JP2001203444A - 非鉛系接合材料の均一ボール製造法 - Google Patents

非鉛系接合材料の均一ボール製造法

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JP2001203444A JP2000010485A JP2000010485A JP2001203444A JP 2001203444 A JP2001203444 A JP 2001203444A JP 2000010485 A JP2000010485 A JP 2000010485A JP 2000010485 A JP2000010485 A JP 2000010485A JP 2001203444 A JP2001203444 A JP 2001203444A
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temperature
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ball
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Toshio Takagi
俊男 高木
Akio Ichikawa
昭雄 市川
Saburo Okabe
三郎 岡部
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Tungaloy Corp
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OKABE GIKEN KK
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の基板への実装及び接合において、
鉛を含有しない汎用性の高い金属を用いて廃棄後の無害
化を目指し、他の物質に代替化し、微細領域において接
合を可能とする技術開発をする為、均一な非鉛系半田ボ
ールの製造方法が求められていた。 【解決する手段】 酸化し易い亜鉛などを含む非鉛系接
合材料の均一ボールの製造法において、溶融温度を融点
から融点+100(K)に制御した溶融金属に弾性波エ
ネルギーを周期的に与え、不活性ガス中、または還元ガ
ス中、または直接冷媒中に溶融温度と70(K)以下の
温度差で放出することで均一なボールを製造することが
可能となった。酸化し易い材料を用いる造粒に幅広く適
用できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】金属、合金及び、導電性物質
一般用非鉛系接合材料の均一ボール製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】半田付け技術は、電子機器に用いられる
部品の接合に不可欠であり、近年パーソナルコンピュー
タ、携帯電話などに代表される携帯製品の高密度実装化
・軽量化をすすめるためにますますその重要性が増して
いる。これまでの半田は、錫と鉛の共晶合金を主とした
もので、接合材料としての融点が低いことから扱いやす
く、さらに銅板上でのぬれ性が優れていることから長い
間用いられてきた。しかし、環境の観点から鉛を含まな
い製品開発が提唱され、半田そのものの組成についても
見直しの気運が高まり、鉛を含まない「鉛フリー半田」
が求められている。現在までに多数の鉛フリー半田の研
究、開発が続けられてきたが、それぞれの融点・機械特
性・コスト面で長所と短所を持ち合わせており、未だ広
く実用化されたものはない。BGA、CSP用バンプの従来の
製造方法は、機械的な方法で合金の細線を裁断し、その
裁断された円筒状の断片を加熱し球状とする方法などが
採用されていたが、形状が不均一となり易く、微細な接
合部に用いる材料として歩留まりが低いという欠点があ
った。また、表面の酸素濃度が高い欠点がある。
【0003】
【解決しようとする課題】そこで、電子部品の基板への
実装及び接合において、鉛を含有しない汎用性の高い金
属を用いて廃棄後の無害化を目指し、他の物質に代替化
し、微細領域において接合を可能とする技術開発をする
為、均一な非鉛系半田ボールの製造方法が求められてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による、
錫と、鉛以外の共晶合金を形成する金属とを混合し、そ
の共晶点以上の温度で加熱溶融し液化させ、周期的に液
化物を不活性ガス中、または還元ガス中、または直接冷
媒中に放出し、温度勾配の付いた冷媒中で真球に凝固す
ることによって得られる合金粒子は、高密度化が急速に
進展している電気・電子機器の実装基板の部品の接合に
用いられるBGAやCSPなどの部品電極部と実装基板の接合
用バンプ、QFPなどのリードを有する部品の半田接合に
用いるソルダーペースト用の合金粒子、さらに、実装基
板の半田プリコートに用いられる合金粒子を製造するも
のである。また、これらの合金粒子に用いられる鉛以外
の共晶合金を形成する金属として、亜鉛、銅、銀、アル
ミニウム、ビスマス、インジウムからなる群から少なく
とも一つ以上選択することによって得られるものは、汎
用性の高い亜鉛、銅、銀、アルミニウムなどを鉛の代替
金属として積極的に用いることで、金属資源を有効に利
用することができる。
【0005】本発明の実施形態の応用分野としては、半
導体分野で用いられるICパッケージやCPUの導電部の接
合、パーソナルコンピュータに内蔵されるハードディス
ク、液晶パネルの電気回路の接合、ICカード、パーソナ
ルコンピュータやプリンタの接続などに多用されている
ケーブルコネクタ、通信用ケーブルに多用されている光
コネクタ、さらには自動車のラジエータの接合などが挙
げられる。一方基板への実装形態としては、片面表面実
装、両面表面実装、両面表面実装リード付き部品搭載、
片面表面実装リード付き部品搭載、リードスルー実装な
どがある。また、実装部品としては、受動部品としての
コンデンサ、インダクタ、ジャンパ、トランジスタ、ダ
イオード、アルミ電解(コンデンサ)、タンタル半固定
抵抗、トリマー、コイルが代表例として挙げられ、能動
部品としては、IC,SIが代表例であり、そのパッケージ
外形、形状としてはSOIC、SOP、QIP、QFP、PLCC、LCC、
SOJ、MSP、さらには、BGA、FC-BGA、CSP、PLC、MCM、OE
-MCM、チップを重ねた高密度実装などがある。
【0006】
【発明の実施の形態】加熱した合金の表層部が不活性ガ
スで置換されるようにガス注入口を上部に有する半田溶
融層の中に、合金インゴットを入れ完全に溶解させる。
この溶解温度によってボールの形状精度が変わる。融点
以上でなければ液滴を形成できないことは当然である。
さらに溶解温度を上げると、溶融金属の粘性が低下する
ため均一なボールを形成し易くなるが、本発明で示した
元素では酸化しやすくなるため、融点より100(K)
を越える条件では、球形状が得られにくく、生成した酸
化物が多すぎるために接合物質として機能が大きく低下
する。そのため、溶解温度は融点以上から融点+100
(K)以下とした。
【0007】この溶融した合金を、振動子としての円形
もしくは多角形のホーンを挿入させたセル内の、ホーン
とセル内壁の間の空間を満たすとともに、セル下部のノ
ズルより層流かつ一定流速で液柱を押し出す。ホーンの
先端からノズル部よりでる溶融金属に対して弾性波エネ
ルギーを与える。この弾性波エネルギーは均一液的を得
るためには周期的に繰り返されるものが好適であり、そ
の周波数はさらさらした液体では、10Hz〜1MHz、溶融半
田の場合には10Hz〜100KHzが望ましい。
【0008】安定的に液柱を形成する領域において、超
音波発振器からの弾性波エネルギー(超音波振動)が、
音圧としてホーンを経由してノズルから押し出された液
柱に伝搬される。液柱に伝搬された弾性波エネルギー
(超音波振動)による音圧は、周波数に従って圧力が高
い部分と低い部分が液柱に形成され周期的に伝搬する。
すると液柱には外圧に対して正圧、負圧となる部位が周
期的に形成され、細くなった部位は最後に分断される。
すなわち、弾性波エネルギー(超音波振動)を与えられ
た溶融半田は、セルの出口に取り付けられたノズルの細
管を通過した後、細管の先端の開口部から引きちぎられ
るように離れ球形化した液滴となる。
【0009】このとき、均一な液滴を得るための条件
(安定的に液柱を形成する領域の条件)として、ノズル
から出る溶融金属液柱が一定流速で、層流であること、
すなわちMiddlemanの上限流速とSchneiderの下限流速を
満足することである。
【0010】球状化した粒子が帯電しやすい場合は、ノ
ズル先端からわずかに離れた位置で、強制的に放出され
た溶融半田が液滴となったものに電荷を与え液滴を分散
させてもよい。さらに、液滴表層と酸素との親和性が高
い場合には、窒素やアルゴンなどの不活性ガス又は水素
などの還元ガスで満たされた空間をノズル先端から放出
された直後から通過させることによって液滴の酸化を防
ぐことができる。液滴が小さいほど酸素による酸化の影
響を受けやすいため、粒径が2mm以下の粒子を形成する
