JP2001200938A - くさび型シール - Google Patents

くさび型シール

Info

Publication number
JP2001200938A
JP2001200938A JP2000004561A JP2000004561A JP2001200938A JP 2001200938 A JP2001200938 A JP 2001200938A JP 2000004561 A JP2000004561 A JP 2000004561A JP 2000004561 A JP2000004561 A JP 2000004561A JP 2001200938 A JP2001200938 A JP 2001200938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
wedge
hole
steam
gasket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000004561A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Shirata
明彦 白田
Hide Nishikatsu
秀 西勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000004561A priority Critical patent/JP2001200938A/ja
Publication of JP2001200938A publication Critical patent/JP2001200938A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 くさび型シールに関し、簡単な構成で、内外
の差圧を利用し、シール性能を保つ。 【解決手段】 装置側部材10には穴11が設けられ、
円筒状部品12が挿通されている。円筒状部品12には
段部12a、周面12bが形成され、12a,12bと
穴11の周囲との間にはリング状でテーパ部1aを有す
るガスケット1が挿入され、その下部には同様にリング
状でテーパ部2aを有する摺動部材2が挿入され、テー
パ部1aと2aとは当接している。摺動部材2は下部の
スナップリング4とスプリング3で周囲が支持され、内
部の圧力Pi と外部の圧力Po (P i >Po )の差圧Δ
Pにより上方へ力Fで押され、テーパ部2aを介してガ
スケット1を穴11の周面へ押付ける。従ってわずかな
差圧ΔPにより内外のシールが保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はくさび型シールに関
し、シール部内外の差圧を利用してくさび型のシールを
変形させ、簡単な機構でシール性能を向上させるように
したものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に使用されているシールは、ス
タックリング、ベルシール、ピストンリング、等があ
り、それぞれの構造に応じて利用されている。図8は従
来のシールの概要を示す図であり、(a)はスタックリ
ングの断面図、(b)はベルシールの断面図、(c)は
ピストンリングの斜視図である。(a)において、円筒
状の部品80が装置本体81内に隙間88を有して挿通
されており、隙間88の周囲には径の異なるリング8
2,83,84,85,86,87が上から順に部品8
0に挿入されている。これらリングは互いに異なる材料
からなり、熱膨張が異なり、互いに接することにより
(X1 )と(X2 )との間をシールする構成である。
(b)はベルシールを示し、円筒状部材90と機械装置
100の穴周囲との間でシールを構成するものである。
円筒状部材90の下端にはリング状のフランジ部材92
がネジで結合され、通路を形成している。フランジ部材
92の周囲には、水平リング状部分93a,93c及び
円筒状部分93bとで一体成形されたシール部材93が
挿入され、シール部材93の水平リング状部分93cの
周側面が機械装置100の穴周囲壁面に接し、シール面
101を構成している。シール面101はシール部材9
3の(Y2 )側の圧力で円筒状部分93bが機械装置1
00側に押圧されることによりシール面101を保持し
ている。又(c)はピストンリング110であり、例え
ば円形のピストンの周囲に介装され、シリンダ内壁面と
の間でシールを構成するものである。これら各種シール
装置はいずれもシール部からの洩れが多かったり、又、
シールをする部材間の温度差や圧力差に影響されやす
く、充分なシール性能を発揮するには改良が必要であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
シール装置は、スタックリングにおいては、多数のリン
グを用いなければならず、温度差が小さいと、各リング
の熱膨張差がなくなり充分な面圧が得られない。又、ベ
ルシールでは、構造が複雑でスペースも大きく、差圧が
小さいとシール部材のシール面に対する押付力が不足す
る。又、ピストンリングではリングに分割部分があるた
め、多数のリングを使用し、又、洩れ量が少量発生す
る。
【0004】そこで本発明は簡単な機構で内外の差圧を
効果的に利用し、一段のみの設置で従来シール装置より
も温度差や圧力差には影響されず、わずかな圧力差で作
動して良好なシール性能を有するくさび型シールを提供
することを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の(1)〜(5)の手段を提供する。
【0006】(1)装置本体に設けられた穴に挿通され
た円筒状部品を有し、同円筒状部品の先端部には段部に
より小径部が形成され同小径部外周面と前記穴の内周面
との間のシールであって、同段部に上面が当接し、外周
面が前記穴の内周面と接すると共に、内周面が下方へ拡
大するテーパ面を有する円環状のガスケットと、同ガス
ケットの前記テーパ面に外周テーパ面が摺動可能に当接
し、内周面が前記円筒状部品の小径部外周面と摺動可能
に接する円環状の摺動部材と、前記円筒状部品の小径部
外周囲に取付けられ前記摺動部材の底面周囲を支持する
支持手段とを具備してなることを特徴とするくさび型シ
ール。
【0007】(2)装置本体に設けられた穴に挿通され
た円筒状部品を有し、同円筒状部品の先端部には段部に
より小径部が形成され同小径部外周面と前記穴の内周面
との間のシールであって、同段部に下面が当接し、外周
面が前記穴の内周面と接すると共に、内周面が上方へ拡
大するテーパ面を有する円環状のガスケットと、同ガス
ケットの前記テーパ面に外周下部テーパ面が摺動可能に
当接し、内周面が前記円筒状部品の小径部外周面と摺動
可能に接する円環状の摺動部材とを具備してなることを
特徴とするくさび型シール。
【0008】(3)前記装置本体が高圧蒸気タービンの
車室内の蒸気入口用穴、前記円筒状部品が蒸気入口管で
あることを特徴とする(1)記載のくさび型シール。
【0009】(4)前記装置本体が中圧蒸気タービンの
車室内の冷却蒸気入口用穴、前記円筒状部品が冷却蒸気
入口管であることを特徴とする(1)記載のくさび型シ
ール。
【0010】(5)前記装置本体が高中圧蒸気タービン
の翼環に設けられた蒸気抽気用穴、前記円筒状部品が蒸
気抽気管であることを特徴とする(2)記載のくさび型
シール。
【0011】本発明の(1)においては、円筒状部品内
の圧力(Pi )は装置本体側の外の圧力(Po )とはP
i >Po であり、その差圧により摺動部材の底面が上方
に押される。摺動部材は通常は支持手段により下部が支
持されており、差圧により上方へ押されると、円筒状部
品の外周面と摺動して上方へ移動し、外周テーパ面を介
してガスケットを径方向外側に押圧する。摺動部材のテ
ーパ面とガスケットのテーパ面とは摺動可能に接してい
るのでガスケットの内側は先端部がテーパ面で細くなる
形状であるので、径方向外側に押されて変形し、装置本
体の穴内周面と接し、シール面が保たれる。
【0012】本発明の(2)においては、ガスケットと
摺動部材とは、上記(1)の発明とは天地が逆に配置さ
れており、摺動部材が上方に、その下方にガスケットが
配置されている。ガスケットはその底面が段部と係合
し、この段部で支持されているので、(1)の発明のよ
うな支持手段が不要となる。本発明の(2)において
は、上方の摺動部材が差圧により下方へ押され、上記
(1)の発明と同様にガスケットをテーパ面を介して径
方向外側に押し、ガスケット外周面を変形させて穴内周
面に押圧し、シール面を構成する。
【0013】本発明の(3)は、高圧蒸気タービンの蒸
気入口管の接合部へ、(4)は同じく中圧蒸気タービン
の冷却蒸気入口管の接合部へ、(5)では高中圧蒸気タ
ービンの蒸気抽気管の接合部へそれぞれくさび型シール
を適用するので、車室外から車室内へ供給する供給管か
ら車室内へ洩れる蒸気、車室内へ供給する冷却用蒸気の
車室内供給途中からの洩れ、車室内から抽気して車室外
へ導く蒸気の車室内途中の洩れ、がそれぞれ管と穴との
接続部において確実にシールされ、洩れを防止すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係るくさび型シールの断面図である。図
において、本実施の第1形態におけるくさび型シール
は、装置側部材10には円形の穴11が形成され、穴1
1に円筒状部品12が挿入され、固定される場合に、両
者間の隙間の内外をシールするために使用されるもので
ある。又、後述するように装置側部材10の具体例とし
ては、蒸気タービンの車室内の構造、円筒状部品12と
しては蒸気入口管や抽気管等がある。
【0015】図1において、1はリング状のガスケット
で材料は銅(C1100P)からなり、表面は銀化合物
等のやわらかな材料からなるコーティングが施され、密
着性を良好としてシール性能を向上するようにしてあ
る。又、ガスケット1は内側にテーパ部1aを有した形
状で、上面が円筒状部品12の外側の段部12aに接
し、外周面1bは初期隙間tを保持するように穴11に
組み込まれている。この初期隙間tは、0.02mm程度
に設定し、又、穴11の周囲はわずかに下方へ向かって
