JP2001201891A - 静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法Info
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Abstract
性)を兼ね備えた静電荷像現像用トナーの製造法におい
て、樹脂微粒子被覆反応の時間が短く、エネルギーロス
が少なく、凝集粗粒が少なく、さらにトナー収率の高
い、新規な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
るトナー芯材上に被覆樹脂を設けてなる静電荷像現像用
トナーの製造方法であって、少なくとも2種のガラス転
移温度の異なる樹脂微粒子と、トナー芯材を混合し、温
度を上昇させながらトナー芯材上に該樹脂粒子を固着又
は融着させて被覆樹脂を設けることをと特徴とする静電
荷像現像用トナーの製造方法。
Description
写機及びプリンターに用いられる静電荷像現像用トナー
に関する。
ネルギーコストを低減化するため、これらに使用される
静電荷像現像用トナーとしては、より低温で定着できる
ものが望まれている。このような要求に対して、トナー
結着樹脂のガラス転移温度(以下、Tgと称することが
ある)或いは溶融温度を下げる試みがなされてきたが、
トナー結着樹脂のTg或いは溶融温度を下げるとトナー
の保存安定性(耐ブロッキング性)が悪くなり、とくに
夏場には50℃にも及ぶ過酷な条件下に曝されることも
しばしばあるため、場合によってはトナーの形状を保て
ず、ブロック状の着色樹脂になってしまうこともある。
荷像現像用トナーは、概して保存安定性(耐ブロッキン
グ性)に問題があり、この低温定着性と保存安定性(耐
ブロッキング性)には裏腹な関係が成り立ち、トナー結
着樹脂の物性によってこの目的を達成しようとする場
合、低温定着性を付与すると保存安定性(耐ブロッキン
グ性)が悪くなり、保存安定性(耐ブロッキング性)を
付与すると低温定着性が悪化するという結果になって、
これを回避するために多量の合成エステルワックスをト
ナー中に含有させる方法(特開平6−162699号)
や懸濁重合を利用して低Tgのコアに高Tgのシェルを
形成させる方法(再公表特許WO97/01131)等
が提案されているが必ずしも満足できる性能は得られて
いない。
鋭意検討を重ね、低Tgの芯トナーの表面に、Tgの異
なる2種の樹脂微粒子を、2段階で被覆させる方法を提
案した。(特願平11−362390号、及び特願平1
1−356833号)この方法によれば、低温定着性と
保存安定性(耐ブロッキング性)の良好なトナーが得ら
れるが、エネルギーロスの低減及び反応時間の短縮をが
求められていた。
れていた低温定着性と保存安定性(耐ブロッキング性)
を兼ね備えた静電荷像現像用トナーの製造法の欠点を克
服し、樹脂微粒子被覆反応の時間が短く、エネルギーロ
スが少なく、凝集粗粒が少なく、さらにトナー収率の高
い、新規な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する
ことを目的とする。
について鋭意検討した結果、少なくとも結着樹脂及び着
色剤を含有するトナー芯材上に被覆樹脂を設けてなる静
電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも2
種のガラス転移温度の異なる樹脂微粒子と、トナー芯材
を混合し、温度を上昇させながらトナー芯材上に該樹脂
粒子を固着又は融着させて被覆樹脂を設けることをと特
徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法により前記目
的を達成することを見出した。
本発明の製造方法によれば、低温定着性と保存安定性を
両立することが出来るので、低温定着を目的としたトナ
ーの製造に有利に利用できるが、一般的定着温度を目的
としたトナー、或いは高温定着を目的としたトナーのい
ずれにも使用することができる。本発明に使用されるト
ナー芯材は、少なくとも着色剤及び結着樹脂から成り立
っている。更に、必要に応じ荷電制御剤、ワックス等を
含むことができる。トナー芯材としてはこれらを混練し
て粉砕したもの或いは凍結粉砕したものや、結着樹脂成
分モノマーと着色剤、荷電制御剤、ワックスなどの混合
物を懸濁重合したもの、或いは、結着樹脂成分モノマー
を乳化重合したラテックスと着色剤、荷電制御剤、ワッ
クスなどの混合物を凝集成長させ、任意粒子径に成形し
たもの、更に、結着樹脂成分モノマーとワックスエマル
ションを混合乳化させて重合した、ワックス内包化ラテ
ックスと着色剤、荷電制御剤などの混合物を凝集成長さ
せ、任意粒子径に成形したもの等が使用できる。トナー
芯材の平均粒径は、通常4〜20μmであり、4〜16
μmが好ましく、4〜10μmが更に好ましい。
トナー用及びフルカラートナー用に通常用いる着色剤が
使用でき、無機顔料又は有機顔料、有機染料のいずれで
も良く、またはこれらの組み合わせでもよい。これらの
具体的な例としては、カーボンブラック、ニグロシン染
料、アニリンブルー、クロムイエロー、フタロシアニン
ブルー、オイルレッド、フタロシアニングリーン、ハン
ザイエロー、ローダミン系染顔料、キナクリドン、ベン
ジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系
