JP2001205526A - ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具 - Google Patents

ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具

Info

Publication number
JP2001205526A
JP2001205526A JP2000019985A JP2000019985A JP2001205526A JP 2001205526 A JP2001205526 A JP 2001205526A JP 2000019985 A JP2000019985 A JP 2000019985A JP 2000019985 A JP2000019985 A JP 2000019985A JP 2001205526 A JP2001205526 A JP 2001205526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb core
cutting
thin
groove
mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000019985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4412792B2 (ja
Inventor
Shigeki Saito
茂樹 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000019985A priority Critical patent/JP4412792B2/ja
Publication of JP2001205526A publication Critical patent/JP2001205526A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4412792B2 publication Critical patent/JP4412792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハニカムコアにおける薄肉加工部の切削面の
面精度が確保できるハニカムコアの切削加工方法及びハ
ニカムコア切削用取付治具を提供する。 【解決手段】 ハニカムコア10を載置すべく取付治具
20の上面に形成された取付面23上に載置したハニカ
ムコア10の下部を加熱により液状とした油脂Pによっ
て浸漬し、該油脂Pを硬化させ、ハニカムコア10を取
付面23上に固定した後、カッタ30による切削加工を
行うハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削
用取付治具において、ハニカムコア10のうち、その肉
厚を他の部分よりも薄く加工する部分を薄肉加工部Aと
すると、取付面23のうちの薄肉加工部Aに対応する部
分に、油脂Pを増量するための溝部24を設けて、取付
面23に対するハニカムコア10の接合力を増加させて
切削加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材ハニカムサ
ンドイッチパネルなどの芯材として使用されるハニカム
コアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、2枚のパネルの間に積層される
芯材、いわゆるサンドイッチ構造体用の芯材としてハニ
カムコアが広く利用されている。
【0003】このハニカムコアは、多数のセルを寄せ集
めて全体として蜂の巣状に形成したものであり、重量比
強度が高いという機械的特性を有することから、例え
ば、軽量かつ高剛性が要求される航空機の機体の構造材
等に広く使用されている。
【0004】しかし、ハニカムコアの各セルを形成して
いるセル壁は、これを傾倒する方向の荷重に対しては剛
性が低いため、切削加工中におけるカッタの刃の当接、
即ち切削トルク等によって倒れ、変形、バリ等の発生が
生じることがある。このため、切削面の面精度の低下が
懸念される。
【0005】この対策としての切削加工方法が、例え
ば、特開平3−251329号公報や特開平6−179
195号公報によって提案されている。
【0006】前者、特開平3−251329号公報は、
硬質発泡プラスチック材をハニカムコアのセル内部に充
填して切削加工するものであり、後者、特開平6−17
9195号公報は、ハニカムコアのセル内部に微粒子状
の非金属を充填した後、切削加工をするものである。
【0007】更に、他の方法として、ハニカムコアを治
具の上に載置し、ハニカムコアの下部を液状の油脂に浸
漬し、その後、この油脂をろう状に硬化させてハニカム
コアを治具に固定して切削加工する方法が知られてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記各従来例による
と、ハニカムコアの肉厚が適度に厚い場合には、セル壁
の倒れやバリの発生が防止されて、切削面の面精度を向
上させることができる。
【0009】しかしながら、これらの従来例では、ハニ
