JP2001205766A - 芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム - Google Patents

芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム

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JP2001205766A
JP2001205766A JP2000022301A JP2000022301A JP2001205766A JP 2001205766 A JP2001205766 A JP 2001205766A JP 2000022301 A JP2000022301 A JP 2000022301A JP 2000022301 A JP2000022301 A JP 2000022301A JP 2001205766 A JP2001205766 A JP 2001205766A
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acid
polyester resin
aromatic polyester
laminated film
aromatic
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JP2000022301A
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English (en)
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Hirohide Hamazaki
博英 濱崎
Toru Sawai
透 澤井
Kazumichi Takeishi
一路 武石
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Tohcello Co Ltd
Original Assignee
Tohcello Co Ltd
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性、透明性、ガスバリヤー
性を備えた包装資材用フィルムを提供すること。 【解決手段】 生分解性を有する芳香族ポリエス
テル樹脂配向フィルムの少なくとも一方の面にポリビニ
ルアルコール樹脂コーティング層を設けた積層フイルム
である。そのポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン
酸、脂肪族グリコール、およびスルホン酸金属塩基を置
換基として有する芳香族ジカルボン酸、および必要に応
じて脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸を加えて、それらの成分間で重縮合反応を行って得
られた樹脂が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する
芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルムに関し、より詳
細には包装資材に適した透明性、機械的強度、ガスバリ
ヤー性を備えた生分解性を有する芳香族ポリエステル樹
脂系積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムの廃棄処理を容易
にする目的で生分解性のあるフィルムが注目され、各種
フィルムが開発されて来ている。その生分解性フィルム
は、土壌中や水中で加水分解や生分解を受け、徐々にフ
ィルムの崩壊や分解が進み、最後には微生物の作用で無
害な分解物へと変化するものである。そのようなフィル
ムとして、ある種の脂肪族系ポリエステル樹脂や芳香族
系ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸セル
ロース、デンプン等から成形したフィルムが知られてい
る。
【0003】しかし、それらを現在実際に包装材料とし
て使用されているポリオレフィン系樹脂やポリエステル
系樹脂等のフィルムと比較すると、ポリ乳酸系延伸フィ
ルムを除いてほとんどの生分解性プラスチックフィルム
は、機械的強度や透明性等の点で満足のいくレベル迄に
は到達していない。
【0004】一方、プラスチックフィルムを食品や医薬
品の包装材料として利用する時には、被包装物の品質変
化を避けるために、酸素、水蒸気、その他ガスからのバ
リヤー性がフィルムに求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、生分
解性を有するフィルムであって、包装材料として必要な
優れた透明性と高い機械的強度を有し、かつ優れたガス
バリヤー性を有するフィルムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、生分
解性を有する芳香族ポリエステル樹脂配向フィルムの少
なくとも一方の面にポリビニルアルコール樹脂コーティ
ング層が設けられている芳香族ポリエステル樹脂系積層
フィルムに関する。
【0007】その芳香族ポリエステル樹脂は、スルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
を1共重合成分として含むポリエステルが好ましく、よ
り具体的には、芳香族ジカルボン酸、脂肪族グリコー
ル、およびスルホン酸金属塩基を核置換基として有する
芳香族ジカルボン酸、それに必要に応じて脂肪族ジカル
ボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸を加え、それ
らの成分間で重縮合反応を行って得られたポリエステル
であることが望ましい。
【0008】ポリエステル樹脂の好ましい組成は、芳香
族ジカルボン酸成分に由来する単位が30〜49.9モ
ル%、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35〜5
0モル%、スルホン酸金属塩基を置換基として有する芳
香族ジカルボン酸成分に由来する単位が0.1〜5モル
%、および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸成分に由来する単位が0〜30モル%(ここ
