JP4184782B2 - マルチ電子ビーム装置およびそれに用いられるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法 - Google Patents

マルチ電子ビーム装置およびそれに用いられるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明はマルチ電子ビーム装置およびそれに用いるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIを代表とする半導体集積回路の急速な高密度化、高集積化に伴い、形成すべき回路パターンの微細化も急速に進んでいる。特に100nmノード以下のパターン形成は、従来の光リソグラフィーの延長では非常に困難とされている。
【0003】
これに対して、電子ビーム描画は微細パターンを形成するために有効な手段である。しかしながら、生産現場に適用するためには、更に高いスループットが要求されている。近年、電子ビーム描画のスループット向上の手段として大きく2つの方法が研究開発されてきている。
【0004】
第1はステンシルマスクを用いて、電子ビームを縮小投影してパターンを形成する方法である。この方法は、高スループットを望めるがマスク製作が困難で、コストがかかると予想されている。
【0005】
第2の方法は、従来の電子ビーム描画方法であるポイントビームや可変矩形ビームを、同時に複数本用いて一度に描画を行う方式である。ここでは、電子レンズや偏向器から構成される1つの電子光学系に1つの電子ビームを割り当てる。このような電子光学系ユニットを複数用いるものをマルチカラム方式、1つの電子光学系に複数本のビームを通すものをマルチビーム方式と定義する。
【0006】
マルチビームを用いる電子ビーム描画には、例えば、特開平9−245708号公報に記載された方法がある。この方法は、1つの電子源から放射された電子ビームをコンデンサーレンズによってほぼ平行なビームとし、アパーチャアレイにより複数の電子ビームに分割する。
【0007】
レンズアレイと偏向器アレイによりこのビームから中間像を形成し、ブランキングアレイを用いて独立してオン・オフを制御する。その後、偏向器を含む投影光学系により試料上に中間像を投影することにより描画を行う。
【0008】
この方法は、レンズアレイと偏向器アレイにより投影光学系において発生する像面湾曲や歪などをあらかじめ補正することが可能で、投影光学系の設計が容易になる。このため高解像で、かつ、高スループットを実現できる描画方法である。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−245708号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のマルチビーム描画方法では、電子源の放射角分布の不均一、アパーチャアレイやレンズアレイ、投影光学系の機械的製作誤差および、それに伴う理想的なビーム中心軸に対する斜入射等により、マルチビームの各々の電流値が目標の値にならないことがある。
【0010】
各ビーム電流のばらつきが数%以下ならばブランキング時間に依る補正は不要であるが、規格を超えて数%以上になれば各々のブランキング時間を調整しなければならない。
【0011】
従って、マルチビームの本数が1000〜4000本に達するマルチビーム描画システムでは、描画に先だってマルチビームの各々の電流値を測定し、表示することが非常に重要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マルチ電子ビーム装置において全電子ビームの総電流値はその絶対値を測定する手段で検出し、個々の電流については相対値を測定する手段で検出するものである。また、個々の電流強度はマップとして表示する手段を備える。
【0013】