カムコアの肉厚が薄い場合や、図7の(a)にハニカム
コア100の平面図及び、同図(b)にハニカムコア1
00の縦断面図を示すように、ハニカムコア100の端
縁を鋭角な楔状に形成する場合、換言すると、ハニカム
コア100の肉厚を徐々に薄くして端縁を先鋭に仕上げ
る場合には、カッタ30による切削加工中に、カッタ3
0の切削トルク等によるセル壁101の傾倒変形やバリ
等の発生を十分に抑制することが困難になり、この結
果、切削面、即ち切削予定線Cに沿った面の面精度が十
分に確保できないことがある。
【0010】これは、例えば、図7(a)及び(b)に
示すように、ハニカムコア100の端縁の厚さが薄い部
分においては、厚さの減少に応じて補強材の量が不足す
ることによる。ここで、補強材とは、切削加工時のカッ
タ30の切削トルク等に起因するセル壁101の倒れを
防止するために、セルS内に充填される部材であり、上
記特開平3−251329号公報では硬質発泡プラスチ
ック、特開平6−179195号公報では微粒子状の非
金属、また、油脂を使用する方法にあっては、油脂がこ
の補強材に相当する。
【0011】ハニカムコア100の切削加工において、
このような補強材の量が不足すると、切削加工中にカッ
タ30の切削トルク等によるセル壁101に対して傾倒
する方向に荷重が作用した場合に、補強材によってセル
壁101を所定の位置に保持することができず、上記の
ようにセル壁101が倒れ変形や、バリ等が発生して切
削面の面精度の低下が懸念される。
【0012】更に、上記補強材となる油脂の量が不足す
ると、切削中のカッタ30の振動によって、油脂が欠け
落ち、取付治具に対するハニカムコア100の接合力が
低下する。特に、この油脂の欠け落ちは、図7にハッチ
ングで示すハニカムコア100の周縁で顕著に発生す
る。このような状態でカッタ30による切削加工を行う
と、カッタ30の切削トルクによって治具からハニカム
コア100が浮上して切削面の面精度が得られなくな
る。
【0013】そして、切削面が均一な面精度、即ち平面
状に形成されない場合には、図8に縦断面図を示すよう
に、ハニカムコア100の表面側と裏面側とに各々パネ
ル102、103を接着してサンドイッチ構造体を得る
際に、パネル102、103に割れが発生したり、ハニ
カムコア100の不均一な切削面とパネル102、10
3との間に間隙ができて内部欠陥が発生することが懸念
される。換言すると、ハニカムコア100の切削面が不
均一な場合には、これを芯材として構成したサンドイッ
チ構造体全体の強度が低下するおそれがある。
【0014】従って、かかる点に鑑みてなされた本発明
の目的は、ハニカムコアの肉厚を薄く切削加工する場合
においても、セル壁の倒れやバリの発生が防止されて、
切削面の面精度が確保されるハニカムコアの切削加工方
法及びハニカムコア切削用取付治具を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載のハニカムコアの切削加工方法の発明
は、ハニカムコアを載置すべく取付治具の上面に形成さ
れた取付面上に載置したハニカムコアの少なくとも下部
を、加熱により液状とした油脂によって浸漬し、該油脂
を硬化させて上記ハニカムコアを上記取付面上に固定し
た後、カッタにより切削加工を行うハニカムコアの切削
加工方法において、上記ハニカムコアのうち、肉厚を他
の部分よりも薄く加工する部分を薄肉加工部とすると、
上記取付面のうちの上記薄肉加工部に対応する部分に、
上記油脂を増量するための溝部を設けて、上記取付面に
対する上記ハニカムコアの接合力を増加させて切削加工
を行うことを特徴とする。
【0016】この請求項1の発明によると、取付治具の
取付面のうちの、薄肉加工部に対応する部分に、油脂を
増量するために溝部を設けて、取付面に対するハニカム
コアの接合力を高めることにより、カッタによる切削加
工中における切削トルク等によるセル壁の倒れやバリの
発生が防止される。また、切削加工時のカッタの振動に
よって油脂の欠け落ちが防止されて、カッタの切削トル
クに起因するハニカムコアが取付治具から浮き上がるこ
とが防止されて、十分な切削面の面精度が確保される。
【0017】請求項2の発明は、請求項1のハニカムコ
アの切削加工方法において、上記ハニカムコアの薄肉加
工部は、該薄肉加工部の端縁が次第に肉厚が減少する鋭
角であることを特徴とする。
【0018】請求項2によると、特に、肉厚が少なく従
来油脂の欠け落ちが懸念された鋭角な端縁においても、
油脂の欠け落ちが防止されて、切削面の面剛性が確保で
きる。
【0019】請求項3に記載のハニカムコア切削用取付
治具の発明は、ハニカムコアを載置するための取付面を
有し、該取付面上に載置したハニカムコアの少なくとも
下部を加熱により液状とした油脂によって浸漬し、該油
脂を硬化させて上記ハニカムコアを上記取付面上に固定
するハニカムコア切削用取付治具において、上記ハニカ
ムコアのうち、肉厚を他の部分よりも薄く加工する部分
を薄肉加工部とすると、上記取付面のうちの上記薄肉加
工部に対応する部分に、上記油脂を増量するための溝部
を設けたことを特徴とする。
【0020】この請求項3の発明によると、上記の請求