で、全単位の合計が100モル%になる)である。
【0009】また、ポリビニルアルコール樹脂は、ポリ
酢酸ビニルのアセテート基を95%以上ケン化した重合
体であることが好ましく、ポリエステル配向フィルム上
のコーティング層は、その厚さが0.01〜20μmで
あることが望ましい。
【0010】このような積層フィルムは、フィルム全体
として生分解性を有しており、また高い透明性と機械的
強度を保持している。さらに、酸素透過率が0.1〜5
0(cc/m2・24hr・atm)であると、食品や
医薬品の包装資材として好適である。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明に係わる積層フィルムは、
芳香族ポリエステル樹脂基材フィルム層とポリビニルア
ルコールコーティング層とが積層されたフィルムであ
る。次に、その積層フィルムの構成について詳細に説明
する。
【0012】芳香族ポリエステル樹脂 本発明に使用される芳香族ポリエステル樹脂は、生分解
性を有する樹脂であれば、その組成は特に限定されな
い。基本的には、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコー
ルとの重縮合によって形成される芳香族ポリエステル樹
脂であって、生分解性を付与するためにスルホン酸金属
塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸を共重
合成分の1種として含むポリエステル樹脂である。ま
た、そのフィルムに可撓性、生分解性等の性能を付与し
向上させるために、さらに脂肪族ジカルボン酸または脂
肪族ヒドロキシカルボン酸を共重合成分として加えた多
成分系のポリエステル樹脂であってもよい。そのような
樹脂は、特表平5−507109号公報、特表平6−5
05040号公報、特表平6−505513号公報等に
記載されている。
【0013】好適な芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族
ジカルボン酸および脂肪族グリコールを主成分にし、そ
れにスルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳香族
ジカルボン酸をおよび脂肪族ジカルボン酸または脂肪族
ヒドロキシカルボン酸を副成分として加え、それらの成
分間で重縮合反応を進行させて得られたポリエステルで
ある。
【0014】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などを例示
することができ、またそれらのジアルキルエステルのよ
うにエステル形成能を有する誘導体を使用することもで
きる。それらの内ではテレフタル酸またはジメチルテレ
フタレートの使用が好ましい。また、前記したジカルボ
ン酸を2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0015】脂肪族グリコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等
のアルキレングリコール類を例示することができ、また
それらのオリゴマー、例えばジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さら
に高分子量のポリアルキレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類も使用することができる。また、前記
したグリコール類を2種類以上組み合わせて使用しても
よい。ジエチレングリコール等のオリゴマーは、ポリエ
ステル樹脂の機械的物性、加水分解性あるいは生分解性
を適度に調整する効果を有していることから、アルキレ
ングリコール類とポリアルキレングリコール類とを併用
して用いることが好ましい。それらの中で、エチレング
リコールとジエチレングリコールとの併用が望ましい。
【0016】スルホン酸金属塩基を核置換基として有す
る芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸のベンゼン環にスルホン酸金
属塩基(−SO3M)が置換基として結合した化合物で
ある。金属(M)としては、例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、あるいはマグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属である。好ましい
例として、5−スルホ−イソフタル酸の金属塩、4−ス
ルホ−イソフタル酸の金属塩、4−スルホ−フタル酸の
金属塩を挙げることができる。この成分は、芳香族ポリ
エステル樹脂に加水分解性や生分解性を付与する目的で
加えられるが、特に5−スルホ−イソフタル酸ナトリウ
ム塩はその効果が高いので好ましい。なお、前記の芳香
族ジカルボン酸は、アルキルエステルになっていてもよ
く、例えばジメチル-5-スルホイソフタル酸ナトリウム
塩の形で使用することができる。
【0017】脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸等
を例示することができ、また脂肪族ヒドロキシカルボン
酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、カ
プロラクトン等を例示することができる。この脂肪族ジ
カルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、芳香
族ポリエステル樹脂のガラス転移点温度を下げ、好適に
は70℃以下に下げ、あるいは樹脂の加水分解性や生分
解性を向上させる目的で共重合成分の1種として加えら
れるものである。
【0018】前記した成分間の重縮合反応は、酸化アン
チモン、酸化ゲルマニウム等の触媒の存在下に200℃
以上の高温かつ減圧下で行うことにより、分子鎖に沿っ
てランダムにそれらの成分に由来する単位が分布した線
状ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0019】重縮合したポリエステル樹脂中の各成分に
由来する単位の含有量は、芳香族ジカルボン酸成分に由
来する単位が30〜49.9、好ましくは37〜48.
