JP2001198876A - 薄板状刃物及びその製造方法 - Google Patents

薄板状刃物及びその製造方法

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JP2001198876A
JP2001198876A JP2000013402A JP2000013402A JP2001198876A JP 2001198876 A JP2001198876 A JP 2001198876A JP 2000013402 A JP2000013402 A JP 2000013402A JP 2000013402 A JP2000013402 A JP 2000013402A JP 2001198876 A JP2001198876 A JP 2001198876A
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Tatsushige Mayama
辰重 真山
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NT KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で容易に製作でき、長期間使用しても切
れ味がよく、衝撃にも強い薄板状刃物を提供する。 【解決手段】 剛性を有する金属製偏平本体3と偏平刃
体6とを接合してなる薄板状刃物1であって、前記金属
製偏平本体3が、剛性を有する偏平金属素材15の一方
面に一方端縁部3aを除く金属製偏平本体形状の第一耐
腐蝕膜21を形成すると共に該偏平金属素材15の他方
面に前記第一耐腐蝕膜21に対応させて前記一方端縁部
3aを含む金属製偏平本体形状の第二耐腐蝕膜23を形
成した後に腐蝕液26によって偏平金属素材15の両面
から浸食進行させて片溝部2となるあいじゃくり構造の
上り壁面7を湾曲状に形成すると共に該あいじゃくり構
造の下り壁面8をアール状に形成して金属製偏平本体形
状に型抜きされてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性を有する金属
製偏平本体の少なくとも一方端縁部に腐蝕液によって浸
食させて形成したあいじゃくり構造の片溝部が形成され
ている金属製偏平本体と刃先が一辺に形成されている偏
平刃体とを該片溝部にて接合してなる薄板状刃物及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、フィルムや紙等の裁断には
薄板状刃物が使用されており、当該薄板状刃物には、コ
ーティング処理された鋼製刃物や超硬合金製刃物が汎用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記鋼製刃物
は、使用による磨耗を防ぐために刃先にコーティングが
施されているので切れ味が悪いという問題点があった。
また、前記超硬合金製刃物は、刃物の形状にするまでに
加工工数が多く、製作時間がかかり、コストが高くなる
という問題点と衝撃に弱いため取扱いに注意を払わなけ
ればならないという問題点があった。
【0004】そこで、本発明は、安価で容易に製作で
き、長期間使用しても切れ味がよく、衝撃にも強い薄板
状刃物を得ることを技術的課題として、その具現化をは
かるべく研究・実験を重ねた結果、薄板状刃物を剛性を
有する金属製偏平本体と偏平刃体とにより構成し、該金
属製偏平本体をエッチング処理により型抜成形して、金
属製偏平本体に形成されたあいじゃくり構造の片溝部に
偏平刃体を接合すれば、本体が剛性を有しているために
衝撃に強くなるので、刃体には耐磨耗性を有する材質を
使用することができ、さらに、本体を一度に多量作製す
ることができるという刮目すべき知見を得、前記技術的
課題を達成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0006】即ち、本発明は、剛性を有する金属製偏平
本体3の少なくとも一方端縁部3aに腐蝕液26によっ
て浸食させて形成したあいじゃくり構造の片溝部2が形
成されている金属製偏平本体3と刃先4が一辺に形成さ
れる偏平刃体6とを該片溝部2にて接合してなる薄板状
刃物1であって、前記金属製偏平本体3が、剛性を有す
る偏平金属素材15の一方面に前記一方端縁部3aを除
く金属製偏平本体形状の第一耐腐蝕膜21を形成すると
共に該偏平金属素材15の他方面に前記第一耐腐蝕膜2
1に対応させて前記一方端縁部3aを含む金属製偏平本
体形状の第二耐腐蝕膜23を形成した後に腐蝕液26に
よって偏平金属素材15の両面から浸食させて片溝部2
となるあいじゃくり構造の上り壁面7を前記第一耐腐蝕
膜21に覆われて残った偏平金属素材15の一方面側先
端辺2aを残して横方向へ抉るように該一方面側先端辺
2aからあいじゃくり構造の底面2bに渡って浸食され
た湾曲状に形成すると共に該あいじゃくり構造の下り壁
面8を前記第二耐腐蝕膜23に覆われて残った偏平金属
素材15の他方面側先端辺2cを残してあいじゃくり構
造の底面2bから該他方面側先端辺2cに渡って浸食さ
れたアール状に形成して金属製偏平本体形状に型抜きさ
れてなるものである。
【0007】また、本発明は、剛性を有する金属製偏平
本体3と刃先4が一辺に形成される偏平刃体50とを該
金属製偏平本体3の上面と該偏平刃体50の上面とが略
倣うように接合してなる薄板状刃物1において、前記金
属製偏平本体3の少なくとも一方端縁部3aには腐蝕液
26によって浸食させて形成したあいじゃくり構造の片
溝部2が形成されており、当該片溝部2の上り壁面7の
形状が前記一方端縁部3aの上面側先端辺2aを残して
横方向へ抉るように該上面側先端辺2aから片溝部底面
2bに渡って浸食された湾曲状となっていると共に片溝
部2の下り壁面8の形状が前記一方端縁部3aの下面側
先端辺2cを残して片溝部底面2bから該下面側先端辺
2cに渡って浸食されたアール状となっており、金属製
偏平本体3の前記湾曲状上り壁面7と偏平刃体50の接
