JP2001197797A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 無効電流およびトルクリプルを低減すること
により、モータを高効率で滑らかに回転させることがで
きるモータ制御装置を実現する。 【解決手段】 補正部はA/D変換回路からu相の電流
値iuおよびv相のivを取込み(S12)、取込んだ
電流値iu,ivをd/q変換してd軸電流idおよび
q軸電流iqを演算し(S14)、d軸電流idおよび
q軸電流iqをフーリエ変換する(S16)。続いてフ
ーリエ変換により求めた基本波の位相およびゲインよ
り、u相のオフセット電流値Iouおよびv相のオフセッ
ト電流値Iovを演算し(S18)、直流分より、u相の
ゲインアンバランス値Imuおよびv相のゲインアンバラ
ンス値Imvを演算する。
により、モータを高効率で滑らかに回転させることがで
きるモータ制御装置を実現する。 【解決手段】 補正部はA/D変換回路からu相の電流
値iuおよびv相のivを取込み(S12)、取込んだ
電流値iu,ivをd/q変換してd軸電流idおよび
q軸電流iqを演算し(S14)、d軸電流idおよび
q軸電流iqをフーリエ変換する(S16)。続いてフ
ーリエ変換により求めた基本波の位相およびゲインよ
り、u相のオフセット電流値Iouおよびv相のオフセッ
ト電流値Iovを演算し(S18)、直流分より、u相の
ゲインアンバランス値Imuおよびv相のゲインアンバラ
ンス値Imvを演算する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2相から3相に
変換された交流電流によって駆動されるモータを制御す
るモータ制御装置に関する。
変換された交流電流によって駆動されるモータを制御す
るモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記モータ制御装置として、たと
えば図4に示すものが知られている。図4は、ブラシレ
スモータの制御装置の主な電気的構成をブロックで示す
説明図である。ブラシレスモータMのu相およびv相に
流れる電流は、それぞれ電流検出器64によって検出さ
れ、オペアンプ72,74によってそれぞれ所定のゲイ
ンにて増幅され、A/D変換回路76によってそれぞれ
デジタルの電流検出値iu,ivに変換される。そし
て、各電流検出値iu,ivは、d/q変換部62に取
り込まれ、d/q変換(2相変換)される。ここで、d
/q変換とは、モータの回転子の磁束と同一方向をd軸
とし、このd軸と直交する方向をq軸とした直交座標を
設定し、その直交座標に対して各相に流れる交流電流の
ベクトルを写像することにより、交流を直流として演算
する手法である。
えば図4に示すものが知られている。図4は、ブラシレ
スモータの制御装置の主な電気的構成をブロックで示す
説明図である。ブラシレスモータMのu相およびv相に
流れる電流は、それぞれ電流検出器64によって検出さ
れ、オペアンプ72,74によってそれぞれ所定のゲイ
ンにて増幅され、A/D変換回路76によってそれぞれ
デジタルの電流検出値iu,ivに変換される。そし
て、各電流検出値iu,ivは、d/q変換部62に取
り込まれ、d/q変換(2相変換)される。ここで、d
/q変換とは、モータの回転子の磁束と同一方向をd軸
とし、このd軸と直交する方向をq軸とした直交座標を
設定し、その直交座標に対して各相に流れる交流電流の
ベクトルを写像することにより、交流を直流として演算
する手法である。
【0003】また、回転子の回転角を検出するエンコー
ダEにより検出された検出信号nは、角度検出部66に
取り込まれ、角度検出部66はsinテーブルを参照
し、検出信号nに対応する回転角θを選択する。そし
て、電流検出値iu,ivは、d/q変換部62におい
て回転角θを用いてd/q変換され、電流値id,iq
として出力される。モータの上位側から付与されたトル
ク指令は、トルク電流変換部50においてq軸電流指令
値iq*に変換される。偏差演算部54は、q軸電流指
令値iq*と、d/q変換部62からの電流値iqとの
偏差ΔIqを演算する。偏差演算部52は、モータの上
位側から付与されるd軸電流指令値id*と、d/q変
換部62からの電流値idとの偏差ΔIdを演算する。
ダEにより検出された検出信号nは、角度検出部66に
取り込まれ、角度検出部66はsinテーブルを参照
し、検出信号nに対応する回転角θを選択する。そし
て、電流検出値iu,ivは、d/q変換部62におい
て回転角θを用いてd/q変換され、電流値id,iq
として出力される。モータの上位側から付与されたトル
ク指令は、トルク電流変換部50においてq軸電流指令
値iq*に変換される。偏差演算部54は、q軸電流指
令値iq*と、d/q変換部62からの電流値iqとの
偏差ΔIqを演算する。偏差演算部52は、モータの上
位側から付与されるd軸電流指令値id*と、d/q変
換部62からの電流値idとの偏差ΔIdを演算する。
【0004】補償部68は、偏差ΔIdを取り込んで比
例積分するとともに、電圧方程式を用いてd軸電圧指令
値Vd*を演算する。補償部70は、偏差ΔIqを取り
込んで比例積分するとともに、電圧方程式を用いてq軸
電圧指令値Vq*を演算する。なお、ブラシレスモータ
Mは、回転子がマグネットであり、励磁電流を流す必要
がないため、d軸電流指令値id*=0である。d/q
逆変換部56は、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧
指令値Vq*を取り込んでd/q逆変換(3相変換)
し、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。そし
て、パルス幅変調部(PWM)58は、電圧指令値Vu
*,Vv*,Vw*を取込み、それぞれ対応するパルス幅
を有するパルス信号をインバータ構成の駆動回路60へ
出力し、駆動回路60は、各相へ駆動電圧を印加する。
以上のように、指令値およびフィードバック値の偏差が
0になるように制御する。
例積分するとともに、電圧方程式を用いてd軸電圧指令
値Vd*を演算する。補償部70は、偏差ΔIqを取り
込んで比例積分するとともに、電圧方程式を用いてq軸
電圧指令値Vq*を演算する。なお、ブラシレスモータ
Mは、回転子がマグネットであり、励磁電流を流す必要
がないため、d軸電流指令値id*=0である。d/q
逆変換部56は、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧
指令値Vq*を取り込んでd/q逆変換(3相変換)
し、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。そし
て、パルス幅変調部(PWM)58は、電圧指令値Vu
*,Vv*,Vw*を取込み、それぞれ対応するパルス幅
を有するパルス信号をインバータ構成の駆動回路60へ
出力し、駆動回路60は、各相へ駆動電圧を印加する。
以上のように、指令値およびフィードバック値の偏差が
0になるように制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブラシレスモータの3
相交流電流波形をd軸およびq軸上に写像した場合、モ
ータの構造および電流制御が略理想的になっているとす
ると、d軸電流指令値id*およびd軸電流idの関
係、q軸電流指令値iq*およびq軸電流iqの関係
は、図5(A)に示すようになる。ところが、現実に
は、エンコーダの検出誤差、固定子巻線のずれ、構成部
材の組み付け誤差、温度によるマグネットの磁束の変化
などが存在するため、オペアンプ72,74の出力電流
には、電流オフセットおよびゲインアンバランスが存在
する。このため、図5(B)に示すように、大きな無効
電流(d軸電流)が流れ、トルクリプルが大きくなって
いる状態である場合が多い。このような状態になると、
無効電流による発熱によってモータの効率が低下すると
ともに、トルクリプルによって滑らかに回転できなって
しまう。
相交流電流波形をd軸およびq軸上に写像した場合、モ
ータの構造および電流制御が略理想的になっているとす
ると、d軸電流指令値id*およびd軸電流idの関
係、q軸電流指令値iq*およびq軸電流iqの関係
は、図5(A)に示すようになる。ところが、現実に
は、エンコーダの検出誤差、固定子巻線のずれ、構成部
材の組み付け誤差、温度によるマグネットの磁束の変化
などが存在するため、オペアンプ72,74の出力電流
には、電流オフセットおよびゲインアンバランスが存在
する。このため、図5(B)に示すように、大きな無効
電流(d軸電流)が流れ、トルクリプルが大きくなって
いる状態である場合が多い。このような状態になると、
無効電流による発熱によってモータの効率が低下すると
ともに、トルクリプルによって滑らかに回転できなって
しまう。
【0006】そこで、本発明は、無効電流およびトルク
リプルを低減することにより、モータを高効率で滑らか
に回転させることができるモータ制御装置を実現するこ
とを目的とする。
リプルを低減することにより、モータを高効率で滑らか
に回転させることができるモータ制御装置を実現するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用および発明の効果】
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の
発明では、2相から3相に変換された交流電流によって
駆動されるモータを制御するモータ制御装置において、
前記モータに流れる3相交流電流を検出するとともに、
その検出した3相交流電流を2相に変換する3相/2相
変換手段と、この3相/2相変換手段によって2相に変
換された電流値を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周
波数軸変換手段と、この時間軸/周波数軸変換手段によ
って時間軸/周波数軸変換された電流値の基本波に基づ
いてオフセット電流値を演算するオフセット電流値演算
手段と、このオフセット電流値演算手段によって演算さ
れたオフセット電流値に基づいて前記モータに与える電
流指令値を補正する電流指令値補正手段とを備え、その
電流指令値補正手段によって補正された電流指令値に基
づいて前記モータを制御するという技術的手段を採用す
る。
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の
発明では、2相から3相に変換された交流電流によって
駆動されるモータを制御するモータ制御装置において、
前記モータに流れる3相交流電流を検出するとともに、
その検出した3相交流電流を2相に変換する3相/2相
変換手段と、この3相/2相変換手段によって2相に変
換された電流値を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周
波数軸変換手段と、この時間軸/周波数軸変換手段によ
って時間軸/周波数軸変換された電流値の基本波に基づ
いてオフセット電流値を演算するオフセット電流値演算
手段と、このオフセット電流値演算手段によって演算さ
れたオフセット電流値に基づいて前記モータに与える電
流指令値を補正する電流指令値補正手段とを備え、その
電流指令値補正手段によって補正された電流指令値に基
づいて前記モータを制御するという技術的手段を採用す
る。
【0008】3相/2相変換手段は、モータに流れる3
相交流電流を検出するとともに、その検出した3相交流
電流を2相に変換する。たとえば、モータに流れる3相
交流電流波形を直交回転軸d/q軸上に写像することに
より、3相から2相に変換する。時間軸/周波数軸変換
手段は、3相/2相変換手段によって2相に変換された
電流を時間軸/周波数軸変換する。たとえば、後述する
発明の実施の形態に記載するように、2相に変換された
電流をフーリエ変換(時間軸/周波数軸変換)すること
により、基本波、第2高調波、直流分、ゲインおよび位
相を求める。
相交流電流を検出するとともに、その検出した3相交流
電流を2相に変換する。たとえば、モータに流れる3相
交流電流波形を直交回転軸d/q軸上に写像することに
より、3相から2相に変換する。時間軸/周波数軸変換
手段は、3相/2相変換手段によって2相に変換された
電流を時間軸/周波数軸変換する。たとえば、後述する
発明の実施の形態に記載するように、2相に変換された
電流をフーリエ変換(時間軸/周波数軸変換)すること
により、基本波、第2高調波、直流分、ゲインおよび位
相を求める。
【0009】オフセット電流値演算手段は、時間軸/周
波数軸変換手段によって時間軸/周波数軸変換された電
流値の基本波に基づいてオフセット電流値を演算する。
たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するよう
に、フーリエ変換により求められた基本波に基づいてu
相のオフセット電流値IOUおよびv相のオフセット電流
値IOVをそれぞれ演算する。電流指令値補正手段は、オ
フセット電流値演算手段によって演算されたオフセット
電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値を補正
する。そして、その補正された電流指令値に基づいてモ
ータを制御する。これにより、無効電流およびトルクリ
プルを低減できるため、モータを高効率で滑らかに回転
させることができる。
波数軸変換手段によって時間軸/周波数軸変換された電
流値の基本波に基づいてオフセット電流値を演算する。
たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するよう
に、フーリエ変換により求められた基本波に基づいてu
相のオフセット電流値IOUおよびv相のオフセット電流
値IOVをそれぞれ演算する。電流指令値補正手段は、オ
フセット電流値演算手段によって演算されたオフセット
電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値を補正
する。そして、その補正された電流指令値に基づいてモ
ータを制御する。これにより、無効電流およびトルクリ
プルを低減できるため、モータを高効率で滑らかに回転
させることができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、2相か
ら3相に変換された交流電流によって駆動されるモータ
を制御するモータ制御装置において、前記モータに流れ
る3相交流電流を検出するとともに、その検出した3相
交流電流を2相に変換する3相/2相変換手段と、この
3相/2相変換手段によって2相に変換された電流値を
時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手段
と、この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周
波数軸変換された電流値の直流成分に基づいてゲインア
ンバランス値を演算するゲインアンバランス値演算手段
と、このゲインアンバランス値演算手段によって演算さ
れたゲインアンバランス値に基づいて前記モータに与え
る電流指令値のゲインを補正するゲイン補正手段とを備
え、そのゲイン補正手段によってゲインが補正された電
流指令値に基づいて前記モータを制御するという技術的
手段を採用する。
ら3相に変換された交流電流によって駆動されるモータ
を制御するモータ制御装置において、前記モータに流れ
る3相交流電流を検出するとともに、その検出した3相
交流電流を2相に変換する3相/2相変換手段と、この
3相/2相変換手段によって2相に変換された電流値を
時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手段
と、この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周
波数軸変換された電流値の直流成分に基づいてゲインア
ンバランス値を演算するゲインアンバランス値演算手段
と、このゲインアンバランス値演算手段によって演算さ
れたゲインアンバランス値に基づいて前記モータに与え
る電流指令値のゲインを補正するゲイン補正手段とを備
え、そのゲイン補正手段によってゲインが補正された電
流指令値に基づいて前記モータを制御するという技術的
手段を採用する。
【0011】ゲインアンバランス値演算手段は、時間軸
/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数軸変換され
た電流値の直流成分に基づいてゲインアンバランス値を
演算する。たとえば、後述する発明の実施の形態に記載
するように、フーリエ変換により求められた直流成分に
基づいてu相のゲインアンバランス値Imuおよびv相の
オフセット電流値Imvをそれぞれ演算する。ゲイン補正
手段は、ゲインアンバランス値演算手段によって演算さ
れたゲインアンバランス値に基づいてモータに与える電
流指令値のゲインを補正する。そして、その補正された
電流指令値に基づいてモータを制御する。これにより、
無効電流およびトルクリプルを低減できるため、モータ
を高効率で滑らかに回転させることができる。
/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数軸変換され
た電流値の直流成分に基づいてゲインアンバランス値を
演算する。たとえば、後述する発明の実施の形態に記載
するように、フーリエ変換により求められた直流成分に
基づいてu相のゲインアンバランス値Imuおよびv相の
オフセット電流値Imvをそれぞれ演算する。ゲイン補正
手段は、ゲインアンバランス値演算手段によって演算さ
れたゲインアンバランス値に基づいてモータに与える電
流指令値のゲインを補正する。そして、その補正された
電流指令値に基づいてモータを制御する。これにより、
無効電流およびトルクリプルを低減できるため、モータ
を高効率で滑らかに回転させることができる。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明では、2相
から3相に変換された交流電流によって駆動されるモー
タを制御するモータ制御装置において、前記モータに流
れる3相交流電流を検出するとともに、その検出した3
相交流電流を2相に変換する3相/2相変換手段と、こ
の3相/2相変換手段によって2相に変換された電流値
を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手段
と、この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周
波数軸変換された電流値の基本波に基づいてオフセット
電流値を演算するオフセット電流値演算手段と、このオ
フセット電流値演算手段によって演算されたオフセット
電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値を補正
する電流指令値補正手段と、前記時間軸/周波数軸変換
手段によって時間軸/周波数軸変換された電流値の直流
成分に基づいてゲインアンバランス値を演算するゲイン
アンバランス値演算手段と、このゲインアンバランス値
演算手段によって演算されたゲインアンバランス値に基
づいて前記モータに与える電流指令値のゲインを補正す
るゲイン補正手段とを備え、前記電流指令値補正手段お
よびゲイン補正手段によって補正された電流指令値に基
づいて前記モータを制御するという技術的手段を採用す
る。
から3相に変換された交流電流によって駆動されるモー
タを制御するモータ制御装置において、前記モータに流
れる3相交流電流を検出するとともに、その検出した3
相交流電流を2相に変換する3相/2相変換手段と、こ
の3相/2相変換手段によって2相に変換された電流値
を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手段
