JP2001206262A - 自動車用車輪の製造方法 - Google Patents

自動車用車輪の製造方法

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JP2001206262A
JP2001206262A JP2000019964A JP2000019964A JP2001206262A JP 2001206262 A JP2001206262 A JP 2001206262A JP 2000019964 A JP2000019964 A JP 2000019964A JP 2000019964 A JP2000019964 A JP 2000019964A JP 2001206262 A JP2001206262 A JP 2001206262A
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disk
bead
disc
tip
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Kanji Yoshida
寛爾 吉田
Tsuneyuki Onishi
恒幸 大西
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RINTEKKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車用車輪の製造方法を提供する。 【解決手段】ディスク3の外周部5裏面に設けられた溝
部6の底部にリム2のビード部先端4を当接させた状態
でリムとディスクを相対的に回転させつつ両者間に車軸
方向の圧力を加え、前記当接させた部分を摩擦圧接する
か、または、リムのビード部とフランジ部の間のコーナ
ー部および/またはフランジ部に、ディスク外周部に設
けられた少なくとも1個所の凸部を当接させた状態で前
記当接させた部分を摩擦圧接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用車輪の製
造方法に関し、さらに詳しくは、リムとディスクを摩擦
圧接により接合して一体化することによる自動車用車輪
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用車輪(ディスクホイー
ル)を構成するディスクとリムの接合は、リムのドロッ
プ部内面またはリムのビード部内面とディスクのフラン
ジ部外径面で行われ、接合の方法としては、スポット溶
接またはアーク溶接が用いられてきた。図8〜図10は
その例を模式的に示す図で、図8はリム2のドロップ部
2a内面とディスク3のフランジ部3a外面がスポット溶接
により接合された例、図9は同じくアーク溶接により接
合された例、図10はリム2のビード部2b内面とディス
ク3のフランジ部3a外面がアーク溶接により接合された
例をそれぞれ示している。しかし、スポット溶接または
アーク溶接では、接合強度を大きくするために、溶接条
件を適正に選択するとともに、溶接箇所を多くするか全
周にわたって溶接することが必要で、溶接に長時間を要
し、エネルギー(主に電気エネルギー)消費量も大き
い。また、アーク溶接では、さらにシール用ガスの使用
量、溶接材料の消費量も大きく、製造コスト上昇の要因
となる。そのため、リムとディスクの接合に、接合所要
時間が短く、エネルギー消費量の少ない摩擦圧接(摩擦
接合)の適用が試みられており、例えば、実開昭63−13
1802号公報には、図11に示すように、ディスク3の端
面とリムドロップ部2aの側面とが摩擦圧接により接合さ
れた自動車用車輪が提案されている。また、特開昭55−
109586号公報にはディスク端面とリムドロップ部の側面
とが摩擦圧接により接合された自動車用車輪が、特開平
6−134584号公報にはディスク端面とリムの内面との摩
擦圧接法が開示されている。しかし、いずれも端面がフ
ラットで接合強度が必ずしも十分ではない。
【0003】一方、リムとディスクを接合する際、従来
は、前記の図8、図9に見られるように、リムドロップ
部2aの内面にディスク3が取り付けられるのが普通であ