合先端面50aとの間に形成された円弧状空隙51と金
属製偏平本体3の前記アール状下り壁面8と偏平刃体5
0の接合下面50bとの間に形成された略V字状空隙5
2とに接着剤53が充填されて金属製偏平本体3と偏平
刃体50とが接合されているものである。
【0008】また、本発明は、剛性を有する金属製偏平
本体3と刃先4が一辺に形成される金属製偏平刃体6と
を接合してなる薄板状刃物1において、前記金属製偏平
本体3の少なくとも一方端縁部3aには腐蝕液26によ
って浸食させて形成したあいじゃくり構造の本体側片溝
部2が形成されており、当該本体側片溝部2の上り壁面
7の形状が前記一方端縁部3aの上面側先端辺2aを残
して横方向へ抉るように該上面側先端辺2aから本体側
片溝部底面2bに渡って浸食された湾曲状となっている
と共に本体側片溝部2の下り壁面8の形状が前記一方端
縁部3aの下面側先端辺2cを残して本体側片溝部底面
2bから該下面側先端辺2cに渡って浸食されたアール
状となっており、前記金属製偏平刃体6の刃先4が形成
されない他方端縁部6aには腐蝕液26によって浸食さ
せて形成したあいじゃくり構造の刃体側片溝部5が形成
されており、当該刃体側片溝部5の上り壁面11の形状
が前記他方端縁部6aの上面側先端辺5aを残して横方
向へ抉るように該上面側先端辺5aから刃体側片溝部底
面5bに渡って浸食された湾曲状となっていると共に刃
体側片溝部5の下り壁面12の形状が前記他方端縁部6
aの下面側先端辺5cを残して刃体側片溝部底面5bか
ら該下面側先端辺5cに渡って浸食されたアール状とな
っており、金属製偏平本体3の本体側湾曲状上り壁面7
に金属製偏平刃体6の刃体側アール状下り壁面12を当
接させると共に金属製偏平本体3の本体側アール状下り
壁面8に金属製偏平刃体6の刃体側湾曲状上り壁面11
を当接させることにより金属製偏平本体3の本体側片溝
部2と金属製偏平刃体6の刃体側片溝部5を嵌合して接
着剤によって接合されているものである。
【0009】また、本発明は、前記いずれかの薄板状刃
物1において、金属製偏平本体3の片溝部2には腐蝕液
26によって浸食させて形成した位置決め部が設けられ
ており、偏平刃体には前記位置決め部に嵌まる位置決め
受部が設けられているものである。
【0010】さらに、本発明は、剛性を有する金属製偏
平本体3の少なくとも一方端縁部3aに腐蝕液26によ
って浸食させて形成したあいじゃくり構造の片溝部2が
形成されている金属製偏平本体3と刃先4が一辺に形成
される偏平刃体6とを該片溝部2にて接合する薄板状刃
物1の製造方法であって、剛性を有する偏平金属素材1
5の一方面に前記一方端縁部3aを除く金属製偏平本体
形状の第一耐腐蝕膜21を形成する第一耐腐蝕膜形成工
程と、該偏平金属素材15の他方面に前記第一耐腐蝕膜
21に対応させて前記一方端縁部3aを含む金属製偏平
本体形状の第二耐腐蝕膜23を形成する第二耐腐蝕膜形
成工程と、腐蝕液26によって偏平金属素材15の両面
から浸食させて片溝部2となるあいじゃくり構造の上り
壁面7を前記第一耐腐蝕膜21に覆われて残った偏平金
属素材15の一方面側先端辺2aを残して横方向へ抉る
ように該一方面側先端辺2aからあいじゃくり構造の底
面2bに渡って浸食された湾曲状に形成すると共に該あ
いじゃくり構造の下り壁面8を前記第二耐腐蝕膜23に
覆われて残った偏平金属素材15の他方面側先端辺2c
を残してあいじゃくり構造の底面2bから該他方面側先
端辺2cに渡って浸食されたアール状に形成して金属製
偏平本体形状に型抜きする腐蝕工程とを含んでいるもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0012】実施の形態1.
【0013】図1は本実施の形態に係る薄板状刃物を示
す斜視図、図2は図1に示した薄板状刃物の縦断面図、
図3は図1に示した薄板状刃物の金属製偏平本体を示す
斜視図、図4は図1に示した薄板状刃物の偏平刃体を示
す斜視図であり、図4の(a)は偏平刃体の表面を目視
した斜視図、図4の(b)は偏平刃体の裏面を目視した
斜視図である。これらの図において、図1における矢印
A視を前方としており、1は、一方端縁部3a(図3参
照)に腐蝕液によって浸食させて形成したあいじゃくり
構造の本体側片溝部2が形成されている剛性を有する幅
広長方形の金属製偏平本体(以下、単に「本体」とい
う。)3と、刃先4が一辺に形成され、他方端縁部6a
(図4参照)に腐蝕液によって浸食させて形成したあい
じゃくり構造の刃体側片溝部5が下向きに形成されてい
る、本体3と略同じ厚さの幅狭長方形の金属製偏平刃体
(以下、単に「刃体」という。)6とを片溝部2,5に
て接合してなる薄板状刃物(以下、単に「刃物」とい
う。)である。
【0014】前記本体3の一方端縁部3aには、図3に
示すように、前記本体側片溝部2が長手方向に向かって
走るように上向きに形成されており、当該本体側片溝部
2の上り壁面7は一方端縁部3aの上面側先端辺2aを
残して横方向へ抉るように上面側先端辺2aから本体側
片溝部底面2bに渡って浸食された湾曲状に形成されて
おり、本体側片溝部2の下り壁面8は一方端縁部3aの
下面側先端辺2cを残して本体側片溝部底面2bから下
面側先端辺2cに渡って浸食されたアール状に形成され
ている。なお、9は本体3の上面、10は本体3の下面
である。
【0015】前記刃体6の刃先4が形成されていない他
方端縁部6aには、図4の(a)に示すように、本体側
片溝部2と嵌合する前記刃体側片溝部5が長手方向に向
かって走るように本体側片溝部2と略同じ深さで下向き
に形成されており、図4の(b)に示すように、刃体6
を裏返して刃体側片溝部5を上向きにした場合の当該刃
体側片溝部5の上り壁面11は他方端縁部6aの上面側
先端辺5a(図4の(b)参照)を残して横方向へ抉る
ように上面側先端辺5aから刃体側片溝部底面5b(図
4の(b)参照)に渡って浸食された湾曲状に形成され
ており、刃体側片溝部5の下り壁面12は他方端縁部6
aの下面側先端辺5c(図4の(b)参照)を残して刃
