JP2001205397A - ビーム・ブランク及びその鋳造方法 - Google Patents

ビーム・ブランク及びその鋳造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に芯部欠陥が無く均質緻密な組織を持ち、
且つ後続の成形圧延に望ましい形状の、型鋼のニア・ネ
ット・シェイプ材料であるビーム・ブランクを連続鋳造
する。 【解決手段】ウェブ相当部とフランジ相当部の2次冷却
強度に差をつけて殻厚を変え、ウェブ15/フランジ1
7肉厚比を自在に変更し、垂直、水平の4面プレスによ
って圧接、成形するが、ブランクの寸法仕様に対応し
て、1)鋳型寸法を鋳片実断面積がブランク断面積/圧
下比となるよう設定し、2)垂直金型幅をウェブ内寸仕
様に合致させ、3)垂直金型にフランジ17幅仕様に一
致するカラー18を設け、ウェブ部、フランジ部とも同
一圧下比で円滑に延伸させることにより自在の寸法のビ
ーム・ブランクを製造する。長方形断面の中空鋳片8を
水平、垂直の2方向の圧力によってH型等の中実ビーム
・ブランク#を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は形鋼のニア・ネット・シ
ェイプ材料であるビーム・ブランクを連続鋳造する方法
に関し、特に芯部欠陥が無く均質緻密な組織を持ち、且
つ後続の成形圧延に望ましい形状のビーム・ブランクを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 H型、I型等の形鋼は通常、素材とし
て連続鋳造された長方形断面の鋼片を使用し熱間圧延に
よって製造されている。一部では連続鋳造により鋼片よ
り断面積が小さく、且つH型、I型に近い形状のビーム
・ブランクを製造し、圧延に供されている。
【0003】上記鋳造ビーム・ブランクにより鋼片のブ
レイク・ダウン工程が省略されるという効果が得られ
る。他方、特異な断面形状の故に表面割れ、内部割れ、
中心偏析などの品質問題やブレイクアウト等の操業問題
の克服が困難で、結果的に鋳込速度が上げられていな
い。その上断面積も相対的に小さいので鋳造能率は高々
60t/h程度である。スラブ状鋼片の80〜160t
/hに比較して不利という問題がある。鋳造の困難性か
らブランクの肉厚も通常90mm以上であってこれが当
該方法のニア・ネット・シェイピングの限度になってい
る。
【0004】ビーム・ブランクをより有利に鋳造する一
方法が特開平8−39219に提示されている。該方法
は一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、鋳型断面形状
を長方形とし、鋳片引抜軌跡を3/4円周までは同一曲
率円弧、以後は水平とし、鋳片内部の溶融芯を1/2円
周を越えて鋳込み面から約1.4m高い位置まで保持し
該位置で重力により鋳片凝固殻から分離して真空の中空
鋳片を形成し、その後孔型圧延機又はユニバーサル・ミ
ルを使用して中実のH型、I型等のビーム・ブランクへ
圧接成形するものである。本方法には複数の効果があ
る。凝固終点が存在しないので中心偏析、収縮孔、多孔
質等の芯部欠陥が解消され、高品質形鋼の条件である超
音波欠陥が回避される。鋳造能率の飛躍的向上、100
〜150t/hも可能である。鋳造ビーム・ブランクよ
り薄肉にする方法も開示されている。
【0005】他方、本方法によるとブランクの肉厚はウ
ェブとフランジでほぼ同等になる。なぜなら鋳片殻厚は
断面内でほぼ均一であり、圧接圧延においても圧下比は
ウェブとフランジで基本的に差をつけることができない
からである。もし圧下比に差をつけると、延伸に差が生
じて正常な形状が得にくくなる。例えばウェブを相対的
を薄くするため大きく圧下するとその分延伸しようとす
るが、小さい圧下のフランジ部が追随できずウェブが波
打つ。ウェブ肉厚が大きい場合はフランジ部はある程度
追随できるがその分フランジ幅が減少する。従って所望
の形状、寸法、肉厚分布は得にくい。
【0006】製品形鋼は通常ウェブとフランジで厚さが