染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料等が
挙げられ、これら公知の任意の染顔料を単独あるいは混
合して用いることができる。
ーはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔
料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シア
ンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好まし
い。着色剤の使用量は、通常、結着樹脂100重量部に
対して1〜20重量部となるように用いられる。トナー
芯材に用いられる結着樹脂としては、通常トナーに用い
られる結着樹脂が使用でき、例えば、ポリスチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等が使用でき
る。
芯材中の結着樹脂のTgが30〜55℃であるのが好ま
く使用できる。Tgが30℃よりも低いと芯トナーの製
造がし難く、また保存安定性とのバランスが取り難い傾
向となり、また、Tgが55℃よりも高いと低温定着性
が損なわれる傾向となるため、低温定着性を目的とした
場合は好ましくない。
単独ないしは併用して用いることができる。カラートナ
ー適応性(帯電制御剤自体が無色ないしは淡色でトナー
への色調障害がないこと)を勘案すると、正荷電性とし
ては4級アンモニウム塩化合物が、負荷電性としてはサ
リチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、
アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸
の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合
物、ナフトール化合物等が好ましい。その使用量はトナ
ーに所望の帯電量により決定すればよいが、通常は結着
樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部用い、更
に好ましくは0.1〜10重量部用いる。
のものを使用することができ、パラフィン系・オレフィ
ン系・天然及び合成の脂肪酸エステル系・脂肪酸アミド
系・長鎖アルキルケトン樹脂系及びアルキル変成シリコ
ン樹脂系のうちの1種又は混合物などであるが、具体的
には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
共重合ポリエチレン、等のオレフィン系ワックス、天然
及び合成の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、
長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシ
リコン、高級脂肪酸又は高級脂肪酸アミド、等が例示さ
れ、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜2
0重量部、好ましくは0〜10重量部を用いるのがよ
い。
て、少なくとも2種のガラス転移温度の異なる樹脂微粒
子が用いられる。本発明において樹脂微粒子とは、被覆
しようとするトナー芯材よりも粒径が小さく、樹脂成分
を主体としてなる粒子を意味するが、固着あるいは融着
を効果的に行うために、好ましい粒径として、0.04
〜1μmのものが用いられる。以下、ガラス転移温度の
異なる樹脂微粒子を2種用いる場合について説明する
が、ガラス転移温度の異なる樹脂微粒子を3種以上用い
てもよい。ガラス転移温度の低い方の樹脂微粒子を樹脂
微粒子A、高い方の樹脂微粒子を樹脂微粒子Bとし、そ
れぞれのガラス転移温度をTgA、TgBとする。
のTg(TgA、及びTgB)は、45〜110℃のもの
が好ましい。Tgが45℃より低いとトナーの保存安定
性が不安定になる傾向にあり、Tgが110℃より高い
ものは、低温定着性を目的としている場合には低温定着
性が発現しにくくなる傾向にある。また、TgAは45
〜75℃、TgBは65〜110℃であることが好まし
く、更に、TgAとTgBとは20℃以上の差があるこ
と、即ち、[TgA<TgB−20]の関係を満たすことが
好ましい。このようにすることによって、保存安定性と
低温定着性の両立が更に良好となる。
えば、ジアリルフタレート樹脂(PDAP)又はジアリ
ルイソフタレート樹脂(PDAIP)及びジアリルフタ
レートとジアリルイソフタレートの共重合樹脂(COP
DAP)の1種又は混合物、及びこれらとアクリル酸エ
ステルの共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸
ビニル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、スチ
レン−アクリル酸エステル−アクリル酸三元共重合体樹
脂、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元
共重合体樹脂、メタクリル酸エステル−アクリル酸エス
テル−アクリル酸三元共重合体樹脂、メタクリル酸エス
テル−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体
樹脂等が使用できるが、これらの中でも、スチレンとア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合
樹脂、又は、スチレンとアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルとアクリル酸又はメタクリル酸との三元
共重合樹脂が好ましく使用できる。
は、芯トナーに含有されているものと同様のワックスを
含有させることができ、例えば、パラフィン系・オレフ
ィン系・天然及び合成の脂肪酸エステル系・脂肪酸アミ
ド系・長鎖アルキルケトン樹脂系及びアルキル変成シリ
コン樹脂系のうちの1種又は混合物などであるが、具体
的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、共重合ポリエチレン、等のオレフィン系ワックス、
天然及び合成の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワック
ス、長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有す
るシリコン、高級脂肪酸又は高級脂肪酸アミド、等が例
示され、その使用量はベース樹脂100重量部に対して
50重量部以下、好ましくは30重量部以下とするのが
よい。ワックスの量が50重量%より多いとトナー強度
が低下したり、保存安定性が不安定になったりする上
に、ワックス内包化樹脂微粒子の製造がし難くなるため
好ましくない。
径と樹脂微粒子の粒子径のバランスにもよるが、芯トナ
ーの重量に対して1〜50重量%程度が良く、2〜30
重量%が好適であり、5〜25重量%が特に好適であ
る。2種以上の樹脂微粒子を使用する場合のそれぞれの
樹脂の混合割合は、低温定着性と保存安定性(耐ブロッ
キング性)のバランス見合いで、期待する効果によって
任意に調節すれば良く、例えば2種の樹脂微粒子を使用
する場合のそれぞれの樹脂の混合割合は、低Tg樹脂微
粒子(樹脂微粒子A)/高Tg樹脂微粒子(樹脂微粒子
B)=3〜7/7〜3(重量比)程度が良い。
方法としては、芯トナーの分散液にTgの異なる2種以
上の樹脂微粒子混合分散液を添加し、極性が異なる場合
には静電的付着で、同極性の場合には粒子間吸引力を利
用して、必要に応じてPH調整或いは電導度調整をして
付着させて被覆し、これを加熱処理によって固着又は融
着させる。その際、必要ならば再度PH調整或いは電導
度調整をして、トナー粒子の凝集体の生成を防止する処
方を取っても良い。加熱処理の際の温度条件は、温度を
段階的に上昇させても良いし、連続的に上昇させても良
い。
が、上記した優れた効果を発揮する理由は必ずしも明ら
かではないが、以下のように推測している。本発明の特
徴は、まず被覆材料として、Tgの異なる2種以上の樹
脂微粒子混合物を用いることである。そして、温度を上
昇させながら樹脂微粒子の混合物をトナー芯材に固着又
は融着させる。ここで、固着又は融着させる場合に、加
熱処理を温度を上昇させながら行う、即ち低温から高温
へ温度を上昇させることにより、低温域ではまず低Tg
の樹脂微粒子Aがトナー芯材に被覆され、高温になるに
従って、高Tgの樹脂微粒子Bが被覆されるので、トナ
ー芯材に被覆された被覆材料は、中心方向から外側方向
へ向かってTgが低から高へと勾配を持つものと考えら
れる。
ので、保存安定性が良好となり、トナーの中心部分が低
Tgとなることによって、低温定着性が良好となるもの
と考えられる。また、単に低Tgのトナー芯材と高Tg
の樹脂被覆材で構成されたトナーに比べ、トナー芯材の
ベース樹脂のTg(TgP)をTgAよりも低く設定し、
更に、TgAとTgBとは20℃以上の差がある場合、即
ち、[TgP<TgA<TgB−20]の関係を満たす場合
には、トナーの芯部から表面に向かって全体的にTgの
勾配が出来ると考えられ、それによって、保存安定性と
低温定着性の両立が高いレベルで達成できるものと考え
られる。
させる場合に、加熱処理を温度を上昇させながら行う
が、温度条件としては、反応の開始温度が10〜50
℃、終了温度が40〜100℃が好ましい。より具体的
には、TgPとTgAの低い方をTgL、高い方をTgHと
すると、反応の開始温度は、TgL−20〜TgL+10
(℃)であり且つTgH以下の範囲が好ましく、終了温
度は、TgH−20〜TgH+10(℃)であり且つTg
B以下の範囲が好ましい。そして、本発明の製造方法で
得られたトナーは、Tgの勾配が出来ていると考えられ
るので、表面から熱を加えた場合にトナー内部の融解が
早いため、特に画像形成にプロセススピードが100m
m/s以上の速度の定着機を用いる場合に有効である。
更に、本発明の製造方法は、2種以上の樹脂粒子を混合
して、一段で被覆を行うため、樹脂微粒子被覆反応の時
間が短く、エネルギーロスが少ない利点を有する。加え
て、凝集粗粒が少なく、トナー収率も高い。
る。以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味す
る。
に調整した後、時々粒子径を測定しながら1℃/mi
n.で昇温して6.54μmとなったところでPHを7
に調整して粒径成長を止め、更に60℃で1時間保持し
た後冷却し、凝集トナースラリー(固形分濃度20.3
%)を得た。
合体樹脂エマルジョン、MW8.8万、樹脂濃度20.