体側片溝部底面5bから下面側先端辺5cに渡って浸食
されたアール状に形成されている。
【0016】そして、本体側片溝部2の前記湾曲状上り
壁面7と刃体側片溝部5の前記アール状下り壁面12と
の間に形成された円弧状空隙13(図2参照)と本体側
片溝部2の前記アール状下り壁面8と刃体側片溝部5の
前記湾曲状上り壁面11との間に形成された円弧状空隙
14(図2参照)とに接着剤が充填された状態で本体3
と刃体6とが本体側片溝部2と刃体側片溝部5とにおい
て接合されている。
【0017】次に、本実施の形態に係る刃物の製造方法
について説明する。
【0018】図5〜図12は図3に示した金属製偏平本
体の製造工程を各処理工程毎に区分して説明する縦断面
工程図であり、図5は第一処理工程を模型的に示す縦断
面工程図、図6は第二処理工程を模型的に示す縦断面工
程図、図7は第三処理工程を模型的に示す縦断面工程
図、図8は第四処理工程を模型的に示す縦断面工程図、
図9は第五処理工程を模型的に示す縦断面工程図、図1
0は第六処理工程を模型的に示す縦断面工程図、図11
は第七処理工程を模型的に示す縦断面工程図、図12は
第八処理工程を模型的に示す縦断面工程図であり、これ
らの図において、図1〜図5と同一符号は同一又は相当
部分を示している。
【0019】先ず、本体3の作製方法について説明す
る。
【0020】図5に示す剛性を有する偏平金属素材15
の両面に脱脂を施し(第一処理工程)、図6に示すよう
に、当該偏平金属素材15の両面に光感光性樹脂を塗布
してフォトレジスト膜16,17を形成する(第二処理
工程)。
【0021】次いで、図7に示すように、本体3の上面
9形状の図形18aを縦横に配置したパターンが描かれ
ている本体側上面用フォトマスク18を前記フォトレジ
スト膜16の表面に配置すると共に、前記本体側上面用
フォトマスク18に描かれた図形18aと対応するよう
に本体3の下面10形状の図形19aを縦横に配置した
パターンが描かれている本体側下面用フォトマスク19
を図形19aの本体側片溝部2となる図形部分を残して
図形18aと図形19aとが重なるように前記フォトレ
ジスト膜17の表面に配置し、両フォトマスク18,1
9の上から露光してフォトレジスト膜16,17を感光
させる(第三処理工程)。
【0022】次いで、図8に示すように、フォトレジス
ト膜16,17を現像処理して偏平金属素材15の上面
に図形18aと同じ形状の図形が上面側金属露出部20
に囲まれて縦横に配列されたパターン模様の本体上面側
耐腐蝕膜21を形成すると共に、偏平金属素材15の下
面に図形19aと同じ形状の図形が下面側金属露出部2
2に囲まれて縦横に配列されたパターン模様の本体下面
側耐腐蝕膜23を形成する(第四処理工程)。
【0023】次いで、図9に示すように、前記第四処理
工程で形成された金属露出部20,22を有する偏平金
属素材15をメッシュからなる搬送路24上に載置して
搬送させ、当該搬送路24をはさんで上下対称に多数並
べて搬送路24に向けて固定されたノズル25から腐蝕
液26を噴射し、移送される偏平金属素材15の両面に
同時に腐蝕液26を吹きつける(第五処理工程)。
【0024】偏平金属素材15の両面へ同時に同圧力で
腐蝕液26を吹きつければ、偏平金属素材15の金属露
出部20,22が同時に浸食され、図10の(a)に示
すように、上面側金属腐蝕部27が形成されると共に、
下面側金属腐蝕部28が形成される。金属腐蝕部27,
28は、図10の(b)に示すように、略同速度で形成
されるので、ある程度浸食が進むと偏平金属素材15の
厚みの略中間位置にて上面側金属腐蝕部27の底面の一
部と下面側金属腐蝕部28の底面とが本体側片溝部2と
なるあいじゃくり構造の段差部29を残した状態で繋が
って偏平金属素材15に貫通孔30が形成されて該貫通
孔30が形成された位置には段差部側とその対面側に鋭
角残部31,32が残った状態となる(第六処理工
程)。
【0025】前記貫通孔30が形成された後に腐蝕液2
6の噴射を停止し、図11に示すように、金属腐蝕部2
7,28に付着している腐蝕液26により、さらに、浸
食を進行させて本体上面側耐腐蝕膜21に覆われて残っ
た偏平金属素材15の上面側先端辺2aからあいじゃく
り構造の段差部29の底面2bに渡って横方向へ抉るよ
うに浸食された湾曲状上り壁面7を形成すると共に、段
差部側鋭角残部31を浸食させてあいじゃくり構造の段
差部29の底面2bから本体下面側耐腐蝕膜23に覆わ
れて残った偏平金属素材15の下面側先端辺2cに渡っ
て浸食されたアール状下り壁面8を形成し、同時に、鋭
角残部32を浸食させて該鋭角残部32を取り除く(第
七処理工程)。
【0026】第七処理工程の後、図12に示すように、
偏平金属素材15の表面に残存する本体上面側耐腐蝕膜
21と本体下面側耐腐蝕膜23とを除去して浸食によっ
て型抜きされた同一形状の本体3を多数得る(第八処理
工程)。
【0027】次に、図5〜図12を参照して刃体6の作
製方法について説明する。
【0028】前記第一処理工程及び前記第二処理工程と
同様に、脱脂を施した偏平金属素材の両面に光感光性樹
脂を塗布してフォトレジスト膜を形成する(図6参
照)。
【0029】次いで、前記第三処理工程と同様に、刃体
6の上面形状(図4の(b)に示すように刃体6を裏返
して刃体側片溝部5を上向きにした場合の上面形状)の
図形を縦横に配置したパターンが描かれている刃体側上
面用フォトマスクを偏平金属素材の上面に形成されたフ
ォトレジスト膜の表面に配置すると共に、前記刃体側上
面用フォトマスクに描かれた上面形状図形と対応するよ
うに刃体6の下面形状(図4の(b)に示すように刃体
6を裏返して刃体側片溝部5を上向きにした場合の下面
形状)の図形を縦横に配置したパターンが描かれている
刃体側下面用フォトマスクを刃体側片溝部5となる図形
部分を残して上面形状図形と下面形状図形とが重なるよ
うに偏平金属素材の下面に形成されたフォトレジスト膜
の表面に配置し、両フォトマスクの上から露光して両フ
ォトレジスト膜を感光させる(図7参照)。