異なる。製品寸法仕様によっては等厚ブランクより不等
厚の方が使い易い。前項の等厚ブランクは鋳造ブランク
と比較して肉厚は小さくでき、肉厚の調整もできるが不
等厚化まではできず形鋼への成形圧延工程にまだ煩雑さ
が残る。
【0007】他の弱点としてビーム・ブランクの形状、
寸法に対応して鋳型の変更、2次冷却装置の交換、ロー
ルの孔型もしくユニバーサル・ミルの水平ロール幅の変
更即ちロールの交換等をしなければならない。これは設
備上の負担と操業効率の低下をもたらし従来の鋳造ビー
ム・ブランクと同様問題が残る。
【0008】特開平8−281301にはブルーム連続
鋳造ラインの未凝固部を保有する部位にユニバーサル・
ミルを付設し、未凝固部の幅と圧下量を調整することに
よりフランジ幅を自在に造り分けるビーム・ブランク連
続鋳造方法が提示されている。本方法によるとフランジ
幅は確かに調節でき、且つ水平ロール幅の変更によりウ
ェブ幅を造り分けることも可能と読みとれる。問題はフ
ランジ幅設定が前提となりウェブ厚、フランジ厚とも自
在には設定できず結果的にある特定の値をとる。場合に
より所望とは逆にフランジ厚がウェブ厚よりかなり小さ
くなることもある。ブランクの製造までは合理化できて
も、ブランクから形鋼までの成形圧延の煩雑性は改善さ
れにくい。
【0009】特開平11−77247には多種類のビー
ム・ブランクを効率的に鋳造する方法が提示されてい
る。本方法では連続鋳造ラインに鍛造装置が設置され、
内部が未凝固状態の鋳片が四方から圧下されてビーム・
ブランクに形成される。製造するブランクの寸法、形状
の変更に対応して鋳型寸法の調節(長方形鋳型の周長変
更)、圧下金型幅の調節、圧下量の調節等がなされる。
【0010】本発明によると多種類の形状のビーム・ブ
ランクが効率的に造り分けられ能率向上、歩留り向上が
得られる。ウェブとフランジ間の不等厚化の意義とその
実施方法には全く言及されていないが原理的に等厚にな
る。そのように想定されている。従って既述した問題が
残っている。また変形と成形の挙動については一見特開
平8−39219と類似しているが、詳細に述べられて
いるように圧接成形ではなく、凝固殼の曲げ成形であ
り、従って溶融芯が若干残存した溶着となっている。こ
こから二つの問題が発生する。
【0011】第1に溶融芯のある凝固殼内面は1%前後
の引張り歪みにより割れが発生することは周知である。
割れ目には固液界面の濃化溶液が浸透し割れ目偏析とな
る。溶融芯を持つ鋳片の加工は常にこの危険性を伴って
いる。本方法では圧下に際してウェブとフランジの境界
部の殻内面や長方形鋳片コーナー部の殻内面は必ず大き
な引張りを受け割れが発生し易い。割れの一部は後続の
圧延工程で圧接・消滅するが、一部は残存して超音波欠
陥をもたらす。
【0012】第2の問題は既述のように基本的に等厚ブ
ランクとなる。不等厚化するため水平方向の圧下比と垂
直方向のそれを変えると以下の問題が生ずる。即ち未凝
固鋳片の大圧下は条件次第で中心領域は正偏析にも負偏
析にもなり、最適条件の範囲は狭いことはよく知られて
いる。圧下に伴う未凝固部の融液の絞り出し量は必然的
に両部分で異なり偏析が発生するとともに、半端な絞り
出しによる異常組織の発生の危険性がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は以上に述べ
たような代表的な従来方法の問題をまとめて改善しよう
とする。具体的には1)必要最小の鍛錬比で且つ最適ウ
ェブ/フランジ肉厚比、ニア・ネット・シェイプにより
近づけること、2)鋳造能率を従来方法の最良水準とす
ること、3)材料内部品質を従来方法の最良水準とする
こと、4)多様な寸法、形状への効率的対応を従来方法
の最良水準とすること等を課題とする。ここで必要最小
鍛錬比は一義的には決定されない。実用上の問題、製鋼
上の問題が絡むからである。同様に最適形状、最適肉厚
比についても一義的には決まらず、当該工場の製品構成
や設備の性能が絡む。しかしそれぞれにとって最適とし
