JP2001206893A - 新規α−アミラーゼ阻害活性物質、その製造方法及びその用途 - Google Patents
新規α−アミラーゼ阻害活性物質、その製造方法及びその用途Info
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Abstract
る優れた飲食品、薬剤或いはそのために有効な成分を提
供する。 【解決手段】コレウスフォルスコリから、従来コレウス
フォルスコリの主たる生理活性物質とされていたフォル
スコリンとは、全く異なる成分であり、フォルスコリン
には認められないアルコール可溶性のα−アミラーゼ阻
害活性作用を示す化合物を含む物質を分離する。このα
−アミラーゼ阻害活性物質には血糖の上昇を抑制する作
用が有り、この物質は、好ましくはα−グルコシダーゼ
阻害活性作用及び/又はリパーゼ阻害活性作用も持ち合
わせており、糖尿病や肥満の予防、治療、改善等に有効
であり、そのための医薬品、飲食品に期待できる。
Description
リから得られうる新規α−アミラーゼ阻害活性物質、新
規α−アミラーゼ阻害剤及びそれ等の製造方法に関し、
この新規物質又は新規αーアミラーゼ阻害剤が血糖の上
昇を抑制する効果を有し、好ましくはα−グルコシダー
ゼ阻害活性作用やリパーゼ阻害活性作用も有しており、
高血糖或いは肥満の予防、治療、改善等に有効であるこ
とから、健康食品や、各種医薬品等への使用が期待さ
れ、本発明はこれ等の用途にも関する。
等多くの疾患のリスクファクターであり、高血圧症33
00万人、高脂血症2000万人、糖尿病690万人の
患者のうち3〜6割については、肥満が原因と日本肥満
学会は推定した。更に、日本における肥満は、この30
年で2〜4倍に増えており、国民の健康を脅かす大きな
要因となっている。今後、高齢化が進むにつれ、生活習
慣病は益々増加するものと考えられ、肥満防止は健康面
ばかりでなく社会的及び経済的側面からも克服すべき重
要な課題となりつつある。
エネルギーに対する摂取エネルギーの過多に起因するも
のである。これを防止するには、1)摂取エネルギーの
抑制及び2)エネルギー消費の促進がある。
与、消化管内での脂質等の吸着による吸収の抑制、難消
化性食物繊維による満腹感の形成、消化酵素阻害剤の投
与等の方法がある。
謝促進剤の投与等がある。
従来インドにおいては強心剤、強精剤的効果を期待した
保健食品としてピクルス等の形態で食されてきた。ま
た、近年の医薬品開発の分野においては、1977年、Baht
により発見された、細胞内cAMP濃度を上昇させるジ
テルペン化合物、フォルスコリン(Forskolin)に関し
て、血圧降下薬(特開昭63-10783号公報参照。)や、白
髪防止薬(特開平4-124122号公報及び特開平4-360836号
公報参照。)としての検討がなされている。更に、この
物質に関してcAMPの上昇に伴い細胞内の脂質代謝が
亢進することから、肥満防止作用(脂質代謝改善)(Bi
ochemical and Biophysical Research Comm.,vol.107(1
982), p157-164参照。)についても研究が進められてい
る。
ルスコリンを抽出精製して、肥満防止用健康食品、育毛
促進用医薬部外品の製造が行われ製品が上市されてい
る。フォルスコリンは、水に不溶性でアセトン、クロロ
ホルム、ベンゼン等に可溶性の化合物で、通常は、根の
粉末よりアセトンにて抽出し、上記疎水性溶媒を用い
て、精製される。
いは肥満を防止できる更に優れた薬剤、特に経口可能な
薬剤、飲食品の開発が求められている。
糖或いは肥満を予防、治療及び/又は改善できる優れた
飲食品特に健康食品、薬剤或いはそれらに使用可能な成
分の開発にある。
解決に向けて鋭意検討した結果、コレウスフォルスコリ
から、従来コレウスフォルスコリの主たる生理活性物質
