JP4112946B2 - 非鉛系接合材、ソルダーペースト及び接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非鉛系接合材、特にビスマス等が添加された錫・鉛系合金を主成分とする非鉛系接合材とその接合材を用いた接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある物体とその物体よりも融点が低い物質を用いた接合技術としてのはんだ接合は、古くから使用されており、電子機器の接合においても、マイクロプロセッサ、メモリ、抵抗、およびコンデンサなどの半導体素子や電子部品と実装基板との接合をはじめとして幅広く用いられている。はんだ接合は、部品を基板に固定するだけでなく、導電性を有する金属をはんだに含有させることにより電気的接合も兼ね備えている点に特長を有する。今日、パーソナルコンピュータ、携帯電話やポケットベルなどに代表されるパーソナル機器の急激な普及が進むにつれ、電子部品の実装技術におけるはんだ接合はますますその重要性が増大している。
【0003】
従来、最も多く用いられているはんだは、錫・鉛系共晶はんだであった。この錫・鉛系共晶はんだは、銅板に対するぬれ性が優れ、しかも融点が183℃と低く、実用に極めて適している。しかし、錫・鉛系共晶はんだに含まれる鉛は、人体に対し有害であることが知られるようになり、錫・鉛系共晶はんだに代わる、鉛を含まない、いわゆる鉛フリーはんだの開発が急務とされている。
【0004】
現在、鉛フリーはんだとしては、錫・銀系合金、錫・亜鉛系合金等が主に検討されている。いずれの融点も従来の錫・鉛系共晶はんだに較べ融点が高いが、特に錫・銀系合金は、共晶点が221℃と極めて高く、接合の際のリフロー温度により、電子部品の熱損傷の問題が発生するおそれがある。これに対し錫・亜鉛系合金の共晶点は199℃であり、錫・銀系合金に比較するとリフロー温度を低く設定でき、しかもビスマスを添加することによりこれをさらに下げることも可能であり、電子部品の熱損傷の発生を防止できるとともに作業性を改善できる。
【0005】
例えば、錫・亜鉛合金を用いた鉛フリーはんだとしては、錫・亜鉛系合金にビスマスを3%添加した合金を使用したもの(非特許文献1)や、ビスマス等を1wt%より多く3%未満添加した合金を使用したもの(特許文献1)が知られている。
【0006】
【非特許文献1】
網田他、「高信頼性Sn−Zn系鉛フリーソルダーペースト」、Mate99、pp319、(1999))
【0007】
【特許文献1】
特開2002−283093号公報(段落〔0010〕等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、錫・亜鉛系合金は、錫・銀系合金に比較し融点が低く、ビスマス等の添加によって、さらにその融点を低下させることができるものの、他方、ビスマス等の添加量の増加は、合金の脆性を悪化させる。よって、従来のように、1%より多くあるいは3%程度のビスマスを含む錫・亜鉛系合金をはんだ材として使用した場合は、接合部でクラックが入りやすくなる。このような脆性の問題は、携帯電話やポケットベル等、落下等の衝撃に対する耐性が求められる民生部品において、特に重要になる。従って、ビスマスが添加された錫・亜鉛系合金では、脆性の改善が求められている。
【0009】
一方、従来、錫・亜鉛系合金の微細構造とビスマス添加量の関係については、詳細な解析がなされていなかったため、今回、本発明者等は、ビスマス添加量と微細構造との関係について解析を行い、従来知られていない新たな知見を見出した。
【0010】
本発明は、それらの知見に基づき、接合強度が強く、しかもぬれ性が良好な、錫・亜鉛系の非鉛系接合材および、この非鉛系接合材を用いた接合方法を提供することを目的とする。
【0011】
本実施の対応による非鉛系接合材は、亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、
前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、
前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有することを特徴とする。
【0012】
上記本発明の非鉛系接合材の態様によれば、表層部にビスマスまたはゲルマニウムの高濃度層を有するので、表面層の融点を下げ、接合をスムーズに開始させることができる。また、中核部についてはビスマスまたはゲルマニウム量を低く保ち、接合材全体として添加物量を従来のものより低減し、接合後のクラック発生等を防止できる。
【0013】
また、表層部におけるビスマスまたはゲルマニウムの濃度を0.6wt%以上とすることにより、針状結晶が非鉛系接合材の表面に析出するが、この針状結晶中の主成分である亜鉛は、金属材と化合物を形成しやすいため、接合の際、接合の対象となる電極等の金属に対し強固な接着強度を得ることができる。また、表層部の固溶相におけるビスマスまたはゲルマニウムの添加濃度を4.0wt%以下とすることにより、針状結晶成長に伴う表面での凹凸の発生を抑制できる。凹凸の発生を抑制することにより、この非鉛系接合材を用いて接合する際に、凹凸に起因する接合不良を防止できる。