た値に容易に対応できることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
め発明者は従来方法の長所を踏襲するとともに短所を排
除し、且つ新規の工夫を加えて以下の発明をなした。そ
の骨格は鋳造能率と内部品質の解決に対しては特開平8
−39219の方法を踏襲する。多様な寸法・形状への
効率的対応に対しては特開平11−77247の方法を
参考・応用する。必要最小の鍛錬比で且つ適切なウェブ
/フランジ肉厚比のニア・ネット・シェイプに対しては
特開平8−39219の理論と方法を参考にしつつ新規
工夫−−横断面内不均等殻厚を持つ中空鋳片のH型への
圧接成形−−によっている。
【0015】第1の発明は一種の湾曲式の連続鋳造方法
であって、鋳型断面形状をほぼ長方形とし、鋳片引抜軌
跡を3/4円周までは同一曲率円弧とし以後は水平と
し、鋳片内部の溶融芯を1/2円周を越えて鋳込み面か
ら約1.4m高い位置まで保持し該位置で重力により鋳
片凝固殼から分離して中空鋳片を形成し、その後水平部
位で水平、垂直の4方向から圧接加工を加えて中実ビー
ム・ブランクとする連続鋳造方法において、ビーム・ブ
ランクのウェブに相当する鋳片の長辺中央部とフランジ
に相当する鋳片外周の残りの部分とで個別に2次冷却強
度を設定して該両部分の殼厚を個別に加減することによ
りウェブ厚とフランジ厚の比を0.7〜1 5とするこ
とを特徴とするビーム・ブランクの連続鋳造方法であ
る。
【0016】上記発明において、中空材から中実材への
圧接に際してはビーム・ブランクのウェブに相当する鋳
片の長辺中央部とフランジに相当する鋳片外周の残りの
部分とでほぼ同等の圧下比(=圧接後厚さ/圧接前実質
厚さ)とすることが望ましい。また同様に圧接方法とし
て垂直及び水平方向の同時圧下の4面プレスを使用する
ことが望ましい。ここで”圧接前実質厚さ”とは圧接さ
れる2枚の殻の厚さの和である。
【0017】多様な寸法・形状への効率的対応に対して
は、ビーム・ブランクの各部分の肉厚仕様に対応して当
該部分の鋳片殼厚をブランク肉厚/2/設定圧下比hに
従って決定し、ビーム・ブランクの形状、寸法仕様に対
応して鋳片実断面積がビーム・ブランクの断面積/該設
定圧下比に等しくなるよう鋳片短辺幅は一定のまま長辺
幅を決定することが望ましい。ここで、設定圧下比hは
0.70以上、0.95以下の適切な値を採用する。
【0018】上記の方法によって製造され、ビーム・ブ
ランクのウェブ厚とフランジ厚の比が製品形鋼のウェブ
厚とフランジ厚の比の±10%の範囲にあることを特徴
としたビーム・ブランクを素材とする形鋼は課題を解決
した成果となる。
【0019】
【発明の実施の形態】 図1は本発明を実施する連続鋳
造機の概要を示す。タンディシュ1の中の溶鋼2をほぼ
長方形断面の鋳型3に鋳込み、鋳片4の外皮を形成す
る。該鋳型3から引き抜かれた該鋳片4を2次冷却装置
5貫通させつつスプレイ6により冷却し凝固を進行させ
る。その際、2次冷却装置5の全域にわたって、鋳片4
の表面の長辺中央部であってその幅が製造しようとする
ビーム・ブランクのウェブ内側寸法に等しい帯域とその
他の部分とでスプレイ冷却強度を個別に設定し、鋳片殻
厚を個別に加減する。溶融芯7を保有する鋳片4を1/
2円周を通過して、鋳込面より約1.4m高い位置Q点
(これは大気圧に相当する溶鋼のヘッド)まで引き抜く
と、該溶融芯7は凝固殼内面から分離し、中空鋳片8が
形成される。該中空鋳片8を3/4周点で伸直ロール9
により伸直して水平に引き抜く。次に水平、垂直の2対
の金型を持つ4面プレス10により該中空鋳片8の4面
を同時に圧下して鋳片内面を互いに圧接せしめ中実化さ
せると同時にH型等に成形して中実ビーム・ブランク1
1とする。
【0020】H型への変形の様相を図2によって説明す
る。中空鋳片8の断面形状に関して、長片中央部は殻厚
dwの薄肉部12を形成し、残りの厚肉部13の殻厚d
fはdwに対して所定の比率、例えば1.4倍に予め制
御されている。既述のように薄肉部12の長さLはブラ