【0030】次いで、前記第四処理工程と同様に、両フ
ォトレジスト膜を現像処理して偏平金属素材の上面に上
面形状図形と同じ形状の図形が上面側金属露出部に囲ま
れて縦横に配列されたパターン模様の刃体上面側耐腐蝕
膜を形成すると共に、偏平金属素材の下面に下面形状図
形と同じ形状の図形が下面側金属露出部に囲まれて縦横
に配列されたパターン模様の刃体下面側耐腐蝕膜を形成
する(図8参照)。
【0031】次いで、前記第五処理工程と同様に、前記
偏平金属素材を搬送路24上に載置して移送し、偏平金
属素材の両面に同時に腐蝕液26を吹きつけ(図9参
照)、前記第六処理工程と同様に、上面側金属腐蝕部と
下面側金属腐蝕部とを形成する(図10の(a)参照)
と共に、刃体側片溝部5となるあいじゃくり構造の段差
部を残した状態で段差部側とその対面側に鋭角残部が残
った状態とする(図10の(b)参照)。
【0032】次いで、前記第七処理工程と同様に、腐蝕
液26の噴射を停止して上面側金属腐蝕部と下面側金属
腐蝕部とに付着している腐蝕液26により、さらに、浸
食を進行させて刃体上面側耐腐蝕膜に覆われて残った偏
平金属素材の上面側先端辺5aからあいじゃくり構造の
段差部の底面5bに渡って横方向へ抉るように浸食され
た湾曲状上り壁面11を形成すると共に、段差部側鋭角
残部を浸食させてあいじゃくり構造の段差部の底面5b
から刃体下面側耐腐蝕膜に覆われて残った偏平金属素材
の下面側先端辺5cに渡って浸食されたアール状下り壁
面12を形成する(図11参照)。
【0033】次いで、前記第八処理工程と同様に、偏平
金属素材の表面に残存する刃体上面側耐腐蝕膜と刃体下
面側耐腐蝕膜とを除去して浸食によって型抜きされた同
一形状の刃体6を多数得る(図12参照)。
【0034】続いて、前記本体3の本体側片溝部2と前
記刃体6の刃体側片溝部5とに熱硬化性の接着剤を塗布
し、本体3の湾曲状上り壁面7に刃体6のアール状下り
壁面12を当接させると共に、本体3のアール状下り壁
面8に刃体6の湾曲状上り壁面11を当接させて本体側
片溝部2の湾曲状上り壁面7と刃体側片溝部5のアール
状下り壁面12との間に形成された円弧状空隙13と本
体側片溝部2のアール状下り壁面8と刃体側片溝部5の
湾曲状上り壁面11との間に形成された円弧状空隙14
とに接着剤が充填された状態で本体3の片溝部2と刃体
6の片溝部5とを嵌合した後、加熱して接着剤を硬化さ
せて本体3と刃体6とを本体側片溝部2と刃体側片溝部
5とにおいて接合する(接着工程)。
【0035】この後、刃体6の片溝部5と対向する縁部
を研磨して刃先4を形成して薄板状刃物1を得る。
【0036】なお、前記本体3の作製方法における前記
第一処理工程から前記第八処理工程において、第一処理
工程乃至第四処理工程は、本体3の一方端縁部3aを除
いた形状の本体形状がパターン配置された本体上面側耐
腐蝕膜(本体側第一耐腐蝕膜)21を剛性を有する偏平
金属素材15の上面(一方面)に形成する本体側第一耐
腐蝕膜形成工程と、本体上面側耐腐蝕膜21に対応させ
て前記一方端縁部3aを含んだ形状の本体形状がパター
ン配置された本体下面側耐腐蝕膜(本体側第二耐腐蝕
膜)23を偏平金属素材15の下面(他方面)に形成す
る本体側第二耐腐蝕膜形成工程とを含んでおり、第五処
理工程乃至第八処理工程は、本体上面側耐腐蝕膜21と
本体下面側耐腐蝕膜23とを形成した偏平金属素材15
の両面を腐蝕液26によって浸食させて偏平金属素材1
5の上面に金属製偏平本体3の本体側片溝部2となる本
体側あいじゃくり構造を形成して該本体側あいじゃくり
構造の上り壁面7を本体上面側耐腐蝕膜21に覆われて
残った偏平金属素材15の上面側先端辺(一方面側先端
辺)2aを残して横方向へ抉るように該上面側先端辺2
aから本体側あいじゃくり構造の底面2bに渡って浸食
された湾曲状に形成すると共に、本体側あいじゃくり構
造の下り壁面8を本体下面側耐腐蝕膜(本体側第二耐腐
蝕膜)23に覆われて残った偏平金属素材15の下面側
先端辺(他方面側先端辺)2cを残して本体側あいじゃ
くり構造の底面2bから下面側先端辺2cに渡って浸食
されたアール状に形成する本体側腐蝕工程を含んでい
る。
【0037】また、前記刃体6の作製方法における前記
第一処理工程から前記第八処理工程において、第一処理
工程乃至第四処理工程は、刃体6の刃先4を形成しない
他方端縁部6aを除いた形状の刃体形状がパターン配置
された刃体上面側耐腐蝕膜(刃体側第一耐腐蝕膜)を偏
平金属素材の上面(一方面)に形成する刃体側第一耐腐
蝕膜形成工程と、刃体上面側耐腐蝕膜に対応させて前記
他方端縁部6aを含んだ形状の刃体形状がパターン配置
された刃体下面側耐腐蝕膜(刃体側第二耐腐蝕膜)を偏
平金属素材の下面(他方面)に形成する刃体側第二耐腐
蝕膜形成工程とを含んでおり、第五処理工程乃至第八処
理工程は、刃体上面側耐腐蝕膜と刃体下面側耐腐蝕膜と
を形成した偏平金属素材の両面を腐蝕液26によって浸
食させて偏平金属素材の上面に金属製偏平刃体6の刃体
側片溝部5となる刃体側あいじゃくり構造を形成して該
刃体側あいじゃくり構造の上り壁面11を刃体上面側耐
腐蝕膜に覆われて残った偏平金属素材の上面側先端辺
(一方面側先端辺)5aを残して横方向へ抉るように該
上面側先端辺5aから刃体側あいじゃくり構造の底面5
bに渡って浸食された湾曲状に形成すると共に、刃体側
あいじゃくり構造の下り壁面12を刃体下面側耐腐蝕膜
に覆われて残った偏平金属素材の下面側先端辺(他方面
側先端辺)5cを残して刃体側あいじゃくり構造の底面
5bから下面側先端辺5cに渡って浸食されたアール状
に形成する刃体側腐蝕工程を含んでいる。
【0038】本実施の形態では、エッチング処理により
薄板状刃物1の本体3と刃体6とを作製すると共に、そ
れぞれに接合するための片溝部2,5を形成したので、
本体3の片溝部2には湾曲状に腐蝕された上り壁面7と
アール状に腐蝕された下り壁面8とが形成されると共
に、刃体6の片溝部5には湾曲状に腐蝕された上り壁面
11とアール状に腐蝕された下り壁面12とが形成され