即ち、本発明の一実施の形態では、複数の電子ビーム発生する手段と、描画するパターンデータに応じて前記複数の電子ビームの各々を独立にオン・オフする手段と、前記複数の電子ビームを偏向する手段と複数の電子レンズからなる電子光学手段とを用いて試料上に描画を行う電子ビーム装置において、全電流の絶対値を測定するためにステージ平面上にファラデイカップを設け、個々の電流の相対値を時系列に高速で測定するために反射電子検出器、または、2次電子検出器により計測する手段を設ける。また、これら計測値を記憶する手段を備え、電流相対値をマップとして表示する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明で用いる電子ビーム描画装置の構成について説明する。図2はマルチビーム方式を用いた電子ビーム描画装置の一実施例を示す略図である。電子銃201から放射された電子ビーム202は、コンデンサレンズ203によってほぼ平行の電子ビームになる。
【0016】
この電子銃201は、カソード、アノード、グリッド(いずれも図示せず)などからなり、印加する電圧によりクロスオーバーサイズを変えることが出来る。ほぼ平行の電子ビームは、理想的には一様な強度でアパーチャアレイ204を照射し、ここで分離された電子ビーム206は、フォーカス回路220に駆動されるレンズアレイ205によりブランキング絞り208の近傍に電子銃のクロスオーバの中間像209を結ぶ。
【0017】
これらの中間像209の位置は、レンズアレイ205の個々の強度を変えることにより光軸方向の位置を変えることができる。また、ブランキングアレイ207に電圧を印加することにより中間像209は光軸と垂直な方向に移動し、ブランキング絞り208によって遮断される。これによって、個々の分離された電子ビーム206のオン・オフの制御が可能となる。
【0018】
このとき、アパーチャアレイ204により分離された1本のビームに対するレンズアレイ、ブランキングアレイ、ブランキング絞りの各1要素からなる電子光学系を要素電子光学系と呼ぶ。要素電子光学系の詳細は後述する。
【0019】
これらの中間像209を第1投影レンズ210、第2投影レンズ214からなる投影光学系により試料ステージ218上の試料217に投影する。投影光学系は第1投影レンズ210の後焦点位置と第2投影レンズ214の前焦点位置を共有するようにレンズ制御回路222によって駆動される。
【0020】
この配置は対称磁気ダブレット構成と呼ばれ、低収差で投影が可能となる。電子ビーム描画用の電子源として最も多く用いられるLaB6は、電子銃のクロスオーバーサイズは10μm程度である。試料上でのビームサイズを10nmにするためには1/1000に縮小する必要がある。
【0021】
今、レンズアレイ205の倍率を1/20とすると、投影光学系には1/50の倍率が必要である。これを1組の投影レンズで実現することは困難な場合がある。そのときには、投影レンズを2組用いて、例えば、1段目を1/10、2段目を1/5に設定する。
【0022】
図2に示したブランキング絞り208と第1投影レンズと210の間に、投影レンズを設置する。この投影レンズも、対称磁気ダブレット構成を用いる。
【0023】
このとき、各中間像209を構成する複数の電子ビームは一括して主偏向器213および副偏向器215により偏向され、位置決めされる。例えば、主偏向213は偏向幅を広く、副偏向215は偏向幅を狭く用いる。
【0024】
主偏向器213は電磁型、副偏向器215は静電型で構成される。偏向器を動作させてビームを偏向した際に発生する偏向収差による焦点ずれは動的焦点補正器211で、偏向により発生する偏向非点は動的非点補正器212により補正を行う。焦点補正器、非点補正器ともコイルで構成される。
【0025】
描画は試料ステージ218に搭載した試料217を移動させることにより行う。ファラデーカップ219は、試料ステージ上に搭載され、X方向およびY方向にナイフエッジを有する。
【0026】
このファラデーカップ219は、レーザー干渉計などの座標測定機能(図示せず)を含むステージ制御回路225と連動して、試料上での電子ビームを偏向、または、ファラデーカップ219の移動と同期させて電荷量を測定する。これにより、各中間像からなる試料上での電子ビームの位置を計測することが出来る。
【0027】
また、試料ステージ218上に位置計測用マーク227を取りつけ、その上を走査して電子検出器216の信号を検出する方法でも、電子ビーム位置を測定できる。
【0028】
CPU226に蓄えられたパターンデータに基づく照射量制御回路221によりビームのオン・オフと、偏向制御回路223により駆動される主偏向器213および副偏向器215の偏向動作を同期させることにより描画が行われる。
【0029】
このとき、ステージ制御回路225を通じて連続移動、または、ステップ移動により試料ステージ218が移動する。上記一連の動作の全ては、CPU226が制御する。
【0030】
次に、図3を用いて要素電子光学系を詳細に説明する。図3は図2のアパーチャアレイ204からブランキング絞り208を抜粋し、斜め上から見たものであり、符号は図2と同一である。
【0031】
アパーチャアレイ204には、ほぼ平行な電子ビーム(図示せず)が垂直に照射されている。アパーチャアレイ204で分離された電子ビーム206は、レンズアレイ205で収束されブランキング絞り208上に中間像209を形成する。
【0032】
レンズアレイ205は3枚の電極2051,2052,2053で構成され、両端極2051,2053は接地され、中間電極2052にのみ電圧を印加するユニポテンシャルレンズである。例えば、ビームエネルギ50kVに対して印加電圧1kVのときの焦点距離は100mm程度である。
【0033】
アパーチャアレイ204、レンズアレイ205、ブランキングアレイ207およびブランキング絞り208の開口部の間隔(ピッチ)は同一である。例えば、試料上で4μm間隔、投影光学系の倍率が1/50とすると、200μmとなる。
【0034】
図3は、ブランキングアレイ207上のブランキング電極300と301には電圧0Vを、ブランキング電極302には特定の電圧を印加した場合を示している。ブランキング電極300、301の間を通過したビームはブランキング絞り209の開口部に中間像を結び、下流に達する。
【0035】
ブランキング電極302の間には特定の電圧が印加されており、このためビームが偏向され、中間像はブランキング絞り209の非開口部に達して、下流へは遮断される。
【0036】
このように、各ブランキング電極に電圧を印加するか、しないかで、ビームのオン・オフが可能となる。感度向上のため、対向する両電極に±逆符号の電圧を印加するのが効率的である。例えば100MHz程度の動作で±5V〜±10Vの電圧を用いる。
【0037】
次に、図4を用いて本実施例の描画装置における描画動作を説明する。試料(この場合はウェハ)上に描くべきパターンは、主偏向で偏向可能な範囲の幅を持つ短冊形状のストライプ401に分割される。
【0038】
ストライプは、主フィールド403に分割される。この主フィールド403は、各中間像からなる試料上での電子ビームの配列の大きさからなる副フィールド402単位で分割される。副フィールド402内の各試料上での電子ビーム404(図3では64本)を副偏向により偏向されて副フィールド402全てを描画する。
【0039】
副フィールド402の1つの電子ビームが描画を受け持つ領域をマイクロフィールド405とし、マイクロフィールド405内はほぼ電子ビーム404径と同じ大きさであるピクセル406を単位として、角から順にラスタスキャンのような偏向動作を行う。
【0040】
副フィールド402内の全ての電子ビームは、一括して副偏向により偏向される。このピクセル単位の偏向に同期して各電子ビームをオン・オフすることにより副フィールド内のパターンの描画を行う。
【0041】
1つの副フィールド402の描画が完了した後、主偏向により1副フィールド分だけ偏向を行う。上記と同様に次の副フィールド402の描画を行う。以下同様に副フィールドの描画を行い、主偏向の偏向範囲、すなわち、主フィールド端部まで描画を終了した時点で次の主フィールドの描画に移行する。
【0042】
このとき、試料ステージ218は連続的に移動させる。フィールドおよびストライプの大きさは、例えば、図4に示すように、1ピクセルは20nm、マイクロフィールドは4μm角、副フィールドは256μm角(64x64本のビームに相当する)、主フィールドは256μmx4mm、ストライプ幅は4mmである。
(具体例1)
次に、本発明におけるマルチビームの総電流絶対値Iの測定方法を示す。図3に述べたように本実施例のビーム本数はピッチ4μmで256μm角内に64x64本=4096本もある。しかし、説明をわかりやすくするために4x4本=16本で説明する。
【0043】
図5に例を示す例では16本の電子ビーム501が同時にオンされ、(1,1),(1,2),----(4,3),(4,4)を形成する。これら16本のビームはそれぞれ対応した小さなファラデーカップ511に入射する。各マイクロファラデーカップからは電流信号が信号処理回路に送られる。
【0044】
信号処理回路では電流値i(1,1),i(1,2),---,i(4.3),i(4,4)が記憶される。図3で述べたようにビームピッチは4μmと小さいので各ファラデーカップは直径で4μm以下の小さなものである。電子ビームのエネルギーが10kV以下の低い時はファラデーカップ材料を重金属で作っておけばこのファラデーカップで個々の電流を計る事ができる。
【0045】
図5の例ではマルチビーム電流は1回で測定できる。ビーム本数が16x16本=1024本でも64x64本=4096本でも1回で測定できる。これらの総和を取ることにより総電流I=Σiが求められる。今の場合は個々の電流値も相対値ではなく絶対値が求める事ができる。
(具体例2)
電子ビームのエネルギーが50kVともなるとファラデーカップに入射した電子ビームは前方散乱のためにファラデーカップから漏れ出る。従ってファラデーカップの壁の厚さは電子散乱の飛程より大きく作らねばならない。これは重金属である金でさえ、厚さとして4μm以上が必要で、ファラデーカップのピッチは8μmとなる。
【0046】
この場合は先ず図6に示すように少し大きめのファラデーカップ601を用いて、ビーム(1,1)、(1,3),(3,1)、(3,3)をオンし測定する。ついで偏向器を働かせてビーム(1,2)、(1,4),(3,2)、(3,4)をオンしファラデーカップにいれて測定する。
【0047】
この場合の偏向器の働かせ方は、ビーム(1,2)が先のビーム(1,1)のファラデーカップに入るようにすれば、ビーム(1,4)がビーム(1,3)のファラデーカップに、ビーム(3,2)がビーム(3、1)のファラデーカップに、ビーム(3,4)がビーム(3、3)のファラデーカップに自然に入る。
【0048】
次いでビーム(2,1)、(2,3),(4,1)、(4,3)を偏向器でファラデーカップに入るようにした後でオンし電流を計る。この場合は、ビーム(2,1)がビーム(1,1)に入るように偏向すれば、後のビームは同様に対応するファラデーカップに入る。
【0049】
最後にビーム(2,2)、(2,4),(4,2)、(4,4)を計る。この場合の偏向の仕方も容易に類推できる。この場合は4回の測定が必要である。本測定ではやはり個々のビームの絶対値が求められる。
(具体例3)
図5や図6に示すマイクロファラデーカップを作製することは難しい。しかし、マトリックス状マルチビームはピッチ間隔が4μm程度と小さいので、64x64本=40964本でも256μm角(0.256mm角)の範囲内にある。このため通常の電子ビームに用いられるファラデーカップで全体をとりこむ設計は可能である。
【0050】
図7に示すような従来形の全体をとり込むことができるファラデーカップを形成しビーム501全体をオンし、電流を測定すれば総電流の絶対値は測定できる。このファラデーカップを用いて、個々の電流値を測定する場合にはビームを1本づつオンしながら順次行えば可能である。但しこの時はビームの本数だけの測定回数がかかる。
【0051】
通常マルチビーム個々の電流値は1nA程度と小さい。このような小さな電流の絶対値を正しく計測するには電流−電圧変換の増幅に時間がかかる。通常1nA程度の電流測定には0.1秒程度の時間がかかり、4096本の場合には10分程度かかることになる。
(具体例4)
通常マルチビームの電流一様性はロット毎、または、ウエーハ毎に確認が必要で、こんなに時間がかかることは許されない。描画に先立ち通常は個々の電流の絶対値は必要ではなく、相対値を知れれば良い場合が多い。従ってこの場合はより応答の速い測定器を使うことができる。
【0052】
この場合は、図8に示すように試料台に設けた反射電子板801に電子501を1ケづつオンしながら反射電子、または、2次電子802を計測器803により計測する。通常ビームの大きさは約0.2mm角程度と小さいので電子反射点と検出器立体角関係は殆ど変わらない。
【0053】
従って、反射板を鏡面に作っておけば個々のビーム毎に電子をほとんど反射板の定点に照射するために偏向する必要はなく、順次オンするだけで反射電子、または、2次電子強度を測定すればマルチビームの個々の電流値の大小を測定することができる。
【0054】
定点に対するビームの入射点誤差が0.2mm以内であっても、不都合である場合には、順次オンするビームに同期して反射板の定点に入射するように偏向器を働かせてもよい。
【0055】
