JP4033143B2 - パネル成形方法及び成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パネル成形方法及び成形装置に係り、更に詳しくは、主として、木質系のエレメントを積層してなるパネルに関し、簡単な手法により薄肉部と厚肉部とを一体に備えたパネルの成形方法及び成形装置に関する。
従来より、建築用のパネルとしては、中空構造をなすタイプのものが利用されており、このようなパネルとして、例えば、図13や図14に示されるタイプのものが知られている。
図13のパネル50は、上下一対の板部材51,51と、これら板部材51,51の間に位置するとともに、板部材51,51の図中左右の二辺に沿って位置する角柱状のフレーム52,52と、当該フレーム52,52の内側に配置されるとともに、フレーム52,52より薄肉となる横断面略波状に形成された芯材53とを備えて構成されている。
このパネル50を製造する場合、先ず、板部材51,51の二辺に対応する長さにフレーム52,52を切断する一方、所定の型装置を用いて芯材53をプレス成形し、この成形後に芯材53を前記フレーム52,52の内側に収まるようにトリミングする。その後、フレーム51,51及び芯材52に接着剤を塗布し、これらを位置決めしつつ板部材51,51により挟み込んでプレス圧を付与することによりパネル50が完成する。
ここで、芯材53を成形する型装置は、キャビティを有する下型及び上型を含み、下型のキャビティ内に成形材料を投入した後、上型を用いて閉型してプレス圧を付与することにより、芯材53が成形される。この際、芯材53は、前記波状に形成される部分の外側に、その部分より厚肉となる部分が連なって成形され、当該厚肉の部分がトリミングされた状態でフレーム52,52の内側に配置される。
また、図14のパネル55は、図13のパネル50と略同形状を呈するように一体成形されたものである。この成形は、型装置において複数の中子を用いてパネル55の中空部56を形成するようになっている(特許文献1参照)。
特開2003−172020号公報
しかしながら、図13のパネル50の成形方法にあっては、複数本のフレーム52,52と芯材53とを用いるため、部品点数が増大するばかりでなく、それらを切断する手間が不可避的となる。しかも、切断によって材料の歩留まりが低下し、コスト的な負担が大きくなるという不都合を招来する。
ここで、芯材53を成形する際、成形材料の単位面積当たりの投入量は、通常、下型内で平均になるように投入されるため、前記厚肉に形成される部分は、波状に形成された部分より成形材料が低密度となって剛性が十分に得られず、フレーム52のように用いることはできない。
また、図14のパネル55の成形方法にあっては、中子を用いるために型装置の構造が複雑となる他、脱型時にパネル55から中子を引き抜くための作業が必要となり、これによっても、製造コストの高騰化を招くという不都合がある。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、厚肉部の密度及び剛性を高め、成形材料の歩留まりを向上させつつ、製造工程の簡略化を図ることができるパネルの成形方法及び成形装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段を用い、
前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、所定の材料投入調整手段を介してキャビティの波形をなす薄肉部形成領域に対して当該薄肉部形成領域の左右両側に位置する厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型する、という方法が採用されている。
また、本発明は、下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
前記キャビティの厚肉部形成領域の外側に形成されたガイド面部を備えた材料投入調整手段と、前記ガイド面部と上下に重なる平面積であって前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段を用い、
前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、前記材料投入調整手段のガイド面部の上方に投入された成形材料を厚肉部形成領域に流入させてキャビティの薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型する、という方法が採用されている。
更に、下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段と、一時保持手段を構成するとともに、成形材料を保持する有底容器状の保持部材を備えた材料調整手段とを用い、前記保持部材は、キャビティの厚肉部形成領域に相対する領域の底面部が薄肉部形成領域に相対する領域の底面部より深く形成され、
前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、前記材料投入調整手段を介してキャビティの薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型する、という方法が採用されている。