と、この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周
波数軸変換された電流値の基本波に基づいてオフセット
電流値を演算するオフセット電流値演算手段と、このオ
フセット電流値演算手段によって演算されたオフセット
電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値を補正
する電流指令値補正手段と、前記時間軸/周波数軸変換
手段によって時間軸/周波数軸変換された電流値の直流
成分に基づいてゲインアンバランス値を演算するゲイン
アンバランス値演算手段と、このゲインアンバランス値
演算手段によって演算されたゲインアンバランス値に基
づいて前記モータに与える電流指令値のゲインを補正す
るゲイン補正手段とを備え、前記電流指令値補正手段お
よびゲイン補正手段によって補正された電流指令値に基
づいて前記モータを制御するという技術的手段を採用す
る。
【0013】つまり、電流指令値補正手段およびゲイン
補正手段の両方を備え、それらの補正手段によって補正
された電流指令値に基づいてモータを制御する。したが
って、電流指令値および電流指令値のゲインの両方を補
正できるため、無効電流およびトルクリプルをより一層
低減できるので、より一層モータを高効率で滑らかに回
転させることができる。
補正手段の両方を備え、それらの補正手段によって補正
された電流指令値に基づいてモータを制御する。したが
って、電流指令値および電流指令値のゲインの両方を補
正できるため、無効電流およびトルクリプルをより一層
低減できるので、より一層モータを高効率で滑らかに回
転させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るモータ制御
装置の一実施形態について図を参照して説明する。図1
は、この実施形態に係るモータ制御装置の主な電気的構
成を示す説明図であり、図3は、エンコーダEの絶対値
と、ブラシレスモータMのu相に流れる電流iuと、v
相に流れる電流ivの関係を示すグラフである。最初
に、本発明者が行った解析について説明する。本発明者
は、ブラシレスモータのu相およびv相から検出した電
流のオフセットおよびゲインアンバランスを求めるため
に、CPUを用いて以下に示す解析を行った。図1に示
すモータ制御装置10に備えられたd/q逆変換部(3
相変換部)56は、角度検出部66によって演算された
回転角θを取込んでsinテーブルを引き、u相に対す
る電流指令値iu* およびv相に対する電流指令値iv
*を生成する。ここで、電流指令値iu*およびiv
* が、図3に示すような理想波形であり、ブラシレスモ
ータMの上位側から出されるトルク指令をiq* とする
と、iu* 、iv* は次の1式で表される。
装置の一実施形態について図を参照して説明する。図1
は、この実施形態に係るモータ制御装置の主な電気的構
成を示す説明図であり、図3は、エンコーダEの絶対値
と、ブラシレスモータMのu相に流れる電流iuと、v
相に流れる電流ivの関係を示すグラフである。最初
に、本発明者が行った解析について説明する。本発明者
は、ブラシレスモータのu相およびv相から検出した電
流のオフセットおよびゲインアンバランスを求めるため
に、CPUを用いて以下に示す解析を行った。図1に示
すモータ制御装置10に備えられたd/q逆変換部(3
相変換部)56は、角度検出部66によって演算された
回転角θを取込んでsinテーブルを引き、u相に対す
る電流指令値iu* およびv相に対する電流指令値iv
*を生成する。ここで、電流指令値iu*およびiv
* が、図3に示すような理想波形であり、ブラシレスモ
ータMの上位側から出されるトルク指令をiq* とする
と、iu* 、iv* は次の1式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】また、この解析で用いる符号を以下のよう
に決める。 icu : CPU内に取り込まれたu相の検出電流値 icv : CPU内に取り込まれたv相の検出電流値 Imu : u相のゲインアンバランス値 Imv : v相のゲインアンバランス値 Iou : u相のオフセット電流値 Iov : v相のオフセット電流値 なお、理想は、iq* = Imu、iq* = Imvであり、
Iou=0、Iov=0である。
に決める。 icu : CPU内に取り込まれたu相の検出電流値 icv : CPU内に取り込まれたv相の検出電流値 Imu : u相のゲインアンバランス値 Imv : v相のゲインアンバランス値 Iou : u相のオフセット電流値 Iov : v相のオフセット電流値 なお、理想は、iq* = Imu、iq* = Imvであり、
Iou=0、Iov=0である。
【0017】u相のゲインアンバランス成分を(−Im
u)、v相のゲインアンバランス成分を(−Imv)と
し、これらのゲインアンバランス値Imu、Imvおよびオ
フセット電流値Iou、Iovを1式に重畳すると、次の2
式が導出される。
u)、v相のゲインアンバランス成分を(−Imv)と
し、これらのゲインアンバランス値Imu、Imvおよびオ
フセット電流値Iou、Iovを1式に重畳すると、次の2
式が導出される。
【0018】
【数2】
【0019】次に、3相のd軸電流idおよびq軸電流
iqをフーリエ変換(時間軸/周波数軸変換)を用いて
d/q変換すると、次の3式が導出される。
iqをフーリエ変換(時間軸/周波数軸変換)を用いて
d/q変換すると、次の3式が導出される。
【0020】
【数3】
【0021】そして、d軸電流idおよびq軸電流iq
にそれぞれゲインアンバランスおよびオフセット電流の
成分を重畳するために、3式に2式を代入すると次の4
式が得られる。なお、θ+2π/3=αとおく。
にそれぞれゲインアンバランスおよびオフセット電流の
成分を重畳するために、3式に2式を代入すると次の4
式が得られる。なお、θ+2π/3=αとおく。
【0022】
【数4】
【0023】次に、4式を各成分ごとに解析する。ま
ず、idの直流分id(直流分)を抽出すると、次の5
式が導かれる。
ず、idの直流分id(直流分)を抽出すると、次の5
式が導かれる。
【0024】
【数5】
【0025】5式は、ImvおよびImuのみの成分からな
るため、id(直流分)は、ゲインアンバランスのみに
よって発生し、オフセット電流とは無関係であることが
分かる。次に、idの基本波id(基本波)を抽出する
と、次の6式が導かれる。
るため、id(直流分)は、ゲインアンバランスのみに
よって発生し、オフセット電流とは無関係であることが
分かる。次に、idの基本波id(基本波)を抽出する