とされていたフォルスコリンとは、全く異なる成分であ
り、フォルスコリンには認められないα−アミラーゼ阻
害活性作用を示す化合物を含む新規物質(以下、「本発
明の物質」或いは「α−アミラーゼ阻害活性物質」とも
称する。)を見出した。更に、このα−アミラーゼ阻害
活性物質には血糖の上昇を抑制する作用が有り、糖尿病
や肥満の予防、治療、改善等に有効であることも見出さ
れ、これらの知見に基づいて本発明が完成されるに到っ
た。
作用を示す化合物を純品で又は高純度に含むこともでき
るし、高度に濃縮された形態で含むこともできる。好ま
しくは、α−グルコシダーゼ阻害活性作用や、リパーゼ
阻害活性作用を有することも見出されている。
記の内容を含む。 1. コレウスフォルスコリから、水又はアルコールに
可溶で、α−アミラーゼ阻害活性作用を示す(有する)
化合物を含む物質を分離することに特徴を有するα−ア
ミラーゼ阻害活性物質又はα−アミラーゼ阻害剤の製造
方法。
化合物を含む物質がα−グルコシダーゼ阻害活性作用及
び/又はリパーゼ阻害活性作用を有する上記製造方法。
特に好ましくは、α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化
合物がα−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又はリパ
ーゼ阻害活性作用を有する上記製造方法。
スフォルスコリ根部、好ましくはその粉末を使用する上
記製造方法。
ノールの少なくとも1種である上記製造方法。
化合物を含む物質がアセトンに不溶である上記製造方
法。本発明、特に本発明の物質(或いは本発明において
製造される物質又はα−アミラーゼ阻害剤)には、その
一形態としてコレウスフォルスコリからこのようにして
製造されたアセトンに不溶でアルコールに可溶な物質が
含まれる。従って、高純度α−アミラーゼ阻害活性物質
のみならず、それを含有する未精製のアルコール抽出物
(コレウスフォルスコリから)が本発明で製造される物
質或いはα−アミラーゼ阻害剤に含まれ、即ち当該活性
成分の化合物自体及び当該化合物を含む物質が本発明の
物質或いは本発明のα−アミラーゼ阻害剤に該当する。
当然、この化合物或いはこの物質は、特に好ましくは、
更にα−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又はリパー
ゼ阻害活性作用を有している。
ことができ、α−アミラーゼ阻害活性作用を示すことに
特徴を有する新規物質、又はα−アミラーゼ阻害剤。こ
のような阻害活性作用を有する化合物の形態でも、当該
化合物を高純度又は濃縮された状態で含む形態でもよ
い。
作用及び/又はリパーゼ阻害活性作用を有する前記物
質、又はα−アミラーゼ阻害剤。この場合、α−アミラ
ーゼ阻害活性作用を示す化合物を含み、この化合物がα
−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又はリパーゼ阻害
活性作用を有することがより好ましい。
ル(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)に
可溶である上記新規物質、又はα−アミラーゼ阻害剤。
前記アルコール抽出物の形態であっても、この新規物質
を含む限り、またα−アミラーゼ阻害活性作用を示す限
りこの発明の中に含まれる。
阻害剤を有効成分として含有することに特徴を有する糖
尿病或いは肥満の予防、治療及び/又は改善薬。
阻害剤を含有することに特徴を有する飲食品(健康食品
等)。
ルコールに可溶で、α−アミラーゼ阻害活性、α−グル
コシダーゼ阻害活性及びリパーゼ阻害活性の少なくとも
一の阻害活性作用を示す化合物を含む物質を分離するこ
とに特徴を有するα−アミラーゼ阻害活性、α−グルコ
