JP2001204416A - 果物ペーストおよびその製造方法 - Google Patents

果物ペーストおよびその製造方法

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JP2001204416A JP2000021464A JP2000021464A JP2001204416A JP 2001204416 A JP2001204416 A JP 2001204416A JP 2000021464 A JP2000021464 A JP 2000021464A JP 2000021464 A JP2000021464 A JP 2000021464A JP 2001204416 A JP2001204416 A JP 2001204416A
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Hisashi Takeuchi
壽 竹内
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OKUBO TOKUMI
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FUSEDA YOSHINOBU
OKUBO TOKUMI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビタミン類や芳香成分を生の状態のまま維持さ
れて含有している、果物ペーストの製造方法およびそれ
による果物ペーストを提供する。 【解決手段】 生果物をそのままあるいは急速冷凍した
試料を、マスコロイダー等の磨砕機で磨砕して生果物の
ペーストを得る。得られた生果物ペーストは、そのまま
食用に供することができる。あるいは、さらに急速冷凍
することで、保存性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果物の天然の色
彩、風味、味覚等をそのまま生かした、果物から得られ
るペーストに関し、特に、ビタミンC等の有用成分が損
なわれず、含有している果物ペーストに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】果物には、一般に、味
覚に働く果糖等の糖類が多く含まれ、さらに、ビタミン
C、ビタミンEやカロチン等のビタミン群、カリウム等
の各種ミネラル、ポリフェノール等々の、健康に有用な
成分が多量に含まれていることが、従来より良く知られ
ている。例えば、ビタミン類には発癌抑制、老化防止作
用等々の効能がある。また、生の果物には、エチルアル
コール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、
酢酸メチル等のエステル類、リモネン、ピネン等のモノ
テルペン類等の風味成分も、多く含まれる。
【0003】これらの果物の有用成分を摂取するために
は、生の果物を食するのが最も良い方法である。果物
は、風味・味覚が1番増加する、いわゆる果物の「しゅ
ん」は、栄養学的にも各有効成分が豊富である。果物に
よっては、果物自身に酵素を有し、りんご、なし、ぶど
う、温州みかん等、摘果時から時間の経過とともに、有
用成分が変質しやすいものがあり、また、摘果後、一定
の時間を置くと、熟成した味覚を有するようになるもの
もある。また、生産面からは、収穫時が、1年のうち一
定の期間のみである果物がほとんどであり、その収穫時
期には、大量にしかも安価に出回る。従って、風味があ
り栄養的に優れた時期の果物が、収穫したもの全部を流
通ルートにのせて摘果後短時間に消費することは困難で
あり、摘果後の風味、栄養分の低下は否めず、また、果
物を食べごろの時期にそのまま食用とするのでは、需要
に見合う量が限られ、値崩れや剰余する場合もあった。
【0004】従って、従来より、果物は、生食以外に、
圧搾して果汁、また、収穫時に食さない場合は、例え
ば、圧絞して果汁として、新鮮な時は、フレッシュペー
ストに食用とする他、加熱して加糖し、シロップ漬けや
ジャム等に種々加工されている。さらに果汁を濃縮して
真空パックや冷凍することにより保存が可能である。
【0005】しかし、加熱する場合は、風味、味覚等の
成分の飛散・変質により味の変化は否めない。また、圧
