JP2001200104A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2001200104A
JP2001200104A JP2000013482A JP2000013482A JP2001200104A JP 2001200104 A JP2001200104 A JP 2001200104A JP 2000013482 A JP2000013482 A JP 2000013482A JP 2000013482 A JP2000013482 A JP 2000013482A JP 2001200104 A JP2001200104 A JP 2001200104A
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modulus
deformation
rubber composition
vibration
rubber
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Atsushi Miyaji
淳 宮地
Atsushi Shimada
島田  淳
Kazumasa Nakakita
一誠 中北
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動吸収用構造物を構成するために用いられ
る、減衰性に優れ、小さな歪みから大きな歪みまで、ま
た、低温から高温まで、安定して振動を吸収するゴム組
成物の提供。 【解決手段】金属板と積層され、積層方向と直交する方
向の応力を吸収するための振動吸収用構造物を構成する
ために用いられる、下記(1)〜(4)の条件を満たす
ゴム組成物: (1)ヒステリシスカーブ内の面積(ループ面積)が
0.15J以上、(2)20℃、150%モジュラスが
≦1.00〔MPa〕以下、(3)20℃での、複素弾
性率(E* )と150%モジュラスとの比が、25.0
0以下、(4)−10℃と20℃での複素弾性率
(E* )の比が、4.00以下、−10℃と20℃での
5回目のモジュラスの比が、4.50以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動吸収用構造物
を構成するために用いられるゴム組成物に関し、詳しく
は、小さな歪みから大きな歪みまで、また、低温から高
温まで、安定した振動吸収を得ることができる、振動吸
収用構造物を構成するために用いられるゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物では、地震等の振動エネル
ギーを減衰させるために建築用振動吸収デバイスが利用
されており、例えば、建築物の上下階の柱と梁を結ぶ筋
交い(ブレース)や建築物の上階の柱と下階の柱の間に
挿入される制振機等が、低、中、高層建築物に利用され
ている。このような建築用振動吸収デバイスとして、近
年、ゴム等の振動減衰材料と、鋼板等の金属板とを交互
に積層した積層体を組み込んだ振動吸収用構造物、例え
ば、ブレースダンパー(粘弾性ダンパー)が検討されて
いる。しかし、振動吸収用構造物に用いられる振動減衰
材料として、従来の高減衰積層ゴム材料を使用すると、
ゴムのせん断弾性率(剛性)が高いため、例えばブレー
スダンパーの場合、ブレースダンパーの剛性が高くな
り、地震による振動のように大きな振動エネルギーが建
築物に入ると、ブレースダンパーの建築物への取付け部
(梁等)に応力が集中して取付け部が座屈し易い。ま
た、従来の高減衰積層ゴム材料では、ゴムの振動による
エネルギーロスが小さく減衰性が低いため、地震時等に
建築用振動吸収デバイスとしての効果を発揮できない等
の問題があった。粘弾性体を利用した建築用振動吸収デ
バイスに用いられる材料として、ゴムアスファルト等が
利用されているが、ゴムアスファルトは、成形性が良好
で減衰性が大きいものの、弾性率の温度依存性が大きい
ため、外気温度により制振性能が大幅に変化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、振動吸収用構造物を構成するために用いられ、小さ
な歪みから大きな歪みまで、また、低温から高温まで、