項1の発明と同様、取付治具の取付けのうちの、薄肉加
工部に対応する部分に、油脂を増量するために溝部を設
けて、取付面に対するハニカムコアの接合力を高めるこ
とにより、カッタによる切削加工中におけるセル壁の倒
れやバリの発生を未然に防止することができる。また、
切削加工時のカッタの振動に起因して油脂が欠け落ちる
等の不具合が未然に防止されて、カッタの切削トルク等
によりハニカムコアが取付治具から浮き上げられること
がなくなり切削面の面精度が確保される。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項3のハニ
カムコア切削用取付治具において、上記薄肉加工部を一
方向に沿って長く形成する場合において、上記薄肉加工
部の長手方向の両端部と中央部とに対応する部分におけ
る上記溝部の溝幅を、他の部分の溝幅よりも広く設定し
たことを特徴とする。
【0022】請求項4の発明によると、薄肉加工部の長
手方向の両端部と中央部とに対応する部分の溝幅を他の
部分よりも広くすることで、一般的に、取付治具とハニ
カムコアとの接合力が低下する該部分の接合力を十分に
確保することができる。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項3のハニ
カムコア切削用取付治具において、上記薄肉加工部を一
方向に沿って長く形成する場合において、上記薄肉加工
部の長手方向の両端部に対応する部分における上記溝部
の溝幅を、他の部分の溝幅よりも広く設定したことを特
徴とする。
【0024】請求項5の発明によると、例えば、薄肉加
工部の長手方向長さが短い場合には、薄肉加工部の長手
方向の両端部に対応する部分の溝幅を他の部分よりも広
くすることで、取付治具とハニカムコアとの接合力の低
下が懸念されるこれらの部分の接合力を十分に確保する
ことができる。更に、取付治具を作製する際の溝部を加
工するための加工工数や、ハニカムコアの切削加工時の
油脂の使用量が不要に増加することが防止される。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項3のハニ
カムコア切削用取付治具において、上記薄肉加工部を一
方向に沿って長く形成する場合において、上記薄肉加工
部の長手方向に沿って、上記溝部に溝幅の広い部分と狭
い部分とを交互に配設したことを特徴とする。
【0026】この請求項6の発明によると、薄肉加工部
の長手方向に沿って、溝幅の広い部分を断続的に設ける
ことにより、ハニカムコアの形状が取付治具から剥がれ
やすい場合に、両者の接合力を増大させることが可能で
ある。なお、溝の長手方向の全長にわたって溝幅を広く
形成する場合に比して、油脂の使用量を少なくすること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図によって本発明によるハ
ニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付
治具の実施の形態を説明する。
【0028】(第1実施の形態)図1及び図2によっ
て、本発明の第1実施の形態について説明する。図1
は、取付治具20及び取付治具20上に固定されたハニ
カムコア10の平面図であり、図2は、図1のX−X線
断面図である。
【0029】なお、以下の説明では、説明の便宜上、図
1の状態におけるハニカムコア10及び取付治具20に
ついて、同図中の左側の部分を「後端部」、右側の部分
を「先端部」、上側の端部を「一方の端部」、下側の端
部を「他方の端部」というものとする。
【0030】本発明において切削加工の対象となるハニ
カムコア10は、正六角筒状の多数のセルSを集合させ
て蜂の巣状に形成した部材であり、各セルSは、箔状の
基材によって形成されたセル壁11によって囲まれてい
る。
【0031】切削加工前のハニカムコア10は、図2に
示すように略板状に形成されている。ただし、図2に示
すハニカムコア10は、上面12が水平に形成され、下
面13には、後半部13aが水平に形成され、前半部1
3bは端縁側が下方に傾斜するように形成されている。
即ち、前半部は、肉厚Tが漸増している。この下面13
の形状は、切削加工後に接着されるパネル(図示せず)
の形状に合わせて予め決め設定されるものである。な
お、本実施の形態においては、上記のような下面13を
有するハニカムコア10を切削加工する場合を例に説明
するが、上面12と下面13とがいずれも平面状でかつ
両者が平行であるハニカムコアに対しても、本発明が適
用できるのは勿論である。
【0032】図中符号30は、ハニカムコア10を切削
加工するためのカッタであり、二点鎖線の直線Cは、カ
ッタ30による切削予定線を示している。本実施の形態
では、この切削予定線Cが示すように、ハニカムコア1
0は、その一方の端縁に移行するに従って肉厚Tが漸減
するように、換言すると、先端が尖った楔状に切削加工
される。
【0033】取付治具20は、平面視略長方形の板状に
形成されている。取付治具20は、その下面21を切削
テーブル40の表面に密着させるようにして、締結具
(図示せず)により切削テーブル40上に固定され、取
付治具20の上面側にはその周囲にフランジ部22が立