【0014】
なお、上記本発明の非鉛系接合部材において、中核部は、添加材として表層部の添加材濃度が、0.3wt%以上1.0wt%以下の範囲内にあってもよい。また、上記表層部は、最表面から少なくとも2μmの深さを有してもよい。また、上記非鉛系接合材は、略球状の粒状体であってもよい。
【0015】
本実施の形態のソルダーペーストは、亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有する非鉛系接合材と、フラックスとを具備することを特徴とする。
【0016】
上記本発明のソルダーペーストの態様によれば、上記非鉛系接合材の特徴により、このソルダーペーストを用いて接合を行う場合は、接合時のぬれ性が良好で、しかも接合強度が高く、クラックが入りにくい接合を提供できる。
【0017】
本実施の形態の接合方法は、亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有する非鉛系接合材と、フラックスとを混合したソルダーペーストを接合部に塗布する工程と、前記ソルダーペーストをリフローする工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本実施の形態の接合方法は、亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、
前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、
前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有することを特徴とする非鉛系接合材を、予めフラックスが塗布された接合部に載置する工程と、前記フラックスおよび前記非鉛系接合材をリフローする工程とを有することを特徴とする。
【0019】
上記本発明の態様のそれぞれの接合方法によれば、上記非鉛系接合材の特徴により、接合時のぬれ性が良好で、しかも接合強度が高く、クラックが入りにくい接合を提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、遠心噴霧法等を用いて作製したビスマスまたは、ゲルマニウム(以下、「ビスマス等」という)を添加した錫・亜鉛系合金の略球状の粒状体において、ビスマス等の添加量と粒状体の断面構造、表面層の状態および組成の関係を解析した。その結果、従来知られていない次のような知見を得た。
【0021】
まず、ビスマス等の添加材量と、作製した錫・亜鉛系合金の粒状体の表層部におけるビスマス等の濃度との関係をエネルギー分散型X線分光器(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectrometer)を用いて解析した。
【0022】
この結果、図1(a)に示す所定以上のビスマスが添加された錫・亜鉛系合金の粒状体10において、表層部11におけるビスマス等の濃度は、粒状体全体におけるビスマス等の添加材の濃度より高く、中核部12より表層部11において、添加材の濃度がより濃くなっていることがわかった。
【0023】
粒状体10の断面をSEMにて観察した。図1(b)および図1(c)は、得られたSEM像を模式的に示した図である。図1(b)は錫・亜鉛系合金粒状体10の外表面13および表層部11を含む断面を、図1(c)は粒状体10の中核部12、とくにその中心部の断面を示す。図中に示す短い黒線は、針状結晶111の存在を示す。図1(b)および図1(c)に示すように、所定以上のビスマスが添加された錫・亜鉛系合金において、表層部11付近に針状結晶111が中核部12より多く析出していることが確認できた。
【0024】
さらに、表層部11におけるビスマス等の添加材の濃度と錫・亜鉛系合金の粒状体10の表面構造との関係を解析した。添加材濃度は、上述するEDSを用い表面から深さ2μm程度の領域について測定した。
【0025】
図2(a)〜図2(c)は、粒状体10表面のSEM写真に基づく、粒状体10表面構造を示す模式図である。添加ビスマス等が全く添加されていない場合は、錫・亜鉛系合金の粒状体10表面は、図2(a)に示すように、滑らかで均質であった。しかし、表層部11におけるビスマス等の濃度が0.6wt%以上になると、図2(b)に示すように、表層部11に亜鉛を主成分とする針状結晶111が析出し始めた。図3は、このときの、表層部11における構造を模式的に示したものである。同図に示すように、各結晶は、亜鉛を主成分とする針状結晶111と、その周囲を囲む錫を主成分とする固溶相110とを有している。なおこの図3において、112は結晶粒界を示す。ビスマス等の添加材は固溶相110の特に、錫相中に固溶している。
【0026】
亜鉛を主成分とする針状結晶111の大きさ、特に結晶軸長は、表層部11におけるビスマス等の濃度の増加に伴い増大する傾向にあった。また、結晶長が長くなると、表面から突出し、表層部11に断裂やくぼみを発生させる傾向が見受けられた。図2(c)は、表層部11におけるビスマス等の添加濃度が4.0wt%を越える場合の表面状態を示す模式図である。表面は、クレバス状の凹凸が形成され、断裂113やくぼみ114が多数発生していた。
