JP2001204428A - アミノ酸増加豚肉の製造方法およびアミノ酸増加豚肉の製造装置 - Google Patents

アミノ酸増加豚肉の製造方法およびアミノ酸増加豚肉の製造装置

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JP2001204428A JP2000017776A JP2000017776A JP2001204428A JP 2001204428 A JP2001204428 A JP 2001204428A JP 2000017776 A JP2000017776 A JP 2000017776A JP 2000017776 A JP2000017776 A JP 2000017776A JP 2001204428 A JP2001204428 A JP 2001204428A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電場雰囲気内に豚の生肉を保持することに
より、豚肉中のアミノ酸を増加させることができるアミ
ノ酸増加豚肉の製造方法およびアミノ酸増加豚肉の製造
装置を提供する。 【解決手段】 豚肉を静電場雰囲気内に保持することに
よって、アミノ酸が増加した豚肉を製造する。その豚肉
は、冷蔵庫内の貯蔵温度に保持される豚の生肉であり、
その静電場雰囲気は、100V〜5kVの交流または直
流電圧を電極に印加して形成される。また、アミノ酸増
加豚肉の製造装置11としては、静電場雰囲気を形成さ
せる電極15を備えた容器12と、その電極15に交流
または直流電圧を印加する静電場発生用電源13と、そ
の容器12内に豚の生肉16を冷蔵温度に保持させる冷
却装置14とを有することにより、上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電場雰囲気内に
豚の生肉を保持することにより、豚肉中のアミノ酸を増
加させることができるアミノ酸増加豚肉の製造方法およ
びアミノ酸増加豚肉の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本件
出願人は、静電場の有効利用に関する検討、例えば静電
場雰囲気内に食品を保持することによって、食品の鮮度
を長期間保持する検討や冷凍された食品を迅速に解凍す
る検討を行っている。
【0003】本発明は、そうした静電場の有効な利用方
法を提供するものであり、静電場雰囲気内に豚の生肉を
保持することにより、豚肉中のアミノ酸を増加させるこ
とができるアミノ酸増加豚肉の製造方法およびアミノ酸
増加豚肉の製造装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のアミノ
酸増加豚肉の製造方法は、豚肉を静電場雰囲気内に保持
することに特徴を有する。この発明によれば、豚肉を静
電場雰囲気内に保持することによって、その中のアミノ
酸を増加させることができる。アミノ酸は旨味成分とし
て知られているので、アミノ酸の増加作用によってアミ
ノ酸含有量が増加した豚肉を、よりおいしい豚肉に調理
することができる。
【0005】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のアミノ酸増加豚肉の製造方法において、前記豚肉が、
冷蔵庫内の貯蔵温度に保持される豚の生肉であることに
特徴を有する。この発明によれば、前記の豚肉は、冷蔵
庫内の貯蔵温度に保持される豚の生肉であるので、冷蔵
状態に保存したままで豚肉中のアミノ酸を増加させるこ
とができる。
【0006】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のアミノ酸増加豚肉の製造方法におい
て、前記静電場雰囲気が、100V〜5kVの交流また
は直流電圧を電極に印加して形成されることに特徴を有
する。この発明によれば、静電場雰囲気が、100V〜
5kVの交流または直流電圧を電極に印加して形成され
るので、静電場雰囲気を容易に形成することができると
共に、豚肉中のアミノ酸をより増加させることができ
る。
【0007】請求項4に記載のアミノ酸増加豚肉の製造
装置は、静電場雰囲気を形成させるための電極を備えた
容器と、前記電極に交流または直流電圧を印加する静電
場発生用電源と、前記容器内に豚の生肉を冷蔵温度に保
