JP2001199839A - 傾斜粉体及びそれを含有してなる組成物 - Google Patents

傾斜粉体及びそれを含有してなる組成物

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JP2001199839A JP2000008423A JP2000008423A JP2001199839A JP 2001199839 A JP2001199839 A JP 2001199839A JP 2000008423 A JP2000008423 A JP 2000008423A JP 2000008423 A JP2000008423 A JP 2000008423A JP 2001199839 A JP2001199839 A JP 2001199839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような屈折率を持つビヒクルを用いても
ソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈
折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散
透過率の高い粉体を提供することを課題とする。 【解決手段】 球状乃至は球状に近似した形状の粉体で
あって、シリカと金属元素1種以上とを含む複合酸化物
であり、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於け
る金属元素の割合とが異なっており、且つ、表面部と中
心部とに挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割合
が、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金
属元素の割合との間の値乃至は同一の値を取ることを特
徴とする、粉体を作成し、化粧料や塗料などの組成物に
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、塗料や化粧料の原
料に好適な粉体およびそれを含有する塗料や化粧料等の
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】光は現媒質から他の媒質に進入するとき
反射、吸収、透過する。一般的に媒質間の屈折率差が大
きい場合は屈折角が大きく反射の割合が多く、小さい場
合は屈折角が小さく透過の割合が大きい。加えて、他の
媒質の表面が凸凹で光の進入角度が一定しない場合は反
射の割合が更に増すことになる。即ち、ビヒクルと固体
との分散物において、もしビヒクルと固体との屈折率が
等しければ、この分散物は透明である。一方、人間の目
は物体から反射や透過された光を認知して、その物体の
形や色を知覚する。従って、どういう経過を辿った光が
目にはいるかによって形や色が異なって見える。また、
あらゆる産業において粉体は粉体単独で用いられること
は少なく、ほとんどの場合ビヒクルと共に用いられる。
例えば、塗料やインキの場合は皮膜物質や溶媒と共に、
化粧品の場合は油剤や水と共に、樹脂や繊維の場合は基
材に練り込んで、陶器やガラスの場合は釉薬等と共に熔
融して用いられる。この様な場合、出来上がった製品の
透明性はビヒクルと粉体との屈折率差によって異なるの
で、屈折率差は極めて重要な因子である。この様な状況
を更に詳述すると、ある粉体をビヒクルに分散させて膜
とした時、ビヒクルに入った光(入射光=I)は粉体に
当たり、一部は反射(全反射光=R)され、一部は透過
(全透過光=T)し、一部は吸収(全吸収光=K)され
る。膜内で、反射または透過した光は再び反射、透過、
吸収を繰り返えし、やがて膜の外へと出て行く。従っ
て、膜を透過する光は様々な方向を取ることになるが、
膜を真っ直ぐ透過する光(直進透過光=Td)と反射を
繰り返しながら透過する光(拡散透過光=Ts)に大別
される。これらを式で表すと、I=R+T+K(式
1)、T=Ts+Td(式2)で示される。
【0003】ところで、ビヒクルと単一化合物粉体単品
との分散物において、ビヒクルの屈折率と粉体の屈折率
とが等しくなるところが中間に来るように、ビヒクルの
屈折率を連続的に変化させた場合、屈折率が等しいとこ
ろで分散物は透明になるが、それよりもビヒクルの屈折
率が高いか低いとこるでは屈折率差に応じて不透明さが
増す。通常、透明なところでは式1におけるTの割合が
大きく、不透明さが増すに従ってTの割合が減少する。
一方、このときのTsは屈折率が等しい時、最低の値を
示し、屈折率差に応じて上昇し、或る屈折率差以降では
T=Tsとなる。これが単一化合物単品分散物の光学的
特徴である。もし、分散物において、粉体が屈折率の異
なる単一化合物AとBとの単なる混合物である場合は、
ビヒクルとAの屈折率を一致させても、Bのそれとは一
致せず、分散物は不透明である。この逆の場合もまた不
透明になり、完全に透明に成るビヒクルの屈折率は得ら
れない。
【0004】粉体をビヒクルに或る割合で混合して、分
散物を作製し、この分散物を膜にした時、膜が透明であ
れば、この膜を透かして向こう側が見えるはずである。
もし膜が完全不透明であれば向こう側は見えない。この
時、粉体とビヒクルとの屈折率差を適当にとれば膜を透
かして向こう側がはっきり見えるからぼんやり見える、
全く見えないまでの種々の膜の作製が可能である。この
ぼんやり見える膜の現象には、式1でTの割合が低下し
た場合とTの割合ははっきり見える時と殆ど変わらない
が式2のTsが高くなった場合とがある。前者は膜の透
過率が下がって透明性が損なわれるために見えにくくな
る現象で、後者は透過する光の殆どが拡散透過するため
に見えにくくなる現象である。この後者の現象はソフト
フォーカス効果と呼称されて、化粧品業界で認知され、
近年この原理を応用した化粧品が多数開発され、上市さ
れるようになった。即ち、肌の上に、光の全透過率が高
く且つ拡散透過率が高い化粧膜をつくり、肌そのものは
くっきり見えるが小じわを見えにくくする化粧品であ
る。ところで、化粧品、特にメークアップ化粧品、の剤
型では顔料や体質顔料を油剤、ワックス、有機高分子等
のビヒクルと伴に用いるのが一般的あるが、これらの剤
型で用いられる殆どの油剤、ワックスや有機高分子の屈
折率は1.4〜1.5の範囲にあり、一方体質顔料とし