るから、本体3と刃体6との接合面積が広くなり接合強
度を増すことができる。
【0039】また、本体3と刃体6にはそれぞれ片溝部
2,5が形成されているので、本体3と刃体6とを接合
する際に嵌合ずれを起こさないから、容易に位置合わせ
することができる。
【0040】さらに、フォトマスクには前記図形18a
又は図形19aが多数縦横に整列させて描かれているの
で、一度のエッチング処理により多数の本体2又は刃体
3を形成することができる。
【0041】なお、剛性を有する金属製偏平本体3の材
料となる剛性を有する偏平金属素材として、鋼(例え
ば、ステンレスのバネ鋼等)を使用すればよく、金属製
偏平刃体6の材料となる偏平金属素材としては超硬合金
を使用すればよい。
【0042】また、接着工程において、刃先4が形成さ
れた金属製偏平刃体6を金属製偏平本体3に接合するよ
うにしてもよい。
【0043】また、フォトレジストはネガタイプフォト
レジストでもポジタイプフォトレジストでもよい。ま
た、腐蝕工程における腐蝕液26の吹きつけ方法として
は、腐蝕させる金属素材を回転軸を中心として回転駆動
させた状態で両側方から腐蝕液26を吹きつけるように
してもよく、腐蝕させる金属素材を固定し、ノズル25
を動かして腐蝕液26を吹きつけてもよく、腐蝕液槽内
に金属素材を浸して該金属素材を左右方向又は上下方向
等に揺動させて金属露出部20,22を腐蝕するように
してもよい。さらに、腐蝕液26の噴射圧力を金属素材
の上・下面において異なる噴射圧力になるように設定し
てもよく、この場合には、片溝部2,5の上り壁面7,
11と下り壁面8,12とが異なる高さで形成される。
これは、金属素材の上・下面において浸食速度の異なる
腐蝕液を使用しても同様の効果を得ることができる。
【0044】なお、本体3と刃体6とをスポット溶接に
より接合してもよい。
【0045】実施の形態2.
【0046】本実施の形態は前記実施の形態1における
金属製偏平本体の片溝部に腐蝕液によって浸食させて形
成した位置決め部を設け、金属製偏平刃体に前記位置決
め部に嵌まる位置決め受部を設けた実施の形態1の変形
例であり、図13は本実施の形態に係る薄板状刃物の一
変形例を示す斜視図、図14は図13に示した金属製偏
平本体と金属製偏平刃体とを示す斜視図であり、図14
の(b)に示した金属製偏平刃体は裏返して図示されて
いる。図15は本実施の形態に係る薄板状刃物の一変形
例を示す斜視図、図16は図15に示した金属製偏平本
体と金属製偏平刃体とを示す斜視図であり、図16の
(b)に示した金属製偏平刃体は裏返して図示されてお
り、図16の(c)は図16の(b)に示した金属製偏
平刃体のX−X線縦断面図である。図17は本実施の形
態に係る薄板状刃物の一変形例を示す斜視図、図18は
図17に示した金属製偏平本体と金属製偏平刃体とを示
す斜視図であり、図18の(b)に示した金属製偏平刃
体は裏返して図示されており、図18の(c)は図18
の(b)に示した金属製偏平刃体のY−Y線縦断面図で
ある。これらの図において、図1〜図12と同一符号は
同一又は相当部分を示す。
【0047】変形例1:図13に図示された薄板状刃物
1は、図14の(a)に示すように、本体3の上面側先
端辺2aの略中央部が本体側片溝部2側に半円状に突出
した状態に腐蝕液26によって浸食させて形成した半円
状位置決め部41を設けた本体3と、図14の(b)に
示すように、刃体6の下面側先端辺5cの略中央部が刃
体側片溝部5側に半円状に抉れた状態に腐蝕液26によ
って浸食させて形成した、前記半円状位置決め部41に
嵌まる半円湾曲状位置決め受部42を設けた刃体6とか
ら構成されている。そして、半円状位置決め部41にお
ける本体側片溝部2の上り壁面7は一方端縁部3aの上
面側先端辺2aを残して横方向へ抉るように上面側先端
辺2aから本体側片溝部底面2bに渡って浸食された湾
曲状に形成されており、刃体6を裏返して刃体側片溝部
5を上向きにした場合の半円湾曲状位置決め受部42に
おける刃体側片溝部5の下り壁面12は他方端縁部6a
の下面側先端辺5cを残して刃体側片溝部底面5bから
下面側先端辺5cに渡って浸食されたアール状に形成さ
れている。
【0048】変形例2:図15に図示された薄板状刃物
1は、図16の(a)に示すように、本体3の本体側片
溝部底面2bの略中央に腐蝕液26によって島状に浸食
させて形成した円柱状位置決め部43を設けた本体3
と、図16の(b)及び図16の(c)に示すように、
刃体6の刃体側片溝部底面5bの略中央部が腐蝕液26
によって円形に浸食させて穴空き状態に形成した、前記
円柱状位置決め部43に嵌まる井戸状位置決め受部44
を設けた刃体6とから構成されている。そして、円柱状
位置決め部43の周囲には本体側片溝部2の上り壁面7
と同様の湾曲状上り壁面43aが形成されており、井戸
状位置決め受部44の周囲には刃体側片溝部5の下り壁
面12と同様のアール状下り壁面44aが形成されてい
る。
【0049】変形例3:図17に図示された薄板状刃物
1は、図18の(a)に示すように、本体3の一方端縁
部3aの両側部を残した状態で腐蝕液26によって浸食
させて堰状に形成した堰状位置決め部45を設けた本体
3と、図18の(b)及び図18の(c)に示すよう
に、刃体6の刃体側片溝部5の両側が前記堰状位置決め
部45の幅と同じ幅で切り落とされた状態に腐蝕液26
によって浸食させて形成した、堰状位置決め部45に嵌
まる切欠状位置決め受部46を設けた刃体6とから構成
されている。そして、堰状位置決め部45における本体
側片溝部2の上り壁面7は前記変形例1と同様に湾曲状
に形成されており、刃体6を裏返して刃体側片溝部5を
上向きにした場合の切欠状位置決め受部46における刃
体側片溝部5の下り壁面12は前記変形例1と同様にア
ール状に形成されている。
【0050】本実施の形態では、本体側片溝部底面2に
位置決め部を設け、刃体側片溝部5に位置決め受部を設
けたので、本体3と刃体6とを接合するに際して位置決
めがさらに容易になる。
【0051】実施の形態3.
