JP4171151B2 - 化粧料用粉体、化粧料及び化粧料用粉体の製造方法 - Google Patents

化粧料用粉体、化粧料及び化粧料用粉体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、化粧料の原料に好適な化粧料用粉体、およびそれを含有する化粧料、さらに化粧料用粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光は現媒質から他の媒質に進入するとき反射、吸収、透過する。一般的に媒質間の屈折率差が大きい場合は屈折角が大きく反射の割合が多く、小さい場合は屈折角が小さく透過の割合が大きい。加えて、他の媒質の表面が凸凹で光の進入角度が一定しない場合は反射の割合が更に増すことになる。即ち、ビヒクルと固体との分散物において、もしビヒクルと固体との屈折率が等しければ、この分散物は透明である。一方、人間の目は物体から反射や透過された光を認知して、その物体の形や色を知覚する。従って、どういう経過を辿った光が目にはいるかによって形や色が異なって見える。また、あらゆる産業において粉体は粉体単独で用いられることは少なく、ほとんどの場合ビヒクルと共に用いられる。例えば、塗料やインキの場合は皮膜物質や溶媒と共に、化粧品の場合は油剤や水と共に、樹脂や繊維の場合は基材に練り込んで、陶器やガラスの場合は釉薬等と共に熔融して用いられる。この様な場合、出来上がった製品の透明性はビヒクルと粉体との屈折率差によって異なるので、屈折率差は極めて重要な因子である。この様な状況を更に詳述すると、ある粉体をビヒクルに分散させて膜とした時、ビヒクルに入った光(入射光=I)は粉体に当たり、一部は反射(全反射光=R)され、一部は透過(全透過光=T)し、一部は吸収(全吸収光=K)される。膜内で、反射または透過した光は再び反射、透過、吸収を繰り返えし、やがて膜の外へと出て行く。従って、膜を透過する光は様々な方向を取ることになるが、膜を真っ直ぐ透過する光(直進透過光=Td)と反射を繰り返しながら透過する光(拡散透過光=Ts)に大別される。これらを式で表すと、I=R+T+K(式1)、T=Ts+Td(式2)で示される。
【0003】
ところで、ビヒクルと単一化合物粉体単品との分散物において、ビヒクルの屈折率と粉体の屈折率とが等しくなるところが中間に来るように、ビヒクルの屈折率を連続的に変化させた場合、屈折率が等しいところで分散物は透明になるが、それよりもビヒクルの屈折率が高いか低いとこるでは屈折率差に応じて不透明さが増す。通常、透明なところでは式1におけるTの割合が大きく、不透明さが増すに従ってTの割合が減少する。一方、このときのTsは屈折率が等しい時、最低の値を示し、屈折率差に応じて上昇し、或る屈折率差以降ではT=Tsとなる。これが単一化合物単品分散物の光学的特徴である。もし、分散物において、粉体が屈折率の異なる単一化合物AとBとの単なる混合物である場合は、ビヒクルとAの屈折率を一致させても、Bのそれとは一致せず、分散物は不透明である。この逆の場合もまた不透明になり、完全に透明に成るビヒクルの屈折率は得られない。
【0004】
粉体をビヒクルに或る割合で混合して、分散物を作製し、この分散物を膜にした時、膜が透明であれば、この膜を透かして向こう側が見えるはずである。もし膜が完全不透明であれば向こう側は見えない。この時、粉体とビヒクルとの屈折率差を適当にとれば膜を透かして向こう側がはっきり見えるからぼんやり見える、全く見えないまでの種々の膜の作製が可能である。このぼんやり見える膜の現象には、式1でTの割合が低下した場合とTの割合ははっきり見える時と殆ど変わらないが式2のTsが高くなった場合とがある。前者は膜の透過率が下がって透明性が損なわれるために見えにくくなる現象で、後者は透過する光の殆どが拡散透過するために見えにくくなる現象である。この後者の現象はソフトフォーカス効果と呼称されて、化粧品業界で認知され、近年この原理を応用した化粧品が多数開発され、上市されるようになった。即ち、肌の上に、光の全透過率が高く且つ拡散透過率が高い化粧膜をつくり、肌そのものはくっきり見えるが小じわを見えにくくする化粧品である。ところで、化粧品、特にメークアップ化粧品、の剤型では顔料や体質顔料を油剤、ワックス、有機高分子等のビヒクルと伴に用いるのが一般的あるが、これらの剤型で用いられる殆どの油剤、ワックスや有機高分子の屈折率は1.4〜1.5の範囲にあり、一方体質顔料として良く用いられるセリサイトやタルクの様な粘土粉体の屈折率は1.6付近である。上述の小じわを見えにくくする化粧品では体質顔料としてシリカが多用されているが、これはシリカの屈折率が1.45付近にあり、粉体としては唯一化粧品用ビヒクルの屈折率に近いためである。即ち、上述の式1のTの割合を上げることが出来るからである。
【0005】