5wt%、樹脂Tg65℃、平均粒子径0.11μm) (ハ)高Tg樹脂微粒子(樹脂微粒子B) 綜研化学製ME−5015 (スチレン/メチルメタクリレート/アクリル酸の共重
合体樹脂エマルジョン、MW39.6万、樹脂濃度2
5.1wt%、樹脂Tg107℃、平均粒子径0.13
μm)
径と16μm以下の粒子量(重量%)を比較した。 (2)定着性測定方法 シャープ社製複写機JX−8200用定着機(定着ロー
ラーΦ35mm)を用い、プロセススピード120mm
/sec、NIP幅4mmで、シリコンオイルを使用
し、温度を変えてテストした。
を輪ゴムで止めて組み合わせた、内径30mmの円筒の
内部に、55mm程度の高さに切りそろえた薬包紙を筒
上に丸めてセットし、この中にトナー10gを量りと
る。その際、トナーの上部が出来るだけ平らになるよう
に慎重に注ぎ込む。次いで、底部が平らで且つ底部の直
径27mmの、重さ20gの分銅を、トナーが飛び出さ
ないように慎重に乗せ、50℃,50%RHの環境下に
5時間放置し、室温まで冷却してから分銅・薬包紙・ハ
ーフパイプを取り外して、円柱状の耐ブロッキング性評
価サンプルを作成する。続いてこの円柱状のサンプルに
錘を乗せ、円柱状のサンプルが破壊したときの錘の重量
(g又はkg)により耐ブロッキング性の判定をする。 判定は、◎:0g〜200g、 ○:200g<〜500g、 △:500g<〜1kg、 ×:1kg<〜3kg、 ××:3kg<〜5kg<の値とする。
300回転で攪拌しながら、PHを3.0に調製して1
時間反応させた。続いて、反応温度を35℃に昇温して
2時間反応を継続すると、分散液に白濁がなくなった。
続いて、反応温度を45℃に昇温して2時間反応を継続
し、芯トナーに樹脂微粒子混合物を固着させた。更に、
反応温度を60℃に昇温して2時間反応を継続して、芯
トナーに樹脂微粒子混合物を完全に固着・保持させた
後、室温まで冷却した。反応時間は7時間であった。続
いて、濾過・水洗・乾燥して2種混合樹脂微粒子被覆ト
ナーを得た。
定したところを、平均粒子径は11.2μmで、16μ
m以下の粒子量は95.1重量%であった。この2種混
合樹脂微粒子被覆トナーで、二成分系複写機(三田工業
製 DC−2355)により未定着画像を形成させ、次
いで定着機の温度を任意にコントロールできるように改
造した、市販の複写機(シャープ社製JX−8200)
の定着機を用いて、シリコンオイルを塗布しながら定着
性の評価を実施したところ、120〜200℃<の温度
(200℃以上は実施していない)の範囲で定着してい
ることが確認された。また、耐ブロッキング性(保存安
定性)のテストでは150gと良好であった。
ラリー(固形分濃度20.3%)の一部を、樹脂被覆処
理を行わずに、濾過・洗浄・乾燥して凝集トナー(樹脂
Tg40℃、平均粒子径6.54μm)を得た。このト
ナーを用いて、実施例1と同様に定着性の評価を実施し
たところ、110〜200℃<の温度(200℃以上は
実施していない)の範囲で定着していることが確認され
たが、耐ブロッキング性(保存安定性)は5kg<であ
った。
脂微粒子固着トナーを得た。この樹脂微粒子固着トナー
で、実施例1と同様に定着性の評価を実施したところ、
115〜200℃<の温度(200℃以上は実施してい
ない)の範囲で定着していることが確認されたが、耐ブ
ロッキング性(保存安定性)は700gであった。
脂微粒子固着トナーを得た。この樹脂微粒子固着トナー
で、実施例1と同様に定着性の評価を実施したところ、
140〜200℃<の温度(200℃以上は実施してい
ない)の範囲で定着してはいるが、低温部での定着性が
劣っていることが確認された。耐ブロッキング性(保存
安定性)は170gと良好であった。 [比較例4]トナー芯材への樹脂微粒子の固着を、低Tg
樹脂微粒子と高Tg樹脂微粒子を別々に行った。
300回転で攪拌しながら、PHを3.0に調製して1
時間反応させた。続いて、反応温度を35℃に昇温して
2時間反応を継続すると、分散液に白濁がなくなった。
続いて、反応温度を40℃に昇温して2時間反応を継続
し、芯トナーに第一段目樹脂微粒子を固着させた。更
に、反応温度を50℃に昇温して2時間反応を継続し
て、第一段目樹脂微粒子を完全に固着・保持させた後、
室温まで冷却した。第一段目反応時間は7時間であっ
た。
で1時間反応させた。続いて、反応温度を35℃に昇温
して2時間反応を継続すると、分散液に白濁がなくなっ
た。続いて、反応温度を45℃に昇温して2時間反応を
継続し、芯トナー及び第一段目樹脂微粒子に第二段目樹
脂微粒子を固着させた。更に、反応温度を60℃に昇温
して2時間反応を継続して、芯トナー及び第一段目樹脂