と、次の6式が導かれる。
【0026】
【数6】
【0027】ここで、6式に対して次の7式および8式
で示す置き換えを行うと、9式が導かれる。
で示す置き換えを行うと、9式が導かれる。
【0028】
【数7】
【0029】
【数8】
【0030】
【数9】
【0031】9式のゲインに7式を代入すると、次の1
0式が導かれる。
0式が導かれる。
【0032】
【数10】
【0033】10式は、IouおよびIovのみの成分から
なるため、id(基本波)は、オフセット電流のみによ
って発生し、ゲインアンバランスとは無関係であること
が分かる。次に4式からidの第2高調波id(第2高
調波)を抽出すると、次の11式が導かれる。
なるため、id(基本波)は、オフセット電流のみによ
って発生し、ゲインアンバランスとは無関係であること
が分かる。次に4式からidの第2高調波id(第2高
調波)を抽出すると、次の11式が導かれる。
【0034】
【数11】
【0035】11式は、ImuおよびImvのみの成分
からなるため、id(第2高調波)は、ゲインアンバラ
ンスのみによって発生し、オフセット電流とは無関係で
あることが分かる。
からなるため、id(第2高調波)は、ゲインアンバラ
ンスのみによって発生し、オフセット電流とは無関係で
あることが分かる。
【0036】次に、4式より、iq成分の直流分を抽出
すると、次の12式が導かれる。
すると、次の12式が導かれる。
【0037】
【数12】
【0038】12式は、ImuおよびImvのみの成分
からなるため、iq(直流分)は、ゲインアンバランス
のみによって発生し、オフセット電流とは無関係である
ことが分かる。次に、iqの基本波iq(基本波)を抽
出すると、次の13式が導かれる。
からなるため、iq(直流分)は、ゲインアンバランス
のみによって発生し、オフセット電流とは無関係である
ことが分かる。次に、iqの基本波iq(基本波)を抽
出すると、次の13式が導かれる。
【0039】
【数13】
【0040】ここで、13式に対して次の14式および
15式で示す置き換えを行うと、16式が導かれる。
15式で示す置き換えを行うと、16式が導かれる。
【0041】
【数14】
【0042】
【数15】
【0043】
【数16】
【0044】16式のゲインに14式を代入すると、次
の17式が導かれる。
の17式が導かれる。
【0045】
【数17】
【0046】17式は、IouおよびIovのみの成分から
なるため、iq(基本波)は、オフセット電流のみによ
って発生し、ゲインアンバランスとは無関係であること
が分かる。次に4式からiqの第2高調波iq(第2高
調波)を抽出すると、次の18式が導かれる。
なるため、iq(基本波)は、オフセット電流のみによ
って発生し、ゲインアンバランスとは無関係であること
が分かる。次に4式からiqの第2高調波iq(第2高
調波)を抽出すると、次の18式が導かれる。
【0047】
【数18】
【0048】18式は、ImuおよびImvのみの成分から
なるため、iq(第2高調波)は、ゲインアンバランス
のみによって発生し、オフセット電流とは無関係である
ことが分かる。
なるため、iq(第2高調波)は、ゲインアンバランス
のみによって発生し、オフセット電流とは無関係である
ことが分かる。
【0049】以上の解析より、次のことが分かった。 (1)ゲインアンバランスが原因でd軸電流idおよび
q軸電流iqには、共に直流成分および第2高調波成分
が発生する。つまり、d軸電流idおよびq軸電流iq
の直流成分および第2高調波成分を求めることにより、
d軸電流idおよびq軸電流iqのゲインアンバランス
を求めることができる。 (2)オフセット電流が原因でd軸電流idおよびq軸
電流iqには、共に基本波成分が発生する。つまり、d
軸電流idおよびq軸電流iqの基本波成分を求めるこ
とにより、d軸電流idおよびq軸電流iqのオフセッ
ト電流を求めることができる。
q軸電流iqには、共に直流成分および第2高調波成分
が発生する。つまり、d軸電流idおよびq軸電流iq
の直流成分および第2高調波成分を求めることにより、
d軸電流idおよびq軸電流iqのゲインアンバランス
を求めることができる。 (2)オフセット電流が原因でd軸電流idおよびq軸
電流iqには、共に基本波成分が発生する。つまり、d
軸電流idおよびq軸電流iqの基本波成分を求めるこ
とにより、d軸電流idおよびq軸電流iqのオフセッ
ト電流を求めることができる。
【0050】次に、上記解析結果に基づいて、u相およ
びv相のオフセット電流値を求める。15式より、v相
のオフセット電流値Iovを求めると、次の19式にな
る。
びv相のオフセット電流値を求める。15式より、v相
のオフセット電流値Iovを求めると、次の19式にな
る。
【0051】
【数19】
【0052】ここで、19式の一部を次の20式のよう
に置換えると、21式になる。
に置換えると、21式になる。
【0053】
【数20】
【0054】
【数21】
【0055】次に、iq(基本波)のゲインを示す17
式に21式を代入すると、次の22式が求まる。
式に21式を代入すると、次の22式が求まる。
【0056】
【数22】
【0057】そして、22式より、u相のオフセット電
流値Iouを求めると、次の23式になる。
流値Iouを求めると、次の23式になる。
【0058】
【数23】
【0059】また、21式および23式より、v相のオ
フセット電流値Iovを求めると、次の24式になる。
フセット電流値Iovを求めると、次の24式になる。
【0060】
【数24】
【0061】ここで2式において、icuをオフセット補
正したオフセット補正電流値をicur、icvをオフセット
補正したオフセット補正電流値をicvrとすると、次の
25式が得られる。
正したオフセット補正電流値をicur、icvをオフセット
補正したオフセット補正電流値をicvrとすると、次の
25式が得られる。
【0062】
【数25】
【0063】次に、2式におけるicuのトルク指令値I
muをゲインアンバランス補正したゲインアンバランス補
正電流値imurおよびicvのトルク指令値Imvをゲイ
ンアンバランス補正したゲインアンバランス補正電流値
imvrを求める。ここでは、ゲインアンバランス値の理想
値として、ImuおよびImvの平均値(Imu+Imv)/2
を用いると、次の26式が得られる。
muをゲインアンバランス補正したゲインアンバランス補
正電流値imurおよびicvのトルク指令値Imvをゲイ
ンアンバランス補正したゲインアンバランス補正電流値
imvrを求める。ここでは、ゲインアンバランス値の理想
値として、ImuおよびImvの平均値(Imu+Imv)/2
を用いると、次の26式が得られる。
【0064】
【数26】
【0065】以上のように、u相に流れる電流iuおよ
びv相に流れる電流ivをd/q変換し、d軸電流およ
びq軸電流をフーリエ変換することにより、u相および
v相のオフセット補正電流値icur,icvrおよびゲインア
ンバランス補正電流値imur,imvrを求めることができ
る。
びv相に流れる電流ivをd/q変換し、d軸電流およ
びq軸電流をフーリエ変換することにより、u相および
v相のオフセット補正電流値icur,icvrおよびゲインア
ンバランス補正電流値imur,imvrを求めることができ
る。
【0066】次に、この実施形態に係るモータ制御装置
の制御の流れについて図1および図2を参照して説明す
る。図1は、この実施形態に係るモータ制御装置の電気
的構成をブロックで示す説明図であり、図2は、CPU
(図1においてソフトウエアと示す部分)が実行するモ
ータ制御の流れを示すフローチャートである。なお、図
4に示した従来のモータ制御装置と同一の構成について
は、同一の符号を用いるものとし、同一の構成について
は、説明を省略する。また、この実施形態では、たとえ
ば電気式動力舵取装置に備えられたブラシレスDCモー
タのように、トルクセンサなどの上位側からトルク指令
を受け取る場合を例に挙げて説明する。
の制御の流れについて図1および図2を参照して説明す
る。図1は、この実施形態に係るモータ制御装置の電気
的構成をブロックで示す説明図であり、図2は、CPU
(図1においてソフトウエアと示す部分)が実行するモ
ータ制御の流れを示すフローチャートである。なお、図
4に示した従来のモータ制御装置と同一の構成について
は、同一の符号を用いるものとし、同一の構成について
は、説明を省略する。また、この実施形態では、たとえ
ば電気式動力舵取装置に備えられたブラシレスDCモー
タのように、トルクセンサなどの上位側からトルク指令
を受け取る場合を例に挙げて説明する。
【0067】CPUは、モータMの上位側からトルク指
令iq* (付与されたトルク指令をトルク電流変換部5
0によりq軸電流指令値iq* に変換した値)を取込み
(ステップ(以下、Sと称する)10)、補正部80
は、A/D変換回路76からu相の電流値iuおよびv
相の電流値ivを取込む(S12)。続いて、取込んだ
iuおよびivをd/q変換(2相変換)し、d軸電流
値idおよびq軸電流値iqを演算する(S14、3
式)。続いて、その演算したd軸電流値idおよびq軸
電流値iqを前述したようにフーリエ変換する(S1
6、4式)。続いて、フーリエ変換により求められた基
本波の位相およびゲインより、u相のオフセット電流値
Iouおよびv相のオフセット電流値Iovを演算する(S
18、23式、24式)。続いて、フーリエ変換により
求められた直流分より、u相のゲインアンバランス値I
muおよびv相のゲインアンバランス値Imvを演算する
(S20)。続いて、S18において演算されたオフセ
ット電流値IouおよびIovに基づいて、補正すべき電流
値、つまりオフセット補正電流値icur,icvrを演算し
(S22、25式)、S20において演算されたゲイン
アンバランス値Imu,Imvに基づいて、補正すべきゲイ
ンアンバランス値、つまりゲインアンバランス補正電流
値imur,imvrを演算する(S24、26式)。
令iq* (付与されたトルク指令をトルク電流変換部5
0によりq軸電流指令値iq* に変換した値)を取込み
(ステップ(以下、Sと称する)10)、補正部80
は、A/D変換回路76からu相の電流値iuおよびv
相の電流値ivを取込む(S12)。続いて、取込んだ
iuおよびivをd/q変換(2相変換)し、d軸電流
値idおよびq軸電流値iqを演算する(S14、3
式)。続いて、その演算したd軸電流値idおよびq軸
電流値iqを前述したようにフーリエ変換する(S1
6、4式)。続いて、フーリエ変換により求められた基
本波の位相およびゲインより、u相のオフセット電流値
Iouおよびv相のオフセット電流値Iovを演算する(S
18、23式、24式)。続いて、フーリエ変換により
求められた直流分より、u相のゲインアンバランス値I
muおよびv相のゲインアンバランス値Imvを演算する
(S20)。続いて、S18において演算されたオフセ
ット電流値IouおよびIovに基づいて、補正すべき電流
値、つまりオフセット補正電流値icur,icvrを演算し
(S22、25式)、S20において演算されたゲイン
アンバランス値Imu,Imvに基づいて、補正すべきゲイ
ンアンバランス値、つまりゲインアンバランス補正電流
値imur,imvrを演算する(S24、26式)。
【0068】続いて、A/D変換回路76から取り込ん
だu相の電流値iuからオフセット補正電流値icurを減
算し、v相の電流値ivからオフセット補正電流値icvr
を減算することにより電流オフセット補正を行う(S2
6)。続いて、その電流オフセット補正された電流値i
uにゲインアンバランス補正電流値imurを乗算すること
により、ゲインアンバランス補正を行った検出電流値ic
uを演算し、オフセット補正された電流値ivにゲイン
アンバランス補正電流値imvrを乗算することにより、ゲ
インアンバランス補正を行った検出電流値icvを演算す
る(S28)。続いて検出電流値icu,icvをd/q変換
して電流値id,iqを演算し(S30)、補償部68
は、電流値idを取り込んで比例積分するとともに、電
圧方程式を用いてd軸電圧指令値Vd*を演算し、補償
部70は、電流値iqを取り込んで比例積分するととも
に、電圧方程式を用いてq軸電圧指令値Vq*を演算す
る(S32)。続いてd/q逆変換部56は、d軸電圧
指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を取り込んでd
/q逆変換(3相変換)し、電圧指令値Vu*,Vv*,
Vw*を演算する(S34)。そして、パルス幅変調部
(PWM)58は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を
取込み、それぞれ対応するパルス幅を有するパルス信号
をインバータ構成の駆動回路60へ出力する(S3
6)。
だu相の電流値iuからオフセット補正電流値icurを減
算し、v相の電流値ivからオフセット補正電流値icvr
を減算することにより電流オフセット補正を行う(S2
6)。続いて、その電流オフセット補正された電流値i
uにゲインアンバランス補正電流値imurを乗算すること
により、ゲインアンバランス補正を行った検出電流値ic
uを演算し、オフセット補正された電流値ivにゲイン
アンバランス補正電流値imvrを乗算することにより、ゲ
インアンバランス補正を行った検出電流値icvを演算す
る(S28)。続いて検出電流値icu,icvをd/q変換
して電流値id,iqを演算し(S30)、補償部68
は、電流値idを取り込んで比例積分するとともに、電
圧方程式を用いてd軸電圧指令値Vd*を演算し、補償
部70は、電流値iqを取り込んで比例積分するととも
に、電圧方程式を用いてq軸電圧指令値Vq*を演算す
る(S32)。続いてd/q逆変換部56は、d軸電圧
指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を取り込んでd
/q逆変換(3相変換)し、電圧指令値Vu*,Vv*,
Vw*を演算する(S34)。そして、パルス幅変調部
(PWM)58は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を
取込み、それぞれ対応するパルス幅を有するパルス信号
をインバータ構成の駆動回路60へ出力する(S3
6)。
【0069】以上のように、この実施形態に係るモータ
制御装置を使用すれば、d/q変換手段によって2相に
変換された電流値id,iqをフーリエ変換することに
より、基本波、第2高調波、直流分、ゲインおよび位相
を求め、求められた基本波に基づいてu相のオフセット
電流値IOUおよびv相のオフセット電流値IOVをそれぞ
れ演算し、さらに、直流成分に基づいてu相のゲインア
ンバランス値Imuおよびv相のオフセット電流値Imvを
それぞれ演算することができる。そして、それらの演算
されたオフセット電流値IOU,IOVに基づいてオフセッ
ト補正電流値icur,icvrを演算するとともに、ゲイン
アンバランス値Imu,Imvに基づいてゲインアンバラン
ス補正電流値imur,imvrを演算し、そのオフセット補正
電流値icur,icvrに基づいて電流オフセット補正を行
うとともに、ゲインアンバランス補正電流値imur,imvr
に基づいてゲインアンバランス補正を行うことができ
る。したがって、オフセット電流およびゲインアンバラ
ンスが原因の無効電流およびトルクリプルを低減できる
ため、モータを高効率で滑らかに回転させることができ
る。しかも、ブラシレスモータMに流れる3相交流電流
をリアルタイムで検出し、電流オフセット補正およびゲ
インアンバランス補正を行うことができるため、オフセ
ット電流およびゲインアンバランスが変動した場合であ
っても常にモータを高効率で滑らかに回転させることが
できる。また、所定時間置きに電流オフセット補正およ
びゲインアンバランス補正を行うように制御することも
できる。さらに、モータを組み付ける前にモータごとに
オフセット補正電流値icur,icvrおよびゲインアンバ
ランス補正電流値imur,imvrを求めておき、その求めた
値をCPUに接続されたROMなどの記憶媒体に記憶さ
せておき(補正値記憶手段)、その記憶媒体から必要に
応じて補正値を読み出して補正を行うように制御するこ
ともできる。
制御装置を使用すれば、d/q変換手段によって2相に
変換された電流値id,iqをフーリエ変換することに
より、基本波、第2高調波、直流分、ゲインおよび位相
を求め、求められた基本波に基づいてu相のオフセット
電流値IOUおよびv相のオフセット電流値IOVをそれぞ
れ演算し、さらに、直流成分に基づいてu相のゲインア
ンバランス値Imuおよびv相のオフセット電流値Imvを
それぞれ演算することができる。そして、それらの演算
されたオフセット電流値IOU,IOVに基づいてオフセッ
ト補正電流値icur,icvrを演算するとともに、ゲイン
アンバランス値Imu,Imvに基づいてゲインアンバラン
ス補正電流値imur,imvrを演算し、そのオフセット補正
電流値icur,icvrに基づいて電流オフセット補正を行
うとともに、ゲインアンバランス補正電流値imur,imvr
に基づいてゲインアンバランス補正を行うことができ
る。したがって、オフセット電流およびゲインアンバラ
ンスが原因の無効電流およびトルクリプルを低減できる
ため、モータを高効率で滑らかに回転させることができ
る。しかも、ブラシレスモータMに流れる3相交流電流
をリアルタイムで検出し、電流オフセット補正およびゲ
インアンバランス補正を行うことができるため、オフセ
ット電流およびゲインアンバランスが変動した場合であ
っても常にモータを高効率で滑らかに回転させることが
できる。また、所定時間置きに電流オフセット補正およ
びゲインアンバランス補正を行うように制御することも
できる。さらに、モータを組み付ける前にモータごとに
オフセット補正電流値icur,icvrおよびゲインアンバ
ランス補正電流値imur,imvrを求めておき、その求めた
値をCPUに接続されたROMなどの記憶媒体に記憶さ
せておき(補正値記憶手段)、その記憶媒体から必要に
応じて補正値を読み出して補正を行うように制御するこ
ともできる。
【0070】ところで、上記実施形態では、この発明の
モータ制御装置を電気式動力舵取装置に備えられたブラ
シレスDCモータなど、モータの上位側からトルク指令
が出されるモータを制御する場合を代表に説明したが、
工作機械やロボットを駆動するモータなど、上位側から
速度指令が出されるブラシレスモータにもこの発明を適
用することができる。なお、図2のS14が、この発明
の3相/2相変換手段として機能し、S16が時間軸/
周波数軸変換手段として機能し、S18がオフセット電
流値演算手段として機能し、S26が電流指令値補正手
段として機能する。また、S20がゲインアンバランス
値演算手段として機能し、S28がゲイン補正手段とし
て機能する。
モータ制御装置を電気式動力舵取装置に備えられたブラ
シレスDCモータなど、モータの上位側からトルク指令
が出されるモータを制御する場合を代表に説明したが、
工作機械やロボットを駆動するモータなど、上位側から
速度指令が出されるブラシレスモータにもこの発明を適
用することができる。なお、図2のS14が、この発明
の3相/2相変換手段として機能し、S16が時間軸/
周波数軸変換手段として機能し、S18がオフセット電
流値演算手段として機能し、S26が電流指令値補正手
段として機能する。また、S20がゲインアンバランス
値演算手段として機能し、S28がゲイン補正手段とし
て機能する。
【図1】この発明の実施形態に係るモータ制御装置の主
な電気的構成をブロックで示す説明図である。
な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図2】図1に示すモータ制御装置の制御の流れを示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図3】エンコーダEの絶対値と、ブラシレスモータM