ったが、近年、フルフェイスホイールと称されるディス
クホイールが使用される場合が多くなってきた。これ
は、ディスクの径を大きくし、リムのフランジ部(車輪
の内側のフランジ部)に対応する外側のフランジ部をデ
ィスクの外周部で形成したもので、ディスク表面のデザ
インを施し得る面積を広くとることができる。さらに、
ホイールの内径をディスクの厚さ分だけ大きくできるの
で、ブレーキ部品の外径を大きくすることができ、ブレ
ーキ能力を増大させることが可能になるという利点も有
している。このフルフェイスホイールの例が、例えば、
特開昭61−211101号公報に記載される車両用車輪や、実
開平 3− 72001号公報に記載されるツーピーススチール
ホイールに見られる。ただし、これらの公報に記載され
たホイールは、いずれもリムとディスクの接合が摩擦圧
接ではなく、アーク溶接によるものである。上記のよう
な利点を有するフルフェイスホイールとして、最近は、
意匠性のよいアルミニウム製の鋳造ホイールが多用され
ている。しかし、アルミニウム鋳造ホイールは高価であ
るため、これに比べて安価な、しかも意匠性に優れた
(すなわち、フルフェイスの)鋼製ホイールに対する要
請が強い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明者らは、フルフェイスホイールをはじめとす
るリムとディスクの接合に摩擦圧接技術を応用すること
を試みた。接合時間の短縮による生産性の向上、接合強
度と接合の信頼性の向上、省資源、省エネルギー等が期
待でき、さらに、溶接(特に、アーク溶接)に伴うスパ
ッタや粉塵の発生がなく、作業環境が改善されるととも
に、アーク溶接で用いるシール用 CO2 ガスの放出もな
く環境保全上からも好ましいからである。
【0005】本発明の課題は、意匠性のよいフルフェイ
スホイール等の製造、特に鋼(スチール)製のホイール
の製造に好適な、摩擦圧接による自動車用車輪の製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)の自動車用車輪の製造方法にある。 (1)ディスク外周部裏面に設けられた溝部の底部にリ
ムのビード部先端を当接させた状態でリムとディスクを
相対的に回転させつつ両者間に車軸方向の圧力を加え、
前記当接させた部分を摩擦圧接する自動車用車輪の製造
方法。前記ディスクの溝部を車軸の外側方向に対してM
字形とし、前記リムのビード部先端を車軸の外側方向に
対してV字形とし、かつ前記M字形部分とV字形部分と
を嵌合させて摩擦圧接すれば、リムとディスクが強固に
接合したホイールを製造することができる。 (2)リムのビード部とフランジ部の間のコーナー部お
よび/またはフランジ部に、ディスク外周部に設けられ
た少なくとも1個所の凸部を当接させた状態でリムとデ
ィスクを相対的に回転させつつ両者間に車軸方向の圧力
を加え、前記当接させた部分を摩擦圧接する自動車用車
輪の製造方法。リムおよびディスクはスチール製であっ
てもよいし、リムがスチール製、ディスクがアルミニウ
ム製であってもよい。また、リム、ディスクがいずれも
アルミニウム製であってもよい。前記の「相対的に回転
させる」とは、リムおよびディスクのいずれか一方から
見て他方が回転していることをいう。したがって、リム
およびディスクのいずれか一方を回転させてもよいし、
双方を互いに反対方向に回転させてもよい。また、双方
を速度を変えて同じ方向に回転させてもよい。前記の
「車軸方向」とは、車輪を構成したときのその車輪の軸
方向をいい、「車軸の外側方向」とは、車軸方向のうち
車輪の外側(ディスク側)へ向かう方向をいう。また、
前記(1)の自動車用車輪の製造方法で用いる「リム」
は、両側にフランジ部を有する既製のリムの一方の側の
フランジ部がビード部の外側端部で切断除去されたもの
であってもよい。また、前記(2)の製造方法で用いる
「ディスク」は、既製のディスクのフランジ部が切断除
去されたものであってもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の自動車用車輪の
製造方法、特にリムとディスクの接合方法を図面に基づ
いて詳細に説明する。上記(1)の製造方法で用いるリ
ムとディスクの接合方法(これを、「リム端面―ディス
ク内面接合法」という)では、ディスク外周部裏面に設
けられた溝部の底部にリムのビード部先端を当接させた
状態でその当接させた部分を摩擦圧接する。図1は、リ
ム端面―ディスク内面接合法により接合されたリムとデ
ィスクからなる車輪の一例の構成を示す図で、(a)は
車輪の外側の部分正面図であり、(b)は(a)のA−
A矢視断面図である。また、(c)は、(b)に示した
リムとディスクの接合部の一例を拡大して模式的に示し
た図である。
【0008】図1に示したように、車輪1を構成するリ
ム2のビード部先端4をディスク3の外周部裏面に設け
られた溝部6の底部に当接させ、その状態でリムとディ
スクを相対的に回転させつつ両者間に車軸方向の圧力を
加え、前記当接させた部分を摩擦圧接する。これによっ
て摩擦熱の発生をリムのビード部先端を当接させる部位
に集中させやすくなり、高強度の接合部を得ることが可
能となる。図2は、図1(b)に示したリムとディスク
の接合部のより好ましい例を拡大して模式的に示した図
である。この例では、前記リム2のビード部先端4の端
面を全周にわたり車軸の外側方向に対してV字形に加工
し、このリム2と摩擦圧接されるディスク3の外周部5
の裏面(内面)を全周にわたりM字形の溝とし、かつこ
のM字形の溝がリム2の前記V字形の部分に嵌合するよ
うに加工する。リムのビード部先端と、そのビード部先
端と摩擦圧接するディスクの外周部裏面をこのような形
状に加工するのは、以下に述べるように接合に片寄りを
生じさせず、かつ摩擦熱を接合部に集中させ強固な接合
強度と信頼性の高い接合部を得るためである。図3は、
図2に示したリムとディスクの接合部をさらに拡大した
図で、(a)はリムのビード部先端の断面形状、(b)
はリムと摩擦圧接されるディスクの断面形状であり、
(c)はリムのビード部先端をディスクの外周部裏面に
摩擦圧接した状態を模式的に示した図である。
【0009】リムとディスクの接合部をこのような形状
に加工するのは、リムとディスクを相対的に回転させつ
つ両者間に車軸方向の圧力を加えて圧接するときに、す
なわち図3(c)に示すように、矢印A方向からリムの
ビード部先端4のV字形部分をディスク3のM字形部分
に加圧進入させたときに、リムのビード部先端4のB方
向またはC方向への片寄りが生じないように案内し、は
み出しを防止するためである。また、さらに、ディスク
3のM字形部分の先端(図3(b)中に符号p2を付した
部分)で摩擦熱が発生しやすくするとともに、リムのV
字形部分の先端(図3(a)中に符号p1を付した部分)
がディスク3のM字形部分の溝底部(図3(b)中に符
号p3を付した部分)にV字状に広がって食い込みやすく
し、接合を強固にするためである。なお、リムのビード
部先端とディスクの外周部裏面の形状は、上記のV字形
部分(ビード部先端)とM字形部分(ディスク外周部裏
面の溝部)の組み合わせ、前記の図1(c)に示した平
坦なビード部先端と断面が矩形の平坦な溝底部との組み
合わせの他、図4に示すように、逆V字形の組み合わ
せ、すなわちビード部先端4の端面を全周にわたり車軸
の外側方向(図中に白ぬき矢印で表示)に対して逆V字
形に加工し、このビード部先端4と摩擦圧接されるディ
スク3の外周部裏面(内面)も全周にわたり逆V字形の
溝部6をなし、かつこの溝部6が逆V字形に加工された
ビード部先端4に嵌合するように加工したものであって
もよい。上記のような加工を施したリム端面とディスク
内面を接合するには、例えば、後述する実施例に示すよ
うなリムとディスクの摩擦圧接用金型を備える設備を用
いればよい。上記(2)の製造方法で用いるリムとディ
スクの接合方法(これを、「リム外面―ディスク端面接
合法」という)では、リムのビード部とフランジ部の間
のコーナー部および/またはフランジ部に、ディスク外
周端部に設けられた凸部を当接させた状態でリムとディ
スクを相対的に回転させつつ両者間に車軸方向の圧力を
加え、前記当接させた部分を摩擦圧接する。その際、前
記ディスクの外周端部のリムと当接させる面の少なくと