設されている。この上面のうちのフランジ部22に囲ま
れた面は、上記ハニカムコア10が載置される取付面2
3となり、この取付面23は、ハニカムコア10の下面
13に一致する形状に形成されている。即ち、ハニカム
コア10の下面13の後半部13aに対応する水平面2
3aと、前半部13bに対応する傾斜面23bとが形成
されている。
【0034】取付治具20の取付面23における端縁、
即ち先端側には、溝部24が形成されている。ここで、
上記ハニカムコア10のうち、その肉厚Tを他の部分よ
りも薄く加工する部分を薄肉加工部Aとすると、薄肉加
工部Aは、図1に示すように、ハニカムコア10の一方
の端部から他方の端部にかけて(以下「長手方向」とい
う。)その全長にわたって形成されることになり、薄肉
加工部Aの長手方向の長さは、ハニカムコア10の長さ
と同じL1となる。ここでは、仮に、ハニカムコア10
の薄肉加工部Aとは、ハニカムコア10のうち、切削加
工後に肉厚がt(t<T)以下となる部分あり、この薄
肉加工部Aについては、後に詳述する。
【0035】上記の溝部24は、この薄肉加工部Aに対
応する部分に設けてあり、溝部24は、その長さL2
が、薄肉加工部Aの長手方向の長さL1よりも長くなる
ように設定されている。また、溝部24の幅Wは、薄肉
加工部Aの長手方向の一方の端部と他方の端部とに対応
する部分24a、24b、及び中央部に対応する部分2
4cにおいてはW1に設定されており、他の部分におけ
る幅W2よりも、大きく設定され、かつ溝部24の深さ
は、Dに設定されている。
【0036】取付治具20にハニカムコア10を固定す
るには、補強材としての油脂Pが使用される。油脂Pと
しては、加熱によって粘度の高い液状となり、かつ常温
で硬化する例えば、ポリエチレングリコールが使用され
る。
【0037】次に、ハニカムコア10の切削加工方法に
ついて説明する。
【0038】まず、取付治具20を締結具(図示せ
ず))によって切削テーブル40上に固定する。
【0039】続いて、取付治具20の取付面23の所定
の位置に、切削加工対象となるハニカムコア10を載置
する。この載置にあたり、ハニカムコア10の薄肉加工
部Aが、溝部24に対応するように位置決めする。
【0040】一方、油脂としてのポリエチレングリコー
ルPを例えば約80℃に加熱して溶融し、粘度の高い液
状にする。この液状のポリエチレングリコールPを、取
付治具20の取付面13及び溝部24に注ぎ入れてハニ
カムコア10の少なくとも下部をポリエチレングリコー
ルPにより浸漬させる。
【0041】この注入後、常温で放置してポリエチレン
グリコールPを硬化せしめる。この硬化により、ハニカ
ムコア10は、取付治具20の取付面23に固定され
る。
【0042】ハニカムコア10の固定後、カッタ30を
回転させて切削予定線Cに沿って移動させ、ハニカムコ
ア10の不要部分、即ちハニカムコア10における切削
予定線Cよりも上方の斜線部分を切削により除去する。
【0043】このカッタ30によるハニカムコア10の
切削加工が進行し、カッタ30が薄肉加工部Aに達する
と、従来は、カッタ30の振動によってポリエチレング
リコールPが欠け落ちて、薄肉加工部Aが取付面23か
ら浮き上がり、切削面の面精度が低下するおそれがあっ
た。
【0044】しかし、本実施の形態では、薄肉加工部A
に対応する部分に設けられた溝部24及びハニカムコア
10の下部に補強材としてのポリエチレングリコールP
を充填して硬化しているため、この溝部24に充填され
たポリエチレングリコールPによって薄肉加工部Aが堅
固に保持されて、取付面23とハニカムコア10との接
合力が増加され、かつハニカムコア10の少なくとも下
部の形状が維持されるので、カッタ30の切削トルク等
によって薄肉加工部Aが取付面23から浮き上がること
を防止することができる。従って、カッタ30による切
削面が均一な平滑面となり、切削面の面精度が確保され
る。
【0045】ここで、溝部24の長さL2、幅W1、W
2、深さDの決定について説明する。これらの各寸法
は、油脂として使用するポリエチレングリコールPの硬
化後の機械的な強度、即ち、ハニカムコア10を取付面
23に接合する際の接合力の大きさや、カッタ30によ
るハニカムコア10の切削加工時にカッタ30からハニ
カムコア10の薄肉加工部Aに作用する切削トルクや、
セル壁11の厚さによっても変化するものである。
【0046】従って、溝部24の各寸法については、例
えば、実験等に基づいて決定するとよい。換言すると、
カッタ30による切削加工時に、薄肉加工部Aが取付面
23から浮き上がるのを有効に防止して切削面の面精度
が確保できる接合力を発揮できるように各寸法を決定す
る。なお、ハニカムコア10の切削加工後には、不要と
なったポリエチレングリコールPを除去することが必要
となるため、このことを考慮すると、理想的には、溝部
24の各寸法は、必要最小限に設定して、ポリエチレン
グリコールPの使用量を極力少なくするようにするのが
好ましい。
【0047】上記図1及び図2からも明らかなように、
本発明においては、溝部24は、薄肉加工部Aに厳密に
対応させて設ける必要はない。即ち、溝部24は、ハニ