本発明において、前記パネルは、横断面略波形を有する略方形をなし、相対する二辺領域が前記厚肉部として形成されるとよい。
また、前記下型には圧力付与手段が設けられ、この圧力付与手段は、厚肉部形成領域に投入された成形材料に、前記プレス圧と異なる方向のプレス圧を付与すことが好ましい。
更に、前記成形材料は、一定の厚さ若しくは幅に形成されて前記厚肉部形成領域に対応する位置に投入されるバックアップ材を含むとよい
更に、本発明の成形装置は、薄肉部及び厚肉部を有するパネルの形状に対応する形状を備えたキャビティを含む型装置と、前記パネルを成形するための成形材料を一時的に保持する一時保持手段とを備えた成形装置であって、
前記型装置は、閉型したときに所定のプレス圧を付与する下型及び上型を含み、これら下型及び上型の間に、厚肉部形成領域及び薄肉部形成領域を有する前記キャビティが形成され、
記下型は、厚肉部形成領域の外側に形成されたガイド面部を有する材料投入調整手段を備え、この材料投入調整手段は、前記ガイド面部と上下に重なる平面積であって下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えた一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、ガイド面部の上方に投入された成形材料を厚肉部形成領域に流入させ、薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入可能に設けられる、という構成を採っている。
また、本発明の成形装置は、薄肉部及び厚肉部を有するパネルの形状に対応する形状を備えたキャビティを含む型装置と、前記パネルを成形するための成形材料を一時的に保持する一時保持手段とを備えた成形装置であって、
前記型装置は、閉型したときに所定のプレス圧を付与する下型及び上型を含み、これら下型及び上型の間に、厚肉部形成領域及び薄肉部形成領域を有する前記キャビティが形成され、
前記一時保持手段は、下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を保持する有底容器状の保持部材を含み、この保持部材は、厚肉部形成領域に相対する領域の底面部が薄肉部形成領域に相対する領域の底面部より深く形成され、成形材料を下型に投入するに際し、薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入可能に設けられる、という構成を採っている。
本発明によれば、厚肉部の成形材料の密度を高めることができ、薄肉部を形成しつつ厚肉部の剛性が確保されるパネルを簡単に一体成形することが可能となる。
従って、薄肉部を横断面略波形の略方形に形成し、且つ、薄肉部の相対する二辺を厚肉部とすれば、従来パネルにおけるフレームと芯材と一体化した状態で用いることができる。これにより、材料の歩留まりを向上させることができる他、部品点数の削減を通じてパネルの形成作業の省力化と製造コストの低廉化を達成することが可能となる。
また、厚肉部形成領域の外側にガイド面部を形成した場合、一時保持手段から下型に向かって材料を投入するだけで、厚肉部形成領域における単位面積当たりの成形材料を簡単に多くすることが可能となる。
更に、材料投入調整手段は前述のような保持部材を備えているので、当該保持部材に成形材料を保持させた後でフォーミングすることにより、保持部材の薄肉部形成領域に相対する領域に対して厚肉部形成領域に相対する領域に成形材料が単位面積当たり多く保持されるようになる。これにより、一時保持手段から成形材料を投入することによって、厚肉部形成領域における単位面積当たりの成形材料を多く設定することができる。
また、前述のような圧力付与手段を用いれば、下型のキャビティ内に成形材料を投入した後、厚肉部における成形材料の密度を高め、厚肉部に剛性を付与することができる。
更に、厚肉部形成領域に対応する位置にバックアップ材を投入することによっても、厚肉部の剛性を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1ないし図3には、第1の実施形態に係る成形装置の概略横断面図が示されている。本実施形態の成形装置10により成形されるパネルPは、図4及び図5に示されるように、平面視略方形状をなし、横断面形状が略波状に形成される薄肉部P1と、当該薄肉部P1も相対する二辺(図3中左右の各辺)に連なるとともに、薄肉部P1より厚肉とされて角柱状に延びる厚肉部P2とを備えて構成される。
ここで、特に限定されるものでないが、前記薄肉部P1の厚さ若しくは幅t1は、約2〜5mmに設定されている一方、厚肉部P2の厚さ若しくは幅t2は、約12〜30mmに設定されている。
なお、薄肉部P1における前記波の形成数(ピッチ数)は、図示構成例に限定されるものでなく、パネルPの平面サイズに応じて適宜増減される。
前記成形装置10は、パネルPの形状に対応する形状を備えたキャビティ11を有する型装置12と、パネルPを成形するための成形材料Mを一時的に保持し、キャビティ11内に成形材料Mを投入する一時保持手段13とを備えて構成されている。
ここで、成形材料Mとしては、固形物の粉やチップ等が考えられるが、建築材料として、木質ストランド、ウェーハー、木粉、チップ、パーティクル、木質繊維、合成繊維等や、それらを組み合わせたものにバインダーを付着させたものが用いられる。バインダーは、発泡性バインダー、非発泡性バインダー及びこれらの混合物の何れも採用することができる。