て良く用いられるセリサイトやタルクの様な粘土粉体の
屈折率は1.6付近である。上述の小じわを見えにくく
する化粧品では体質顔料としてシリカが多用されている
が、これはシリカの屈折率が1.45付近にあり、粉体
としては唯一化粧品用ビヒクルの屈折率に近いためであ
る。即ち、上述の式1のTの割合を上げることが出来る
からである。
【0005】ところで、ソフトフォーカス効果はT=T
sとなる最低の屈折率差のとき最高の効果を示し、屈折
率差がこれより大きい時はTが低下し、小さい時はTs
が低下するので効果が上がらない。従って、ビヒクルの
屈折率はシリカのそれより若干高目か、低目にとる必要
が有る。例えば、シリカの屈折率を1.45とした場
合、ビヒクルの屈折率が、ビヒクル組成やシリカの大き
さによって異なるが、概ね1.45±0.01の時ソフ
トフォーカス効果は最高となる。ところが、化粧品を商
品化する場合は肌質や肌性の改善、良好な感触、色調等
といった基本的品質を満たさなければならないために、
種々の添加物を用いることとなり、ビヒクルの屈折率を
1.44乃至は1.46に調整することは不可能に近
い。従って、市販品のソフトフォーカス効果は光学的に
計算される効果の50%にも満たず、小じわを見えにくく
する効果が低いという問題点があった。このため、小じ
わを見えにくくする効果を上げる、即ち、ソフトフォー
カス効果を示す、ビヒクルと粉体との屈折率差の幅を広
げる試みがなされてきた。即ち、シリカと他の粉体を混
合して用い、ソフトフォーカス効果を示す屈折率差の範
囲を広げようとする試みである。しかしながら、これで
あると、前述のごとく、ビヒクルの屈折率がシリカのそ
れと同じ値の時、他の粉体の屈折率と一致せず、他の粉
体の屈折率に近い時、シリカの屈折率と一致せず、全透
過率を低下させてしまうので、どのような屈折率を持つ
ビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体の
開発が望まれていた。即ち、ビヒクルの屈折率がどのよ
うな値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い
粉体の開発が望まれていた。
【0006】一方、球状乃至は球状に近似した形状の粉
体であって、シリカと金属元素1種以上とを含む複合酸
化物であり、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に
於ける金属元素の割合とが異なっており、且つ、表面部
と中心部とに挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割
合が、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける
金属元素の割合との間の値乃至は同一の値を取ることを
特徴とする、粉体は全く知られておらず、従って、この
様な粉体が、どのような屈折率を持つビヒクルを用いて
もソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの
屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡
散透過率の高い粉体であることはまったく知られていな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下為されたものであり、どのような屈折率を持つビヒ
クルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体、即
ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過
率が高く且つ拡散透過率の高い粉体を提供することを課
題とする。
【0008】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑み、本発明者ら
は、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフト
フォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈折率が
どのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率
の高い粉体を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、球状
乃至は球状に近似した形状の粉体であって、シリカと金
属元素1種以上とを含む複合酸化物であり、表面部に於
ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合と
が異なっており、且つ、表面部と中心部とに挟まれる任
意の部分に於ける金属元素の割合が、表面部に於ける金
属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合との間の
値乃至は同一の値を取ることを特徴とする、粉体がその
様な粉体であることを見出し、発明を完成させるに至っ
た。即ち、本発明は以下の技術に関するものである。 (1)球状乃至は球状に近似した形状の粉体であって、
シリカと金属元素1種以上とを含む複合酸化物であり、
表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元
素の割合とが異なっており、且つ、表面部と中心部とに
挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割合が、表面部
に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割
合との間の値乃至は同一の値を取ることを特徴とする、
粉体。 (2)金属元素がチタニウム、ジルコニウム、アルミニ
ウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウ
ム、マンガン、亜鉛および鉄から選ばれる1種乃至は2
種以上である(1)に記載の粉体 (3)金属元素の割合が中心部から表面部へと1)単調
であって、2)段階的あるいは連続的に漸減または漸増
していることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の
粉体。 (4)球状乃至は球状に近似した粉体の平均直径が0.