ンクのウェブ内寸仕様と等しくしてある。垂直金型14
により薄肉部12を圧下する際、該金型幅はウェブ内寸
仕様と等しくしてあるので薄肉部12はウェブ15を構
成し、その幅Wiは垂直金型14の幅Dwに、即ちウェ
ブ内寸仕様になる。同時に垂直金型14と同期して水平
金型16が鋳片両側部を圧下し、厚肉部13の全体が湾
曲しつつ垂直金型14の側面をアンビルにして2枚重ね
になって圧接され、フランジ17に形成される。垂直、
水平とも相対する両金型の接近に伴い凝固殻内面が互い
に接触した後圧接と正味の圧下が進行する。垂直金型1
4の側面にはフランジ幅を規定するカラー18が設けて
あり、フランジ部が充満する。重要な条件であるが両部
分に対して概ね同一圧下比(=圧接後厚さ/圧接前実質
厚さ)となるよう予め金型ストロークの最下点が設定さ
れている。
【0021】H型等に成形された中実ビーム・ブランク
11は切断して再加熱した後、又は再加熱せず、又は切
断もせずそのまま形鋼成形圧延ラインに供される。
【0022】以上は鋳造と変形の様相を定性的に示した
ものである。次に多種のブランクに対応するための定量
的な条件決定と変更方法について説明する。最初にビー
ム・ブランクのウェブ、フランジ各肉厚仕様に対応して
ウェブ及びフランジ相当部の鋳片殼厚をブランク肉厚/
2/設定圧下比によって決定し、ビーム・ブランクの形
状、寸法仕様に対応して鋳片実断面積がビーム・ブラン
クの断面積/該設定圧下比に等しくなるよう鋳片短辺幅
Sは特定の一定値のまま長辺幅Gを決定する。この条件
は体積一定の原理に整合させたものである。形状制御は
後述する。このようにして鋳型寸法が決定される。作業
方法については多用されている幅可変スラブ鋳型を使用
すれば幅は容易に調節できる。短辺幅Sは作業のし易い
200mm以下に制限しておくとバルジングが発生しに
くく、その結果2次冷却帯における短辺側支持ローラー
も不要になる。
【0023】次に2次冷却帯における殼厚制御に関し
て、まず所定殻厚に対して2次冷却強度全体を調節する
ことは従来同様であるから説明を省略する。ウェブ相当
部と他を弱冷却と強冷却に分けることは事例には無いが
当業者にとっては特に困難ではない。問題はブランクの
寸法変更に対応して容易に条件を調節できることであ
る。薄肉部12の長さを容易に変更する具体事例を挙げ
ると、図3に示すようにしきり板20を調節して弱冷却
ノズル21と強冷却ノズル22の作用幅を加減し、境界
を移動させる。一方、短辺側スプレイ・ノズル23は寸
法変更によりスプレイ距離が変わる。そのためスプレイ
管を前後進させるのは煩雑である。ノズルの配置上の工
夫で固定化することができる。即ち、扇型スプレイパタ
ンを引抜方向に対して平行に噴射すると距離が大きくな
っても前後のスプレイが重なり水滴密度はほぼ変わらな
い。短辺幅に対応して幅方向ノズル数を適当に決める。
以上の手段により変更作業は特に負担とはならなくな
る。
【0024】鋳片支持機構に関しては、鋳型短辺寸法を
一定としたこと、且つ短辺支持ローラーを省略したこと
により鋳片長辺最大幅に適合するローラー・エプロンが
全サイズに共用できる。
【0025】次に圧接成形に対してユニバーサル・ミル
を使用するとウェブ内寸の変更に際して水平ロールの作
用幅の変更が必要で、そのためロールを交換しなければ
ならない。これは大きな負担になる。プレスによる圧
接、成形工程でも当然垂直金型14はウェブ寸法の変更
に際して交換しなければならないが、比較的容易であ
る。例えば専用ジグを使用して新旧金型を引抜方向に平
行に摺動、着脱する。これが本発明において圧接に対し
てプレスの適用を指定した主な理由である。他方水平金
型16の幅はブランクの最大フランジ幅に合わせてあり
全サイズに共用される。以上述べたようにブランクの寸
法変更に対して部材交換作業、調節作業は必要であるが
生産性を阻害するほどのものではない。
【0026】
【作用】 以下上記の発明の作用、根拠及び意義につい
て説明する。圧接過程を殻内面が接して断面が例えばH
型状となる前半を変形過程とし、以後正味の圧下が進行