【0027】
このように、表層部11におけるビスマス等の添加物濃度は、表層部11の構造と密接な関連があることが今回の発明者等の解析によって明らかになった。
【0028】
以上の知見をもとに、本発明者等は、以下に説明する、実施の形態に係る錫・亜鉛合金を主成分とする非鉛系接合材を得た。
【0029】
すなわち、本実施の形態に係る非鉛系接合材は、図1(a)および図3を参照するように、主成分として亜鉛および錫を含み、添加材としてビスマスまたはゲルマニウムの少なくともいずれか一方を含む非鉛系接合材において、中核部12を覆う表層部11に、亜鉛を主成分とする針状結晶111とこの針状結晶111を囲み、錫を主成分とする固溶相110を含み、表層部11の固溶相110に固溶するビスマスあるいはゲルマニウムの濃度を0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内としたものである。
【0030】
表層部11におけるビスマスまたはゲルマニウムの濃度を0.6〜4.0wt%の範囲内で調整することにより、表層部11に析出する亜鉛の針状結晶111の状態を適切に調整できる。すなわち、表層部11において、ビスマスまたはゲルマニウムの濃度が4.0wt%を越えると、粒状体の表層部11における亜鉛結晶の増大が行き過ぎ、針状結晶111の突出による表層部11の断裂が起こり、表面の凹凸が著しくなる。表層部11に凹凸があると、酸素やその他のガスが吸着されやすい。よって、このように表面の凹凸が著しい接合材を使用して、基板と部品との接合を行うと、吸着したガスが接合材表面を酸化しやすく、接合不良を生じやすい。特に、直径300μm以下の比較的小さい粒状体をはんだボールとして使用して、基板と部品等との間で接合を行う場合は、リフロー後の凝結スピードが高いため、はんだボールの表層部11の凹凸や、結晶構造の不均一性が接合信頼性に及ぼす影響を大きい。
【0031】
一方、表層部11におけるビスマスまたはゲルマニウムの濃度が0.6wt%未満であると、これらの添加材による融点の低下効果が得られないため、添加材の添加効果が乏しくなる。また、ビスマスまたはゲルマニウムの濃度が0.3wt%以下になると、そもそもこれらの添加材を均質に分散させること自体が困難になる。
【0032】
また、表層部11におけるビスマスまたはゲルマニウムの濃度が0.6wt%以上であれば、表層部11に亜鉛を主成分とする針状結晶111を析出させることができる。この針状結晶111は、銅、銀、金等の電極材に対し、化合物を形成しやすい亜鉛を主成分として有する。従って、このような接合材を使用して基板上の電極と部品との接合を行う際には、表層部11における適度な針状結晶111の存在により、接合材と電極との接合力を強化することができる。
【0033】
また、本実施の形態に係る非鉛系接合材は、表層部11におけるビスマスまたはゲルマニウムの濃度が中核部12より高いため、表層部11においてはより融点を下げ、ぬれ性を改善し、接合をスムーズに開始できる。また、中核部12については、従来のものよりさらにビスマスまたはゲルマニウムの濃度を下げ、0.3wt%以上1.0wt%以下とすることができる。中核部12は、非鉛系接合材の大部分をしめるので、接合材全体としても、ビスマスまたはゲルマニウムの添加濃度を従来に較べ低減させることができる。従って、ビスマスまたはゲルマニウムの添加による脆性の悪化を抑制できるため、この非鉛系接合材を使用して接合を行えば、接合後の不良発生率を低下させることができる。
【0034】
なお、上述の実施の形態では粒状体を例にとって説明したが、表層部の条件は、非鉛系接合材の形状が柱状体や板状体であっても同様である。
【0035】
また、本実施の形態に係る非鉛系接合材において、中核部12と表層部11の境界は、厳密なものではなく、粒状体の大きさ等により変動するが、例えば上述する表層部11のビスマスまたはゲルマニウムの濃度は、EDSによって測定した値であり、この値は約2μmの深さに至る表層部での添加物濃度が検出される。したがって、ここでは、表層部11は少なくとも表面から2μm以上の深さ部分をいうものとすることができる。
【0036】
次に、本発明の実施の形態に係る非鉛系接合材の製造方法について説明する。非鉛系接合材の作製にあたっては、はんだ溶融槽に素材となる錫と鉛のインゴットを切断した物を入れ、これを加熱し溶融させる。溶融槽の液面上に窒素等の不活性ガスを毎分20l以上流し続け、溶融槽周囲の雰囲気の酸素濃度を100ppm以下、好ましくは50ppm以下とするのが適している。また、溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により220〜260℃、好ましくは230〜250℃が適している。
【0037】