前記型装置12は、下型1及び上型1を含み、これら下型1及び上型1の間に前記キャビティ11が形成されている。キャビティ11は、図3中左右両側が厚肉部形成領域18,18とされ、これらの間に位置する波形をなす領域が薄肉部形成領域19とされる。下型1は、上面側においてキャビティ11を形成する底部21と、この底部21の左右両側から起立するとともに、上型1の左右幅と略同一の離間距離を隔てて位置する一対の側部22,22と、前記各厚肉部形成領域18,18の外側すなわち各側部22,22の上部にそれぞれ連設された材料投入調整手段としてのガイド面部23,23とを備えて構成されている。
前記各ガイド面部23,23は、キャビティ11に向かって次第に下降する傾斜面とされ。各ガイド面部23,23の上方に投入された成形材料Mは、下型1の厚肉部形成領域18内に流入されるようになっている。
前記一時保持手段13は、下型1の略真上において成形材料Mを保持する保持部材25を備えて構成されている。この保持部材25は、下型1のキャビティ11より大きい平面積、すなわち、左右両側が各ガイド面部23,23と上下に重なる平面積を備えた底面部26と、この底面部26の左右両側から起立する起立面部27,27とを備えている。保持部材25は、駆動装置(図示省略)を介して図1中紙面直交方向に瞬間的に移動可能に設けられ、当該移動によって下型1のキャビティ11の上方から退避すると同時に、下型1のキャビティ11内及び各ガイド面部23に成形材料Mを投入するようになっている。
ここで、図1に示されるように、一時保持手段13と下型1との間には一対の仕切部材28,28が設けられている。各仕切部材28,28は、厚肉部形成領域18,18と薄肉部形成領域19との間で略鉛直方向に向けられた板状部材により構成される。各仕切部材28,28は、下型1の厚肉部形成領域18に投入される成形材料Mが薄肉部形成領域19側に流れ込まないように作用する。
次に、前記成形装置10によるパネルPの成形方法について説明する。
先ず、保持部材25の内部に成形材料Mを投入した後、保持部材25を振動させ、成形材料Mが略一定の高さ(図1参照)となるようにフォーミングを行う。
次いで、保持部材25を図1中紙面直交方向に移動して下型1の上方から退避させることにより、成形材料Mが略真下に向かって落ち、下型1のキャビティ11内に投入される。
この際、保持部材25によって各ガイド面部23,23の上方にも成形材料Mが投入され、当該成形材料Mは、ガイド面部23,23に沿って流れて下型1の厚肉部形成領域18内に投入される。
これにより、投入された成形材料Mは、図2に示されるように、下型1の厚肉部形成領域18に投入された成形材料Mの高さh1が、薄肉部形成領域19の成形材料Mの高さh2より高くなり、下型1の薄肉部形成領域19に対して厚肉部形成領域18に成形材料Mが単位面積当たり多く投入されることとなる。
その後、仕切部材28,28を下型1及び上型1の間から退避し、図3に示されるように、下型1及び上型1を閉型して成形材料Mに所定のプレス圧を付与する。この状態で、下型1を所定温度により所定時間加熱した後、下型1及び上型1を脱型することにより、図4に示されるような薄肉部P1及び厚肉部P2が一体となるパネルPが成形される。
なお、前記パネルPを建築用のパネル材Z(図4及び図5参照)として用いる場合、パネルPをサンドイッチするように板部材Z1,Z1(図3,4中二点鎖線で示す)を適宜な接着剤を介して接着する。これにより、各板部材Z1,Z1と薄肉部P1との間に中空部Z2が形成され、中空構造をなすパネル材Zが形成される。
従って、このような第1の実施形態によれば、厚肉部P2における成形材料Mの密度を高め、その剛性を向上させることができる。これにより、前記板部材Z1,Z1を用いて中空構造のパネル材Zを形成する場合、厚肉部P2によってパネル材Zの端部側を補強することが可能となる。
また、板部材Z1,Z1と略同一平面サイズとなるようにパネルPを成形した場合、パネルPを切断する手間を省略でき、且つ、成形材料Mの歩留まりを良好にすることができる。
次に、本発明の第1実施形態以外の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同一若しくは同等の構成部分については必要に応じて同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
[第2実施形態]
図6には、本発明の第2実施形態に係る成形装置10の一部横断面図が示されている。この第2実施形態は、保持部材25の底面部26に一対の段部31,31を設けたものである。
各段部31,31は、厚肉部形成領域18,18と薄肉部形成領域19との境界位置にそれぞれ設けられ、下型1の厚肉部形成領域18,18に相対する領域の底面部26が薄肉部形成領域19に相対する領域の底面部26より深く形成される。ここにおいて、保持部材25により材料投入調整手段が構成される。
また、保持部材25の各起立部27,27の上部には、反転末広がり状をなす傾斜面部
32,32が設けられている。
