JP2001201550A - 到来波推定装置 - Google Patents

到来波推定装置

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JP2001201550A
JP2001201550A JP2000008508A JP2000008508A JP2001201550A JP 2001201550 A JP2001201550 A JP 2001201550A JP 2000008508 A JP2000008508 A JP 2000008508A JP 2000008508 A JP2000008508 A JP 2000008508A JP 2001201550 A JP2001201550 A JP 2001201550A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信アレーアンテナの素子数や素子配置に依
存することなく、高精度に同一信号成分を含むマルチパ
ス到来波の到来方向を推定する。 【解決手段】 並列に複数設けられた信号生成部3およ
び周波数変換部2を有する送信機から複数の周波数の信
号が送信される。受信機では、アレーアンテナ4で受信
した複数周波数の信号を信号処理部5でベースバンドに
変換し、相関行列変換部6で各素子間の相関行列を各周
波数ごとに算出する。次に、固有値分解演算部7で各周
波数ごとの相関行列を平均化し、平均化された相関行列
に対して、固有値分解演算部7で固有値分解を行い、到
来方向決定部8でマルチパスを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線受信機におけ
る複数パスの到来方向を推定する到来波推定装置に関す
るものであり、特に同一信号成分を有する複数パスの到
来方向を推定するマルチパス到来方向推定技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーダー、衛星通信、移動通
信などの無線送受信装置において、信号の到来方向を推
定し、その推定結果を利用して受信信号の信号処理を行
う手法がよく用いられている。このような技術を一般に
到来方向推定技術(DOA:Direction Of Arrival)と呼
んでいる。到来方向推定技術では、通常、多素子アンテ
ナ(アレーアンテナ)を用いて、到来波がどの方角から
到来しているかを認知する。受信機ではその到来方向に
応じてアンテナビーム制御を行う。これまでに到来方向
推定技術としては「部分空間法」がよく知られている
(例えば、電子情報通信学会誌、Vol.82、No.9、pp.917
-921、(1999.9)を参照されたい)。この「部分空間
法」によれば、異なる信号成分を含む複数のパスが到来
した場合に個々のパスの到来方向を個別に推定すること
が可能である。
【0003】図9および図10を用いて「部分空間法」
について説明する。図9は、「部分空間法」により到来
方向推定を行う場合の送信側および受信側の構成を示す
図である。この図に示すように、送信機は、送信アンテ
ナ1、周波数変換部2、信号生成部3を有しており、信
号生成部3で生成される送信信号を周波数変換部2で高
周波信号に変換して、送信アンテナ1から送信する。ま
た、受信機において、4はアレーアンテナ、5は信号処
理部、6は相関行列演算部、7は固有値分解演算部、8
は到来方向推定部を表している。図示するように、受信
機のアレーアンテナ4には複数のパスを通って信号が到
来する。なお、このアレーアンテナ4の素子数をNとす
る。
【0004】図10は、受信機において実行される「部
分空間法」の処理手順を表すフローチャートである。ま
ず、N素子アレーアンテナ4で複数の信号を同時に受信
する(S201)。各アンテナ素子で受信された信号は
信号処理部5でベースバンド帯域に変換され(S20
2)、相関行列演算部6において素子間の相関行列が評
価関数として計算される(S203)。例えば、素子番
号i(i=1,2, ,N)での複素受信信号をxiとする。この
とき、受信信号ベクトルはX=[x1 x2 … xN]T(N
×1行列)と表される。また、素子間の相関行列ΦはΦ
=E[X・XH]によって計算される(ここで、上付添
字Tは転置、Hは転置共役を表わしており、また、E
[・]は時間平均を表わす)。