も1個所に凸部を形成させる加工を施しておく。例え
ば、ディスクの外周端部のリムと当接させる面に車輪の
外側から見て逆V字形(三角形)の凸部を形成させるよ
うな切削加工を施す。このような形状に加工するのは、
摩擦による発熱を容易にする(摩擦を前記逆V字形の先
端部分に集中させ局部で発熱させる)ためと、ディスク
の先端部分がリムのコーナー部へ食い込み易くするため
である。また、リムのコーナー部は凸状で摩擦により発
熱し易いので、ディスクの先端部分を逆V字形に加工す
ることによってリム、ディスク両者間の発熱バランスが
とりやすくなるという利点もある。なお、凸部の形状
は、上記の逆V字形が好適であるが、必ずしもこれに限
定されず、上述した効果が得られるような凸状に加工さ
れたものであればよい。この凸部は少なくとも1個所必
要であり、好ましくは2個所またはそれ以上とするのが
よい。また、凸部が複数の場合、圧接時にそれぞれの凸
部の頂部が同時にリム外面に接するような高さとする必
要はなく、例えば内側の凸部の方が先に接触するような
高さとしてもよい。
【0010】リムは既存の規格の形状のものをそのまま
使用する。ディスクは、既製のディスクの外周部を切削
除去したものでもよいし、あらかじめそのような形状に
製造されたものを使用してもよい。図5は、リム外面―
ディスク端面接合法により接合されたリムとディスクか
らなる車輪の一例の構成を示す図で、(a)は車輪の外
側の部分正面図であり、(b)は(a)のB−B矢視断
面図である。また、図6は、図5(b)に示したリムと
ディスクの接合部の一例を拡大して模式的に示した図
で、(a)は摩擦圧接する前のディスクの先端部分の形
状を示す図、(b)はリムとディスクを摩擦圧接した後
の状態を示す図である。(b)において、黒塗り部分が
摩擦圧接により溶着した部分を示す。
【0011】この場合は、ディスク3の外周端部がリム
2のビード部2bとフランジ部2cの間のコーナー部および
フランジ部2cの2個所で接合されているので、接合部の
強度が強く、また、ディスク3の先端部分がリム2のフ
ランジ部2cの先端近くにまで延びているので、ディスク
表面のデザインを施し得る面積が広いという利点があ
る。なお、この例における凸部の形状は、(a)に示し
たように、一方(符号fを付した部分)が三角形で、他
方(符号gを付した部分)が角形であるが、必ずしもこ
れに限定されない。摩擦による発熱が生じやすく、高い
接合部強度が得られるような凸状に加工されたものであ
ればよい。リムと、先端部分を上記のように加工したデ
ィスクとを摩擦圧接するには、後述する実施例に示す摩
擦圧接用金型に類する特定の金型を備える設備を用いれ
ばよい。上述したリムとディスクの接合方法、すなわ
ち、「リム端面―ディスク内面接合法」および「リム外
面―ディスク端面接合法」は、リムおよびディスクがい
ずれもスチール製の場合であるが、スチールに限らず、
リムはスチール製でディスクがアルミニウム製の場合、
さらには、リムおよびディスクがいずれもアルミニウム
製の場合にも適用することが可能である。なお、スチー
ルの材質は特に限定されない。また、ディスク、また
は、リムおよびディスがアルミニウム製の場合は、スチ
ール製の場合に比べて、摩擦圧接する際に車軸方向に加
える圧力(以下、押し付け圧ともいう)を若干低くし、
回転速度を高めてやるのがよい。
【0012】
【実施例】摩擦圧接用金型を備える装置を用いて本発明
の方法によりリムとディスクを接合した車輪を試作し
た。素材としては、現在量産されている両側にフランジ
を有する既製のスチール製リムと、外周部にフランジ部
が形成されている既製のスチール製ディスク(ホイール
の基準径が呼称12インチ(304mm) のもの)を使用し、
「リム端面―ディスク内面接合法」によりリムとディス
クを接合した。
【0013】まず、両側にフランジ部を有するリムの一
方の側のフランジ部をビード部の外側端部で切削するこ
とにより除去し、片側にフランジ部を有し、もう一方の
側には車軸方向に平行なビード部を有するリムを得た。
切断部位がリムのビード部とフランジ部の間のコーナー