シダーゼ阻害活性及び/又はリパーゼ阻害活性物質、又
はα−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ及び/又はリパ
ーゼ阻害剤の製造方法。この場合、複数の阻害活性を含
む物質、特に好ましくは複数の阻害活性を有する化合物
を含む物質を、高純度に分離することができる。
て説明する。本発明の新規物質は、従来コレウスフォル
スコリの主たる生理活性物質とされていたフォルスコリ
ン(Forskolin)とは、全く異なる成分であり、フォル
スコリンには認められないα−アミラーゼ阻害活性作用
を有する。即ち、フォルスコリンを抽出した残渣のコレ
ウスフォルスコリから本発明の物質を抽出することがで
きるので、インドや日本で利用されているフォルスコリ
ンの製造に際し、新たなる高付加価値物質が創成される
こととなり、産業上の利点は大きい。
ルで、植物コレウスフォルスコリから抽出され、更に疎
水性吸着剤、例えば三菱化学(株)製ダイヤイオン「H
p−20」等で精製し、高速液体クロマトグラフィーに
て処理すると、α−アミラーゼ阻害活性が強く認められ
る分画を確認することができる。
ゼ阻害活性作用を示す化合物を純品で又は高純度に含む
こともできるし、高度に濃縮された形態で含むこともで
きる。好ましくは、このような物質においてα−グルコ
シダーゼ阻害活性作用や、リパーゼ阻害活性作用をも有
する物質であり、最も好ましくは、純品又は高純度のα
−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合物の形態で、かつ
α−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又はリパーゼ阻
害活性作用をも有する化合物の形態で存在する物質であ
る。
形態として、このような物質を含有することに特徴を有
するα−アミラーゼ阻害剤、或いは当該物質を前記の如
く製造する方法に特徴を有するα−アミラーゼ阻害剤の
製造方法が含まれる。
害剤を製造するための原料としてコレウスフォルスコリ
を使用することができるが、これはネパール、インド地
方に自生するシソ科の植物 Coleus forskohlii であ
り、この植物から抽出するのが簡便である。同じ物質を
含む別の植物から製造することもできるし、また別途合
成する方法も考えられる。
害剤は、下記の性状を有している:ニンヒドリン反応陽
性(アミノ基及びカルボキシル基を末端に有する);紫
外部吸収は250nmを極大とする、フェーリング反応
陽性かつアンモニア性硝酸銀を還元して銀を析出する
(還元糖分子を有する);60℃で20分の加熱処理で
α−アミラーゼ阻害活性は消失しない;蛋白分解酵素で
あるトリプシンによるカゼインの加水分解を阻害しな
い;及び分子量は10,000以下である。
は、糖尿病或いは肥満の予防、治療、改善効果等好まし
い作用を有し、かつ後述の試験から明らかな如く、安全
性に優れているので、医薬品或いは飲食品として利用す
ることができる。
(図5及び6参照。)では、本発明のα−アミラーゼ阻
害活性物質或いはα−アミラーゼ阻害剤により血糖の上
昇が抑制される傾向が明らかとなった。この結果、抗肥
満、抗糖尿病を目的とする医薬品又は健康食品への使用
が期待できる。
はα−アミラーゼ阻害剤を投与することにより、体重の
減少、体脂肪率の減少が明確に認められ、肥満の予防、
治療若しくは改善に対する有効性が確認された。
はα−アミラーゼ阻害剤は、植物コレウスフォルスコリ
から容易に分離することができ、α−アミラーゼ阻害活
性作用を有する物質であり、その製造は特に困難は無く
例えば、従来フォルスコリンを抽出した残渣(アセトン
に不溶)から、水或いはアルコールで容易に抽出、分離
することができる。コレウスフォルスコリ根部粉末から
本発明の目的物質を抽出するのが簡便である。
