JP2001199704A - 水素製造方法 - Google Patents

水素製造方法

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JP2001199704A
JP2001199704A JP2000004781A JP2000004781A JP2001199704A JP 2001199704 A JP2001199704 A JP 2001199704A JP 2000004781 A JP2000004781 A JP 2000004781A JP 2000004781 A JP2000004781 A JP 2000004781A JP 2001199704 A JP2001199704 A JP 2001199704A
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steam reforming
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Akira Kobuchi
彰 小渕
Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
Mare Sato
希 佐藤
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Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素数2以上の炭化水素の被覆または吸着に
よる水素分離膜の性能低下を抑え、高純度水素の透過量
の減少を抑制し、省エネルギーでランニングコストの低
減を図る水素製造方法を提供する。 【解決手段】 原料炭化水素aと高純度水素eとを混合
させて硫黄分を脱硫させる脱硫部11と、脱硫後の原料
炭化水素に水蒸気を添加後に加熱し、原料炭化水素cを
水蒸気改質触媒に接触させてメタンリッチな原料炭化水
素dとする予備改質部12と、得られたメタンリッチな
原料炭化水素dを水蒸気改質させる水蒸気改質触媒、お
よび、水蒸気改質で発生した高純度水素eを透過分離さ
せる無機水素分離膜14を有するメンブレンリアクタ1
3と、を備える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素製造方法に関
し、さらに詳細には、例えば灯油,ナフサ,LPGなど
の炭素数2以上の原料炭化水素を脱硫改質して、高純度
水素を製造するにあたって、この原料炭化水素中の炭素
数2以上の炭化水素成分の水素分離膜への付着などによ
る膜性能低下を抑える水素製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、灯油,ナフサ,LPGなどの炭素
数2以上の炭化水素がリッチな原料炭化水素に水蒸気を
添加して、主にニッケル系の元素をアルミナなどの担体
に担持させた改質触媒と高温下で接触させて水蒸気改質
し、その後、膜分離やPSAなどにより高純度水素含有
ガスを得る技術が実施されている。
【0003】その具体例を図2に示す。図2は、従来手
段に係る水素製造装置の系統図である。まず、炭素数2
以上の炭化水素がリッチな原料炭化水素(灯油)を供給
ポンプ101によって脱硫部102に供給する。なお、
この脱硫部102への供給前に、この灯油を昇圧・加熱
して気化させておく。この脱硫部102では、原料炭化
水素に純水素または水素含有ガスを添加し、高温・高圧
下で、コバルト−モリブデン、またはニッケル−モリブ
デンなどを担持させた触媒と接触させて水素化処理して
硫黄分を硫化水素とし、その後、酸化亜鉛やニッケル系
収着材などの脱硫剤で脱硫する(水素化脱硫)。
【0004】次に、脱硫後の原料炭化水素には水蒸気が
添加され、それから水蒸気改質部103に供給される。
この水蒸気改質部103では、原料炭化水素が1,07
3Kの反応温度で水蒸気改質触媒に接触され、水蒸気改
質される。この水蒸気改質触媒としては、主にニッケル
系触媒が用いられる。これは、ニッケルの元素をアルミ
ナ,シリカなどの担体に担持させた廉価な触媒である。
【0005】次いで、水蒸気改質後の高濃度水素含有ガ
スは、冷却後にガス変成部104に供給される。このガ
ス変成部104では、高濃度水素含有ガス中の一酸化炭
素が、変成触媒により二酸化炭素および水素に転換され
る。変成触媒としては、鉄−クロムや銅−亜鉛などの酸
化物が用いられている。
【0006】そして、ガス変成により得られた高濃度水
素含有ガスは、水蒸気が除去されたのち、無機水素分離
膜(例えば、パラジウム膜)、またはPSA(Pres
sure Swing Absorption)などの
水素精製部105に供給され、高純度水素が分離され
る。得られた高純度水素の一部は、脱硫部102側に供
給され、脱硫用水素に利用される一方、無機水素分離膜
の非透過側のガスあるいはPSAのオフガス(メタン,
一酸化炭素,水素など)は、供給ポンプ106で混入さ
れた灯油(補助燃料)とともに、水蒸気改質部103の
水蒸気改質用燃料とされる。
【0007】また、水素の製造方法にあっては、水蒸気
改質反応と水素分離膜による水素分離を同一容器内で行
なうメンブレンリアクタによる水素の製造方法が行なわ
れている。この方法によれば、反応温度を下げることが
でき、省エネルギーによるランニングコストの低減を図
ることができ、また、改質工程と水素回収工程を一体化
しているため、装置をコンパクト化することができる。
【0008】しかしながら、従来のメンブレンリアクタ
においては、原料や反応中間体に含まれるC2 以上の炭
化水素は、パラジウム系水素分離膜表面に吸着されやす
く、そのため、分離膜性能が低下し、高純度水素の回収
量の低下を招く問題がある。なお、炭素数の多い原料を
使用したり、また、メンブレンリアクタのように、反応
温度を低くすると、C2 以上の炭化水素が反応器内に残
存する可能性が高くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術を背景になされたもので、炭素数2以上の炭化
水素の付着による水素分離膜の性能低下を抑え、この膜
性能低下による高純度水素の透過量の減少を抑制するこ
とができ、また省エネルギーでランニングコストおよび
設備コストの低減を図ることができる水素製造方法を提
供するものである。また、この本発明は、炭素の析出を
抑制することができる水素製造方法を提供することを、
その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、原料炭化水素と高純度水素とを混合して、脱硫触媒
と接触させることで、原料炭化水素中の硫黄分を脱硫す
る脱硫工程と、脱硫された原料炭化水素に水蒸気を添加
後に加熱して水蒸気改質触媒と接触させることで水蒸気
改質し、該原料炭化水素中の炭素数2以上の炭化水素を
1 化合物に変換してメタンリッチガスを生成させる予
備改質工程と、得られたメタンリッチガスを加熱して水
蒸気改質触媒と接触させることで水蒸気改質するととも
に、該水蒸気改質によって発生した高純度水素を無機水
素分離膜によって透過分離する改質分離工程、とを備え
た水素製造方法である。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記原料
炭化水素が、灯油,ナフサおよびLPGの群から選ばれ
た少なくとも1種である請求項1に記載の水素製造方法
である。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明は、上記予
備改質工程における水蒸気改質の反応温度が、623〜
723Kである請求項1または請求項2に記載の水素製
造方法である。
【0013】そして、請求項4に記載の発明は、上記予
備改質工程および改質分離工程における水蒸気改質触媒
が、ニッケル系および/またはルテニウム系触媒である
請求項1〜3のうち、何れか1項に記載の水素製造方法
である。
【0014】続いて、請求項5に記載の発明は、上記改
質分離工程での水蒸気改質の反応温度が、773〜87
3Kである請求項1〜4のうち、何れか1項に記載の水
素製造方法である。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、上記改質
分離工程によって回収された高純度水素の一部を、上記
脱硫工程の脱硫用水素とする請求項1〜5のうち、何れ
か1項に記載の水素製造方法である。
【0016】それから、請求項7に記載の発明は、上記
改質分離工程における無機水素分離膜の非透過側ガス
を、上記予備改質工程での水蒸気改質用燃料および/ま
たは上記改質分離工程での水蒸気改質用燃料として利用
する請求項1〜6のうち、何れか1項に記載の水素製造
方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る水素
製造装置の系統図である。
【0018】図1において、符号10は、灯油を原料と
する水素製造装置である。以下、この水素製造装置10
の各構成体を説明する。符号11は、上流側の水素化触
媒層と、下流側の脱硫剤層とに分かれた脱硫部である。
この脱硫部11は、後述する無機水素分離膜を有するメ
ンブレンリアクタで発生された高温の高純度水素を直接
的に原料炭化水素と混合し、これを水素化触媒層に充填
された水素化触媒に接触させることで、原料炭化水素中
の硫黄分を水素化処理して硫化水素に改質したのち、脱
硫剤層に充填された脱硫剤により脱硫する。なお、この
原料炭化水素は、供給用ポンプP1により供給された灯
油を0.5〜4.0MPaに昇圧、573〜673Kに
加熱して気化させたものである。この場合、水添水素量
は、灯油1kgに対して0.5Nm3 以上が好ましい。
【0019】好ましい灯油の反応圧力は、0.8〜1.
0MPaである。0.8MPa未満では、後段のメンブ
レンリアクタ部において、反応側圧力と分離膜透過側と
の間の圧力差が小さくなり、水素透過量および反応転化
率が減少する。
【0020】水素化触媒としては、ニッケル−モリブデ
ンまたはコバルト−モリブデンなどの酸化物、または硫
化物をシリカやアルミナなどの担体に担持させたNiM
ox触媒またはCoMox触媒などが挙げられる。低圧
下では、ニッケル−モリブデン触媒が好ましい。また、
脱硫剤としては、酸化亜鉛やニッケル系収着剤などが単
独または適宜担体に担持して用いられる。水素化触媒層
では、原料炭化水素中の硫黄分が水素化されて硫化水素
が生成される。その反応温度は573〜673Kであ
り、高純度水素を用いて脱硫を行うことで脱硫効果も上
がり、改質触媒の寿命も延びることになる。脱硫剤層で
は、例えば、H2 S+ZnO=ZnS+H2 Oの反応が
起きる。なお、脱硫後の原料炭化水素は、予備改質部1
2に供給される。
【0021】符号12は、脱硫された炭化水素に水蒸気
を、水蒸気/原料2.0〜5.0kg−mol−H2
/kg−mol−Cの割合で添加し、さらに623〜7
23Kに加熱して、改質触媒を接触させることで水蒸気
改質し、この原料炭化水素中の炭素数2以上の炭化水素
をC1 化合物であるメタンなどに変換してメタンリッチ
ガスを生成させる予備改質部である。好ましい水蒸気の
添加割合は、2.5〜3.5kg−mol−H2 O/k
g−mol−Cである。2.5kg−mol−H2 O/
kg−mol−C未満では、炭素が析出する可能性が高
くなる。一方、3.5kg−mol−H2 O/kg−m
ol−Cを超えると、スチーム量が多くなるため、必要
な燃料が増加するとともに、メンブレンリアクタにおい
て、反応側の水素分圧が低下し、水素透過量が減少す
る。
【0022】さらに、好ましい水蒸気改質の反応温度
は、623〜723Kである。623K未満では、未反
応のC2 以上の炭化水素が残る可能性が高くなり、一
方、723Kを超えると、補助燃料が必要となり、ラン
ニングコストが高くなる。この予備改質部12には、炉
に内設された反応管内に、ニッケルおよび/またはルテ
ニウムをアルミナ,シリカなどの担体に担持した改質触
媒が充填されている。ルテニウム系触媒の方が、炭素数
の多い灯油などの原料を使用しても、炭素析出を抑制で
きるので好ましい。また、このルテニウム系触媒は、後
述するメンブレンリアクタ内に充填された水蒸気改質触
媒と同じものでもよい。
【0023】この予備改質部12内では、脱硫された炭
化水素の水蒸気改質が行なわれる。ここでの反応を、次
に示す。なお、反応温度は、673K程度と低温なの
で、主に次式の(1)〜(3)の反応が起こる。
【0024】次に、符号13は、得られたメタンリッチ
ガスを、773〜873Kに加熱して水蒸気改質触媒と
接触させることで水蒸気改質し、さらにこの水蒸気改質
によって発生した高純度水素を無機水素分離膜14によ
って透過分離する高純度水素回収部としてのメンブレン
リアクタである。好ましい水蒸気改質時の反応圧力は、
0.7〜0.9MPaである。反応圧力が大きいほど、
反応側と分離膜透過側の水素分圧が大きくなるため、水
素回収量が多くなり、また反応転化率も高くなる。さら
に、好ましい水蒸気改質温度は、773〜873Kであ
る。773K未満では、メタンの水蒸気改質反応が進ま
ず、水素製造量が少なくなる。一方、873Kを超える
と、補助燃料が必要となり、ランニングコストが高くな
る。また、反応器は、耐熱性の高い材料が必要となるた
め、設備費も高くなる。
【0025】水蒸気改質触媒としては、上記予備改質部
12で用いられた改質触媒と同じものを採用することが
できる。このメンブレンリアクタ13内での水蒸気改質
の反応は、同じく予備改質の反応と同じである。ただ
し、反応と同時に、水素が分離膜によって反応系外に抜
き出されるため、(2)式の左側の反応と(3)式の右
側への反応が効率よく進行する。無機水素分離膜14と
しては、パラジウム膜や、このパラジウムと銀,銅,ニ
ッケル,コバルトなどとの合金からなるパラジウム合金
膜などを、セラミックス製,ガラス製,ステンレスなど
の各種の多孔質担体に被覆したものや、ゼオライト膜な
どが採用できる。また、上記構成において、予備改質部
とメンブレンリアクタ部を一体型とした反応器を採用す
ることにより、さらに装置のコンパクト化、省エネルギ
ー化を図ることができる。
【0026】上記構成の水素製造方法について、以下詳
述する。硫黄分を含む原料炭化水素aを、供給ポンプP
1により脱硫部11の水素化触媒層に供給する。この
際、メンブレンリアクタ13で回収された高純度水素の
一部が水添脱硫用水素として、この原料炭化水素aに混
合される。脱硫部11に供給される高純度水素が混合さ
れた原料炭化水素bの温度は623K、圧力は0.85
MPaである。脱硫部11の水素化触媒層に供給された
昇温後の原料炭化水素bは、その組成中に含まれる硫黄
分が脱硫用水素と反応する。これにより、硫黄が水素化
触媒により水素化処理されて硫化水素に改質される。そ
の後、硫化水素は、脱硫剤層に流入し、ここで脱硫剤に
より固定化され脱硫が行われる。
【0027】次いで、脱硫された原料炭化水素中に、水
蒸気/原料3.0kg−mol−H 2 O/kg−mol
−Cで水蒸気が添加され、この混合ガスが0.8MP
a、673Kで予備改質部12に供給される。予備改質
部12内では、ルテニウム系触媒を介して、脱硫された
炭化水素の水蒸気改質が行なわれる。これにより、メタ
ンリッチガスが得られる。なお、予備改質部12内での
加熱用の熱原料としては、メンブレンリアクタ13に設
けられた無機水素分離膜14の非透過側ガス(メタン,
一酸化炭素,水素など)と、補助供給ポンプP2により
供給された灯油の補助燃料とが採用されている。
【0028】得られたメタンリッチな原料炭化水素d
は、次にメンブレンリアクタ13に0.75MPaで供
給される。メンブレンリアクタ13内では、供給された
原料炭化水素dが、無機水素分離膜14の非透過側ガス
を加熱用の熱原料として823Kに加熱され、水蒸気改
質触媒と接触して水蒸気改質が行われる。水蒸気改質に
よって発生した高純度水素eは、無機水素分離膜14を
通して分離回収される。この高純度水素eは、燃料電
池,金属精錬,半導体産業などで利用される。回収され
た高純度水素eの一部は、前述したように脱硫用水素と
して利用される。また、無機水素分離膜14の非透過側
ガスfは水蒸気gが除去され、その水蒸気gが除かれた
非透過側ガスhが、前述した予備改質部12およびメン
ブレンリアクタ13の加熱用の熱原料となる。
【0029】なお、各工程中のガスである原料炭化水素
a,脱硫器供給b,予備改質器供給ガスc,メンブレン
リアクタ供給ガスd,高純度水素e,非透過側ガスfの
成分を表1〜表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】このように、原料炭化水素を脱硫部11に
より脱硫後、この脱硫された原料炭化水素を予備改質部
12で水蒸気改質してメタンリッチガスとし、その後、
このメタンリッチガスをメンブレンリアクタ13内で水
蒸気改質して、得られた高純度水素を無機水素分離膜1
4によって透過分離するようにしたので、炭素数2以上
の炭化水素の被覆または吸着による無機水素分離膜14
の性能低下を抑えて、この膜性能低下による高純度水素
の透過量の減少を抑制することができる。しかも、比較
的低温で水蒸気改質を行うので、省エネルギー化が図
れ、ランニングコストの低減を図ることができる。ま
た、無機水素分離膜14の性能の低下が起こりにくいた
め、水素製造装置10のハンドリングが容易になる。さ
らに、メンブレンリアクタ13内でメタンリッチガスを
水蒸気改質するとともに水素分離させるようにしたの
で、従来の水蒸気改質部と水素分離部とが1台にまとま
り、設備コストと設置スペースを低減させることができ
る。
【0033】また、予備改質部12における原料炭化水
素の加熱温度を623〜723Kと比較的低温にしたの
で、ランニングコストを抑えることができる。また、予
備改質工程における水蒸気改質触媒としてルテニウム系
触媒を採用したので、炭素析出を抑制することができ
る。
【0034】さらに、改質分離工程での水蒸気改質の反
応温度を773〜873Kという比較的低温としたの
で、従来の1,073K前後の水蒸気改質に比べてラン
ニングコストを低減できる。改質分離工程における無機
水素分離膜の非透過側ガスを、予備改質工程での水蒸気
改質用燃料および/または改質分離工程での水蒸気改質
用燃料として利用するようにしたので、同じくランニン
グコストを低減させることができる。
【0035】なお、予備改質部12が配備されていない
図外の水素製造装置を用いて、この水素製造装置10と
同様の水素製造試験を行ったところ、炭素数2以上の炭
化水素が無機水素分離膜14の表面に被覆または吸着し
た。その結果、著しく無機水素分離膜14の性能が低下
し、これを原因とした高純度水素の透過量の減少が発生
じた。また、非透過ガスからエタンが検出された。この
ときの各工程の成分を、表3〜4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明にあっては、原料炭化水素を脱硫
後、この脱硫された原料炭化水素を予備改質工程で水蒸
気改質してメタンリッチガスとし、それからこのメタン
リッチガスを水蒸気改質するとともに、発生した高純度
水素を無機水素分離膜によって透過分離するようにした
ので、炭素数2以上の炭化水素の付着による水素分離膜
の性能低下を抑えて、この膜性能低下による高純度水素
の透過量の減少を抑制することができる。しかも、省エ
ネルギー化が図れ、ランニングコストの低減を図ること
ができる。
【0039】特に、請求項3発明にあっては、予備改質
部12における水蒸気改質(水蒸気改質)の反応温度を
623〜723Kと比較的低温にしたので、ランニング
コストを抑えることができるとともに、水蒸気改質触媒
を用いたメタンリッチガスの発生量を増やすことができ
る。
【0040】また、請求項4の発明にあっては、予備改
質工程における水蒸気改質触媒としてニッケル系および
/またはルテニウム系触媒を採用したので、炭素析出を
抑制することができる。
【0041】さらに、請求項5の発明にあっては、改質
分離工程(メンブレンリアクタ内)での水蒸気改質の反
応温度を773〜873Kという比較的低温としたの
で、従来の1,073K前後の水蒸気改質に比べて、省
ネルギー,ランニングコストを低減できる。
【0042】さらにまた、請求項6の発明にあっては、
改質分離工程によって回収された高純度水素の一部を、
脱硫工程の脱硫用水素として採用したので、ランニング
コストを低減させることができるとともに、脱硫効率も
上がり、水蒸気改質触媒の寿命も延ばせる。
【0043】そして、請求項7の発明にあっては、改質
分離工程における無機水素分離膜の非透過側ガスを、予
備改質工程での水蒸気改質用燃料および/または改質分
離工程での水蒸気改質用燃料として利用するようにした
ので、同じくランニングコストを低減させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の系
統図である。
【図2】従来手段に係る水素製造装置の系統図である。
【符号の説明】
10 水素製造装置 11 脱硫部 12 予備改質部 13 メンブレンリアクタ 14 無機水素分離膜
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月18日(2000.1.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 水素製造方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 希 神奈川県横浜市旭区白根4−28−1−A− 403 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB01 EB16 EB33 EC02 EC03 4H060 AA01 AA02 BB08 BB33 CC01 DD01 DD03 EE03 FF02 FF18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料炭化水素と高純度水素とを混合し
    て、脱硫触媒と接触させることで、原料炭化水素中の硫
    黄分を脱硫する脱硫工程と、 脱硫された原料炭化水素に水蒸気を添加後に加熱して水
    蒸気改質触媒と接触させることで水蒸気改質し、該原料
    炭化水素中の炭素数2以上の炭化水素をC1 化合物に変
    換してメタンリッチガスを生成させる予備改質工程と、 得られたメタンリッチガスを加熱して水蒸気改質触媒と
    接触させることで水蒸気改質するとともに、該水蒸気改
    質によって発生した高純度水素を無機水素分離膜によっ
    て透過分離する改質分離工程、とを備えた水素製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記原料炭化水素が、灯油,ナフサおよ
    びLPGの群から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1に記載の水素製造方法。
  3. 【請求項3】 上記予備改質工程における水蒸気改質の
    反応温度が、623〜723Kである請求項1または請
    求項2に記載の水素製造方法。
  4. 【請求項4】 上記予備改質工程および改質分離工程に
    おける水蒸気改質触媒が、ニッケル系および/またはル
    テニウム系触媒である請求項1〜3のうち、何れか1項
    に記載の水素製造方法。
  5. 【請求項5】 上記改質分離工程での水蒸気改質の反応
    温度が、773〜873Kである請求項1〜4のうち、
    何れか1項に記載の水素製造方法。
  6. 【請求項6】 上記改質分離工程によって回収された高
    純度水素の一部を、上記脱硫工程の脱硫用水素とする請
    求項1〜5のうち、何れか1項に記載の水素製造方法。
  7. 【請求項7】 上記改質分離工程における無機水素分離
    膜の非透過側ガスを、上記予備改質工程での水蒸気改質
    用燃料および/または上記改質分離工程での水蒸気改質
    用燃料として利用する請求項1〜6のうち、何れか1項
    に記載の水素製造方法。
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