ところで、ソフトフォーカス効果はT=Tsとなる最低の屈折率差のとき最高の効果を示し、屈折率差がこれより大きい時はTが低下し、小さい時はTsが低下するので効果が上がらない。従って、ビヒクルの屈折率はシリカのそれより若干高目か、低目にとる必要が有る。例えば、シリカの屈折率を1.45とした場合、ビヒクルの屈折率が、ビヒクル組成やシリカの大きさによって異なるが、概ね1.45±0.01の時ソフトフォーカス効果は最高となる。ところが、化粧品を商品化する場合は肌質や肌性の改善、良好な感触、色調等といった基本的品質を満たさなければならないために、種々の添加物を用いることとなり、ビヒクルの屈折率を1.44乃至は1.46に調整することは不可能に近い。従って、市販品のソフトフォーカス効果は光学的に計算される効果の50%にも満たず、小じわを見えにくくする効果が低いという問題点があった。このため、小じわを見えにくくする効果を上げる、即ち、ソフトフォーカス効果を示す、ビヒクルと粉体との屈折率差の幅を広げる試みがなされてきた。即ち、シリカと他の粉体を混合して用い、ソフトフォーカス効果を示す屈折率差の範囲を広げようとする試みである。しかしながら、これであると、前述のごとく、ビヒクルの屈折率がシリカのそれと同じ値の時、他の粉体の屈折率と一致せず、他の粉体の屈折率に近い時、シリカの屈折率と一致せず、全透過率を低下させてしまうので、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体の開発が望まれていた。即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体の開発が望まれていた。
【0006】
一方、球状乃至は球状に近似した形状の粉体であって、シリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、且つ該複合酸化物中における金属元素の分布状態が特定の分布状態である粉体は全く知られておらず、従って、この様な粉体が、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体であることはまったく知られていなかった。ここで、球状乃至は球状に近似した形状とは、真球状乃至は球体からの歪みが長さにして、半径の20%以下の角のないものを意味する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑み、本発明者らは、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、球状乃至は球状に近似した形状の粉体であって、シリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、且つ該複合酸化物中における金属元素の分布状態が特定の分布状態である粉体がその様な粉体であることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の技術に関するものである。
(1)真球状乃至は球体からの歪みが長さにして半径の20%以下の角のない形状の粉体であって、該粉体はシリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、且つ該複合酸化物中における金属元素が中心部から表面部へと1)単調であって、2)段階的あるいは連続的に漸減または漸増して分布している(但し、表面部に金属元素が分布していない場合を含む)ことを特徴とする、化粧料用粉体。
(2)金属元素がチタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、マンガン、亜鉛および鉄から選ばれる1種乃至は2種以上である(1)に記載の化粧料用粉体。
(3)粉体の平均直径が0.5〜100μmであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料用粉体。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載の化粧料用粉体を含有することを特徴とする、化粧料。
(5)水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマルションに、内部に含有される珪酸以外の金属酸化物を構成する、金属元素の水溶性の塩から選ばれる1種乃至は2種以上の水溶液を添加し、しかる後に焼成することを特徴とする、(1)〜(3)の何れか1項に記載の化粧料用粉体の製造方法。
以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明を加える。なお、「本発明の粉体」とは、「本発明の化粧料用粉体」のことを意味するものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の粉体は、真球状乃至は球体からの歪みが長さにして半径の20%以下の角のない形状の粉体であって、該粉体はシリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、且つ該複合酸化物中における金属元素が中心部から表面部へと1)単調であって、2)段階的あるいは連続的に漸減または漸増して分布している(但し、表面部に金属元素が分布していない場合を含む)ことを特徴とする。ここで、粉体の平均直径の範囲は概ね光の波長の半分以上であって、視覚的に粒子感を感ずる100μm以下、即ち0.5〜100μmが望ましく、粒子感を殆ど感じない0.5〜50μmが更に好ましい範囲である。