微粒子材料に、第二段目樹脂微粒子を完全に固着・保持
させた後、室温まで冷却した。第二段目反応時間は7時
間であり、第一段目及び第二段目反応時間の合計は14
時間であった。続いて、濾過・水洗・乾燥してTgの異
なる2段階樹脂微粒子被覆トナーを得た。この樹脂微粒
子被覆トナーの粒径分布を測定したところを、平均粒子
径は12.4μmで、16μm以下の粒子量は86.9
重量%であった。
分系複写機(三田工業製 DC−2355)により未定
着画像を形成させ、次いで定着機の温度を任意にコント
ロールできるように改造した、市販の複写機(シャープ
社製JX−8200)の定着機を用いて、シリコンオイ
ルを塗布しながら定着性の評価を実施したところ、13
0〜200℃<の温度(200℃以上は実施していな
い)の範囲で定着していることが確認された。また、耐
ブロッキング性(保存安定性)のテストでは130gと
良好であった。実施例1及び比較例1〜4の評価結果を
まとめて下記第1表に示す。本発明の製造方法で得られ
たトナーは、低温定着性と保存安定性が両立しており、
しかもトナー収率び反応時間の点でも優れている。
済的に、低温定着性と保存安定性(耐ブロッキング性)
を兼ね備えたトナーを、容易に製造することが出来る。
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
るトナー芯材上に被覆樹脂を設けてなる静電荷像現像用
トナーの製造方法であって、少なくとも2種のガラス転
移温度の異なる樹脂微粒子と、トナー芯材を混合し、温
度を上昇させながらトナー芯材上に該樹脂粒子を固着又
は融着させて被覆樹脂を設けることを特徴とする静電荷
像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項2】 少なくとも2種のガラス転移温度の異な
る樹脂微粒子の平均粒径がいずれも0.04〜1μmで
あり、ガラス転移温度がいずれも45〜110℃の範囲
内である請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方
法。 - 【請求項3】 温度を段階的に上昇させながらトナー芯
材に樹脂微粒子を固着又は融着させる請求項1又は2記
載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項4】 温度を連続的に上昇させながらトナー芯
材に樹脂微粒子を固着又は融着させる請求項1又は2記
載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項5】 トナー芯材に用いられる結着樹脂のガラ
ス転移温度(TgP)が30〜55℃のの範囲であり、
トナーの平均粒子径が4〜20μmである、請求項1乃
至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方
法。 - 【請求項6】 少なくとも2種のガラス転移温度の異な
る樹脂微粒子のうちの1種の樹脂微粒子(A)のガラス
転移温度(TgA)が45〜75℃であり、他の1種の
樹脂微粒子(B)のガラス転移温度(TgB)が65〜
110℃であり、且つ、[TgA<TgB−20]の関係を
満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項7】 [TgP<TgA<TgB−20]の関係を
満たすことを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像
用トナーの製造方法。 - 【請求項8】 トナー芯材に用いる結着樹脂が、スチレ
ンと、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の共重合樹脂である請求項1乃至7のいずれかに記載の
静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項9】 トナー芯材に用いる結着樹脂が、スチレ
ンと、アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸
エステル、メタクリル酸から選ばれる2種以上からなる
三元又は多元共重合樹脂である請求項1乃至7のいずれ
かに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の製
造方法で得られたトナーを用い、プロセススピードが1
00mm/s以上の定着機によって定着を行うことを特
徴とする画像形成方法。
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