JP2001196745A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JP2001196745A
JP2001196745A JP2000003592A JP2000003592A JP2001196745A JP 2001196745 A JP2001196745 A JP 2001196745A JP 2000003592 A JP2000003592 A JP 2000003592A JP 2000003592 A JP2000003592 A JP 2000003592A JP 2001196745 A JP2001196745 A JP 2001196745A
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hole
plated
filler
printed wiring
plating
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JP2000003592A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kashiwagi
哲哉 柏木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板を貫通する外側スルーホールと、中心軸
が外側スルーホールと同軸の内側スルーホールと、内側
スルーホールに充填される内側充填材とを備えた多層プ
リント配線板において、内側スルーホールの両端方向に
形成される配線パターンや絶縁層に内側充填材の熱膨張
に起因するクラックが生じないようにする。 【解決手段】 多層プリント配線板2では、メッキスル
ーホール4の形状が、メッキスルーホール4の端部側で
すぼまり、中央部側で最も内径が大きくなる、いわば
「樽」状を呈している。これによって、多層プリント配
線板2が加熱されて、内側充填材8が膨張しようとして
も、膨張時に内側充填材8の各部に生じた応力が、メッ
キスルーホール4の両端部方向に沿って加わるものの、
両端部がそれぞれすぼまった形状を呈しているため、各
部の応力の方向がメッキスルーホール4の両端部付近に
分散するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
を実装するのに用いられる多層プリント配線板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多層プリント配線板として
は、例えば実公昭62−96883号公報にて開示され
ているように、絶縁性基板を貫通し、導電層が形成され
た外側スルーホールと、この外側スルーホールの内部空
間に充填される充填材を、中心軸が外側スルーホールと
一致するように貫通し、導電層が形成された内側スルー
ホールとからなる同軸状の二重スルーホールを備えたも
のが知られている。
【0003】以下に、この種のスルーホールを備えた多
層プリント配線板として代表的なものを説明する。即
ち、多層プリント配線板100では、基板10の両面に
配線パターン14が形成され、両配線パターン14は、
基板10を貫通して設けられたメッキスルーホール16
(内壁面がメッキされたスルーホール18)によって互
いに接続されている。また、メッキスルーホール16内
には、樹脂からなる充填材(以下、外側充填材という)
20が設けられている。
【0004】そして、多層プリント配線板100にはビ
ルドアップ絶縁層22が形成され、更に、このビルドア
ップ絶縁層22と、メッキスルーホール16内に充填さ
れた外側充填材20とを貫通するようにメッキスルーホ
ール24(内壁面がメッキされたスルーホール26)が
設けられている。尚、メッキスルーホール24は、基板
10の厚さ方向に沿ったメッキスルーホール24の中心
軸が、同じく基板10の厚さ方向に沿ったメッキスルー
ホールの16の中心軸と互いに一致するようにして設け
られている。このため、メッキスルーホール16,24
は、互いに、いわば同軸状を成している状態である。ま
た、メッキスルーホール24は、外側充填材20に形成
された部分の内壁が成す形状が略円筒状を呈している。
【0005】更にまた、メッキスルーホール24内に
は、樹脂からなる充填材(以下、内側充填材という)2
8が設けられている。そして、内側充填材28が設けら
れた状態のメッキスルーホール24の両端側には、後述
するメッキバイアホール30と接続するための円形状の
接続ランド24aが設けられている。
【0006】また、このビルドアップ絶縁層22の表面
には配線パターン30が形成され、この配線パターン3
0は、ビルドアップ絶縁層22を貫通して設けられたメ
ッキバイアホール32によって、配線パターン14と互
いに接続されている。尚、メッキバイアホール32にお
いて、基板10とは反対側(上側)の端部側には、後述