カムコア10のうちの、カッタ30による切削加工時に
ポリエチレングリコールPによる更なる補強を必要とす
る部分に対応させて設ければよい。換言すると、薄肉加
工部Aをハニカムコア10の厚さtによって定義するの
ではなく、この厚さtはあくまでも目安とし、ハニカム
コア10のうちの、溝部24に対応する部分、つまり補
強の必要な部分を薄肉加工部Aとするのが合理的であ
る。ハニカムコア10における肉厚がtよりも薄い部分
をすべて薄肉加工部Aとするのではなく、肉厚がtより
も薄く、かつ補強が必要な部分を薄肉加工部Aとするの
である。
【0048】本実施の形態では、薄肉加工部Aの長手方
向の両端部と中央部とにおいて、溝部24の溝幅をW1
と広くして、接合力を高めるようにしているが、薄肉加
工部Aの長手方向の長さがさらに長い場合には、例え
ば、両端部と中央部との間にも、溝幅が広いW1の部分
を設けるようにしてもよい。
【0049】(第2実施の形態)図3及び図4によって
本発明の第2実施の形態を説明する。図3は取付治具2
0及び取付治具20上に固定されたハニカムコア10の
平面図、図4は図3のY−Y線断面図である。
【0050】本実施の形態は、上記第1実施の形態に比
し、ハニカムコア10の切削予定線Cの水平線とのなす
角度θが大で、薄肉加工部Aの強度が、図1及び図2に
示すハニカムコアよりも高い場合には、溝部25におけ
る薄肉加工部Aの長手方向両端部に対応する部分25
a、25bの溝幅は、上記第1実施の形態と同様にW1
に設定するのに対し、中央部に対応する部分25cの溝
幅が、第1実施の形態とは異なり、W1より小さいW2
に設定するようにしてもよい。
【0051】(第3実施の形態)図5及び図6によって
本発明の第3実施の形態を説明する。図5は取付治具2
0及び取付治具20上に固定されたハニカムコア10の
平面図、図6は図5のZ−Z線断面図である。
【0052】薄肉加工部Aの長手方向の長さが長い場合
には、これら図5及び図6に示すように、溝部26の長
手方向に沿って、溝幅がW1の広い部分と、溝幅W2の
狭い部分とを交互に設けるようにするとよい。
【0053】本実施の形態によると、溝部26の溝幅を
全体的に広げることなく、取付治具20に対するハニカ
ムコア10の接合力を高めることができる。ポリエチレ
ングリコールPの使用量を不要に増加させることなく、
例えば、第1実施の形態よりも強い接合力を発揮させる
ことができる。
【0054】上記各第1乃至第3実施の形態において
も、接合力を高めることが必要な部分の溝幅を広く設定
するようし、必要のない部分の溝幅は可及的狭くして、
使用するポリエチレングリコールPの量を減らすように
することが望ましい。
【0055】上記第1乃至第3実施の形態においては、
取付治具20にハニカムコア10を固定するための油脂
としてポリエチレングリコールPを使用した例を説明し
たが、本発明は、これとほぼ同等の作用をなすことを条
件に、ポリエチレングリコールP以外の他のものを使用
することも可能である。
【0056】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
更可能である。例えば、上記各実施の形態においては、
薄肉加工部Aの形状が楔状の場合について説明したが、
本発明は、これに限定されるものではなく、ハニカムコ
ア10の上面と下面とがほぼ平行ではあるが、その肉厚
が薄いために切削加工時に補強が必要な場合についても
適用することができる。
【0057】また、ハニカムコア10を切削加工する場
合、即ち各セルの平面視形状が六角形である場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、上面視形状が正方形や長方形、またコルゲ
ート状の芯材等についても適用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明した本発明のハニカムコアの切
削加工方法によると、取付治具の取付面のうちの、薄肉
加工部に対応する部分に、油脂を増量するために溝部を
設けて、取付面に対するハニカムコアの接合力を高める
ことにより、カッタによる切削加工中におけるセル壁の
倒れやバリに発生を防止することができる。
【0059】また、切削加工時のカッタの振動等によっ
て油脂が欠け落ちるのを防止し、カッタの切削トルクに
よってハニカムコアが取付治具から浮き上がるのが未然
に防止されて切削面の面精度が確保される。
【0060】また、以上説明した本発明によるハニカム
コア切削用取付治具によると、取付治具の取付面のうち
の、薄肉加工部に対応する部分に、油脂を増量するため
に溝部を設けて、取付面に対するハニカムコアの接合力
を高めることにより、カッタによる切削加工中における
セル壁の倒れやバリの発生を防止することができる。ま
た、切削加工時のカッタの振動によって油脂が欠け落ち
るのを防止し、カッタの切削トルク等によるハニカムコ
アが取付治具から浮き上がるのが防止されて切削面の面
精度が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハニカムコアの切削加工方法及び