5〜100μmであることを特徴とする、(1)〜
(3)の何れか一項に記載の粉体。 (5)液体または/および固体のビヒクルに分散させて
透過セルまたは膜化して光透過率を測定する通常の分光
透過率測定法において、全透過率=直進透過率+拡散透
過率とした時、拡散透過率の割合が多いことを特徴とす
る、(1)〜(4)の何れか一項に記載の粉体。 (6)(1)〜(5)の何れか一項に記載の粉体を含有
する、組成物。 (7)化粧料であることを特徴とする、(6)に記載の
組成物。 (8)水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマルション
に、内部に含有される珪酸以外の金属酸化物を構成す
る、金属元素の水溶性の塩から選ばれる1種乃至は2種
以上の水溶液を添加し、しかる後に焼成することを特徴
とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の粉体の製造
方法。 (9)水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマルション
に、珪酸以外の金属元素の水溶性の塩から選ばれる1種
乃至は2種以上の水溶液を添加し、しかる後に焼成して
得られた球状粉体。 以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明
を加える。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の粉体は、球状乃至は球状
に近似した形状の粉体であって、シリカと金属元素1種
以上とを含む複合酸化物であり、表面部に於ける金属元
素の割合と中心部に於ける金属元素の割合とが異なって
おり、且つ、表面部と中心部とに挟まれる任意の部分に
於ける金属元素の割合が、表面部に於ける金属元素の割
合と中心部に於ける金属元素の割合との間の値乃至は同
一の値を取ることを特徴とする。ここで、球状乃至は球
体に近似した形状とは、平均直径が0.5〜100μm
であって真球状乃至は球体からの歪みが長さにして、半
径の20%以下の角のないものを意味する。平均直径の
範囲は概ね光の波長の半分以上であって、視覚的に粒子
感を感ずる100μm以下、即ち0.5〜100μmが望
ましく、粒子感を殆ど感じない0.5〜50μmが更に
好ましい範囲である。
【0010】ここで、複合酸化物とはシリカと金属元素
1種以上とを含むことを特徴とする。金属元素はその化
合物の屈折率がシリカの屈折率よりも高いのでシリカの
屈折率を高目に調節するために用いられる。なかでもチ
タニウム、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、セリウム、マンガン、亜鉛
および鉄はその酸化物の屈折率がシリカよりも高く、且
つシリカと複合酸化物を造り易い元素として選択され、
複合酸化物の屈折率調整のために1種以上を併用して用
いることが出来る。これら金属元素の複合酸化物中での
総含有量は酸化物換算重量割合で0.05%〜40%が
好ましい範囲である。総含有量とは、本発明に係わる粉
体中では表面部と中心部との間で元素の分布が異なるた
め、粒子に含まれる金属元素の全量を指す。この値は、
後段で詳述するが、金属元素の珪酸塩を含む場合の好ま
しい範囲で、珪酸塩を含まない酸化物のみである場合
は、0.01%〜10重量%が好ましく、0.05%〜
5%が更に好ましい範囲である。
【0011】更にここで、複合酸化物とは、表面部に於
ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合と
が異なっており、且つ、表面部と中心部とに挟まれる任
意の部分に於ける金属元素の割合が、表面部に於ける金
属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合との間の
値乃至は同一の値を取ることを特徴とする。この特徴を
図を用いて以下に詳述する。、図1は本発明に係わる粉
体2例の断面模式図を例示したものであるが、この図に
おいて、円内黒点は金属元素分布を示し、Sは表面部、C
は中心部、Bは表面部と中心部とに挟まれた任意の部分
を示す。この図において、金属元素の含有割合はS部とC
部で異なっており、図1(イ)では金属元素の部分含有
割合がS部よりもC部のほうが多く(内高外低)、
(ロ)ではS部よりもC部の方が少ない(内低外高)。
即ち、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける
金属元素の割合とが異なる例を示す。更に、図1(イ)
ではC部からS部へと金属元素の含有割合が次第に少な
くなって行き、(ロ)ではC部からS部へと次第に多く
なって行き、C部とS部にはさまれたB部の任意の個所
の金属元素の含有割合はC部とS部のそれの間の値もし
くは同じ値をとっている。即ち、表面部と中心部とに挟
まれる任意の部分に於ける金属元素の割合が、表面部に
於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合
との間の値乃至は同一の値を取る、例を示す。本発明に
係わる粉体において、表面部と中心部とに挟まれる任意
の部分に於ける金属元素の含有割合が、1)単調な変化
であって、2)中心部から表面部へと段階的あるいは連
続的に漸減または漸増していることが更に望ましい状態
である。この様な粉体は、シリカ中にシリカと異なる屈
折率を持つ物質が段階的あるいは連続的に傾斜分布して
いる状態の粉体であり、粉体中の屈折率も傾斜分布す
る、いわば、傾斜粉体である。
【0012】この様な粉体を屈折率の異なるビヒクルに
分散させた分散物の光学的挙動を見ると、単一化合物の
分散物または2種の単一化合物の分散物と明らかに違っ
た挙動を示す。例えば、本発明の粉体の例として、シリ
カとアルミナの複合酸化物であって平均直径10μm、