して所定のH型寸法になる後半を成形過程とする。変形
過程までは、断面積はほぼ一定で肉厚は殼厚のほぼ2倍
になっている。”ほぼ”とした理由は角部の丸み、金型
テーパー、歪みの局所不均等等のためである。成形過程
ではまず肉厚は定義から2×殻厚×圧下比となる。他方
原理として圧下歪みは延伸歪みと拡幅歪みに分解される
がウェブ部の拡幅は水平金型による圧下のため起こり得
ない。フランジ部の拡幅は垂直金型のカラーによる拘束
のため同様に起こらない。従って圧下歪みはすべて延伸
歪みに転換される。両部分は同一の圧下率に設定されて
いるので同一延伸率になり、成形は円滑になされる。こ
のようにウェブ、フランジの両部分が同一圧下比、同一
延伸比となることから鋳片実断面積はブランク断面積/
圧下比という関係も定まる。ここで設定圧下比について
は、設備及び作業上無理が無い範囲で適当に設定すれば
よいが、0.95を越えると操業条件の変動で殼厚が不
足した場合には圧接が不充分となり、0.70未満では
鋳造組織の加工限界に近づくのでこの間を特定した。
【0027】ウェブ内寸Wiは垂直金型幅Dw、即ち仕
様寸法に一致する。ウェブ肉厚Wtは薄肉部殻厚dwの
2枚分と実質圧下比h(=圧下後厚/圧下前厚(=殻厚
2枚分))の積になる。元々この関係になるよう殼厚を
設定したのでウェブ肉厚Wtは仕様寸法になる。フラン
ジ幅Fは厚肉部13の片側長さのほぼ1/2であり、垂
直金型カラー内寸Dfとなる。カラー内寸Dfはフラン
ジ幅仕様寸法に設計、調節されているので仕様に一致す
る。フランジ肉厚Ftもウェブと同様仕様寸法になる。
以上から金型ストローク最下点で形成される空間形状は
ビーム・ブランク仕様寸法と一致して一定に維持され
る。このような機構では殼厚が多少変動しても圧下比が
追随して変化し、結果的に寸法変動は小さい。
【0028】以上から製品寸法仕様に合わせて設定圧下
比hを介して鋳片殻厚dw、dfが決定され、同時に鋳
片実断面積が決定され、さらに長辺幅Gが決定され鋳片
形状が定まる。次に4面の金型で形成される例えばH型
空間を製品寸法仕様に一致させることによりウェブ相当
部、フランジ相当部とも同一圧下率、同一延伸率にな
り、寸法精度が高く且つ円滑な圧延が可能となる。
【0029】本方法によるとブランクの外形の自在性が
高く形鋼のそれに近づけることができる。肉厚も特開平
8−39219に開示された方法により鋳造ビーム・ブ
ランクより容易に小さくすることができるので必要最小
の鍛錬比を前提に薄くするほど成形圧延が簡素化され
る。必要鍛錬比は形鋼では通常5以上とされているが本
方法では特開平8−39219に開示されているように
芯部欠陥が無く、且つ均質微細組織が得られるので3程
度でも充分となる。
【0030】一般にH型、I型等の形鋼のウェブ/フラ
ンジの肉厚比は特殊品を含めるといろいろあるので本発
明では両部分の殻厚比は事例に合わせ0.70〜1.5
0と特定した。ブランクのウェブ/フランジの肉厚比が
形鋼のそれと同等なら成形圧延のパス数を減らすことが
できる。ユニバーサル・ミルによる成形圧延においては
フランジ部の拡幅は条件により微妙に変化するので両者
の肉厚比の比は1が最良とは限らない。これが前者を後
者の±10%の範囲に限定した理由である。以上のよう
にブランクの形状、寸法及びウェブ/フランジ肉厚比が
形鋼のそれらに近づいてくると現行の往復圧延を含む複
雑な異形圧延工程がユニバーサル・ミルによる連続圧延
に簡素化される可能性が大きくなる。
【0031】
【実施例】上記の成形方法を約1/5プラスティシン・
モデルによって確かめた。G=200mm、S=30m
m、dw=8.5mm、df=12mm、df/dw=
1.4、Dw=70mm、Df=64mm、h=1.0
〜0.9とし、変形の進行を観察して以下の知見を得
た。 1) 水平金型を若干先行させると変形過程で簡単にH
型に変形できる。しかもカラー部のコーナーに充満す
る。 2) 成形過程ではほぼ所定寸法になった。Wi=69
mm、F=64mm、Wt=15mm、Ft=21m
