JP2001202915A - 回路パターン検査装置 - Google Patents

回路パターン検査装置

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JP2001202915A
JP2001202915A JP2000010129A JP2000010129A JP2001202915A JP 2001202915 A JP2001202915 A JP 2001202915A JP 2000010129 A JP2000010129 A JP 2000010129A JP 2000010129 A JP2000010129 A JP 2000010129A JP 2001202915 A JP2001202915 A JP 2001202915A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】欠陥画像取得時に高分解能でかつ高S/Nの欠
陥画像を高効率で得るのに適した回路パターン検査装置
を提供すること。 【解決手段】検査用一次電子線高速偏向制御回路43と
欠陥画像取得用一次電子線偏向制御回路56はスイッチ
54により切り替えられる。スイッチ54を検査用一次
電子線高速偏向制御回路43に接続することによりステ
ージ移動に追従した高速偏向が可能となり、これによっ
て回路パターンの検査が行われる。また、スイッチ54
を画像取得用一次電子線偏向制御56に接続することに
より低速偏向が可能となる。この状態は回路パターン検
査後の自動欠陥分類時に維持される。したがって、欠陥
画像取得時には高分解能でかつ高S/Nの欠陥画像を高
効率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路パターン検査装
置、特に半導体装置の製造過程においてウエハ上の回路
パターンを検査するために用いるのに適した回路パター
ン検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば半導体装置は、半導体ウエハ上
に、ホトマスクに形成されたパターンをリソグラフィー
処理およびエッチング処理により転写する工程を繰り返
すことにより製造される。半導体装置の製造過程におい
て、リソグラフィー処理やエッチング処理その他の良
否、異物発生等は、半導体装置の歩留まりに大きく影響
を及ぼす。このため、異常や不良発生を早期にあるいは
事前に検知するために製造過程の半導体ウエハ上のパタ
ーンを検査する方法は従来から実施されている。
【0003】半導体ウエハ上のパターンに存在する欠陥
を検査する方法としては、半導体ウエハに白色光を照射
し、光学画像を用いて複数のLSIの同種の回路パター
ンを比較する欠陥検査装置が実用化されており、検査方
式の概要は「月間セミコンダクタワールド」1995年
8月号pp96−99に述べられている。また、光学画
像を用いた検査方法では、特開平3−167456 号
公報に記載されているように、基板上の光学照明された
領域を時間遅延積分センサで結像し、その画像と予め入
力されている設計特性を比較することにより欠陥を検出
する方式や、特公平6− 58220号公報に記載され
ているように、画像取得時の画像劣化をモニタし、それ
を画像検出時に補正することにより安定した光学画像で
の比較検査を行う方法がある。
【0004】しかし、このような光学式の検査方式で製
造過程における半導体ウエハを検査した場合、光が透過
してしまうシリコン酸化膜や感光性フォトレジスト材料
を表面に有するパターンの残渣や欠陥は検出できない。
また、光学系の分解能以下となるエッチング残りや微小
導通穴の非開口不良は検出できない。さらに、配線パタ
ーンの段差底部に発生した欠陥は検出できない。
【0005】回路パターンの微細化、その形状の複雑
化、さらにはその材料の多様化に伴い、光学画像による
欠陥検出が困難になってきている。このため、光学画像
よりも分解能の高い電子線画像を用いて回路パターンを
比較検査する方法が提案されてきている。電子線画像に
より回路パターンを比較検査する場合に、実用的な検査
時間を得るためには走査電子顕微鏡(Scanning Electron
Microscopy、以下SEMと略す)による観察と比べて非常
に高速に画像を取得する必要がある。そして、高速で取
得した画像の分解能と画像のSN比を確保する必要があ
る。
【0006】電子線を用いたパターンの比較検査装置と
して、J. Vac. Sci. Tech. B, Vol.9,No.6, pp.3005
−3009(1991)、J. Vac. Sci. Tech. B, Vol.10,No.6,
pp.2511−2515(1992)、および特開平5−258703
号公報とUSP 5,502,306 号明細書に、通常のSEMの1
00倍以上(10nA以上)の電子線電流をもった電子
線を導電性基板(X線マスク等)に照射し、発生する二
次電子、反射電子、透過電子のいずれかを検出し、その
信号から形成された画像を比較検査することにより欠陥
を自動検出する方法が開示されている。
【0007】また、絶縁物を有する回路基板を電子線で
検査あるいは観察する方法としては、特開昭59−15
5941号公報および「電子、イオンビームハンドブッ
ク」(日刊工業新聞社)pp622−623に、帯電の影
響を少なくするために、2keV以下の低加速電子線照
射により安定な画像を取得する方法が開示されている。
さらに、特開平2−15546号公報には半導体基板の
裏からイオンを照射する方法、特開平6−338280
号公報には光を半導体基板の表面に照射することによ
り、絶縁物への帯電を打ち消す方法が開示されている。
【0008】また、大電流でなおかつ低加速の電子線で
は、空間電荷効果により高分解能な画像を得ることが困
難となるが、これを解決する方法として、特開平5−2
58703号公報に、試料直前で高加速電子線を減速
し、試料上で実質的に低加速電子線として照射する方法
が開示されている。