場合には通過させる酸素濃度を2000ppm以下、好ましく
は500ppm以下である。酸素濃度を0にし、還元雰囲気で
行うことが理想的であるが、現実的には酸素濃度を0pp
mとすることは極めて難しく、コストも高い。そのため
雰囲気を通過する時に液滴中の合金成分が酸化され、酸
化物が形成される最大厚さについて詳細に試験を行なっ
た。低酸素濃度の実施可能な状態から徐々に酸素含有量
を増やしたところ、10オングストローム以下とするに
は原料の酸素量を含む雰囲気制御が極めて技術的に難し
い上にコストが高い。150オングストローム以上では
ボールが変形したまま凝固し易く、かつ実用する上での
濡れ性および径のバラツキが許容範囲を越えた。
【0011】さらに、この雰囲気ガス温度が液滴温度と
温度差が大きい場合は均一なボールが得られないことが
明らかとなった。液滴温度と雰囲気温度が等しいと最も
優れた球形状が得られ、その温度差が70(K)を越え
ると変形率がBGAなどの実用許容限界範囲を越えるた
め、溶解部から冷媒までの温度差を70(K)以下と定
めた。
【0012】低酸素濃度に保った空間を通過した液体
は、溶融した合金を溶解しない冷媒がみたされている粒
子回収層内の冷媒としては、高沸点の鉱物油(サームオ
イル)やシリコンオイルなどを用いることができる。液
滴は、液滴より高い温度に保たれている粒子回収層内の
液体(冷媒)上層部に突入する。このとき、液滴はスト
ークスの式にほぼ従って沈降を始める。
【0013】一方、粒子回収層内に満たされている下部
は、ほぼ常温になるようにオイルクーラントで冷却され
ており、粒子回収層内の液体は上部に行くに従って高温
となる温度分布をを有する。液滴は、粒子回収層内の液
体の温度が合金共晶点未満になると凝集して硬化してい
く。硬化とともに粒径が変化することから新たなストー
クスの式にほぼ従って沈降する。実質的には、粒子は穏
やかに堆積し、粒子の衝突によってその表面に傷を作る
ことがない。この時、沈降速度のわずかな差を利用し生
成する粒子を分級することも可能である。
【0014】例えば、このようにして得られたほぼ真球
で均一な粒子は、高密度実装用のBGA、CSPなどの表面実
装型部品の接合用半田ボールとして用いることが可能で
ある。これらのボールの表面観察すると、表面の凹凸や
亀裂は、ほとんど無く、また、長径と短径の比も2%以
内のズレに入ることから、多点の電極をもつBGA、CSPな
どの表面実装部品用いても半田付け時の高さのズレなど
を生じるおそれが無い。このため半田付け後のICの荷重
が均等に半田バンプに分散され、長期にわたる接合信頼
性確保も可能となる。
【0015】さらに、粒径を60μm以下とすることに
より、表面実装用のソルダーペーストの半田粒子として
用いることもできる。真球に近く表面の凹凸が少ない粒
子は、従来酸素を含む雰囲気で酸化しやすい錫、亜鉛半
田粒子の長期保存を可能とする。このため、錫、亜鉛系
半田は、今まで活性度の高いフラックスを用い半田付け
性を確保していたため、長期保存ができなかったが、本
発明による合金粒子の形成方法により活性度を高め無く
ても半田付け性を確保できるようになる。本発明による
合金粒子の形成は、上述のような錫と亜鉛の組み合わせ
だけでなく、錫と銅、錫と銀、錫とアルミニウムなどの
組み合わせでも可能である。
【0016】以上のことから、本発明による、錫と、鉛
以外の共晶合金を形成する金属とを混合し、その共晶点
以上の温度で加熱溶融し液化させ、断続的に液化物を不
活性ガス中または還元ガス中に放出し凝集する事によっ
て得られる合金粒子は、高密度化が進展している電気、
電子機器の実装基板部品の接合に用いられるBGAやCSPな
どの部品電極部と実装基板の接合用バンプ、QFPなどの
リードを有する部品の半田接合に用いるソルダーペース
ト用の合金粒子として使用できる。
【0017】また、これらの合金粒子に用いられる鉛以
外の共晶合金を形成する金属として、亜鉛、銅、銀、ア
ルミニウムからなる群から少なくとも一つ以上選択する
ことによって得られるものは、汎用性の高い亜鉛、銅、
アルミニウムなどを、鉛の代替として積極的に用いるこ
とで、金属資源を有効に利用することができる。
【0018】
【実施例】
【実施例1】加熱した合金の表層部が不活性ガスで置換
されるようにガス注入口を上部に有する半田溶解層の中
に、組成比が錫90.9wt%以上、亜鉛9wt%、他の金属元
素含有量が0.1wt%未満の共融物質としての合金のイン
ゴットを合計200Kg入れ、その共晶温度である472K