m、Ft/Wt=1.4 3) カラーの高さがフランジ厚より小さくてもオーバ
ー・フィル(金型外へのはみ出し)にはなりにくい。容
易に延伸する。 以上から本方法は妥当であることが確認できた。
【0032】
【発明の効果】本発明によると製品形鋼に対して、従来
より外形が近似し、従来より薄肉であり且つウェブ/フ
ランジ肉厚比が近似したビーム・ブランクを容易に連続
鋳造法によって製造することができる。鋳造能率は大き
く、芯部欠陥が無く均質微細な組織により鍛錬比の制限
も緩和されニア・ネット・シェイピングが大きく前進す
る。複雑な成形圧延工程が大幅に簡素化され、形鋼の連
続圧延の可能性、鋳造・圧延一貫の可能性が大きくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明を実施する連続鋳造方法を例示する。
【図2】は中空鋳片から中実ビーム・ブランクへの変形
状態を示す。
【図3】は2次冷却におけるスプレイ幅の変更方法を示
す。
【符号の説明】
1:タンディシュ 2:溶鋼 3:鋳型 4:鋳
片 5:2次冷却装置 6:スプレイ 7:溶融
芯 8:中空鋳片 9:伸直ロール 10:プレ
ス 11:中実ビーム・ブランク 12:薄肉部1
3:厚肉部 14:垂直金型 15:ウェブ 1
6:水平金型 17:フランジ 18:カラー
20:仕切板 21:冷却ノズル 22:強冷却ノ
ズル 23:短辺側ノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、
    鋳型断面形状をほぼ長方形とし、鋳片引抜軌跡を3/4
    円周までは同一曲率円弧とし以後は水平とし、鋳片内部
    の溶融芯を1/2円周を越えて鋳込み面から約1.4m
    高い位置まで保持し該位置で重力により鋳片凝固殻から
    分離して中空鋳片を形成し、その後水平部位で水平、垂
    直の4方向から圧接加工を加えて中実ビーム・ブランク
    とする連続鋳造方法において、ビーム・ブランクのウェ
    ブに相当する鋳片の長辺中央部とフランジに相当する鋳
    片外周の残りの部分とで個別に2次冷却強度を設定して
    該両部分の殼厚を個別に加減することによりウェブ厚と
    フランジ厚の比を0.7〜1.5とすることを特徴とす
    るビーム・ブランクの連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】ビーム・ブランクのウェブに相当する鋳片
    の長辺中央部とフランジに相当する鋳片外周の残りの部
    分をほぼ同等の圧下比(=圧接後厚さ/圧接前実質厚
    さ)で圧接することを特徴とするビーム・ブランクの連
    続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 垂直及び水平方向の同時圧下の4面プレ
    スにより中空材から中実材へ圧接することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】ビーム・ブランクの各部分の肉厚仕様に対
    応して当該部分の鋳片殻厚をブランク肉厚/2/設定圧
    下比hに従って決定し、ビーム・ブランクの形状、寸法
    仕様に対応して鋳片実断面積がビーム・ブランクの断面
    積/該設定圧下比に等しくなるよう鋳片短辺幅は一定の
    まま長辺幅を決定することを特徴とする請求項1又は請
    求項2又は請求項3に記載の連続鋳造方法。ただし、h
    は0.70以上、0.95以下の値とする。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2又は請求項3又は
    請求項4に記載の方法によって、ビーム・ブランクのウ
    ェブ厚とフランジ厚の比が製品形鋼のウェブ厚とフラン
    ジ厚の比の±10%の範囲にあることを特徴としたビー
    ム・ブランクを素材とする形鋼。
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