【0009】高速に電子線画像を取得する方法として
は、試料台を連続的に移動しながら試料台上の半導体ウ
エハに電子線を連続照射し画像を取得する方法が特開昭
59−160948号公報および特開平5−25870
3 号公報に開示されている。また、従来のSEMで用
いられてきた二次電子の検出装置として、シンチレータ
(Al蒸着された蛍光体)とライトガイドと光電子増倍
管による構成が用いられているが、このタイプの検出装
置は、蛍光体による発光を検出するため、周波数応答性
が悪く、高速に電子線画像を形成するには不適切であ
る。この問題を解決するために、高周波の二次電子信号
を検出する検出装置として、半導体検出器を用いた検出
手段が特開平5−258703号公報に開示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置にあって
は、試料台を連続的に移動しながら試料台上の半導体ウ
ェハに電子線を連続照射して二次電子を検出するために
周波数応答性が悪いシンチレータ(Al蒸着された蛍光体)
のかわりに周波数応答性がよい半導体検出器が用いら
れ、また、試料台移動に伴い高速に荷電粒子線照射偏向
する回路が用いられていることにより、パターン検査後
の欠陥画像取得時に分解能が高くS/Nが良い画像を得
ることが困難である。また、検査後得られる欠陥画像か
ら欠陥種別を分類する作業には人手による作業により膨
大な時間がかかる。
【0011】本発明の目的は、欠陥画像取得時に高分解
能でかつ高S/Nの欠陥画像を得るのに適した回路パタ
ーン検査装置を提供することにある。
【0012】本発明のもう一つの目的は、欠陥画像取得
時に高分解能でかつ高S/Nの欠陥画像を得るとともに
欠陥種別の分類を高効率で行うのに適した回路パターン
検査装置を提供することにある。
【0013】本発明の更にもう一つの目的は、欠陥検査
を高効率で行い、それによって半導体装置製造の高スル
ープット化を図るのに適した回路パターン検査装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、回路パ
ターンが形成された基板に荷電粒子線を照射する照射手
段と、その照射によって前記基板から発生する信号を検
出する検出手段と、前記荷電粒子線を偏向制御する第1
の偏向制御手段と、前記検出された信号を画像化して記
憶する記憶手段と、その記憶された画像を他の同一の回
路パターンから形成された画像と比較する比較手段と、
その比較結果から前記回路パターンに存在する欠陥を判
別する判別手段とを備えた回路パターンの検査装置にお
いて、前記欠陥を検出する欠陥検出手段と、その欠陥検
出のために前記第1の偏向制御手段とは異なる速度で前
記荷電粒子線を偏向制御する第2の偏向制御手段と、前
記検出された欠陥の画像を生成する欠陥画像生成手段と
を含む回路パターン検査装置にある。
【0015】本発明の特徴は、もう一つの観点によれ
ば、回路パターンが形成された基板に荷電粒子線を照射
する照射手段と、その照射によって前記基板から発生す
る信号を検出する検出手段と、前記荷電粒子線を偏向制
御する偏向制御手段と、前記検出された信号を画像化し
て記憶する記憶手段と、その記憶された画像を他の同一
の回路パターンから形成された画像と比較する比較手段
と、その比較結果から前記回路パターンに存在する欠陥
を判別する判別手段と、前記を備えた回路パターンの検
査装置において、前記回路パターンに存在する欠陥判別
と前記欠陥の種別の自動判別とを並行して実行するよう
にした回路パターン検査装置にある。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による回路パターン
検査装置の一実施例を示す。回路パターン検査装置は、
室内が真空排気される検査室2と、検査室2内に被検査
基板9を搬送するための予備室(本実施例では図示せ
ず)を備えており、この予備室は検査室2とは独立して
真空排気できるように構成されている。また、回路パタ
ーン検査装置は検査室2と予備室の他に制御部6、画像
処理部5を含む。検査室2内は大別して、電子光学系
3、二次電子検出部7、試料室8、光学顕微鏡部4から
構成されている。
【0017】電子光学系3は、電子銃10、電子線引き
出し電極11、コンデンサレンズ12、ブランキング偏
向器13、走査偏向器15、絞り14、対物レンズ1
6、反射板17、ExB(イークロスビー)偏向器18
から構成されている。二次電子検出部7の二次電子検出
器20は検査室2内の対物レンズ16の上方に配置され
ている。二次電子検出器20の出力信号は、検査室2の
外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変換機
22によりデジタルデータとなる。試料室8は、試料台
30、Xステージ31、Yステージ32、位置モニタ測
長器34、被検査基板高さ測定器35から構成されてい
る。
【0018】光学顕微鏡部4は、検査室2の室内におけ
る電子光学系3の近傍であって、互いに影響を及ぼさな
い程度離れた位置に設置されており、電子光学系3と光
学顕微鏡部4の間の距離は既知である。そして、Xステ
ージ31またはYステージ32が電子光学系3と光学顕
微鏡部4との間の既知の距離を往復移動するようになっ
ている。光学顕微鏡部4は光源40、光学レンズ41、
CCDカメラ42により構成されている。画像処理部5
は、第一画像記憶部46、第二画像記憶部47、演算部
48、欠陥判定部49、欠陥自動分類装置60より構成
されている。取り込まれた電子線画像あるいは光学画像
はモニタ50に表示される。装置各部の動作命令および
動作条件は制御部6から入力される。
【0019】制御部6には、予め電子線発生時の加速電
圧、電子線偏向幅、偏向速度、二次電子検出装置の信号
取り込みタイミング、試料台移動速度等の条件が、目的
に応じて任意にあるいは選択して設定できるよう入力さ
れている。制御部6は、偏向制御回路43を用いて、位
置モニタ測長器34、被検査基板高さ測定器35の信号
から位置や高さのずれをモニタし、その結果より補正信
号を生成し、電子線が常に正しい位置に照射されるよう
対物レンズ電源45や走査信号発生器44に補正信号を
送る。
【0020】被検査基板9の回路パターン(レジストパ
ターン、CONT開口パターン、エッチング後のFineパ
ターン(拡散系)、エッチング後のFineパターン(配線
系)など)の画像を取得するためには、細く絞った一次
電子線19を被検査基板9に照射して、二次電子51を
発生させ、該二次電子を一次電子線19の走査およびス
テージ31、32の移動と同期して検出する。既述のよ
うに、自動検査では検査速度が速いことが望ましい。し
たがって、通常のSEMのようにpAオーダーの電子線
電流の電子線を低速で走査したり、多数回の走査および
各々の画像の重ね合せは行わない。また、絶縁材料への
帯電を抑制するためにも、電子線走査は高速で一回ある
いは数回程度にする必要がある。そこで実施例では、通
常SEMに比べ約100倍以上の、例えば100nAの
大電流電子線を一回のみ走査することにより画像を形成
し、また、走査幅は100μm、1画素は0.1μm
とし、1回の走査を1μsで行うようにしている。
【0021】電子銃10には拡散補給型の熱電界放出電
子源が使用されている。この電子銃10を用いることに
より、従来の例えばタングステン(W)フィラメント電
子源や、冷電界放出型電子源に比べて安定した電子線電
流を確保することができるため、明るさ変動の少ない電
子線画像が得られる。また、この電子銃10により電子
線電流を大きく設定することができるため、後述するよ
うな高速検査を実現できる。
【0022】荷電粒子線である一次電子線19は、電子
銃10と引き出し電極11との間に電圧を印加すること
で電子銃10から引き出される。一次電子線19の加速
は、電子銃10に高電圧の負の電位を印加することでな
される。これにより、一次電子線19はその電位に相当
するエネルギーで試料台30の方向に進み、コンデンサ
レンズ12で収束され、さらに対物レンズ16により細
く絞られて試料台30上のX、Yステージ31、32の
上に搭載された被検査基板9(半導体ウエハ、チップあ
るいは液晶、マスク等微細回路パターンを有する基板)
に照射される。なお、ブランキング偏向器13には、走
査信号およびブランキング信号を発生する走査信号発生
器44が接続され、コンデンサレンズ12および対物レ
ンズ16には、各々レンズ電源45が接続されている。
被検査基板9には、リターディング電源36により負の
電圧を印加できるようになっている。このリターディン
グ電源36の電圧を調節することにより一次電子線を減
速し、電子銃10の電位を変えずに被検査基板9への電
子線照射エネルギーを最適な値に調節することができ
る。
【0023】被検査基板9上に一次電子線19を照射す
ることによって発生した二次電子51は、被検査基板9
に印加された負の電圧により加速される。被検査基板9
の上方に、ExB偏向器18が配置され、これにより加
速された二次電子51は所定の方向へ偏向される。Ex
B偏向器18にかける電圧と磁界の強度により、偏向量
を調整することができる。また、ExB偏向器18によ
って生成される電磁界は、試料に印加した負の電圧に連
動して可変させることができる。ExB偏向器18によ
り偏向された二次電子51は、所定の条件で反射板17
に衝突する。この反射板17は、試料に照射する電子線
(以下一次電子線と呼ぶ)の偏向器のシールドパイプと
一体で円錐形状をしている。この反射板17に加速され
た二次電子51が衝突すると、反射板17からは数V〜
50eVのエネルギーを持つ第二の二次電子52が発生
する。
【0024】二次電子検出部7は、真空排気された検査
室2内において対物レンズ16の上方に配置された二次
電子検出器20、並びに検査室2の外部に設けられたプ
リアンプ21、AD変換器22、光変換手段23、光伝
送手段24、電気変換手段25、高圧電源26、プリア
ンプ駆動電源27、AD変換器駆動電源28、および逆
バイアス電源29から構成されている。二次電子検出器
20、プリアンプ21、AD変換器22、光変換手段2
3、プリアンプ駆動電源27、AD変換器駆動電源28
は、高圧電源26により正の電位にフローティングして
いる。
【0025】反射板17に衝突して発生した第二の二次
電子52は、その吸引電界により二次電子検出器20へ
導かれる。二次電子検出器20は、一次電子線19が被
検査基板9に照射されている間に発生した二次電子51
がその後加速されて反射板17に衝突して発生した第二
の二次電子52を、一次電子線19の走査のタイミング
と連動して検出するように構成されている。二次電子検
出器20の出力信号は、検査室2の外に設置されたプリ
アンプ21で増幅され、AD変換器22によりデジタル
信号に変換される。AD変換器22は、二次電子検出器
20が検出したアナログ信号をプリアンプ21によって
増幅した後に直ちにデジタル信号に変換して、画像処理
部5に伝送するように構成されている。検出したアナロ
グ信号を検出直後にデジタル化してから伝送するので、
従来よりも高速で且つSN比の高い信号を得ることがで
きる。
【0026】X、Yステージ31、32上には被検査基
板9が搭載されており、検査実行時には、X、Yステー
ジ31、32を静止させて一次電子線19を二次元に走
査する方法と、検査実行時にX、Yステージ31、32
をY方向に連続して一定速度で移動されるようにして一
次電子線19をX方向に直線に走査する方法とのいずれ
かを選択できる。ある特定の比較的小さい領域を検査す
る場合には前者のステージを静止させて検査する方法、
比較的広い領域を検査するときは、ステージを連続的に
一定速度で移動して検査する方法が有効である。
【0027】なお、一次電子線19をブランキングする
必要があるときには、ブランキング偏向器13により一
次電子線19が偏向されて、電子線が絞り14を通過し
ないように制御できる。
【0028】位置モニタ測長器34として、実施例では