【0010】
ここで、複合酸化物はシリカと金属元素1種以上とからなることを特徴とする。金属元素はその化合物の屈折率がシリカの屈折率よりも高いのでシリカの屈折率を高目に調節するために用いられる。なかでもチタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、マンガン、亜鉛および鉄はその酸化物の屈折率がシリカよりも高く、且つシリカと複合酸化物を造り易い元素として選択され、複合酸化物の屈折率調整のために1種以上を併用して用いることが出来る。これら金属元素の複合酸化物中での総含有量は酸化物換算重量割合で0.05%〜40%が好ましい範囲である。総含有量とは、本発明の粉体中では表面部と中心部との間で元素の分布が異なるため、粒子に含まれる金属元素の全量を指す。この値は、後段で詳述するが、金属元素の珪酸塩を含む場合の好ましい範囲で、珪酸塩を含まない酸化物のみである場合は、0.01%〜10重量%が好ましく、0.05%〜5%が更に好ましい範囲である。
【0011】
更にここで、複合酸化物中における金属元素は、中心部から表面部へと1)単調であって、2)段階的あるいは連続的に漸減または漸増して分布している(但し、表面部に金属元素が分布していない場合を含む)ことを特徴とする。その結果として、複合酸化物の表面部に於ける金属元素の割合(表面部の重量に対する、表面部に於ける金属元素の重量の割合、以下同様)と中心部に於ける金属元素の割合(中心部の重量に対する、中心部に於ける金属元素の重量の割合、以下同様)とが異なっており、且つ、表面部と中心部とに挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割合(表面部と中心部とに挟まれる任意の部分の重量に対する、前記任意の部分に於ける金属元素の重量の割合、以下同様)が、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合との間の値乃至は同一の値を取るという特徴を有する。この特徴を図を用いて以下に詳述する。図1は本発明に係わる粉体2例の断面模式図を例示したものであるが、この図において、円内黒点は金属元素分布を示し、Sは表面部、Cは中心部、Bは表面部と中心部とに挟まれた任意の部分を示す。この図において、金属元素の含有割合はS部とC部で異なっており、図1(イ)では金属元素の部分含有割合がS部よりもC部のほうが多く(内高外低)、(ロ)ではS部よりもC部の方が少ない(内低外高)。即ち、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合とが異なる例を示す。更に、図1(イ)ではC部からS部へと金属元素の含有割合が次第に少なくなって行き、(ロ)ではC部からS部へと次第に多くなって行き、C部とS部にはさまれたB部の任意の個所の金属元素の含有割合はC部とS部のそれの間の値もしくは同じ値をとっている。即ち、表面部と中心部とに挟まれる任意の部分に於ける金属元素の割合が、表面部に於ける金属元素の割合と中心部に於ける金属元素の割合との間の値乃至は同一の値を取る、例を示している。この様な粉体は、シリカ中にシリカと異なる屈折率を持つ物質が段階的あるいは連続的に傾斜分布している状態の粉体であり、粉体中の屈折率も傾斜分布する、いわば、傾斜粉体である。
【0012】
この様な粉体を屈折率の異なるビヒクルに分散させた分散物の光学的挙動を見ると、単一化合物の分散物または2種の単一化合物の分散物と明らかに違った挙動を示す。例えば、本発明の粉体の例として、シリカとアルミナの複合酸化物であって平均直径10μm、中心部アルミナ含有割合(中心部の重量に対する、中心部に含有するアルミナの重量の割合)重量%、表面部アルミナ含有割合(表面部の重量に対する、表面部に含有するアルミナの重量の割合)0重量%、総アルミナ含有割合(複合酸化物の重量に対する、複合酸化物に含有するアルミナの総重量の割合)0.7重量%の粉体をとりあげて、これと上記の他の粉体を夫々屈折率の異なるビヒクルに粉体の容量%が等しくなる様に分散させた時の分散物の光学的挙動を比較すると以下の如くなる。まず平均直径10μmの単一シリカ球状物の分散物は、シリカと同じ屈折率1.45を持つビヒクルの時、全透過率が100%となり、このときの拡散透過率は5%である。に、ビヒクルの屈折率を1.45から1.45±0.01まで徐々に変化させると全透過率および拡散透過率とも大幅に変化し、1.45±0.01の処で全透過率が80%、拡散透過率が80%となる。ビヒクルの屈折率が1.45±0.02のところでは全透過率60%、拡散透過率60%であり、それ以外の屈折率では全透過率が60%以下である。次に、平均直径10μmの単一シリカ球状物に平均粒子径0.05μmのアルミナ粉末を0.7重量%混合した混合物の分散物は、ビヒクルの屈折率1.4〜1.5の範囲のどこでも全透過率30%、拡散透過率30%である。これらに対して例示した本発明の粉体はシリカと同じ屈折率1.45を持つビヒクルで全透過率が96%となり、このときの拡散透過率は90%である。