中心部アルミナ含有割合2%、表面部アルミナ含有割合
O%、総アルミナ含有割合0.7%の粉体をとりあげ
て、これと上記の他の粉体を夫々屈折率の異なるビヒク
ルに粉体の容量%が等しくなる様に分散させた時の分散
物の光学的挙動を比較すると以下のごとくなる。まず平
均直径10μmの単一シリカ球状物の分散物はシリカと
同じ屈折率1.45を持つビヒクルの時、全透過率が1
00%となりこのときの拡散透過率は5%である、更に
ビヒクルの屈折率を1.45から1.45±0.01ま
で徐々に変化させると全透過率および拡散透過率とも大
幅に変化し、1.45±0.01の処で全透過率が80
%、拡散透過率が80%となる、ビヒクルの屈折率が
1.45±0.02のところでは全透過率60%、拡散
透過率60%であり、それ以外の屈折率では全透過率が
60%以下である。次に、平均直径10μmの単一シリ
カ球状物に平均粒子径0.05μmのアルミナ粉末を重
量で0.7%混合した混合物の分散物はビヒクルの屈折
率1.4〜1.5の範囲のどこでも全透過率30%、拡散
透過率30%である。これらに対して例示した本発明の
粉体はシリカと同じ屈折率1.45を持つビヒクルで全
透過率が96%となり、このときの拡散透過率は90%
である、更にビヒクルの屈折率を1.45から1.45
±0.01へと徐々に変化させた範囲では全透過率が9
0%、拡散透過率が90%となる、ビヒクルの屈折率が
1.45±0.01のところから全透過率が徐々に低下
し1.45±0.02のところでは80%となるが拡散透
過率はこの間80%である。この比較において明白の様
に本発明の粉体はビヒクルの屈折率が大きく変化しても
高い全透過率と高い拡散透過率とを保つことが出来る。
これは、本発明の粉体が屈折率傾斜しているために、光
が通過しやすく、全透過率が上がり、しかも粉体内部で
曲げられるために拡散透過率が高くなるからである。こ
の傾斜分布をシリカと異なる屈折率を持つ物質の半径方
向に対する傾斜度として表すならば、等差級数的、指数
関数的分布等様々な傾斜度が考えられる。本発明の粉体
はシリカと金属元素1種以上とを含む複合酸化物であ
り、この様な複合酸化物の結晶型は金属元素の酸化物、
金属元素の珪酸塩および両者の混在型をとるので、これ
らの酸化物および/または珪酸塩の総含有量と傾斜度が
粉体の屈折率を決定する。一方、本発明の粉体をビヒク
ルに分散させた分散物の全透過率および拡散透過率はビ
ヒクルの屈折率と粉体の屈折率とによって異なった値を
とる。従って、本発明の粉体において、好ましい透過率
および拡散透過率を達成するところの金属元素の総含有
量およびその傾斜度は種々存在し、一つに限定されるも
のではない。
【0013】本発明に係わる粉体の製造は種々の方法で
おこなわれる。多孔シリカに金属元素の塩を含浸させ、
焼成して塩を酸化物とし、その後、酸溶液によって酸化
物の一部を溶出させる方法、水ガラスと金属元素を添加
した酸とを反応させて金属元素を含有するシリカゲルを
形成させ、その後、酸溶液によって金属元素の一部を溶
出させる方法、水ガラスに金属元素の塩または/および
酸を添加して金属元素を含有するシリカゲルを形成させ
る際に、金属元素の塩または/および酸の比率を添加速
度に応じて変化させ、金属元素をグラ−ジェントをかけ
て含有させる方法、シリコンおよび金属元素のアルコキ
シドを加水分解して金属元素を含有するシリカゲルを形
成させ、その後、酸溶液によって金属元素の一部を溶出
させる方法、等種々の方法がある。またこれらの方法に
よって得られたものを焼成する際の温度は、金属元素の
種類に応じて、300℃〜1000℃程度で行えばよ
い。また、金属元素としてマンガンや鉄を用いれば着色
することも可能である。かくして得られたシリカと金属
元素1種以上とを含む本発明の複合酸化物粉体は、その
まま化粧料などの原料として使用することもできるし、
更に、このものを表面処理した後使用することもでき
る。この様な、表面処理としては、ポリ燐酸ナトリウム
などの燐酸塩被覆処理、ジメチコンやハイドロジェンメ
チルポリシロキサン等のシリコーンの焼き付け処理、フ
ッ化アルキル基導入処理、シランカップリング剤処理、
アシル化アミノ酸塩等のアミノ酸誘導体被覆処理、レシ
チン等のリン脂質被覆処理、ポリマーコーティング処理
等が例示できる。これらの処理は、常法に従って行えば
よい。
【0014】本発明の化粧料は、上記本発明の粉体を含
有することを特徴とする。本発明の化粧料としては、化
粧料であれば特段の限定なく適用することができ、例え
ば、クリームや乳液、サンケア製品などの基礎化粧料、
アンダーメークアップやファンデーション、チークカラ
ー、リップカラー、アイカラーなどのメークアップ化粧
料、ヘアカラー、ヘアクリーム等の毛髪用化粧料、シャ
ンプー、リンス、石鹸などの洗浄用化粧料等が例示で
き、これらの内では、落屑後痕、傷跡、皮溝や皮丘、毛
穴、小じわ等を見えにくくするために使用されるものに
適用するのが好ましく、クリームや乳液などの基礎化粧
料、リップカラーやファンデーションなどのメークアッ
プ化粧料などに適用するのが好ましい。又、本発明の粉
体が、着色可能であることから、寝化粧のようなナイト
メークアップ化粧料であることも好適である。本発明の
粉体の球状乃至は球状に近似した形状の粉体である特質
からは、カード型やペーパー型の化粧直し用メークアッ
プ料としても好適である。本発明の化粧料に於ける、上
記本発明の粉体の好ましい含有量は、1〜100重量%で
あり、更に好ましくは5〜60重量%である。本発明の
化粧料に於いては、上記本発明の粉体以外に、通常化粧
料で使用される任意成分を、本発明の効果を損ねない範
囲に於いて含有させることができる。かかる任意成分と
しては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワッ
クス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエ
ステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、
セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール
類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン
や1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イ
オン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活
性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の
増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体
類等が好ましく例示できる。これらの原料を常法に従っ
て処理することにより、本発明の化粧料は製造できる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明のついて更に
詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限
定を受けないことは、言うまでもない。
【0016】<実施例1>流動パラフィン500gに界
面活性剤を5g添加し、油相とする。別にオルト珪酸ソ
ーダ21gを水120mlに溶解させ、水相Aとする。
別に、硝酸亜鉛6水塩15.4gを2.5N塩酸100
mlに溶解させ水相Bとする。室温下油相に水相Aを加
え、W/O型エマルションを形成させ、これに水相Bを
滴下し、滴下後温度を60℃に保って1時間熟成させ
た。析出した沈殿をろ過、乾燥させ、この乾燥粉末1g
に対し50mlの割合で0.2N塩酸を加え室温で30
分酸洗いした。酸洗い後、液を中和してろ過、乾燥後、
650℃で焼成し、本発明の粉体1を9.7g得た。こ
の粉体は白色球状で平均粒径20μmであった。Zn含
有量は、ZnO換算で、総含有量20%(蛍光X線分
析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値
では中心部含有量40%、表面部含有量2%であった。Z
nの分布状態は指数関数型傾斜であった。
【0017】<実施例2>流動パラフィン500gに界
面活性剤を5g添加し、油相とする。別に、オルト珪酸
ソーダ21gを水120mlに溶解させ、水相Aとす
る。別に、塩化セリウム0.1gを水30mlに溶解さ
せ、水相Bとする。更に、3N塩酸90mlを用意し、
水相Cとする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エ
マルションを形成させ、これに水相Cを滴下した。この
過程で、水相Cが3ml減じたら1ml加えるという割
合で、水相Cへ水相Bを添加した。水相C及びBの全量
を滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成し、析出した
沈殿をろ過、乾燥し、650℃で焼成し、本発明の粉体
2を6.6g得た。この粉体は微黄色球状で平均粒径1μ
mであった。Ce含有量は、CeO2換算で、総含有量1
%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結
果からの計算値では中心部含有量0.1%、表面部含有
量1%であった。Ceの分布状態は等差級数型傾斜であ
った。
【0018】<実施例3>流動パラフィン500gに界面
活性剤を5g添加し、油相とする。別にメタ珪酸ソーダ
20.5gを水120mlに溶解させ、水相Aとする。
別に、硝酸カルシウム2水塩1.25gと塩化マグネシ
ウム6水塩1.5gを水30mlに溶解させ水[ポーラ
1]相Bとする。更に、3N塩酸90mlを用意し、水相
Cとする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エマル
ションを形成させ、これに水相Bを滴下した。この過程
で、水相Bが1ml減じたら水相Cを3ml加えるとい
う割合で水相Bへ水相Cを添加した。水相B及びCの全
量を滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成し、析出し
た沈殿をろ過、乾燥し、650℃で焼成し、本発明の粉
体3を4.8g得た。この粉体は白色球状で平均粒径5
μmであった。CaおよびMg含有量は、CaO+Mg
O換算で、総含有量30%(蛍光X線分析)、X線マイ
クロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有
量50%、表面部含有量20%であった。CaおよびM
gの分布状態は等差級数型傾斜であった。またCaOと
MgOの比は1対1であった。
【0019】<実施例4>流動パラフィン500gに界面
活性剤を5g添加し、油相とする。別に、メタ珪酸ソー
ダ27gを水90mlに溶解させ、水相Aとする。別
に、硫酸アルミニウム18水塩6.2gと硫酸第二鉄9
水塩1.25gを2N塩酸80mlに溶解させ、水相B
とする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エマルシ
ョンを形成させ、これに水相Bを滴下し、滴下後、温度
を60℃に保って1時間熟成させた。析出した沈殿をろ
過、乾燥させ、この乾燥粉末1gに対し50mlの割合
で0.3N塩酸を加え、室温で30分酸洗いした。酸洗
い後、液を中和してろ過、乾燥後、900℃で焼成し、
本発明の粉体4を4.3g得た。この粉体は微肌色球状で
平均粒径10μmであった。AlおよびFe含有量は、
Al2O3+Fe2O3換算で、総含有量4%(蛍光X
線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計