部にかかり、切断後のビード部の先端が車軸方向に平行
でなかったので、それを矯正する加工を施した。なお、
前記の切削除去する範囲、すなわちビード部の長さは、
素材のリムやディスクの形状、仕上がりホイールにおけ
るリムの基準幅、ビード部先端の寄りしろ等を考慮して
適宜定めればよい。続いて、前記図2に示したように、
リムのビード部先端がV字形に、その先端を当接させて
摩擦圧接するディスクの外周部裏面の溝部がM字形にな
るような加工を施した。次いで、接合部を加工したリム
とディスクを以下に述べるように金型で保持し、両者を
摩擦圧接した。図7は、リムとディスクの摩擦圧接用金
型を備える設備の一例の金型部分の縦断面図である。図
7において、符号8はリムクランプ治具で、その上部に
は、リムクランプセグメント9を拡縮するためのセグメ
ント拡縮コーン10が取り付けられている。
【0014】まず、ビード部先端4が上記のように加工
されたリム2をその加工部を上にして図示したように取
り付け(図7の右側参照)、リムクランプ治具8を矢印
方向に移動させてリムクランプセグメント9の広がりを
リムドロップ部2a内径(図1(b)のl2 )に合うよう
に調整し、次いでクランプ用ピン12を外側へ押し出して
リム外面保持具11を閉じ(図7の左側参照)、リム2を
保持した。符号13は、リム外面保持具11のアンクランプ
用スプリングである。なお、この設備では、リム2を固
定する部分全体が回転可能に構成されている。
【0015】次いで、ディスク3をリム2の上方から、
ディスク3の溝部のM字形部分(図示せず)がリム2の
ビード部先端4のV字形部分(図示せず)に嵌合するよ
うに被せ、昇降および回転可能に構成されたディスクク
ランプ治具7でそのディスク3を固定した。このように
リム2とディスク3を金型に保持した状態でディスク3
を回転させながら下降させて、リム2のビード部先端4
のV字形部分をディスク3のM字形部分に加圧進入させ
た。この場合、ディスク3の回転速度は毎分 570回転(5
70rpm)とした。なお、回転速度(相対的な回転速度)
は、毎分 500回転(500rpm)以上とするのが好ましい。ま
た、前記加圧進入させる際の押し付け圧は、15トンとし
た。本実施例で用いた基準径が呼称12インチ(304mm) の
ホイールの場合、押し付け圧は少なくとも15トン程度と
するのが望ましい。
【0016】V字形部分とM字形部分の接触部に摩擦熱
が発生し、前記V字形部分のM字形部分への加圧進入に
ともなって接触部が溶融状態となった。さらに加圧進入
させると、リム2のV字形の先端部分がディスク3のM
字形の溝の部分に深く食い込み、かつ接触部が溶融した
状態になったので、回転を急停止させた。溶融部分は固
化し、リム2のビード部先端4とディスク3とが溶着し
た状態になった。なお、摩擦圧接に要した時間は 6秒で
あった。その後、さらに 1秒程度加圧進入させ、そのま
ま O.5秒以上保持した後、金型から取り外した。なお、
摩擦圧接時間は、リムおよびディスクがいずれもスチー
ル製の場合、 6秒以上とするのが望ましい。摩擦圧接時
間の望ましい上限は、リム、ディスクの回転速度や押し
付け圧等によって変わるので、条件ごとに求めるのがよ
い。
【0017】上記の工程で、接合部が強固な摩擦圧接状
態の車輪が得られた。
【0018】
【発明の効果】上記本発明の自動車用車輪の製造方法に
よれば、摩擦圧接によりリムとディスクを強固に接合す
ることができる。しかも、溶接接合する場合に比べて接
合時間を短縮することができ、作業効率を大幅に向上さ
せることが可能である。
【0019】また、摩擦圧接では、リムおよび/または
ディスクの回転速度、押し付け圧、圧接時間、リムおよ
びディスクのクランプ力等を規定するだけでよいので、
溶接接合に比べて接合に際し設定すべき条件が少なく、
接合の信頼性が高い。また、摩擦接合は、省資源、省エ
ネルギーの観点からも有効な方法である。さらに、溶接
接合する場合に比べて作業環境が良好で、アーク溶接で
用いるシール用 CO2ガスの放出もなく、作業環境の改善
および環境保全上からも好ましい方法である。
【0020】この方法により、自動車用車輪、特に意匠