更にビヒクルの屈折率を1.45から1.45±0.01へと徐々に変化させた範囲では全透過率が90%、拡散透過率が90%となる。ビヒクルの屈折率が1.45±0.01のところから全透過率が徐々に低下し1.45±0.02のところでは80%となるが、拡散透過率はこの間80%である。この比較において明白に、本発明の粉体はビヒクルの屈折率が大きく変化しても高い全透過率と高い拡散透過率とを保つことが出来る。これは、本発明の粉体が屈折率傾斜しているために、光が通過しやすく、全透過率が上がり、しかも粉体内部で曲げられるために拡散透過率が高くなるからである。この傾斜分布をシリカと異なる屈折率を持つ物質の半径方向に対する傾斜度として表すならば、等差級数的、指数関数的分布等様々な傾斜度が考えられる。本発明の粉体はシリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、この様な複合酸化物の結晶型は金属元素の酸化物、金属元素の珪酸塩および両者の混在型をとるので、これらの酸化物および/または珪酸塩の総含有量と傾斜度が粉体の屈折率を決定する。一方、本発明の粉体をビヒクルに分散させた分散物の全透過率および拡散透過率はビヒクルの屈折率と粉体の屈折率とによって異なった値をとる。従って、本発明の粉体において、好ましい透過率および拡散透過率を達成するところの金属元素の総含有量およびその傾斜度は種々存在し、一つに限定されるものではない。
【0013】
本発明粉体の製造は種々の方法で行われる。多孔シリカに金属元素の塩を含浸させ、焼成して塩を酸化物とし、その後、酸溶液によって酸化物の一部を溶出させる方法、水ガラスと金属元素を添加した酸とを反応させて金属元素を含有するシリカゲルを形成させ、その後、酸溶液によって金属元素の一部を溶出させる方法、水ガラスに金属元素の塩または/および酸を添加して金属元素を含有するシリカゲルを形成させる際に、金属元素の塩または/および酸の比率を添加速度に応じて変化させ、金属元素をグラ−ジェントをかけて含有させる方法、シリコンおよび金属元素のアルコキシドを加水分解して金属元素を含有するシリカゲルを形成させ、その後、酸溶液によって金属元素の一部を溶出させる方法、等種々の方法がある。またこれらの方法によって得られたものを焼成する際の温度は、金属元素の種類に応じて、300℃〜1000℃程度で行えばよい。また、金属元素としてマンガンや鉄を用いれば着色することも可能である。かくして得られたシリカと金属元素1種以上とからなる本発明の粉体は、そのまま化粧料などの原料として使用することもできるし、更に、このものを表面処理した後使用することもできる。この様な、表面処理としては、ポリ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩被覆処理、ジメチコンやハイドロジェンメチルポリシロキサン等のシリコーンの焼き付け処理、フッ化アルキル基導入処理、シランカップリング剤処理、アシル化アミノ酸塩等のアミノ酸誘導体被覆処理、レシチン等のリン脂質被覆処理、ポリマーコーティング処理等が例示できる。これらの処理は、常法に従って行えばよい。
【0014】
本発明の化粧料は、上記本発明の粉体を含有することを特徴とする。本発明の化粧料としては、化粧料であれば特段の限定なく適用することができ、例えば、クリームや乳液、サンケア製品などの基礎化粧料、アンダーメークアップやファンデーション、チークカラー、リップカラー、アイカラーなどのメークアップ化粧料、ヘアカラー、ヘアクリーム等の毛髪用化粧料、シャンプー、リンス、石鹸などの洗浄用化粧料等が例示でき、これらの内では、落屑後痕、傷跡、皮溝や皮丘、毛穴、小じわ等を見えにくくするために使用されるものに適用するのが好ましく、クリームや乳液などの基礎化粧料、リップカラーやファンデーションなどのメークアップ化粧料などに適用するのが好ましい。又、本発明の粉体が、着色可能であることから、寝化粧のようなナイトメークアップ化粧料であることも好適である。本発明の粉体球状乃至は球状に近似した形状の粉体である特質からは、カード型やペーパー型の化粧直し用メークアップ料としても好適である。本発明の化粧料に於ける、上記本発明の粉体の好ましい含有量は、1〜100重量%であり、更に好ましくは5〜60重量%である。本発明の化粧料に於いては、上記本発明の粉体以外に、通常化粧料で使用される任意成分を、本発明の効果を損ねない範囲に於いて含有させることができる。かかる任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示できる。これらの原料を常法に従って処理することにより、本発明の化粧料は製造できる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明ついて更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは、言うまでもない。
【0016】
<実施例1>