【0052】図19は本実施の形態に係る薄板状刃物の
縦断面図であり、同図において、図1〜図12と同一符
号は同一又は相当部分を示し、本実施の形態における薄
板状刃物1は剛性を有する金属製偏平本体(以下、単に
「本体」という。)3と刃先4が一辺に形成されている
偏平刃体(以下、単に「刃体」という。)50とを金属
製偏平本体3の上面と刃体50の上面とが略倣うように
して接合されている。
【0053】そして、前記本体3の一方端縁部3aには
腐蝕液26によって浸食させて形成したあいじゃくり構
造の本体側片溝部2が形成されており、本体側片溝部2
の上り壁面7の形状は一方端縁部3aの上面側先端辺2
aを残して横方向へ抉るように上面側先端辺2aから本
体側片溝部2の底面2bに渡って浸食された湾曲状とな
っており、本体側片溝部2の下り壁面8の形状は一方端
縁部3aの下面側先端辺2cを残して本体側片溝部2の
底面2bから下面側先端辺2cに渡って浸食されたアー
ル状となっている。
【0054】さらに、本体3の前記湾曲状上り壁面7と
刃体50の接合先端面50aとの間には円弧状空隙51
が形成され、本体3の前記アール状下り壁面8と刃体5
0の接合下面50bとの間には略V字状空隙52が形成
されており、円弧状空隙51と略V字状空隙52とに接
着剤53が充填されて本体3と刃体50とが接合されて
いる。
【0055】次に、図5〜図12を参照して薄板状刃物
1の製造方法について説明する。
【0056】先ず、実施の形態1における本体3の作製
方法の第一処理工程から第四処理工程(図5〜図8参
照)と同様にして、剛性を有する偏平金属素材15の上
面に刃体6を接合する本体3の一方端縁部3aを除いた
形状の本体形状がパターン配置された本体上面側耐腐蝕
膜21を形成する(第一耐腐蝕膜形成工程)と共に、当
該偏平金属素材15の下面に本体上面側耐腐蝕膜21に
対応させて前記一方端縁部3aを含んだ形状の本体形状
がパターン配置された本体下面側耐腐蝕膜23を形成す
る(第二耐腐蝕膜形成工程)。
【0057】続いて、実施の形態1における第五処理工
程から第七処理工程(図9〜図11参照)と同様にし
て、本体上面側耐腐蝕膜21と本体下面側耐腐蝕膜23
とを形成した偏平金属素材15の両面を腐蝕液26によ
って浸食させて偏平金属素材15の上面に本体3の本体
側片溝部2となるあいじゃくり構造を形成して該あいじ
ゃくり構造の上り壁面7を本体上面側耐腐蝕膜21に覆
われて残った偏平金属素材15の上面側先端辺2aを残
して横方向へ抉るように該上面側先端辺2aからあいじ
ゃくり構造の底面2bに渡って浸食された湾曲状に形成
すると共に、該あいじゃくり構造の下り壁面8を本体下
面側耐腐蝕膜23に覆われて残った偏平金属素材15の
下面側先端辺2cを残してあいじゃくり構造の底面2b
から該下面側先端辺2cに渡って浸食されたアール状に
形成する(腐蝕工程)。
【0058】この後、実施の形態1における第八処理工
程(図12参照)と同様にして、浸食により型抜きされ
た同一形状の本体3を多数得る。
【0059】そして、前記本体3の本体側片溝部2に熱
硬化性の接着剤53を塗布し、本体3の湾曲状上り壁面
7と刃体50の接合先端面50aとの間に形成された円
弧状空隙51と本体3のアール状下り壁面8と刃体50
の接合下面50bとの間に形成された略V字状空隙52
とに接着剤53が充填された状態で本体3と刃体50と
を接合して薄板状刃物1を得る(接着工程)。
【0060】本実施の形態においては、本体3と刃体5
0との間に接着剤53の溜まりが形成されるので、前記
実施の形態1と同様に接合強度が得られる。
【0061】本実施の形態では、刃体50はセラミック
製とすることができる。
【0062】実施の形態4.
【0063】図20は本実施の形態に係る薄板状刃物の
縦断面図であり、同図において、図1〜図12と同一符
号は同一又は相当部分を示し、本実施の形態における薄
板状刃物1は、両端縁部3a,3aに腐蝕液26によっ
て浸食させて形成したあいじゃくり構造の本体側片溝部
2,2が形成されている剛性を有する幅広長方形の金属
製偏平本体60と、他方端縁部6aに腐蝕液26によっ
て浸食させて形成したあいじゃくり構造の刃体側片溝部
5が下向きに形成されている、本体60と略同じ厚さの
幅狭長方形の2枚の金属製偏平刃体6,6とをそれぞれ
片溝部2,5にて接合してなるものである。
【0064】本実施の形態における薄板状刃物1は実施
の形態1と同様の製造方法により作製することができ
る。
【0065】本実施の形態においては、刃体6,6には
刃先が形成されていないので、本体60と刃体6,6と
を接合した後に各刃体6,6の他方端縁部6a,6aに
対向する辺に刃先4,4を形成すればよい。
【0066】本実施の形態に係る薄板状刃物1において
も、前記実施の形態1と同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0067】
【実施例】実施の形態1を参照して実施例について説明
する。
【0068】実施例1.