ハニカムコア切削用取付治具の第1実施の形態を説明す
るハニカムコア及び取付治具の平面図である。
【図2】同じく、図1のX−X線矢視図である。
【図3】本発明によるハニカムコアの切削加工方法及び
ハニカムコア切削用取付治具の第2実施の形態を説明す
るハニカムコア及び取付治具の平面図である。
【図4】同じく、図3のY−Y線矢視図である。
【図5】本発明によるハニカムコアの切削加工方法及び
ハニカムコア切削用取付治具の第3実施の形態を説明す
るハニカムコア及び取付治具の平面図である。
【図6】同じく、図5のZ−Z線矢視図である。
【図7】従来のハニカムコアの切削方法による油脂の欠
け落ちやすい部分を説明する図であり、(a)はハニカ
ムコアの平面図、(b)はその縦断面図である。
【図8】ハニカムコアの使用状態を説明する縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ハニカムコア 20 取付治具 23 取付面 24、25、26 溝部 30 カッタ A 薄肉加工部 C 切削予定線 P ポリエチレングリコール(油脂) W1 広い溝幅 W2 狭い溝幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカムコアを載置すべく取付治具の上
    面に形成された取付面上に載置したハニカムコアの少な
    くとも下部を、加熱により液状とした油脂によって浸漬
    し、該油脂を硬化させて上記ハニカムコアを上記取付面
    上に固定した後、カッタにより切削加工を行うハニカム
    コアの切削加工方法において、 上記ハニカムコアのうち、肉厚を他の部分よりも薄く加
    工する部分を薄肉加工部とすると、 上記取付面のうちの上記薄肉加工部に対応する部分に、
    上記油脂を増量するための溝部を設けて、上記取付面に
    対する上記ハニカムコアの接合力を増加させて切削加工
    を行うことを特徴とするハニカムコアの切削加工方法。
  2. 【請求項2】 上記ハニカムコアの薄肉加工部は、該薄
    肉加工部の端縁が次第に肉厚が減少する鋭角であること
    を特徴とする請求項1に記載のハニカムコアの切削加工
    方法。
  3. 【請求項3】 ハニカムコアを載置するための取付面を
    有し、該取付面上に載置したハニカムコアの少なくとも
    下部を加熱により液状とした油脂によって浸漬し、該油
    脂を硬化させて上記ハニカムコアを上記取付面上に固定
    するハニカムコア切削用取付治具において、 上記ハニカムコアのうち、肉厚を他の部分よりも薄く加
    工する部分を薄肉加工部とすると、 上記取付面のうちの上記薄肉加工部に対応する部分に、
    上記油脂を増量するための溝部を設けたことを特徴とす
    るハニカムコア切削用取付治具。
  4. 【請求項4】 上記薄肉加工部を一方向に沿って長く形
    成する場合において、上記薄肉加工部の長手方向の両端
    部と中央部とに対応する部分における上記溝部の溝幅
    を、他の部分の溝幅よりも広く設定したことを特徴とす
    る請求項3に記載のハニカムコア切削用取付治具。
  5. 【請求項5】 上記薄肉加工部を一方向に沿って長く形
    成する場合において、上記薄肉加工部の長手方向の両端
    部に対応する部分における上記溝部の溝幅を、他の部分
    の溝幅よりも広く設定したことを特徴とする請求項3に
    記載のハニカムコア切削用取付治具。
  6. 【請求項6】 上記薄肉加工部を一方向に沿って長く形
    成する場合において、上記薄肉加工部の長手方向に沿っ
    て、上記溝部に溝幅の広い部分と狭い部分とを交互に配
    設したことを特徴とする請求項3に記載のハニカムコア
    切削用取付治具。
JP2000019985A 2000-01-28 2000-01-28 ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具 Expired - Fee Related JP4412792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019985A JP4412792B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019985A JP4412792B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001205526A true JP2001205526A (ja) 2001-07-31
JP4412792B2 JP4412792B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=18546611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000019985A Expired - Fee Related JP4412792B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4412792B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005131759A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Denso Corp 融解・凝固式組成物および融解・凝固式ワーク固定剤ならびにこれらの被覆体