算値では中心部含有量3%、表面部含有量0.2%であ
った。AlおよびFeの分布状態は指数関数型傾斜であ
った。またAl2O3とFe2O3の比は19対1であ
った。
【0020】<実施例5>エタノール350mlへモノ
メチルトリエトキシシラン23gとチタンテトライソプ
ロポキシド1gを加え、これを一夜間環流し、アルコー
ル相とする。別にヘキサン150mlと水20gをそれ
ぞれ用意する。アルコール相にヘキサンを加え、温度6
0℃で、撹拌下、水を滴下した。滴下後、温度を60℃
に保って1時間熟成させた。析出した沈殿をデカンテー
ションによってアセトン→水へと溶媒置換し、濾過後、
更に1NH2SO4 300mlへ再分散させ室温で1
時間酸洗いした。酸洗い後、中和し、デカンテーション
洗浄、濾過、乾燥を行い、次いで1000℃で焼成し、
本発明の粉体5を8.5g得た。この粉体は白色球状で
平均粒径30μmであった。Ti含有量は、TiO2換算
で、総含有量0.5%(蛍光X線分析)、X線マイクロ
アナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量3
%、表面部含有量0%であった。Tiの分布状態は指数
関数型傾斜であった。
【0021】<実施例6>上記実施例1〜5の粉体1〜
5について透過率パターンを調べた。即ち、1ブロモナ
フタレン(屈折率=1.66)、スクワレン(屈折率=
1.496)、トリ2エチルヘキサン酸グリセリン(屈
折率=1.44)及びジメチルシリコーン(屈折率=
1.4)を適当に組み合わせて屈折率1.4〜1.66
の範囲で、屈折率が30段階に異なるビヒクルを作製
し、この各ビヒクルと粉体とを容量比で4:0.04に
成る様に混合し、超音波分散後、10mm×10mmセル
に入れて、分光光度計で透過率を測定した。全透過率測
定には積分球付き分光光度計を用い、拡散透過率測定は
積分球に入った光の直進光をキャンセルして行った。測
定波長は400、560、800nmを用いた。サンプ
ルは粉体1〜5の他、純度98%、平均粒径10μmの
球状シリカ粉体(比較1)を用いた。或るサンプルの或
る波長での全透過率および拡散透過率とビヒクルの屈折
率との関係をグラフ化すると、その典型的パターンは図
2の如く成る。この図より、全透過率の最高値をTma
x、拡散透過率の最低値をSmin、TmaxおよびSminが出
現するところの屈折率をn、nを中心にしてほぼ等間隔の
処でT=S=0.8となるところの屈折率範囲をNと
し、各サンプルについて、各波長ごとのTmax、Smin、
n及びNの値を表1に示した。これより、本発明の粉体
は、比較1と比較して、最高の全透過率を示すところの
屈折率が夫々異なり、全透過率が同程度で、拡散透過率
が高く、全透過率が高く且つ拡散透過率の高い範囲が広
い事が分かる。即ち、本発明の粉体は、比較1に比し
て、ビヒクルの屈折率の幅広い範囲でソフトフォーカス
効果を示す、ことがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】<実施例7>実施例1〜5の粉体1〜5を
膜化し、膜の下にあるものの形の見え難さ(非解像度)
を調べた。即ち、重質流動イソパラフィン(屈折率=
1.5)、メチルメタアクリレート(屈折率1.48)
及び蔗糖脂肪酸エステル(屈折率1.46)を皮膜剤と
して、各々の30容量%エチレングリコールモノエチル
エーテル溶液を作製し、この溶液と粉体を容量比2:
0.1の割合で混合し、超音波分散させ、この分散物を
0.5milのドクターブレードを用いてスライドガラス
上へ製膜した。この膜を室温以下で真空乾燥し、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルを揮発させて測定用の
膜とした。非解像度測定は、白色紙に間隔が0.1〜1
mmまで等差0.1で線を引いたテストパターンを用意
し、このテストパターン上に膜をのせて間隔が識別でき
る限界を判定することで行った。なお、テストパターン
は線が青と赤の2色を用意した。サンプルは実施例5と
同じ物を用いた。この測定結果を非解像度として表2に
示す、表中の値は線間の間隔が識別できる限界値であ
り、値が大きいほど形の判別がしにくい事を意味する。
ただし、膜が不透明になれば、当然ながら、判別がしに
くくなるので、線の色が変化しないことを条件とした。
この表において、比較1の値が空白になっているところ
があるが、これはこの領域で膜が不透明となり、線の色
が変化したためである.結果から明らかの様に、比較1
と比較して本発明の粉体の非解像度が非常に高くなって
いることが分かる。即ち、膜の下に在るものの形をぼか
してしまう、所謂ソフトフォーカス効果の高い事が分か
る。なお、TmaxとSminの出現するところの屈折率nを
境に屈折率が低い方では低波長側の、高い方では長波長
側の透過率が高くなる傾向があり、また、着色された粉
体ではその色の主波長以外の波長を吸収する傾向があ
る。これらの影響で皮膜剤の屈折率がnより高い場合ま
たは低い場合および粉体が着色されている場合で非解像
度が異なる。このことは本発明の粉体が、化粧料あるい
は塗装剤として用いられた場合に塗布対象の状況に応じ
て、豊富な選択肢を持っていることを意味する。
【0024】
【表2】
【0025】<実施例8>上記粉体1、粉体2および比
較1を、ソフトフォーカス粉体として、用いて下記に示
す処方に従って、夫々ファンデーションを作成した。即
ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱
し、イとロを混合し、良く混練りし、これをハを加えて
希釈し、ホを加え、ディスパーで分散させ、これにニを
徐々に加え乳化し、撹拌冷却し、ファンデーション1
(粉体1)、ファンデーション2(粉体2)およびファ
ンデーション6(比較1)を得た。なお、この処方から
ソフトフォーカス粉体、鉄ドープニ酸化チタン、ベンガ