7モル%、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35
〜50、好ましくは40〜49モル%、スルホン酸金属
塩基を置換基として有する芳香族ジカルボン酸成分に由
来する単位が0.1〜5、好ましくは0.3〜3モル
%、および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸成分に由来する単位が0〜30、好ましくは
2〜20モル%である。ここで、全単位の合計が100
モル%になる。
【0020】好適な芳香族ポリエステル樹脂では、テレ
フタル酸成分に由来する単位が30〜49.9、好まし
くは37〜48.7モル%、エチレングリコール成分に
由来する単位が15〜48、好ましくは20〜45モル
%、ジエチレングリコール成分に由来する単位が1〜2
9、好ましくは4〜20モル%、スルホン酸金属塩基を
置換基として有する芳香族ジカルボン酸成分に由来する
単位が0.1〜5、好ましくは0.3〜3モル%、およ
び脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン
酸成分に由来する単位が0〜30、好ましくは2〜20
モル%である。ここで、全単位の合計が100モル%に
なる。
【0021】本発明で用いる芳香族ポリエステル樹脂
は、その重量平均分子量が、10,000〜500,0
00の範囲が好ましい。また、そのメルトフローレート
は、ASTM D−1238に準拠し、220℃、21
60g荷重下で測定した値が、0.1〜100(g/1
0分)であることが好ましい。分子量およびメルトフロ
ーレートが前記の範囲内にあると、押出成形に適した溶
融粘度を示し、また積層フィルム基材層としての十分な
機械的強度を有する。
【0022】フィルム成形に先立ち、ポリエステル樹脂
には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の高分子材
料、可塑剤、滑剤、無機充填剤、酸化防止剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、顔料、染料等を添加することができ
る。
【0023】ポリビニルアルコール樹脂 本発明に使用されるポリビニルアルコール樹脂は、ポリ
酢酸ビニルのアセテート基を95%以上、より好ましく
は98%以上ケン化した樹脂であって、その平均重合度
は、好ましくは200〜3,000、より好ましくは3
00〜2,000の範囲にある。
【0024】このポリビニルアルコール樹脂は、本発明
の目的を損なわない範囲内で、一部変性されたポリビニ
ルアルコールであってもよく、例えば、カルボン酸変性
ポリビニルアルコール、シリル化変性ポリビニルアルコ
ール、エチレンを少量共重合したエチレン・ビニルアル
コール共重合体等を挙げることができる。
【0025】また、ポリビニルアルコール樹脂にはマイ
カ、タルク、モンモリナイト、バイデライト、ヘクトラ
イト、サポナイト、カオリナイト、白雲母等の無機板状
化合物、あるいは無機層状化合物を添加して複合化する
こともでき、それによって更にガスバリヤー性を高めた
ポリビニルアルコール層にすることもできる。
【0026】さらに、このポリビニルアルコール樹脂に
は、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えばポリ
(メタ)アクリル酸、金属アルコキシド等の架橋剤成
分、帯電防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤
等の添加剤を適宜配合することができる。
【0027】積層フィルム 本発明に係わる積層フィルムは、特定の芳香族ポリエス
テル樹脂延伸フィルムの少なくとも一方の面にポリビニ
ルアルコール層を設け、透明性、機械的強度、ガスバリ
ヤー性等に優れたフィルムになっている。
【0028】基材層としての本発明で用いる芳香族ポリ
エステル樹脂延伸フィルムは、まず前記ポリエステル樹
脂のキャストフィルムを成形し、次いで延伸配向処理を
施すことによって製造することができる。このキャスト
フィルムは、ポリエステル樹脂を一軸または二軸の押出
機に供給し、樹脂の融点以上の温度で溶融し、T−ダイ
等を通してシート状ないしフィルム状に押出し、その後
急冷して引き取ることによって得られる。
【0029】一旦成形したキャストフィルムは、引き続
き一軸または二軸方向に延伸することによって、フィル
ム分子を配向させることができる。延伸操作は、キャス
トフィルムを、樹脂のガラス転移点以上かつ結晶化温度
以下の温度範囲で、一軸延伸法、或いは延伸ロールとテ
ンター式横延伸機を用いる逐次二軸延伸法、または同時
二軸延伸法で行われる。
【0030】延伸条件としては、芳香族ポリエステル樹
脂の組成や未延伸シートの熱履歴によっても異なるが、
例えば、延伸温度40〜100℃、延伸倍率1.5〜
6.0倍で行われる。延伸操作の後、好ましくはフィル
ムを再度熱処理してフィルムにヒートセットを施すが、
熱処理温度は樹脂の結晶化温度以上かつ融点以下の温度
範囲でなされる。
【0031】このようにして製造されたフィルムは、一