拡大するテーパを設けて加工され、ガスケット1の組み
込み、抜き出しが容易となるようにすることが好まし
い。
【0016】2は摺動部材であり、リング形状であって
ガスケット1と同種の材料か、又は円筒状部品と同種の
材料で製造される。摺動部材2は外側の上端部にはテー
パ部2aが設けられ、このテーパ部2aはガスケット1
のテーパ部1aと摺動可能に接している。摺動部材2の
内周面は円筒状部品12の段部12aで形成される小径
部外周面に摺動可能に接して挿通されている。
【0017】3はスプリング、4はスナップリングであ
り、スナップリング4は円筒状部品12の外周囲に加工
された溝部に挿入されるリング状の部材である。スプリ
ング3はスナップリング4と摺動部材2底面との間に介
装されて摺動部材2底面を支持すると共に、摺動部材2
のテーパ部2aとガスケット1のテーパ部1aとを接す
るように押圧するものである。従って、スプリング3は
全周囲に配置され、摺動部材2底面全周囲を均一に押圧
することが好ましい。なお、装置側部材10の穴周囲壁
面及び円筒状部品12の段部12aで形成される小径部
周囲側壁面はガスケット1と同じく銀化合物からなるや
わらかな材料からなるコーティングを施すと密着性が良
好となり、シール性能が向上する。
【0018】上記構成の実施の第1形態において、装置
側部材10の外側圧力Po と内側圧力Pi とにはPi
o の関係があり、その差圧により摺動部材2の下面は
力Fで上方に押され、上方へ摺動し、テーパ部2aがガ
スケット1aの面を力F1 で押圧する。この押圧力F1
により、ガスケット1は、先端部分が押されて変形し、
初期隙間tの状態から穴11の周側面に押されて密着
し、シール面が構成される。
【0019】上記のシール装置の具体的な寸法を蒸気タ
ービンに適用した場合について説明すると、円筒状部品
12が蒸気入口管で、段部12aで形成される小径部の
外径が約100mm、外側のPo が作用する隙間が約10
mm程度の隙間があり、円筒状部品12の内側には300
℃程度の高温蒸気が通過しPi −Po の差圧は20kg
/cm2 程度となっている。この程度の差圧があれば本実
施の第1形態におけるくさび型シールは充分にシール性
能を発揮するものである。
【0020】図2は本発明の実施の第1形態に係るくさ
び型シールの変形側を示す断面図であり、図1と異なる
部分はガスケット21の部分であり、ガスケット21は
段部12aには接するが、小径部周面とは接することな
く、隙間Lを形成し、段部12aに接するのみとし、摺
動部材2のテーパ部2aと、テーパ部21aとを摺動自
在に接触させるような形成としたものである。その他の
構成は図1の構造と同じである。このような構成のくさ
び型シールとしても、図1と同様のシール性能が得られ
るものである。
【0021】図3は本発明の実施の第2形態に係るくさ
び型シールの断面図である。本実施の第2形態において
は、装置側部材10、その穴11、円筒状部品12は図
1に示す構造と同じであるが、その配置は天地が逆とな
っている。このような構成では上部の内圧Pi が外側の
圧力Po よりも大きいので、その差圧は摺動部材2に対
し、下方、即ち重力方向に作用する。従って、図1の構
成のスプリング3、スナップリング4が不要となり、そ
の分構造が簡単になる。このような適用例においても、
図1と同様のシール性能が得られる。
【0022】次に本発明のくさび型シールの具体的な適
用例について説明する。図4は高圧蒸気タービンの断面
図であり、高圧蒸気タービン30は外側全体を覆う車室
31、車室内側の内車室32、中心部のロータ33、ロ
ータ33周囲に取付けられた動翼34、内車室の翼環側
に動翼34と軸方向で交互に配列して取付けられた静翼
35から構成されている。車室31の中央部周囲には蒸
気を内部へ導く蒸気入口管36が複数個取付けられてお
り、内車室32の内側入口管37の入口に端部が挿入さ
れ、蒸気導入通路を構成している。
【0023】上記の構成で、蒸気100は蒸気入口管3
6から内側入口管37を通り、左右に分かれて左右のノ
ズル38より、それぞれ動翼34、静翼35が配列する
通路へそれぞれ流れ、ロータ33を回転させて出口管よ
り車室31外へ流出し、復水器へ導かれる。本発明のく
さび型シールは、蒸気入口管36と内側入口管37との
接続部Aに適用され、蒸気入口管36の接続端周囲から
高圧の蒸気が車室内へ洩れるのを防止するものである。
その詳細な構造は後述する図7(a)に示す。
【0024】図5は本発明のくさび型シールの具体的適
用の他の例であり、高中圧蒸気タービンに適用した例で
ある。高中圧蒸気タービン40は、高圧タービン部40
aと中圧タービン部40bとで構成され、ロータ45が
共通に配置され、ロータ45の周囲には、それぞれ中
圧、高圧タービン部40a,40bの両側で動翼43が
取付けられ、動翼43とは軸方向で交互に配列するよう
に静翼44が翼環42に取付けられている。高,中圧タ
ービン部40a,40b全体は車室41で覆われてお
り、高圧,中圧タービン部40a,40bの中間部には
主蒸気入口管46が取付けられ、高圧タービン部40a
側には蒸気抽気管47が、中圧タービン部40bには再
熱蒸気の蒸気入口管49、蒸気出口管50がそれぞれ設
けられている。
【0025】上記構成の高中圧蒸気タービンにおいて、
主蒸気101は主蒸気入口管46から車室内へ入り、ノ
ズル51から101aのように高圧タービン部40aに
流入し、膨張することによりロータ45を回転させ、1
01bのように流出し、図示省略の出口から再熱器へと
導かれる。又、高圧タービン部40aの通路の途中から
は、101cのように蒸気を一部抽気し、蒸気抽気管4
7より流出する。
【0026】一方、中圧タービン部40bにおいては、
再熱器から導かれた蒸気が再熱蒸気入口管49より導か
れ、中圧タービン部40bを通り、102aのように流
れて同様にロータ45へ回転力を与え、蒸気出口管50
より流出する。本発明のくさび型シールは、このような
構成の高中圧蒸気タービン40の蒸気抽気管47の端部
が挿入される翼環抽気口48との接続部Bにも適用さ
れ、翼環抽気口48の接続部周囲から抽気する高圧蒸気
が車室内へ洩れるのを防止することができる。その詳細
な構成は後述する図7(b)に示す。
【0027】図6は本発明のくさび型シールの具体的応
用例の更に別の例であり、中圧蒸気タービンの冷却用蒸
気の入口管接続部に適用したものである。図において、
中圧蒸気タービン60は外側全体を覆う車室61、車室
61内側の内車室62、中心部のロータ63、ロータ6
3周囲に取付けられた動翼64、内車室61及び車室6
1に連結の翼環側に取付けられ動翼64と軸方向で交互
に配列した静翼65から構成されている。又、車室61
の中央部周囲には蒸気を内部へ導く蒸気入口管66が複
数個取付けられている。
【0028】更に、冷却蒸気入口管67が車室61に挿
入され、その端部は内車室冷却蒸気入口68に挿入さ
れ、内車室冷却蒸気入口68からはロータ63周辺まで
蒸気管70が伸び、その端部は内側冷却蒸気入口69に
挿入されている。
【0029】上記構成で、蒸気は蒸気入口管66から車
室61内へ流入し、内車室62内へ入り、図4で説明し
たように左右に分かれてそれぞれ動翼64、静翼65で
構成されるタービン部を流れ、ロータ63に回転力を与
えて出口管より車室外へ流出し、復水器へ導かれる。
又、冷却用の蒸気は冷却蒸気入口管67から内車室冷却
蒸気入口68へ入り、蒸気管70を通り、内側冷却蒸気
入口69へ流れ、ロータ周囲を冷却している。本発明の
くさび型シールは、このような構成の中圧蒸気タービン
の冷却蒸気入口管67と内車室冷却蒸気入口68との接
続部C、及びその内側の蒸気管70と内側冷却蒸気入口
69との接続部Dにも適用され、冷却蒸気がこれら接続
部から車室内へ洩れるのを防止することができるもので
ある。その詳細な構成は後述する図7(c)に示す。
【0030】図7は上記に説明した図4,図5,図6に
適用した本発明のくさび型シールの取付部詳細図であ
り、(a)は図4、(b)は図5、(c)は図6の各接
続部の詳細図である。まず、(a)は図4のA部詳細図
である。図において、車室31には蒸気入口管36が取
付けられ、蒸気入口管36の端部には、径方向へ段部3
6a、周面36bが形成され、この36a,36bと内
側入口管37内周面との間に図1で示す構成のくさび型
シール5が挿入されている。このようなくさび型シール
5により、流入する蒸気側の圧力(Pi )と車室内圧力
(Po )との差圧で内側入口管37内周面にくさび型シ
ール5が押圧されてシールが構成されている。
【0031】図7(b)は図5のB部詳細図である。図
において、翼環抽気口48には蒸気抽気管47の先端部
が挿入されており、蒸気抽気管47には水平面の段部4
7aと周面47bが形成され、この段状の面47a,4
7bと翼環抽気口48の内周面との間に図3で示すくさ
び型シール5aが挿入されている。このようなくさび型
シール5aにより、流出する抽気蒸気の圧力(Pi )と
車室内圧力(Po )との差圧で翼環抽気口の周囲壁面に
くさび型シール5aが押圧されてシールが構成されてい
る。
【0032】図7(c)は図6のC部詳細図であり、内
車室冷却蒸気入口68には冷却蒸気入口管67先端部が
挿入されており、冷却蒸気入口管67には水平段部67
aと周面67bが形成され、この段状の面67a,67
bと内車室冷却蒸気入口68の内周面との間にくさび型
シール5が挿入されている。このようなくさび型シール
5により、流入する蒸気側の圧力(Pi )と車室内圧力
(Po )との差圧で内車室冷却蒸気入口68内周面にく
さび型シール5が押圧されてシールが構成される。な
お、図6のD部詳細はC部詳細と同様な構成であるので
詳細な図は省略する。
【0033】以上説明の実施の第1,第2のくさび型シ
ールによれば、従来のスタックリングやベルシールに比
べて簡単な機構で構成され、温度差を必要とせずに内外
の比較的小さな差圧により作動し、又、ピストンリング
のような洩れもなく、良好なシール性能が得られるの
で、蒸気タービンの蒸気入口管、冷却蒸気の入口管、蒸
気抽気管の各接続部に適用されることができる。なお、
本発明の図4〜図6に示す応用例では、蒸気タービンの