応答速度の早い検出器として半導体検出器、または、シンチレータとホトマルチプライヤーの組み合わせを用いれば1nA程度の電流は1mSという短時間で測定でき、4096本のビームを4秒程度で計る事ができる。但しこれらの検出器は暗電流があるために絶対値は測定困難である。
【0056】
このように具体例3のファラデーカップで総電流の絶対値を求め、具体例4の方法で個々の電流の相対値を求めることができる。
【0057】
次に具体例1〜4で測定した多数のビームの表示法について述べる。
(具体例5)
図9にオーソドックスなマトリックス表示法を示す。マルチビームの座標に従って、(1,1),(1,2)----(4,4)のビーム電流値を電流表示須知113上に表示する方法である。トータル電流Iと個々の電流の平均値i0の値も表示されている。
(具体例6)
図10は電流値の大小に応じて電流表示装置113上で濃淡表示をしたものである。濃い所を電流値が大きいとすれば分布を知ることができる。図10では4×4のマルチビームの場合を示したため、配列はまばらであるが、32×32本や64×64本になれば等高線表示を付け加えることによりマルチビームの電流密度分布を知ることができる。
(具体例7)
図11は電流に上下の閾値を設け、平均より5%以上のところを赤Rで、5%以下のところを黒Bで表示している。また、5%以上のビームの数と5%以下のビームの数も合わせて示している。
(具体例8)
図12はカラー表示を避け5%以上のところを濃い黒DBで、5%以下のところを淡い黒LBで表示している。このように視覚に訴える表示により、オペレータが描画に先立ちこれを見ることでマルチビームの電流値の均一性を瞬時に判断できる。これにより、光学系の正常、異常を判定できる。また不均一性が大きいなら、描画時に補正が必要であることを判断できる。
【0058】
描画時における補正は、計測された電流計測値を基に、電子ビーム毎の補正係数を予め計算し、該補正係数を用いて各電子ビームの照射時間を修正することによって実施できる。
【0059】
例えば、計測された電流値が基準ビームの0.5倍しかない場合は、この電子ビームの補正係数を2.0に設定し、照射時間を2.0倍にする。逆に電流値が基準の2.0倍の電子ビームに対しては、補正係数を0.5に設定し、照射時間を0.5倍にする。
【0060】
すなわち、この場合の補正は電流計測値と補正係数の積が常に一定となるので、電流計測値と補正係数の積をマップで表示すれば、必ず均一のマップ表示になる。均一のマップは視覚的に容易に判断できるので、このような表示を行うことにより、正常、異常の判断が更に容易になる。
【0061】
補正係数に上限値と下限値を設けておき、電流計測値と補正係数の積のマップ表示が均一にならない場合は、電流値異常と判断できる。この時はマップの異常値位置からマトリックス配置のマルチビームの異常点がわかり、対策するのに効果がある。マップの表示方法は、濃淡表示のほかにも、擬似カラー表示、3次元表示などでも良い。
(具体例9)
図13に本発明の電子ビーム描画方法を用いた半導体集積回路の製造工程を示す。図13Aから図13Dはその工程を示す素子の断面図である。Nマイナスシリコン基板1320に通常の方法でPウエル層1321、P層1322、フィールド酸化膜1323、多結晶シリコン/シリコン酸化膜ゲート1324、P高濃度拡散層1325、N高濃度拡散層1326、などを形成した(図13A)。
【0062】
次に、リンガラス(PSG)の絶縁膜1327を被着し、絶縁膜1327をドライエッチングしてコンタクトホール1328を形成した(図13B)。
【0063】
次に、通常の方法でW/TiN電極配線1330材を被着し、その上に感光剤1329を塗布し、本発明の電子ビーム描画方法を用いて感光剤1329のパターンニングした(図13C)。そしてドライエッチングなどによりW/TiN電極配線1330を形成した。
【0064】
次に層間絶縁膜1331を形成し、通常の方法でホールパターン1332を形成した。その後、ホールパターン1332の中はWプラグで埋め込み、Al第2配線1333を連結した(図13D)。以降のパッシベーション工程は従来法を用いた。
【0065】
なお、本具体例では主な製造工程のみを説明したが、W/TiN電極配線形成のリソグラフィー工程で本発明の電子ビーム描画方法を用いたこと以外は従来法と同じ工程を用いた。
【0066】