レウスフォルスコリから直接アルコール抽出物をそのま
ま本発明品(本発明の物質若しくはα−アミラーゼ阻害
活性物質、又はα−アミラーゼ阻害剤)として使用する
こともできる。
(本発明の新規物質を含有する)を、更に精製すること
なくそのまま、α−アミラーゼ阻害剤として、またそれ
を含み、又は使用して健康食品等の飲食品に使用するこ
ともできるし、他の飲食品に配合して使用することもで
きる。
す化合物を含む物質は、好ましくはα−グルコシダーゼ
阻害活性作用及び/又はリパーゼ阻害活性作用を有して
おり、前記各種の用途としてより好ましく利用される。
する。
ーゼ阻害活性物質の分別採取 コレウスフォルスコリ根部(粉末)からアセトン抽出を
行った。コレウスフォルスコリ根部(粉末)300gに
アセトン900mlを加えて、室温で7時間攪拌を行っ
た。得られたアセトン溶液を濾過後、濾液を減圧濃縮後
乾燥してアセトン抽出乾燥末6.5g(アセトン抽出
物)を得た。一方、濾過残渣を減圧乾燥し、乾燥粉末2
55g(アセトン抽出残渣)を得た。
にエタノール600mlを加えて、室温で7時間攪拌を
行った。濾過後、濾液について減圧濃縮後、減圧乾燥を
行い、エタノール抽出末20g(エタノール抽出物)を
得た。
に溶解し、(三菱化学(株)製、疎水性吸着樹脂、ダイ
ヤイオン「Hp−20」により50mlのカラムに通液
し75mlの水で水洗した後、80%メタノール100
mlを用いてカラムより溶出せしめた。溶出液を濃縮
後、減圧乾固したところ、300mgの褐色粉末(「コ
レウスAI分画物」と称する。)を得た。この粉末は、
α−アミラーゼ活性を阻害した。
ラーゼのデンプン分解反応の阻害による検出法により確
認された。
カゲル薄層クロマトグラフィーにて展開し比較したとこ
ろ、アセトン抽出物には、フォルスコリンが存在するの
に対してエタノール抽出物には、フォルスコリンは存在
しなかった。更に、α−アミラーゼ阻害活性を調べたと
ころ、アセトン抽出物にはα−アミラーゼ阻害活性作用
が認められなかったが、エタノール抽出物には強いα−
アミラーゼ阻害活性作用が認められた。
クロマトグラフィー(HPLC)を用いて精製し、下記
のように成分の分画と活性部分の同定を行った。
LC−10ATvp 紫外線検出器;shimazu SPD−10Avp クロマトパック;shimazu C−R6A 溶媒、試薬;アセトニトリル(和光純薬工業、特級)、
水(和光純薬工業、蒸留水)、トリフルオロ酢酸(和光
純薬工業、特級) サンプル調製;コレウスAI分画物30mgを水1ml
に溶解し、20μlをチャージした。
液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液の1
00/0,95/5,90/10,80/20,60/
40,20/80,0/100の混合比におけるステッ
プワイズ溶出を行った。その結果を図1に示す。
−アミラーゼ阻害活性作用を示した。
−アミラーゼ阻害活性物質についてその性状を調べたと
ころ以下の結果となった。
カルボキシル基を末端に有する);紫外部吸収:250
nmに極大; 2)フェーリング反応:陽性かつアンモニア性硝酸銀を還
元して銀を析出する(還元糖分子を有する); 3)60℃で20分の加熱処理でα−アミラーゼ阻害活性
は消失しない;及び 4)蛋白分解酵素であるトリプシンによるカゼインの加水
分解を阻害しない。
とα−アミラーゼ阻害活性物質(前記精製品)について
の高速液体クロマトグラフィーを行った。
LC−10ATvp 紫外線検出器;shimazu SPD−10Avp クロマトパック;DAISO-PAK、SP-120-5-ODSA
P、250×4.6mm 溶媒;トリフルオロ酢酸(和光純薬工業、特級)、水
(和光純薬工業、蒸留水)、 アセトニトリ
ル(和光純薬工業、特級)。
