JP2001197845A - 変異型ミトコンドリアdnaの生殖細胞への導入方法 - Google Patents

変異型ミトコンドリアdnaの生殖細胞への導入方法

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JP2001197845A
JP2001197845A JP2000009194A JP2000009194A JP2001197845A JP 2001197845 A JP2001197845 A JP 2001197845A JP 2000009194 A JP2000009194 A JP 2000009194A JP 2000009194 A JP2000009194 A JP 2000009194A JP 2001197845 A JP2001197845 A JP 2001197845A
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Institute of Tsukuba Liaision Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変異型ミトコンドリアDNAを生殖細胞へ導入
するのに有効な方法の提供。 【解決手段】 変異型ミトコンドリアDNAを有する脱核
した細胞をミトコンドリアDNA欠損細胞と融合させてサ
イブリッドを作製し、該サイブリッドを脱核した後、生
殖細胞と融合させることを特徴とする、変異型ミトコン
ドリアDNAの生殖細胞への導入方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変異型ミトコンド
リアDNAの生殖細胞への導入方法、および該方法を利用
して作製されたミトコンドリアDNAノックアウトマウス
に関する。
【0002】
【従来の技術】突然変異ミトコンドリアDNAは、ミトコ
ンドリア病、老化、そして様々な老化関連疾患と深い関
係にあることが示唆されてきた(Wallace,D.C. Mitochon
drialdiseases in man and mouse. Science283,1482-14
88(1999);Larsson,N.-G. & Clayton,D.A. Molecular g
enetic aspects of human mitochondrial disorders.An
nu.Rev.Genet. 29, 151-178(1995)) が、両者の因果関
係を説明できる確かな証拠は未だ見つかっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ミトコンドリアDNA(以
下、「mtDNA」と記載する)ノックアウトマウスを作製で
きれば、突然変異mtDNAがどのように子孫に伝わり、組
織に分配されそこで様々な病気を発症するかを明らかに
していく上で理想的な実験系が提供されることになる。
しかし、現在のところ、突然変異を誘発させたmtDNAを
他の細胞のミトコンドリア内に導入するのに有効な方法
は開発されていないため、上記マウスの作製に成功した
例はない。本発明は、以上のような技術的背景のもとに
為されたものであり、その目的は変異型mtDNAを生殖細
胞のミトコンドリア内に導入する手段を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、変異型mt
DNAを有する脱核した細胞をmtDNA欠損細胞と融合させて
サイブリッドを作製し、該サイブリッドを脱核した後に
生殖細胞と融合させることにより、変異型mtDNAをもつ
ミトコンドリアを生殖細胞内にうまく導入できることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、変異型mtDNAを有する細胞を脱核してmtDNA欠損細胞
と融合させてサイブリッドを作製し、該サイブリッドを
脱核した後、生殖細胞と融合させることを特徴とする、
変異型mtDNAの生殖細胞への導入方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の変異型mtDNAの生殖細胞への導入方法は、変異
型mtDNAを有する細胞を脱核してmtDNA欠損細胞と融合さ
せてサイブリッドを作製し、該サイブリッドを脱核した
後、生殖細胞と融合させることを特徴とするものであ
る。
【0006】変異型mtDNAを有する細胞としては、例え
ば、欠失突然変異mtDNA4696を有する細胞を使用するこ
とができるが、これに限定されない。欠失突然変異mtDN
A4696を有する細胞は本発明者らにより樹立された。変
異型mtDNAを有する細胞の脱核は、例えばHayashi,J-I.
ら、J.Biol.Chem 269,19060-19066(1994)の記載に従っ
て、サイトカラシンB処理と高速遠心操作することによ
り実施することができる。
【0007】マウスmtDNA欠損細胞、すなわちマウスρ0
細胞としては、例えばρ0 C2C12細胞を使用することが
できるが、これに限定されない。マウスρ0細胞は本発
明者らにより樹立されている(詳細については、Inoue,
K.ら、Isolation of mitochondrial DNA-less mouse ce
ll lines and their application for trapping mouses
ynaptosomal mitochondrial DNA with deletion mutati
ons. J.Biol.Chem. 272,15510-15515;Inoue,K.ら、Iso
lation and characterization of mitochondrial DNA-l
ess lines from various mammalian cell lines by app
lication of ananticancer drug, ditercalinium. Bioc
hem.Biophys.Res. Commun. 239,257-260(1997)参照)。
【0008】変異型mtDNAを有する脱核した細胞とmtDNA
欠損細胞との融合は、例えば、Hayashi,J-I.ら、J.Bio
l.Chem 269,19060-19066(1944)の記載に従って、ポリエ
チレングリコール処理することにより実施することがで
きる。上記融合により作製したサイブリッドの脱核は、
変異型mtDNAを有する細胞の脱核と同様に行なうことが
できる。生殖細胞としては、例えば前核期の胚を使用す
ることができるが、これに限定されない。
【0009】サイブリッドと前核期の胚との融合は、電
気融合を用いる。以上のようにして作製された変異型mt
DNAを導入された生殖細胞を利用して、マウス個体を作
製することができる。この場合、該mtDNAを導入した胚
を培養により4細胞期胚にまで発生させ、これを雌マウ
ス(仮親)の輸卵管に移植してF0世代のマウスを得る。mt
DNAは完全な母性遺伝をすることから、これらのF0世代
の雌と正常なmtDNAを有する雄マウスとを交配すること
により子孫マウスを作製することができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 〔実施例1〕 欠失突然変異mtDNAの前核期の胚への導
入 (1)欠失突然変異mtDNA(以下、「△mtDNA」と記載す
る)を有するサイブリッドの調製 △mtDNAのmtDNA欠損細胞(ρ0細胞)への導入 核を除いた培養細胞(NIH3T3細胞)を、マウスのmtDNA欠
損細胞(すなわちρ0細胞)とポリエチレングリコール(PE
G)処理により融合し、26個のサイブリッドクローンを
得た。
【0011】 △mtDNAを有するサイブリッドの選択 △mtDNAがうまく導入されたサイブリッドを選択するた
め、下記のプライマーセットを用いてPCR(PCR条件:94
℃で60秒、45℃で60秒、45℃で120秒を30サイクル)を行
った。 (プライマーセット) 順方向プライマー:5'−aagaaaggaaggaatcgaaccccct−
3'(配列番号1:正常型mtDNAの塩基配列6871−6895に
相当) 逆方向プライマー:5'−tatgttggaaggagggattggggta−
3'(配列番号2:正常型mtDNAの塩基配列13666−13642
に相当)
【0012】26個のサイブリッドクローンのうち8個
のクローンにPCRで増幅されるシグナルを認めたので、
これら8個のクローンの△mtDNA量をサザンブロット法
により定量した。この中のほとんどのクローンはサザン
ブロット法で検出できるだけの△mtDNAを含んでいなか
ったが、クローンCy4696だけが30%の△mtDNAを有して
いた。この変異はマウスの培養細胞由来のものであっ
た。
【0013】このサイブリッドクローンCy4696の有する
△mtDNA(以下、「△mtDNA 4696」と記載する)は、PCR産
物の塩基配列の解析から、正常型mtDNAの4459番から124
54番目に相当する4696bpを欠失しており、その欠失部分
には6つのtRNA遺伝子と7つの構造遺伝子が含まれていた