【0005】前述のように、受信信号ベクトルXは異な
る信号成分を含む複数のパスによって構成されている。
ここで、個々の信号成分別の信号ベクトルY1,Y2,…,
Yk(N×1行列)を定義する(kは信号成分の数)。信
号ベクトルY1,Y2,…,Ykは、k個の信号成分のうちの
1つの信号成分のみが到来した場合のアンテナ素子にお
ける信号ベクトルに相当する。受信信号ベクトルXは個
々の信号成分の信号ベクトルY1,Y2,…,Ykを用いて次
式のように表すことができる。
【数1】 信号ベクトルY1,Y2,…,Ykの有する信号成分は互いに
無相関なので、相関行列Φに関して次式が成り立つ。
【数2】 上式において、異なる信号成分間の内積は信号成分の無
相関性によって消滅している。
【0006】さらに、相関行列Φに関して以下の変形が
成り立つ。
【数3】 ここで、PはN×Nのユニタリ行列であり、QはN×N
の対角行列である。すなわち、Pの対角成分は相関行列
Φの固有値であり、Qは相関行列Φの固有ベクトル列で
ある。上式より、素子数Nが信号数kよりも大きい場合
には、Φを固有値分解することにより、Φの固有値|Y1
| |Y2| … |Yk|、固有ベクトルY1/|Y1|0.5 Y2/|Y
2|0.5 … Yk/|Yk|0.5を得ることができる。従って、
信号ベクトルY1,Y2,…,Ykを求めることができ、個々
のパスの到来方向を推定することができる。
【0007】このように「部分空間法」では、相関行列
Φを計算した後、固有値分解演算部7において固有値分
解を行い(S204、S205)、固有値、固有ベクト
ルから信号ベクトルY1,Y2,…,Ykを求める(S20
6)。この信号ベクトルY1,Y2,…,Ykより、異なる信
号成分を含む複数のパスの到来方向を決定することがで
きる(S207)。なお、受信機内に雑音が存在する場
合には、相関行列に若干の変更を生じるが、その場合に
も基本的に相関行列を固有値分解し、その固有ベクトル
をもとに到来方向推定を行う技術が確立されている。
【0008】しかしながら、上述した「部分空間法」で
は、異なる信号成分を有するパスは分解できるものの、
同じ信号成分を有する複数パスについては分解できない
という問題があった。すなわち、同じ信号成分を有する
複数パスが到来した場合、該複数のパスは位相合成さ
れ、その合成信号を一つの信号ベクトルとして検知して
しまうため、合成信号ベクトルは分かるものの、個々の
パスの信号ベクトルについては検知できないという問題
が生じていた。
【0009】そこで、このような問題の解決法として
「空間スムージング法」が知られている。以下、図1
1、12、13を用いながら「空間スムージング法」に
ついて説明を行う。図11は「空間スムージング法」を
用いる場合の受信機構成を示した図であり、前記図9と
同一の構成要素には同一の番号を付して説明を省略す
る。この図から明らかなように、この場合には、受信機
は素子組み合わせ格納部32を有している。また、図1
2は「空間スムージング法」における制御手順を表した
フローチャートであり、図13は素子組み合わせの決定
方法に関する説明図である。なお、ここでは受信機に同
一信号成分を有する複数パスが到来するものとする。
【0010】「空間スムージング法」では、まず、「部
分空間法」の場合と同様に、アンテナ素子で信号を受信
した後(S301)、信号処理部5において信号をベー
スバンド帯に変換する(S302)。相関行列演算部6
ではアレーアンテナ(複数素子)4の一部の素子からな
る素子組み合わせ(サブアレー)を用いて、素子間相関
行列の計算を行う(S303〜306)。この際、素子
組み合わせに関しては、素子組み合わせ格納部32に格
納されている情報を利用し、空間的に同一形状の素子組
み合わせを複数個選定する。
【0011】図13は素子組み合わせに関する説明図で
ある。この図において、○は各アンテナ素子を示してお
り、2次元に配列された複数のアンテナ素子の中から、
空間的に同一の形状を有する複数の素子組み合わせ4
0、41、42、43…を選定する。図示する組み合わ
せ(a)40と組み合わせ(b)41を例にとって説明
すると、素子組み合わせ(a)40、素子組み合わせ
(b)41における素子間の相関行列はそれぞれ次の式
(6)、(7)で表される。
【数4】 ここで、XaおよびXbは、それぞれ、素子組み合わせ
(a)および(b)における合成信号ベクトルである。
これら合成信号ベクトルは同一信号成分を持つ複数パス
(マルチパス)の合成成分によって構成されている。す
なわち、合成信号ベクトルXaは次式で表される。
【数5】 ここで、Y1,Y2,…はマルチパス個々の信号ベクトル、
θa1,θa2はマルチパス個々の合成位相を表す。また、
他の合成信号ベクトルXb,…についても同様に表わされ
る。
【0012】このような各素子組み合わせにおける素子
間の相関行列Φa,Φb,…に対し、素子組合せに関する平
均化処理を行う(S307)。平均化された相関行列<
Φ>は次式で表される。
【数6】 ただし、Mは素子組み合わせの数である。ここで、マル
チパスの合成位相[θa1a2,…],[θb1b2,
…],…は、素子組み合わせごとに異なる。従って、素
子組み合わせ数が十分多い場合には、マルチパスの相互
の位相関係は平均的に無相関として扱うことが可能とな
る。この場合には異なるマルチパスの信号ベクトル間の
内積は平均的に0となる。従って、近似的に次式が成り
立つ。
【数7】 ここで、Y1,Y2,…はマルチパス個々の信号ベクトルで
ある。上式より、平均化された相関行列<Φ>において
固有値分解を行うことによって、同一信号成分を有する
マルチパスY1,Y2,…を求めることが可能となる。
【0013】このように「空間スムージング法」では、
アレーアンテナ(複数素子)内で素子組み合わせを複数
個作成し、素子組み合わせに関して平均化された相関行
列を作成する。さらに、該平均化された相関行列に関し
て固有値分解を行う(S308)ことによって同一信号
成分のマルチパスについて分離を行い、到来方向推定を
行うことができる(S309,S310)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、「空間
スムージング法」によれば、信号内のマルチパス成分を
分離することは理論的に可能である。しかしながら、空
間的に同一パターンを持つ素子組合せを多く用意する必
要があり、そのような環境を実現するために多くのアン
テナ素子を用意する必要がある。したがって、「空間ス
ムージング法」では、同一信号成分を持つマルチパスの
到来方向推定を行うために、数多くのアンテナ素子を用
意しなくてはならないという問題が生じていた。また、
「空間スムージング法」では、アンテナ素子のうちの部
分的な素子組み合わせを用いて到来方向推定を行うた
め、推定に用いられる素子数が少なくなり、到来方向推
定の精度自体に劣化が生じるという問題も生じていた。
【0015】そこで本発明は、受信アレーアンテナの素
子数や素子配置に依存することなく、同一信号成分を持
つマルチパス到来波の分離を行うことができる到来波推
定装置を提供することを目的としている。また、高精度
にマルチパス到来波の到来方向を推定することのできる
到来波推定装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の到来波推定装置は、複数の周波数の信号を
受信するアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各ア
ンテナ素子からの受信信号に基づいて、前記各周波数ご
とに評価関数値を算出する手段と、算出された前記各周
波数ごとの評価関数値を総合的に用いて到来波の到来方
向を推定する手段とを有するものである。また、前記評
価関数値として、前記各アンテナ素子からの受信信号の
相関行列を用いるものである。さらに、前記到来波を推
定する手段は、前記各周波数ごとの評価関数値の平均値
を用いて到来波の到来方向を推定するものである。さら
にまた、前記複数の周波数の信号は、マルチキャリアO
FDM信号とされているものである。さらにまた、本発
明の他の到来波推定装置は、フェージングの相関帯域幅
に比べて帯域の広い広帯域信号を受信するアレーアンテ
ナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子からの受信
信号の相関演算を行う相関行列演算手段と、前記相関行
列演算手段の出力に基づいて到来波の到来方向を推定す
る手段とを有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の第
1の実施の形態について、図1〜図3を用いて説明す
る。図1は本発明の第1の実施の形態の概要を説明する
最も基本的な構成図である。本図において、1は送信機
のアンテナ、2は送信機の周波数変換部、3は送信機の
信号生成部であり、図示するように、周波数変換部2お
よび信号生成部3はそれぞれ複数個並列に設けられてい
る。また、4〜9は受信機の構成要素であり、4はアレ
ーアンテナ、5は信号処理部、6は相関行列演算部、7
は固有値分解演算部、8は到来方向決定部、9は周波数
情報格納部を表している。図2は本実施の形態で用いら
れる伝送信号の周波数スペクトルを表した図であり、図
3は本実施の形態における制御手順を示すフローチャー
トである。
【0018】図1に示すように、送信機では、複数の周
波数を用いて信号を送信するための並列に複数設けられ
た周波数変換部2、複数の周波数において送信する信号
を発生する複数の信号発生器3を備えており、複数の周
波数を用いて信号の送信を行っている。なお、本発明で
は必ずしも図示したような構成の送信機を用いる必要は
なく、複数の周波数の送信信号であればいかなる送信信
号に対しても適用可能である。図2は、本実施の形態に
おいて、送信機から送信される送信信号の周波数スペク
トルの一例を示す図である。この例では、図中10〜1
3に示すように、送信機から送信される信号は周波数
f,f+Δf,f+2Δf,f+3Δf,…において送信さ
れている。なお、本発明では必ずしも複数周波数を等周
波数間隔に配置する必要はないが、ここでは一例として
送信周波数を等間隔Δfに設定した場合を取り上げてい
る。また、周波数間隔Δfは任意の値に設定可能である
が、Δfが、フェージングの相関帯域幅(フェージング
特性の相関が所定値(例えば、0.5)以上となる周波
数幅)B以上に設定される場合に、本発明はより大きな
効果を得ることが可能となる。
【0019】このような構成により、送信された複数周
波数の信号は伝送経路において複数のパスに分離され、
受信機のアレイアンテナ4(素子数をNとする)にマル
チパス信号として到来する。ここで、マルチパス信号の
うちi番目のパス(i=1,2,3,…)の信号ベクトルをYi
(N×1行列)、その伝送遅延時間をτiとする(なお、
1番目のパスの伝送遅延時間を基準値0とする)。この
とき、周波数fで伝送された信号に注目すると、マルチ
パスの合成信号ベクトルX(f)は次式で表される。
【数8】 同様に、周波数f+mΔf(m=1,2,3,…,M-1)で受信し
たマルチパス信号の信号ベクトルX(f+mΔf)は次式
で表される。
【数9】
【0020】このような受信機での受信ベクトルX(f
+mΔf)(m=0,1,2,...,M-1)に対し、受信機では相関
行列演算部6において各周波数ごとに素子間の相関行列
Φ0 1,…,ΦM-1を作る(S102〜S105)。すな
わち、
【数10】 を算出する。
【0021】次に、このように算出した各周波数の相関
行列Φ01,…,ΦM-1に対して平均化処理を行う(S1
07)。平均化された相関行列<Φ>は次式で与えられ
る。
【数11】 特にマルチパスの合成位相exp(j2πmΔfτ2),exp(j2
πmΔfτ3),…が0〜2πにおいてほとんどランダム
であるとみなせる場合には、<Φ>に関して近似的に次
式が成り立つ。
【数12】 したがって、平均化された相関行列<Φ>を固有値分解
することによって、各パスの信号ベクトルY1,Y2,Y3,
…を導出することが可能となる。
【0022】このように、本発明では、受信機における
信号処理部5において周波数別に信号を分離し、相関行
列演算部6において周波数ごとに相関行列Φmを算出し
て相関行列の平均化を行うことにより、同一信号成分の
マルチパスの相関を抑圧させたのち、固有値分解演算部
7において平均化された相関行列を固有値分解すること
によって(S108)、到来方向決定部8において各パ
スの到来方向推定を行うことができる(S109、S1
10)。
【0023】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について図4および5を参照して説明す
る。この実施の形態は、通信用OFDM信号(orthogon
al frequency division multiplex)を用いて到来波方
向の推定を行うものである。図4は本実施の形態を説明
する最も基本的な構成を示す図であり、前記図1と同一
の構成要素には同一の番号を付し、説明の重複を避け