のu相に流れる電流iuと、v相に流れる電流ivの関
係を示すグラフである。
のu相に流れる電流iuと、v相に流れる電流ivの関
係を示すグラフである。
【図4】従来のモータ制御装置の主な電気的構成をブロ
ックで示す説明図である。
ックで示す説明図である。
【図5】図5(A)は、d軸電流指令値id*およびd
軸電流idの関係、q軸電流指令値iq*およびq軸電
流iqの関係が理想的な場合のグラフであり、図5
(B)は、大きな無効電流(d軸電流)が流れ、トルク
リプルが大きくなっている状態を示すグラフである。
軸電流idの関係、q軸電流指令値iq*およびq軸電
流iqの関係が理想的な場合のグラフであり、図5
(B)は、大きな無効電流(d軸電流)が流れ、トルク
リプルが大きくなっている状態を示すグラフである。
10 モータ制御装置 56 d/q逆変換部 58 パルス幅変調部 60 駆動回路 64 電流検出器 66 角度検出部 72,74 オペアンプ 76 A/D変換回路 80 補正部 E エンコーダ M ブラシレスモータ
Claims (3)
- 【請求項1】 2相から3相に変換された交流電流によ
って駆動されるモータを制御するモータ制御装置におい
て、 前記モータに流れる3相交流電流を検出するとともに、
その検出した3相交流電流を2相に変換する3相/2相
変換手段と、 この3相/2相変換手段によって2相に変換された電流
値を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手
段と、 この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数
軸変換された電流値の基本波に基づいてオフセット電流
値を演算するオフセット電流値演算手段と、 このオフセット電流値演算手段によって演算されたオフ
セット電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値
を補正する電流指令値補正手段とを備え、 その電流指令値補正手段によって補正された電流指令値
に基づいて前記モータを制御することを特徴とするモー
タ制御装置。 - 【請求項2】 2相から3相に変換された交流電流によ
って駆動されるモータを制御するモータ制御装置におい
て、 前記モータに流れる3相交流電流を検出するとともに、
その検出した3相交流電流を2相に変換する3相/2相
変換手段と、 この3相/2相変換手段によって2相に変換された電流
値を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手
段と、 この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数
軸変換された電流値の直流成分に基づいてゲインアンバ
ランス値を演算するゲインアンバランス値演算手段と、 このゲインアンバランス値演算手段によって演算された
ゲインアンバランス値に基づいて前記モータに与える電
流指令値のゲインを補正するゲイン補正手段とを備え、 そのゲイン補正手段によってゲインが補正された電流指
令値に基づいて前記モータを制御することを特徴とする
モータ制御装置。 - 【請求項3】 2相から3相に変換された交流電流によ
って駆動されるモータを制御するモータ制御装置におい
て、 前記モータに流れる3相交流電流を検出するとともに、
その検出した3相交流電流を2相に変換する3相/2相
変換手段と、 この3相/2相変換手段によって2相に変換された電流
値を時間軸/周波数軸変換する時間軸/周波数軸変換手
段と、 この時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数
軸変換された電流値の基本波に基づいてオフセット電流
値を演算するオフセット電流値演算手段と、 このオフセット電流値演算手段によって演算されたオフ
セット電流値に基づいて前記モータに与える電流指令値
を補正する電流指令値補正手段と、 前記時間軸/周波数軸変換手段によって時間軸/周波数
軸変換された電流値の直流成分に基づいてゲインアンバ
ランス値を演算するゲインアンバランス値演算手段と、 このゲインアンバランス値演算手段によって演算された
ゲインアンバランス値に基づいて前記モータに与える電
流指令値のゲインを補正するゲイン補正手段とを備え、 前記電流指令値補正手段およびゲイン補正手段によって
補正された電流指令値に基づいて前記モータを制御する
ことを特徴とするモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31965999A JP2001197797A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | モータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31965999A JP2001197797A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | モータ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001197797A true JP2001197797A (ja) | 2001-07-19 |
Family
ID=18112778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31965999A Pending JP2001197797A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | モータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001197797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2878664A1 (fr) * | 2004-11-30 | 2006-06-02 | Denso Corp | Unite de commande de moteur et dispostif de direction |
US20150229247A1 (en) * | 2014-02-12 | 2015-08-13 | Denso Corporation | Apparatus for controlling ac motor |
-
1999
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