【0069】剛性を有する金属製偏平本体3を得るため
に剛性を有する偏平金属素材15として厚さ0.5mm のス
テンレスのバネ鋼板を用意した。本体3の上面9形状の
図形18aを縦横に配置したパターンを透明のポリエス
テルフィルムの上面に印刷して本体側上面用フォトマス
ク18とし、本体側上面用フォトマスク18に描かれた
図形18aと対応するように本体3の下面10形状の図
形19aを縦横に配置したパターンを透明のポリエステ
ルフィルムの上面に印刷して本体側下面用フォトマスク
19とした。
【0070】実施の形態1と同様にして、先ず、アルカ
リ液にて脱脂を施した偏平金属素材15の両面に、図6
に示すように、光感光性樹脂(FRA:商品名:デュポ
ン社製)を塗布してポジタイプフォトレジスト膜16,
17を形成した(第一、第二処理工程)。
【0071】次いで、フォトレジスト膜16の表面に本
体側上面用フォトマスク18を配置すると共に、フォト
レジスト膜17の表面に本体側下面用フォトマスク19
を配置して、図7に示すように、両面から露光してポジ
タイプフォトレジスト膜16,17を感光させ、この
後、フォトレジスト膜16,17を現像液にて現像処理
して、図8に示すように、本体上面側耐腐蝕膜21と本
体下面側耐腐蝕膜23を形成した(第三、第四処理工
程)。
【0072】次いで、図9に示すように、偏平金属素材
15の両面へ圧力例えば1.8kg/cm2で腐蝕液(エッチン
グ液)26を吹きつけてエッチング処理し、続けて、苛
性ソーダに浸して腐蝕膜21及び23を除去して、図1
2に示すように、本体3を多数得た(第五〜第八処理工
程)。
【0073】次いで、金属製偏平刃体3を得るために偏
平金属素材15として厚さ0.5mm の超硬合金を用意し
た。刃体6の上面形状の図形を縦横に配置したパターン
を透明のポリエステルフィルムの上面に印刷して刃体側
上面用フォトマスクとし、刃体側上面用フォトマスクに
描かれた図形と対応するように刃体6の下面形状の図形
を縦横に配置したパターンを透明のポリエステルフィル
ムの上面に印刷して刃体側下面用フォトマスクとした。
本体3と同様にして刃体6を多数得た(第一〜第八処理
工程)。本体3と刃体6とをエポキシ樹脂系熱硬化性接
着剤を用いて接合させた後(接着工程)、刃体6の一辺
を研磨し、刃先4を形成して薄板状刃物1を得た。
【0074】実施例2.
【0075】前記実施例1と同様にして本体3を多数得
た後、本体3とセラミック製偏平刃体とをエポキシ樹脂
系熱硬化性接着剤を用いて接合し、刃体の一辺を研磨
し、刃先を形成して薄板状刃物1を得た。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、腐蝕液によって浸食さ
れた剛性を有する金属製偏平本体のあいじゃくり構造の
片溝部に超硬偏平刃体を接合するようにしたから、長期
間使用しても切れ味がよく、衝撃にも強い強固に接合さ
れた薄板状刃物を提供することができる。
【0077】また、剛性を有する金属製偏平本体をエッ
チング処理により型抜成形して一度に多量作製するか
ら、薄板状刃物を安価に製造することができる。
【0078】従って、本発明の産業上利用性は非常に高
いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る薄板状刃物を示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示した薄板状刃物の縦断面図である。
【図3】図1に示した薄板状刃物の金属製偏平本体を示
す斜視図である。
【図4】図1に示した薄板状刃物の偏平刃体を示す斜視
図である。
【図5】第一処理工程を模型的に示す縦断面工程図であ
る。
【図6】第二処理工程を模型的に示す縦断面工程図であ
る。
【図7】第三処理工程を模型的に示す縦断面工程図であ
る。
【図8】第四処理工程を模型的に示す縦断面工程図であ
る。
【図9】第五処理工程を模型的に示す縦断面工程図であ
る。
【図10】第六処理工程を模型的に示す縦断面工程図で
ある。
【図11】第七処理工程を模型的に示す縦断面工程図で
ある。
【図12】第八処理工程を模型的に示す縦断面工程図で
ある。
【図13】実施の形態2に係る薄板状刃物の一変形例を
示す斜視図である。
【図14】図13に示した金属製偏平本体と金属製偏平
刃体とを示す斜視図である。
【図15】実施の形態2に係る薄板状刃物の一変形例を
示す斜視図である。
【図16】図15に示した金属製偏平本体と金属製偏平
刃体とを示す斜視図である。
【図17】実施の形態2に係る薄板状刃物の一変形例を
示す斜視図である。
【図18】図17に示した金属製偏平本体と金属製偏平
刃体とを示す斜視図である。
【図19】実施の形態3に係る薄板状刃物の縦断面図で
ある。
【図20】実施の形態4に係る薄板状刃物の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 薄板状刃物 2 本体側片溝部 3 剛性を有する金属製偏平本体 4 刃先 5 刃体側片溝部 6 金属製偏平刃体 7 本体側片溝部の上り壁面(湾曲状上り壁面) 8 本体側片溝部の下り壁面(アール状下り壁面) 11 刃体側片溝部の上り壁面(湾曲状上り壁面) 12 刃体側片溝部の下り壁面(アール状下り壁面) 13,14 円弧状空隙 15 剛性を有する偏平金属素材 16,17 フォトレジスト膜 18 本体側上面用フォトマスク 19 本体側下面用フォトマスク 21 本体上面側耐腐蝕膜 23 本体下面側耐腐蝕膜 26 腐蝕液 41,43,45 位置決め部 42,44,46 位置決め受部 50 偏平刃体 51 円弧状空隙 52 略V字状空隙 60 金属製偏平本体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する金属製偏平本体3の少なく
    とも一方端縁部3aに腐蝕液26によって浸食させて形
    成したあいじゃくり構造の片溝部2が形成されている金
    属製偏平本体3と刃先4が一辺に形成される偏平刃体6
    とを該片溝部2にて接合してなる薄板状刃物1であっ
    て、前記金属製偏平本体3が、剛性を有する偏平金属素
    材15の一方面に前記一方端縁部3aを除く金属製偏平