性のよいフルフェイスホイールを高い生産性で、安価に
製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された自動車用車輪の
一例の構成を示す図で、(a)は車輪の外側の部分正面
図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は
(b)に示したリムとディスクの接合部の一例を拡大し
て模式的に示した図である。
【図2】図1(b)に示したリムとディスクの接合部の
他の例を拡大して模式的に示した図である。
【図3】図2に示したリムとディスクの接合部をさらに
拡大した図で、(a)はリムのビード部先端の断面形
状、(b)はリムと摩擦圧接されるディスクの断面形
状、(c)はリムのビード部先端をディスクの外周部裏
面に圧接したときの状態を模式的に示した図である。
【図4】リムとディスクの接合部のさらに他の例を拡大
して模式的に示した図である。
【図5】本発明の方法により製造された自動車用車輪の
他の例の構成を示す図で、(a)は車輪の外側の部分正
面図、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。
【図6】図5(b)に示したリムとディスクの接合部の
一例を拡大して模式的に示した図で、(a)は摩擦圧接
する前のディスクの先端部分の形状を示す図、(b)は
リムとディスクを摩擦圧接した後の状態を示す図であ
る。
【図7】リムとディスクの摩擦圧接用金型を備える設備
の一例の金型部分の縦断面図である。
【図8】リムのドロップ部内面とディスクのフランジ部
外面がスポット溶接により接合された例を示す図であ
る。
【図9】リムのドロップ部内面とディスクのフランジ部
外面がアーク溶接により接合された例を示す図である。
【図10】リムのビード部内面とディスクのフランジ部
外面がアーク溶接により接合された例をを示す図であ
る。
【図11】ディスクの端面とリムドロップ部の側面とが
摩擦圧接により接合された従来の自動車用車輪の一部破
断断面図である。
【符号の説明】
1:車輪 2:リム 2a:ドロップ部 2b:ビード部 2c:フランジ部 3:ディスク 3a:フランジ部 4:ビード部先端 5:外周部 6:溝部 7:ディスククランプ治具 8:リムクランプ治具 9:リムクランプセグメント 10:セグメント拡縮コーン 11:リム外面保持具 12:クランプ用ピン 13:アンクランプ用スプリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク外周部裏面に設けられた溝部の底
    部にリムのビード部先端を当接させた状態でリムとディ
    スクを相対的に回転させつつ両者間に車軸方向の圧力を
    加え、前記当接させた部分を摩擦圧接することを特徴と
    する自動車用車輪の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ディスクの溝部を車軸の外側方向に対
    してM字形とし、前記リムのビード部先端を車軸の外側
    方向に対してV字形とし、かつ前記M字形部分とV字形
    部分とを嵌合させて摩擦圧接することを特徴とする請求
    項1に記載の自動車用車輪の製造方法。
  3. 【請求項3】リムのビード部とフランジ部の間のコーナ
    ー部および/またはフランジ部に、ディスク外周部に設
    けられた少なくとも1個所の凸部を当接させた状態でリ
    ムとディスクを相対的に回転させつつ両者間に車軸方向
    の圧力を加え、前記当接させた部分を摩擦圧接すること
    を特徴とする自動車用車輪の製造方法。
  4. 【請求項4】リムおよびディスクが鋼製である請求項1
    ないし3のいずれかに記載の自動車用車輪の製造方法。
  5. 【請求項5】リムが鋼製、ディスクがアルミニウム製で
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載の自動車用車輪
    の製造方法。
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