この後、溶融液の一部を遠心噴霧法、アトマイズ法などにより液滴化し、常温以下の純度99.998%以上の不活性ガスで満たされた箱の中に噴出させ凝結固化させることによって液滴を略球状の粒子として固形化する。この時、水分の混入は亜鉛を含む粒子表面の酸化を著しく増大させるため、ガスの温度を5℃以下とし、予め箱の表面に氷結あるいは凝結させておくことが好ましい。なお、本実施の形態に係る接合材の構造を得るためには、比較的高速で凝結が進行する条件で粒状体を形成することが好ましい。
【0038】
次に、上記本実施の形態に係る非鉛系接合材を使用した接合方法について、ガラスエポキシ樹脂基板上にQFP(Quad Flat Package)をマウントする場合を例にとり説明する。まず、上述の本実施の形態に係る非鉛系接合材である粒子をフラックスと混合し、ソルダーペーストを作製する。フラックスとしては、例えば重合ロジン(松脂)約46重量部、テルピオネールなどの溶剤約44.5重量部、硬化ヒマシ油約8重量部、主成分としてジフェニルグアニジン臭化水素塩を含む活性剤約0.9重量部、パルミチン酸約0.3重量部、およびエチルアミン塩酸約0.3重量部とを加熱混合したもの等を使用できる。
【0039】
このソルダーペーストをステンレス製のスクリーンを用いて、QFPのピンに対応した銅パッドパターンを備えたガラスエポキシ樹脂基板上に例えば約150μmの厚さに印刷する。この後、QFPをガラスエポキシ樹脂基板上にマウントする。QFPをマウントした基板を炉の中にいれ、ソルダーペーストのリフローを行う。リフロー条件は、例えば、リフロー時間6分、予備加熱温度150℃、ピーク加熱温度220℃、炉内雰囲気は大気とする。
【0040】
従来の錫・亜鉛系合金からなる非鉛系接合材を使用した接合の場合に較べ、ぬれ性が良好であり、表層部の凹凸による接合不良も生じない。また、表層部の針状結晶中の亜鉛と銅パッドとの間で化合物が形成されることにより強固な接合強度を得ることができる。また、接合材全体としてのビスマス添加濃度が従来のものより低く調整されているので、接合部の脆性を改善できる。
【0041】
なお、上記本実施の形態に係る非鉛系接合材を使用した接合方法として、例えば、CSP用のパッケージの電極上に予めフラックスを塗布しておき、このフラックス上に上記本実施の形態に係る非鉛系接合材を載置し、上述と同様な条件でリフローを行う方法を用いても良い。
【0042】
本発明の実施の形態の非鉛系接合材の応用分野としては、半導体分野で用いられるICパッケージやCPUの導電部の接合、パーソナルコンピュータに内蔵されるハードディスク、液晶パネルの電気回路の接合、ICカード、パーソナルコンピュータやプリンタの接続などに多用されているケーブルコネクタ、通信用ケーブルに多用されている光コネクタなどの高密度化する部品の接点が挙げられる。
【0043】
一方、基板への実装形態としては、片面表面実装、両面表面実装、両面表面実装リード付き部品搭載、片面表面実装リード付き部品搭載実装などが有る。また、実装部品としては、能動部品としてのICが代表例となり、そのパッケージ外形・形状としては、BGA(Ball Grid Array)、FC−BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、PLC(Planer Light wave Circuit) 、MCM(Multi-Chip module) 、OE−MCM(Output Enable- MCM)、およびチップを重ねた高密度実装等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、各実施例および各比較例の条件および特性については、〔表1〕および〔表2〕に示した。
【0045】
(実施例1)
角型のはんだ溶融槽(内寸:700mm×700mm×800mm)内に純度99.99%以上の錫のインゴットを切断したもの(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を182.8kg入れ、これを溶融槽の外部を取り巻くヒーターによって加熱し完全に溶解させた。溶解中は、溶融槽の液面上に窒素を流し、その雰囲気を酸素濃度50ppm以下となるよう調整した。溶解後の溶融液の温度をフィードバック制御により250℃に保った。
【0046】
次に、上記溶液中に純度99.99%以上の亜鉛のインゴットを切断したもの(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を16kg溶融液中に加え溶解させた。また、雰囲気を酸素濃度40ppmに保ったまま、さらに純度99.99%以上のビスマスのインゴットを切断したもの(サイズ:20mm×20mm×10mm以下)を1.2kg、上記溶融液中に加えセラミック棒で撹拌しながら溶解させ、再び溶融液の温度をフィードバック制御により250℃に保った。こうして、溶融液中のビスマス添加量を0.6wt%に調整した。
【0047】