軸方向または二軸方向に配向されており、無延伸フィル
ムの持つ脆さが改良されている。そして、ポリプロピレ
ン延伸フィルム、ポリスチレン延伸フィルム、ポリエチ
レンテレフタレート延伸フィルムに近似の優れた物性を
有している。特に二軸配向されていると、高い機械的強
度を示すので、包装材料として好適である。
【0032】また、ヒートセット処理を施すと、ポリマ
ーの分子構造が安定化して結晶化度が増大し、フィルム
の機械的強度を一層向上させることができる。フィルム
の厚さは、5〜300μm、好ましくは10〜200μ
mの範囲にあることが、積層フィルムの基材層として必
要な機械的強度、透明性、生分解性の適度なバランスを
得る上で望ましい。
【0033】ポリビニルアルコール樹脂層は、前記芳香
族ポリエステル樹脂配向フィルムの片面あるいは両面に
形成されており、その厚さは、0.01〜20μm、好
ましくは0.02〜10μmであって、この範囲内にあ
ればガスバリヤー性能を保ちつつ透明性も確保され、か
つ被膜はクラックを生成することなく必要な機械強度が
得られる。
【0034】ポリビニルアルコール樹脂層は、薄くかつ
均一な被膜を得るために、コーティング法によって形成
される。ポリビニルアルコール樹脂は、通常水溶液また
は水分散液の状態でコーティングされるが、所望により
アルコール等の有機溶剤や柔軟剤等をコーティング液に
適宜添加することができる。コーティング液中のポリビ
ニルアルコール樹脂の濃度は、5〜35重量%であるこ
とが好ましい。
【0035】コーティングの方法は、ディッピング法、
ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法
等のいずれの方法をも採用することができ、特にロール
コーティング法は高速度で均一被膜を成形する方法とし
て適している。コーティング工程の後、フィルムは乾燥
工程へと移されるが、水分が蒸発し、透明な被膜層が効
率よく形成される雰囲気になっていればその乾燥方法お
よび条件に特に制限はない。例えば、熱風乾燥機を用
い、乾燥温度は60〜150℃、乾燥時間は5秒〜5分
程度で行われる。
【0036】ポリビニルアルコール樹脂のコーティング
工程と前記した芳香族ポリエステル樹脂フィルムの延伸
工程とは、いずれを優先して行っても目的とする積層フ
ィルムを得ることができる。芳香族ポリエステル樹脂フ
ィルムを一軸ないし二軸に延伸した後にポリビニルアル
コール樹脂をコーティングする順序をとると、芳香族ポ
リエステル樹脂フィルムの延伸条件を自由に設定できる
メリットがある。逆に、ポリビニルアルコール樹脂をコ
ーティングしてから延伸操作を施す順序をとると、コー
ティング装置を小型化できるメリットがある。逐次二軸
延伸の場合には、前記芳香族ポリエステル樹脂の縦延伸
フィルムを一旦成形し、その後にポリビニルアルコール
樹脂をコーティングし、最後にフィルムを横延伸する方
法も採用することができる。
【0037】なお、両層間の密着・接着強度を高める目
的で、ポリビニルアルコールのコーティング工程前に、
前記芳香族ポリエステル樹脂フィルムのコーティング面
にコロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理等の表面
活性化処理、あるいはアンカー処理剤を用いたアンカー
コーティング処理を施してもよい。
【0038】このようにして製造した積層フィルムは、
その用途に応じてポリビニルアルコール樹脂コーティン
グ層とは反対側の面に、時にはコーティング層上にヒー
トシール層や印刷層を設けてもよい。ヒートシール層の
形成は、低融点を有する他の生分解性プラスチック樹脂
層をアンカー処理剤や接着剤を介して接合することによ
って行うことができる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。なお、得られたフィルムの物性評価は、次の試験方
法で行った。 (a) 引張弾性率:JIS K7127に準拠して行
った。 (b) 引張強度(破断点応力、破断点伸び):JIS
K7127に準拠して行った。 (c) 衝撃強度:フィルムインパクト法で行った。1
/2インチ円錐を用い、ポリビニルアルコールコーティ
ング面と反対側面より測定した。
【0040】(d) ヘイズ:JIS K6714に準
拠して行った。ポリビニルアルコールコーティング面と
は反対側面より測定した。 (e) 酸素透過度:JIS K7126に準拠して行
った。20℃×50%RH雰囲気で測定した。 (f) 土壌分解性:フィルムを土壌中に5ケ月間放置
し、フィルムの状態を観察した。
【0041】(実施例1)撹拌機、窒素取り入れ口およ
び蒸留カラムが備わった大型反応槽の中に、所定量のテ
レフタル酸ジメチル、ジメチル5−スルホ−イソフタル
酸ナトリウム、ヒドロキシ酢酸、エチレングリコール、
ジエチレングリコールを加え、触媒として三酸化アンチ
モン、酢酸マンガン、酢酸ナトリウムを用いて縮重合反
応を行った。
【0042】得られた共重合体の組成は、テレフタル酸
45モル%、エチレングリコール37モル%、ジエチレ
ングリコール9モル%、5−スルホ−イソフタル酸ナト