(△mtDNA4696の遺伝子地図を図 1aに示す)。この△mtDN
A4696は、他に報告されているマウスの△mtDNA と異な
り、欠失を起こした領域の周辺にダイレクトリピートは
存在しない(△mtDNA4696のL鎖における欠失領域周辺の
塩基配列を図 1bに示す)。
【0014】Cy4696サイブリッドに含まれる△mtDNA469
6の割合は、この細胞を37℃で30月培養している間に30%
から83%にまで増加し、その後それ以上の増加は見られ
なかった。この挙動は、ミトコンドリア病のひとつであ
るKearns-Sayre症候群の原因とされてる△mtDNAを導入
したヒトのサイブリッドで認められたそれと類似してい
た。おそらく△mtDNAはサイズが小さいため複製の際有
利であり、長期の培養の間に正常型mtDNAを席巻したも
のと思われる。
【0015】 △mtDNA4696の病原性の確認 次に、△mtDNA4696の病原性を以下の方法により確認し
た。まず、種々の割合(50〜90%)で△mtDNA4696を有す
るサイブリッドCy4696クローンについて、その呼吸活性
(すなわちチトクロームcオキシダーゼ(COX)活性)を還元
型チトクロムcのシアン化合物感受性酸化の割合(%)と
して宮林らによる手法(Miyabayashi,S.ら、(1984) Brai
n Dev.6, 362-372)に従って測定し、△mtDNA4696の割合
がCOX活性に及ぼす影響について分析した。結果を図 1c
に示す。
【0016】また、5個のCy4696サイブリット株(それ
ぞれ、△mtDNA4696を56、67、82、84、85%有する)、
マウスρ0細胞およびB82細胞(ρ0細胞親株)を制限酵素X
hoIで消化し、得られた断片をサザンブロット法により
検出した。結果を図 1dに示す。
【0017】さらに、上記と同じ5個のCy4696サイブリ
ッド株、マウスρ0細胞およびB82細胞それぞれのミトコ
ンドリア内翻訳産物に[35S]メチオニンを取り込ませて
標識し、ミトコンドリア画分を分離し、SDS電気泳動パ
ターンをBAS2000で解析することによりそのミトコンド
リア内翻訳系活性を分析した。結果を図 1eに示す。
【0018】(結果)図1c〜eを比較することより、△
mtDNA4696の割合の多いサイブリッドではCOX活性とミト
コンドリア内翻訳系の活性が共に低下することがわか
り、△mtDNA4696の病原性が立証された。試験したすべ
てのサイブリッドは親株であるρ0細胞と同じ核のバッ
クグラウンドを持っていることから、ミトコンドリア内
翻訳系全体の活性低下とその結果生じる呼吸(COX)活性
の低下は、6つのtRNA遺伝子を欠失している△mtDNA46 9
6の蓄積が原因であると考えられる。
【0019】 Cy4696サイブリッドのマウス前核期胚
への導入 Cy4696サイブリッドからサイトカラシンB処理および高
速遠心処理により核を除き、サイトプラスト数個を得
た。8〜10週齢の雑種F1雌マウス(B6D2F1)300個体に、
48時間の間隔をおいて妊馬血清性生殖腺刺激ホルモン(P
MSG) 5IUとヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン(hCG)5IUと
を続けて腹腔内注射することにより、過排卵を誘発し
た。
【0020】それらの雌マウスを、生殖能力のあるB6D2
F1雄マウスと一晩同居させた。hCGの注射15〜18時間後
に、雌マウスの卵管を破って前核期の胚を採集した。採
集した胚をCZB培地内に移し、ヒアルロニダーゼ(SIGM
A)を含む該CZB培地中で静置することにより卵丘細胞を
取り除いた。
【0021】ピエゾ駆動のマイクロマニピュレーターを
用い、上記で得た約10個のサイトプラストを、卵丘細胞
を取り除いた胚の囲卵腔に注入した。次いで、交流電場
(融合前・後ともに 100V/cm, 2MHz, 30sec)の存在下
で、パルス刺激(3000 or 3500V/cm, 10μsec)を与
え、サイトプラストと胚とを融合させた。(注:融合前
後の交流電場は、細胞同士を接着させておくための誘電
泳動用の電場である)
【0022】(結果)ほとんどの(95%以上)胚が電気
融合後も生存し、Cy4696由来のサイトプラストと融合し
た前核期の胚をシャーレで培養したところ、1142個の胚
が24時間の培養で2細胞期胚、48時間の培養で4細胞期胚
にまで発生した。
【0023】〔実施例2〕 mtDNAノックアウトマウス
の作製 実施例1で調製した△mtDNA4696を有する胚を用いて、m
tDNAノックアウトマウスを作製した。 F0世代マウスの作製 まず、実施例1で得た1142個の4細胞期胚(△mtDNA4696
を有する)を、偽妊娠処理後1日目のICR雌マウス(8〜12
週齢)(仮親)の輸卵管に移植した(処理後1日目と
は、精管結紮した雄マウスと交配(偽妊娠)させた次の日
を指す)。偽妊娠処理後20日目に、仮親雌マウスの子
宮を帝王切開して検査し、生存している仔マウス(F0世
代)は授乳能力のあるICR雌マウス(里親)に育てさせた。
実施例1の操作(Cy4696サイブリッドのマウス前核期
胚への導入)からの一連の操作の概略を図 1fに示す。
【0024】仮親マウスより取り出した111個体の新生
マウスのうち、98個体が成体まで発育した。これらのマ
ウスの尾から抽出したDNAを用いて、△mtDNA4696の有無
をPCR法で調べたところ、98個体中31個体がその体細胞
中に△mtDNA4696を有することがわかった。PCRで使用し
たプライマー対および条件は以下の通りである。
【0025】(プライマー対) 順方向プライマー:5'−AACAGTAACATCAAACCGACCAGG−3'
(配列番号3:正常型mtDNAの塩基配列7558−7581に相
当) 逆方向プライマー:5'−CTATTATCAGGCCTAGTTGGC−3'
(配列番号4:正常型mtDNAの塩基配列12678−12658に相
当) PCR条件:94℃で1分、45℃で1分、72℃で1分を30サイク
【0026】そこで、△mtDNA4696を有する31個体のF0
マウスの前脛骨筋(M.tibialis anterior)の筋生検を行
い、サザンブロット法でΔmtDNA4696の割合を測定した
ところ、24個体が5.7〜41.8%の△mtDNA4696を有してい
ることが示された(結果を図 2aに示す)。
【0027】 △mtDNA4696を有する子孫マウスの作
出 mtDNAは完全に母性遺伝することから、これらのF0世代
の中から△mtDNA4696をそれぞれ5.7、6.1、10.8、11.
2、13.0%有する雌マウス5個体を母親に選び、雄(BDF1)
と交配してF1世代のマウスを産出させた。同様にして、
F1世代の雌からF2世代を、さらにF2世代の雌からF3世代
の個体を産出させた。
【0028】 △mtDNA4696の世代伝達割合およびそ
の組織間分布 で得られたF0〜F3世代のマウス個体間(母親と仔マウ
ス)において、伝達されたΔmtDNA4696の割合を比較し
た。tibialis anteriorの筋生検サンプルを用いて、F0
とF1、F1とF2、F2とF3世代の個体間で△mtDNA4696の割
合の比較を行った。F0の5個体、F1の4個体、F2の7個体
の雌マウスを、次の世代を作出するための母親マウスと
してそれぞれ用いた。F0の5個体はそれぞれ、ΔmtDNA46
96を5.7、6.1、10.8、11.2、13.0%有していた。結果を
図 2bに示す。
【0029】(結果)F1の4個体はΔmtDNA4696を27.4、
38.0、47.0、48.7%有していた。F2の7個体はΔmtDNA469
6を19.6、39.1、41.3、63.9、73.2、73.5、74.8%有して
いた。このことから、△mtDNA4696はF0の母親マウスか
ら雌の生殖細胞系列を経て次の世代へと伝わることが示
された。尚、筋肉中に△mtDNA4696を90%以上有するマウ
スが得られなかったのは、それらが致死であったためと
思われる。また、継代を重ねることにより、△mtDNA469
6を多く含有する個体を得ることができた。
【0030】 同一個体の各組織間における△mtDNA4
696量の比較 次に、5個体の雄マウス(5週齡のF1が2個体、17週齡のF
2が1個体、21週齡のF2が2個体)を用いて、同一個体の
組織ごとのΔmtDNA4696の割合を比較した。比較に用い
た組織は脳、肺、心臓、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、精
巣、骨格筋および血液の10種類である。結果を図2cのヒ
ストグラムで示す。 (結果)同一個体の組織間におけるΔmtDNA4696の分布
に有意差は認められなかった。
【0031】 単一筋繊維における△mtDNA4696の割
合とCOX活性との関係 F2世代の中から、筋生検により47.3、70.0、79.0、82.
8、84.8%の△mtDNA4696を持つ21週齢の雄マウス5個体
を選び、各マウスの骨格筋(ヒラメ筋(M.soleus))からの
二枚の連続凍結切片(10μm、20μmの厚さ)を作製して、
COX活性の低下と△mtDNA4696の割合との間に関連がある
かどうかを調べた。
【0032】まず、84.8%の△mtDNA4696を持つマウス
のヒラメ筋から作製した10μmの切片を反応液(DAB 60m
g、0.1M 酢酸緩衝液(pH5.6) 27ml、1% MnCl2(pH5.5) 3
ml、0.1% H2O2 0.3ml)中37℃で30分間インキュベート
することによりCOX染色を行い、この染色結果を元に、2
0μmの切片からCOX非染性繊維とCOX染性繊維の細胞質を
切り出し、それぞれの細胞質に含まれる△mtDNA4696の
割合を以下の3個のプライマー: プライマー1:5'−ACCAGGGTTATTCTATGGCC−3'(配列番
号5:マウス正常型mtDNAの7576〜7595に相当)、 プライマー2:5'−CCGCATCGGAGACATCGGATT−3' (配列
番号6:マウス正常型mtDNAの12260〜12280に相当)、 プライマー3:5'−GTGTAGTAGTGCTGAAACTGG−3' (配列
番号7:マウス正常型mtDNAの12479〜12459に相当。FAM
で標識されている)、 を用いて定量PCR分析した。
【0033】PCR条件は、 1st PCR:94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分を30サイ
クル、 2nd PCR:94℃で1分、48℃で1分、72℃で3分を10サイク
ル、であった。
【0034】変異型mtDNA(△mtDNA4696)は210bp、正常
型mtDNAは220bpの断片としてそれぞれ検出された。次
に、それぞれの繊維に含まれる変異型・正常型mtDNA断
片の割合を、FM-BIOイメージ アナライザー(HITACHI)
を用いて定量した。観察された組織学的、形態学的な異
常を図3に示す。尚、図 3aおよびcは正常な21週齢の雄
マウス(ICR)について得られた所見である(比較対照)。
【0035】(結果)△mtDNA4696を47.3%および70.0
%有するマウスの骨格筋ではCOX活性のない筋線維を認
めなかったが、△mtDNA4696を79.0%、82.8%および84.
8%有するマウスの骨格筋ではCOX活性の有る(すなわちC
OX染性)と無い線維(COX非染性)がモザイク状に分布して
いた。図 3bに△mtDNA4696を84.8%有するマウスの骨格
筋について得られた所見を示す。図 3b中の番号を付し
た繊維1〜7はそれぞれ95.6、90.0、86.5、81.9、82.2、
83.2、77.3%のΔmtDNA4696を有しており、COX非染性の
繊維(1,2,3)のΔmtDNA4696の含有平均値は90.7±3.8
%、一方COX染性の繊維(4,5,6,7)の平均値は81.2±2.3
%であった。さらに、骨格筋においてCOX非染性の繊維
が認められたマウスでは、その心筋組織においてもCOX
活性の有る細胞と無い細胞がモザイク状に分布してい
た。図3dに△mtDNA4696を84.8%有するマウスの心筋に
ついて得られた所見を示す。
【0036】これらの結果より、COX活性の低下と△mtD
NA4696の割合の間には良い相関関係が見られることがわ
かる:すなわち、85%以上の割合で△mtDNA4696を含む筋
線維のすべてはCOX活性が無く、それ以下の筋線維ではC
OX活性が認められる。また、△mtDNA4696を多く有するF
1〜F2世代のマウスの多くは衰弱の結果死亡した。この
ようなマウスの肉眼的主要所見は、貧血と腎の粒状肥大
である。図3eに示す38週齡のF1の雄マウスは、耳と尾部
の蒼白色の色調から深刻な貧血症であることがわかる。
このマウスは7週齡時の筋生検サンプルにおいて58.7%の
ΔmtDNA4696を有していたが、撮影の次の日に腎不全に
より死亡した。
【0037】図3fにはこのマウス(右)と同じ週齢の正常
雄マウス(左)由来の腎臓を示す。△mtDNAを有するマウ
スの腎臓の表面(写真右)は顆粒状を呈し、88.2%のΔmtD
NA4696を有していた。他のF1〜F3マウスは筋生検サンプ
ルにおいて大量にΔmtDNA4696を有し(64.0±10.4%、n=
5)、21週齡から38週齡間に腎不全で死亡した。死亡時に
おけるこれらのマウスの腎組織は、80%以上(85.4±5.4
%、n=5)の△mtDNA4696を有していた。
【0038】さらに、94.0%の△mtDNA4696を有する24
週齢の雄マウスの腎組織の所見を図3hに、同じ週齡の正
常雄マウスの腎臓を図 3gに示す。△mtDNAを有するマウ
スの腎組織においては、皮質の近位および遠位尿細管の
顕著な拡張が観察され、部分的にエオシン染性の物質を
含んでいた。
【0039】 △mtDNA4696がマウス血中成分に及ぼ
す影響 △mtDNA4696を有する12週齢の雄マウス12個体の尾部よ
り末梢血を採取し、1.5g/kg体重のグルコースを経口で
投与した前後の血中ピルビン酸レベル(mg/dL)および乳
酸レベル(mg/dL)を測定し、そのレベルの変動と△mtDN
A4696の割合との関係を調べた。血中ピルビン酸レベル
および乳酸レベルはNAD−NADH間の濃度変化により測定
した。結果を図 4aおよびbに示す。
【0040】さらに、と同じ47.3、70.0、79.0、82.
8、84.8%の△mtDNA4696を持つ21週齢のF2雄マウス5個
体から上記同様に末梢血を採取し、ドライケム(Fuji Fi
lm)により測定した血中尿素窒素レベルおよびクレアチ
ンレベルを、正常型のmtDNAを有するマウスの末梢血に
ついて得られた数値と比較した。結果を図 4cに示す。
【0041】(結果)図 4bからわかるように、筋組織
中の△mtDNA4696の割合が多いマウスほど末梢血中の乳
酸値が増加していた(図中、菱形(白)はグルコース投与
の前、菱形(黒)は投与後の値を示す)。この結果とで
得られた△mtDNA4696を有する心筋における所見(図3d)
から、△mtDNA4696を有するマウスはミトコンドリア病
の疾患モデルとして利用できることが明らかとなった。
【0042】さらに、図4cからわかるように、△mtDNA4
696を多く有するマウスは、正常型mtDNAを有するマウス
と比較して非常に高いレベルの血中尿素窒素とクレアチ
ニンを有していた。この結果とで得られた△mtDNA469
6を有する腎組織における所見(図3fおよびh)から、△mt
DNA4696を多く有するマウスの死亡の原因は尿細管原性
の腎機能障害であると推察された。腎機能障害はミトコ
ンドリア病で共通に認められる症状ではないが、腎臓の
ミトコンドリア機能異常の報告例もあることから、本発
明者らはこれまで原因不明であった腎臓病のいくつかは
突然変異mtDNAの蓄積にその原因があることをここで提
案したい。
【0043】筋線維の中で85%以下の△mtDNA4696を含む
ものが正常なミトコンドリアの呼吸機能を示す理由とし
ては、△mtDNA4696の受容体となった受精卵中の正常型m
tDNAを有するミトコンドリアと、導入された△mtDNA469
6を有するミトコンドリアとの間に相互作用があること
を考慮すると良く説明することができる。すなわち、哺
乳類のミトコンドリアが機能的に単一であり、互いの相
互作用の結果中身を交換することができる、という本発
明者らが以前提唱した考え方を支持するものである。
【0044】さらに、本発明者らは、受精の際に卵に導
入された精子のmtDNAが2細胞期になる前に完全に排除さ
れることを以前報告している。しかし今回の研究では、
△mtDNA4696を持つ体細胞のミトコンドリアは、受精卵
に導入してもそこからの排除をまぬがれる事を見いだし
た。したがって、わずか2世代を経ることで外から導入
した△mtDNA4696を大量に含むマウスを樹立できたのは
以下の二つの理由:一つは導入された△mtDNA4696を有
する体細胞由来ミトコンドリアは胚からの除外を免れる
ことができたこと、もう一つは該△mtDNA4696が正常型m
tDNAより複製に有利であって、その結果△mtDNA4696は
次の世代に伝わり正常型mtDNAを席巻できたことによる
と思われる。
【0045】これまで、△mtDNAが雌の生殖細胞系列を
通して次の世代に伝わることはショウジョウバエで報告
されているが、欠失突然変異が原因であるヒトのKearns
-Sayre症候群では報告がない。しかし、点突然変異mtDN
Aが母性遺伝することについては他のミトコンドリア病
の患者で認められている。この病原性を持つ点突然変異
mtDNAが呼吸活性低下を引き起こすためには90%以上の蓄
積が必要であるのに対し、欠失突然変異mtDNAの場合は7
0%であった。
【0046】したがって、本発明により提供されるマウ
スの△mtDNA4696の毒性はヒトの欠失突然変異mtDNAによ
るそれよりは少なく、ヒトの点突然変異mtDNAの毒性と
同程度のものであると思われる。またヒトの分裂組織で
は△mtDNAが蓄積されないのに対し、本発明のマウスの
△mtDNA4696が分裂組織にも大量に蓄積していた(図2
c)。これは、マウスの分裂細胞は△mtDNA4696を蓄積し
ても生存できる事を示している。
【0047】これらのことから、本発明のマウスとヒト
の△mtDNAの間に認められた子孫への伝達と組織への分
布状況の違いは、本発明のマウスの△mtDNA4696がヒト
のそれよりも毒性が弱いこと、またはマウスの細胞がエ
ネルギー欠損に耐性であるために、マウスの卵細胞、
胚、そして分裂組織に△mtDNA4696が大量に含まれても
生存することができ、最終的にはマウスの△mtDNA4696
の母性遺伝と分裂組織における大量の分布が可能になっ
たと考えられる。
【0048】これまでに、核DNAにコードされている因
子で、ミトコンドリアの機能に関わる遺伝子のノックア
ウトによってミトコンドリア機能に異常を持つマウスの
報告例は多いが、これらはmtDNA突然変異によって引き
起こされる疾患のモデルにはなり得ない。
【0049】また、最近、非常に少量のクロラムフェニ
コール耐性mtDNAを持つキメラマウスが報告されてい
る。しかしながら、このようなキメラマウスは、大量に
クロラムフェニコール耐性mtDNAを持つ雌のタイプのES
細胞を正常な胚盤胞期の胚に移植することによって得ら
れるもので、このようなキメラマウスをクロラムフェニ
コールを用いて選択することが不可能なので、クロラム
フェニコール耐性mtDNAの割合が急激に減少し、最終的
には生殖細胞を通して次の世代に伝達されることはなか
った。
【0050】
【発明の効果】本発明により、変異型mtDNAを細胞へ導
入するための有効な方法の提供が可能となった。また、
△mtDNA4696を変異型mtDNAとして使用することにより、
△mtDNA4696を有するmtDNAノックアウトマウスの作出が
可能となった。このマウスは△mtDNAの伝達と様々な組
織での発現の機構を詳細に研究する上で有効なことか
ら、ミトコンドリア病の病態モデルとして活用できる。
このマウスはさらに、突然変異mtDNAの蓄積が老化や老
化関連疾患の原因になっているという仮説を検証するの
にも利用できる。多くのミトコンドリア病は老化に伴っ
て発症することから、われわれはこのマウスが老化する
のを待ってさらに研究をすすめる予定である。さらに、
すべての年齢のすべての病状の進行段階の検体が様々な
割合の△mtDNAを持ったすべての組織から提供できるこ
とから、これまでに予想し得なかった原因不明の病気が
mtDNAの突然変異によるものであることを証明できる可
能性もある。そして、モデル動物でのみ可能な治療薬の
スクリーニングや遺伝子治療法の確立にも活用できる。
【0051】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Institute of Tsukuba Liaison Co.,Ltd <120> Method for introducing mutant mitochondrial DNA into germ cell. <130> P99-0588 <160> 7 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:a forward primer:this sequence corresponds to nucleotides 6871-6895 of normal mitochondrial DNA. <400> 1 aagaaaggaa ggaatcgaac cccct 25 <210> 2 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a reverse primer:this sequence corresponds to nucleotides 13666-13642 of normal mitochondrial DNA. <400> 2 tatgttggaa ggagggattg gggta 25 <210> 3 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a forward primer:this sequence corresponds to nucleotides 7558-7581 of normal mitochondrial DNA. <400> 3 aacagtaaca tcaaaccgac cagg 24 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a reverse primer:this sequence corresponds to nucleotides 12678-12658 of normal mitochondrial DNA. <400> 4 ctattatcag gcctagttgg c 21 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer 1 :this sequence corresponds to nucleotides 7576-7595 of normal mitochondrial DNA. <400> 5 accagggtta ttctatggcc 20 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer 2 :this sequence corresponds to nucleotides 12260-12280 of normal mitochondrial DNA. <400> 6 ccgcatcgga gacatcggat t 21 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer 3 :this sequence corresponds to nucleotides 12479-12459 of normal mitochondrial DNA. <400> 7 gtgtagtagt gctgaaactg g 21