(理論値)よりも高い温度で保持し完全に溶解させた。
溶解させた温度を融点(472K)に対し、493、5
13、538、562Kとして得られたボールを発明品
1〜4、593、633Kとして得られたボールを比較
品1、2とした。この溶融した合金を、半田溶解層内の
ギャーポンプにより振動子としての円形もしくは多角形
のホーンを挿入したセル内の、ホーンとセル内壁の間の
空間を満たし、ノズル部より層流で溶解半田を押し出す
ようにする。これに超音波発信器から超音波振動が、音
圧としてホーンを経由し、セル内部に満たされた液を経
由してノズルより押し出された液柱に伝搬される。液柱
に伝搬された超音波振動による音圧は、周波数に従って
圧力の高い部分と低い部分の液柱に形成され周期的に伝
搬する。すると液柱には外圧に対して正圧、負圧となる
部分が周期的に形成され、細くなった部位は最後に分断
される。
【0019】すなわち、液柱が安定に形成される流速の
領域において、超音波による振動が周期的に、規則的に
加わるめ、均一な切断が起こり均一な粒子が得られるこ
とが考えられる。また、その前提条件として安定的な液
柱を形成することが必要であるため、層流領域の上、下
限の流速の範囲内が存在すると考えられる。
【0020】この実施例では、1.5〜2KHzの弾性波エネ
ルギーを加えて均一切断した。球状化した粒子が帯電し
やすい場合は、ノズル先端からわずかに離れた位置で、
強制的に放出された溶融半田が液滴となったものに電荷
を与え液滴を分散させても良い。さらに、液滴表層と酸
素との親和性が高い場合には、窒素、アルゴンなどの不
活性ガスまたは、水素などの還元ガスで満たされた空間
をノズル先端から放出された直後から通過させることに
よって液滴の酸化を防ぐことができる。あるいは、直接
冷媒中に放出することにより酸化を防止しても良い。液
滴が小さいほど酸素による酸化の影響を受けやすい為、
通過させる空間の酸素濃度を500ppm以下の状態を保っ
た。また、この空間内の温度は、溶融半田以上の温度と
し、空間内で凝集し硬化しないようにした。
【0021】低酸素濃度に保った空間を通過した液滴
は、溶融した合金を溶解させない液体として高沸点の鉱
物油(サームオイル)またはシリコンオイルが満たされ
ている粒子回収層に到達する。液滴は、液滴の温度以上
に加熱された鉱物油(シリコンオイル)上層部に突入す
る。突入した液滴は、鉱物油(シリコンオイル)の下部
がオイルクーラントで常温に保たれていることから沈降
するに従って冷却され、固化した粒子として回収し洗浄
・乾燥させた後、高密度実装用のBGA、CSPなどの表面実
装型部品の接合用半田ボールとして用いることができる
か否か次のことを試みた。得られたボールの変形率すな
わち(最短部の長さ)と(最長部の長さ)との比を比較
した。
【0022】[実施例2]次に本発明をソルダーペース
トに応用した例を示す 加熱した合金の表層部が不活性ガスで置換されるように
ガス注入口を上部に有する半田溶融層の中に、組成比が
錫90.9wt%以上、亜鉛9wt%、他の金属元素含有量が0.1
wt%未満の共融物質としての合金のインゴットを合計20
0Kg入れ、558Kで保持し完全に溶解させた。この溶
融金属を、溶融層内部のギャーポンプにより一定流速
で、振動子としての円形もしくは多角形のホーンを挿入
させたセル内の、ホーンとセル内壁の間の空間に満た
し、ノズル部より一定流速で液柱を押し出す。安定に液
柱を形成する領域において、超音波発信器からの超音波
振動が、音圧としてホーンを経由してノズルから押し出
された液柱に伝搬される。液柱に伝搬された超音波振動
による音圧は、周波数に従って圧力が高い部分と低い部
分が液柱に形成され周期的に伝搬する。すると液柱に
は、外圧に対して正圧と負圧となる部位が周期的に形成
され、細くなった部位は最後に分断される。
【0023】すなわち、液柱が安定に形成される流速の
領域において、超音波による振動が周期的、規則的に加
わるため、均一な切断が起こり均一な粒子が得られると
考えられる。また、その前提条件として、安定的な液柱
を形成する必要があるため、流速は一定で、層流領域の
上、下限の流速の範囲を満足する。
【0024】この例では、30〜45KHzの弾性波エネルギ
ーを与えて50μmの液滴を製作した。分断し球状化した
粒子が帯電しやすい場合は、ノズル先端からわずかに離
れた位置で、強制的に放出された溶融半田が液滴となっ
たものに電荷を与え液滴を分散させてもよい。さらに、
液滴表層と酸素との親和性が高い場合には、窒素、アル
ゴンなどの不活性ガスまたは水素などの還元ガスで満た