リウム1モル%、ヒドロキシ酢酸8モル%であった。ま
た、その共重合体樹脂の密度は1.35(g/c
3)、融点は200℃、メルトフローレート(220
℃、2160g荷重)は15(g/10分)であった。
【0043】この樹脂をオーブン中で予備乾燥してから
押出機(60mmφ、シリンダー設定温度220℃)中
へ供給して溶融し、押出機先端に設けたTダイからフィ
ルム状に押出した。その後、キャストロールで30℃に
急冷し、最終的に厚さ200μmのシートを作成した。
次に、逐次二軸延伸装置を用いてこのシートをまず60
℃で3倍縦延伸し、次いで70℃で4倍横延伸し、引き
続き180℃で5秒間熱処理(ヒートセット)を行っ
た。さらに、フィルム片面にコロナ放電処理を施して、
厚さ20μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0044】次に、ポリビニルアルコール(ケン化度:
98.5%、平均重合度:500)の12重量%水溶液
を準備し、先に作成した二軸延伸フィルムのコロナ放電
処理面側にメイヤーバーを用いてコーティングした。そ
の後、70℃で20秒間熱風乾燥炉内で水を蒸発させ
て、厚さ2μmの乾燥ポリビニルアルコール被膜を形成
させた。この積層フィルムの物性を調べ、その結果を表
1に示した。
【0045】(比較例1)実施例1で製造した厚み20
μmの芳香族ポリエステル樹脂2軸延伸フィルムを、ポ
リビニルアルコール樹脂等のコーティングを一切施すこ
となくそのまま用いて、実施例1と同様の物性測定を行
った。その結果を表1に併せて示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明に係わる積層フィルムは、優れた
生分解性を有しているので使用後に容易にその形状が崩
壊し、自然環境の保護に寄与することができる。また、
このフィルムは、優れた透明性、高い機械的強度、およ
び可撓性を備えていることから包装資材として適してい
る。さらにこのフィルムは、高いガスバリヤー性を保持
しており、食品や医薬品等の包装に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武石 一路 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK21B AK21C AK41A AK41J AK41K AK42A BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA15 CC00B CC00C EJ38 GB15 GB23 GB66 JA20B JA20C JC00A JD02 JD03 JK01 JK17 JN01 YY00 YY00B YY00C 4J029 AA03 AB01 AC02 AE03 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BF10 BF18 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB06A EA02 EA03 EG09 HA01 HB01 JA091 JA161 JC371 JF022 JF032 JF042 JF361 JF471

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性を有する芳香族ポリエステル樹脂
    配向フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコ
    ール樹脂コーティング層が設けられていることを特徴と
    する芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム。
  2. 【請求項2】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、スルホ
    ン酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン
    酸を1共重合成分として含むポリエステルであることを
    特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリエステル樹脂系
    積層フィルム。
  3. 【請求項3】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、芳香族
    ジカルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン酸金
    属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸、そ
    れに必要に応じて脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒド
    ロキシカルボン酸を加え、それらの成分間で重縮合反応
    を行って得られるポリエステルであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  4. 【請求項4】前記の芳香族ジカルボン酸が、テレフタル