従って、このような第2実施形態によれば、保持部材25を介して成形材料Mをフォーミングすると、厚肉部形成領域18,18に相対する底面部26上の成形材料Mの高さh3が、薄肉部形成領域19に相対する底面部26上の成形材料Mの高さh4より高くなる。従って、保持部材25により下型1のキャビティ11内に投入された成形材料Mは、図2と同様の状態となり、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第3実施形態]
図7(A)及び(B)には、本発明の第3実施形態に係る型装置12の部分拡大図が示されている。この第3実施形態は、型装置12に材料投入調整手段を構成する圧力付与手段34を設け、この圧力付与手段34により、下型1と上型1の閉型時に、厚肉部形成領域18内の成形材料Mに厚肉部P2の端面側から横方向にプレス圧を付与するものである。
この圧力付与手段34は、下型1の厚肉部形成領域18の外側に設けられて図7中左右方向に延びる溝35と、この溝35に沿って移動可能に設けられるとともに、上面が傾斜面36Aとされるスライド部材36と、溝35内に設けられてスライド部材36の下部に連結されるとともに、スライド部材36を右方向に付勢するばね部材38と、上型1の下面側に形成され、スライド部材36の上面に面接触する案内面部39とを備えて構成されている。
この圧力付与手段34によれば、下型1のキャビティ11内に成形材料Mを投入した後、下型1及び上型1を閉型させるときに、これらが接近するに従って、スライド部材36がばね部材の付勢力に抗して左方向に移動する(図7(B)参照)。すなわち、スライド部材36の傾斜面36Aが案内面部39を滑りながら厚肉部形成領域18内の成形材料Mに横方向からプレス圧を付与するようになっている。
なお、下型1及び上型1を脱型すると、ばね部材38によってスライド部材36が右方向に移動して初期位置に復帰する。
従って、このような第3実施形態によっても、厚肉部P2における成形材料Mの密度を高めることが可能となる。
[第4実施形態]
図8及び図9には、本発明の第4実施形態に係る成形装置10の一部が示されている。この第4実施形態では、成型材料Mが棒状をなすバックアップ材M1を含んでいる。このバックアップ材M1は、図8中紙面直交方向に延びるとともに、成形されたパネルPの厚肉部P2より薄肉となるように形成されている。第4実施形態の保持部材25は、第2実施形態と同様に構成され、下型1の厚肉部形成領域18,18に相対する領域の底面部26上にバックアップ材M1がそれぞれ配置される。
従って、バックアップ材M1を含む成形材料Mをキャビティ11内に投入し、下型1及び上型1によりプレス圧を付与すると、木質繊維等に付着したバインダーにより、プレスされた木質繊維等とバックアップ材M1とを一体に成形でき(図9参照)、当該バックアップ材M1によって厚肉部P2の剛性を高めることが可能となる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
例えば、前記型装置12に複数のキャビティ11を設ける構成としてもよく、この構成としては、図10(A)〜(C)に示される構成が例示できる。同図において、型装置12は、左右に二つのキャビティ11,11を備えており、各キャビティ11の厚肉部形成領域18の外側にガイド面部23がそれぞれ形成される。また、保持装置25は、二つのキャビティ11,11を跨るように形成されている。
また、前記厚肉部P2の厚さ若しくは幅t2は、薄肉部P1の厚さ若しくは幅t1に比べて大きく設定される限りにおいて、種々の設計変更が可能である。例えば、図11及び図12に示されるように、前記各実施形態より厚肉部P2を薄くし、板部材Z1,Z1を用いてサンドイッチ構造とするときに、厚肉部P2と板部材Z1との間にフレームZ3を接着してもよい。この構成によっても、従来構造(図13)に比べてフレームZ3を薄くし、当該フレームZ3の使用量を抑制することができる。
更に、前記パネルPは、板部材Z1,Z1によりサンドイッチすることなく各種の建築用のパネルとして利用してもよく、また、薄肉部P1の形状は、略フラットな形状にする等、種々の変更が可能である。
本発明は、主に、二重床や壁、天井等の建築用のパネルを成形する方法として利用することができる。
第1の実施形態に係る成形装置の成形前の概略横断面図。 キャビティ内に成形材料を投入した後の図1と同様の断面図。 前記成形材料にプレス圧を付与した状態の図1と同様の断面図。 成形されたパネルの横断面図。 前記パネルの概略斜視図。 第2実施形態に係る成形装置の一部横断面図。 (A)及び(B)は、第3実施形態に係る型装置の部分拡大図。 第4実施形態に係る図6と同様の断面図。 第4実施形態に係る図3と同様の断面図。 (A)〜(C)は、変形例に係る成形装置の図1〜図3と同様の断面図。 他の変形例に係るパネルの横断面図。 更に他の変形例に係るパネルの横断面図。 従来例に係るパネルの横断面図。 他の従来例に係るパネルの横断面図。
符号の説明
10・・・成形装置、11・・・キャビティ、12・・・型装置、13・・・一時保持
手段、15・・・型、16・・・型、18・・・厚肉部形成領域、19・・・薄抜く
部形成領域、23・・・ガイド面(材料投入調整手段)、25・・・保持部材(材料投入
調整手段)、26・・・底面部、34・・・圧力付与手段(材料投入調整手段)、P・・
・パネル、P1・・・薄肉部、P2・・・厚肉部

Claims (8)

  1. 下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