レーザ干渉による測長計が用いられている。これによ
り、Xステージ31およびYステージ32の位置が実時
間でモニタでき、制御部6に転送されるようになってい
る。また、Xステージ31、Yステージ32のモータの
回転数等のデータも同様に各々のドライバから制御部6
に転送されるように構成されており、制御部6はこれら
のデータにもとづいて一次電子線19が照射されている
領域や位置が正確に把握できるようになっており、必要
に応じて実時間で一次電子線19の照射位置の位置ずれ
を補正制御回路43より補正するようになっている。ま
た、被検査基板毎に、電子線を照射した領域を記憶でき
るようになっている。
【0029】被検査基板高さ測定器35は、電子ビーム
以外の測定方式である光学式測定器、例えばレーザ干渉
測定器や反射光の位置で変化を測定する反射光式測定器
が使用されており、X、Yステージ上31、32に搭載
された被検査基板9の高さを実時間で測定するように構
成されている。実施例では、スリットを通過した細長い
白色光を透明な窓越しに被検査基板9に照射し、反射光
の位置を位置検出モニタにて検出し、位置の変動から高
さの変化量を算出する方式を用いている。この被検査基
板高さ測定器35の測定データにもとづいて、一次電子
線19を細く絞るための対物レンズ16の焦点距離がダ
イナミックに補正され、常に被検査領域に焦点が合った
一次電子線19を照射できるようになっている。また、
被検査基板9の反りや高さ歪みを電子線照射前に予め測
定しており、そのデータをもとに対物レンズ16の検査
領域毎の補正条件を設定するように構成することも可能
である。
【0030】画像処理部5は第一画像記憶部46と第二
画像記憶部47、演算部48、欠陥判定部49、モニタ
50により構成されている。二次電子検出器20で検出
された被検査基板9の画像信号は、プリアンプ21で増
幅され、AD変換器22でデジタル化された後に光変換
手段23で光信号に変換され、光伝送手段24によって
伝送され、電気変換手段25にて再び電気信号に変換さ
れた後に第一画像記憶部46あるいは第二画像記憶部4
7に記憶される。演算部48は、この記憶された画像信
号をもう一方の記憶部の画像信号との位置合わせ、信号
レベルの規格化、ノイズ信号を除去するための各種画像
処理を施し、双方の画像信号を比較演算する。欠陥判定
部49は、演算部48にて比較演算された差画像信号の
絶対値を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値より
も差画像信号レベルが大きい場合にその画素を欠陥候補
と判定し、モニタ50にその位置や欠陥数等を表示す
る。
【0031】これまで回路パターン検査装置全体の構成
について説明してきたが、このうちの二次電子51の検
出手段について、その構成と作用をさらに詳細に説明す
る。一次電子線19は、固体に入射すると内部に進入し
ながらそれぞれの深さにおいて殻内電子を励起してエネ
ルギーを失っていく。また、それとともに一次電子線が
後方に散乱された反射電子が、やはり固体内で電子を励
起させながら表面へ向かって進む現象が生ずる。これら
複数の過程を経て、殻内電子は固体表面から表面障壁を
超えて二次電子となり、数V〜50eVのエネルギーを
持って真空中へ出る。一次電子線と固体表面のなす角度
が浅いほど、一次電子線の進入距離とその位置から固体
表面までの距離との比が小さくなり、二次電子が表面か
ら放出されやすくなる。したがって、二次電子の発生は
一次電子線と固体表面の角度に依存しており、二次電子
発生量は試料表面の凹凸や材料を示す情報となる。
【0032】一次電子線19は被検査基板9へ照射さ
れ、被検査基板9表面にて二次電子51を発生させる。
この二次電子51は、被検査基板9に印加された負の高
電圧により加速される。実施例では、被検査基板9に印
加する負の電圧を3.5keVに設定している。二次電子
51は、加速されるとともに対物レンズ16、ExB偏
向器18により収束、偏向され、反射板17に衝突す
る。
【0033】反射板17は、検出器への印加電圧等が一
次電子線に影響を及ぼずのを防止するためのシールドパ
イプと一体で30度のテーパーの円錐状をなしている。
材料はCuBeOで、平均で照射電子数の約5倍の二次電
子を放出させる構成として二次電子増倍効果を持たせて
いる。加速された二次電子51が衝突することにより、
反射板17からは数V〜50eVのエネルギーを持つ第
二の二次電子52が発生する。この第二の二次電子52
は、二次電子検出器20と二次電子検出器20に取り付
けた吸引電極53により生成される吸引電界により二次
電子検出器20前面へと吸引される。
【0034】実施例では、被検査基板9表面で発生した
二次電子51をExB偏向器18で二次電子検出器20
側へ約5度偏向させる構成としているので、ExB偏向
器18にかける電圧と磁界、電極間隔は、被検査基板9
に印加する負の高電圧が3.5keVの場合にはそれぞれ
35V、1.0×10−6T(テスラ)、10mmとしてい
る。この電磁界は、被検査基板9に印加する負の高電圧
に連動して可変設定することができる。
【0035】以上の構成および条件により、〜5度程度
の小角度偏向と、被検査基板9に印加する−3.5ke
V の電圧による加速、対物レンズによる収束により、
被検査基板9表面で発生した二次電子51がExB偏向
器18を通過する際に95%以上が通過できるように
し、反射板17にてこの95%の二次電子51が約5倍
の量に増倍されて第二の二次電子52が発生することが
できる。
【0036】二次電子検出器20としては、実施例では
PIN型半導体検出器を用いている。PIN型半導体検
出器は通常のPN型半導体検出器よりも応答性が速く、
逆バイアス電源により逆バイアス電圧を印加することに
よりサンプリング周波数が〜100MHzの高周波の二
次電子信号を検出することができる。二次電子検出器2
0および検出回路であるプリアンプ21、AD変換器2
2、光変換手段23は6keVにフローティングされ、
吸引電極53の吸引電圧は0Vに設定される。なお、二
次電子検出器20の有効な大きさは4mm 角である。
【0037】反射板17で生じた第二の二次電子52
は、吸引電界により二次電子検出器20へと吸引され、
高エネルギー状態で二次電子検出器20に入射して表面
層で一定のエネルギーを消失した後に電子正孔対を生成
し、電流となって電気信号に変換される。実施例で用い
た二次電子検出器20は、信号検出感度も非常に高く、
表面層でのエネルギー損失を考慮すると、吸引電界によ
り6keVに加速されて入射した第二の二次電子52は
約1000倍に増幅された電気信号になる。
【0038】二次電子検出器20の出力電気信号はプリ
アンプ21によりさらに増幅され、この増幅された信号
(アナログ信号)はAD変換器22によりデジタル信号
に変換される。ここではAD変換器22として12ビッ
ト、クロック周波数100MHzのものを用いている。
AD変換器22の出力は各ビット毎に光変換手段23、
光伝送手段24、電気変換手段25によりパラレルに伝
送される。この構成によれば、個々の伝送手段はAD変
換器22のクロック周波数と同じ伝送速度があれば良
い。
【0039】光変換手段23により光デジタル信号に変
換された信号は光伝送手段24により電気変換手段25
へ伝送され、ここで光デジタル信号から再び電気信号に
変換され、画像処理部5へ送られる。このように光信号
に変換してから伝送するのは、二次電子検出器20から
光変換手段23までの構成要素が高圧電源26により正
の高電位にフローティングされているからであり、本実
施例の構成により、高電位レベルの信号をアースレベル
の信号に変換できる。また、実施例では、光変換手段2
3として電気信号を光信号に変換する発光素子を、光伝
送手段24として光信号を伝送する光ファイバケーブル
を、電気変換手段25として光信号を電気信号に変換す
る受光素子を用いている。光ファイバケーブルは高絶縁
材料で形成されているため、高電位レベルの信号をアー
ス電位レベルの信号に容易に変換できる。さらに、デジ
タル信号を光伝送しているため、光伝送時における信号
の劣化が全くない。その結果、従来の技術であるアナロ
グ信号を光伝送する構成と比べてノイズの影響の少ない
画像を得ることができる。これらの構成により、二次電
子検出器20への第二の二次電子52の入射電流が10
0nAの場合に、サンプリング周波数100MHzとい
う高周波の二次電子信号をSN比50以上で検出するこ
とができるようになる。
【0040】なお、実施例では、二次電子検出器20に
は逆バイアス電源29により逆バイアス電圧が印加され
ているが、逆バイアス電圧を印加しない構成にしても良
い。また、本実施例では二次電子検出器20にPIN型
半導体検出器を用いているが、他のタイプの半導体検出
器、例えばショットキー型半導体検出器やアバランシェ
型半導体検出器等を用いても良い。また、応答性、感度
等の条件を満たせば、MCP(マイクロチャネルプレー
ト)を検出器として用いることも可能である。
【0041】次に、回路パターン検査装置により被検査
基板9として製造過程のパターン加工が施された半導体
ウエハを検査する場合の作用について説明する。まず、
図1には記載されていないが、被検査基板9の搬送手段
により半導体ウエハは試料交換室へロードされる。そこ
でこの被検査基板9は試料ホルダに搭載され、保持固定
された後に真空排気され、試料交換室がある程度の真空
度に達したら検査のための検査室2に移載される。検査
室2では、試料台30、X、Yステージ31、32の上
に試料ホルダごと載せられ、保持固定される。
【0042】セットされた被検査基板9は、予め登録さ
れた所定の検査条件にもとづきX、Yステージ31、3
2のXおよびY方向の移動により光学顕微鏡部4の下の
所定の第一の座標に配置され、モニタ50により被検査
基板9上に形成された回路パターンの光学顕微鏡画像が
観察され、位置回転補正用に予め記憶された同じ位置の
同等の回路パターン画像と比較され、第一の座標の位置
補正値が算出される。
【0043】次に第一の座標から一定距離離れ第一の座
標と同等の回路パターンが存在する第二の座標に移動
し、同様に光学顕微鏡画像が観察され、位置回転補正用
に記憶された回路パターン画像と比較され、第二の座標
の位置補正値および第一の座標に対する回転ずれ量が算
出される。この算出された回転ずれ量は電子線の走査偏
向量を補正する方法で補正できる。この光学顕微鏡画像
観察においては、光学顕微鏡画像のみならず電子線画像
でも観察可能な回路パターンが選定される。また、今後
の位置補正のために、第一の座標、光学顕微鏡画像観察
による第一の回路パターンの位置ずれ量、第二の座標、
光学顕微鏡画像観察による第二の回路パターンの位置ず
れ量が記憶され、制御部6に転送される。
【0044】さらに、光学顕微鏡による画像が用いられ
て、被検査基板9上に形成された回路パターンが観察さ
れ、被検査基板9上の回路パターンのチップの位置やチ
ップ間の距離、あるいはメモリセルのような繰り返しパ
ターンの繰り返しピッチ等が予め測定され、制御部6に
測定値が入力される。また、被検査基板9上における被
検査チップおよびチップ内の被検査領域が光学顕微鏡の
画像から設定され、上記と同様に制御部6に入力され
る。光学顕微鏡の画像は、比較的低い倍率によって観察
が可能であり、また、被検査基板9の表面が例えばシリ
コン酸化膜等により覆われている場合には下地まで透過
して観察可能であるので、チップの配列やチップ内の回
路パターンのレイアイトを簡便に観察することができ、
検査領域の設定を容易にできるためである。
【0045】以上のようにして光学顕微鏡部4による所
定の補正作業や検査領域設定等の準備作業が完了する
と、Xステージ31およびYステージ32の移動によ
り、被検査基板9が電子光学系3の下に移動される。被
検査基板9が電子光学系3の下に配置されると、光学顕
微鏡部4により実施された補正作業や検査領域の設定と
同様の作業を電子線画像により実施する。この際の電子
線画像の取得は、次の方法でなされる。
【0046】光学顕微鏡画像による位置合せにおいて記
憶され補正された座標値にもとづき、光学顕微鏡部4で
観察されたものと同じ回路パターンに、一次電子線19
が走査信号発生器44によりXY方向に二次元に走査さ
れて照射される。この電子線の二次元走査により、被観
察部位から発生する二次電子51が上記の二次電子検出
のための各部の構成および作用によって検出されること
により、電子線画像が取得される。既に光学顕微鏡画像
により簡便な検査位置確認や位置合せおよび位置調整が
実施され、且つ回転補正も予め実施されているため、光
学画像に比べ分解能が高く高倍率で高精度に位置合せや
位置補正、回転補正を実施することができる。
【0047】なお、一次電子線19を被検査試料9に照
射すると、その箇所が帯電する。検査の際にその帯電の
影響を避けるために、上記位置回転補正あるいは検査領
域設定等の検査前準備作業において一次電子線19を照
射する回路パターンは予め被検査領域外に存在する回路
パターンを選択するか、あるいは被検査チップ以外のチ
ップにおける同等の回路パターンを制御部6から自動的
に選択できるようにしておく。これにより、検査時に上
記検査前準備作業により一次電子線19を照射した影響
が検査画像に及ぶことはない。
【0048】次に、検査が実施される。検査時に被検査
基板9に照射する一次電子線19の条件は以下の方法に
て求める。まず、一般に電子線画像におけるSN比は、
試料に照射する電子線の単位画素あたりの照射電子数S
の平方根と相関がある。画像同士を比較検査する場合に
は、電子線画像のSN比は正常部と欠陥部の信号量を検
知できる値である必要があり、最低SN比は10以上、
好ましくは50以上が必要である。前述のように、電子
線画像のSN比は、試料に照射する電子線の単位画素あ
たりの照射電子数Sの平方根と相関があるため、SN比
10を得るためには単一画素あたり少なくとも100個
以上の電子が必要となり、SN比50を得るためには少
なくとも2500個以上の電子が照射されなくてはなら
ない。
【0049】また、回路パターン検査方法を適用するね
らいは、前述の通り光学式パターン検査方法では検出が
不可能な微小の欠陥を検知することであり、すなわち微
小な画素における画像間の差を認識する必要がある。こ
れを達成するために、本実施例では画素サイズは0.1
μm とされる。したがって、最低限必要とされる単一
画素あたりの電子数と上記画素サイズから、必要とされ
る単位面積あたりの電子線照射量は0.16μC/c
m、好ましくは4μC/cm となる。この電子照射量
を通常のSEMの電子線電流(数pAから数百pA程度)
により得ようとすると、例えば20pAの電子線電流に
よって1cm の領域に0.16μC/cmの電子を照射
するには8000秒を要し、さらに4μC/cm の電
子を照射するには20万秒を要する。しかしながら、回
路パターンの検査、例えば半導体ウエハの検査において
要求される検査速度は600s/cm 以下、好ましく
は300s/cm 以下であり、これよりも検査時間が
長くなると半導体製造においては検査の実用性がきわめ
て低くなる。したがって、これらの条件を満たし、実用
的な検査時間で必要な電子線を試料に照射するために
は、電子線電流を最低でも270pA(1.6μC/cm
、600s/cm )以上、好ましくは13nA(4
μC/cm、300s/cm)以上に設定する必要があ
る。そこで、実施例の回路パターンの検査方法では、1
3nA以上の大電流電子線を用いて一回の走査により電
子線画像を形成する。
【0050】通常のSEMに比べ約100倍以上の大電
流(270nA以上、好ましくは13nA以上)の電子
線を用いてただ一回の走査によって電子線画像を形成す
ることは、検査速度の点から必要とされるだけでなく、
以下に述べる理由により、下地膜あるいは表面パターン
が絶縁材料により形成された回路パターンを検査するの
に必要である。
【0051】絶縁材料を有する回路パターンの電子線画
像を通常のSEMにより取得すると、帯電の影響により
実際の形状とは異なる電子線画像が得られたり、視野倍
率によりコントラストがまったく異なることが多い。こ
れは、微弱な電子線電流(数pAから数百pA)を局所
的に繰り返し走査することにより、あるいは視野倍率を
変える際に焦点や非点補正のために画像形成に必要な電
子線量以上に電子線を局所的に走査することにより、電
子線照射量がある一ヶ所に集中して照射され、その部分
の帯電が不均等になるためである。その結果、絶縁材料
で形成されたパターンの電子線画像の品質は、視野によ
り全く異なってしまうので、このような画像は電子線画
像を比較する検査には適用できない。したがって、絶縁
材料を有する回路パターンについても導電性の材料の回
路パターンと同様に検査できるようにするために、通常
のSEMに比べ約100倍以上の大電流電子線を用いて
一回の走査により電子線画像が形成される。すなわち、
実施例では、単位面積あたり、および単位時間あたりの
試料への電子線照射量が一定であって、比較検査を行う
のに足る画質を形成するために必要な電子線量により、
しかも、半導体ウエハ等の検査方法の実用性に適した走
査速度により、電子線を一回走査することで電子線画像
が取得される。そして、上記のように通常のSEMに比
べ約100倍以上の大電流電子線を用いて一回の走査に
より絶縁材料を有する回路パターンの電子線画像を取得
したことにより、一視野内の電子線画像を構成する各種
回路パターンの構成材料や構造に依存して帯電量や画像
のコントラストがそれぞれ異なることおよび同種の材料
の同等のパターン同士では同様な画像コントラストが得
られることが確認されている。なお、大電流電子線によ
る走査は実施例では一回のみとしているが、実質的に前
述の作用が実現される範囲内で数回の場合もあり得る。
【0052】実施例では図2に示すように上記回路パタ
ーン検査装置に欠陥画像取得用として欠陥観察用SEM
に用いられている低速偏向(低速走査)可能な欠陥画像
取得用一次電子線偏向制御回路56、シンチレータ33
及び、シンチレータ用プリアンプ58、高圧電源59を
追加している。欠陥画像取得時の欠陥画像はフレーム画
像メモリ55に記憶され、制御部6によりフレーム画像
メモリ55の欠陥画像は欠陥自動分類装置57に転送さ
れ、欠陥自動分類装置60からは自動欠陥分類された結
果が制御部6に送られる。
【0053】シンチレータ33はAl蒸着された蛍光体
とライトガイドと光電子増倍管により構成されており、
捕らえられた二次電子は蛍光体で光に変換され、ライト
ガイドを通って光電子増倍管で増幅され、電気信号にな
る。シンチレータ33は半導体検出と比較して周波数特
性は悪いが感度が良いという利点をもつ。
【0054】43は図1に示されている偏向制御回路
で、ここでは検査用一次電子線偏向制御回路と呼ぶ。検
査用一次電子線高速偏向制御回路43と欠陥画像取得用
一次電子線偏向制御回路56はスイッチ54により切り
替えられる。スイッチ54を検査用一次電子線高速偏向
制御回路43に接続することによりステージ移動に追従
した高速偏向が可能となり、スイッチ54を画像取得用
一次電子線偏向制御56に接続することにより低速偏向
(低速走査)が可能となる。シンチレータ33は、半導
体検出器20の反対側に追加しておりスイッチ54によ
り切替える。スイッチ54を半導体検出器20に接続す
ると高速に信号検出可能となり、スイッチ54をシンチ
レータ33に接続することにより信号はフレーム画像メ
モリ55に送られ、フレーム画像を積算して、さらに良
好な画像が取得可能となる。スイッチ54の切替えに伴
い、E×B偏向器による二次電子の偏向を反転する必要
がある。
【0055】以上の回路パターン検査装置の構成によ
り、回路パターン検査時はスイッチ54で検査用一次電
子線高速偏向制御43、および半導体検出器20に接続
することによりステージ移動しながら一次電子線の高速
偏向を実施して信号を検出することが可能となる。パタ
ーン検査終了後の欠陥画像検出時にはスイッチ54をス
ロースキャン可能な一次電子線偏向制御56、及びシン
チレータ33に接続することにより分解能が高くS/N
が良い欠陥画像を得ることができる。
【0056】図3は従来の回路パターン検査および欠陥
画像検出のための処理の流れを示す。図3を参照しなが
ら、本発明の説明に先立ってまずその処理の流れを説明
するに、検査対象とするウェハをカセットセット(ステ
ップ301)してカセット棚番、品種ファイル、工程フ
ァイル、ウェハ情報の検査条件入力後(ステップ30
2)、ウェハローディング(ステップ303)を開始す
る。電子線照射、偏向補正、基準座標補正、焦点パラメ
ータ補正の電子線絶対校正処理(ステップ304)を実
施後、ウェハアライメントマーク位置へステージ移動し
てウェハアライメント処理(ステップ305)を実施す
る。次に、ゲイン調整して画像の明るさを決定する信号
レベルキャリブレーション(ステップ306)を実施し
て、回路パターン検査(ステップ307)を開始する。
【0057】検査後、得られた欠陥位置にウェハ移動し
て欠陥画像を取得しながら欠陥種別を分類してカテゴリ
番号を決定する欠陥確認処理(ステップ308)を実施
する。欠陥分類が終了後、検査結果を指定された出力先
に出力(ステップ309)してウェハアンロード(ステ
ップ310)で検査を終了する。
【0058】従来例においては、回路パターン検査時お
よび欠陥画像取得時ともに一次電子線は高速偏向(高速
走査)され、また自動欠陥分類は行われ得ない。
【0059】図4は本発明にもとづく、回路パターン検
査後の欠陥画像取得時の処理の流れを示す。すなわち、
これは、回路パターン検査終了後に一次電子線を低速偏
向状態に切り替えて得られた欠陥画像を使用してその欠
陥の特徴量を抽出し欠陥の分類を自動的に行う処理の流
れを示す。これは図3の欠陥確認ステップ308で実行
することができる。すなわち、まず、回路パターン検査
で得られた欠陥位置データより欠陥位置へステージ移動
する(ステップ501)。欠陥画像を取得して(ステッ
プ502)、欠陥自動分類装置57へ転送する(ステッ
プ503)。自動分類装置で得られた欠陥分類のカテゴ
リ番号を受信して(ステップ504)、欠陥検査データ
に格納する(ステップ505)。以上の動作を指定され
た欠陥データ数だけ繰り返すことにより自動分類処理が
実現される。もちろん、以上の欠陥画像取得時は一次電
子線は低速偏向状態にされる。
【0060】以上の実施例によれば、欠陥画像取得時に
高分解能でかつ高S/Nの欠陥画像を得るとともに欠陥
種別の分類を高効率で行うことができる。
【0061】以上の実施例では、欠陥自動分類を回路パ
ターン検査後に行っているが、別の実施例では回路パタ
ーン検査処理と並行して欠陥自動分類を行うこともでき
る。この実施例は、一次電子線を高速偏向にしたままの
状態で回路パターン検査と自動欠陥分類とを並行して行
うもので、したがってこの場合は図2に示す実施例は用
いられない。この実施例を図1および図5を参照して説
明するに、まず、検査対象位置に向かってステージ移動
を開始する(ステップ601)。検査対象位置で一次電
子線の照射を開始して位置の異なる第1(ステップ60
2)、第2画像を第1、第2画像記憶部46、47に取
得し記憶する(ステップ603)。演算部48により第
1、第2画像の差画像より欠陥位置を抽出する(ステッ
プ604)。欠陥位置の第1及び、第2画像より欠陥の
特徴量を欠陥判定部49により抽出し、欠陥自動分類装
置60により欠陥を自動分類する(ステップ605)。
この欠陥分類処理を実施しながら連続してステージ移動
して検査実施することにより検査終了時には、欠陥位置
と共に自動分類されたカテゴリ番号が同時に制御部6に
格納される(ステップ606)。検査および自動分類が
終了すると、ステージ移動が停止する(ステップ60
7)。
【0062】この実施例を使用すると、検査後の欠陥確
認処理において人手による分類作業が軽減され、また、
回路パターン検査と並列して欠陥自動分類処理が実行さ
れるから、半導体装置製造の高スループット化を図るこ
とが可能となる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、欠陥画像取得時に高分
解能でかつ高S/Nの欠陥画像を得るのに適した回路パ
ターン検査装置が提供される。
【0064】本発明によればまた、欠陥画像取得時に高
分解能でかつ高S/Nの欠陥画像を得るとともに欠陥種
別の分類を高効率で行うのに適した回路パターン検査装
置が提供される。
【0065】本発明によればさらに、欠陥検査を高効率
で行い、それによって半導体装置製造の高スループット
化を図るのに適した回路パターン検査装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路パターン検査装置の一実施例
を示す構成図。
【図2】本発明にもとづく回路パターン検査装置の一実
施例の主要部の構成例を示す図。
【図3】従来の回路パターン検査および欠陥画像取得の
ための処理の流れを示す図。
【図4】本発明にもとづく回路パターン検査と欠陥自動
分類のための一例としての処理の流れを示す図。
【図5】本発明にもとづく回路パターン検査と欠陥自動
分類のための別の例としての処理の流れを示す図。
【符号の説明】
2…検査室、3…電子光学系、4…光学顕微鏡部、5…
画像処理部、6…制御部、7…二次電子検出部、8…試
料室、9…被検査基板、10…電子銃、11…引き出し
電極、12…コンデンサレンズ、13…ブランキング偏
向器、14…絞り、15…走査偏向器、16…対物レン
ズ、17…反射板、18…ExB偏向器、19…一次電
子線、20…二次電子検出器、21…プリアンプ、22
…AD変換機、23…光変換手段、24…光伝送手段、
25…電気変換手段、26…高圧電源、27…プリアン
プ駆動電源、28…AD変換器駆動電源、29…逆バイ
アス電源、30…試料台、31…Xステージ、32…Y
ステージ、33…シンチレータ、34…位置モニタ測長
器、35…被検査基板高さ測定器、36…リターディン
グ電源、40…白色光源、41…光学レンズ、42…C
CDカメラ、43…補正制御回路、44…走査信号発生
器、45…対物レンズ電源、46…第一画像記憶部、4
7…第二画像記憶部、48…演算部、49…欠陥判定
部、50…モニタ、53…吸引電極、54…切替えスイ
ッチ、55…フレームメモリ、56…欠陥画像取得用一
次電子偏向制御、57…欠陥自動分類装置、58…プリ
アンプ、59…高圧電源、60…自動欠陥分類装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F067 AA54 BB01 BB04 CC17 EE03 EE04 EE10 HH06 JJ05 KK04 LL14 QQ02 RR24 RR30 2G001 AA03 AA07 BA07 CA03 DA01 DA06 DA09 FA01 FA06 GA03 GA04 GA05 GA06 GA09 GA10 GA11 HA09 JA02 JA03 JA07 JA16 KA03 LA11 MA05 PA02 PA03 PA07 PA11 SA10 4M106 AA01 BA02 CA39 DB04 DB30 DJ04 DJ17 DJ18 DJ20 DJ21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回路パターンが形成された基板に荷電粒子
    線を照射する照射手段と、その照射によって前記基板か
    ら発生する信号を検出する検出手段と、前記荷電粒子線
    を偏向制御する第1の偏向制御手段と、前記検出された
    信号を画像化して記憶する記憶手段と、その記憶された
    画像を他の同一の回路パターンから形成された画像と比
    較する比較手段と、その比較結果から前記回路パターン
    に存在する欠陥を判別する判別手段とを備えた回路パタ
    ーンの検査装置において、前記欠陥を検出する欠陥検出
    手段と、その欠陥検出のために前記第1の偏向制御手段
    とは異なる速度で前記荷電粒子線を偏向制御する第2の
    偏向制御手段と、前記検出された欠陥の画像を生成する
    欠陥画像生成手段とを含むことを特徴とする回路パター
    ン検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記欠陥画像にもとづ
    いて前記欠陥の欠陥種別を自動分類する手段を含むこと
    を特徴とする回路パターン検査装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記基板から発
    生する信号は二次電子信号であり、前記欠陥検出手段は
    前記二次電子信号を検出するシンチレータを含むことを
    特徴とする回路パターン検査装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、前記第2の偏向
    制御手段は前記第1の偏向制御手段よりも偏向速度が遅
    いことを特徴とする回路パターン検査装置。
  5. 【請求項5】回路パターンが形成された基板に荷電粒子
    線を照射する照射手段と、その照射によって前記基板か
    ら発生する信号を検出する検出手段と、前記荷電粒子線
    を偏向制御する偏向制御手段と、前記検出された信号を
    画像化して記憶する記憶手段と、その記憶された画像を
    他の同一の回路パターンから形成された画像と比較する
    比較手段と、その比較結果から前記回路パターンに存在
    する欠陥を判別する判別手段と、前記を備えた回路パタ
    ーンの検査装置において、前記回路パターンに存在する
    欠陥判別と前記欠陥の種別の自動判別とを並行して実行
    することを特徴とする回路パターン検査装置。
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