持できる冷却装置と、を有することに特徴を有する。
【0008】この発明によれば、静電場雰囲気を形成さ
せるための電極を備えた容器と、その電極に交流または
直流電圧を印加する静電場発生用電源と、その容器内に
豚の生肉を冷蔵温度に保持できる冷却装置とを有するの
で、容器内に冷蔵保存された豚の生肉を、静電場雰囲気
内に保持することによって、豚の生肉中のアミノ酸を増
加させることができる。そうしたアミノ酸は旨味成分と
して知られているので、アミノ酸の増加作用によってア
ミノ酸含有量が増加した豚肉を、よりおいしい豚肉に調
理することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
説明する。
【0010】図1は、本発明のアミノ酸増加豚肉の製造
装置の一例を示す斜視図である。このアミノ酸増加豚肉
の製造装置11は、静電場雰囲気を形成させるための電
極15を備えた容器12と、その電極15に交流または
直流電圧を印加する静電場発生用電源13と、その容器
12内に豚肉16を冷蔵温度に保持できる冷却装置14
とを有している。容器12内は、静電場発生用電源13
と冷却装置14との作用によって、冷蔵温度に保持され
た静電場雰囲気が形成される。
【0011】先ず、本発明のアミノ酸増加豚肉の製造方
法について説明する。
【0012】本発明のアミの酸増加豚肉の製造方法は、
上述のようなアミノ酸増加豚肉の製造装置11によって
静電場雰囲気が形成された容器12内に豚肉16を入
れ、一定条件下で保持することによってアミノ酸含有量
を増加させた豚肉16を製造する方法である。
【0013】豚肉16は、豚の種類は問わず、一般的に
流通している豚の生肉を用いることができる。従って、
既に焼いたり煮たりして調理された豚肉は該当しない。
また、豚肉の状態としては、屠殺直後のもの、冷凍保存
中のもの、冷蔵保存中のもの等何れの状態のものであっ
てもよいが、既に食用として適当でない腐敗肉は当然に
除かれる。また、肩肉、もも肉等、どの部分の肉であっ
てもよく、特に限定されない。なお、ここで言う豚は、
生物学的に豚と認められるもの、すなわちウシ目の家畜
でイノシシを家畜化したものである。
【0014】本発明においては、こうした豚肉16を静
電場雰囲気中に保持することによってその中に含有する
アミノ酸を増加させることができる。静電場雰囲気は、
図1に例示するように、豚肉16を静電場雰囲気に曝す
(以下、「静電場処理する」ともいう。)ための容器1
2内に電極15を配置し、その電極15に100V〜5
kVの交流または直流電圧を印加することによって形成
される。
【0015】静電場処理によって豚肉16中のアミノ酸
が増加する理由は明白ではないが、以下の理由に基づく
ものと推察される。すなわち、動物の体内細胞に含まれ
る酵素は、その死後も一定期間作用し続けることが知ら
れている。そのため屠殺された豚の生肉中に存在するタ
ンパク質は、タンパク質分解酵素、いわゆるプロテアー
ゼ(protease)によって分解され、アミノ酸、詳しくは遊
離アミノ酸に変化する。この遊離アミノ酸は肉の旨味成
分であり、生肉中の遊離アミノ酸量が多いと、おいしい
肉に調理できることが知られている。静電場は、そうし
たタンパク質分解酵素の働きを活発にさせるように作用
する。従って、豚肉が静電場雰囲気内に曝されることに
よって、その肉中に含有するタンパク質分解酵素の作用
が活発化し、旨味成分である豚肉中の遊離アミノ酸の含
有量がより一層増加するものと推察される。
【0016】増加されるアミノ酸としては、アスパラギ
ン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、
グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、イソロイシ
ン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジ
ン、リジン、アルギニン等、豚肉中に含まれ、またはタ
ンパク質分解酵素によって分解される各種の遊離アミノ
酸を挙げることができる。
【0017】本発明においては、静電場雰囲気内に豚肉
を保持する条件を適宜設定することによって、静電場雰
囲気内に保持しない豚肉に比べて、含有するアミノ酸量
を約2倍以上に増加させることができる。
【0018】処理条件としては、容器12内の保持温