するメッキバイアホール38と接続するための円形状の
接続ランド32aが設けられている。
【0007】更に、ビルドアップ絶縁層22において、
基板10とは反対側(上側)の表面には、ビルドアップ
絶縁層34が形成され、このビルドアップ絶縁層34の
表面には配線としての配線パターン36が形成されてい
る。そして、この配線パターン36は、ビルドアップ絶
縁層34を貫通して設けられたメッキバイアホール38
によって、接続ランド24a,32aと互いに接続され
ている。
【0008】そして、ビルドアップ絶縁層34におい
て、ビルドアップ絶縁層22とは反対側(上側)の表面
には、絶縁性のソルダーレジスト層40が形成され、し
かも、ソルダーレジスト層40では、メッキバイアホー
ル38の形成部分(図中上方)や配線パターン36の形
成部分(図中下方)が開口することによって、メッキバ
イアホール38や配線パターン36の一部を外部に露出
させるための露出孔42が形成されている。
【0009】以上のように構成された多層プリント配線
板100では、ソルダーレジスト層40から露出したメ
ッキバイアホール38や配線パターン36が、例えばL
SIチップ等のリードやバンプ等を接続するための接続
端子として使用できるようになっている。そして、多層
プリント配線板100では、メッキスルーホール16
を、配線パターン14を介して接地することによって、
メッキスルーホール24に高周波信号を伝送した場合
に、基板10内部への高周波信号の輻射を抑圧すること
ができ、他の信号線路への信号妨害を防止することが可
能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した多
層プリント配線板100では、実際に半導体素子を実装
して使用した場合には、半導体素子が動作時に発熱し
て、メッキスルーホール24内に設けられた内側充填材
28が膨張するようになる。そして、内側充填材28が
膨張する際には、この内側充填材28の基板10の厚さ
方向に沿った中心軸の周囲側がメッキスルーホール24
の内壁にて押圧されるため、基板10側(即ち、メッキ
スルーホール24の内壁方向側)にはほとんど膨張せ
ず、メッキスルーホール24の両端部方向に沿って膨張
するようになる。
【0011】ところが、本発明者等が各種実験を行った
ところ、内側充填材28が膨張したときの応力は、メッ
キスルーホール24の両端部に設けられた接続ランド2
4aの近傍により強く集中することが判った。また、そ
のような応力が接続ランド24aの近傍に集中すると、
メッキスルーホール24の両端部側に設けられる接続ラ
ンド24aやメッキスルーホール38といった配線パタ
ーン自体にクラックが生じることが判った。また、場合
によっては、接続ランド24aの近傍のビルドアップ絶
縁層22,34にクラックが生じることも判った。接続
ランド24aの近傍のビルドアップ絶縁層22,34に
クラックが生じると、電気絶縁性が低下し、多層プリン
ト配線板としての信頼性が低下するといった不具合を生
じるだけでなく、更にひどい場合には、配線パターン間
がショートしてしまうことがある。
【0012】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、絶縁性基板を貫通する外側スルーホールと、
中心軸がこの外側スルーホールと同軸の内側スルーホー
ルと、この内側スルーホールの内部空間に充填される内
側充填材とを備えた多層プリント配線板において、更
に、この内側スルーホールの両端方向に配線パターン
(例えば、接続ランドやメッキスルーホール等)や、絶
縁層(例えば、ビルドアップ絶縁層等)が形成された場
合に、この配線層や絶縁層に内側充填材の熱膨張に起因
するクラックが生じないようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段,発明の実施の形態及び発
明の効果】かかる目的を達成するためになされた請求項
1に記載の発明は、絶縁性を有する基板を貫通する外側
スルーホールと、該外側スルーホールの内面に形成され
た外側導電層と、該外側導電層の内部空間に充填された
絶縁性の外側充填材と、中心軸が前記外側スルーホール
と一致するように前記外側充填材を貫通する内側スルー
ホールと、該内側スルーホールの内面に形成された内側
導電層と、該内側導電層の内部空間に充填された絶縁性
の内側充填材と、を備え、前記外側導電層及び内側導電
層を介して前記基板の表裏面に形成された所定の配線パ
ターン同士を接続してなる多層プリント配線板におい
て、前記内側スルーホールを、前記基板の表裏面側で径
が最も小さく、前記基板の板厚方向中心部側程径が大き
くなるように、断面樽状に形成してなることを特徴とす
る。
【0014】つまり、本発明(請求項1)の多層プリン
ト配線板では、内側スルーホールの内壁に形成されて、
配線として用いられる内側導電層は、この内側スルーホ
ールにおける基板の厚さ方向に沿った中心軸を通る断面
形状が、いわば、「樽」型を呈するように形成されるも
のである。
【0015】これは、内側導電層が上記のような形状を
呈すると、多層プリント配線板が加熱されて内側スルー
ホール内の内側充填材が膨張する場合には、膨張により
内側充填材の各部に生じた応力が内側スルーホールの両
端部方向に沿って加わるものの、両端部がそれぞれオー
バーハング状となり、いわばすぼまった形状を呈してい
るため、各部の応力の方向が内側スルーホールの両端部
付近に分散するようになる。このため、内側充填材が膨
張しても、内側スルーホールの両端部から内側充填材が
突出するのを防止することが可能となる。
【0016】従って、本発明(請求項1)の多層プリン
ト配線板では、内側スルーホールの両端部に加わる応力
が緩和されるので、内側スルーホールの両端側に配線パ
ターンや絶縁層が形成された場合に、内側充填材が加熱
しても、配線パターンや絶縁層には膨張した内側充填材
の応力が加わることがないので、これら配線パターンや
絶縁層にクラックが生じるのを防止することが可能とな
る。
【0017】ところで、配線パターンや絶縁層にクラッ
クが生じるのをより一層防止するには、多層プリント配
線板を請求項1に記載のように構成した上で、更に、請
求項2に記載のように、内側スルーホールを、基板中心
部での最大径φ1と基板の表裏面側での最小径φ2との
差分φ1−φ2が10μm〜30μmの範囲内になるよ
う形成するとよい。
【0018】これは、後述実施例に記載の実験を含む各
種実験の結果得られた値であり、差分φ1−φ2を10
μm未満とすると、オーバーハングの度合いが小さくな
り、応力を緩和する効果が十分に得られない。これに対
して、差分φ1−φ2を30μmより大きくすると、内
側スルーホール内に内側充填材を充填する際に、内側ス
ルーホールの最大径φ1を示す部分での内側充填材の穴
埋め性が悪くなって、内側スルーホール全体に内側充填
材を充填するのが困難となる。
【0019】以上、本発明(請求項1,2)によれば、
絶縁性基板を貫通する外側スルーホールと、中心軸がこ
の外側スルーホールと同軸の内側スルーホールと、この
内側スルーホールの内部空間に充填される内側充填材と
を備えた多層プリント配線板において、更に、この内側
スルーホールの両端方向に配線パターン(例えば、接続
ランドやメッキスルーホール等)や、絶縁層(例えば、
ビルドアップ絶縁層等)が形成された場合に、この配線
層や絶縁層に内側充填材の熱膨張に起因するクラックが
生じないようにするといった上記課題を解決することが
可能となる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を具体化した一実施例を図面と
共に説明する。図1は、本実施例の多層プリント配線板
の縦断面図である。尚、本実施例においては、多層プリ
ント配線板は、図4に示した従来の多層プリント配線板
100と同様に構成されるものの、外側充填材20を貫
通して形成されるメッキスルーホール4の形状が異な
る。
【0021】即ち、本実施例の多層プリント配線板2で
は、ビルドアップ絶縁層22と、メッキスルーホール1
6(内壁面がメッキされたスルーホール18)内に充填
された外側充填材20とを貫通するように、メッキスル
ーホール4(内壁面がメッキされたスルーホール6)が
設けられており、しかも、メッキスルーホール4は、基
板10の厚さ方向に沿ったその中心軸が、同じく基板1
0の厚さ方向に沿ったメッキスルーホール16の中心軸
と互いに一致するようにして設けられている。このた
め、メッキスルーホール4,16は、互いに、いわば同
軸状を成している状態である。また、メッキスルーホー
ル4では、外側充填材20に形成された部分の内壁が成
す形状は、両端側がすぼまり、メッキスルーホール4の
中心部側が外側に広がった、いわば「樽」状を呈してい
る。
【0022】そして、メッキスルーホール4内には、樹
脂材からなる充填材(以下、内側充填材という)8が設
けられている。そして、内側充填材8が設けられた状態
のメッキスルーホール4の両端側には、メッキバイアホ
ール30と接続するための円形状の接続ランド4aが設
けられている。
【0023】尚、本実施例では、メッキスルーホール1
6は、請求項記載の外側導電層及び外側スルーホールに
相当し、スルーホール18は、請求項記載の外側スルー
ホールに相当し、メッキスルーホール4は、請求項記載
の内側導電層及び内側スルーホールに相当し、スルーホ
ール6は、請求項記載の内側スルーホールに相当する。
【0024】次に、この多層プリント配線板2を製造す
る手順を図2及び図3に基づいて説明する。まず、ビス
マレイミド−トリアジン樹脂製の絶縁性板材の両面に銅
箔が貼付されて形成された銅張積層板10a(板厚0.
8μm,熱膨張率α=50×10-6/℃)を基板10と
して用意し(図1(a))、その銅張積層板10aに対
して、メッキスルーホール16を形成するためのスルー
ホール18を、メカニカルドリル等を用いてφ300μ
mとなるように透設する。次に、いわゆるパネルメッキ
(無電解及び電解銅メッキ)により、スルーホール18
の内壁、及び、銅張積層板10aの両板面にメッキを施
す(図1(b))。
【0025】次に、メッキスルーホール16の内部空間
に充填樹脂を印刷して充填した後、これを硬化し、更に
この状態の銅張積層板10aの両面を研磨することによ
り、メッキスルーホール16から突出した充填樹脂を取
り除いて銅張積層板10aの両板面を平坦化する。この
ようにして、メッキスルーホール16内に外側充填材2
0が形成される(図2(b))。
【0026】そして、メッキエッチング用のフォトレジ
ストにより、所望パターンとなるように銅張積層板10
aの両板面上をマスキングし、パターンエッチングを行
う。すると、図2(c)に示すように、所定形状を有す
る配線パターン14が形成される。その後、銅張積層板
10aの両板面に、樹脂からなるビルドアップ絶縁層2
2(熱膨張率α=60〜70×10-6/℃)を形成する
(図2(d))。
【0027】そして、炭酸ガスレーザを、その光軸が銅
張積層板10aの厚さ方向に沿ったメッキスルーホール
16の中心軸に一致させるようにして、ビルドアップ絶
縁層22の表面に照射する。すると、炭酸ガスレーザに
よって、メッキスルーホール16の前記した中心軸に沿
って両ビルドアップ絶縁層22と外側充填材20とがエ
ッチングされることにより、メッキスルーホール4を形
成するためのスルーホール6が透設される。しかも、ス
ルーホール6では、図3(a)に示すように、ビルドア
ップ絶縁層22の表面付近がすり鉢状に広がると共に、
このビルドアップ絶縁層22と外側充填材20との境界
付近ですぼまったように、内部空間が成す内径が最も小
さくなる。そして、ビルドアップ絶縁層22と外側充填
材20との境界付近から、外側充填材20の中心部側に
いくに従って、除々に内径が大きくなる。つまり、外側
充填材20では、スルーホール6の両端部側で最も内径
が小さくなり、中心部側で最も内径が大きくなる。
【0028】同様にして、所望のビアホール形成位置
に、上記炭酸ガスレーザを照射することにより、メッキ
バイアホール30を形成するためのバイアホール32b
を形成する。次に、粗化剤(酸化剤)である過マンガン
酸カリウム溶液を用いてビルドアップ絶縁層22に対す
る化学的処理を施した後、上記パネルメッキにて、スル
ーホール6の内壁及びバイアホール形成用孔32bの内
壁を含め、銅張積層板10aの両板面にメッキを、厚さ
20μmとなるように施す。このようにして、メッキス
ルーホール4及びメッキバイアホール32が形成され
る。
【0029】ここで、上記黒化処理は、メッキスルーホ
ール4と穴埋め用の充填樹脂との密着強度を高めるため
の周知の処理である。そして、メッキスルーホール4に
周知の黒化処理を施した後、メッキスルーホール4及び
メッキバイアホール32に対応した複数の孔部を有する
ステンレス製マスク(図示略)を、銅張積層板10aの
一方の面(例えば、図3(b)に示した銅張積層板10
aの上方の面)に載置して、その上から穴埋め用の充填
樹脂(熱膨張率α=65×10-6/℃)をスキージ等を
用いて印刷し、メッキスルーホール4及びメッキバイア
ホール30の内部空間に充填樹脂を充填する。
【0030】充填処理後にメタルマスクをはがすと、メ
ッキスルーホール4及びメッキバイアホール32の内部
空間に、一部が突出するように充填樹脂が充填された状
態となる。その後、温度120℃にて20分間加熱して
充填樹脂を半硬化させた上で、突出した充填樹脂を含
め、銅張積層板10aの両面を、ベルトサンダー(粗研
磨)を用いて研磨した後、バフ研磨(仕上げ研磨)する
ことで、メッキスルーホール4及びメッキバイアホール
32から突出した充填樹脂を、メッキスルーホール4及
びメッキバイアホール32の各両開口面と一致するよう
に平坦化することができる。
【0031】更に、この状態の銅張積層板10aを温度
150℃で20分間加熱することで、半硬化状態の充填
樹脂が硬化されて、内側充填材8が形成される。また、
充填樹脂としては、熱硬化性樹脂に無機フィラー、硬化