ラ、黄酸化鉄、タルクを除いて作製した乳化物を室温以
下で真空乾燥した残り成分の屈折率は1.4831であ
った。 イ 70%マルチトース水溶液 5 重量部 グリセリン 1 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 メチルパラベン 0.2重量部 ロ トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部 ソルビタンセスキオレート 0.5重量部 ハ 流動パラフィン 10 重量部 重質流動イソパラフィン 7 重量部 パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 3 重量部 ニ 水 42.7重量部 ホ ソフトフォーカス粉体 15 重量部 鉄ドープ二酸化チタン 1.3重量部 ベンガラ 0.8重量部 黄色酸化鉄 1.5重量部 タルク 3 重量部
【0026】<実施例9>上記粉体3、粉体5および比
較1を、ソフトフォーカス粉体として、用いて下記に示
す処方に従って、夫々ファンデーションを作成した。即
ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱
し、イとロを混合し、良く混練りし、これをハを加えて
希釈し、ホを加え、ディスパーで分散させ、これにニを
徐々に加え乳化し、撹拌冷却し、ファンデーション3
(粉体3)、ファンデーション5(粉体5)およびファ
ンデーション7(比較1)を得た。なお、この処方から
ソフトフォーカス粉体、鉄ドープニ酸化チタン、ベンガ
ラ、黄酸化鉄、タルクを除いて作製した乳化物を室温以
下真空乾燥した残り成分の屈折率は1.423であっ
た。 イ 70%マルチトース水溶液 5 重量部 グリセリン 1 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 メチルパラベン 0.2重量部 ロ トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部 ソルビタンセスキオレート 0.5重量部 ハ スクワラン 4 重量部 トリ2エチルヘキサン酸グリセリン 8 重量部 ポリジメチルシリコーン 20CS 5 重量部 パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 3 重量部 ニ 水 42.7重量部 ホ ソフトフォーカス粉体 15 重量部 鉄ドープ二酸化チタン 1.3重量部 ベンガラ 0.8重量部 黄色酸化鉄 1.5重量部 タルク 3 重量部
【0027】<実施例10>実施例8、実施例9のファ
ンデーション1〜7を用いて、ファンデーションの透明
感および小じわや毛穴の見え難さを調べた。即ち、美容
部員の女性1名にファンデーション1〜7を用いて順次
化粧してもらい、この化粧し上がりを化粧品技術者7名
によって、透明感、小じわの見え難さおよび.毛穴の目
立ちにくさについて官能評価した。評価は10:非常に透
明感あり、非常に小じわが見え難い、全然毛穴が目立た
ない〜1:全然透明感がない、全然小じわが隠れない、
非常に毛穴が目立つ を対極として10段階で行った。
結果を平均評点として表3に示す。比較1を用いたファ
ンデーション6および7と比較して本発明の粉体が透明
性に優れ且つ小じわや毛穴を見えにくくする効果の高い
ことがわかる。またこの結果は、本発明の粉体に係わる
複合酸化物中の金属元素の分布状態、即ち、内高外低ま
たは内低外高および傾斜度にかかわらず等しく効果が高
い事を示している。しかしながら、粒子径は小さい方が
若干効果が高い事も示している。
【0028】
【表3】
【0029】<実施例10>下記に示す処方に従って、
ナイトクリームを作成した。即ち、イ、ロ、ハ、ニのそ
れぞれの成分を70℃に加熱し、イとロを混合し、良く
混練りし、これにハを加えて希釈し、ホを加え、ディス
パーで分散させ、これにニを徐々に加え乳化し、撹拌冷
却し、クリームを得た。このクリームは、通常のナイト
クリームと比べて小じわを隠す効果が高く、肌に淡い赤
味を与え、ナイトメークアップ効果を持ったナイトクリ
ームであった。 イ 70%マルチトース水溶液 5 重量部 グリセリン 3 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 メチルパラベン 0.2重量部 ロ トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部 ソルビタンセスキオレート 0.5重量部 ハ 軽質イソパラフィン 10 重量部 パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 5 重量部 ニ 水 51.6重量部 ヘパリン類似物質 0.1重量部 バクガコンのエッセンス 0.1重量部 エルヒビン 0.1重量部 コウキ抽出物BG 0.1重量部 プラセンターエキス 0.1重量部 グリコーゲン 0.1重量部 粉体4 5 重量部
【0030】<実施例12>上記粉体2の97重量部に
対して、ハイドロジェンメチルポリシロキサンの3重量
部をコーティングし、180℃で72時間焼成し、シリ
コーン処理された粉体6を得た。
【0031】<実施例13>下記に示す処方に従って、
ファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシ
ェルミキサーで混合し、これを0.9mm丸穴スクリー
ンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキ
サーで混合しながら、ロの成分を滴下しコーティングし
た。これを1mmヘリングボーンスクリーンを装着した
パルベライザーで粉砕し、金皿に詰め、加圧成形してフ
ァンデーションを得た。このものも小じわ隠し効果に優