流動パラフィン500gに界面活性剤を5g添加し、油相とする。別にオルト珪酸ソーダ21gを水120mlに溶解させ、水相Aとする。別に、硝酸亜鉛6水塩15.4gを2.5N塩酸100mlに溶解させ水相Bとする。室温下油相に水相Aを加え、W/O型エマルションを形成させ、これに水相Bを滴下し、滴下後温度を60℃に保って1時間熟成させた。析出した沈殿をろ過、乾燥させ、この乾燥粉末1gに対し50mlの割合で0.2N塩酸を加え室温で30分酸洗いした。酸洗い後、液を中和してろ過、乾燥後、650℃で焼成し、本発明の粉体1を9.7g得た。この粉体は白色球状で平均粒径20μmであった。Zn含有量は、ZnO換算で、総含有量(粉体の重量に対する、粉体に含有する金属元素を酸化物に換算した場合の金属酸化物の重量の割合、以下、実施例2〜5において同様)20%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量(中心部の重量に対する、中心部に含有する金属元素を酸化物に換算した場合の金属酸化物の重量の割合、以下、実施例2〜5において同様)40%、表面部含有量(表面部の重量に対する、表面部に含有する金属元素を酸化物に換算した場合の金属酸化物の重量の割合、以下、実施例2〜5において同様)2%であった。Znの分布状態は指数関数型傾斜であった。
【0017】
<実施例2>
流動パラフィン500gに界面活性剤を5g添加し、油相とする。別に、オルト珪酸ソーダ21gを水120mlに溶解させ、水相Aとする。別に、塩化セリウム0.1gを水30mlに溶解させ、水相Bとする。更に、3N塩酸90mlを用意し、水相Cとする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エマルションを形成させ、これに水相Cを滴下した。この過程で、水相Cが3ml減じたら1ml加えるという割合で、水相Cへ水相Bを添加した。水相C及びBの全量を滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成し、析出した沈殿をろ過、乾燥し、650℃で焼成し、本発明の粉体2を6.6g得た。この粉体は微黄色球状で平均粒径1μmであった。Ce含有量は、CeO2換算で、総含有量1%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量0.1%、表面部含有量1%であった。Ceの分布状態は等差級数型傾斜であった。
【0018】
<実施例
流動パラフィン500gに界面活性剤を5g添加し、油相とする。別にメタ珪酸ソーダ20.5gを水120mlに溶解させ、水相Aとする。別に、硝酸カルシウム2水塩1.25gと塩化マグネシウム6水塩1.5gを水30mlに溶解させ水相Bとする。更に、3N塩酸90mlを用意し、水相Cとする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エマルションを形成させ、これに水相Bを滴下した。この過程で、水相Bが1ml減じたら水相Cを3ml加えるという割合で水相Bへ水相Cを添加した。水相B及びCの全量を滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成し、析出した沈殿をろ過、乾燥し、650℃で焼成し、本発明の粉体3を4.8g得た。この粉体は白色球状で平均粒径5μmであった。CaおよびMg含有量は、CaO+MgO換算で、総含有量30%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量50%、表面部含有量20%であった。CaおよびMgの分布状態は等差級数型傾斜であった。またCaOとMgOの比は1対1であった。
【0019】
<実施例
流動パラフィン500gに界面活性剤を5g添加し、油相とする。別に、メタ珪酸ソーダ27gを水90mlに溶解させ、水相Aとする。別に、硫酸アルミニウム18水塩6.2gと硫酸第二鉄9水塩1.25gを2N塩酸80mlに溶解させ、水相Bとする。室温下油相に水相Aを加えてW/O型エマルションを形成させ、これに水相Bを滴下し、滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成させた。析出した沈殿をろ過、乾燥させ、この乾燥粉末1gに対し50mlの割合で0.3N塩酸を加え、室温で30分酸洗いした。酸洗い後、液を中和してろ過、乾燥後、900℃で焼成し、本発明の粉体4を4.3g得た。この粉体は微肌色球状で平均粒径10μmであった。AlおよびFe含有量は、Al2O3+Fe2O3換算で、総含有量%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量3%、表面部含有量0.2%であった。AlおよびFeの分布状態は指数関数型傾斜であった。またAl2O3とFe2O3の比は19対1であった。
【0020】
<実施例5>
エタノール350mlへモノメチルトリエトキシシラン23gとチタンテトライソプロポキシド1gを加え、これを一夜間環流し、アルコール相とする。別にヘキサン150mlと水20gをそれぞれ用意する。アルコール相にヘキサンを加え、温度60℃で、撹拌下、水を滴下した。滴下後、温度を60℃に保って1時間熟成させた。析出した沈殿をデカンテーションによってアセトン→水へと溶媒置換し、濾過後、更に1NH2SO4 300mlへ再分散させ室温で1時間酸洗いした。酸洗い後、中和し、デカンテーション洗浄、濾過、乾燥を行い、次いで1000℃で焼成し、本発明の粉体5を8.5g得た。この粉体は白色球状で平均粒径30μmであった。Ti含有量は、TiO2換算で、総含有量0.5%(蛍光X線分析)、X線マイクロアナライザー分析結果からの計算値では中心部含有量3%、表面部含有量0%であった。Tiの分布状態は指数関数型傾斜であった。
【0021】
<実施例6>
上記実施例1〜5の粉体1〜5について透過率パターンを調べた。即ち、1ブロモナフタレン(屈折率=1.66)、スクワレン(屈折率=1.496)、トリ2エチルヘキサン酸グリセリン(屈折率=1.44)及びジメチルシリコーン(屈折率=1.4)を適当に組み合わせて屈折率1.4〜1.66の範囲で、屈折率が30段階に異なるビヒクルを作製し、この各ビヒクルと粉体とを容量比で4:0.04に成る様に混合し、超音波分散後、10mm×10mmセルに入れて、分光光度計で透過率を測定した。全透過率測定には積分球付き分光光度計を用い、拡散透過率測定は積分球に入った光の直進光をキャンセルして行った。測定波長は400、560、800nmを用いた。サンプルは粉体1〜5の他、純度98%、平均粒径10μmの球状シリカ粉体(比較1)を用いた。或るサンプルの或る波長での全透過率および拡散透過率とビヒクルの屈折率との関係をグラフ化すると、その典型的パターンは図2の如く成る。この図より、全透過率の最高値をTmax、拡散透過率の最低値をSmin、TmaxおよびSminが出現するところの屈折率をn、nを中心にしてほぼ等間隔の処でT=S=0.8となるところの屈折率範囲をNとし、各サンプルについて、各波長ごとのTmax、Smin、n及びNの値を表1に示した。これより、本発明の粉体は、比較1と比較して、最高の全透過率を示すところの屈折率が夫々異なり、全透過率が同程度で、拡散透過率が高く、全透過率が高く且つ拡散透過率の高い範囲が広い事が分かる。即ち、本発明の粉体は、比較1に比して、ビヒクルの屈折率の幅広い範囲でソフトフォーカス効果を示す、ことがわかる。
【0022】
【表1】
Figure 0004171151
【0023】
<実施例7>
実施例1〜5の粉体1〜5を膜化し、膜の下にあるものの形の見え難さ(非解像度)を調べた。即ち、重質流動イソパラフィン(屈折率=1.5)、メチルメタアクリレート(屈折率1.48)及び蔗糖脂肪酸エステル(屈折率1.46)を皮膜剤として、各々の30容量%エチレングリコールモノエチルエーテル溶液を作製し、この溶液と粉体を容量比2:0.1の割合で混合し、超音波分散させ、この分散物を0.5milのドクターブレードを用いてスライドガラス上へ製膜した。この膜を室温以下で真空乾燥し、エチレングリコールモノエチルエーテルを揮発させて測定用の膜とした。非解像度測定は、白色紙に間隔が0.1〜1mmまで等差0.1で線を引いたテストパターンを用意し、このテストパターン上に膜をのせて間隔が識別できる限界を判定することで行った。なお、テストパターンは線が青と赤の2色を用意した。サンプルは実施例5と同じ物を用いた。この測定結果を非解像度として表2に示す、表中の値は線間の間隔が識別できる限界値であり、値が大きいほど形の判別がしにくい事を意味する。ただし、膜が不透明になれば、当然ながら、判別がしにくくなるので、線の色が変化しないことを条件とした。この表において、比較1の値が空白になっているところがあるが、これはこの領域で膜が不透明となり、線の色が変化したためである.結果から明らかの様に、比較1と比較して本発明の粉体の非解像度が非常に高くなっていることが分かる。即ち、膜の下に在るものの形をぼかしてしまう、所謂ソフトフォーカス効果の高い事が分かる。なお、TmaxとSminの出現するところの屈折率nを境に屈折率が低い方では低波長側の、高い方では長波長側の透過率が高くなる傾向があり、また、着色された粉体ではその色の主波長以外の波長を吸収する傾向がある。これらの影響で皮膜剤の屈折率がnより高い場合または低い場合および粉体が着色されている場合で非解像度が異なる。このことは本発明の粉体が、化粧料あるいは塗装剤として用いられた場合に塗布対象の状況に応じて、豊富な選択肢を持っていることを意味する。
【0024】
【表2】
Figure 0004171151
【0025】
<実施例8>
上記粉体1、粉体2および比較1を、ソフトフォーカス粉体として、用いて下記に示す処方に従って、夫々ファンデーションを作成した。即ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱し、イとロを混合し、良く混練りし、これをハを加えて希釈し、ホを加え、ディスパーで分散させ、これにニを徐々に加え乳化し、撹拌冷却し、ファンデーション1(粉体1)、ファンデーション2(粉体2)およびファンデーション6(比較1)を得た。なお、この処方からソフトフォーカス粉体、鉄ドープニ酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、タルクを除いて作製した乳化物を室温以下で真空乾燥した残り成分の屈折率は1.4831であった。

70%マルチトース水溶液 5 重量部
グリセリン 1 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
メチルパラベン 0.2重量部

トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部
ソルビタンセスキオレート 0.5重量部

流動パラフィン 10 重量部
重質流動イソパラフィン 7 重量部
パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 3 重量部

水 42.7重量部

ソフトフォーカス粉体 15 重量部
鉄ドープ二酸化チタン 1.3重量部
ベンガラ 0.8重量部
黄色酸化鉄 1.5重量部
タルク 3 重量部
【0026】
<実施例9>
上記粉体3、粉体5および比較1を、ソフトフォーカス粉体として、用いて下記に示す処方に従って、夫々ファンデーションを作成した。即ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱し、イとロを混合し、良く混練りし、これをハを加えて希釈し、ホを加え、ディスパーで分散させ、これにニを徐々に加え乳化し、撹拌冷却し、ファンデーション3(粉体3)、ファンデーション5(粉体5)およびファンデーション7(比較1)を得た。なお、この処方からソフトフォーカス粉体、鉄ドープニ酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、タルクを除いて作製した乳化物を室温以下真空乾燥した残り成分の屈折率は1.423であった。

70%マルチトース水溶液 5 重量部
グリセリン 1 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
メチルパラベン 0.2重量部

トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部
ソルビタンセスキオレート 0.5重量部

スクワラン 4 重量部
トリ2エチルヘキサン酸グリセリン 8 重量部
ポリジメチルシリコーン 20CS 5 重量部
パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 3 重量部

水 42.7重量部

ソフトフォーカス粉体 15 重量部
鉄ドープ二酸化チタン 1.3重量部
ベンガラ 0.8重量部
黄色酸化鉄 1.5重量部
タルク 3 重量部
【0027】
<実施例10>
実施例8、実施例9のファンデーション1〜7を用いて、ファンデーションの透明感および小じわや毛穴の見え難さを調べた。即ち、美容部員の女性1名にファンデーション1〜7を用いて順次化粧してもらい、この化粧し上がりを化粧品技術者7名によって、透明感、小じわの見え難さおよび.毛穴の目立ちにくさについて官能評価した。評価は10:非常に透明感あり、非常に小じわが見え難い、全然毛穴が目立たない〜1:全然透明感がない、全然小じわが隠れない、非常に毛穴が目立つ を対極として10段階で行った。結果を平均評点として表3に示す。比較1を用いたファンデーション6および7と比較して本発明の粉体が透明性に優れ且つ小じわや毛穴を見えにくくする効果の高いことがわかる。またこの結果は、本発明の粉体に係わる複合酸化物中の金属元素の分布状態、即ち、内高外低または内低外高および傾斜度にかかわらず等しく効果が高い事を示している。しかしながら、粒子径は小さい方が若干効果が高い事も示している。
【0028】
【表3】
Figure 0004171151
【0029】
<実施例10>
下記に示す処方に従って、ナイトクリームを作成した。即ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれの成分を70℃に加熱し、イとロを混合し、良く混練りし、これにハを加えて希釈し、ホを加え、ディスパーで分散させ、これにニを徐々に加え乳化し、撹拌冷却し、クリームを得た。このクリームは、通常のナイトクリームと比べて小じわを隠す効果が高く、肌に淡い赤味を与え、ナイトメークアップ効果を持ったナイトクリームであった。

70%マルチトース水溶液 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
メチルパラベン 0.2重量部

トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部
ソルビタンセスキオレート 0.5重量部

軽質イソパラフィン 10 重量部
パラジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 5 重量部

水 51.6重量部
ヘパリン類似物質 0.1重量部
バクガコンのエッセンス 0.1重量部
エルヒビン 0.1重量部
コウキ抽出物BG 0.1重量部
プラセンターエキス 0.1重量部
グリコーゲン 0.1重量部
粉体4 5 重量部
【0030】
<実施例12>
上記粉体2の97重量部に対して、ハイドロジェンメチルポリシロキサンの3重量部をコーティングし、180℃で72時間焼成し、シリコーン処理された粉体6を得た。
【0031】
<実施例13>
下記に示す処方に従って、ファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合し、これを0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合しながら、ロの成分を滴下しコーティングした。これを1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に詰め、加圧成形してファンデーションを得た。このものも小じわ隠し効果に優れていた。

粉体6 30 重量部
シリコーン処理鉄ドープ二酸化チタン 5 重量部
シリコーン処理マイカ 10 重量部
メチシロキサン網状重合体 5 重量部
ナイロンパウダー 10 重量部
シリコーン処理黄色酸化鉄 4 重量部
シリコーン処理ベンガラ 1 重量部
シリコーン処理セリサイト 5 重量部
シリコーン処理タルク 10 重量部

オレイン酸オクチルドデシル 10 重量部
高重合度シリコーン 5 重量部
ジメチコン 5 重量部
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、どのような屈折率を持つビヒクルを用いてもソフトフォーカス効果の高い粉体、即ち、ビヒクルの屈折率がどのような値をとっても全透過率が高く且つ拡散透過率の高い粉体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 傾斜粉体の模式図を示す図である。
【図2】 実施例6の測定結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 真球状乃至は球体からの歪みが長さにして半径の20%以下の角のない形状の粉体であって、該粉体はシリカと金属元素1種以上とからなる複合酸化物であり、且つ該複合酸化物中における金属元素が中心部から表面部へと1)単調であって、2)段階的あるいは連続的に漸減または漸増して分布している(但し、表面部に金属元素が分布していない場合を含む)ことを特徴とする、化粧料用粉体。
  2. 金属元素がチタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、マンガン、亜鉛および鉄から選ばれる1種乃至は2種以上である請求項1に記載の化粧料用粉体。
  3. 粉体の平均直径が0.5〜100μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料用粉体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧料用粉体を含有することを特徴とする、化粧料。
  5. 水溶性の珪酸塩の溶液を内相に含むエマルションに、内部に含有される珪酸以外の金属酸化物を構成する、金属元素の水溶性の塩から選ばれる1種乃至は2種以上の水溶液を添加し、しかる後に焼成することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧料用粉体の製造方法。
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