度、正確には一定温度に保持された豚肉の温度、保持時
間、静電場雰囲気の条件、例えば印加電圧や電極までの
距離等の各条件が挙げられる。このとき、豚肉の静電場
処理を、冷蔵庫内の貯蔵温度、例えば0〜−2℃に保持
した状態で行うことによって豚肉をマイナス温度に貯蔵
しながらアミノ酸を増加させることができる。そのた
め、冷蔵状態のままでアミノ酸増加豚肉を製造すること
ができるので、実用上極めて効率的である。また、静電
場処理によってアミノ酸が増加するので、保持時間を長
くするほどアミノ酸の絶対量を増加させることができ
る。
【0019】次に、本発明のアミノ酸増加豚肉の製造装
置について詳細に説明する。
【0020】本発明のアミノ酸増加豚肉の製造装置11
は、既に図1で例示したように、静電場雰囲気を形成さ
せるための電極15を備えた容器12と、その電極15
に交流または直流電圧を印加する静電場発生用電源13
と、その容器12内に豚肉16を冷蔵温度に保持できる
冷却装置14とを有している。また、この製造装置11
は容器12と冷却装置14とを有することから、豚肉1
6を保存する大型倉庫、レストラン等で使用する業務用
冷凍冷蔵庫または家庭用の冷凍冷蔵庫に、静電場発生用
電源13を装着させることによって、本発明のアミノ酸
増加豚肉の製造装置11とすることができる。こうした
簡単な改良によってアミノ酸増加豚肉の製造装置11と
することができる点も、本発明の利点の一つである。
【0021】なお、豚肉のアミノ酸の増加には、必ずし
も強制的な冷却を行う必要はなく、プラス温度雰囲気で
も常温でもかまわない。
【0022】(1)静電場発生用電源 静電場を発生させる静電場発生用電源13は、タンパク
質分解酵素の働きを活発にさせて豚肉中のアミノ酸を増
加させるのに適した交流電圧または直流電圧を印加する
ことができる電源である。また、パルス状の電圧を与え
る電源でもよい。アミノ酸の増加に適した交流電圧とし
ては、20〜2000Hzの周波数で、100〜500
0Vであることが好ましく、直流電圧としては、100
〜5000Vであることが好ましい。本発明において
は、このように比較的低い電圧であっても、アミノ酸の
増加が可能な静電場雰囲気を実現することができる。さ
らに、製造装置11の取扱者の感電を極力避けることが
でき、安全面においても適している。
【0023】図2は、この静電場発生用電源13を構成
する電気回路の一例を示すものである。この電気回路
は、所定の周波数以外の周波数ノイズを除去するノイズ
除去回路20と、高圧トランス21とを備える交流電圧
発生用の電気回路である。この電気回路には、端子a、
bから100V電源が供給され、高圧トランス21に
は、ノイズ除去回路20によってノイズが除去された電
流が一次側から供給される。高圧トランス21は、50
0V〜3kV程度の交流電圧を二次側に発生させる。
【0024】高圧トランス21の二次側の一極には抵抗
が接続され、高圧トランス21から発生した交流高圧電
圧は、容器12内の電極15に供給されて、容器12内
を静電場雰囲気にする。一方、高圧トランス21の二次
側の他の一極にはリミッタ回路27が接続される。この
リミッタ回路27は、端子bから過電流が入力されたと
きに、リミッタ回路27内の回路27aをカットし、高
圧トランス21に流れる一次側電流をカットする。
【0025】ノイズ除去回路20は、互いに並列的に配
置された抵抗30、コンデンサー31、コイル33、コ
ンデンサー32、および組合せコンデンサー34a、3
4bを有している。この組合せコンデンサー34a、3
4bは、直列に配置された二つのコンデンサーによって
構成されている。この二つのコンデンサー34a、34
bの中間部には、上述した高圧トランス21の他の一極
が、リミッタ回路27中の回路27bを介して接続され
ていると共に、容器12の外枠23a(以下、「ケーシ
ング」ともいう。)に回路29を介して接続されてい
る。
【0026】こうした電気回路によって構成された静電
場発生用電源13は、アミノ酸増加豚肉の製造装置11
を接地する(アースをとること。)必要がなくなる。す
なわち、アミノ酸増加豚肉の製造装置11を構成する容
器12の外枠23aが帯電した場合であっても、その帯
電電流をノイズ除去回路20の組合せコンデンサー34
a、34bに吸収させて回路中で消費させているため
に、その製造装置11を接地する必要がない。