mgを、フォルスコリンは10mgを、1mlの0.1
%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=40/6
0に溶解し、各々3μlをチャージした。
液/アセトニトリル=40/60、流速;1ml/分、
検出;紫外部吸収:220mm。
図3(フォルスコリン)に見られるようにフォルスコリ
ンの液体クロマトグラフィーのピークは、本発明で見出
されたα−アミラーゼ阻害活性物質のピークとリテンシ
ョンタイムが全く異なり、しかもα−アミラーゼ阻害活
性物質の抽出精製分画には、フォルスコリンのピークは
全く存在せず、展開溶媒を替えても、同様の傾向が認め
られた。この結果より、α−アミラーゼ阻害活性に焦点
を合わせた、コレウスフォルスコリからのエタノール抽
出物中にはフォルスコリンは存在せず、前記図1におい
て特定した分画中に存在するα−アミラーゼ阻害活性物
質が主たる生理活性を発現していることが分かる。
種の精製手段として知られている方法(常法、慣用法
等)を利用し又は組み合わせて分離することにより目的
とする阻害活性作用を有する化合物、或いはこの化合物
がより精製された形態で含まれる物質を得ることができ
る。
ラーゼ阻害活性物質[α−AI]の性状の比較)
ーライト *3 強酸性イオン交換樹脂、三菱化学(株)製ダイヤ
イオン *4 強塩基性イオン交換樹脂、三菱化学(株)製ダイ
ヤイオン *5 弱酸性イオン交換樹脂、三菱化学(株)製ダイヤ
イオン *6 弱塩基性イオン交換樹脂、三菱化学(株)製ダイ
ヤイオン
クラマトグラフィー、α−AIはアミラーゼのデンプン
分解反応の阻害で検出した。
いて分子量分布を求めた。東ソー(株)製シリカ系ゲル
濾過剤 TSKgel G3000SWXLカラムを用いたサイズ排除ク
ロマトグラフィー(SEC)により分子量分布を測定し
た。結果を下記の表に示す。
量は10,000以下であることが分かった。
る、コレウスフォルスコリのコレウスAI分画物を、d
dy系マウス雄(体重22−24g)に経口投与し、7
2時間飼育観察した結果、600〜2000mg/kg
の投与において全例が生存し、一般行動観察及び腹腔内
の解剖所見も正常であった。従って、安全性に優れた物
質でることが確かめられた。
について試験管内のアミラーゼ活性に及ぼす作用を調べ
た。基質緩衝液0.5mlにアミラーゼ(和光純薬工業
(株)製1mg/ml濃度;枯草菌製)0.01ml及
び試料(コレウスAI分画物を200mM燐酸緩衝液p
H7.0に溶解、最終濃度0.25、2.5、5mg/
mlになるように調整。)0.5mlを添加して、37
℃で7.5分間反応をさせた後、発色試液(アミラーゼ
測定キット(アミラーゼ−テストワコー)の発色液を使
用。)0.5mlと水2.0mlを加え、よく混合して
波長660nmで吸光度を測定する。結果を図4に示し
た。
プン負荷試験を実施し、デンプン負荷後の血中グルコー
ス及びインスリンの変化を測定した。デンプン投与後の
ラット血液中のグルコース及びインスリン含量に及ぼす
本発明の物質(コレウスAI分画物)の影響を図5及び
6に示した。
群では、60分及び120分後の血中グルコース濃度は
非投与群に比べて低値を示し、本発明のα−アミラーゼ
阻害活性物質によりデンプンの消化吸収を阻害すること
による、炭水化物の体内取り込みが抑制され血糖の上昇
が抑制される傾向が明らかとなった。この結果、抗肥
満、抗糖尿病を目的とする医薬品又は健康食品への使用
が期待できる。
に、α−グルコシダーゼ阻害活性試験を行った結果を示
す。試料の調製及び試験法については下記の通り行っ
た。
光純薬工業)を使用し、その100Uを0.05M酢酸
緩衝液(pH=5.5)にて50mlに溶解した(酵素
液)。基質にはp−ニトロフェニル−α−D−グルコピ
ラノシド、38mgを上記酢酸緩衝液100ml(1.