安定して振動を吸収し、減衰性に優れるゴム組成物を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
属板と積層され、積層方向と直交する方向の応力を吸収
するための振動吸収用構造物を構成するために用いられ
る、下記(1)〜(4)の条件を満たすゴム組成物を提
供する: (1)20℃、引張速度100mm/minでの150
%繰り返し変形引張試験における5回目のヒステリシス
カーブ内の面積(ループ面積)が ループ面積≧0.15J (2)20℃、引張速度100mm/minでの150
%繰り返し変形引張試験における5回目のモジュラスが (20℃、150%変形時のモジュラス)≦1.00
〔MPa〕 (3)振動数20Hz、振幅10±2%伸長での、20
℃での複素弾性率(E*)と、20℃、引張速度100
mm/minでの150%繰り返し変形引張試験におけ
る5回目のモジュラスとの比が、 (20℃、2%変形時の複素弾性率E* )/(20℃、
150%変形時のモジュラス)≦25.00 (4)振動数20Hz、振幅10±2%伸長での、−1
0℃と20℃での複素弾性率(E* )の比が、 (−10℃、2%変形時の複素弾性率E* )/(20
℃、2%変形時の複素弾性率E* )≦4.00 であり、引張速度100mm/minでの150%繰り
返し変形引張試験における−10℃と20℃での5回目
のモジュラスの比が、 (−10℃、150%変形時のモジュラス)/(20
℃、150%変形時のモジュラス)≦4.50。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、以下の条件を満たすものであ
る。 (1)20℃、引張速度100mm/minでの150
%繰り返し変形引張試験における5回目のヒステリシス
カーブ内の面積(ループ面積)が、0.15J以上、好
ましくは、0.18J以上、より好ましくは0.20〜
0.40Jである。このループ面積は、20℃、引張速
度100mm/minで、150%繰り返し伸張させた
際の5回目の、ゴム組成物にかかる応力と、応力増加期
の歪み、応力減少期の歪みとからヒステリシスカーブを
得て、ヒステリシスカーブに囲まれた面積からわかるエ
ネルギー損失(ロス)分に相当する。すなわち、ゴム組
成物に対し消費された仕事量に対応し、ゴム組成物の発
熱等の原因となる。地震等が発生した際に、本発明のゴ
ム組成物を用いれば、一定の変形が建築物に加わった場
合の、建築物内に使用されている振動吸収用構造物が吸
収するエネルギーが一定値以上であるので、エネルギー
ロスが大きく、建築物の変形の振動の吸収性が高い。本
発明のゴム組成物は、ループ面積が上記範囲であるの
で、一定の変形が加わった場合のエネルギー吸収性が十
分に大きく、地震等の応力の減衰性が大きいので、この
ゴム組成物を用いた振動吸収用構造物によるエネルギー
ロスが大きくなり、振動吸収用構造物を利用した建築物
を変形させる振動を十分に吸収することができる。
【0006】(2)20℃、引張速度100mm/mi
nでの150%繰り返し変形引張試験における5回目の
モジュラスが1.00〔MPa〕以下、好ましくは、
0.8〔MPa〕以下、より好ましくは、0.2〜0.
6〔MPa〕である。本発明のゴム組成物は、この範囲
の特性を持つので、剪断方向に柔らかい物体として変形
し、振動エネルギーを熱エネルギーに変換する優れた減
衰性を持つ。また、上記範囲であれば、ゴム組成物は弱
い力でも容易にせん断方向に変形し、ゴム組成物を用い
る振動吸収用構造物の、建築物との接合部に応力が集中
して接合部が座屈することを防止することができる。
【0007】(3)振動数20Hz、振幅10±2%伸
長での、20℃での複素弾性率(E*)と、20℃、引
張速度100mm/minでの150%繰り返し変形引
張試験における5回目のモジュラスとの比((20℃、
2%変形時の複素弾性率E* )/(20℃、150%変
形時のモジュラス))が25.00以下、好ましくは2
2.00以下、より好ましくは10.00〜20.00
である。ゴム組成物の2%変形時の複素弾性率E* と1
50%変形時のモジュラスとの比は、ゴム組成物の剛性
の歪み依存性を表す。変形が2%と小さい場合、ゴム組
成物は変形が大きい場合と比べて比較的硬いものとして