【0027】図3は、リミッタ回路27の一例を示す構
成図である。リミッタ回路27は、過電流を検出する過
電流検出回路C1を有し、この過電流検出回路C1が過
電流を検出すると、遅延回路C2を介してブザー作動回
路C3が作動する。このブザー作動回路C3の作動によ
ってブザー36が鳴り、操作者に警告する。ブザー作動
回路C3はタイマー37を有し、過電流が所定時間以上
流れ続けると、電源カット回路C4が作動してリミッタ
回路27がカットされて電源がカットされる。すなわ
ち、製造装置11を含む全体回路中に電流リークが発生
すると過電流が流れるが、リーク状態が継続するとブザ
ー36が警報を発し、20〜30秒間位(この時間は、
適宜設定されるタイマー37の設定時間である。)警報
が継続して発せられると、リーク状態が回復していない
ことになり、電源がカットされる。
【0028】本発明のアミノ酸増加豚肉の製造装置11
においては、こうした静電場発生用電源13を有するの
で、タンパク質分解酵素の働きを活発にさせて豚肉中の
アミノ酸を増加させるのに適した交流電圧または直流電
圧を、安全に印加することができる。
【0029】(2)冷却装置 冷却装置14は、一般的な冷蔵庫や冷凍庫に備えられて
いる冷却装置をそのまま転用することができ、必ずしも
特別な冷却装置である必要はない。本発明の製造装置1
1は、そうした冷却装置14と静電場発生用電源13と
を、後述する容器12に備えることによって構成するこ
とができるが、一般的に用いられる豚肉用の大型倉庫、
業務用冷凍冷蔵庫または家庭用の冷凍冷蔵庫を改良して
構成するのが便利である。既存の倉庫や冷蔵庫は、既に
冷却装置と容器を備えているので、静電場発生用電源1
3を取り付ける等の改良をすることによって静電場雰囲
気を容易に形成できる。そのため、実用上極めて合理的
である。
【0030】冷却装置14は、その作用により豚肉16
を冷却したままで静電場処理を可能とさせるので、豚肉
16の品質を損なうことなくアミノ酸を増加させること
ができる。
【0031】(3)容器 容器12は、静電場雰囲気が形成されるための電極15
を備え、静電場の雰囲気空間を形成する。豚肉16は、
その容器12内に置かれて静電場処理される。容器12
は、図1に示すような箱形にすることができるが特に限
定されるものではなく、通常、絶縁性の樹脂で形成され
ている。この容器12は、上述する冷却装置14によっ
て豚肉16を冷蔵できる温度または冷凍できる温度に保
持され、その場合には、豚肉16を冷蔵状態または冷凍
状態に保持しつつ静電場処理することができる。また、
上述したように、冷却装置付きの容器として、大型倉
庫、業務用冷凍冷蔵庫または家庭用の冷凍冷蔵庫を利用
することができる。
【0032】豚肉用の大型倉庫を容器として利用したア
ミノ酸増加豚肉の製造装置41の一例を、図4に示す。
豚肉用の大型倉庫を容器として利用する場合には、既に
冷却装置(図示しない。)を備えており、静電場発生用
電源43を取り付けることによって容易に本発明のアミ
ノ酸増加豚肉の製造装置41とすることができる。こう
した大型倉庫では、屠殺後所定の処理を行った豚肉46
を吊り下げ等して冷凍保存または冷蔵保存しているの
で、壁の側面等の倉庫内の適当な位置に導電板45を電
極として設置し、その導電板45に所定の電圧を印加す
る静電場発生用電源43を設置する。この際、倉庫内を
均一な静電場雰囲気にするため、導電板45を倉庫内の
各側面に設け、その導電板45に静電場発生用電源43
からの電圧を印加することが好ましい。導電板45の材
質は、鉄、銅、アルミニウム等の金属素材の単体または
合金であればよく特に限定されるものではない。
【0033】図5は、静電場発生用電源53を搭載した
導電性のついたて51の一例を示している。このついた
て51は、大型倉庫内の静電場雰囲気をより均一にする
ために用いられ、導電板52と、この導電板52を支持
する支持台54と、この支持台54の両端に設けられた
キャスター55、55と、支持台54の端部に載置され
た静電場発生用電源53とを有し、適宜好適な位置に移
動して用いる(図4を参照。)。導電板52の材質は、
図4で説明した導電板45の材質と同じものを使用でき
る。
【0034】さらに、倉庫内の静電場雰囲気をより均一
にする他の方法として、図6に示すような導電性カーテ