2mM)に調整した(基質溶液)。被試験物の阻害物に
は、試料としてコレウスエキス末(前記コレウスAI分
画物使用)、桑の葉エキス末及び大麦抽出物を用い、上
記酢酸緩衝液に各試料を溶解し、それぞれ1mg/m
l、0.5mg/ml及び0.25mg/mlの溶液を
調製した(試料溶液)。
ての阻害活性度を測定した。 (第1段階)酵素液1mlに試料(阻害物)溶液1ml
を加えて、35℃で10分間反応を行う。 (第2段階)第1段階で得られた溶液に2mlの基質溶
液を加え、35℃で15分間反応を行う。 (第3段階)α−グルコシダーゼの作用による反応性生
物であるニトロフェノールの量を、405nmの吸光度
の測定により計算した。
害活性試験の結果、試料(阻害物)1mg/mlの濃度
でコレウスAI分画物93%、桑の葉エキス末95%及
び大麦抽出物13%であった。更に、コレウスAI分画
物は、α−グルコシダーゼの活性を容量依存的に阻害す
ることが確認された。即ち、1mg/ml:93%;
0.5mg/ml:28%;及び0.25mg/ml:
7%であった。
シダーゼ阻害活性作用を有していることが理解される。
桑の葉からの抽出物に関し、その有効成分(α−グルコ
シダーゼ阻害活性成分)は、グルコースの類似構造物質
である1−デオキシノジリマイシンであり、その構造か
ら推定してその阻害様式は拮抗阻害であると考えられ
る。
阻害活性物質は、その分子量(高速液体クロマトグラフ
ィーのピークからの推定で、分子量:1万以下、100
0以上)から推定して、その阻害様式は非拮抗阻害であ
ると考えられる。従って、上記桑の葉からの抽出物はシ
ョ糖、オリゴ糖等の基質が多量に存在すると十分な阻害
効果を発揮しない可能性があるのに対し、コレウスから
の抽出物は存在する基質の量に関係なく、一定の阻害効
果を発揮するものと期待される。
阻害力の測定(日本農芸化学会誌、67巻、No.11
参照。)に従って、リパーゼ阻害活性試験を行った。被
試験試料調製のための酵素については、ブタ膵液リパー
ゼType−II(シグマ社製)を、基質にはトリオレイ
ンを、阻害の程度を試験する阻害物には試料として前記
コレウスAI分画物を、それぞれ使用した。
た。酵素は168U/ml(0.1M燐酸緩衝液、pH
=8.0)の溶液(酵素液)で、基質はエーテル:エタ
ノール=1:1の混合溶液中10mg/mlに調整した
溶液(基質溶液)で、被試験物の阻害物には、試料の1
%溶液(0.1M燐酸緩衝液、pH=8.0)(試料溶
液)で、それぞれ用いた。
7℃で10分間プレインキュベイトする。その後、基質
溶液5mlを加えて37℃で60分間インキュベイトす
る。煮沸失活の後、10mlのエーテル:エタノール=
1:1の混合溶媒で未反応基質を抽出し、反応物を1/
100N−KOHでpH=9.0を終点として滴定す
る。
の50%を阻害する阻害物(試料)の重量(mg)を、
阻害活性値として求めた。コレウスAI分画物のリパー
ゼ阻害活性は、671U/mgであった。以上の結果か
ら、本発明の物質が著しくリパーゼ阻害活性作用を有す
ることが分かる。
ティア6名にコレウスAI分画物80mgを含む250
mg三角粒を1日六粒、14日間にわたり投与したとこ
ろ2名に体重の減少、4名に体脂肪率の減少が認めら
れ、肥満の予防、治療若しくは改善に対する有効性が認
められた。本発明のα−アミラーゼ阻害活性物質には肥
満の予防、治療、改善効果が認められた。
ミラーゼ阻害活性物質の製造 コレウスフォルスコリ根部(粉末)30kgにエタノー
ルを45L添加して室温で6時間攪拌し抽出を行った。
抽出液について吸引濾過を行い、濾液(エタノール抽出
液)34Lを得た。これを減圧濃縮して、減圧乾固する
ことにより乾燥粉末(エタノール抽出物)2580gを
得た。このようにして得られるエタノール抽出物を健康
食品、或いは健康食品に添加して使用することができ
る。
防、治療及び/又は改善に有用な新規α−アミラーゼ阻
害活性物質或いはαーアミラーゼ阻害剤を提供すること
ができる。この物質(或いはα−アミラーゼ阻害剤)
は、好ましくはα−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/