振るまい、変形が150%と大きい場合では、変形が小
さい場合と比べて比較的柔らかいものとして振るまうた
め、ゴム組成物のモジュラスは、歪みに対し線形には変
化せず、振動が小さい場合と大きい場合とのモジュラス
を比較しても、ゴム組成物の歪み依存性を正しく評価し
にくい。そこで、歪み依存性の評価には、上述のよう
に、2%と振動が小さい場合には、複素弾性率E* をと
り、振動が150%と大きい場合にはモジュラスをとっ
て、これら複素弾性率E* とモジュラスの比により、ゴ
ム組成物の剛性の歪み依存性を規定し評価する。本発明
のゴム組成物は、剛性の歪み依存性が上記範囲であるの
で、ゴム組成物が小さい振動を受けた場合も、大きな振
動を受けた場合も、それぞれの場合に剛性の比が一定値
以下で安定した振動吸収特性を発揮することができる。
前述の(2)の特性と上記(3)の特性を合わせて、本
発明のゴム組成物は、振動の大小にかかわらずせん断変
形に対し柔らかい物体として振るまう。従って、本発明
のゴム組成物を用いた振動吸収用構造物を利用した建築
物は、風等による小さい振動にも、地震等の大きな振動
にも、安定した建物としての振動吸収が得られる。ま
た、振動吸収用構造物の建築物との接合部への応力集中
を避けることができる。
【0008】(4)振動数20Hz、振幅10±2%伸
長での、−10℃と20℃での複素弾性率(E* )の比
((−10℃、2%変形時の複素弾性率E* )/(20
℃、2%変形時の複素弾性率E* ))が4.00以下、
好ましくは3.40以下、より好ましくは2.00〜
3.40である。かつ、引張速度100mm/minで
の150%繰り返し変形引張試験における−10℃と2
0℃での5回目のモジュラス((−10℃、150%変
形時のモジュラス)/(20℃、150%変形時のモジ
ュラス))の比が4.50以下、好ましくは4.00以
下、より好ましくは3.00〜3.80である。−10
℃と20℃での2%変形時の複素弾性率(E* )の比
と、150%変形時のモジュラスの比は、ゴム組成物の
剛性の温度依存性を表す。本発明のゴム組成物は、上記
範囲の特性を持つので、温度依存性が低く、ゴム組成物
の減衰性能が発揮される適用温度範囲が十分に広く好ま
しい。従来、粘弾性体を利用した制震機に粘弾性体とし
て用いられているゴムアルファルトと比較して、本発明
のゴム組成物は、温度依存性が大きく改善されている。
特に、低温時でも、本発明のゴム組成物は硬くなること
なく、寒冷地や冬季であっても減衰性能に優れる。ま
た、本発明のゴム組成物を用いた振動吸収用補助構造体
の建築物との接合部に、振動を受けた際、応力が集中す
ることなく、接合物が座屈することが防止される。な
お、複素弾性率(E* )の温度依存性は、JIS K
7198に記載の方法に準拠して、−10℃、20℃に
おいて、ゴム組成物に、振動数20Hzで10%の初期
伸長を加えた上で、±2%の変形(ひずみ)を加え、粘
弾性スペクトロメータを用いて測定した応力と変位とか
ら求めることができる。この値が1に近いほど温度依存
性が小さい。
【0009】本発明のゴム組成物は、少なくとも一部に
加硫されたゴムを含むものであるが、ゴム単独、ゴムと
樹脂との共重合体、混合物であって、全体が均質なゴム
組成物であってもよいし、樹脂マトリックス中に加硫さ
れたゴムが分散された熱可塑性樹脂エラストマーであっ
てもよい。本発明のゴム組成物は、上述の(1)〜
(4)の特性を有しているので、小さな歪みから大きな
歪みまで、また、低温から高温まで、安定して振動吸収
し、優れた制振性を発揮する。
【0010】上述の(1)〜(4)の特性を有する本発
明のゴム組成物は、例えば、下記化合物を下記の組成で
配合し加硫することにより得ることができる。 天然ゴム 50重量部 ブタジエンゴム 40重量部 ポリノルボルネン 10重量部 イソプレンゴム 10重量部 カーボンブラック(SAF級) 65〜82重量部 亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 1重量部 老化防止剤 2重量部 石油樹脂 40重量部 オイル 10重量部 イオウ 2.5重量部 加硫促進剤 1重量部
【0011】本発明のゴム組成物は、シート状にして金
属板と積層され、積層方向と直交する方向の応力を吸収