された空間をノズル先端から放出された直後から通過さ
せるか直接冷媒柱に挿入させることによって液滴の酸化
を防ぐことができる。液滴が小さいほど酸素による酸化
の影響を受けやすいため、通過させる空間の酸素濃度を
500ppm以下の状態に保った。また、この空間の温度を5
14、554Kにした時に得られたボールを発明品5、
6とし、473Kにした時に得られたボールを比較品3
とした。
【0025】低酸素濃度に保った空間を通過した液滴
は、溶融した合金を溶解させない液体として高沸点の鉱
物油(サームオイル)またはシリコンオイルが満たされ
ている粒子回収層に到達する。液滴は、液滴より若干高
い温度に保たれている鉱物油(シリコンオイル)の上層
部に突入する。突入した液滴は、鉱物油の下部がオイル
クーラントで常温に保たれていることから沈降するに従
って冷却され固化した粒子となって回収される。回収さ
れた粒子の径を計ったところ、ほぼ50μmであり、その
内部結晶粒もほぼ均等で、真球に近い形状であった。ま
た、このようにして得られるほぼ真球の粒子を洗浄し、
乾燥して得られた粒子の1gをとり内部の酸素含有量を調
べたところ50ppm以下であった。発明品5、6および比
較品3のボール変形率を比較した。
【0026】発明品6はさらにソルダーペーストとして
の実地試験を行なった。重合ロジン(松脂)46.0重量
部、テレピネオールを主とする溶剤44.5重量部、硬化ヒ
マシ油(チキソ剤)8.0重量部、ジフェニルグアニジン
臭化水素酸塩を主とする活性剤0.9重量部、パルチミン
酸0.3重量部、アミン塩0.3重量部を混合しながら加熱し
た後に冷却して均質のフラックスを調整した。このフラ
ックス10重量部と前述の錫、亜鉛半田粒子90重量部とを
窒素雰囲気中で攪拌混合してソルダーペーストを得た。
【0027】このソルダーペースト500gを回路基板用印
刷機のメタルマスク上に供給し、窒素雰囲気中で次の様
な印刷条件、及び、基板仕様を持つ基板に印刷した。 [基板仕様] 寸法: 100mml×120mmw×1mmt 材質: ソルダーレジスト塗布ガラスエポキシ基板 銅パッド部のパターン: 64pin QFP対応パターン 銅パッド寸法: 5mml×0.3mmw パッドピッチ: 0.5mm [印刷条件] メタルマスク厚: 0.2mmt 印刷速度: 1.5回/分 印刷方向: 基板長手方向
【0028】印刷機による印刷を500回繰り返したが、
ソルダーペーストの粘着性等の物性に特に変化は見られ
なかった。さらにソルダーペーストを印刷塗布した500
枚のうち1つの基板をチップマウンタに搭載し、錫・亜
鉛(組成:亜鉛9重量%)でメッキしたプリコートしたQ
FPチップを所定の位置に位置決めして基板上に搭載し、
加熱炉に導入して次の条件でリフローを実施した。 [リフロー条件] リフロー時間: 6分 予備加熱温度: 423K 最高加熱温度: 501K 炉内雰囲気: 窒素供給有り、酸素濃度 500ppm
【0029】リフロー後に基板を冷却し、接合部分を切
断して断面観察により半田のぬれ性を調べたところ、半
田のぬれ角は鋭角であり、個々のランド間におけるブリ
ッジの形成は見られなかった。また、接合後の強度を測
定したところ、従来の錫・鉛共晶半田を用いたときとほ
ぼ同等の値を示し問題なかった。
【0030】[実施例3]加熱した合金の表層部が不活
性ガスで置換されるようにガス注入口を上部に有する半
田溶融槽の中に、組成比が錫90.9wt%以上亜鉛9.0wt
%、他の金属元素含有量が0.1%未満の共融物質として
の合金のインゴットを合計200Kg入れ、523Kで保持
し完全に溶融させた。この溶融した合金を、振動子とし
ての円形もしくは多角形のホーンを挿入させたセル内
の、ホーンとセル内壁の間の空間に満たし、ノズル部よ
り一定流速で液柱を押し出す。安定に液柱を形成する領
域において、超音波発信器からの弾性波エネルギー(超
音波振動)が、音圧としてホーンを経由してノズルから
押し出された液柱に伝搬される。液柱に伝搬された弾性
波エネルギー(超音波振動)による音圧は、周波数に従
って圧力が高い部分と低い部分が液柱に形成され周期的
に伝搬する。すると液柱には、外圧に対して正圧と負圧
となる部位が周期的に形成され、細くなった部位は最後
に分断される。
【0031】すなわち、液柱が安定に形成される流速の
領域において、超音波による振動が周期的、規則的に加
わるため、均一な切断が起こり均一な粒子が得られると
考えられる。また、その前提条件として、安定的な液柱
を形成する必要があるため、流速は一定で、層流領域の
上、下限の流速の範囲を満足する。