溶融液の一部をはんだ溶融槽の底面から高さ100mmの側面に取り付けられたバルブから槽の外部に導き、径360μmのノズルから液滴を高速回転する円盤上に滴下した。円盤上に滴下した液滴は、遠心力により、半径方向に飛散し、その際、高速で冷却され、凝結固化する過程で略球形の粒状の非鉛系接合材とした。なお、凝結固化は、5℃以下の純度99.998%以上の窒素ガスで満たされた箱の中で行った。固化した多数の粒状接合材をロール選別機にかけ分級し、粒径760±20μmの接合材を5kg回収した。こうして、略球形の粒状非鉛系接合材を得た。
【0048】
回収した粒状の非鉛系接合材の一部を取り出し、光学顕微鏡により200μm角四方の表面の断裂やくぼみの発生率を調べたところ、観察表面の面積の約5%程度にとどまっていた。断裂発生率としては2%であった。また、EDSにより加速電圧50keVの条件で最表面から2μmまでの状態を調べたところ、亜鉛の含有率が50〜98%で、長さ10〜30μm、幅0.1〜2μmの針状結晶が多数存在しており、その針状結晶の周囲をビスマスが0.6〜1.2wt%固溶した錫を主成分とする固溶相によって占められていた。なお、ビスマスの固溶濃度の測定は、表層部の複数箇所において行った。
【0049】
さらに、観察した粒状の非鉛系接合材をその中心軸を含む面で断面出しを行い、その面の中心部のビスマス含有量を調べたところ0.5〜0.6wt%であった。
【0050】
次に、回収した粒状の非鉛系接合材の中から、10ヶ取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をイソプロピルアルコール(IPA)に溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定した。従来の鉛・錫共晶はんだ粒子を用いて同様の評価試験を行った場合、接合部のシェア強度の平均は4Nであり、実施例1の非鉛系接合材を使用して接合を行った場合のシェア強度は、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上のシェア強度を得ることができ、良好な接合強度が得られたことが確認できた。
【0051】
(実施例2および実施例3)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、実施例2では、溶融液中のビスマス添加量を0.8wt%、実施例3では1.0wt%に調整した。
【0052】
実施例2の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が4%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.8〜1.6wt%、針状結晶の最大長さは約50μmであった。また、実施例3の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が5%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.9〜1.9wt%、針状結晶の最大長さは約70μmであった。実施例2および3はいずれも、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上の良好な接合特性が得られた。
【0053】
(実施例4〜6)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、実施例4〜6では、ビスマスの代わりにゲルマニウムを溶融液中に添加した。実施例4では、溶融液中のビスマス添加量を0.6wt%、実施例5では0.8wt%、実施例6では1.0wt%に調整した。
【0054】
ビスマスの代わりにゲルマニウムを添加した場合もほぼ同様な結果が得られた。すなわち、実施例4の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が3%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、0.6〜1.2wt%、針状結晶の最大長さは約30μmであった。実施例5の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が4%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は0.8〜1.6wt%、針状結晶の最大長さは約50μmであった。実施例6の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が6%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は0.9〜1.9wt%、針状結晶の最大長さは約50μmであった。実施例4〜6はいずれも、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上の良好な接合特性が得られた。
【0055】
(実施例7〜9)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、実施例7〜9では、径が250μmのノズルを使用した。この場合、分級により、約500μmの径の非鉛系接合材を回収した。なお、溶融液中のビスマス添加量は、実施例7では0.6wt%、実施例8では0.8wt%、実施例9では1.0wt%に調整した。
【0056】
実施例7の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が2%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.6〜1.2wt%、針状結晶の最大長さは約30μmであった。実施例8の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が4%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.8〜1.8wt%、針状結晶の最大長さは約40μmであった。また、実施例9の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が6%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.9〜2.6wt%、針状結晶の最大長さは約60μmであった。実施例7〜9はいずれも、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上の良好な接合特性が得られた。
【0057】
非鉛系接合材の粒径が変化しても、表層部におけるビスマス濃度と表層部構造の関係に顕著な変化はなかった。
【0058】
(実施例10〜12)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、実施例10〜12では、径が70μmのノズルを使用し、分級により、約100μm径の非鉛系接合材を得た。なお、溶融液中のビスマス添加量は、実施例10では0.6wt%、実施例11では0.8wt%、実施例12では1.0wt%に調整した。
【0059】
実施例10の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が3%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.6〜1.4wt%、針状結晶の最大長さは約20μmであった。実施例11の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が7%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.8〜2.8wt%、針状結晶の最大長さは約40μmであった。また、実施例12の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が7%であり、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、0.9〜3.6wt%、針状結晶の最大長さは約60μmであった。実施例10〜12はいずれも、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上の良好な接合特性が得られた。
【0060】
非鉛系接合材の粒径が変化しても、表層部におけるビスマス濃度と表層部構造の関係に顕著な変化はなかった。
【0061】
(実施例13〜15)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、実施例13〜15では、径が70μmのノズルを使用し、分級により、約100μm径の非鉛系接合材を得た。また、ビスマスの代わりにゲルマニウムを溶融液中に添加した。実施例13では、溶融液中のビスマス添加量を0.6wt%、実施例14では0.8wt%、実施例15では1.0wt%に調整した。
【0062】
ビスマスの代わりにゲルマニウムを添加した場合もほぼ同様な結果が得られた。すなわち、実施例13の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が3%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、0.6〜1.4wt%、針状結晶の最大長さは約20μmであった。実施例14の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が5%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、0.8〜2.9wt%、針状結晶の最大長さは約40μmであった。実施例15の非鉛系接合材では、表面断裂発生率が8%であり、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、0.9〜4.0wt%、針状結晶の最大長さは約70μmであった。実施例13〜15はいずれも、従来の鉛・錫共晶はんだとほぼ同等以上の良好な接合特性が得られた。
【0063】
(比較例1および2)
実施例1と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、比較例1では、溶融液中のビスマス添加量を0.3wt%、比較例2では1.2wt%に調整した。
【0064】