る。図4に示すように、この実施の形態における送信機
では、複数の信号生成部3からの送信信号を逆フーリエ
変換部20を用いてOFDM信号に変換し、送信アンテ
ナ1から送信する。図5は、この際の伝送信号の周波数
スペクトルを示す図である。この図に示すように、OF
DM信号は、直交した複数のキャリアが所定の周波数間
隔で配置された信号であり、この信号が前記送信機から
伝送される。本実施の形態では、このように密に配置さ
れたOFDM信号のキャリアの中から、図中10〜13
で示すように、所定の周波数間隔Δfを持つ複数のキャ
リアを抽出し、これを、前述した第1の実施の形態にお
ける複数の周波数の信号と同様に到来波方向推定用信号
として用いる。受信機における処理は、信号処理部5に
おいてOFDMの復調を行う点を除き、前述した第1の
実施の形態の場合と同様であるため、詳細な説明は省略
する。この実施の形態の場合には、OFDM信号を用い
ているため、情報信号の伝送と同時に到来波方向の推定
を行うことが可能となる。
【0024】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について、図6〜8を参照して説明する。
この実施の形態では、前述した各実施の形態のように複
数の周波数毎に素子間の相関行列の計算を行い平均化を
行うのではなく、広帯域信号を伝送し、その広帯域信号
に対してそのまま相関行列の計算を行うようにしてい
る。図6は本実施の形態を説明する最も基本的な構成を
示す図、図7は本実施の形態の処理手順を表すフローチ
ャート、図8は本実施の形態で用いられる伝送信号の一
例を示す図である。図6において、101は送信アンテ
ナ、102は送信機の周波数変換部、103は広帯域信
号生成部であり、広帯域信号生成部103からの広帯域
信号が周波数変換部102で所定の周波数の送信信号に
変換され、送信アンテナ101から送信される。104
〜198は受信機の構成要素であり、104は受信機ア
レーアンテナ(素子数をNとする)、105は広帯域信
号処理部、106は相関行列演算部、107は固有値分
解演算部、108は到来方向推定部を表している。
【0025】本実施の形態では、N素子アレーアンテナ
4で広帯域信号を同時に受信する(S501)。ここ
で、受信局には多数のマルチパスが到来しているものと
し、個々のマルチパスは同一信号成分を有している。受
信された広帯域信号は広帯域信号処理部5でベースバン
ド帯域に変換され(S502)、相関行列演算部6にお
いて素子間の相関行列として計算される(S503)。
図8は本実施の形態において送信される広帯域信号の周
波数スペクトルの一例を示す図であり、図中、斜線で示
す帯域幅Wの周波数スペクトルを有する広帯域信号が送
信される。この図に示すように、広帯域信号はフェージ
ング相関帯域幅Bより十分大きい周波数帯域Wを有する
ものとする。例えば、フェージングの相関帯域幅Bの3
〜4倍以上とするのが望ましい。なお、このような広帯
域信号としては、前述したOFDM信号あるいはマルチ
キャリアCDMA(MC−CDMA)信号などを用いる
ことができる。
【0026】なお、本実施の形態の基本構成は、前述し
た従来の「部分空間法」と類似しているが、本実施の形
態では広帯域信号を信号処理の対象としている点で相違
している。また、本実施の形態では、広帯域信号に対し
て一度に相関行列の計算を行うが、この処理では周波数
ごとに相関行列を計算し、平均化する前記第1の実施の
形態と同様の効果が得られる。この点について、以下で
式を用いて説明を行う。
【0027】ここで、前記広帯域信号が周波数f0から
0+NΔfの信号であるとする。このとき、広帯域信
号ベクトルXを以下のように周波数に分けて表すことが
できる。
【数13】 ここで、X(f0+nΔf)は周波数f0+nΔfにおける信
号ベクトルである。このとき、相関行列演算部6で得ら
れる相関行列は次式で表される。
【数14】 この結果は、前記第1の実施の形態で周波数別に相関行
列演算を行い、平均化を行った結果に等しい。従って、
本実施の形態では、周波数別に相関行列演算を行わず、
広帯域信号に対して直接相関行列演算を行うことによっ
て、同一信号成分を有するマルチパスの到来方向推定を
行うことが可能となる。したがって、S503で作成し
た素子間の相関行列を用いて、前述の場合と同様に、固