【0032】この例では、1.5〜2KHzの弾性波エネルギ
ーを加えて均一切断した。球状化した粒子が帯電しやす
い場合は、ノズル先端からわずかに離れた位置で、強制
的に放出された溶融半田が液滴となったものに電荷を与
え液滴を分散させても良い。さらに、液滴表層と酸素と
の親和性が高い場合には、窒素、アルゴンなどの不活性
ガスまたは、水素などの還元ガスで満たされた空間をノ
ズル先端から放出された直後から通過させることによっ
て液滴の酸化を防ぐことができる。通過させる空間の酸
素濃度を200、500ppmとした時に得られたボー
ルを発明品7、8、3000、8000ppmとした時
に得られたボールを比較品4、5とした。この空間内の
温度は、溶融半田以上の温度とし、空間内で凝集し硬化
しないようにした。
【0033】空間を通過した液滴は、溶融した合金を溶
解させない液体として高沸点の鉱物油(サームオイル)
またはシリコンオイルが満たされている粒子回収層に到
達する。液滴は、液滴の温度以上に加熱された鉱物油
(シリコンオイル)上層部に突入する。突入した液滴
は、鉱物油(シリコンオイル)の下部がオイルクーラン
トで常温に保たれていることから沈降するに従って冷却
され、固化した粒子として回収される。回収された粒子
の径を計ったところ、ほぼ500μmであった。発明品
7、8と比較品4、5はRBSにより表層の酸化亜鉛形
成最大深さ(オングストローム)を測定し、変形率と比
較した。
【0034】
【実施例4】実施例1の合金成分を錫90.9wt%以上、亜
鉛9wt%、不可避不純物を0.01wt%未満とした以外は同
じ要領で試験を行ない、溶解温度を523、543Kと
して得られたボールを発明品9、10とし、623、6
63Kとして得られたボールを比較品6、7とした。
【0035】
【発明の効果】以上のことから、本発明による、錫と、
鉛以外の共晶合金を形成する金属とを混合し、その融点
以上の温度から融点+100(K)以下で加熱溶融し液
化させ、断続的に液化物を溶解温度と70(K)以下の
温度差で放出・凝縮することによって合金粒子は、高密
度化が急速に進展している電気・電子機器の実装基板の
部品の接合に用いられるBGAやCSPなどの部品電極と実装
基板の接合用バンプ、QFPなどのリードを有する部品の
半田接合に用いるソルダーペースト用の合金粒子として
使用できる。また、これらの合金粒子に用いられる鉛以
外の共晶合金を形成する金属として、亜鉛、銅、銀、ア
ルミニウム、ビスマス、インジウムからなる群から少な
くとも一つ以上選択することによって得られるものは、
鉛の代替金属として積極的に用いることで、金属資源を
有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 三郎 東京都品川区南品川1−2−33 岡部技研 株式会社内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA10 BB01 BB02 BB05 BB18 CA01 DA01 EC01 EK02 FA05 5E319 BB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非鉛系接合材料を加熱溶融し、断続的にノ
    ズルから冷媒中に放出して均一ボールを製造する方法に
    おいて、該非鉛系接合材料の融点をT(K)とした時
    に、溶解温度をT以上かつT+100(K)以下とする
    ことを特徴とする非鉛系接合材料の均一ボール製造方法
  2. 【請求項2】請求項1において、加熱溶解させる部位か
    ら冷媒に至るまでの温度差を70(K)以下にすること
    を特徴とする非鉛系接合材料の均一ボール製造方法
  3. 【請求項3】請求項1の非鉛系接合材料が、錫を主成分
    とし、残部が亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ビスマス、
    インジウムのうち少なくとも一種からなることを特徴と
    する非鉛系接合材料の均一ボール製造方法
  4. 【請求項4】請求項3において、ボール最表面から10
    オングストローム以上、150オングストローム以下の
    深さに接合材料の酸化物を含むことを特徴とする非鉛系
    接合材料の均一ボール製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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