するための振動吸収用構造物を構成するために用いられ
る。例えば、免震用ゴム積層体や、ダンパーと呼ばれる
振動吸収用補助構造物のゴム部分に用いられる。ゴムシ
ートと金属板は、如何なる積層形態であってもよく、ゴ
ムシート1枚を金属板2枚ではさんだサンドウィッチ構
造としてもよいし、複数枚のゴムシートと金属板とを交
互に積層した構造としてもよい。本発明のゴム組成物
は、例えば、ゴムシートと鋼板を積層した積層体からな
るブレースダンパーや、上下階の柱の間に設置される振
動吸収用の制振機に用いられるゴムシートとして好適に
用いることができる。ここで、ブレースダンパーとは、
建築物に耐震性と制震性を与えるために、建築物の架構
の層間に設けられるゴムと鋼板との積層体を構造に含む
ものであり、例えば、建築構造物の補強部材として斜方
向に張設され、安定板として鋼板等を用い、これとゴム
シートを強固に積層した構造物である。その形状や構造
は施工される建築物の大きさや形状、施工場所に応じて
種々のものが考えられ、特に限定されない。
【0012】図1に本発明のゴム組成物を好適に用いる
ことのできるブレースダンパー(以下、ダンパーと記
す)の1好適例を示す。図1は、ダンパー1の1好適例
の平面図である。この好適例に例示されるダンパー1で
は、ブラケット11と12との間に、鋼板とゴムシート
とを積層した積層部25からなる長尺物が固定されてい
る。ブラケット11、12と積層部25との間には、そ
れぞれ空間23、24が設けられている。ブラケット1
1は、積層部25の中央に設けられる積層部25より延
在する鋼板2と一体として形成される平面13と、それ
に直角に固着された平面14とにより構成される。積層
部25の最外層板(鋼板)9、10の両表面は、積層部
25の積層枚数に応じたスペーサー17、18を介して
ブラケット11の平面13にボルト・ナット21により
固定される。最外層板9、10と鋼板2に囲まれた、ス
ペーサー17、18と積層部25の間の空間が、前述の
空間23である。積層部25の中央の鋼板2はゴムシー
ト5、6と、ゴムシート5、6は鋼板3、4と、鋼板
3、4はゴムシート7、8と加硫接着されている。さら
にゴムシート7、8は、最外層板9、10と加硫接着さ
れている。平面13には、最外層板9、10がスペーサ
ー17、18を介してボルト・ナット21で固定されて
いる。積層部25のブラケット11と反対の端部から鋼
板3、4が延在し、鋼板3、4の端部はスペーサー1
9、20を介してブラケット12にボルト・ナット21
により固定されている。このブラケット12は、鋼板
3、4を固定する平面15と、それに直角に固着された
平面16とにより構成されている。積層部25とブラケ
ット12の間には空間24が設けられている。この空間
24と、前述の空間23は、共に、積層部25の中央の
鋼板2と他の鋼板3、4とゴムシート5、6、7、8と
の剪断変形を許容するために設けられている。このよう
に、積層部25の鋼板2と3、4は、積層部25から交
互にそれぞれ異なる側に延在し、ブラケット11、12
にそれぞれ固定され、ブラケット11、12それぞれの
動きに応じて振動することで、有効に振動のエネルギー
をゴムシート5〜8に伝えて、振動エネルギーを吸収、
消散する。ダンパーとしては、上記好適例に限定される
ことなく、交互に積層される鋼板、ゴムシートの枚数、
厚さ、大きさは、特に限定されず、適宜決定することが
できる。鋼板は、ダンパー内に安定板として用いるもの
で、従来公知の各種鋼板等が使用でき、特に限定される
ものではないが、例えば、一般構造用鋼板、冷間圧延鋼
板等が挙げられる。
【0013】本発明のゴム組成物は、上記特性を有し、
これより、低剛性で、歪み依存性、温度依存性が小さ
い。本発明のゴム組成物を、金属板との積層体として用
いる振動吸収用構造物、例えば、ブレースダンパーや柱
間に設置される制振機に用いられるゴムシートとして用
いると、振動吸収用構造物の剛性を低くすることがで
き、振動吸収用構造物と建築物との接合部に応力が集中
することが避けられる。このため、本発明のゴム組成物
を利用した振動吸収用構造物では接合部が座屈しにく
い。また、本発明のゴム組成物を用いた振動吸収用構造
物は減衰性が大きく、その減衰性および剛性は歪み依存
性、および、温度依存性が低く、広い適用範囲で優れた
制震性能を発揮する。従って、本発明のゴム組成物を用
いた振動吸収用構造物を使用した建築物は、かかる振動
吸収用構造物により、風等による小さな振動から、地震
等による大きな振動まで、安定した振動のエネルギーを
吸収、減衰することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1〜2、比較例1〜2)下記第1表に示す組成
でゴム組成物を調製した。ゴム組成物を148℃で45
分間加熱加硫し、加硫ゴムを得た。得られた加硫された
ゴム組成物について、下記の方法で、下記諸物性につい
て測定した。結果を第1表に示す。
【0015】(1)破断強度(TB )、破断伸び
(EB ) 、JIS−A硬度(Hs) 破断強度(TB )、破断伸び(EB ) 、JIS−A硬度
(Hs)を、JISK6251、JIS K6253に
記載の方法に準拠して測定した。 (2)ループ面積 測定温度20℃、引張速度100mm/minの条件
で、150%繰り返し伸張させ、5回目の、ゴム組成物
にかかる応力と、応力増加期の歪み、応力減少期の歪み
とから、ヒステリシスカーブを得、この結果よりループ
内の面積に相当するエネルギーロス分を算出しループ面
積[J]とした。 (3)20℃における150%モジュラス(M150 (2
0℃)) ゴム組成物を幅10mm、厚さ2mmの短冊状とし試験
用サンプルとした。引張試験機を用いて、測定温度20
℃、引張速度100mm/minの条件で、試験用サン
プルを5回150%繰り返し伸長させた際の5回目のモ
ジュラス[MPa]を測定した。 (4)20℃での複素弾性率(E* )と150%モジュ
ラスの比 JIS K 7198に記載の方法に準拠して、20℃
において、ゴム組成物に、振動数20Hzで10%の初
期伸長を加えた上で、±2%の変形(ひずみ)を加え、
粘弾性スペクトロメータを用いて測定した応力と変位と
から複素弾性率(E* )を求めた。この複素弾性率(E
* )と、(3)で求めた、20℃における150%モジ
ュラスとの比(20℃での複素弾性率(E* )/150
%モジュラス、表中、E* (20℃)/M150 (20
℃)と記す)の比を算出した。 (5)−10℃と20℃での複素弾性率(E* )の比 (4)に記載の方法と同様にして、−10℃、20℃に
おいて、ゴム組成物の複素弾性率を測定し、比(−10
℃における複素弾性率(E* )/20℃における複素弾
性率(E* )、表中、E* (−10℃)/E* (20
℃)と記す)を算出した。 (6)−10℃と20℃での150%モジュラスの比 (3)に記載の方法と同様にして、−10℃、20℃に
おいて、ゴム組成物の150%モジュラスを測定し、比
(−10℃における150%モジュラス/20℃におけ
る150%モジュラス、表中、M150 (−10℃)/M
150 (20℃)と記す)を算出した。
【0016】次に、実施例1〜2、比較例1〜2の組成
で未加硫ゴムシート(厚さ10mm)を作製し、鋼板
(100mm×100mm×20mm)2枚で挟んで重
ね合わせ、130℃で150分間加熱加硫接着し、積層
体サンプルを作製した。作製したサンプルを用いて、振
動吸収デバイス特性として、動的剪断弾性係数G、振動
吸収特性を測定した。 (7)動的剪断弾性係数G 上記サンプルを用いて、2軸剪断試験機による0.5H
z、3%、200%歪時の動的剪断弾性係数(表中、G
(3%)、G(200%)と記した)を測定した。単位
は[MPa]である。 <振動吸収特性>上記サンプルを用いて、2軸剪断試験
機による0.5Hz、200%歪時の等価減衰係数(C
eq(200%))[N・S/m ]、ならびに、等価減
衰定数(heq(200%))を求め振動吸収特性として
評価した。結果を第1表に併せて記す。
【0017】
【表1】
【0018】<表中の各成分> 天然ゴム(NR):STR20 ブタジエンゴム(BR):ウベポール−VCR、宇部興
産社製 ポリノルボルネン(NSX):NSX15AR、60重量
%油展品 日本ゼオン社製 液状IRゴム(L−IR):LIR−50、クラレ社製 カーボンブラック(C. B. 、SAF級):テストカー