    本体形状の第一耐腐蝕膜21を形成すると共に該偏平金
    属素材15の他方面に前記第一耐腐蝕膜21に対応させ
    て前記一方端縁部3aを含む金属製偏平本体形状の第二
    耐腐蝕膜23を形成した後に腐蝕液26によって偏平金
    属素材15の両面から浸食させて片溝部2となるあいじ
    ゃくり構造の上り壁面7を前記第一耐腐蝕膜21に覆わ
    れて残った偏平金属素材15の一方面側先端辺2aを残
    して横方向へ抉るように該一方面側先端辺2aからあい
    じゃくり構造の底面2bに渡って浸食された湾曲状に形
    成すると共に該あいじゃくり構造の下り壁面8を前記第
    二耐腐蝕膜23に覆われて残った偏平金属素材15の他
    方面側先端辺2cを残してあいじゃくり構造の底面2b
    から該他方面側先端辺2cに渡って浸食されたアール状
    に形成して金属製偏平本体形状に型抜きされてなるもの
    であることを特徴とする薄板状刃物。
  2. 【請求項2】 剛性を有する金属製偏平本体3と刃先4
    が一辺に形成される偏平刃体50とを該金属製偏平本体
    3の上面と該偏平刃体50の上面とが略倣うように接合
    してなる薄板状刃物1において、前記金属製偏平本体3
    の少なくとも一方端縁部3aには腐蝕液26によって浸
    食させて形成したあいじゃくり構造の片溝部2が形成さ
    れており、当該片溝部2の上り壁面7の形状が前記一方
    端縁部3aの上面側先端辺2aを残して横方向へ抉るよ
    うに該上面側先端辺2aから片溝部底面2bに渡って浸
    食された湾曲状となっていると共に片溝部2の下り壁面
    8の形状が前記一方端縁部3aの下面側先端辺2cを残
    して片溝部底面2bから該下面側先端辺2cに渡って浸
    食されたアール状となっており、金属製偏平本体3の前
    記湾曲状上り壁面7と偏平刃体50の接合先端面50a
    との間に形成された円弧状空隙51と金属製偏平本体3
    の前記アール状下り壁面8と偏平刃体50の接合下面5
    0bとの間に形成された略V字状空隙52とに接着剤5
    3が充填されて金属製偏平本体3と偏平刃体50とが接
    合されていることを特徴とする薄板状刃物。
  3. 【請求項3】 剛性を有する金属製偏平本体3と刃先4
    が一辺に形成される金属製偏平刃体6とを接合してなる
    薄板状刃物1において、前記金属製偏平本体3の少なく
    とも一方端縁部3aには腐蝕液26によって浸食させて
    形成したあいじゃくり構造の本体側片溝部2が形成され
    ており、当該本体側片溝部2の上り壁面7の形状が前記
    一方端縁部3aの上面側先端辺2aを残して横方向へ抉
    るように該上面側先端辺2aから本体側片溝部底面2b
    に渡って浸食された湾曲状となっていると共に本体側片
    溝部2の下り壁面8の形状が前記一方端縁部3aの下面
    側先端辺2cを残して本体側片溝部底面2bから該下面
    側先端辺2cに渡って浸食されたアール状となってお
    り、前記金属製偏平刃体6の刃先4が形成されない他方
    端縁部6aには腐蝕液26によって浸食させて形成した
    あいじゃくり構造の刃体側片溝部5が形成されており、
    当該刃体側片溝部5の上り壁面11の形状が前記他方端
    縁部6aの上面側先端辺5aを残して横方向へ抉るよう
    に該上面側先端辺5aから刃体側片溝部底面5bに渡っ
    て浸食された湾曲状となっていると共に刃体側片溝部5
    の下り壁面12の形状が前記他方端縁部6aの下面側先
    端辺5cを残して刃体側片溝部底面5bから該下面側先
    端辺5cに渡って浸食されたアール状となっており、金
    属製偏平本体3の本体側湾曲状上り壁面7に金属製偏平
    刃体6の刃体側アール状下り壁面12を当接させると共
    に金属製偏平本体3の本体側アール状下り壁面8に金属
    製偏平刃体6の刃体側湾曲状上り壁面11を当接させる
    ことにより金属製偏平本体3の本体側片溝部2と金属製
    偏平刃体6の刃体側片溝部5を嵌合して接着剤によって
    接合されていることを特徴とする薄板状刃物。
  4. 【請求項4】 金属製偏平本体3の片溝部2には腐蝕液
    26によって浸食させて形成した位置決め部が設けられ
    ており、偏平刃体には前記位置決め部に嵌まる位置決め
    受部が設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載
    の薄板状刃物。
  5. 【請求項5】 剛性を有する金属製偏平本体3の少なく
    とも一方端縁部3aに腐蝕液26によって浸食させて形
    成したあいじゃくり構造の片溝部2が形成されている金
    属製偏平本体3と刃先4が一辺に形成される偏平刃体6
    とを該片溝部2にて接合する薄板状刃物1の製造方法で
    あって、剛性を有する偏平金属素材15の一方面に前記
    一方端縁部3aを除く金属製偏平本体形状の第一耐腐蝕
    膜21を形成する第一耐腐蝕膜形成工程と、該偏平金属
    素材15の他方面に前記第一耐腐蝕膜21に対応させて
    前記一方端縁部3aを含む金属製偏平本体形状の第二耐
    腐蝕膜23を形成する第二耐腐蝕膜形成工程と、腐蝕液
    26によって偏平金属素材15の両面から浸食させて片
    溝部2となるあいじゃくり構造の上り壁面7を前記第一
    耐腐蝕膜21に覆われて残った偏平金属素材15の一方
    面側先端辺2aを残して横方向へ抉るように該一方面側
    先端辺2aからあいじゃくり構造の底面2bに渡って浸
    食された湾曲状に形成すると共に該あいじゃくり構造の
    下り壁面8を前記第二耐腐蝕膜23に覆われて残った偏
    平金属素材15の他方面側先端辺2cを残してあいじゃ
    くり構造の底面2bから該他方面側先端辺2cに渡って
    浸食されたアール状に形成して金属製偏平本体形状に型
    抜きする腐蝕工程とを含んでいることを特徴とする薄板
    状刃物の製造方法。
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