又はリパーゼ阻害活性作用をも有し、この物質(或いは
α−アミラーゼ阻害剤)を有効成分として含有し又は使
用することで、糖尿病或いは肥満の予防、治療及び/又
は改善薬並びにそれ等の効果を有する飲食品(健康食品
等)、又はそのための成分を提供することができる。
性物質の精製結果を示す図である。ピークNo.、時間及
び面積比率の関係は下記の通りである。
ミラーゼ阻害活性物質のピークを示す図である。ピーク
No.、時間及び面積比率の関係は下記の通りである。
スコリンのピークを示す図である。ピークNo.、時間及
び面積比率の関係は下記の通りである。
ミラーゼ活性に及ぼす影響を示す図である。
ルコース含量に及ぼす影響を示す図である。
ンスリン含量に対する影響を示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】コレウスフォルスコリから、水又はアルコ
ールに可溶で、α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合
物を含む物質を分離することを特徴とするα−アミラー
ゼ阻害活性物質の製造方法。 - 【請求項2】コレウスフォルスコリから、水又はアルコ
ールに可溶で、α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合
物を含む物質を分離することを特徴とするα−アミラー
ゼ阻害剤の製造方法。 - 【請求項3】α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合物
を含む物質がα−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又
はリパーゼ阻害活性作用を有する請求項1又は2記載の
方法。 - 【請求項4】α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合物
がα−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又はリパーゼ
阻害活性作用を有する請求項1〜3何れか記載の方法。 - 【請求項5】コレウスフォルスコリがコレウスフォルス
コリ根部である請求項1又は2記載の方法。 - 【請求項6】アルコールが、メタノール及びエタノール
の少なくとも1種である請求項1又は2記載の方法。 - 【請求項7】α−アミラーゼ阻害活性作用を示す化合物
を含む物質がアセトンに不溶である請求項1又は2記載
の方法。 - 【請求項8】コレウスフォルスコリから分離することが
でき、α−アミラーゼ阻害活性作用を示すことを特徴と
する物質又はα−アミラーゼ阻害剤。 - 【請求項9】α−グルコシダーゼ阻害活性作用及び/又
はリパーゼ阻害活性作用を有する請求項8記載の物質又
はα−アミラーゼ阻害剤。 - 【請求項10】アセトンに不溶で、水又はアルコールに
可溶である請求項8又は9記載の物質又はα−アミラー
ゼ阻害剤。 - 【請求項11】請求項8〜10何れか記載の物質又はα
−アミラーゼ阻害剤を有効成分として含有することを特
徴とする肥満の予防、治療及び/又は改善薬。 - 【請求項12】請求項8〜10何れか記載の物質又はα
−アミラーゼ阻害剤を有効成分として含有することを特
徴とする糖尿病の予防、治療及び/又は改善薬。 - 【請求項13】請求項8〜10何れか記載の物質又はα
−アミラーゼ阻害剤を含有することを特徴とする飲食
品。 - 【請求項14】健康食品である請求項13記載の飲食
品。 - 【請求項15】コレウスフォルスコリから、水又はアル
コールに可溶で、α−アミラーゼ阻害活性、α−グルコ
シダーゼ阻害活性及びリパーゼ阻害活性の少なくとも一
の阻害活性作用を示す化合物を含む物質を分離すること
を特徴とするα−アミラーゼ阻害活性、α−グルコシダ
ーゼ阻害活性及び/又はリパーゼ阻害活性物質、又はα
−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ及び/又はリパーゼ
阻害剤の製造方法。
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