US10483082B2 (en) Evaluation method, correction method, recording medium and electron beam lithography system
JP2023073955A (ja) 電子銃のカソード寿命予測方法、及び電子線描画装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120705

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130705

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees