JP2001198800A - ガラス板の表面加工方法 - Google Patents

ガラス板の表面加工方法

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JP2001198800A
JP2001198800A JP2000011758A JP2000011758A JP2001198800A JP 2001198800 A JP2001198800 A JP 2001198800A JP 2000011758 A JP2000011758 A JP 2000011758A JP 2000011758 A JP2000011758 A JP 2000011758A JP 2001198800 A JP2001198800 A JP 2001198800A
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Takahito Kojima
孝仁 小島
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SpeedFam Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C19/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by mechanical means

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】板状のガラスの表面のポリッシング加工を行な
うにおいて、特に高い仕上面粗さで効率よく鏡面仕上げ
を施すための加工方法を提供する。 【構成】樹脂系砥石により形成した砥石研磨作用面に、
酸化セリウム微粒子を含む水系スラリーを供給しつつ、
研磨加工を行なうことを特徴とするガラス板の表面加工
方法である。樹脂系の砥石としては、砥粒微粒子を、ポ
リビニールアルコールとアルデヒドとの縮合体および熱
硬化樹脂の硬化体とを結合材として固定したものを選択
的に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、板状のガラスの表
面のポリッシング加工を行なうにおいて、特に高い仕上
面粗さで効率よく鏡面仕上げを施すための加工方法に係
わるものである。更に詳しくは、磁気ディスク基板とし
て用いられる円形環状のガラス基板のポリッシング加工
での時間短縮を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス材料は、建材、容器、装飾
品、光学用あるいはレンズ等の従来からの一般的用途に
使用される以外に、磁気ディスク基板、フォトマスク、
液晶ガラス等電子部品関連の新用途への展開が著しく、
特に磁気ディスク基板として用いられるガラス基板の場
合には、極端に高精密な仕上げ面粗さが要求されると同
時に生産性の向上、すなわちポリッシング速度の改善と
収率の向上も要求されている。
【0003】従来、ガラス基板等のガラス材料で、極め
て高い平面度や平行度が特に要求される板状の材料の面
を鏡面に仕上げるためのポリッシング加工は、予めラッ
ピング加工(砂かけ加工)等で形状精度を出し、ある程
度の面粗さを得たものを、ポリッシング用の研磨布、所
謂ポリッシングパッドや酸化セリウムを含有したポリウ
レタンパッド、所謂セリウムパッドを貼付した回転可能
な定盤を上下に配し、その間に被加工体を挟持して、酸
化セリウム等の研磨剤微粒子を含有した加工液を定量的
に供給しつつ被加工体を押圧し、定盤及び被加工体を回
転させ、その作用で面粗さの向上を行なうという方法で
行なわれている。
【0004】ガラスポリッシング用研磨剤としては、従
来より酸化セリウム(CeO2)の砥粒微粒子が選択的
に使用されている。その粒子サイズについては、目的に
応じて一定の粒子径を中心に正規分布するように分級さ
れたものを用いるのが通常であるが、ガラスのポリッシ
ングにおいて使用される酸化セリウムの平均粒子径はサ
ブミクロンのサイズから高々20ミクロン程度のもので
ある。これを数%ないし数十%の濃度でスリラー状に分
散した水系の分散液に必要に応じて分散剤等の添加剤を
加えたものが加工液として使用されている。含有する砥
粒微粒子は表示される粒子径を中心としてほぼ正規分布
しているものであり、酸化セリウム砥粒の場合は二次凝
集したものも含有されていてもよい。また、酸化セリウ
ム砥粒の場合出発原料となる鉱石が、セリウム以外の稀
土類元素を多く含むため、純度は比較的低く一般的には
CeO2含有量が45%以上のものを酸化セリウム砥粒
と称して用いている。
【0005】一方、ガラス材料の前工程、即ち、例えば
鋳鉄定盤と遊離砥粒とを用いたラッピング加工(砂かけ
加工)等、従来行われている加工方法に代わる手段とし
てダイヤモンド砥石による研削加工方法も近年幅広く使
用されている(例えば、特公平6−22790号公報、
特開平6−55459号公報)。ダイヤモンド微粒子は
ガラス材料に対する加工力が高く、砥石表面に固定され
た無数の砥粒微粒子がガラスの表面を引掻き、除去作用
を進めて行くので、寸法や形状を整える研削加工には極
めて好適であるが、固定砥粒特有の方向性のある条痕が
残り、また特有のマイクロクラックも入るので最終仕上
げ用としては適していない。また、面粗さも超精密な鏡
面のレベルまでには向上することはできない。
【0006】更に、一般的なレジノイド系の合成砥石を
用いて寸法や形状を整える研削加工も知られている。例
えば、特開昭60−242975公報には、炭化珪素系
の砥粒微粒子を樹脂を結合材として固定した高気孔率の
樹脂系砥石を、上下定盤に貼付し、この間に被加工体た
る円形環状のガラス基板等の被加工体を挾持し、研磨剤
を含まない水系の加工液を供給しつつ、定盤および被加
工体を回転して被加工体の加工を行なうという方法が開
示されている。この方法では、砥石組織中に固定された
砥粒の作用にて、被加工体であるガラスの表面を引掻い
て除去作用を進めて、それにより研削加工を行なうこと
においてはダイヤモンド砥石と同じであるが、砥粒はダ
イヤモンドほど硬くないので、その作用は永続的ではな
く、実質的加工を行なうには鈍化した砥粒は短時間で砥
石面から脱落し、新しい砥粒が再生して来なくてはなら
ない。砥粒脱落を容易ならしめるために、砥粒の結合材
は比較的脆性に富んだものが使用される。また、砥粒の
サイズとしては400番から8000番程度のものが目
的に応じて使用される。
【0007】一方、ガラス材料のポリッシング加工は、
ガラスを構成する材質と介在する水との水和反応と、更
にそれと酸化セリウムとの化学反応を利用し、それに機
械的除去作用とを加えた所謂メカノケミカル作用によっ
てポリッシングが進むものである。すなわち、酸化セリ
ウム砥粒微粒子が被加工体であるガラスの表面に接触し
た時の塑性変形に伴う歪エネルギーと摩擦熱により、ガ
ラスの表面が化学的に活性化された状態になり溶去が促
進され、それが砥粒微粒子の機械的作用にて除去される
のであって、ガラスよりも硬度の低い酸化セリウムを砥
粒として用いることによりダメージの少ない、面粗さに
優れた鏡面仕上げの超精密加工が可能となるのである。
すなわち、この効果はダイヤモンド砥粒やその他のガラ
スよりも硬度の高い砥粒の機械的作用による加工におい
ては見られないものであって、酸化セリウムによるガラ
スポリッシング加工の大きな特徴である。具体的には、
定盤表面に貼付したポリッシング用の研磨布、所謂ポリ
ッシングパッドや酸化セリウムを含有したポリウレタン
パッドによる機械的作用に前述の化学的作用とを組合わ
せたものが従来のポリッシング加工である。
【0008】しかしながら、前述のガラス等を構成する
材質と水との間の反応は極めて微弱かつ緩慢なものであ
って、従ってそのポリッシング加工速度(除去速度)も
通常の条件においては1〜1.2μm/minと極めて
遅いものであり、その効率の低さがガラス等のポリッシ
ング加工の問題点として従来より指摘されている。この
加工速度を上げる手段としては、加工圧や回転数を上げ
る方法が考えられるが、単純にこれらの条件を上げるこ
とは、加工後のガラスの平面度の悪化を招くとともに外
周端部のロールオフやダブオフ(いずれも面ダレを表す
数値)が大きくなり製品とはならない。よって、平面度
を許容範囲内において加工速度を選定すると前述の通り
遅いものとなってしまう。また、この作用は加工液をア
ルカリ性にすることによっても多少促進することはでき
るがそれほど顕著なものではない。一般的に砥粒を用い
た加工の加工効率の向上は、粒子径の大きい砥粒微粒子
を用いることで対応しているが、酸化セリウムによるガ
ラス等の加工の場合、上述のような機構で加工が進むた
め、この方法は加工効率の向上には寄与せず、むしろス
クラッチや潜傷等の好ましからざる現象の発生につなが
り、期待する効果を得ることはできない。
【0009】上述した通り、一般的なガラスディスク基
板の加工の工程は、寸法や形状を整えるための前工程
と、後工程であるポリッシング工程とから構成されてお
り、それぞれの工程には更に2ないし3工程が含まれて
いる。この全工程で0.4ないし0.5mm程度の厚み
を除去した上で、0.5〜1.0nm程度の面粗さ(R
a)を最終的に得ることが必要である。特に、後工程で
あるポリッシング工程においては酸化セリウム砥粒を大
量に消費するとともに所要時間が大変長く、その点の改
善が強く求められている。
【0010】現在の工程の持つ上述の問題点の解決を目
標として、ダイヤモンド微細砥粒を固定した砥石を使用
して、前工程から最終仕上げ工程までを効率的に行なう
方法も検討されているが、ダイヤモンド固定砥粒による
マイクロクラックが避けられず、また得られる面粗さ
(Ra)も10nm程度が限界であり、目標とする0.
5〜1.0nmを達成することは出来ない。
【0011】更に、ダイヤモンド微細砥粒を固定した砥
石の持つ上述の欠点を是正し、ダイヤモンド砥石の有す
る高加工レートを維持しながら、高い仕上がり面粗さを
得る方法については、特願平10−268330におい
てペレット状のダイヤモンド砥石を用いたガラス板の加
工時に酸化セリウムスラリーを併用する方法が開示され
ている。しかしながら、この方法は高価なペレット状の
ダイヤモンド砥石を大量に使用するため、イニシャルコ
ストが高いこと、およびダイヤモンド砥石の頂部平坦部
にて形成された研磨作用面の平面度が出しにくいこと、
更には一旦狂った研磨作用面の平面度の修正に時間がか
かることなどが問題点としてあげることができる。ま
た、ポリッシング加工後のディスク状ガラスの外周ある
いは内周縁部の面ダレ問題も完全には解決されていな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、より優
れたガラス板の加工方法の可能性、具体的には加工速度
にすぐれ、良好な寸法精度や形状精度が安定して得られ
る方法について更に鋭意研究を行なった結果、樹脂系砥
石を表面に貼付した砥石定盤と、酸化セリウム砥粒微粒
子を研磨剤とした研磨用組成物のスラリーの併用で好ま
しい結果が得られることを見出して、本発明方法を完成
させたものであり、その目的と成す所は、ガラス加工に
おいて、特に高い仕上げ面粗さでの鏡面仕上げを従来よ
りも速い速度で、かつ寸法精度、形状精度よく施すため
の方法を提供することにある。すなわち、本発明方法の
優位点は、取り扱いの容易な樹脂系の砥石定盤と酸化セ
リウムスラリーの使用において好ましい結果が得られる
点にある。
【0013】
【課題を解決しようとする手段】上述の目的は、樹脂系
砥石により形成した砥石研磨作用面に、ガラス板を圧接
し、酸化セリウム微粒子を含む水系スラリーを供給しつ
つ、研磨加工を行なうことを特徴とするガラス板の表面
加工方法にて達成される。樹脂系の砥石としては、砥粒
微粒子を、ポリビニールアルコールとアルデヒドとの縮
合体および熱硬化樹脂の硬化体とを結合材としたものが
好ましく、特に熱硬化性樹脂としてはメラミン系樹脂、
フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはエポキシ系
樹脂のうち少なくとも一つを用いることが更に好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用する研磨加工
機は、回転可能な研磨用定盤を有し、その定盤面に被加
工体(ワーク)を押圧して、定盤と被加工体の回転作用
により被加工体の表面を研磨するものであり、一枚の定
盤を有するタイプの片面加工機と、上下両面に定盤を有
するタイプの両面加工機が挙げられ、特に限定を受ける
ものではない。ガラス基板等のガラス材料で、極めて高
い平面度や平行度が特に要求される板状の材料の加工に
おいては両面タイプの加工機が多用される。両面加工機
の場合被加工体は遊星運動をする把持板(キャリアープ
レート)に把持され、その把持板に把持された被加工体
を前記両定盤で挟持し圧接しながら、前記両定盤および
把持板の少なくとも一つを回転し、加工を行なうもので
ある。
【0015】本発明方法においては前述の定盤に複数個
の樹脂系砥石を配列して、その砥石の頂部で同一平面か
らなる研磨作用面を形成するものである。図2に本発明
方法において用いる両面加工機の上下定盤上に配列する
樹脂系砥石の配列の具体例を示す。樹脂系砥石4は各々
略々台形状の形状をなし、定盤上に配列され、各砥石の
間隙をもって放射状あるいは斜行状の溝7を形成する。
この溝7は研磨用のスラリーを含んだ廃液の排出に有効
である。各砥石は同じ高さで平面状に成形され全体とし
て均一研磨作用面を持つように配列されている。砥石の
貼付方法については特に限定を受けるものではないが、
上下定盤面に直接接着剤をもって接着する方法、把持板
に接着した上で該把持板を上下定盤に螺着する方法等を
挙げることができる。また、同一平面からなる研磨作用
面を形成するには、砥石を貼付した後、使用状態すなわ
ち湿潤状態においた上で、旋盤等を用いて各砥石の高さ
を揃え、更に共摺り、シーズニング、ドレッシング等の
手段を用いて高精度で調整し、面出しを行なう。また、
使用に伴い平坦度、平行度等が狂って来た場合も同様な
手段を用いて研磨作用面の修正を行なうことができる。
【0016】図1に本発明方法において使用する両面加
工機の要部断面説明図を示す。被加工体である円板状の
ガラス5は把持板3に把持された状態で、上定盤1およ
び下定盤2の上に配置された樹脂系砥石4に押圧され
る。酸化セリウム微粒子を含んだ水系スラリーは上部定
盤に設けられた供給孔6より供給される。本発明におい
ては加工の対象物は円板状のガラスであるが、その中で
も特に磁気ディスク用ガラス基板の加工を主たる目的と
している。ここでいう磁気ディスク用ガラス基板とは、
ソーダライムガラス(通称青板)、アルミシリケート系
アモルファスガラス(通称白板)あるいは結晶化ガラス
を原材料とし、中央に円形孔を有する薄板状円形環状の
ガラス板を指す。
【0017】本発明にいう樹脂系砥石とは、研磨材たる
砥粒微粒子をその構造組織中に均質に保持し固定したも
のであり、その組織を構成しかつ砥粒微粒子を保持する
結合材としては合成樹脂を使用したものである。この樹
脂系の砥石は、例えばセラミックスを結合材としたビト
リファイド砥石、セメントを結合材としたセメント砥石
あるいは金属を結合材としたメタルボンド砥石などと較
べると比較的軟質であり、ガラスあるいは銅、アルミ等
の軟質金属の加工においてもこれらのビトリファイド砥
石、セメント砥石、メタルボンド砥石等が異常な傷やマ
イクロクラックを生ずるため使用できないのに対して、
そのようなことがない。また、樹脂系の砥石の中でもポ
リビニールアルコールとアルデヒド類との縮合体および
熱硬化樹脂の硬化体を用いることにより上述の傾向は更
に顕著となり好ましく、更に、前述の同一平面からなる
研磨作用面を形成するにおいても他のタイプの砥石より
も極めて容易に行なうことが可能である。ポリビニール
アルコール(PVA)樹脂は水溶性で、分散性に優れた
水溶液を形成し、それがアルデヒド類と熱時架橋縮合反
応を起こして水に不溶のポリビニールアセタール(PV
At)系樹脂を生ずる。また、熱硬化性樹脂はこのPV
At系樹脂と均質に混合して複合体となり、砥石の組織
を形成する。これらの樹脂は加熱により硬化し、熱的に
安定で寸法変化のない硬化体を形成する。取り扱いの容
易さ、および製造時におけるポリビニールアルコールと
の相溶性のよさから、メラミン系樹脂、フェノール系樹
脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはエポキシ系樹
脂等が好んで選定されるが、これらは単独ではなく混合
して使用してもよい。PVAt系樹脂と、メラミン系樹
脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂あ
るいはエポキシ系樹脂の熱硬化体を混合して使用するこ
とにより樹脂成分の溶出の少ない組織の形成が可能であ
り、また、組織を形成する樹脂としての硬度や脆性、弾
性あるいはヤング率等の物性値を目的に合わせて任意に
変更することができるために、これ等の熱硬化樹脂を適
宜混合した複合樹脂を用いることが極めて有効である。
これらの樹脂の複合体を結合材とした砥石(以下PVA
砥石と略記する)は研磨に伴なう機械的摩擦により容易
に磨耗し接触面が破壊されるので、鈍化した砥粒の脱落
を容易にし、新しい砥粒の再生を促進することができる
し、また、成形加工も極めて容易であるので、本発明方
法の実施には好適である。
【0018】本発明方法に用いる樹脂系砥石の構造組織
は、微細三次元構造の多孔質組織であることが好まし
い。多孔質構造であることにより、使用時の摩擦による
熱を速やかに放散し、蓄熱を防止して研磨作用面の熱の
上昇を抑制するとともに、研磨作用に伴い発生する研磨
屑細片や脱落砥粒をこの部分に一時的に保持し、被加工
体の加工面に悪影響を与えることを防止することができ
る。また、研磨用に用いる、酸化セリウム微粒子を含ん
だ水系スラリーを砥石表面に均質に保持し所定の高精度
のポリッシング加工を行なうことができる。
【0019】本発明方法に用いる樹脂系砥石の形状につ
いては特に限定を受けるものではないが、例えば扇形、
台形、菱形、矩形等のセグメント状あるいはペレット等
の形状を有するものであって、これを直接あるいは取付
板を介して研磨加工機の定盤に設置して用いる。砥石は
例えばモザイク状に貼付され、定盤面全面を覆うように
配列されている。定盤上の砥石の配列については特に限
定を受けるものではないが、加工にあたって被加工体に
対する接触のヌケや斑がないように配列されるものであ
り、またこの砥石の加工作用面の占める総面積が、上下
各定盤の有効作用面積の少なくとも40%以上占めるよ
うにすることが好ましく、これ以下であると加工のヌケ
や斑の発生が起こりやすいとともに、酸化セリウム微粒
子を含んだ水系スラリーの消費が極めて多くなり、コス
ト的にもまた廃液の量からも不利である。さらに、砥石
の損耗も激しくなる。図2に定盤上に配列するセグメン
ト状砥石の配列の1つの具体例を示す。
【0020】本発明に用いる研磨用組成物中に含まれる
酸化セリウム微粒子はモナザイト、バストネサイト等の
鉱石から採集されるもので、酸化ランタンなどの不純物
を含有しており、酸化セリウム純分が原料鉱石とほぼ同
等の50%程度のもの、および精製して90%以上とし
たものがある。本発明方法においてはいずれのタイプも
使用することができ、特に限定を受けるものではない。
この酸化セリウム微粒子を水に分散したスラリー状の液
を加工液として使用するが、その組成物全体に対する濃
度は10ないし30重量%、好ましくは20ないし25
重量%の範囲である。これ以下であると、後に述べる効
果を期待することが出来なくなる。
【0021】本発明方法の肝要は、ガラス製の被加工
体、就中、磁気ディスク用ガラス基板の加工において、
上述の、セグメント状の樹脂系砥石を配した定盤による
研削加工と、酸化セリウムスラリーによるメカノケミカ
ル加工とを併用して行なうことにあるのであって、この
併用により面粗さRaが0.8〜1.1nmの鏡面と優
れた平面度が得られ、かつ2μm/min以上という高
加工レートが達成できることをその最大の特徴とする。
このような優れた効果が得られる技術的理由は以下の如
く考えられる。すなわち、前述の通り、ガラスと水との
水和反応と、酸化セリウム微粒子がガラス表面に接触し
た時の塑性変形に伴なう歪エネルギーと、摩擦による熱
とにより、ガラスの表面が化学的に活性化された異質の
層が形成される。その層が樹脂系砥石に固定された砥粒
の引掻き作用により強制的に除去されて加工が進行す
る。この層の除去作用は、従来の酸化セリウムのみによ
る場合には、遊離状態の酸化セリウム砥粒の転動作用の
みによって進むのであるから、比較的緩慢でありその速
度も遅い。しかしながら、本発明方法の場合はその層を
研削性に優れた例えば炭化珪素砥粒を含有する樹脂系砥
石で強制的に除去するのであるからその速度は増進され
る。しかも砥粒とガラスの間には、前記活性化層と酸化
セリウム砥粒が介在し、緩衝材的な作用をするのである
から、樹脂系砥石単独で行なうようなスクラッチや潜傷
を残すことなく、酸化セリウム砥粒単独で行なったと同
等の極めて良好な仕上面を得ることができるのである。
このような作用を確実に行なうためには酸化セリウム微
粒子のサイズを、砥石中に固定された砥粒のサイズとほ
ぼ同等、もしくはそれよりも小さくすることが有効であ
る。
【0022】また、酸化セリウム微粒子を含む水系スラ
リー中には必要に応じて例えば分散剤、安定剤等の添加
剤を加えることができる。本発明方法においては水溶性
有機物を0.3〜25重量%を含むことが好ましい。水
溶性の有機物はスラリー中の酸化セリウム微粒子の分散
剤、安定剤として作用するだけでなく、加工後の被加工
体表面に残留したスラリーが乾燥して白点状のシミとな
ったり、循環ライン中で凝集固化し配管を詰めたり、異
常凝集魂を形成することを防止することができる。かか
る作用を行なう水溶性有機物としては多価アルコール
類、ポリエーテル類あるいはその誘導体等の化合物、具
体的には例えばグリセリン、グリコールあるいはポリエ
チレンオキサイド等を挙げることができる。
【0023】
【実施例】以下実施例および比較例をもって、本発明方
法を具体的に説明するが、特にこれにより限定を受ける
ものではない。本実施例、比較例において用いられる加
工機はスピードファム・アイペック社製11.8B−1
0SSG型両面加工機であり、この上下定盤に各種砥石
あるいはポリッシングパッドを取り付けて用いた。酸化
セリウムスラリーとして用いたものはスピードファム・
アイペック社製CO#85の20%水系スラリーであ
り、酸化セリウムとしては1.8μmの平均粒子径を有
し、全希土類酸化物に対して酸化セリウム純分が45重
量%のものを用いた。研磨速度は実際に研磨した量を実
測してから求めた。加工物平坦度(TROPEL社製F
lat Master200)を使用して評価した。磁
気ディスク基板内外周部の面ダレを表す目安となるダブ
オフはデクタック社製V300Siで評価した。面粗さ
はオリンパス社製のAFMであるNV−3000で評価
した。また、研磨後の表面状態のスクラッチの評価は集
光灯下で目視にて行なった。砥石の成形性については、
例えばセグメント状あるいはペレット状に成形し、その
頂部により均一作用面を形成する工程の容易さについて
評価した。
【0024】実施例1 上述の装置、スラリーを用いて95mm径の結晶化ガラ
ス製磁気ディスク基板の加工を行なった。加工条件を以
下の通りとした。砥石としては、日本特殊研砥社製#3
000砥石を図2に示すような配列で貼付して用いた。
この砥石は、3000番の炭化珪素砥粒(C砥粒)をP
VAt系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂の混
合系の樹脂を結合材として固定化したPVA砥石であ
り、気孔率55%のものである。 定盤回転数 : 30rpm 加工圧力 : 100g/cm2 スラリー流量: 1200ml/min 加工時間 : 15min 研磨加工結果を表1に示す。
【0025】実施例2 砥粒の結合材をフェノール系の樹脂のみとした砥石を用
いる以外は実施例−1と同様にして、加工実験を行なっ
た。砥石に使用されている砥粒は1000番の炭化珪素
砥粒である。研磨加工結果を表1に併記する。
【0026】比較例−1 砥粒の結合材をセラミック系のものとしたビトリファイ
ド砥石を用いる以外は実施例−1と同様にして、加工実
験を行なった。砥石に使用されている砥粒は400番の
アルミナ砥粒であり、砥石はペレット状のものを多数定
盤上に貼付して用いた。研磨加工結果を表1に併記す
る。
【0027】比較例2 従来の装置でロデール・ニッタ社製MCH−14Bのポ
リッシングパットを貼付し、スピードファム・アイペッ
ク社製CO#85の20%水系スラリーを供給しながら
結晶化ガラス製磁気ディスク基板のポリッシングを行な
った。なお、加工条件は実施例と同じ条件とした。加工
結果を表1に併記する。
【0028】比較例3 比較例1と同じ装置、ポリッシングパッド、スラリーを
用いて結晶化ガラス基板のポリッシングを行なった。た
だし加工条件は以下の通り定盤回転数と研磨圧力を実施
例、比較例1の場合よりも上昇させた。 定盤回転数 : 30rpm 加工圧力 : 200g/cm2 スラリー流量: 1200ml/min 加工時間 : 15min 研磨加工結果を表1に併記する。表中の記号において、
◎は非常に良好、○は良好、△はやや不良、×は不良を
示し、×の評価を受けた項目が一つでもあると実用上好
ましくない。
【0029】
【表1】
【0030】表から判るように、研磨速度は、本発明方
法である実施例1に示すようにPVA砥石を用いた場合
が2.0μm/minで従来方法の約2倍の研磨速度で
なおかつ良好な面粗さが得られている。一方、比較例2
に示すように、従来方式のポリッシングパッドを用いた
場合で良好な面粗さを得るには、研磨速度は1.1μm
/minと遅い。また、従来方式で面粗さを犠牲にし、
研磨速度を重視する比較例3では実施例と同程度の速度
の2.0μm/minの研磨速度を得ることができる。
また、加工物の平面度に関しては、実施例1、比較例2
がともに4μm程度の良好な面粗さが得られているのに
対し、比較例3では6μmと多少悪化の傾向が見られ
た。従来方式では研磨速度の高速化に伴う弊害が現われ
た。ダブオフ(面ダレ)に関しては、実施例1、実施例
2が30nmと良好な精度を示すのに対し、比較例1で
は30〜100nmと悪化、比較例2においては200
〜300nmと更に悪化する傾向が見られた。従来方式
で研磨速度を高速化するとダブオフ(面ダレ)が最も大
きな問題となる。面粗さに関しては比較例2が多少大き