ボン 亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学社製 ステアリン酸:LUNAC YA、花王社製 老化防止剤:ノクラック6C、大内新興化学社製 石油樹脂:エクスソロンV120(クマロンインデン樹
脂)新日鉄化学工業社製) オイル:出光興産社製 硫黄:粉末イオウ、軽井沢精練所製 加硫促進剤(CBS):ノクセラーCZ、大内新興化学
社製
【0019】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、減衰性が大き
く、低剛性で、歪み依存性、温度依存性が小さい。この
ような特性を有する本発明のゴム組成物を、金属板と積
層した積層体として用いた、振動吸収用構造物、例え
ば、ブレースダンパーや柱間に設置される制振機は、剛
性が低く、振動吸収用構造物と建築物との接合部に応力
が集中することを避けられる。このため、本発明のゴム
組成物を、金属板との積層体とし構成要素として使用し
た振動吸収用構造物では接合部が座屈しにくい。また、
本発明のゴム組成物を用いた、このような振動吸収用構
造物は、減衰性が大きく、その減衰性および剛性は歪み
依存性、および、温度依存性が低く、広い適用範囲で優
れた振動吸収性能を発揮する。従って、このような、本
発明のゴム組成物を用いた振動吸収用構造物を使用した
建築物は、かかる振動吸収用構造物により、風等による
小さな振動から、地震等による大きな振動まで、安定し
て振動のエネルギーを吸収、減衰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴム組成物をゴムシートとして用い
たブレースダンパーの1好適例の平面図である。
【符号の説明】
1 ダンパー 2〜4 鋼板 5〜8 ゴムシート 9、10 最外層板 11、12 ブラケット 13〜16 平面 17〜20 スペーサー 21、22 ボルト・ナット(ボルトとナット) 23、24 空間 25 積層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中北 一誠 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 3J048 AA01 BA08 EA38 3J059 AB01 AB11 BA43 BC06 BC19 GA42 4J002 AC01W AC03X AC064 AE055 BA015 CE003 DA036 DA048 DE107 EF059 FD030 FD150 GL00 GM00 GT00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板と積層され、積層方向と直交する方
    向の応力を吸収するための振動吸収用構造物を構成する
    ために用いられる、下記(1)〜(4)の条件を満たす
    ゴム組成物: (1)20℃、引張速度100mm/minでの150
    %繰り返し変形引張試験における5回目のヒステリシス
    カーブ内の面積(ループ面積)が ループ面積≧0.15J (2)20℃、引張速度100mm/minでの150
    %繰り返し変形引張試験における5回目のモジュラスが (20℃、150%変形時のモジュラス)≦1.00
    〔MPa〕 (3)振動数20Hz、振幅10±2%伸長での、20
    ℃での複素弾性率(E*)と、20℃、引張速度100
    mm/minでの150%繰り返し変形引張試験におけ
    る5回目のモジュラスとの比が、 (20℃、2%変形時の複素弾性率E* )/(20℃、
    150%変形時のモジュラス)≦25.00 (4)振動数20Hz、振幅10±2%伸長での、−1
    0℃と20℃での複素弾性率(E* )の比が、 (−10℃、2%変形時の複素弾性率E* )/(20
    ℃、2%変形時の複素弾性率E* )≦4.00 であり、引張速度100mm/minでの150%繰り
    返し変形引張試験における−10℃と20℃での5回目
    のモジュラスの比が、 (−10℃、150%変形時のモジュラス)/(20
    ℃、150%変形時のモジュラス)≦4.50。
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