ン61を設けることができる。この導電性カーテン61
は、柔軟な布やプラスチック等の表面に導電性塗料を付
着させたものや、カーテン自体を薄いアルミニウム板で
構成したもの等を用いることができる。こうした導電性
カーテン61は、レール62を介して吊り下げられ、静
電場発生用電源(図示しない。)から電圧が印加され
る。
【0035】業務用冷凍冷蔵庫を容器として利用したア
ミノ酸増加豚肉の製造装置71の一例を、図7に示す。
レストラン等で使用される業務用の冷凍冷蔵庫を容器と
して利用する場合も、上述の大型倉庫と同様に、既に冷
却装置(図示しない。)を備えているので、静電場発生
用電源を取り付けることによって容易に本発明のアミノ
酸増加豚肉の製造装置71とすることができる。こうし
た業務用の冷凍冷蔵庫には、例えば冷凍室のみからなる
もの、冷蔵室のみからなるもの、冷凍室と冷蔵室を有す
るもの、他の食材の冷蔵室を有するもの等、種々のタイ
プがある。従って、本発明のアミノ酸増加豚肉の製造装
置71は、豚肉を保管する冷蔵室72aまたは冷凍室7
2bに、静電場発生用電源73からの電圧をリード線を
介して印加できるようにした装置である。
【0036】そのため、冷蔵室72aや冷凍室72bの
底面部または上面部に電極板74、75を絶縁状態にし
て載置することができる。絶縁状態は、電極板74、7
5をテフロン等に代表される樹脂製の絶縁材料で覆った
り、絶縁性セラミックで被覆したりして実現することが
できる。なお、電極として作用すれば、板以外の網、
棒、パンチングメタル等、特に限定されるものではな
い。
【0037】また、図8に示すように、冷蔵室72aや
冷凍室72bの中に収納できる専用棚81を設けてもよ
い。この専用棚81は、組み立て式のケース82を有し
ている。ケース82は、塩ビ板等の絶縁材料からなり、
横板83と、この横板83の両側にヒンジ85を介して
組み立て自在とされた側板84、84と、専用棚81の
底部をなす底板86とから形成される。そして、その前
面と上面は開放しており、冷凍冷蔵庫の扉を開いたとき
に豚肉の出し入れが容易に行い得るようになっている。
その側板84、84の内面には、間隔をおいて金属製の
支持柱87、…、87が付着され、この支持柱87、
…、87に豚肉を載置する棚90が支持されている。こ
の金属製の支持柱87、…、87に、静電場発生用電源
からの電圧を印加することもできる。なお、専用棚81
の側板84、84は、必要に応じて補強板93で補強さ
れている。専用棚81の上部を広く開放するために、補
強板を横板83と側板84の接続隅部95、95に設け
てもよい。また、ケース82の横板83および側板84
には、必要に応じて冷凍室内または冷凍室内の空気を循
環させるための空気流通孔92、…、92が形成するこ
とができる。この流通孔92は、庫室が多数ある冷凍冷
蔵庫の場合に必要となる。
【0038】家庭用の冷凍冷蔵庫を容器として利用した
アミノ酸増加豚肉の製造装置の場合は、上述の業務用の
冷凍冷蔵庫とは全体の大きさが相違するのみであるた
め、上述の業務用の冷凍冷蔵庫と同じ態様で構成するこ
とができる。
【0039】以上のように、大型倉庫、業務用冷凍冷蔵
庫、または家庭用冷凍冷蔵庫を、本発明のアミノ酸増加
豚肉の製造装置にすることができるので、豚肉の出荷段
階、レストラン等での調理段階、家庭での調理段階の各
段階で、豚肉のアミノ酸を増加させることができる。
【0040】
【実施例】本発明の具体的な実施例を以下に説明する。
【0041】実施例1の豚肉は、屠殺後、−(マイナ
ス。以下同じ。)20℃で90日間保存した豚の生肉約
1.8kgを使用した。この豚肉16を、静電場発生用
電源13と冷却装置14を備えた図1に示す態様のアミ
ノ酸増加豚肉の製造装置11の容器12内に入れて静電
場処理した。静電場処理条件としては、容器内温度を−
2℃として、5日間保持しつつ、3kVの交流電圧(周
波数:50Hz)を印加した。
【0042】一方、比較例1の豚肉も、実施例1の豚肉
と同様に、屠殺後、−20℃で90日間保存した豚の生
肉約1.8kgを使用した。比較例1の豚肉は、静電場
処理しない以外は実施例1と同じ条件で行った。すなわ
ち、静電場発生電源を備えない冷却容器内に入れ、容器
内温度を−2℃として、5日間保持した。
【0043】実施例1と比較例1の各豚肉について、豚
肉中の水分、pH、アミノ酸量を測定し、その結果を表