【図面の簡単な説明】
【図1】体細胞におけるΔmtDNA4696の遺伝的特徴とmtD
NAノックアウトマウスの作製手順を示す図である。 a:ΔmtDNA4696の遺伝子地図。外側にずれた円弧で示し
た領域が正常型mtDNAから欠失している。ΔmtDNA4696の
配列決定や検出に用いたプライマー対は白抜きの矢印
1,2で示す。 b:ΔmtDNA4696のL鎖における欠失領域付近の塩基配
列。下段に示す塩基番号7759から12454の配列が、4696b
pからなる欠失部分である。 c:ΔmtDNA4696の割合とCOX活性との相関を示す図であ
る。 d:制限酵素で消化して得たCy4696断片のサザンブロッ
ト法による検出を示す図である。図中、16.3-と11.6-kb
におけるバンドはそれぞれ正常型mtDNAとΔmtDNA4696を
示す。 e:Cy4696サイブリット株のミトコンドリアへの[35S]メ
チオニン取り込みを示す図である。図中、ND5〜ND4Lは
それぞれ正常型mtDNAにコードされるポリペプチドに対
応している。
【図2】F0〜F3マウスにおけるΔmtDNA4696の伝達と分
布を示す図である。 a:F0マウスから筋生検により得られたΔmtDNA4696の割
合をヒストグラムで表した図である。 b:F0〜F3において伝達されたΔmtDNA4696の割合を、母
親とその仔マウスとにおいて比較した図である。F0の5
個体、F1の4個体、F2の7個体の雌を、F1(▲)、F2(●)、
F3(◆)の子供の母親としてそれぞれ用いた。図の+印は
ΔmtDNA4696の平均レベルを示す。 c:同一個体の組織ごとのΔmtDNA4696割合の分布を示す
図である。
【図3】正常マウスおよびΔmtDNA4696を有するマウス
で観察された組織化学的、形態的な異常を示す写真であ
る。 aおよびb:骨格筋の筋線維横断切片のCOX活性染色の結
果。aは正常雄マウス由来、bはΔmtDNA4696を有するF2
マウス由来の筋生検サンプルを使用した。 cおよびd:心筋の筋線維横断切片のCOX活性染色の結
果。cは正常雄マウス由来、dはΔmtDNA4696を有するF2
マウス由来の筋生検サンプルを使用した。 e:F1雄マウスの外見的特徴。 f:△mtDNAを有するマウス(右)と正常マウス(左)由来の
腎臓。 gおよびh:△mtDNAを有するマウス(h)と正常マウス(g)
由来の腎臓の腎皮質。
【図4】ΔmtDNA4696を有するマウスの血液における生
化学的異常を示す図である。 aおよびb:血中ピルビン酸(a)と乳酸(b)のレベルに及ぼ
すΔmtDNA4696の割合の影響を示す。白抜きの菱形と黒
菱形はグルコース投与の前と後の値にそれぞれ一致して
いる。 c:正常型のmtDNAを有するマウスとΔmtDNA4696を有す
るマウスの血清中の尿素窒素(白抜きの棒グラフ)とクレ
アチン(黒棒グラフ)のレベルの比較を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変異型ミトコンドリアDNAを有する脱核
    した細胞をミトコンドリアDNA欠損細胞と融合させてサ
    イブリッドを作製し、該サイブリッドを脱核した後、生
    殖細胞と融合させることを特徴とする、変異型ミトコン
    ドリアDNAの生殖細胞への導入方法。
  2. 【請求項2】 変異型ミトコンドリアDNAが欠失突然変
    異ミトコンドリアDNA4696である、請求項1記載の導入
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により作製された生
    殖細胞を仮親マウスに移植して得られるミトコンドリア
    DNAノックアウトマウス。
  4. 【請求項4】 生殖細胞が前核期の胚である、請求項3
    記載のミトコンドリアDNAノックアウトマウス。
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