比較例1の非鉛系接合材では、表層部における固溶相中のビスマスの濃度が、0.3〜1.0wt%、針状結晶の最大長さが約30μmであり、粒子表面がほぼ均質で滑らかで、表面断裂発生率は1%に過ぎなかった。しかし、その接合特性は、従来の錫・鉛系はんだの接合部のシェア強度4Nに比較し、これより劣る3.2N以下のものが20%の比率で生じた。
【0065】
また、比較例2の非鉛系接合材では、表層部における固溶相中のビスマスの濃度は、2.8〜4.6wt%であり、針状結晶の最大長さは100μmにも達し、粒子表面は、凹凸が激しく、表面断裂発生率は8%に達した。その接合特性は、従来の錫・鉛系はんだの接合部のシェア強度4Nに比較し、これより劣る3.2N以下のものが40%の比率で生じた。
【0066】
(比較例3および4)
実施例4と同様の条件で、非鉛系接合材を作製した。ただし、比較例3では、溶融液中のゲルマニウム添加量を0.3wt%、比較例4では1.2wt%に調整した。
【0067】
比較例3の非鉛系接合材では、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、0.3〜1.0wt%、針状結晶の最大長さは約30μmであり、粒子表面がほぼ均質で滑らかで、表面断裂発生率は1%に過ぎなかった。しかし、その接合特性は、従来の錫・鉛系はんだの接合部のシェア強度4Nに比較し、これより劣るものが20%の比率で生じた。
【0068】
また、比較例4の非鉛系接合材では、表層部における固溶相中のゲルマニウムの濃度は、2.6〜4.8wt%であり、針状結晶の最大長さが100μmにも達し、粒子表面は、凹凸が激しく、表面断裂発生率は8%に達した。その接合特性は、従来の錫・鉛系はんだの接合部のシェア強度4Nに比較し、これより劣るものが40%の比率で生じた。
【0069】
【表1】
【表2】
以上、実施の形態および実施例に沿って本発明の非鉛系接合材およびこれを用いた接合方法について説明したが、本発明は、これらの実施の形態および実施例の記載に限定されるものではない。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明するように、本発明の非鉛系接合材およびこれを用いた接合方法によれば、従来の錫・亜鉛系ニ元合金を使用した接合材にくらべ、接合時の作業性が良好で、歩留まりが高く、接合後は、クラックが入りにくい、信頼性の高い接合を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非鉛系接合材の断面構造を示す模式図である。
【図2】非鉛接合材の表層部におけるビスマス等の濃度と表面構造の関係を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る非鉛接合材の表層部における構造を示す模式図である。
【符号の説明】
10・・・非鉛系接合材
11・・・表層部
12・・・中核部
13・・・外表面
110・・・固溶相
111・・・針状結晶
112・・・結晶粒界
113・・・断裂
114・・・くぼみ
Claims (5)
- 亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、
前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、
前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有することを特徴とする非鉛系接合材。 - 前記非鉛系接合材は、略球状の粒状体であることを特徴とする請求項1に記載の非鉛系接合材。
- 亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有する非鉛系接合材と、フラックスとを具備することを特徴とするソルダーペースト。
- 亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有する非鉛系接合材と、フラックスとを混合したソルダーペーストを接合部に塗布する工程と、前記ソルダーペーストをリフローする工程とを有する接合方法。
- 亜鉛および錫を主成分とし、ビスマスまたはゲルマニウムからなる添加元素を残成分として、0.6wt%以上1.0wt%以下含む粒状体の非鉛系接合材であって、
前記非鉛系接合材が、中核部と、表層部を備えており、
前記錫中に固溶した前記添加元素の濃度が前記中核部よりも高くかつ固溶した前記添加元素の量が0.6wt%以上4.0wt%以下の範囲内である固溶相及び、前記固溶相中に分散し前記亜鉛を主成分としかつ前記中核部よりも多く存在する針状結晶を備えた前記表層部を有し、前記中核部における前記添加元素の濃度は、0.3wt%以上1.0%wt%以下であり、かつ、前記表層部は、前記非鉛系接合材の最表面から少なくとも2μmの深さを有することを特徴とする非鉛系接合材を、予めフラックスが塗布された接合部に載置する工程と、前記フラックスおよび前記非鉛系接合材をリフローする工程とを有する接合方法。
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