例で説明したが、本発明はこれに限定されず、ガスター
ビンの空気系統の接続部はもちろん、その他の圧差が利
用できる装置側部材10と円筒状部品12からなるすべ
ての装置に適用され、良好なシール効果を奏するもので
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明のくさび型シールは、(1)装置
本体に設けられた穴に挿通された円筒状部品を有し、同
円筒状部品の先端部には段部により小径部が形成され同
小径部外周面と前記穴の内周面との間のシールであっ
て、同段部に上面が当接し、外周面が前記穴の内周面と
接すると共に、内周面が下方へ拡大するテーパ面を有す
る円環状のガスケットと、同ガスケットの前記テーパ面
に外周テーパ面が摺動可能に当接し、内周面が前記円筒
状部品の小径部外周面と摺動可能に接する円環状の摺動
部材と、前記円筒状部品の小径部外周囲に取付けられ前
記摺動部材の底面周囲を支持する支持手段とからなるこ
とを特徴としている。このような構成により、簡単な構
成で内外の差圧を利用するだけで摺動部材でガスケット
を変形させて良好なシール効果が得られる。
【0035】本発明の(2)は、装置本体に設けられた
穴に挿通された円筒状部品を有し、同円筒状部品の先端
部には段部により小径部が形成され同小径部外周面と前
記穴の内周面との間のシールであって、同段部に下面が
当接し、外周面が前記穴の内周面と接すると共に、内周
面が上方へ拡大するテーパ面を有する円環状のガスケッ
トと、同ガスケットの前記テーパ面に外周下部テーパ面
が摺動可能に当接し、内周面が前記円筒状部品の小径部
外周面と摺動可能に接する円環状の摺動部材とからなる
ことを特徴としている。
【0036】このような本発明の(2)は、ガスケット
と摺動部材とは、上記(1)の発明とは天地が逆に配置
されており、摺動部材が上方に、その下方にガスケット
が配置されている。ガスケットはその底面が段部と係合
し、この段部で支持されているので、(1)の発明のよ
うな支持手段が不要となる。本発明の(2)において
は、上方の摺動部材が差圧により下方へ押され、上記
(1)の発明と同様にガスケットをテーパ面を介して径
方向外側に押し、ガスケット外周面を変形させて穴内周
面に押圧し、良好なシール面を構成することができる。
【0037】本発明の(3)は、高圧蒸気タービンの蒸
気入口管の接合部へ、(4)は同じく中圧蒸気タービン
の冷却蒸気入口管の接合部へ、(5)では高中圧蒸気タ
ービンの蒸気抽気管の接合部へそれぞれくさび型シール
を適用するので、車室外から車室内へ供給する供給管か
ら車室内へ洩れる蒸気、車室内へ供給する冷却用蒸気の
車室内供給途中からの洩れ、車室内から抽気して車室外
へ導く蒸気の車室内途中の洩れ、がそれぞれ管と穴との
接続部において確実にシールされ、洩れを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るくさび型シール
の断面図である。
【図2】本発明の実施の第1形態の変形例を示す断面図
である。
【図3】本発明の実施の第2形態に係るくさび型シール
の断面図である。
【図4】本発明の実施の第1形態に係るくさび型シール
の応用例で高圧蒸気タービンの蒸気入口部へ適用した例
である。
【図5】本発明の実施の第2形態に係るくさび型シール
の応用例で高中圧蒸気タービンの蒸気抽気部へ適用した
例である。
【図6】本発明の実施の第1形態に係るくさび型シール
の応用例で中圧蒸気タービンの冷却蒸気入口部へ適用し
た例である。
【図7】本発明のくさび型シールの取付部詳細断面図で
あり、(a)は図4のA部、(b)は図5のB部、
(c)は図6のC部の各詳細を示す。
【図8】従来のシールを示し、(a)はスタックリング
の断面図、(b)はベルシールの断面図、(c)はピス
トンリングの斜視図である。
【符号の説明】
1,21 ガスケット 2 摺動部材 3 スプリング 4 スナップリング 5,5a くさび型シール 10 装置側部材 11 穴 12 円筒状部品 12a 段部 30 高圧蒸気タービン 36 蒸気入口管 37 内側入口管 40 高中圧蒸気タービン 47 蒸気抽気管 48 翼環抽気口 60 中圧蒸気タービン 67 冷却蒸気入口管 68 内車室冷却蒸気入口 69 内側冷却蒸気入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G002 HA06 HA12 3J043 AA01 BA06 BA09 CA05 CB20 DA09 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体に設けられた穴に挿通された円
    筒状部品を有し、同円筒状部品の先端部には段部により
    小径部が形成され同小径部外周面と前記穴の内周面との
    間のシールであって、同段部に上面が当接し、外周面が
    前記穴の内周面と接すると共に、内周面が下方へ拡大す
    るテーパ面を有する円環状のガスケットと、同ガスケッ
    トの前記テーパ面に外周テーパ面が摺動可能に当接し、
    内周面が前記円筒状部品の小径部外周面と摺動可能に接