JP2005139229A (ja) * 2003-11-04 2005-06-02 Denso Corp 融解・凝固式ワーク固定剤の製造方法
JP2007160488A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Denso Corp 機械加工物の製造方法
CN114227380A (zh) * 2021-12-10 2022-03-25 国营芜湖机械厂 一种防损伤的蜂窝材料加工方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110757536B (zh) * 2019-10-28 2021-02-02 苏师大半导体材料与设备研究院(邳州)有限公司 一种板材切割装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005131759A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Denso Corp 融解・凝固式組成物および融解・凝固式ワーク固定剤ならびにこれらの被覆体
JP2005139229A (ja) * 2003-11-04 2005-06-02 Denso Corp 融解・凝固式ワーク固定剤の製造方法
JP2007160488A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Denso Corp 機械加工物の製造方法
CN114227380A (zh) * 2021-12-10 2022-03-25 国营芜湖机械厂 一种防损伤的蜂窝材料加工方法
CN114227380B (zh) * 2021-12-10 2023-10-20 国营芜湖机械厂 一种防损伤的蜂窝材料加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4412792B2 (ja) 2010-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6358206B2 (ja) 金属部材の製造方法
US7156276B2 (en) Apparatus and system for welding preforms and associated method
JP2005001374A (ja) 充填材入りハニカムのエンドギャップ
CA2387577C (en) Method of producing support pillars
JP2001205526A (ja) ハニカムコアの切削加工方法及びハニカムコア切削用取付治具
US10823246B2 (en) Precision optical tabletop
KR101486115B1 (ko) 잉곳 슬라이싱용 프렛바, 그 프렛바를 첩착한 잉곳, 및 그 프렛바를 사용한 잉곳의 절단 방법
JP2000301365A (ja) 構造体の製作方法および構造体
JPH03251329A (ja) ハニカムコアの切削加工方法
US20210008758A1 (en) Mold device for molding a waffle slab and method of manufacturing a waffle slab having chamfers
JP4033143B2 (ja) パネル成形方法及び成形装置
US20140000079A1 (en) Manufacturing methods and systems using sacrificial structure preforms
JP7473714B2 (ja) 構造部材及び構造部材の製造方法
JPH07301695A (ja) 断層撮影用コリメータの製造方法
US3211601A (en) Cored structural panel
JPS61159341A (ja) ホ−ニングを有する多角形状のスロ−アウエイチツプの製造方法
JP2579503B2 (ja) ハニカムコア
JP5361009B2 (ja) パネル材、航空機の主翼、パネル材の形成方法
JP7239396B2 (ja) 面材、入隅構造、入隅の作製方法及び面取りの形成方法
JP2007065795A (ja) 加工経路作成方法
JPS6065738A (ja) 板ガラスの切断方法
JPH10172861A (ja) セラミック電子部品の製造方法およびセラミックブロックのカット方法
JP2512631B2 (ja) 外周補強部材を備えた半導体ウェハ、その製造方法及び装置
KR910002572A (ko) 중공의 화강암 박스빔
AU771131B2 (en) Method of producing support pillars

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees