JP2001202869A - 薄膜冷陰極 - Google Patents
薄膜冷陰極Info
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- JP2001202869A JP2001202869A JP2000009618A JP2000009618A JP2001202869A JP 2001202869 A JP2001202869 A JP 2001202869A JP 2000009618 A JP2000009618 A JP 2000009618A JP 2000009618 A JP2000009618 A JP 2000009618A JP 2001202869 A JP2001202869 A JP 2001202869A
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- Japan
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- thin film
- cold cathode
- hydrofluoric acid
- nitride semiconductor
- boron nitride
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- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 大気中でも安定な窒化物半導体薄膜を使用し
た薄膜冷陰極を提供する。 【解決手段】 基板上に成膜された窒化物半導体薄膜か
ら電子を真空中に放射する薄膜冷陰極であって、前記窒
化物半導体薄膜を成膜後に、弗化水素酸系溶液で処理さ
れたことを特徴とする薄膜冷陰極。
た薄膜冷陰極を提供する。 【解決手段】 基板上に成膜された窒化物半導体薄膜か
ら電子を真空中に放射する薄膜冷陰極であって、前記窒
化物半導体薄膜を成膜後に、弗化水素酸系溶液で処理さ
れたことを特徴とする薄膜冷陰極。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置、電子顕
微鏡や電子線露光装置など電子線を用いる装置に使用す
る薄膜冷陰極、特に電子放射材料が窒化物半導体である
ことを特徴とする薄膜冷陰極に関するものである。
微鏡や電子線露光装置など電子線を用いる装置に使用す
る薄膜冷陰極、特に電子放射材料が窒化物半導体である
ことを特徴とする薄膜冷陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ダイヤモンドなどバンドギャップ
の大きい半導体を電子放出材料として利用するという動
きが活発に展開されている。これはその電子親和力が負
になるという特長を活かすことによって、電界放射特性
の大幅な改善(電流放射低電界化や大放射電流化)が期待
できるためである。この負の電子親和力を有するワイド
バンドギャップ半導体として窒化物半導体、例えば窒化
硼素や炭素を添加した窒化硼素などがあり、これらも低
電界放射を実現する材料であり注目されている。
の大きい半導体を電子放出材料として利用するという動
きが活発に展開されている。これはその電子親和力が負
になるという特長を活かすことによって、電界放射特性
の大幅な改善(電流放射低電界化や大放射電流化)が期待
できるためである。この負の電子親和力を有するワイド
バンドギャップ半導体として窒化物半導体、例えば窒化
硼素や炭素を添加した窒化硼素などがあり、これらも低
電界放射を実現する材料であり注目されている。
【0003】例えば、Japanese Jouna1 of App1ied Phy
sics,36,L463-L466 (1997) に記載の窒化物半導体は
マイクロ波プラズマ化学的気相成長法によって成膜され
た硫黄ドープの窒化硼素である。この窒化硼素はダイヤ
モンド薄膜と比して電流放射の低電界化が得られるため
冷陰極材料として注目されている。
sics,36,L463-L466 (1997) に記載の窒化物半導体は
マイクロ波プラズマ化学的気相成長法によって成膜され
た硫黄ドープの窒化硼素である。この窒化硼素はダイヤ
モンド薄膜と比して電流放射の低電界化が得られるため
冷陰極材料として注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上述し
たように冷陰極材料として注目を集めている窒化硼素系
薄膜は、大気中で膜剥がれなど表面が劣化し、極めて不
安定であるという問題点がある。また、劣化を防ぐため
に窒素雰囲気中で保管する必要があり、取り扱いが簡便
ではないという問題点もある。
たように冷陰極材料として注目を集めている窒化硼素系
薄膜は、大気中で膜剥がれなど表面が劣化し、極めて不
安定であるという問題点がある。また、劣化を防ぐため
に窒素雰囲気中で保管する必要があり、取り扱いが簡便
ではないという問題点もある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、大気中でも安定な窒化物半導体薄膜を使用した
薄膜冷陰極を提供することを課題とする。
もので、大気中でも安定な窒化物半導体薄膜を使用した
薄膜冷陰極を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、基板上に成膜された窒化物半導体薄膜
から電子を真空中に放射する薄膜冷陰極であって、前記
窒化物半導体薄膜を成膜後に、弗化水素酸系溶液で処理
されたことを特徴とする薄膜冷陰極(請求項1)であ
る。
の第1の手段は、基板上に成膜された窒化物半導体薄膜
から電子を真空中に放射する薄膜冷陰極であって、前記
窒化物半導体薄膜を成膜後に、弗化水素酸系溶液で処理
されたことを特徴とする薄膜冷陰極(請求項1)であ
る。
【0007】本手段によれば、後に実施例において説明
するように、窒化物半導体薄膜の表面が安定化され、大
気中で長時間使用しても劣化することがない。なお、弗
化水素酸系溶液とは、弗化水素酸を含む溶液のことであ
る。
するように、窒化物半導体薄膜の表面が安定化され、大
気中で長時間使用しても劣化することがない。なお、弗
化水素酸系溶液とは、弗化水素酸を含む溶液のことであ
る。
【0008】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記窒化物半導体薄膜が窒化
硼素又は炭素添加窒化硼素であることを特徴とするもの
(請求項2)である。
前記第1の手段であって、前記窒化物半導体薄膜が窒化
硼素又は炭素添加窒化硼素であることを特徴とするもの
(請求項2)である。
【0009】窒化硼素又は炭素添加窒化硼素は、窒化物
半導体薄膜として用いるのに好適な材料であるが、これ
らの材料は、弗化水素酸系溶液で処理することにより、
安定化される度合いが特に著しい。
半導体薄膜として用いるのに好適な材料であるが、これ
らの材料は、弗化水素酸系溶液で処理することにより、
安定化される度合いが特に著しい。
【0010】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、前記弗化水素
酸系溶液が緩衝弗酸溶液であることを特徴とするもの
(請求項3)である。
前記第1の手段又は第2の手段であって、前記弗化水素
酸系溶液が緩衝弗酸溶液であることを特徴とするもの
(請求項3)である。
【0011】緩衝弗酸溶液は、半導体製造プロセスにお
いてSiO2のウェットエッチングに使用され、入手しや
すいものであるが、本発明者らの実験によると、窒化物
半導体薄膜の表面の安定化にも特に有効であることが分
かった。
いてSiO2のウェットエッチングに使用され、入手しや
すいものであるが、本発明者らの実験によると、窒化物
半導体薄膜の表面の安定化にも特に有効であることが分
かった。
【0012】
【実施例】(実施例1)Si基板の上に窒化硼素の薄膜
を、マイクロ波プラズマアシスト化学的気相成長法を用
い、材料ガスとしてBCl3、N2を導入することで、約15
0nmの厚さに成膜した。その後、この基板を、緩衝弗酸
溶液中に5分間浸漬した。緩衝弗酸溶液は、50%弗酸と
弗化アンモニウムを1:6の割合で混合したものを使用
した。処理後の基板を5日間に亘って大気中に曝した
が、顕微鏡で表面を観察しても、特に変化は見られなか
った。
を、マイクロ波プラズマアシスト化学的気相成長法を用
い、材料ガスとしてBCl3、N2を導入することで、約15
0nmの厚さに成膜した。その後、この基板を、緩衝弗酸
溶液中に5分間浸漬した。緩衝弗酸溶液は、50%弗酸と
弗化アンモニウムを1:6の割合で混合したものを使用
した。処理後の基板を5日間に亘って大気中に曝した
が、顕微鏡で表面を観察しても、特に変化は見られなか
った。
【0013】(実施例2)Si基板の上に炭素添加窒化硼
素の薄膜を、マイクロ波プラズマアシスト化学的気相成
長法を用い、材料ガスとしてBCl3、CH4、N2を導入
することで、約150nmの厚さに成膜した。その後、この
基板を、緩衝弗酸溶液中に5分間浸漬した。緩衝弗酸溶
液は、50%弗酸と弗化アンモニウムを1:6の割合で混
合したものを使用した。処理後の基板を10日間に亘っ
て大気中に曝したが、顕微鏡で表面を観察しても、特に
変化は見られなかった。
素の薄膜を、マイクロ波プラズマアシスト化学的気相成
長法を用い、材料ガスとしてBCl3、CH4、N2を導入
することで、約150nmの厚さに成膜した。その後、この
基板を、緩衝弗酸溶液中に5分間浸漬した。緩衝弗酸溶
液は、50%弗酸と弗化アンモニウムを1:6の割合で混
合したものを使用した。処理後の基板を10日間に亘っ
て大気中に曝したが、顕微鏡で表面を観察しても、特に
変化は見られなかった。
【0014】(比較例1)実施例1と同じ方法で、Si基
板の上に窒化硼素の薄膜を成膜した。この基板を大気中
に曝したところ1日以内に膜剥がれが発生し、冷陰極と
して使用できる状態では無くなった。
板の上に窒化硼素の薄膜を成膜した。この基板を大気中
に曝したところ1日以内に膜剥がれが発生し、冷陰極と
して使用できる状態では無くなった。
【0015】(比較例2)実施例1と同じ方法で、Si基
板の上に炭素添加窒化硼素の薄膜を成膜した。この基板
を大気中に曝したところ1日以内に膜剥がれが発生し、
冷陰極として使用できる状態では無くなった。
板の上に炭素添加窒化硼素の薄膜を成膜した。この基板
を大気中に曝したところ1日以内に膜剥がれが発生し、
冷陰極として使用できる状態では無くなった。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
窒化硼素および炭素添加窒化硼素薄膜を緩衝弗酸処理す
ることで表面を安定化することができる。よって、これ
らを使用した冷陰極は大気中でも安定であるので、取扱
が容易である。
窒化硼素および炭素添加窒化硼素薄膜を緩衝弗酸処理す
ることで表面を安定化することができる。よって、これ
らを使用した冷陰極は大気中でも安定であるので、取扱
が容易である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に成膜された窒化物半導体薄膜か
ら電子を真空中に放射する薄膜冷陰極であって、前記窒
化物半導体薄膜を成膜後に、弗化水素酸系溶液で処理さ
れたことを特徴とする薄膜冷陰極。 - 【請求項2】 前記窒化物半導体薄膜が窒化硼素又は炭
素添加窒化硼素であることを特徴とする請求項1に記載
の薄膜冷陰極。 - 【請求項3】 前記弗化水素酸系溶液が緩衝弗酸溶液で
あることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄
膜冷陰極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000009618A JP2001202869A (ja) | 2000-01-19 | 2000-01-19 | 薄膜冷陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000009618A JP2001202869A (ja) | 2000-01-19 | 2000-01-19 | 薄膜冷陰極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001202869A true JP2001202869A (ja) | 2001-07-27 |
Family
ID=18537747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000009618A Pending JP2001202869A (ja) | 2000-01-19 | 2000-01-19 | 薄膜冷陰極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001202869A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003060942A1 (fr) * | 2000-06-30 | 2003-07-24 | Kabushiki Kaisha Watanabe Shoko | Dispositif d'emission electronique |
-
2000
- 2000-01-19 JP JP2000009618A patent/JP2001202869A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003060942A1 (fr) * | 2000-06-30 | 2003-07-24 | Kabushiki Kaisha Watanabe Shoko | Dispositif d'emission electronique |
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