    する円環状の摺動部材と、前記円筒状部品の小径部外周
    囲に取付けられ前記摺動部材の底面周囲を支持する支持
    手段とを具備してなることを特徴とするくさび型シー
    ル。
  2. 【請求項2】 装置本体に設けられた穴に挿通された円
    筒状部品を有し、同円筒状部品の先端部には段部により
    小径部が形成され同小径部外周面と前記穴の内周面との
    間のシールであって、同段部に下面が当接し、外周面が
    前記穴の内周面と接すると共に、内周面が上方へ拡大す
    るテーパ面を有する円環状のガスケットと、同ガスケッ
    トの前記テーパ面に外周下部テーパ面が摺動可能に当接
    し、内周面が前記円筒状部品の小径部外周面と摺動可能
    に接する円環状の摺動部材とを具備してなることを特徴
    とするくさび型シール。
  3. 【請求項3】 前記装置本体が高圧蒸気タービンの車室
    内の蒸気入口用穴、前記円筒状部品が蒸気入口管である
    ことを特徴とする請求項1記載のくさび型シール。
  4. 【請求項4】 前記装置本体が中圧蒸気タービンの車室
    内の冷却蒸気入口用穴、前記円筒状部品が冷却蒸気入口
    管であることを特徴とする請求項1記載のくさび型シー
    ル。
  5. 【請求項5】 前記装置本体が高中圧蒸気タービンの翼
    環に設けられた蒸気抽気用穴、前記円筒状部品が蒸気抽
    気管であることを特徴とする請求項2記載のくさび型シ
    ール。
JP2000004561A 2000-01-13 2000-01-13 くさび型シール Withdrawn JP2001200938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000004561A JP2001200938A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 くさび型シール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000004561A JP2001200938A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 くさび型シール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001200938A true JP2001200938A (ja) 2001-07-27

Family

ID=18533334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000004561A Withdrawn JP2001200938A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 くさび型シール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001200938A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004332718A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 動翼支持用治具及び動翼支持装置及び流量計測装置
WO2007033421A1 (en) * 2005-09-22 2007-03-29 Pump Technology Services Pty Ltd Seal assembly
JP2010043718A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Mitsuba Corp 減速機構付モータ
KR101251535B1 (ko) 2011-11-30 2013-04-05 현대자동차주식회사 자동차의 오일펌프
WO2014073227A1 (ja) * 2012-11-06 2014-05-15 三菱重工業株式会社 蒸気タービンのシール構造
WO2015031384A1 (en) * 2013-08-30 2015-03-05 United Technologies Corporation Bifurcated sliding seal
JP2016080544A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 新日鐵住金株式会社 密封構造及びその密封構造を備えた外圧負荷試験機
CN106499823A (zh) * 2015-09-08 2017-03-15 刘付日叁 一种新型超高压密封
US10107123B2 (en) 2013-08-30 2018-10-23 United Technologies Corporation Sliding seal
CN111379856A (zh) * 2018-12-27 2020-07-07 达璞股份有限公司 密封栓塞组件