    酸であることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  5. 【請求項5】前記の脂肪族グリコールが、アルキレング
    リコールとポリアルキレングリコールとからなることを
    特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹脂系
    積層フィルム。
  6. 【請求項6】前記のスルホン酸金属塩基を核置換基とし
    て有する芳香族ジカルボン酸が、5−スルホ−イソフタ
    ル酸金属塩、4−スルホ−イソフタル酸金属塩、および
    4−スルホ−フタル酸金属塩からなる群から選ばれる少
    なくとも1種のカルボン酸化合物であることを特徴とす
    る請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】前記の脂肪族カルボン酸が、アゼライン
    酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、およびグルタ
    ル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン
    酸であることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  8. 【請求項8】前記の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が、グ
    リコール酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、カプロラクトンか
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹
    脂系積層フィルム。
  9. 【請求項9】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、芳香族
    ジカルボン酸成分に由来する単位が30〜49.9モル
    %、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35〜50
    モル%、スルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳
    香族ジカルボン酸成分に由来する単位が0.1〜5モル
    %および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカ
    ルボン酸成分に由来する単位が0〜30モル%(ここ
    で、全単位の合計が100モル%になる)であることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  10. 【請求項10】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、テレ
    フタル酸成分に由来する単位が30〜49.9モル%、
    エチレングリコール成分に由来する単位が15〜48モ
    ル%、ジエチレングリコール成分に由来する単位が1〜
    29モル%、5−スルホ−イソフタル酸アルカリ金属塩
    成分に由来する単位が0.1〜5モル%、および脂肪族
    ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分に
    由来する単位が0〜30モル%(ここで、全単位の合計
    が100モル%になる)であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  11. 【請求項11】前記の芳香族ポリエステル樹脂配向フィ
    ルムが、二軸配向されていることを特徴とする請求項1
    〜10のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  12. 【請求項12】前記のポリビニルアルコール樹脂が、ポ
    リ酢酸ビニルのアセテート基を95%以上ケン化した重
    合体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか
    に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム。
  13. 【請求項13】前記のポリビニルアルコール樹脂層は、
    その厚さが0.01〜20μmであることを特徴とする
    請求項1〜12のいずれかに記載の芳香族ポリエステル
    樹脂系積層フィルム。
  14. 【請求項14】前記の積層フィルムが、酸素透過率0.
    1〜50(cc/m2・24hr・atm)であること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の芳香族
    ポリエステル樹脂系積層フィルム。
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