いが、ほぼ同等の結果が得られ、本発明の実施例におい
ても従来方式と比較し、遜色のない結果が得られ、実用
範囲の面粗さと言える。面状態については従来方式と同
等のスクラッチのない良好な鏡面を得ることができた。
【0031】フェノール樹脂のみを結合材とする砥石を
用いた実施例2では、PVA系樹脂砥石を用いた実施例
1と比較して、多少加工後の表面状態と砥石の成形性と
が劣っていた。更に、砥石として硬質のビトリファイド
系の砥石を用いた比較例1では、まず砥石自体の成形性
が極めて悪く砥石頂部で研磨作用面を形成するには長い
時間を要することが挙げられ、また、仕上がり面も悪く
鏡面は得られなかった。加工途中でのワークの破損も見
られた。このように、本発明方法によれば、ガラス板の
ポリッシングにおいて樹脂系砥石、特にPVA砥石と酸
化セリウムスラリーを用いることにより、従来方法に比
較して約2倍の研磨速度が得られ、かつ平坦度、面粗さ
にすぐれ、面ダレ、スクラッチのない鏡面状態が得られ
るとともに大幅な加工時間短縮を実現することができ
た。
【0032】
【発明の効果】上述の実施例、比較例において明らかな
ように、本発明になるガラス板の表面加工方法、即ち、
ポリッシング工程に樹脂系砥石を貼付した定盤を用い、
酸化セリウムスラリーを供給して加工することにより、
従来通りの表面粗さを維持したまま、大幅な加工時間短
縮を実現することが明らかである。しかも、面ダレ等の
従来方法では不十分であった点に関しても大幅に改善す
ることができた。すなわち、加工時間の短縮と品質向上
も達成することができたものであり、その効果は極めて
大であり、産業界に資することが大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる両面加工機の要部断面図で
ある。
【図2】本発明方法に用いる両面加工機の定盤上に配列
するセグメント状砥石の配列の1つの具体例を示す図面
である。
【符号の説明】
1.上定盤 2.下定盤 3.把持板 4.樹脂
系砥石 5.ガラス板 6.スラリー供給孔 7.溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂系砥石により形成した砥石研磨作用面
    に、ガラス板を圧接し、酸化セリウム微粒子を含む水系
    スラリーを供給しつつ、研磨加工を行なうことを特徴と
    するガラス板の表面加工方法。
  2. 【請求項2】樹脂系の砥石が、砥粒微粒子を、ポリビニ
    ールアルコールとアルデヒドとの縮合体および熱硬化樹
    脂の硬化体とを結合材として固定したものであることを
    特徴とする請求項第1項記載のガラス板の表面加工方
    法。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂が、メラミン系樹脂、フェノ
    ール系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはエポ
    キシ系樹脂のうち、少なくとも一つであることを特徴と
    する、請求項第2項に記載のガラス板の表面加工方法。
  4. 【請求項4】樹脂系砥石が、連続微細気孔を有する多孔
    質砥石であって、かつその気孔率が砥石全体に対して体
    積比で40〜60%であることを特徴とする請求項第1
    項ないし第3項いずれかに記載のガラス板の表面加工方
    法。
  5. 【請求項5】酸化セリウム微粒子を含む水系スラリー中
    の酸化セリウム微粒子の濃度が、2〜30重量%である
    ことを特徴とする請求項第1項ないし第4項いずれかに
    記載のガラス板の表面加工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238413A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Yachiyo Microscience Inc ラップ盤用回転定盤
JP2011020239A (ja) * 2009-07-21 2011-02-03 Kyocera Kinseki Corp 研磨装置

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