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004332718A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 動翼支持用治具及び動翼支持装置及び流量計測装置
WO2007033421A1 (en) * 2005-09-22 2007-03-29 Pump Technology Services Pty Ltd Seal assembly
JP2010043718A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Mitsuba Corp 減速機構付モータ
KR101251535B1 (ko) 2011-11-30 2013-04-05 현대자동차주식회사 자동차의 오일펌프
US9677411B2 (en) 2012-11-06 2017-06-13 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Sealing structure for steam turbine
JP2014092133A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸気タービンのシール構造
WO2014073227A1 (ja) * 2012-11-06 2014-05-15 三菱重工業株式会社 蒸気タービンのシール構造
WO2015031384A1 (en) * 2013-08-30 2015-03-05 United Technologies Corporation Bifurcated sliding seal
US10107123B2 (en) 2013-08-30 2018-10-23 United Technologies Corporation Sliding seal
US10240473B2 (en) 2013-08-30 2019-03-26 United Technologies Corporation Bifurcated sliding seal
US11125095B2 (en) 2013-08-30 2021-09-21 Raytheon Technologies Corporation Sliding seal
JP2016080544A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 新日鐵住金株式会社 密封構造及びその密封構造を備えた外圧負荷試験機
CN106499823A (zh) * 2015-09-08 2017-03-15 刘付日叁 一种新型超高压密封
CN111379856A (zh) * 2018-12-27 2020-07-07 达璞股份有限公司 密封栓塞组件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100472046C (zh) 燃气涡轮发动机的冷却空气室和导向器之间的连接装置
KR102233588B1 (ko) 분할 시일 링을 사용하여 회전 기계를 실링하는 방법 및 시스템
JP2001200938A (ja) くさび型シール
JP2004020186A (ja) 燃焼室シールリングおよびそのようなリングを含む燃焼室
JPH10281299A (ja) メカニカルシール装置
JP2002013647A (ja) 軸シール機構及びガスタービン
US6565311B2 (en) Gas turbine steam passage seal structure between blade ring and stationary blade
EP1645726A1 (en) A sealing arrangement
JPH1181910A (ja) ガスタービンディスク内の締結ボルト孔とボルト間のシール装置
JP6021702B2 (ja) 漏洩防止シール、原子炉冷却材ポンプ
JP2017110647A (ja) ガスタービンにおける角漏れ防止シール
JPH07243536A (ja) フローティングリングシール
JPH0141865B2 (ja)
JP2006104962A (ja) 排気エキスパンション
JP2009264408A (ja) シール装置
JPS6396363A (ja) ポンプ軸受の密封装置
JP2001124273A (ja) ロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造
CN212106192U (zh) 一种干气密封结构
JPH09177990A (ja) メカニカルシール
JPH0913906A (ja) オイルフィルムシール
JPH1068330A (ja) ガスタービンにおけるスクロールシール構造
JPH0255839A (ja) セラミックガスタービンエンジンの静止部分シール方法
JPH11159304A (ja) 蒸気タービンの低圧車室
JPS6326605Y2 (ja)
JP2522050Y2 (ja) ガスタービンのシール構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070403