以上の工程により、質が低下することなくパターンを形成することができ、CMOSLSIを高歩留まりで製造することが出来た。本発明の一実施例の電子ビーム描画方法を用いて半導体集積回路を製作した結果、描画精度が向上したことにより歩留まりが向上し、生産量が増加した。なお、本発明のマルチ電子ビームは、描画装置に限定されるものではなく、電子ビームを用いた他の電流計測装置にも適用できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の電子ビームの総電流と個々の電流の相対値を簡単に測定することができる。さらに、マルチ電子ビーム装置において、個々の電流値が補正可能範囲にあるかどうかを一目で判断し、安心して次の動作に進むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】図1に示すマルチビーム方式の電子ビーム描画装置例の詳細を示す図である。
【図3】図1の描画装置における描画動作を示す図である。
【図4】図1の要素電子光学系の詳細を示す図である。
【図5】図1において、マルチビームの電流を1個づつファラデイカップで測定することを示す図である。
【図6】図1において、マルチビームをグループ化して電流を少数のファラデイカップで測定することを示す図である。
【図7】図1において、マルチビームの電流を1本づつ大ファラデイカップで測定することを示す図である。
【図8】図1において、マルチビームの電流相対値を1本づつ半導体検出器で測定することを示す図である。
【図9】本発明の一実施例であるマルチビームの電流絶対値をマトリックス状に表示する図である。
【図10】本発明の一実施例であるマルチビームの電流相対値をマトリックス状に濃淡表示する図である。
【図11】本発明の一実施例であるマルチビームの電流値を閾値で切って色表示する図である。
【図12】本発明の一実施例であるマルチビームの電流値を閾値で切って濃淡表示する図である。
【図13】本発明の一実施例の電子ビーム描画方法を用いた半導体集積回路の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
101…CPU、102…ビットマップ展開回路、103…ブランキング制御回路、104…ブランキングアレイ、105…偏向信号発生回路、106…偏向制御回路、107…偏向器、108…ファラデーカップ、109…反射電子検出器、110…信号処理回路、111…試料ステージ、112…ステージ制御回路、113…電流表示装置、201…電子銃、202…電子ビーム、203…コンデンサーレンズ、204…アパーチャアレイ、205…レンズアレイ、206…分離された電子ビーム、207…ブランキングアレイ、208…ブランキング絞り、209…中間像、210…第1投影レンズ、211…動的焦点補正器、212…動的非点補正器、213…主偏向器、214…第2投影レンズ、215…副偏向器、216…電子検出器、217…試料、218…試料ステージ、219…ファラデーカップ、220…フォーカス制御回路、221…照射量制御回路、222…レンズ制御回路、223…偏向制御回路、224…信号処理回路、225…ステージ制御回路、226…CPU、227…位置計測用マーク、301…ストライプ、302…副フィールド、303…主フィールド、304…電子ビーム、305…マイクロフィールド、306…ピクセル、400…ブランキング電極、401…ブランキング電極、402…ブランキング電極、501…電子ビーム、511…ファラデーカップ、601…ファラデーカップ、701…ファラデーカップ、801…電子反射板、802…反射電子、803…反射電子検出器、901…デスプレー。

Claims (1)

  1. 電子ビーム発生器により発生された複数本の電子ビームの総電流の絶対値をファラデーカップにより計測し、前記複数の電子ビームの個々の電流値の相対値を前記複数本の電子ビームを反射板に当てた時の2次電子、または、反射電子を検出することにより計測し、前記総電流の絶対値、および、前記個々の電流値の相対値の平均値を表示するとともに、前記電子ビームの個々の電流値と、該個々の電流値が基準の値になるように補正する補正係数との積が、均一のマップ表示になるように表示することを特徴とするマルチ電子ビーム電流計測・表示方法。
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