れていた。 イ 粉体6 30 重量部 シリコーン処理鉄ドープ二酸化チタン 5 重量部 シリコーン処理マイカ 10 重量部 メチシロキサン網状重合体 5 重量部 ナイロンパウダー 10 重量部 シリコーン処理黄色酸化鉄 4 重量部 シリコーン処理ベンガラ 1 重量部 シリコーン処理セリサイト 5 重量部 シリコーン処理タルク 10 重量部 ロ オレイン酸オクチルドデシル 10 重量部 高重合度シリコーン 5 重量部 ジメチコン 5 重量部
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、どのような屈折率を持
つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉
体、即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても
全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 傾斜粉体の模式図を示す図である。
【図2】 実施例6の測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01F 7/00 C01F 7/00 C 11/00 11/00 17/00 17/00 B C09C 1/00 C09C 1/00 1/28 1/28 // C08K 3/08 C08K 3/08 3/36 3/36 7/18 7/18 9/00 9/00 C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4C083 AA072 AA112 AB171 AB172 AB211 AB212 AB221 AB232 AB241 AB242 AB432 AC012 AC022 AC122 AC422 AC442 AC482 AC582 AD072 AD152 AD162 AD172 AD212 AD242 AD702 BB25 CC05 CC12 EE07 FF01 4G072 AA35 BB05 DD03 DD04 DD05 GG02 HH21 HH30 JJ28 JJ30 JJ46 LL06 LL11 LL15 MM21 MM22 MM24 MM31 MM36 RR06 RR12 SS01 SS04 TT01 TT30 UU30 4G076 AA02 AA18 AB01 BA22 BA42 CA03 DA15 4J002 AE031 AE051 DA096 DA106 DA116 DJ016 EC067 EF057 FA086 FB016 FD058 FD078 FD098 FD188 FD318 FD338 GB00 GH01 4J037 AA08 AA09 AA10 AA11 AA15 AA18 AA25 DD05 EE08 EE26 EE28 EE43 FF02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状乃至は球状に近似した形状の粉体で
    あって、シリカと金属元素1種以上とを含む複合酸化物
    であり、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於け
    る金属元素の割合とが異なっており、且つ、表面部と中
    心部とに挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割合
    が、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金
    属元素の割合との間の値乃至は同一の値を取ることを特
    徴とする、粉体。
  2. 【請求項2】 金属元素がチタニウム、ジルコニウム、
    アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、
    セリウム、マンガン、亜鉛および鉄から選ばれる1種乃
    至は2種以上である請求項1に記載の粉体
  3. 【請求項3】 金属元素の割合が中心部から表面部へと
    1)単調であって、2)段階的あるいは連続的に漸減ま
    たは漸増していることを特徴とする、請求項1又は2に
    記載の粉体。
  4. 【請求項4】 球状乃至は球状に近似した粉体の平均直
    径が0.5〜100μmであることを特徴とする、請求
    項1〜3の何れか一項に記載の粉体。
  5. 【請求項5】 液体または/および固体のビヒクルに分
    散させて透過セルまたは膜化して光透過率を測定する通
    常の分光透過率測定法において、全透過率=直進透過率
    +拡散透過率とした時、拡散透過率の割合が多いことを
    特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の粉体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載の粉体
    を含有する、組成物。
  7. 【請求項7】 化粧料であることを特徴とする、請求項
    6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマ
    ルションに、内部に含有される珪酸以外の金属酸化物を
    構成する、金属元素の水溶性の塩から選ばれる1種乃至
    は2種以上の水溶液を添加し、しかる後に焼成すること
    を特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の粉体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマ
    ルションに、珪酸以外の金属元素の水溶性の塩から選ば
    れる1種乃至は2種以上の水溶液を添加し、しかる後に
    焼成して得られた球状粉体。
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