    前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段を用い、
    前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、所定の材料投入調整手段を介してキャビティの波形をなす薄肉部形成領域に対して当該薄肉部形成領域の左右両側に位置する厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
    次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型することを特徴とするパネル成形方法。
  2. 下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
    前記キャビティの厚肉部形成領域の外側に形成されたガイド面部を備えた材料投入調整手段と、前記ガイド面部と上下に重なる平面積であって前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段を用い、
    前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、前記材料投入調整手段のガイド面部の上方に投入された成形材料を厚肉部形成領域に流入させてキャビティの薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
    次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型しことを特徴とするパネル成形方法。
  3. 下型と上型とを含む型装置のキャビティに成形材料を投入して、薄肉部及び厚肉部を有するパネルを成形する方法であって、
    前記下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を一時的に保持する一時保持手段と、一時保持手段を構成するとともに、成形材料を保持する有底容器状の保持部材を備えた材料調整手段とを用い、前記保持部材は、キャビティの厚肉部形成領域に相対する領域の底面部が薄肉部形成領域に相対する領域の底面部より深く形成され、
    前記一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、前記材料投入調整手段を介してキャビティの薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入し、
    次いで、閉型して所定のプレス圧を付与した後、脱型しことを特徴とするパネル成形方法。
  4. 前記パネルは、横断面略波形を有する略方形をなし、相対する二辺領域が前記厚肉部として形成されることを特徴とする請求項1,2又は3記載のパネル成形方法。
  5. 前記下型には圧力付与手段が設けられ、この圧力付与手段は、厚肉部形成領域に投入された成形材料に、前記プレス圧と異なる方向のプレス圧を付与することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のパネル成形方法。
  6. 前記成形材料は、一定の厚さ若しくは幅に形成されて前記厚肉部形成領域に対応する位置に投入されるバックアップ材を含むことを特徴とする請求項1又は3記載のパネル成形方法。
  7. 薄肉部及び厚肉部を有するパネルの形状に対応する形状を備えたキャビティを含む型装置と、前記パネルを成形するための成形材料を一時的に保持する一時保持手段とを備えた成形装置であって、
    前記型装置は、閉型したときに所定のプレス圧を付与する下型及び上型を含み、これら下型及び上型の間に、厚肉部形成領域及び薄肉部形成領域を有する前記キャビティが形成され、
    記下型は、厚肉部形成領域の外側に形成されたガイド面部を有する材料投入調整手段を備え、この材料投入調整手段は、前記ガイド面部と上下に重なる平面積であって下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えた一時保持手段から成形材料を下型に投入するに際し、ガイド面部の上方に投入された成形材料を厚肉部形成領域に流入させ、薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入可能に設けられていることを特徴とする成形装置。
  8. 薄肉部及び厚肉部を有するパネルの形状に対応する形状を備えたキャビティを含む型装置と、前記パネルを成形するための成形材料を一時的に保持する一時保持手段とを備えた成形装置であって、
    前記型装置は、閉型したときに所定のプレス圧を付与する下型及び上型を含み、これら下型及び上型の間に、厚肉部形成領域及び薄肉部形成領域を有する前記キャビティが形成され、
    前記一時保持手段は、下型のキャビティ平面積以上の平面積を備えて成形材料を保持する有底容器状の保持部材を含み、この保持部材は、厚肉部形成領域に相対する領域の底面部が薄肉部形成領域に相対する領域の底面部より深く形成され、成形材料を下型に投入するに際し、薄肉部形成領域に対して厚肉部形成領域に成形材料を単位面積当たり多く投入可能に設けられていることを特徴とする成形装置。
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