搾して果汁とする場合は、圧搾の工程中に、退色や、風
味の飛散等により、ビタミン類、その他の成分の変質す
る場合があり、さらに、濃縮した場合は、風味成分がほ
とんど消失してしまう問題があった。これらの場合、別
個、風味成分として、その果物の有する香料成分を人工
的に混合添加して、味覚成分、風味成分等の、成分調整
が行われていた。
【0006】また、果物類の上記のような利用法におい
ては、皮や、芯部分は、廃棄され、果肉部分を加工する
ことが、通常行われていたため、これらの中に含まれる
果物特有の成分が、利用されずに廃棄されていた。
【0007】また、冷凍する場合においても、冷凍によ
って、果物の細胞中の水分が膨張するために細胞膜が破
壊されるために、常温に戻した場合に、果物の細胞中に
含有されている、糖分や、芳香成分が、水分と共に溶出
するため、生のものに比較して、風味や味覚が格段に劣
化していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる果物ペー
ストの製造方法は、従来の問題点に鑑み、果物の「しゅ
ん」の果実の有する味覚、風味、含有成分を、ほとんど
そのままの状態で、その時保持しているままの味覚・風
味等を構成する成分をそのまま有した果物ペーストを得
ることを目的とする。
【0009】従って、任意の時期に簡単に摂取すること
ができて、保蔵性と需要に合わせた供給を自在に行うこ
とのできる果物ペーストを得ることを目的とする。
【0010】そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた
結果本発明に至ったのである。
【0011】本発明に係る果物ペーストの製造方法の要
旨とするところは、果物を−40℃からー25℃まで急
速冷凍するステップと、磨砕して、−10から−5℃の
温度範囲のペースト状にするステップと、真空包装する
ステップと、−40℃からー25℃の温度範囲まで急速
冷凍するステップとを含む果物ペーストの製造方法であ
る。
【0012】また、前記磨砕ステップが、マスコロイダ
ーを用いて行われ得る。
【0013】さらに、前記果物が、約100ミクロンの
微粒子を含みうる。
【0014】また、前記急速冷凍ステップが、果物を−
40℃からー25℃以下に急速冷凍しうる。
【0015】本発明にかかる果物ペーストの要旨とする
ところは、果物を−40℃からー25℃まで急速冷凍す
るステップと、磨砕して、−10から−5℃の温度範囲
のペースト状にするステップと、真空包装するステップ
と、−40℃からー25℃まで急速冷凍するステップと
を含む製造方法により、得られることにある。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る果物ペースト
について詳細に説明する。
【0017】本発明の果物ペーストの原料は、生の果物
そのままでもよく、特に生の果物を急速凍結した冷凍果
物が好ましい。生の果物とは、摘果の形状がそのまま保
たれている生果物を意味する。ここで使用される果物の
品種は、いずれの種でもよく、例えば、桃、ネクタリ
ン、アプリコット、サクランボ、オリーブ、プラム等の
石果類、なし、りんご、マルメロ、びわ等なし状果、ク
レープフルーツ、オレンジ、温州みかん、キンカン、レ
モン等の柑橘類、パパイヤ、ざくろ、イチジク、パイナ
ップル、柿、キウイ、アボカド等のトロピカルフルーツ
などが挙げられるが、これらに限定されない。原料生果
物はビタミン破壊酵素を有しているものや、エチレンを
発酵しやすく保蔵中に変質してしまうこのもあるので、
摘果後数時間以内のものが好ましいが、冷所や不活性気
体の雰囲気下で保蔵することにより、変質を遅らせて使
用可能期間を伸ばすこともできる。また、真空パックに
よって、保存性を高めることもできる。果物の皮には、
果物特有の色素、芳香成分の他、皮に近隣する果実部分
にも、有効な成分が含有されている。
【0018】これらの果物は、一定の温度範囲まで急速
冷凍する工程、冷凍した果物を磨砕して、一定の温度範
囲のペースト状にする工程を経る。さらに、ペースト状
の果物を真空包装し、一定の温度範囲まで急速冷凍する
工程をへて、保存性の優れた果物ペーストが製造され
る。
【0019】果物の急速凍結の方法は特に限定されず、
冷凍食品の製造に通常用いられる種々の急速凍結法を採
用できる。例えば、−30℃〜−40℃近辺に冷却した
空気や窒素、炭酸ガス、アンモニア等々を吹きつける方
法や、−20℃〜−30℃近辺に冷却した塩化カルシウ
ム水溶液やエタノール等のアルコール水溶液等の液体に
浸漬する方法等を利用できる。中でも、アルコール水溶
液に浸漬する方法は、液体であるため熱伝達が速く、果
物を急速に冷却することができ、揮発性であるため冷凍
果物の洗浄を省略できる場合があり、洩れたときの安全
性の面からも特に好ましい冷凍方法である。冷凍果物は
−15℃以下となるように凍結される。−15℃より高
ければ、保蔵中に有用成分が変質してしまうので好まし
くない。
【0020】本発明に係わる冷凍果物の製造方法の一実
施態様では、−40〜ー25℃以下まで生果物を急速凍
結する方法において、30秒以内に−5℃まで冷却され
る。緩慢な冷凍方法によれば、凍結に伴い大きく成長す
る氷晶が細胞壁を傷つけ有用成分の酸化を促進する。柔
らかい細胞壁からなる生果物を、有用成分の酸化・変質
を抑えて凍結するには、氷晶が成長する温度、0℃〜−
5℃の範囲を短時間で急速に冷却し、大きな氷晶の生成
を抑制することである。本発明者は、冷却条件と生果物
の実温、氷晶の大きさ、各種有用成分の残存率等の関係
について数多くの実験を重ね、30秒以内に−5℃まで
冷却させれば、果物に含まれる成分、例えばビタミンC
では60%以上とすることができることを見出したので
ある。
【0021】具体的に、急速冷凍工程について説明す
る。図1は、塩化カルシウムや塩化カルシウム、アルコ
ール等の水溶液を冷却用液体14として、これを満たし
た縦長の冷却槽12内をエンドレスの金網等からなるコ
ンベアー18が走行するように構成された冷却装置10
である。コンベアー18の両側端は、モーターによって
駆動されるチェーンと連結されている。冷凍槽12内に
斜め下方に向けて導かれたコンベアー18は、冷凍を要
する果物の真空パックを搭載したトレーをのせて、冷却
用液体14に潜ってから方向を転じて、ほぼ水平に走行
し、再び斜め上方に転じて冷却用液体14から抜け出
し、冷凍槽12の外へと移動する。
【0022】冷却用液体14は、冷凍槽12からポンプ
にてコンベアの上方から、噴出されることにより、還流
させられるようになっている。このため、冷凍槽内温度
の均一性が向上している。このような、冷却装置によ
り、果物の細胞を破壊することのない急速冷凍が可能と
なる。
【0023】また、本発明に係わる冷凍果物の製造方法
の別の一実施態様では、生果物がそのままの形状、また
は、いくつかに破砕されて真空パックされて急速凍結さ
れ得る。
【0024】真空パックされる目的の1つは、冷凍時に
おける生果物の保護である。果物を直接冷却媒体と接触
させれば、非常に早くかつ均一に冷却され得るが、凍結
を急ぐために、かなり低温の冷却媒体を使用すると、果
物の表面のみが過度に急速に冷却されて、表面にひび割
れが発生するなどの損傷を受けることになり好ましくな
い。また逆に、冷却媒体の温度を高めに設定すると、急
速凍結できないことになる。従って、本発明の方法にお
いては、生果物が真空パックされると、生果物が直接冷
却媒体と接触せず、表面のフィルムを介して間接的に冷
却されることとなる。従って、果物の表面の冷却速度と
中心部にある果物の冷却速度とが比較的変化しないこと
となり、高品質の冷凍果物を得ることができる。特に、
真空パックされた生果物を、30秒以内に−5℃までに
冷却するという急速凍結工程とすれば、さらに高品質の
冷凍果物が得られる。
【0025】生果物を真空パックする他の目的は、生果
物の酸化による変質を抑制するためである。上述したよ
うに、生果物は老化しやすく、風味がおちることが観察
される。また、例えば、りんごなどは、呼吸作用によっ
て、容易に変質してしまう場合がある。したがって、真
空パックして酸素の供給を絶ち、酵素の働きを遅らすこ
とは、生果物内の有用成分の変質を抑え、有用成分を多
量に含む冷凍果物を得るための有効な手段となる。真空
パックされた生果物であれば、5℃位の雰囲気下で約1
週間ぐらいの保蔵が可能となる。真空パック時に、窒素
や炭酸ガス等でパック内を置換して、さらに保蔵効果を
向上させることも可能である。真空パックすることによ
って、酸化による変質を抑制する効果は、生果物の保蔵
時に限らず、冷凍果物の保蔵時にも有効である。
【0026】急速凍結された冷凍果物には、生果物が含
んでいたカテキンやビタミン類等の有用成分があまり変
質しないで残る。従来の緩慢な冷凍方法によれば、比較
的大きな氷晶が細胞内で成長するため、薄い細胞壁が破
れ、保蔵時や解凍時に急速に酸化が進み、各種有用成
分、特にビタミンCが消失され、タンニンの酸化等によ
る褐変が起きていた。急速凍結によれば、比較的小さな
氷晶しか生じないので、細胞壁が破れず酸化が遅くな
り、各種有用成分の残存率が高まる。
【0027】本発明が特に有用な冷凍果物には、ビタミ
ンCが約1mg/g程度あるいはそれ以上含まれる。こ
こでいうビタミンCの量とは、還元型ビタミンCの量と
酸化型ビタミンCの量との和であり、ヒドラジン法−高
速液体クロマトグラフ法によって求める。還元型ビタミ
ンCは果物内に含まれる酸化酵素の働きによって急速に
酸化されて減少するので、ビタミンC量を目安にして、
カロチンやビタミンE等々の各種有用成分の変化を推定
できる。
【0028】生果物、真空パック生果物、あるいは冷凍
果物をそのまま磨砕するか、または冷凍果物を定法によ
り解凍してから磨砕して、果物ペーストを得る。果物
は、例えば、真空パックに充填したまま、水中に浸した
り常温の室内に放置したりして自然解凍してもよいが、
一旦解凍をすすめると、酸化などの変質を受け易くなる
為、完全解凍する前に磨砕することが好ましい。
【0029】果物を磨砕する方法は、当業者に公知のい
ずれの磨砕方法でもよい。すなわち、通常の食品原料を
粉砕、あるいは磨砕するあらゆる機械を用いることが可
能であり、この中には、石臼、グラインダー等が含まれ
る。特に好ましくは、マスコロイダーの名称で知られる
グラインダーを用い、果物の細胞壁を完全には破壊しな
いような状態にする。磨砕によって、熱が発生し、果物
の温度が上昇するが、磨砕後の果物ペーストの温度は、
−10℃〜ー5℃が好ましい。
【0030】磨砕の具体的な方法は特に限定はされない
が、例えば、冷凍した生果物をカッターで細かく裁断し
た後、グラインダーを用いて、100μmの微粒子にま
で磨砕し、果物ペーストに加工する。磨砕に際しては、
磨砕による発熱を最小限に抑制するために、磨砕機を冷
却して試料の温度を一定に保ち得るようにすることが好
ましい。果物ペーストは、流体であるが、その濃度は限
定されない。例えば、果物:水分が、重量比で1:3〜
1:30の範囲内であれば、そのまま飲用に供すること
ができる最適の濃度であるが、これより水分比が少ない
場合でも本発明の果物ペーストになる。
【0031】このようにして得られる果物ペーストはそ
のまま食用、または飲用に供され得る。あるいは、当業
者に公知の様々な添加物、乳飲料、乳酸菌飲料、他の野
菜ペースト、果物ペースト等と混合したり、菓子の原料
として使用したりすることもできる。生果物に含まれて
いる各種の有効成分を保持することを考慮すれば、加熱
過程を含まないで調製できる冷菓などの原料として混合
することが好ましいが、これに限定はされない。
【0032】果物ペーストに加えられる添加物として
は、糖類、防腐剤、安定剤、乳化剤、各種香料、リキュ
ール類等が挙げられるが、これらに限定されない。これ
らの添加物を加えることで、果物ペーストに含まれる成
分の状態が安定したり、腐敗が防止され日持ちが良くな
ったりする。また、香料、リキュール類、および糖類
は、果物ペーストの嗜好性を高めるのに有効である。さ
らに、加熱して、ジャム、フルーツソース等にしたり、
加熱、未加熱を問わず、種々の割合に希釈してケーキ、
ババロア、ムース、アイスクリーム、クッキー、まんじ
ゅう、あん、ゼリー、かんてん類等の菓子類、さらに種
々の料理に用いることができる。
【0033】果物ペーストの保存性をさらに高めるため
に、磨砕後得られた果物ペーストをそのまますぐに急速
冷凍することもできる。あるいは磨砕して得られた果物
ペーストに各種添加物を加えたり、他のペースト等と混
合した後、急速冷凍することもできる。急速凍結の方法
は特に限定されず、冷凍食品の製造に通常用いられる種
々の急速凍結法を採用できる。保持されている果物本来
の風味味覚をさらに維持するためには、急速冷凍工程に
送る果物ペーストの温度は、−10℃〜ー5℃の範囲で
あることが好ましい。
【0034】また、急速冷凍する場合、これらのペース
ト類を真空パックに充填することが、好ましい。本発明
に係る冷凍果物ペーストの製造方法の一実施態様では、
果物ペーストが真空パックされて急速凍結され得る。冷
凍時における果物ペーストの保護し、生の状態を維持さ
れているペースト状の果物の酸化による変質を抑制しう
る。真空パックされた果物ペーストでは、表面のフィル
ムを介して間接的に冷却されることになるので、高品質
の冷凍果物ペーストをその含有する成分を保持しつつ保
存が可能である。真空パックされた果物ペーストを、3
0秒以内に−5℃まで冷却し最終的に−40℃から−2
5℃の温度範囲にまで急速凍結すると、さらに高品質の
冷凍果物ペーストが得られる。
【0035】冷凍方法は、上記の急速冷凍工程と同様
に、例えば、真空パックした果物ペーストに、−30℃
〜−40℃近辺に冷却された空気や窒素、炭酸ガス、ア
ンモニア等々を吹きつける方法や、パックした果物ペー
ストを−20℃〜−30℃近辺に冷却された塩化カルシ
ウム水溶液やアルコール水溶液等の液体に浸漬する方法
等を利用できる。中でも、アルコール水溶液に浸漬する
方法は、液体であるため熱伝達が速く、果物ペーストを
急速に冷却することができ、洩れたときの安全性の面か
らも特に好ましい冷凍方法である。冷凍果物ペーストは
通常、−15℃以下となるように凍結される。−15℃
より高ければ、保蔵中に果物ペースト中の有用成分が変
質してしまうので好ましくない。
【0036】本発明に係る冷凍果物ペーストの製造方法
の一実施態様では、急速凍結された果物ペーストには、
生果物が含んでいた風味成分、ビタミン類等の有用成分
がほとんど変質しないで残存する。
【0037】このようにして、真空パックに封入されて
急速冷凍する本発明にかかる果物ペーストの製造方法に
よれば、全工程を通じて、果物の収穫時有している風
味、味覚有効成分等がそこなわずそのまま保持されてい
る。必要時に、解凍することにより、収穫時そのままの
風味、味覚を形成する有効成分等を有する果物を食する
ことが可能となる。
【0038】本発明の実施例を以下に詳しく説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。本
発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、急速凍結の装置
や冷却媒体や冷却条件、生果物の種類や保管方法や運搬
方法、冷凍果物の形態や保蔵方法等につき、当業者の知
識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実
施し得るものである。
【0039】(実施例1)図1に示される冷凍装置10
を使用して冷凍果物を製造した。冷凍槽12の長さは8
m、幅は1000mm、深さは600mmである。コン
ベヤー18は幅900mmのステンレス鋼(SUS30
4)の金網からなり、その両側端は、モーターによって
駆動されるチェーンに連結されていて、冷凍槽12の底
面上150mmの高さで水平に走行するようにされてい
る。冷却用液体14は50%のエタノール水溶液であっ
た。冷却用液体14の還流システムは、コンベヤー18
の下流側の、冷凍槽12底部に設けられた吸入口24、
ポンプ22、冷凍機23、導入管27、噴出管28、冷
却用液体14の液面下に設けられた噴出口26で構成さ
れていて、冷凍機で一定温度にコントロールされた冷却
用液体14を噴出口26に供給する仕組みとされてい
る。
【0040】冷凍槽12に、−25℃の冷却用液体14
を深さ400mmまで充たし、真空パックされたりんご
100kgが収容されたトレー42を、投入口38でコ
ンベヤー18に乗せて移動させ、冷却用液体14に浸漬
して冷凍させ、取り出し口40から取り出した。用いた
トレー42は、プラスチックで被覆された直径2mmの
鋼線を格子状に組み上げて形成され、その大きさは、4
00mm×850mmで深さは25mmであった。りん
ごは、摘果2時間後に皮のまま、3−5cm角に裁断さ
れ、真空パックされて直ちに冷凍装置に供給された。コ
ンベヤー18の移動速度は0.5m/分、40個の噴出
口26から噴出される冷却用液体14の温度は−40
℃、全噴出量は150リットル/分であった。生果物が
−5℃まで冷却される時間は、冷却用液体14に浸漬後
25秒であった。急速冷凍された冷凍果物の温度は、−
35℃であった。
【0041】本冷凍方法によって、−35℃に急速凍結
された冷凍果物は、解凍されて食用とすることができ、
香気、色沢、滋味に優れていた。
【0042】(実施例2)次に、実施例1で得られた冷
凍果物100gをギロチン式カッター(高橋製作所
(株)社製)で裁断した。この試料を次にマスコロイダ
ー(増幸産業(株)社製;MKZA15〜40)で磨砕
しながら、熱の発生を抑えるつつ、100ミクロンの微
粒子が得られるまで磨砕し、果物ペーストに加工した。
このようにして得られた果物ペーストは、細胞の破壊が
ない為、各成分が有効に保持されていた。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る果物ペーストによれば、生
果物をそのままあるいは急速凍結して原料として用いる
為、各種有用成分の変質が抑制されて多量に残存するの
で、健康の維持・促進に有効な食材となる。また、−1
5℃以下で安定に保蔵できるので、解凍して、年間を通
じて継続的に食することができ、健康増進効果が高めら
れる。
【0044】また、本発明に係る果物ペーストの製造方
法によれば、果物を磨砕してそのままペーストとするた
め、ジューサなどで搾汁する場合と比較して、細胞壁の
損傷が防止され、酸化が抑制されて残存有用成分が増加
する上、繊維成分なども残るという効果がある。
【0045】また、本発明に係る果物ペーストの別の製
造方法によれば、果物ペーストがパックあるいは真空パ
ックされて急速凍結されるので、果物ペーストが酸素を
含む雰囲気から遮断されるので酸化が抑制され、保存性
が高まるという効果が得られる。従って、果物の「しゅ
ん」そのままの風味、味覚で、1年中随時食することが
でき、食生活がさらに豊かになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生果物あるいは果物ペーストを急速凍結する方
法の一例を説明するための、冷凍装置の側方断面図であ
る。
【符号の説明】
10:冷凍装置 12:冷凍槽 14:冷却用液体 18:コンベヤー 22:ポンプ 23:冷凍機 24:吸入口 26:噴出口 27:導入管 28:噴出管 38:投入口 40:取り出し口 42:トレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LC02 LE04 LG01 LP01 LP10 LP11 4B041 LC01 LD10 LK29 LP03 LP16 LP18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】果物を−40℃から−25℃の温度範囲ま
    で急速冷凍するステップと、冷凍した該果物を磨砕し
    て、−10℃から−5℃の温度範囲のペースト状にする
    ステップと、ペースト状の果物を真空包装するステップ
    と、密封したペースト状果物を−40℃から−25℃の
    温度範囲まで急速冷凍するステップとを含む果物ペース
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】前記磨砕ステップが、マスコロイダーを用
    いて行われることを特徴とする請求項1に記載の果物ペ
    ーストの製造方法。
  3. 【請求項3】前記果物が、約100ミクロンの微粒子を
    含む、請求項1又は請求項2に記載の果物ペーストの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記急速冷凍ステップが、果物を、30秒
    以内にー5℃まで冷却し、その後−40℃からー25℃
    以下に冷凍するステップである、請求項1乃至請求項3
    に記載の果物ペーストの製造方法。
  5. 【請求項5】果物を−40℃からー25℃の温度範囲ま
    で急速冷凍するステップと、磨砕して、−10から−5
    ℃の温度範囲のペースト状にするステップと、真空包装
    するステップと、−40℃からー25℃の温度範囲まで
    急速冷凍するステップとを含む、請求項1乃至請求項4
    のいずれかに記載の製造方法により、得られる果物ペー
    スト。
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