剤、脱泡剤等を添加したものを用いることができる。更
に、熱硬化性樹脂としては、いわゆるエポキシ樹脂を用
いるのがよい。そのエポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ール型、クレゾールノボッラック型のものをもちいるの
がよい。特には、ビスフェノール型を主体とするものが
よく、ビスフェノールA型や、ビスフェノールF型が最
もよい。また、無機フィラーとしては、セラミックフィ
ラー、誘電体フィラー、金属フィラー等をいう。セラミ
ックフィラーとしては、シリカ、アルミナ等を好適に用
いることができる。その誘電体フィラーとしては、チタ
ン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等を
好適に用いることができる。更に、金属フィラーとして
は、銅、銀、銀/銅合金等を好適に用いることができ
る。
【0032】そして、硬化剤としては、無水カルボン酸
系やアミン系のものを用いることができる。特に、イミ
ダゾール系の硬化剤を用いるのが好ましい。また、脱泡
剤としては、公知の市販品を用いることができる。加え
て、このような穴埋め用の充填樹脂は、揮発減量割合が
1%以下、好ましくは、0.5%以下となる脱泡剤を用
いるのがよい。
【0033】次に、パネルメッキ(無電解及び電解銅メ
ッキ)を施した後、メッキエッチング用のフォトレジス
トにより、所望パターンとなるようにメッキの表面上を
マスキングし、パターンエッチングを行う。すると、図
3(c)に示すように、所定形状を有する配線パターン
30が形成される。また、このとき、メッキスルーホー
ル4の両開口端側及びメッキバイアホール32の開口端
側には、それぞれ接続ランド4a及び接続ランド32a
が形成される。
【0034】そして、上述したビルドアップ絶縁層22
と同様にして、ビルドアップ絶縁層34を形成し、更
に、ビルドアップ絶縁層22にバイアホール32bを形
成した手順に従って、ビルドアップ絶縁層34に、メッ
キバイアホール38を形成するためのバイアホール38
aを形成する。続いて、ビルドアップ絶縁層34に対し
て、粗化剤を用いて化学的処理を施し、更に、公知のセ
ミアディティブ法により、所定形状を有する配線パター
ン36を形成すると共に、メッキバイアホール38を形
成する。
【0035】次に、配線パターン36及びメッキバイア
ホール38を含むビルドアップ絶縁層34の表面(即
ち、ビルドアップ絶縁層34に配線パターン36及びメ
ッキバイアホール38が形成された状態の銅張積層板1
0aの両板面)に、ソルダーレジスト(熱膨張率α=5
3×10-6/℃)を硬化後の厚さが20μmとなるよう
に印刷して、ソルダーレジスト層40を形成する。その
後、公知のフォトリソグラフィ技術(露光・現像)によ
り、露出孔42を形成する。
【0036】以上に説明した手順にて、図1に示す多層
プリント配線板2を製造することができる。ところで、
多層プリント配線板2では、メッキスルーホール4の形
状が、メッキスルーホール4の端部側ですぼまり、中央
部側で最も内径が大きくなる、いわば「樽」状を呈して
いる。これによって、多層プリント配線板2が加熱され
て、内側充填材8が膨張しようとしても、膨張時に内側
充填材8の各部に生じた応力が、メッキスルーホール4
の両端部方向に沿って加わるものの、両端部がそれぞ
れ、いわばすぼまった形状を呈しているため、各部の応
力の方向がメッキスルーホール4の両端部付近で分散す
るようになる。従って、メッキスルーホール4の両端部
から内側充填材8が突出するのを防止することが可能と
なる。
【0037】ここで、本発明者等は、メッキスルーホー
ル4において、前記中心軸を挟んで互いに対向する各メ
ッキ間の距離φをどのようにすれば、接続ランド4aの
近傍のビルドアップ絶縁層22,34にクラックを生じ
ることなく、かつ、メッキスルーホール4の内部空間を
完全に充填樹脂材にて埋め尽くすことができるかについ
て種々検討し、下記の実験により、メッキスルーホール
4の各部の寸法関係を決定した。
【0038】以下、その実験及び実験結果について説明
する。下記の実験では、図1に示す各部の寸法関係、即
ち、メッキスルーホール4の最大距離φ1と最小距離φ
2との差分φ1−φ2の最適範囲を得るために、φ1−
φ2の大きさが異なる多層プリント配線板を多数作成
し、各多層プリント配線板を加熱した際の接続ランド4
aの近傍のビルドアップ絶縁層22,34のクラックの
有無、及び、メッキスルーホール4内の内側充填材8の
穴埋め形状の良否について調査した。尚、多層プリント
配線板を加熱する条件は、温度150℃で60分とし
た。また、穴埋め形状の良否は、簾(空隙)が生じるこ
となく、メッキスルーホール4内が完全に充填樹脂材に
よって充填された場合を良とした。そして、各多層プリ
ント配線板のクラック,簾についての調査は、各メッキ
スルーホール4の前記中心軸を通る断面が現れるまで、
断面研磨を行い、その断面を電子顕微鏡にて観察するこ
とにより行った。
【0039】[実験]上記差分φ1−φ2を規定するた
めに、スルーホール6を形成する際の炭酸ガスレーザの
照射条件を以下のように異ならせて、最大距離φ1及び
最小距離φ2の大きさがそれぞれ異なるスルーホール6
を多数形成した。
【0040】即ち、炭酸ガスレーザの照射条件は、 レーザ発振器:三菱電機ML5003D パルス幅:40〜300μsec パルスピーク:1kW ショット数:10回 である。
【0041】
【表1】
【0042】その結果、表1に示すように、差分φ1−
φ2が10μmを下回ると、従来の多層プリント配線板
のように、接続ランド4aの近傍のビルドアップ絶縁層
22,34にクラックが生じてしまうことが判明した。
一方、差分φ1−φ2が30μmを上回ると、メッキス
ルーホール4内の最大距離φ1を呈する部分の内壁側を
充填樹脂材によって埋め尽くされる前に、メッキスルー
ホール4の両端部側が埋め尽くされてしまい、メッキス
ルーホール4の中心部側に簾が生じてしまうことが判明
した。
【0043】以上に示した実験結果から、差分φ1−φ
2は、10μm〜30μmの範囲内に規定すればよいこ
とが判る。即ち、差分φ1−φ2の範囲内となるように
メッキスルーホール4を形成することによって、多層プ
リント配線板を加熱しても、接続ランド4aの近傍のビ
ルドアップ絶縁層22,34にクラックが生じることが
ない上に、メッキスルーホール4の内部空間を埋め尽く
すように内側充填材8が形成されるようになる。
【0044】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、本実施例で
は、ビルドアップ絶縁層22及び外側充填材20を炭酸
ガスレーザにてエッチングすることにより、両端部側の
内径よりも、中心部側の内径が大きい「樽」状のスルー
ホール6を形成し、結果的に両端部側の内径よりも、中
心部側の内径が大きい「樽」状のメッキスルーホール4
を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、
従来の多層プリント配線板100のように円筒状のスル
ーホール26を形成し、その後、メッキを、スルーホー
ル26の両端部側よりも、スルーホール26の中心部側
が適度に薄くなるように(或いは、スルーホール26の
中心部側よりも、スルーホール26の両端部側が適度に
厚くなるように)施すようにしてもよい。このようにし
ても、上記した実施例と同様の作用及び効果を得ること
ができる。
【0045】また、本実施例の多層プリント配線板2で
は、メッキスルーホール4の両端部側に接続ランド4a
を設け、多層プリント配線板2を加熱した際に接続ラン
ド4aの近傍のビルドアップ絶縁層22,34にクラッ
クが生じないことを条件としたが、本発明者等が調査し
たところ、接続ランド4aの近傍のビルドアップ絶縁層
22,34にクラックが生じないようなメッキスルーホ
ール4の形成条件では、接続ランド4aや、この接続ラ
ンド4aと接するメッキバイアホール32等、メッキス
ルーホール4の両端部側に形成される配線パターンにも
クラックが生じないことが判明した。
【0046】更にまた、本実施例の多層プリント配線板
2では、メッキスルーホール4の両端部側に接続ランド
4a(或いは、メッキバイアホール38)等の配線パタ
ーンを設けるようにしたが、これに限定されない。例え
ば、メッキスルーホール4の両端部からこのメッキスル
ーホール4の中心軸とは反対方向に引き回すようにして
配線パターンを設け、メッキスルーホール4aの両端部
側には配線パターンを設けないようにした多層プリント
配線板を構成することも可能である。