1に示した。なお、水分は常圧加熱乾燥法、pHはガラ
ス電極法、アミノ酸量は高速液体クロマトグラフアミノ
酸分析システム(東ソー社製)により行った。
【0044】
【表1】 表1より、静電場処理しない比較例1に比べて、静電場
処理した実施例1の豚肉中のアミノ酸量は、約2倍に増
加した。水分割合やpHには変化がなかった。このよう
に、マイナス温度でアミノ酸が増加することは、鮮度を
保持しつつ肉を熟成させることができるので意義が深
い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、アミノ酸増加豚肉
の製造方法である請求項1の発明によれば、豚肉を静電
場雰囲気内に保持することによって、その中のアミノ酸
を増加させることができる。アミノ酸は旨味成分として
知られているので、アミノ酸の増加作用によってアミノ
酸含有量が増加した豚肉を、よりおいしい豚肉に調理す
ることができる。
【0046】また、請求項2の発明によれば、冷蔵状態
に保存したままで豚肉中のアミノ酸を増加させることが
できる。
【0047】また、請求項3の発明によれば、静電場雰
囲気を容易に形成することができると共に、豚肉中のア
ミノ酸をより増加させることができる。
【0048】アミノ酸増加豚肉の製造装置である請求項
4の発明によれば、絶縁性の容器内に冷蔵保存された豚
の生肉を、静電場雰囲気内に保持することができるの
で、豚の生肉中のアミノ酸を増加させることができる。
そうしたアミノ酸は旨味成分として知られているので、
アミノ酸の増加作用によってアミノ酸含有量が増加した
豚肉を、よりおいしい豚肉に調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアミノ酸増加豚肉の製造装置の一例を
示す斜視図である。
【図2】静電場発生用電源を構成する電気回路の一例を
示すものである。
【図3】リミッタ回路の一例を示す構成図である。
【図4】豚肉用の大型倉庫を容器として利用したアミノ
酸増加豚肉の製造装置の一例である。
【図5】静電場発生用電源を搭載した導電性のついたて
の一例である。
【図6】静電場発生用電源から電源が印加される導電性
カーテンの一例である。
【図7】業務用冷凍冷蔵庫を容器として利用したアミノ
酸増加豚肉の製造装置の一例である。
【図8】冷蔵室や冷凍室の中に収納できる専用棚の一例
である。
【符号の説明】
11、41、71 アミノ酸増加豚肉の製造装置 12 容器 13、43、53、73 静電場発生用電源 14 冷却装置 15 電極 16、46 豚肉 45、52 導電板 51 ついたて 61 導電性カーテン 81 専用棚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寒沢 信二 東京都品川区東大井3丁目17−4 プリマ ハム株式会社内 (72)発明者 伊東 昭典 神奈川県茅ヶ崎市幸町5番19号 エル・エ フ・ラボラトリー株式会社内 Fターム(参考) 4B042 AC03 AD39 AE03 AG03 AH01 AP12 AT05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豚肉を静電場雰囲気内に保持することを
    特徴とするアミノ酸増加豚肉の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記豚肉が、冷蔵庫内の貯蔵温度に保持
    される豚の生肉であることを特徴とする請求項1に記載
    のアミノ酸増加豚肉の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記静電場雰囲気が、100V〜5kV
    の交流または直流電圧を電極に印加して形成されること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のアミノ酸
    増加豚肉の製造方法。
  4. 【請求項4】 静電場雰囲気を形成させるための電極を
    備えた容器と、前記電極に交流または直流電圧を印加す
    る静電場発生用電源と、前記容器内に豚の生肉を冷蔵温
    度に保持できる冷却装置と、を有することを特徴とする
    アミノ酸増加豚肉の製造装置。
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