有値分解(S504)および固有値、固有ベクトルの取
得(S505)を行うことにより、到来波の到来方向を
決定することができる(S506)。このように、この
実施の形態によれば、演算量を少なくすることができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では従来の
「空間スムージング法」の場合と異なり、受信機アレー
アンテナのアンテナ素子数や素子配置に依存せず、同一
信号成分を有するマルチパスの分離を行うことが可能と
なる。また、複数周波数の数を任意に設定できるため、
相関行列の平均化数を任意の値に設定可能であり、「空
間スムージング法」に比べてはるかに高精度の到来方向
推定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1の実施の形態の到来波推
定装置の基本的構成を示す図である。
【図2】 図1の実施の形態における伝送信号の周波数
スペクトルを表す図である。
【図3】 図1の実施の形態の制御手順を表すフロ−チ
ャートである。
【図4】 本発明にかかる第2の実施の形態の到来波推
定装置の基本的構成を示す図である。
【図5】 図4の実施の形態における伝送信号の周波数
スペクトルを表す図である。
【図6】 本発明にかかる第3の実施の形態の到来波推
定装置の基本的構成を示す図である。
【図7】 図6の実施の形態における制御手順を表すフ
ローチャートである。
【図8】 図6の実施の形態における伝送信号の周波数
スペクトルを示す図である。
【図9】 従来の到来方向推定「部分空間法」の構成を
示す図である。
【図10】 従来の到来方向推定「部分空間法」の制御
手順を表すフローチャートである。
【図11】 従来の到来方向推定「空間スムージング
法」の構成を示す図である。
【図12】 従来の到来方向推定「空間スムージング
法」の制御手順を表すフローチャートである。
【図13】 従来の到来方向推定「空間スムージング
法」における素子組み合わせパターンを表す図である。
【符号の説明】
1、101 送信アンテナ 2、102 送信機周波数変換部 3 信号生成部 4、104 受信機アレイアンテナ 5 信号処理部 6、106 相関行列演算部 7、107 固有値分解演算部 8、108 到来方向決定部 9 周波数情報格納部 20 逆FFT部 103 広帯域信号生成部 105 広帯域信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K059 CC03 DD35 DD41 5K067 AA02 CC00 GG01 GG11 HH21 HH22 KK02 LL11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の周波数の信号を受信するアレーア
    ンテナと、 前記アレーアンテナの各アンテナ素子からの受信信号に
    基づいて、前記各周波数ごとに評価関数値を算出する手
    段と、 算出された前記各周波数ごとの評価関数値を総合的に用
    いて到来波の到来方向を推定する手段とを有することを
    特徴とする到来波推定装置。
  2. 【請求項2】 前記評価関数値として、前記各アンテナ
    素子からの受信信号の相関行列を用いることを特徴とす
    る前記請求項1記載の到来波推定装置。
  3. 【請求項3】 前記到来波を推定する手段は、前記各周
    波数ごとの評価関数値の平均値を用いて到来波の到来方
    向を推定するものであることを特徴とする前記請求項1
    あるいは2に記載の到来波推定装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の周波数の信号は、マルチキャ
    リアOFDM信号であることを特徴とする前記請求項1
    〜3のいずれかに記載の到来波推定装置。
  5. 【請求項5】 フェージングの相関帯域幅に比べて帯域
    の広い広帯域信号を受信するアレーアンテナと、 前記アレーアンテナの各アンテナ素子からの受信信号の
    相関演算を行う相関行列演算手段と、 前記相関行列演算手段の出力に基づいて到来波の到来方
    向を推定する手段とを有することを特徴とする到来波推
    定装置。
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