【0047】つまり、この場合には、メッキスルーホー
ル4の両端部側には、ビルドアップ絶縁層22が直接接
するようになるが、上記したように、内側充填材8が加
熱されて膨張する際の応力は、メッキスルーホール4の
両端部側の近傍に分散されるようになって、ビルドアッ
プ絶縁層22(或いは、ビルドアップ絶縁層34、ソル
ダーレジスト層等)にクラックが生じるのを防止するこ
とができる。
【0048】尚、本実施例では、請求項記載の基板は銅
張積層板10aからなる基板10に相当する。そして、
この基板10を貫通して設けられるメッキスルーホール
16の内側に、中心軸がこのスルーホール16と一致す
るように設けられるメッキスルーホール4に対して、本
発明を適用するようにしたが、これに限定されることは
ない。
【0049】例えば、上記したビルドアップ絶縁層2
2,34をそれぞれ請求項記載の基板とし、ビルドアッ
プ絶縁層22,34にそれぞれ設けられるメッキバイア
ホール32,38を、メッキスルーホール4,16と同
様な同軸状の内外二重のバイアホールとして形成すると
共に、内側のバイアホール(以下、内側バイアホールと
いう)の形状が「樽状」を呈するように形成するように
してもよい。
【0050】この場合においても、内側バイアホールの
内部空間に充填材がされた際に、充填材が加熱されてこ
の充填材が膨張しようとしても、膨張時に充填材の各部
に生じた応力が、内側バイアホールの両端部方向に沿っ
て加わるものの、両端部がそれぞれ、いわばすぼまった
形状を呈しているため、各部の応力が内側バイアホール
の両端部付近に分散するようになる。従って、内側バイ
アホールの両端部からは、充填材が突出するのを防止す
ることが可能となる。つまり、内側バイアホールの開口
端側に絶縁層(ビルドアップ絶縁層,ソルダーレジスト
層等)が形成された場合に、充填材が加熱して膨張しよ
うとしても、内側バイアホールの開口端から充填材が突
出しないため、絶縁層にクラックが生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の多層プリント配線板の構造を示す縦
断面図である。
【図2】 実施例の多層プリント配線板の製造工程図で
ある。
【図3】 実施例の多層プリント配線板の製造工程図で
ある。
【図4】 従来の多層プリント配線板の構造を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
2…多層プリント配線板、4…メッキスルーホール(内
側スルーホール,内側導電層)、8…内側充填材、10
…基板、16…メッキスルーホール(外側スルーホー
ル,外側導電層)、20…外側充填材、22,34…ビ
ルドアップ絶縁層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性を有する基板を貫通する外側スル
    ーホールと、 該外側スルーホールの内面に形成された外側導電層と、 該外側導電層の内部空間に充填された絶縁性の外側充填
    材と、 中心軸が前記外側スルーホールと一致するように前記外
    側充填材を貫通する内側スルーホールと、 該内側スルーホールの内面に形成された内側導電層と、 該内側導電層の内部空間に充填された絶縁性の内側充填
    材と、 を備え、前記外側導電層及び内側導電層を介して前記基
    板の表裏面に形成された所定の配線パターン同士を接続
    してなる多層プリント配線板において、 前記内側スルーホールを、前記基板の表裏面側で径が最
    も小さく、前記基板の板厚方向中心部側程径が大きくな
    るように、断面樽状に形成してなることを特徴とする多
    層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 前記内側スルーホールは、前記基板中心
    部での最大径φ1と前記基板の表裏面側での最小径φ2
    との差分φ1−φ2が10μm〜30μmの範囲内にな
    るよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の多層プリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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