JP2001204193A - 直流モータ駆動回路 - Google Patents

直流モータ駆動回路

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JP2001204193A JP2000272908A JP2000272908A JP2001204193A JP 2001204193 A JP2001204193 A JP 2001204193A JP 2000272908 A JP2000272908 A JP 2000272908A JP 2000272908 A JP2000272908 A JP 2000272908A JP 2001204193 A JP2001204193 A JP 2001204193A
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英夫 舩山
Hiromitsu Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁継電器の接点ギャップ長が小さくても、
アークによる常閉接点と常開接点との間のショートの問
題を生じ難い直流モータ駆動回路を提供する。 【解決手段】 電磁継電器20の可動接点が常開接点N/
O に接続されたときに直流電流が直流モータに供給され
て、直流モータ31が駆動され、電磁継電器20の可動
接点が常閉接点N/C に接続されたとき直流モータ31の
回転の制動が行われる。電磁継電器20の可動接点が常
開接点N/O に接続された状態における直流電流の電流路
には、複数個の常開接点N/O が直列に接続される構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車の
ワイパー駆動部やいわゆるパワーウインドウの駆動部に
適用して好適な直流モータの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のワイパー駆動部やいわゆるパワ
ーウインドウの駆動部には、起動制御用に電磁継電器が
用いられる直流モータの駆動回路が良く使用されてい
る。図18は、ワイパー駆動部に用いられる従来の直流
モータ駆動回路の例を示すものであり、また、図19は
パワーウインドウの駆動部に用いられる従来の直流モー
タ駆動回路の例を示すものである。まず、ワイパー駆動
部の直流モータ駆動回路の例について説明する。
【0003】図18に示すように、ワイパー駆動用の直
流モータ1の一端側は、電磁継電器2の可動接点(接極
子(アーマチュア)により駆動される接点ばねなどに設
けられる)ARに接続されている端子(以下、可動接点
に接続されている端子を可動接点端子と称する)2aに
接続される。
【0004】また、直流モータ1の他端側は、電磁継電
器2の常閉接点N/C (ノーマルクローズの接点(ブレイ
ク接点))に接続されている端子(以下、常閉接点N/C
に接続されている端子を常閉接点端子と称する)2bに
接続されると共に、その接続点2dが接地される。
【0005】さらに、電磁継電器2の常開接点N/O (ノ
ーマルオープンの接点(メイク接点))に接続されてい
る端子(以下、常開接点N/O が接続されている端子を常
開接点端子と称する)2mは、自動車用のバッテリーか
らの直流電源電圧が供給される電源端子3に接続され
る。
【0006】そして、電磁継電器2のコイル2Cには、
ワイパー制御回路4から、使用者のワイパースイッチ5
の操作に応じた制御電流が供給される。ワイパースイッ
チ5は、OFFポジション、間欠ポジションおよび連続
ポジションの3個の切換位置を備える。それらの各切換
位置の接点5a,5bおよび5cは、ワイパーコントロ
ール4に接続されている。
【0007】すなわち、ワイパースイッチ5の可動子5
mが接点5a(「OFF」ポジション)の切換位置にあ
るときには、ワイパー制御回路4からはコイル2Cに制
御電流が供給されない。このため、電磁継電器2の可動
接点ARは、常閉接点N/C 側に接続されているので、直
流モータ1の一端および他端が互いに接続され、直流モ
ータ1は制動状態または静止状態にある。
【0008】ワイパースイッチ5の可動子5mが接点5
b(「間欠」ポジション)の切換位置に切り換えられた
ときには、ワイパー制御回路4は、間欠的に電磁継電器
2のコイル2Cに制御電流を供給する。これにより、電
磁継電器2では、可動接点ARは、制御電流がコイル2
Cに流れる間だけ常開接点N/O 側に接続され、制御電流
が途絶えたときには常閉接点N/C 側に戻る。つまり、電
磁継電器2の可動接点ARは、制御電流の断続に応じ
て、常閉接点N/C と、常開接点N/O とに交互に接続され
る。
【0009】このとき、直流モータ1には、電磁継電器
2の可動接点ARが常開接点N/O 側に接続されるとき
に、図示のように直流電流Iが流れて、直流モータ1が
回転駆動される。また、可動接点ARが常閉接点N/C 側
に接続されるときには、直流モータ1への直流電流の供
給が停止されると共に、直流モータ1は発電機となっ
て、電流Iとは逆向きの電流が流れて制動される。つま
り、直流モータ1が間欠的に回転駆動される。そして、
この直流モータ1の間欠的な回転駆動により、間欠的に
ワイパーが駆動される。
【0010】また、ワイパースイッチ5の可動子5mが
接点5c(「連続」ポジション)の切換位置に切り換え
られたときには、ワイパー制御回路4は、連続的に電磁
継電器2のコイル2Cに制御電流を供給する。このた
め、電磁継電器2では、可動接点ARは常開接点N/O 側
に接続され、直流モータ1には、連続的に図示のように
直流電流Iが流れる。これにより、ワイパーが連続的に
駆動される。
【0011】そして、ワイパースイッチ5の可動子5m
が接点5aの切換位置(「OFF」ポジション)に戻さ
れたときには、コイル2Cには制御電流が流れなくなっ
て、電磁継電器2では、可動接点ARは常閉接点N/C 側
に接続される状態に復旧する。したがって、直流モータ
1は発電機となって、直流電流Iとは逆向きの電流が流
れて制動され、停止する。
【0012】次に、パワーウインドウの駆動部に用いら
れる従来の直流モータ駆動回路の例を説明する。
【0013】図19に示すように、パワーウインドウ用
の直流モータ11の一端側は、ウインドウアップ制御用
の電磁継電器12の可動接点端子12aに接続され、ま
た、直流モータ11の他端側は、ウインドウダウン制御
用の電磁継電器13の可動接点端子13aに接続され
る。
【0014】そして、電磁継電器12の常閉接点端子1
2bと、電磁継電器13の常閉接点端子13bとは互い
に接続され、その接続点17が接地される。また、電磁
継電器12の常開接点端子12mと、電磁継電器13の
常開接点端子13mとは互いに接続され、その接続点1
8が、自動車のバッテリーからの直流電源電圧が供給さ
れる電源端子3に接続される。
【0015】そして、電磁継電器12のコイル12Cに
は、ウインドウアップ制御回路14から、使用者のウイ
ンドウアップ操作に応じた制御電流が供給される。ま
た、電磁継電器13のコイル13Cには、ウインドウダ
ウン制御回路16から、使用者のウインドウダウン操作
に応じた制御電流が供給される。
【0016】すなわち、使用者がウインドウアップ操作
をすると、例えばその操作が行われている間、スイッチ
15がオンとなり、ウインドウアップ制御回路14から
電磁継電器12のコイル12Cに制御電流が流れ、電磁
継電器12の可動接点ARは常開接点N/O 側に接続され
る。したがって、直流モータ11には、図19におい
て、実線の矢印I1で示す方向に直流電流が流れて、直
流モータ11は例えば正転方向に駆動され、これによ
り、自動車の窓ガラスが閉まる方向に上昇運動するよう
にされる。
【0017】そして、使用者がウインドウアップ操作を
止めると、スイッチ15がオフに戻り、電磁継電器12
のコイル12Cには制御電流が流れなくなり、可動接点
ARは常閉接点N/C 側に戻る。このため、直流モータ1
1は制動され、窓ガラスの上昇運動は停止する。
【0018】また、使用者がウインドウダウン操作をす
ると、例えばその操作が行われている間、スイッチ17
がオンとなり、ウインドウダウン制御回路16から電磁
継電器13のコイル13Cに制御電流が流れ、電磁継電
器13の可動接点ARは常開接点N/O 側に接続される。
したがって、直流モータ11には、図19において、破
線の矢印I2で示す方向に直流電流が流れて、直流モー
タ11は前記とは逆の回転方向に駆動され、これによ
り、自動車の窓ガラスが下降運動するようにされる。
【0019】そして、使用者がウインドウダウン操作を
止めると、スイッチ17がオフに戻り、電磁継電器13
のコイル13Cには制御電流が流れなくなり、可動接点
ARは常閉接点N/C 側に戻る。このため、直流モータ1
1は制動され、窓ガラスの下降運動は停止する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして、従
来の直流モータ駆動回路の場合、電磁継電器の一つの接
点組を用い、制御電流を電磁継電器のコイルに供給し
て、可動接点ARを常開接点N/O 側に接続することによ
り、直流モータを回転駆動し、また、制御電流を停止し
て、電磁継電器を復旧させて、可動接点ARを常閉接点
N/C 側に接続することにより、直流モータに制動をかけ
るようにしている。
【0021】ところで、この種の直流モータ駆動回路に
用いられている電磁継電器においては、直流モータに電
磁継電器の常開接点N/O を介して直流電流が流れている
状態から、コイルに制御電流が流れなくなって電磁継電
器が復旧する際には、常開接点N/O からの可動接点AR
の開離時に、常開接点N/O と可動接点ARとの間にアー
クが発生する。
【0022】このため、電磁継電器の復旧状態における
可動接点ARと常開接点との間のギャップ長(以下、説
明の簡単のために、このギャップ長を、単に、接点ギャ
ップ長と言うことにする)が小さい場合には、電磁継電
器が復旧する際に、常開接点N/O からの可動接点ARの
開離時のアークが切れる前に、可動接点ARが常閉接点
N/C に接触し、接点組の常閉接点N/C と常開接点N/O と
の間が短絡(ショート)してしまい、電磁継電器が不良
となってしまうおそれがある。
【0023】そこで、従来は、電源端子3に印加される
電圧値(バッテリー電圧値)に応じて、接点ギャップの
大きさが定められている。このため、例えば直流12V
のバッテリーが標準の通常の乗用車の場合には、上述の
ような直流モータ駆動回路用としては、接点ギャップ長
が、例えば0.3mmの電磁継電器が用いられる。これ
に対し、例えば24V(最大値は32V)以上の高電圧
が用いられるトラックやバスなどの場合、接点ギャップ
長が、例えば1.2mm以上の電磁継電器が必要とされ
ていた。
【0024】したがって、従来は、電源電圧が大きくな
ると、接点ギャップ長が長くなるので、電磁継電器が大
型化して、プリント基板に実装する際の支障となると共
に、可動接点ARのストロークが大きくなるために、電
磁継電器の動作速度が遅くなるという問題があった。特
に、最近は、ガソリンと電気を併用するエンジンを用い
るハイブリットカーや、電気自動車なども登場して、自
動車のバッテリーの電圧は、高電圧化しつつあり、上述
の問題点は大きい。
【0025】この発明は、以上の点にかんがみ、接点ギ
ャップ長を大きくした電磁継電器を使用しなくても、電
源電圧が高くなった場合の問題を生じないようにした直
流モータ駆動回路を提供することを目的とするものであ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による直流モータ駆動回路は、電磁継電器
が常開接点に接続されたときに、前記電磁継電器を介し
て直流電流が直流モータに供給されて、前記直流モータ
が駆動され、前記電磁継電器が常閉接点に接続されたと
き、前記電磁継電器を介して、前記直流モータの一端お
よび他端間が接続されて、前記直流モータの回転の制動
が行われる直流モータ駆動回路において、前記電磁継電
器が常開接点に接続された状態における前記直流電流の
電流路には、複数個の常開接点が直列に接続されること
を特徴とする。
【0027】
【作用】上述の構成のこの発明による直流モータ駆動回
路によれば、直流モータを駆動すべく、電磁継電器のコ
イルに制御電流が供給されてその可動子が常開接点側に
接続されて、直流モータに直流電流が供給されるとき、
その直流電流は、直列に接続された複数個の常開接点を
介して直流モータに供給される。
【0028】したがって、電磁継電器のコイルへの制御
電流が停止されて、電磁継電器が復旧する場合の回路電
圧は、可動接点(完全に電磁継電器が復旧したときに
は、可動接点は常閉接点と接続)と常開接点とのギャッ
プが複数個直列に接続されたものに印加されることにな
るので、それぞれのギャップへの印加電圧は、直列接続
された常開接点の個数分の1に分圧されて低くなる。
【0029】したがって、電磁継電器のコイルへの制御
電流が停止されて、電磁継電器が復旧する場合に、可動
接点と常開接点N/O との間にアークが発生しても、複数
個のギャップのそれぞれの印加電圧が低くなり、接点ギ
ャップ長が短くても、アークによるショートの問題を生
じ難くすることができる。そして、直列に接続された複
数個の常開接点N/O から複数個の可動接点が同時に開離
するため、可動接点の開離速度は等価的に速くなる。
【0030】以上のことから、この発明によれば、接点
ギャップ長が小さい小型の電磁継電器を用いても、その
電磁継電器の可動接点が常開接点から離れる時に発生す
るアークを、可動接点が常閉接点側に戻るまでに切れる
ようにすることができる。
【0031】この発明によれば、アーク遮断能力が小さ
い電磁継電器を用いても、アーク遮断能力を、それ以上
に向上させた直流モータ駆動回路を提供することができ
る。
【0032】なお、この明細書において、電磁継電器の
可動接点が常開接点から離れる時に発生するアークを、
可動接点が常閉接点側に戻るまでに切れるようにする能
力をアーク遮断能力という。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明による直流モータ
駆動回路の実施の形態を、前述したワイパー駆動部およ
びパワーウインドウ駆動部に適用した場合について、図
を参照しながら説明する。
【0034】[ワイパー駆動部に適用した直流モータ駆
動回路の実施の形態]図1は、この発明をワイパー駆動
部に適用した場合の実施の形態の構成を示すものであ
る。この図1の実施の形態においては、ワイパー駆動制
御用の電磁継電器20が、ワイパー制御回路33によ
り、駆動制御されることにより、ワイパー駆動用の直流
モータ31の回転駆動および制動制御が行われる構成と
される。この図1の実施の形態においては、ワイパー駆
動制御用の電磁継電器20として、第1の接点組22と
第2の接点組26との2個の接点組を備えるものを使用
する。
【0035】そして、ワイパー駆動用直流モータ31の
一端側は、電磁継電器20の第2の接点組26の可動接
点29に接続されている可動接点端子26aに接続され
る。また、直流モータ31の他端側は、電磁継電器20
の第2の接点組26の常閉接点27に接続されている常
閉接点端子26bに接続されると共に、その接続点22
dが接地される。
【0036】さらに、電磁継電器20の第2の接点組2
6の常開接点28に接続されている常開接点端子26m
は、第1の接点組22の常開接点24に接続されている
常開接点端子22mに接続される。この第1の接点組2
2の常閉接点23が接続されている常閉接点端子22b
は遊端とされ、第1の接点組22の可動接点25が接続
されている可動接点端子22aは、自動車用のバッテリ
ーからの例えば24Vの直流電源電圧が供給される電源
端子32に接続される。
【0037】そして、電磁継電器20の2個の接点組2
2および26を連動して制御するためのコイル21に
は、ワイパー制御回路33から、使用者のワイパースイ
ッチ34の操作に応じた制御電流が供給される。ワイパ
ースイッチ34は、OFFポジション、間欠ポジション
および連続ポジションの3個の切換位置を備える。それ
らの各切換位置の接点34a,34bおよび34cは、
ワイパー制御回路33に接続されている。ワイパースイ
ッチ34の可動子34mが使用者の操作に応じた切換位
置に切り換えられると、ワイパー制御回路33により、
その切換位置に応じたワイパー制御が行われる。
【0038】図2は、図1の簡略化回路である。この図
2をも参照しながら、図1の直流モータ駆動回路の動作
について説明する。
【0039】ワイパースイッチ34の可動子34mが接
点34a(「OFF」ポジション)の切換位置にあると
きには、ワイパー制御回路33からはコイル21に制御
電流が供給されないので、電磁継電器20の接点組22
および26の可動接点25および29は、共に常閉接点
23および27に接続されている。したがって、直流モ
ータ31の両端は、第2の接点組26の常閉接点27側
を介して互いに接続された状態となる。この状態におい
ては、直流モータ31は制動状態にある。
【0040】ワイパースイッチ34が接点34b(「間
欠」ポジション)の切換位置に切り換えられたときに
は、ワイパー制御回路33により、間欠的に電磁継電器
20のコイル21に制御電流が流れるようにされる。す
ると、電磁継電器20では、間欠的に制御電流がコイル
21に流れる間だけ、2個の接点組22および26の可
動接点25および29は、連動してほぼ同時にそれぞれ
常開接点24および28に接続される。そして、コイル
21に制御電流が流れない間は、それぞれの可動接点2
5および29は、連動してほぼ同時に常開接点24およ
び28から開離して、ほぼ同時にそれぞれ常閉接点23
および27に戻る。
【0041】そして、電磁継電器20の2個の接点組2
2および26の可動接点25および29が、それぞれ常
開接点24および28に接続されるときに、直流モータ
31には、図2の矢線Iに示すように直流電流Iが流れ
て、この直流モータ31が回転駆動される。また、電磁
継電器20の2個の接点組22および26の可動接点2
5および29が、それぞれ常閉接点23および27に接
続されるときには、直流モータ31は制動される。つま
り、直流モータ31が間欠的に回転駆動され、この直流
モータ31の間欠的な回転駆動により、間欠的にワイパ
ーが駆動される。
【0042】また、ワイパースイッチ34が接点34c
(「連続」ポジション)の切換位置に切り換えられたと
きには、ワイパー制御回路33により、連続的に電磁継
電器20のコイル21に制御電流が流れる。このため、
電磁継電器20では、2個の接点組22および26の可
動接点25および29は、連動してほぼ同時にそれぞれ
常開接点24および28に接続され、直流モータ31に
は、連続的に図2の矢線Iに示すように直流電流Iが流
れる。これにより、ワイパーが連続的に駆動される。
【0043】そして、ワイパースイッチ34が接点34
a(「OFF」ポジション)の切り換え位置に戻された
ときには、コイル21には制御電流が流れなくなるの
で、電磁継電器20では、2個の接点組22および26
の可動接点25および29は、連動してほぼ同時にそれ
ぞれ常閉接点23および27に復旧する。
【0044】なお、この場合に、この明細書において、
「複数個の可動接点が連動してほぼ同時に常閉接点N/C
側に復旧する」とは、複数個の接点組の可動接点のそれ
ぞれが常開接点N/O から常閉接点N/C 側に復旧するとき
に、それらの複数個の可動接点が、共に、常開接点N/O
にも、常閉接点N/C にも接触しない状態を同時に生じる
状態を経て、常閉接点N/C 側に復旧することを意味す
る。
【0045】すなわち、「複数個の可動接点が連動して
同時に復旧する」という場合に、かならずしも、複数個
の可動接点が、全く同時に常開接点N/O から離れる必要
はなく、また、全く同時に常閉接点N/C に接触するよう
に復旧する必要はない。要は、複数個の可動接点が、共
に、常開接点N/O にも、常閉接点N/C にも接触しない状
態を同時に生じる状態が生じればよいことを意味してい
る。
【0046】一方、「複数個の可動接点が連動してほぼ
同時に常開接点N/O 側に切り換わる」場合には、複数個
の可動接点が、常開接点N/O にも、常閉接点N/C にも接
触しない状態を同時に生じる状態を経ることは必須では
なく、ある一つの可動接点が常閉接点N/C から常開接点
N/O に完全に切り替わってから、他の可動接点が常閉接
点N/C から常開接点N/O に切り替わるようにされていて
もよい。
【0047】なお、複数個の電磁継電器により、あるい
は複数個のコイルにより、それぞれ「複数個の可動接点
が連動してほぼ同時に常閉接点N/C 側に復旧する」よう
にする場合、各コイルへの直流電流の供給タイミングを
制御するために、例えば、その直流電流の供給路に遅延
回路等のタイミング制御回路を設けるようにしてもよ
い。
【0048】上述の構成の図1の実施の形態の場合、図
2から容易に判るように、電磁継電器20の第2の接点
組26の常開接点28は、第1の接点組22の常開接点
24を通じて電源端子32に接続されている。すなわ
ち、直流モータ31に流れる直流電流Iの電流路には、
2個の常開接点24および28が直列に接続される状態
となる。
【0049】したがって、各接点組22および26にお
いて、それぞれの可動接点25および29が常開接点2
4および28側から常閉接点23および27側に復旧す
るときに、それぞれの可動接点25および29と常開接
点24および28との間のギャップにアークが発生した
場合、電源電圧は、それらの2個のギャップに印加され
ることになるので、電源電圧は分圧されて、1つのギャ
ップ当たりの印加電圧は1/2になる。そして、可動接
点25および29が常閉接点23および27に接続され
る状態に戻ったときには、電源電圧は、復旧状態におけ
る可動接点25および29と常開接点24および28と
の間の2個のギャップに印加されることになる。
【0050】したがって、この実施の形態の直流モータ
駆動回路においては、アーク遮断能力を考慮する際の第
1および第2の接点組22および26の接点ギャップ長
は、それら第1および第2の接点組の接点ギャップ長を
等しくするならば、電源電圧が、そのときの電源電圧の
1/2の電圧のときの電圧値を考慮して定めればよい。
【0051】このため、接点組22および26のそれぞ
れにおける接点ギャップ長が短くても、前述したような
アークによるショートの問題を生じ難くすることができ
る。
【0052】しかも、接点ギャップの大きさが小さい複
数個の常開接点を直列に接続した構成により、常開接点
の開離速度を等価的に高速にすることができる。すなわ
ち、この実施の形態においては、それぞれの接点ギャッ
プの大きさは小さい複数個の常開接点を直列に接続した
ことにより、電源電圧が印加される接点ギャップの大き
さを等価的に大きくすることができる。そして、この等
価的な大きさの接点ギャップについての開離速度は、直
列接続の各常開接点がほぼ同時に開離するので、一つの
常開接点についての開離速度でよくなり、その等価的な
大きさの接点ギャップを一つの接点組で実現する場合に
比べて、速くなる。
【0053】したがって、この点においても、この実施
の形態の直流モータ駆動回路によれば、接点ギャップ長
が小さい電磁継電器であっても、アーク遮断能力を向上
させることができる。
【0054】そして、この実施の形態の直流モータ駆動
回路によれば、バッテリーの電圧が高くなっても、電磁
継電器の接点ギャップ長を大きくする必要はないので、
小型の電磁継電器を使用することができる。また、電源
のバッテリー電圧が高くなっても、接点ギャップ長は短
くてよいので、動作速度が速い電磁継電器を用いること
ができるという効果もある。
【0055】なお、図1において、第2の接点組26の
常開接点端子26mを、第1の接点組22の可動接点端
子22aに接続し、第1の接点組22の常開接点端子2
2mを電源端子32に接続するように構成しても、上述
と同様の作用効果が得られる。
【0056】また、図1の実施の形態は、直流モータ3
1の一方の端部を接地する場合であるが、直流モータ3
1の一方の端部を電源端子32に接続するように構成す
ることもできる。図3は、その場合の構成例を示すもの
で、図1の例と同一部分には同一符号を付してある。
【0057】すなわち、図3の実施の形態では、直流モ
ータ31の一端側は、電磁継電器20の第1の接点組2
2の可動接点端子22aに接続され、また、直流モータ
31の他端側は、電磁継電器20の第1の接点組22の
常閉接点端子22bに接続されると共に、その接続点2
2eが電源端子32に接続される。
【0058】そして、電磁継電器20の第1の接点組2
2の常開接点端子22mは、第2の接点組26の常開接
点端子26mに接続される。この第2の接点組26の常
閉接点端子26bは遊端とされ、第2の接点組26の可
動接点端子26aは、接地される。その他は、図1の例
と全く同様に構成される。
【0059】この図3の構成の実施の形態の場合の簡略
化回路を図4に示す。この図3の実施の形態の場合も、
上述した図1の実施の形態の場合と全く同様の作用効果
が得られる。
【0060】なお、この図3の構成においても、第1の
接点組22の常開接点端子22mを、第2の接点組26
の可動接点端子26aに接続し、第2の接点組26の常
開接点端子26mを接地するように構成しても、上述と
同様の作用効果が得られる。
【0061】なお、図1または図3の実施の形態におい
て、第1の接点組22と第2の接点組26とは、それぞ
れ別々の電磁継電器を用いて構成してもよい。その場合
には、それら別々の電磁継電器にワイパー制御回路33
からの制御電流を同時に供給して、それら別々の電磁継
電器を連動してほぼ同時に制御するようにしてもよい。
【0062】この場合に、別々の電磁継電器の連動制御
に当たっては、それらの電磁継電器のそれぞれの接点組
の可動接点のそれぞれが、常開接点N/O 側から常閉接点
N/C側に復旧するときに、それらの複数個の可動接点
が、共に、常開接点N/O にも、常閉接点N/C にも接触し
ない状態を同時に生じる状態を経て、常閉接点N/C 側に
復旧するように、必要に応じてタイミング制御すること
は前述と同様である。
【0063】このタイミング制御の点においては、図1
または図3の実施の形態のように、一つの電磁継電器に
おいて1個のコイルにより、複数個の可動接点を同時に
切換制御するようにした場合には、上述のタイミング制
御は容易である、あるいは不要となるというメリットが
ある。
【0064】上述の実施の形態では、各接点組の各接点
からそれぞれ端子が導出されており、第1の接点組22
の常開接点24と、第2の接点組の常開接点28とは、
それらの常開接点端子22mと、28mとを接続するこ
とにより、直列に接続するようにしたが、上述のような
自動車部品として、予め、筐体内で2つの接点組の常開
接点を直列に接続した電磁継電器を用意して、用いるよ
うにすることもできる。
【0065】図5は、図1に示したワイパー駆動制御用
の電磁継電器20の構造の一例を示す図であり、この例
は、筐体内で2つの接点組の常開接点を直列に接続し
て、常開接点端子は省略したものである。図5は、電磁
継電器20を各部品に分解して示したものである。
【0066】図5の電磁継電器20の各部品は、端子板
201上に組み立てられ、カバー202が端子板201
に組み合わされることにより、組み立てられた部品が覆
われる構成とされる。この例の電磁継電器20の筐体
は、端子板201とカバー202とにより構成される。
【0067】図5において、203は電磁石組立であ
り、L字型の継鉄203aによって鉄心入りのコイル2
1を保持する構造を有している。そして、この電磁石組
立203は、コイル21の一端および他端がそれぞれ接
続されている導電体材料からなるコイル端子204およ
び205を備える。このコイル端子204および205
は、端子板201のコイル端子導出用貫通孔201a,
201bを貫通して、外部に導出される。
【0068】209は、導電体材料からなる共通常開接
点板である。この共通常開接点板209には、第1の接
点組22の常開接点24と、第2の接点組26の常開接
点28とが形成されている。この共通常開接点板209
は、折り曲げ片209aを備え、その折り曲げ片209
aが電磁石組立203に設けられている凹溝212に嵌
合されることにより、共通常開接点板209が電磁石組
立203に取り付けられる。共通常開接点板209から
は、電磁継電器20の筐体外部に端子は導出されない。
【0069】206は、第2の接点組26の常閉接点2
7が形成されている導電体材料からなる常閉接点板であ
る。この例では、この常閉接点板206は、電磁石組立
203に設けられている挿入溝211に嵌合されて、電
磁石組立203に取り付けられるが、その際、常閉接点
27と、共通常開接点板209に設けられている常開接
点28とが所定のギャップ長だけ離れるように、常閉接
点板206は、取り付けられる。なお、挿入溝211
は、常開接点28と常閉接点27との間の距離分だけの
高さを備えるように構成されている。
【0070】常閉接点板206には、これと一体に常閉
接点端子206tが形成されている。この常閉接点端子
206tは、端子板201の端子導出用貫通孔201c
を貫通して外部に導出されるようにされている。
【0071】207および208は、導電体材料からな
る可動接点ばねである。可動接点ばね207には可動接
点25が形成され、可動接点ばね208には可動接点2
9が形成されている。この例では、これら可動接点ばね
207および208を絶縁物213、214により固着
して、磁性材からなる接極子板215に取り付けて接極
子組立を構成する。
【0072】すなわち、この例においては、2個の可動
接点ばね207および208は、ほぼL字形に折り曲げ
られた形状を備え、これら可動接点ばね207、208
を図5に示すように揃えて並べた状態において、その折
り曲げ位置の両側で絶縁物213および214により、
これら2個の可動接点ばね207、208を固着する。
この固着は、例えば絶縁物213、214として絶縁樹
脂を用いたインサート成型によって行われる。
【0073】そして、可動接点ばね207、208の、
可動接点25および29が設けられる方の固着部分の絶
縁物214には、磁性材からなる接極子板215が固着
されて、接極子組立が構成される。
【0074】そして、可動接点ばね207、208を含
むこの接極子組立は、絶縁物213の部分で、電磁石組
立203に取り付けられる。このとき、コイル21に電
流が流れていない状態においては、可動接点ばね208
に設けられている可動接点29が、常閉接点27に接触
すると共に、常開接点28と所定のギャップ長分だけ離
れるようにされ、また、可動接点ばね207に設けられ
ている可動接点25は、常開接点24と所定のギャップ
長分だけ離れるようにされる。
【0075】そして、この取り付け状態では、電磁石組
立203のコイル21に電流が流れることにより構成さ
れる電磁石により、接極子板215が吸引されるように
構成されている。接極子板215は、2個の可動接点ば
ね207、208に固着されているので、2個の可動接
点ばね207、208は、この接極子板215の動きに
応じて同時に駆動される。
【0076】そして、可動接点ばね207の可動接点端
子207tは、端子板201の端子導出用貫通孔201
dを貫通して外部に導出され、また、可動接点ばね20
8の可動接点端子208tは、端子板201の端子導出
用貫通孔201eを貫通して外部に導出されるようにさ
れている。
【0077】この第2の実施の形態の電磁継電器20
は、以上のような構成であるので、コイル21に電流が
供給されない状態では、接極子板215は、電磁石組立
203側に吸引されず、このため、可動接点ばね207
および208は、共通常開接点板209側に変位され
ず、第2の接点組26の可動接点29は、常開接点28
とは離間して、常閉接点27に接続される状態になると
ともに、第1の接点組22の可動接点25は、常開接点
24と離間される状態となる。
【0078】そして、コイル端子204および205を
通じてコイル21に電流が供給されると、接極子板21
5が電磁石組立203に吸引されるため、可動接点ばね
207および208は、常開接点板209側に同時に変
位し、可動接点25および29が、それぞれ常開接点2
4および28に同時に接続される。
【0079】したがって、可動接点ばね207の端子2
07tと可動接点ばね208の端子208tとの間に
は、2個の常開接点24、28が直列に接続されること
になる。
【0080】そして、コイル21への電流の供給が停止
されると、電磁石組立203による接極子板215の吸
引力が消滅するため、可動接点ばね207および208
は、自身の弾性復帰力により、ほぼ同時に共通常開接点
板209の常開接点24および28から開離し、可動接
点29が常閉接点27に接続され、可動接点25が常開
接点24と離間する元の状態に復帰する。
【0081】このときに、電磁継電器20が、図1の直
流モータ駆動回路のように接続された場合、電源電圧が
印加される等価的な接点ギャップ長は、可動接点29と
常開接点28との間のギャップ長g1と、可動接点25
と常開接点24との間のギャップ長g2との和となり、
電源電圧は、それぞれのギャップ長g1,g2に分圧さ
れて印加されることになる。したがって、前述したアー
ク遮断能力として十分なギャップ長g1,g2の値は、
電源電圧が、一つの接点ギャップに印加される場合に比
較して短くてよくなる。
【0082】そして、この例の場合、電磁継電器20と
して必要な接点ギャップ長は、g1(あるいはg2;g
1とg2とはほぼ等しい)であるので、一つの接点組の
接点ギャップの場合の、ほぼ1/2とすることができ
る。したがって、電磁継電器20は小型のものとするこ
とができる。
【0083】また、この実施の形態の電磁継電器20の
場合には、接極子カードを用いない構成であるので、部
品点数を少なくすることができる。
【0084】また、この実施の形態の構成によれば、2
個の可動接点ばね207、208が、絶縁物により接極
子板215に固定されているので、2個の可動接点2
5、29の一方と常開接点24、28の一方が溶着した
ときには、他方の可動接点も、復帰位置まで戻らない。
このため、常閉接点が存在しない方の可動接点25と常
開接点24とが溶着しても、他方の可動接点29は、常
閉接点27側には戻らないので、電磁継電器の可動接点
の常開接点からの開離時の継続アークにより、常開接点
と常閉接点との間がデッドショートとなることはない。
【0085】したがって、上述のような溶着が発生した
ときであっても、電磁継電器が破壊されてしまうだけで
あって、同じ回路基板上の制御回路などを破壊してしま
うような事態を回避することができる。
【0086】[パワーウインドウ駆動部に適用した直流
モータ駆動回路の実施の形態]次に、この発明による直
流モータ駆動回路の実施の形態を、パワーウインドウ駆
動部に適用した場合について説明する。
【0087】図6は、この発明をパワーウインドウ駆動
部に適用した実施の形態の構成を示すものである。この
図6の実施の形態においては、前述した図19の従来の
構成における電磁継電器12および13の代わりに、上
述の実施の形態と同様の2個の接点組を備える電磁継電
器40および50を用いる。
【0088】すなわち、パワーウインドウ用の直流モー
タ36の一端側は、ウインドウアップ制御用の電磁継電
器40の第2の接点組46の可動接点48が接続されて
いる可動接点端子46aに接続され、また、直流モータ
36の他端側は、ウインドウダウン制御用の電磁継電器
50の第2の接点組52の可動接点58が接続されてい
る可動接点端子52aに接続される。
【0089】そして、電磁継電器40の第2の接点組4
6の常閉接点47に接続されている常閉接点端子46b
と、電磁継電器50の第2の接点組56の常閉接点57
に接続されている常閉接点端子56bとは互いに接続さ
れ、その接続点61が接地される。
【0090】また、電磁継電器40の第2の接点組46
の常開接点48が接続されている常開接点端子46m
は、第1の接点組41の常開接点44が接続されている
常開接点端子42mに接続され、この第1の接点組41
の常閉接点43が接続されている常閉接点端子42bは
遊端とされる。
【0091】また、電磁継電器50の第2の接点組56
の常開接点58が接続されている常開接点端子56m
は、第1の接点組52の常開接点54が接続されている
常開接点端子52mに接続され、この第1の接点組52
の常閉接点が接続されている常閉接点端子52bは遊端
とされる。
【0092】さらに、電磁継電器40の第1の接点組4
2の可動接点45が接続されている可動接点端子42a
と、電磁継電器50の第1の接点組52の可動接点55
が接続されている可動接点端子52aとが互いに接続さ
れ、その接続点62が電源端子32に接続される。
【0093】そして、電磁継電器40のコイル41に
は、ウインドウアップ制御回路63から、使用者のウイ
ンドウアップ操作に応じた制御電流が供給される。ウイ
ンドウアップ制御回路63には、使用者のウインドウア
ップ操作のためのスイッチ64が接続されている。ま
た、電磁継電器50のコイル51には、ウインドウダウ
ン制御回路65から、使用者のウインドウダウン操作に
応じた制御電流が供給される。ウインドウダウン制御回
路65には、使用者のウインドウダウン操作のためのス
イッチ66が接続されている。
【0094】図7は、図6の簡略化回路である。この図
7をも参照しながら、図6の直流モータ駆動回路の動作
について説明する。
【0095】使用者がウインドウアップ操作をすると、
例えばその操作が行われている間、スイッチ64がオン
となり、ウインドウアップ制御回路63から電磁継電器
40のコイル41に制御電流が流れ、電磁継電器40の
第1および第2の接点組42および46の可動接点45
および49のそれぞれは、連動してほぼ同時に常開接点
44および48側に接続される。したがって、直流モー
タ36には、図7において、実線の矢印Inで示す方向
に直流電流Inが流れて、直流モータ36は例えば正転
方向に駆動され、これにより、自動車の窓ガラスが上昇
運動するようにされる。
【0096】そして、使用者がウインドウアップ操作を
止めると、スイッチ64がオフに戻り、電磁継電器40
のコイル41には制御電流が流れなくなり、2個の接点
組42および46の可動接点45および49のそれぞれ
は、連動してほぼ同時に常閉接点43および47側に戻
る。このため、直流モータ36は制動されて、窓ガラス
の上昇運動が停止する。
【0097】また、使用者がウインドウダウン操作をす
ると、例えばその操作が行われている間、スイッチ66
がオンとなり、ウインドウダウン制御回路65から電磁
継電器50のコイル51に制御電流が流れ、電磁継電器
50の2個の接点組52および56の可動接点55およ
び59のそれぞれは、連動してほぼ同時に常開接点54
および58側に接続される。したがって、直流モータ3
6には、図7において、破線の矢印Irで示す方向に直
流電流Irが流れて、直流モータ36は前記とは逆の回
転方向に駆動され、これにより、窓ガラスが下降運動す
るようにされる。
【0098】そして、使用者がウインドウダウン操作を
止めると、スイッチ66がオフに戻り、電磁継電器50
のコイル51には制御電流が流れなくなり、2個の接点
組52および56の可動55および59のそれぞれは、
連動してほぼ同時に常閉接点54および58側に戻る。
このため、直流モータ36は制動されて、窓ガラスの下
降運動が停止する。
【0099】このパワーウインドウの駆動部に適用した
場合の実施の形態においても、電磁継電器40または5
0の第2の接点組46または56の常開接点48および
58は、第1の接点組42または52の常開接点44お
よび48を通じて電源端子32に接続される構成であ
り、直流モータ36に流れる、直流電流InまたはIr
の電流路には、2個の常開接点44と48または54と
58が直列に接続される状態となる。
【0100】したがって、この実施の形態においても、
前述の実施の形態と同様にして、各接点組における接点
ギャップ長が小さい電磁継電器40および50を用いて
も、アーク遮断能力が向上する。すなわち、この実施の
形態の直流モータ駆動回路によれば、電源電圧が高くな
っても接点ギャップの小さい小型の電磁継電器を使用す
ることができる。
【0101】なお、図6において、電磁継電器40では
第2の接点組46の常開接点端子46mを、第1の接点
組42の可動接点端子42aに接続し、第1の接点組4
2の常開接点端子42mを電源端子32に接続し、ま
た、電磁継電器50では第2の接点組56の常開接点端
子56mを、第1の接点組52の可動接点端子52aに
接続し、第1の接点組52の常開接点端子52mを電源
端子32に接続するように構成しても、上述と同様の作
用効果が得られる。
【0102】また、図6の実施の形態は、直流モータ3
6の制動時、直流モータ36の両端は接地するように構
成したが、直流モータ36の制動時に、直流モータ36
の両端を電源端子32に接続することもできる。図9
は、その場合の構成例を示すもので、図6の例と同一部
分には同一符号を付してある。
【0103】すなわち、図9の実施の形態では、直流モ
ータ36の一端側は、電磁継電器40の第1の接点組4
2の可動接点端子42aに接続され、また、直流モータ
36の他端側は、電磁継電器50の第1の接点組52の
可動接点端子52aに接続される。そして、電磁継電器
40の第1の接点組42の常閉接点端子42bと電磁継
電器50の第1の接点組52の常閉接点端子52bとが
互いに接続されると共に、その接続点67が電源端子3
2に接続される。
【0104】そして、電磁継電器40の第1の接点組4
2の常開接点端子42mは、第2の接点組46の常開接
点端子46mに接続され、また、電磁継電器50の第1
の接点組52の常開接点端子52mは、第2の接点組5
6の常開接点端子56mに接続される。
【0105】そして、電磁継電器40および50の、そ
れぞれの第2の接点組46および56の常閉接点端子4
6bおよび56bのそれぞれは遊端とされ、電磁継電器
40および50の第2の接点組46および56の可動接
点端子46aおよび56aは、互いに接続され、その接
続点68が接地される。その他は、図6の例と全く同様
に構成される。
【0106】この図9の構成の実施の形態の場合の簡略
化回路を図8に示す。この図9の実施の形態の場合も、
上述した図6の実施の形態の場合と全く同様の作用効果
が得られる。
【0107】なお、この図9の構成においても、電磁継
電器40では第1の接点組42の常開接点端子42m
を、第2の接点組46の可動接点端子46aに接続し、
第2の接点組46の常開接点端子46mを接地し、ま
た、電磁継電器50では第1の接点組52の常開接点端
子52mを、第2の接点組56の可動接点端子56aに
接続し、第2の接点組56の常開接点端子56mを接地
するように構成しても、上述と同様の作用効果が得られ
る。
【0108】また、第1の接点組42と第2の接点組4
6とは、それぞれ別々の電磁継電器を用いて構成しても
よい。同様に、第1の接点組52と第2の接点組56と
は、それぞれ別々の電磁継電器を用いて構成してもよ
い。その場合には、それら別々の電磁継電器に、ウイン
ドウアップ制御回路63またはウインドウダウン制御回
路64からの制御電流を同時に供給して、それら別々の
電磁継電器を連動してほぼ同時に制御するようにしても
よい。
【0109】この場合に、別々の電磁継電器の連動制御
に当たっては、それらの電磁継電器のそれぞれの接点組
の可動接点のそれぞれが常開接点N/O から常閉接点N/C
側に復帰するときに、それらの複数個の可動接点が、共
に、常開接点N/O にも、常閉接点N/C にも接触しない状
態を同時に生じる状態を経て、常閉接点N/C 側に復帰す
るように、必要に応じてタイミング制御することは前述
と同様である。
【0110】なお、図6および図9に示したように、1
個のコイルで、複数個の可動接点を連動してほぼ同時に
切換制御するようにしたときに、上述のタイミング制御
が容易である、あるいは不要となるというメリットがあ
る。
【0111】また、2個の電磁継電器40、50を用い
るのではなく、2個のコイルと、それらのコイルにより
それぞれ制御される複数個の接点組を、1個の筐体に収
納した1個の電磁継電器を用いるようにすることもでき
る。
【0112】そのように1個の電磁継電器の構成とした
場合には、上述のタイミング制御が容易である、あるい
は不要となるだけでなく、1個の電磁継電器で、パワー
ウインドウのアップコントロールおよびダウンコントロ
ールが可能となるというメリットがある。
【0113】図10は、そのように2個の電磁継電器4
0および50の機能を1個の筐体に収納した、1個の電
磁継電器300の構成の一例を示すものである。この図
10は、電磁継電器300を各部品に分解して示したも
のである。
【0114】図10の電磁継電器300の各部品は、端
子板301上に組み立てられ、カバー302が端子板3
01に組み合わされることにより、組み立てられた部品
が覆われる構成とされる。電磁継電器300の筐体は、
端子板301とカバー302とにより構成される。端子
板301には、電磁継電器40の筐体の外部に導出する
端子用の貫通孔301a,301b,301c,301
d,301e,301g,301h,301i,301
jが設けられている。
【0115】図10の電磁継電器300の例は、図9に
示した電磁継電器40および電磁継電器50のそれぞれ
に対応する内部構成部分として、図5に示した電磁継電
器20を用いたものとほぼ等しい。
【0116】図10において、参照符号403以降の4
00番代の符号を付与した部分は、図9の電磁継電器4
0に対応する部分であり、参照符号503以降の500
番代の符号を付与した部分は、図9の電磁継電器50に
対応する形成する部分である。説明の理解を容易にする
ため、図10においては、常閉接点、常開接点および可
動接点並びにコイルの番号は、図9の電磁継電器40お
よび50のそれらに対応させて示すものとする。
【0117】図10において、403および503は、
それぞれ電磁石組立である。それぞれの電磁石組立40
3および503は、L字型の継鉄403aおよび503
aによって鉄心入りのコイル41および51を保持する
構造を有している。そして、電磁石組立403および5
03は、それぞれコイル41および51の一端および他
端がそれぞれ接続されている導電体材料からなるコイル
端子404、405および504、505を備える。こ
れらのコイル端子404、405、504、505は、
端子板301のコイル端子導出用貫通孔301a,30
1b,301c,301dを貫通して、外部に導出され
る。
【0118】409は、常開接点44と、常開接点48
とが共通に設けられる共通常開接点板である。また、5
09は、常開接点54と、常開接点58とが共通に設け
られる共通常開接点板である。
【0119】これらの共通常開接点板409および50
9は、それぞれ折り曲げ片409aおよび509aを備
え、その折り曲げ片409aおよび509aが電磁石組
立403および503に設けられている凹溝412およ
び512に嵌合されることにより、共通常開接点板40
9および509が電磁石組立403および503に取り
付けられる。これらの共通常開接点板409および50
9からは、電磁継電器300の筐体外部に端子は導出さ
れない。
【0120】406は、常閉接点43が形成されている
導電体材料からなる常閉接点板である。また、506
は、常閉接点53が形成されている導電体材料からなる
常閉接点板である。
【0121】この例では、これらの常閉接点板406と
506のそれぞれと一体に常閉接点端子406tおよび
506tが形成されている。これらの常閉接点端子40
6t、506tは、端子板301の端子導出用貫通孔3
01e、301fを貫通して外部に導出されるようにさ
れている。
【0122】そして、この例では、この常閉接点板40
6および506は、電磁石組立403および503にそ
れぞれ設けられている挿入溝411および511に嵌合
されて、電磁石組立403および503のそれぞれに取
り付けられる。その際、常閉接点43と、共通常開接点
板409に設けられている常開接点44とが所定のギャ
ップ長だけ離れるように、常閉接点板406は、電磁石
組立403に取り付けられると共に、常閉接点53と、
共通常開接点板509に設けられている常開接点54と
が所定のギャップ長だけ離れるように、常閉接点板50
6は、電磁石組立503に取り付けられる。なお、挿入
溝411および511は、常開接点44と常閉接点43
との間の距離分、および常開接点54と常閉接点53と
の間の距離分だけの高さを備えるように構成されてい
る。
【0123】407および408は、可動接点ばねであ
り、導電体材料からなる。可動接点ばね407には可動
接点45が形成され、可動接点ばね408には可動接点
49が形成されている。この例では、これら可動接点ば
ね407および408を絶縁物413および414によ
り固着して接極子板415に取り付けて、接極子組立を
構成する。
【0124】また、507および508は、可動接点ば
ねであり、導電体材料からなる。可動接点ばね507に
は可動接点55が形成され、可動接点ばね508には可
動接点59が形成されている。この例では、これら可動
接点ばね507および508を絶縁物513および51
4により固着して接極子板515に取り付けて、接極子
組立を構成する。
【0125】可動接点ばね407、408、507およ
び508は、ほぼL字形に折り曲げられた形状を備え、
可動接点ばね407と408とが、また、可動接点ばね
507と508とが、それぞれ図10に示すように揃え
て並べられた状態において、その折り曲げ位置の両側で
絶縁物413と414とにより、また、絶縁物513と
514とにより、固着される。この固着は、例えば絶縁
物413および414、また、絶縁物513および51
4として絶縁樹脂を用いたインサート成型によって行わ
れる。
【0126】そして、絶縁物414および514には、
磁性材料からなる接極子板415および515がそれぞ
れ固着されて、それぞれの接極子組立が構成される。
【0127】そして、それぞれの接極子組立は、絶縁物
413および513の部分で、電磁石組立403および
503のそれぞれに取り付けられる。このとき、コイル
41および51に電流が流れていない状態においては、
可動接点ばね407および507に設けられている可動
接点45および55が、常閉接点43および53に接触
すると共に、常開接点44および54と所定のギャップ
長分だけ離れるようにされ、また、可動接点ばね408
および508に設けられている可動接点49および59
は、常開接点48および58と所定のギャップ長分だけ
離れるようにされる。
【0128】そして、この取り付け状態では、電磁石組
立403および503のコイル41および51に電流が
流れることにより構成される電磁石により、接極子板4
15および515が吸引されるように構成されている。
接極子板415および515は、それぞれ2個の可動接
点ばね407、408および507、508に固着され
ているので、2個の可動接点ばね407、408および
507、508のそれぞれは、接極子板415、515
の動きに応じてそれぞれ同時に駆動される。
【0129】なお、可動接点ばね407、408、50
7および508の可動接点端子407t,408t,5
07tおよび508tのそれぞれは、端子板301の端
子導出用貫通孔301g,301h,301iおよび3
01jを貫通して外部に導出されるようにされている。
【0130】この実施の形態の電磁継電器300は、以
上のような構成であるので、図9の直流モータ駆動回路
において、2個の電磁継電器40および50を用いた場
合と、同様の動作を行なう。
【0131】図11は、2個の電磁継電器40および5
0の機能を1個の筐体に収納した、1個の電磁継電器3
00の、他の例を示す図であり、これも各部品に分解し
て示したものである。この例の電磁継電器300は、前
述した図10の電磁継電器300において、常開接点4
4、48、54および58が、共通の1枚の導電体板部
として構成される共通常開接点板320上に形成され
て、これにより、常開接点44、48、54および58
が、電気的に共通に接続されるように構成されたもので
ある。
【0132】共通常開接点板320を、電磁石組立40
3および503に共通に取り付けるために、この例で
は、共通取付板310が用いられる。この共通取付板3
10は、嵌合部311および312を備え、この嵌合部
311および312内に、電磁石組立403および50
3のそれぞれに設けられる突部421および521がそ
れぞれ挿入嵌合されることにより、共通取付板310が
電磁石組立403および503と結合される。
【0133】共通取付板310には、さらに、電磁石組
立403および503の底面のそれぞれに対応する位置
に弾性突板部313が設けられ、この弾性突板部313
の凹孔内に、図示しない電磁石組立403および503
側に設けられている突部が嵌合して、共通取付板310
が電磁石組立403および503としっかりと結合され
る。
【0134】共通取付板310には、共通常開接点板3
20と、常閉接点板422および522とが取り付けら
れる。常閉接点板422には、常閉接点43が設けら
れ、常閉接点板522には、常閉接点53が設けられ
る。これらの常閉接点板422と522のそれぞれと一
体に常閉接点端子422tおよび522tが形成されて
いる。これらの常閉接点端子422t、522tは、端
子板301の端子導出用貫通孔301e、301fを貫
通して外部に導出されるようにされている。
【0135】このため、共通取付板310の電磁石組立
403、503側との反対側の面には、図示は省略した
が、共通常開接点板320の圧入板部321が圧入され
る凹溝が形成されると共に、常閉接点板422および5
22の圧入突起423および523が圧入される凹溝が
形成される。
【0136】そして、可動接点ばね407、408、5
07および508は、共通取付板310の分だけ可動接
点45、49、55および59を設ける側の長さが長く
される。また、常閉接点板422および522の位置
が、図10の場合とは、ずれているので、それに合わせ
て、可動接点ばね407と408、また、可動接点ばね
507と508の位置が、図10とは逆となっている。
【0137】その他は、図10の場合と同様に構成され
ている。
【0138】この図11の構成の電磁継電器300によ
っても、上述の実施の形態と同様の作用効果が得られる
ことは勿論である。そして、この図11の構成の電磁継
電器によれば、4組の接点組の常開接点44、48、5
4および58は、共通の1枚の導電体板部として構成さ
れる共通常開接点板320上に形成され、これにより、
電気的に共通に接続されているので、構成を簡略にする
ことができる。
【0139】図12は、パワーウインドウ駆動部に適用
した直流モータ駆動回路の、さらに他の実施の形態を示
す回路図である。
【0140】この図12の実施の形態においては、パワ
ーウインドウ用の直流モータ36の一端側は、ウインド
ウアップ制御用の電磁継電器70の可動接点74から導
出される可動接点端子70aに接続され、また、直流モ
ータ36の他端側は、ウインドウダウン制御用の電磁継
電器80の可動接点84から導出される可動接点端子8
0aに接続される。
【0141】そして、電磁継電器70の常閉接点72か
ら導出される常閉接点端子70bと、電磁継電器80の
常閉接点82から導出される常閉接点端子80bとは互
いに接続され、その接続点77が接地される。また、電
磁継電器70の常開接点73から導出される常開接点端
子70mと、電磁継電器80の常開接点83から導出さ
れる常開接点端子80mとが接続され、その接続点88
がウインドウアップダウン共用の電磁継電器90の常開
接点93から導出される常開接点端子90mに接続され
る。
【0142】そして、電磁継電器90の常閉接点92か
ら導出される常閉接点端子90bは遊端とされ、また、
電磁継電器90の可動接点94から導出される可動接点
端子90aは電源端子32に接続される。
【0143】そして、ウインドウアップ制御回路63か
らの、使用者のウインドウアップ操作に応じた制御電流
は、電磁継電器70のコイル71に供給されると共に、
電磁継電器90のコイル91に供給される。また、ウイ
ンドウダウン制御回路65からの、使用者のウインドウ
ダウン操作に応じた制御電流は、電磁継電器80のコイ
ル81に供給されると共に、電磁継電器90のコイル9
1に供給される。
【0144】図13は、図12の簡略化回路である。こ
の図13をも参照しながら、図12の直流モータ駆動回
路の動作について説明する。
【0145】使用者がウインドウアップ操作をすると、
例えばその操作が行われている間、スイッチ64がオン
となり、ウインドウアップ制御回路63から電磁継電器
70および90のコイル71および91に制御電流が流
れ、電磁継電器70および90の可動接点74および9
4のそれぞれは、連動してほぼ同時に常開接点73およ
び93側に接続される。したがって、直流モータ36に
は、図13において、実線の矢印Inで示す方向に直流
電流Inが流れて、直流モータ36は例えば正転方向に
駆動され、これにより、自動車の窓ガラスが上昇運動す
るようにされる。
【0146】そして、使用者がウインドウアップ操作を
止めると、スイッチ64がオフに戻り、電磁継電器70
および90のコイル71および91には制御電流が流れ
なくなり、可動接点74および94はそれぞれ、連動し
てほぼ同時に常閉接点72および92側に戻る。このた
め、直流モータ36は制動され、窓ガラスの上昇運動が
停止する。
【0147】一方、使用者がウインドウダウン操作をす
ると、例えばその操作が行われている間、スイッチ66
がオンとなり、ウインドウダウン制御回路65から電磁
継電器80および90のコイル81および91に制御電
流が流れ、電磁継電器80および90の可動接点84お
よび94のそれぞれは、連動してほぼ同時に常開接点8
3および93側に接続される。したがって、直流モータ
36には、図13において、破線の矢印Irで示す方向
に直流電流Irが流れて、直流モータ36は前記とは逆
の回転方向に駆動され、これにより、窓ガラスが下降運
動するようにされる。
【0148】そして、使用者がウインドウダウン操作を
止めると、スイッチ66がオフに戻り、電磁継電器80
および90のコイル81および91には制御電流が流れ
なくなり、可動接点84および94のそれぞれは、連動
してほぼ同時に常閉接点82および92側に戻る。この
ため、直流モータ36は制動され、窓ガラスの下降運動
が停止する。
【0149】以上の説明からも判るように、この実施の
形態においても、電磁継電器70または80の常開接点
73および83は、電磁継電器90の常開接点93を通
じて電源端子32に接続される構成であり、直流モータ
36に流れる直流電流InまたはIrの電流路には、2
個の常開接点73および93または83および93が直
列に接続される状態となる。
【0150】したがって、前述の実施の形態と同様にし
て、各接点組における接点ギャップ長が小さくても、ア
ーク遮断能力を向上させることができ、常閉接点N/C と
常開接点N/O との間のショートの問題を軽減することが
できる。
【0151】なお、前述の実施の形態の場合と同様に、
直流モータ36の制動時、直流モータ36の両端は接地
するように構成したが、直流モータ36の制動時に、直
流モータ36の両端を電源端子32に接続することもで
きる。
【0152】図14は、その場合の簡略化回路図を示す
ものである。このように構成する図14の実施の形態の
場合も、上述した図12の実施の形態の場合と全く同様
の作用効果が得られる。
【0153】なお、この実施の形態において、3個の電
磁継電器を用いるのではなく、3個のコイルと、それら
によりそれぞれ制御される複数個の接点組を、1個の筐
体に収納した1個の電磁継電器を用いるようにすること
もできる。
【0154】そのように1個の電磁継電器の構成とした
場合には、複数個の可動接点を連動してほぼ同時に切換
制御するようにしたときに、可動接点のそれぞれが常開
接点N/O から常閉接点N/C 側に復帰するときに、それら
の複数個の可動接点が、共に、常開接点N/O にも、常閉
接点N/C にも接触しない状態を同時に生じる状態を経
て、常閉接点N/C 側に復帰するようにするタイミング制
御が容易である、あるいは不要となるというメリットが
ある。
【0155】図15および図16は、そのように3個の
コイルと複数の接点組を1個の筐体内に設けた電磁継電
器700の構成の一例を示すものである。図15は、そ
の電磁継電器を各部品に分解して示したものである。
【0156】図15の電磁継電器700の各部品は、端
子板701上に組み立てられ、カバー702が端子板7
01に組み合わされることにより、組み立てられた部品
が覆われる構成とされる。電磁継電器700の筐体は、
端子板701とカバー702とにより構成とされる。
【0157】なお、図16は、端子板701をその裏側
から見たものであり、外部に導出する端子用の貫通孔7
01a,701b,701c,701d,701e,7
01f,701g,701i,701j,701kが示
されている。
【0158】図15において、参照符号703以降の7
00番代の符号を付与した部分は、図12の電磁継電器
70に対応する部分であり、参照符号803以降の80
0番代の符号を付与した部分は、図12の電磁継電器8
0に対応する部分であり、また、参照符号903以降の
900番代の符号を付与した部分は、図12の電磁継電
器90に対応する部分である。
【0159】説明の理解を容易にするため、図15にお
いては、各接点組の常閉接点、常開接点および可動接点
並びにコイルの番号は、図12の電磁継電器70、80
および90のそれらに対応させて示すものとする。
【0160】図15において、703、803および9
03は、それぞれ電磁石組立である。それぞれの電磁石
組立703、803および903は、L字型の継鉄70
3a、803aおよび903aによって鉄心入りのコイ
ル71、81および91を保持する構造を有している。
【0161】そして、電磁石組立703、803および
903は、それぞれコイル71、81および91の一端
および他端がそれぞれ接続されている導電体材料からな
るコイル端子704、705、804、805および9
04、905を備える。これらのコイル端子704、7
05、804、805および904、905は、端子板
701のコイル端子導出用貫通孔701a,701b,
701e,701fおよび701c,701dを貫通し
て、外部に導出される。
【0162】この図15の例の電磁継電器700では、
電磁継電器70の常閉接点72と、電磁継電器80の常
閉接点82とは備えるが、電磁継電器90の常閉接点9
2は、不要であるので、備えていない。
【0163】706は常閉接点72が形成されている導
電体材料からなる常閉接点板である。また、806は常
閉接点82が形成されている導電体材料からなる常閉接
点板である。この例では、これらの常閉接点板706と
806とは互いに連結されて一体物として構成されてお
り、電気的にも接続された構造とされている。そして、
これと一体に常閉接点端子706tが形成されている。
この常閉接点端子706tは、図12の接続点77に対
応する。
【0164】この常閉接点端子706tは、図16に示
す端子板701の端子導出用貫通孔701gを貫通して
外部に導出されるようにされている。なお、常閉接点板
706と806との連結部706aは、端子板701の
凹溝701hに嵌合するようにされている。
【0165】また、707は、可動接点74が設けられ
ている導電体材料からなる可動接点ばねである。この可
動接点ばね707には、これと一体に可動接点端子70
7tが形成されており、この可動接点端子707tは、
端子板701の端子導出用貫通孔701iを貫通して外
部に導出されるようにされている。
【0166】また、807は、可動接点84が設けられ
ている導電体材料からなる可動接点ばねである。この可
動接点ばね807には、これと一体に可動接点端子80
7tが形成されており、この可動接点端子807tは、
端子板701の端子導出用貫通孔701kを貫通して外
部に導出されるようにされている。
【0167】さらに、907は、可動接点94が設けら
れている導電体材料からなる可動接点ばねである。この
可動接点ばね907には、これと一体に可動接点端子9
07tが形成されており、この可動接点端子907t
は、端子板701の端子導出用貫通孔701jを貫通し
て外部に導出されるようにされている。
【0168】709は、導電体材料からなる共通常開接
点板である。この共通常開接点板709には、常開接点
73、83および93が形成されている。
【0169】つまり、図12の場合の3個の電磁継電器
70、80、90に対応する3個の継電器部の常開接点
73、83および93は、共通の1枚の導電体板部とし
て構成される共通常開接点板709上に形成され、これ
により、電気的に共通に接続されている。
【0170】この共通常開接点板709は、端子板30
1に形成されている凹溝701m内に嵌合される。しか
し、この共通常開接点板709からは、電磁継電器70
0の筐体外部に端子は導出されない。
【0171】そして、磁性材料からなる接極子710
が、電磁石組立703に、ヒンジばね711により取り
付けられる。この接極子710は、コイル71に電流が
供給されることにより構成される電磁石により電磁石組
立703側に吸引駆動されて、可動接点ばね707を、
この接極子710の先端に設けられているカード部71
0aによって、共通常開接点板709側に変位させるよ
うに構成されている。
【0172】また、磁性材料からなる接極子810が、
電磁石組立803に、ヒンジばね811により取り付け
られる。この接極子810は、コイル81に電流が供給
されることにより構成される電磁石により電磁石組立8
03側に吸引駆動されて、可動接点ばね807を、この
接極子810の先端に設けられているカード部810a
によって、共通常開接点板709側に変位させるように
構成されている。
【0173】さらに、磁性材料からなる接極子910
が、電磁石組立903に、ヒンジばね911により取り
付けられる。この接極子910は、コイル91に電流が
供給されることにより構成される電磁石により電磁石組
立903側に吸引駆動されて、可動接点ばね907を、
この接極子910の先端に設けられているカード部91
0aによって、共通常開接点板709側に変位させるよ
うに構成されている。
【0174】電磁継電器700は、以上のような構成で
あるので、電磁石組立703、803および903のコ
イル71、81および91のいずれにも電流が供給され
ない状態では、接極子710、910、710は、電磁
石により駆動されず、このため、可動接点ばね707、
907および807は、共通常開接点板709側に変位
されず、可動接点74は常閉接点72に、可動接点84
は常閉接点82に接続される状態になるとともに、可動
接点94は、常開接点93と離間されている状態とな
る。
【0175】そして、図12に示したように、使用者が
ウインドウアップ操作をすると、コイル71およびコイ
ル91にウインドウアップ制御回路63から電流が供給
されて、接極子710および910が電磁石組立703
および903側に吸引されることにより、接極子710
および910のカード部710aおよび910aによっ
て可動接点ばね707および907が、共通常開接点板
709側に弾性変位されて、可動接点74と常開接点7
3とが接続され、また、可動接点94と常開接点93と
が接続される。
【0176】したがって、可動接点ばね707の端子7
07tと可動接点ばね907の端子907tとの間に
は、2個の常開接点73および93が直列に接続される
ことになる。
【0177】そして、コイル71および91への電流の
供給が停止されると、接極子710および910による
弾性変位力が消滅するので、可動接点ばね707および
907は、自身の弾性復帰力により、ほぼ同時に共通常
開接点板709の常開接点73および93から開離し、
可動接点74が常閉接点72に接続される元の状態に復
帰する。
【0178】また、図12に示したように、使用者がウ
インドウダウン操作をすると、コイル81およびコイル
91にウインドウダウン制御回路65から電流が供給さ
れて、接極子810および910が電磁石組立803お
よび903側に吸引されることにより、接極子810お
よび910のカード部810aおよび910aによって
可動接点ばね807および907が、共通常開接点板7
09側に弾性変位されて、可動接点84と常開接点83
とが接続され、また、可動接点94と常開接点93とが
接続される。
【0179】したがって、可動接点ばね807の端子8
07tと可動接点ばね907の端子907tとの間に
は、2個の常開接点83および94が直列に接続される
ことになる。
【0180】そして、コイル81および91への電流の
供給が停止されると、接極子810および910による
弾性変位力が消滅するので、可動接点ばね807および
907は、自身の弾性復帰力により、ほぼ同時に共通常
開接点板709の常開接点83および93から開離し、
可動接点84が常閉接点82に接続される元の状態に復
帰する。
【0181】以上のように構成した電磁継電器700を
図12に用いた直流モータ駆動回路では、前述と同様の
作用効果を有する。すなわち、この実施の形態によれ
ば、接点ギャップ長が短い構造の1個の電磁継電器を用
いて、アーク遮断能力に優れたウインドウアップ/ダウ
ン駆動制御用の直流モータ駆動回路を実現することがで
きる。
【0182】そして、図15および図16を用いて説明
した例の電磁継電器700の場合、3個の常開接点7
3、83および93は、共通常開接点板709に形成す
るようにしたことにより、部品点数を削減して、構造を
簡略化することができると共に、複数個の常開接点を直
列接続させるための電気的接続工程を不要とすることが
できる。
【0183】また、図15の電磁継電器700の実施の
形態においては、図12の直流モータ駆動回路用とし
て、常閉接点72と常閉接点82とを筐体内部において
互いに接続して共通常閉接点部品とし、この共通常閉接
点部品から接続点77に対応する端子706tを導出す
るようにしているので、端子数を少なくすることができ
ると共に、部品点数を少なくすることができる。
【0184】図17は、電磁継電器の常開接点N/O から
の可動接点の開離時のアークにより常閉接点N/C と常開
接点N/O との間が短絡して、電磁継電器が破壊されてし
まう電圧(破壊電圧と称する)と、接点ギャップ長との
関係を示す特性図である。
【0185】図17において、実線101は、従来の図
18あるいは図19の構成の場合の電磁継電器について
の特性図であり、前述したように、直流24V用として
は、12V用の0.3mmのギャップ長の電磁継電器は
使用できず、ギャップ長の大きい電磁継電器を用いなけ
ればならないことが判る。
【0186】そして、図17において、実線102は、
上述した実施の形態の直流モータ駆動回路の電磁継電器
の場合で、直流モータの駆動直流電流の電流路に、2個
の常開接点を直列に接続するように構成した場合の特性
図である。この特性図から、たとえバッテリー電圧が4
2Vと高電圧になっても、前述したようなアークによる
常開接点と常閉接点との間のデッドショートによる破壊
は生じないことが確かめられた。
【0187】[その他の実施の形態]上述の図1、図
6、図9および図12の実施の形態では、2個の接点組
を備える電磁継電器を用いて、2個の常開接点を直列に
接続した場合について説明したが、2個以上の接点組を
備える電磁継電器を用いて、それらの接点組の2個以上
の常開接点を、直流モータへの直流電流の電流路に直列
に接続するように構成することにより、直流電源電圧
が、より高くなった場合にも対応することができる。
【0188】また、上述の実施の形態では、各接点組か
らはそれぞれ接点端子が導出されており、その接点端子
同志を電磁継電器の外部で電気的に接続するようにした
が、上述の説明のような自動車用部品として、予め筐体
内で2個の常開接点が直列に接続された電磁継電器を用
意して、用いるようにすることもできる。
【0189】また、上述の実施の形態では、複数個の接
点組を備える電磁継電器を用いる場合について説明した
が、前述もしたように、各接点組を構成する電磁継電器
は、別々のものであってもよい。
【0190】また、この発明は、上述の例のような自動
車のワイパー駆動部やパワーウインドウ駆動部などに限
らず、電磁継電器を用いて、直流モータの上述のような
駆動制御を行う直流モータ駆動回路の全てに適用するこ
とができる。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、接点ギャップ長が小さい電磁継電器を使用しても、
可動子の常開接点からの開離時のアークによる常閉接点
と常開接点との間のショートの問題を生じ難くすること
ができる直流モータ駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直流モータ駆動回路の実施の形
態の構成を示す図である。
【図2】図1の実施の形態の回路の簡略化回路図であ
る。
【図3】図1の実施の形態の直流モータ駆動回路の変形
構成例を示す図である。
【図4】図3の例の簡略化回路図である。
【図5】図1の直流モータ駆動回路に用いることができ
る電磁継電器の一例の構成を示す図である。
【図6】この発明による直流モータ駆動回路をパワーウ
インドウ駆動用に適用した場合の実施の形態の構成を示
す図である。
【図7】図6の例の簡略化回路図である。
【図8】図9の実施の形態の直流モータ駆動回路の変形
構成例を示す図である。
【図9】この発明による直流モータ駆動回路をパワーウ
インドウ駆動部に適用した他の実施の形態を示す図であ
る。
【図10】図9の直流モータ駆動回路に用いることがで
きる電磁継電器の一例の構成を示す図である。
【図11】図9の直流モータ駆動回路に用いることがで
きる電磁継電器の他の例の構成を示す図である。
【図12】この発明による直流モータ駆動回路の他の実
施の形態の構成を示す図である。
【図13】図12の例の簡略化回路図である。
【図14】図12の実施の形態の直流モータ駆動回路の
変形構成例の簡略化回路図である。
【図15】図12の直流モータ駆動回路に用いることが
できる電磁継電器の一例の構成を示す図である。
【図16】図12の直流モータ駆動回路に用いることが
できる電磁継電器の一例の構成の一部を示す図である。
【図17】この発明の効果を、従来技術との比較におい
て説明するための図である。
【図18】従来の直流モータ駆動回路の一例を示す図で
ある。
【図19】従来の直流モータ駆動回路の他の例を示す図
である。
【符号の説明】
20 ワイパー駆動制御用電磁継電器 21 電磁継電器20のコイル 22 電磁継電器20の第1の接点組 26 電磁継電器20の第2の接点組 23、27 電磁継電器20の第1、第2の接点組の常
閉接点 24、28 電磁継電器20の第1、第2の接点組の常
開接点 25、29 電磁継電器20の第1、第2の接点組の可
動接点 31 ワイパー駆動用直流モータ 32 電源端子 36 パワーウインドウ用直流モータ 40 ウインドウアップ駆動制御用電磁継電器 41 電磁継電器40のコイル 42 電磁継電器40の第1の接点組 46 電磁継電器40の第2の接点組 43、47 電磁継電器40の第1、第2の接点組の常
閉接点 44、48 電磁継電器40の第1、第2の接点組の常
開接点 45、49 電磁継電器40の第1、第2の接点組の可
動接点 50 ウインドウダウン駆動制御用電磁継電器 51 電磁継電器50のコイル 52 電磁継電器50の第1の接点組 56 電磁継電器50の第2の接点組 53、57 電磁継電器50の第1、第2の接点組の常
閉接点 54、58 電磁継電器50の第1、第2の接点組の常
開接点 55、59 電磁継電器50の第1、第2の接点組の可
動接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H001 AB10 AC01 5H530 AA12 BB19 BB20 CC20 CC23 CE15 DD19 5H571 AA03 BB07 CC02 EE02 FF01 FF02 HA04 MM09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁継電器が常開接点に接続されたとき
    に、前記電磁継電器を介して直流電流が直流モータに供
    給されて、前記直流モータが駆動され、前記電磁継電器
    が常閉接点に接続されたとき、前記電磁継電器を介し
    て、前記直流モータの一端および他端間が接続されて、
    前記直流モータの回転の制動が行われる直流モータ駆動
    回路において、 前記電磁継電器が常開接点に接続された状態における前
    記直流電流の電流路には、複数個の常開接点が直列に接
    続されることを特徴とする直流モータ駆動回路。
  2. 【請求項2】直流モータの一端側が、コイルに電流が供
    給されることにより電磁制御される接点組の可動接点に
    接続され、 前記直流モータの他端側が、直流電源の一端側に接続さ
    れると共に、前記接点組の常閉接点に接続され、 前記接点組の常開接点が、1〜複数個の他の常開接点を
    通じて前記電源の他端側に接続され、 前記1〜複数個の他の常開接点は前記接点組と連動して
    開閉制御されることを特徴とする直流モータ駆動回路。
  3. 【請求項3】直流モータの一端側が、第1のコイルに電
    流が供給されることにより電磁制御される第1の接点組
    の可動接点に接続されると共に、前記直流モータの他端
    側が、前記第1のコイルとは別の第2のコイルに電流が
    供給されることにより電磁制御される第2の接点組の可
    動接点に接続され、 前記第1および第2の接点組の常閉接点が互いに接続さ
    れて、その接続点が直流電源の一端側に接続され、 前記第1および第2の接点組のそれぞれの常開接点が、
    それぞれ1〜複数個の他の常開接点を通じて互いに接続
    され、その接続点が前記直流電源の他端側に接続され、 前記1〜複数個の他の常開接点のそれぞれは、前記第1
    の接点組および前記第2の接点組と連動してそれぞれ開
    閉制御されると共に、前記第1のコイルと前記第2のコ
    イルへの電流の供給が、それぞれ独立に制御されて、前
    記直流モータが正転・逆転制御されることを特徴とする
    直流モータ駆動回路。
  4. 【請求項4】直流モータの一端側が、第1のコイルに電
    流が供給されることにより電磁制御される第1の接点組
    の可動接点に接続されると共に、前記直流モータの他端
    側が、前記第1のコイルとは別の第2のコイルに電流が
    供給されることにより電磁制御される第2の接点組の可
    動接点に接続され、 前記第1および第2の接点組の常閉接点が互いに接続さ
    れて、その接続点が直流電源の一端側に接続され、 前記第1および第2の接点組のそれぞれの常開接点が互
    いに接続され、その接続点が1〜複数個の他の常開接点
    を通じて前記直流電源の他端側に接続され、 前記1〜複数個の他の常開接点は、前記第1の接点組お
    よび前記第2の接点組と連動して開閉制御されると共
    に、前記第1のコイルと前記第2のコイルへの電流の供
    給が、それぞれ独立に制御されて、前記直流モータが正
    転・逆転制御されることを特徴とする直流モータ駆動回
    路。
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