JP2001196168A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

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JP2001196168A
JP2001196168A JP2000005383A JP2000005383A JP2001196168A JP 2001196168 A JP2001196168 A JP 2001196168A JP 2000005383 A JP2000005383 A JP 2000005383A JP 2000005383 A JP2000005383 A JP 2000005383A JP 2001196168 A JP2001196168 A JP 2001196168A
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Hitoshi Takeda
均 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、転写方式による有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法に関する課題を解決し、歩
留まりが良好な有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持基板7上に少なくとも第一電極層8
を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス層5及び
/又は第二電極層4を構成する材料を転写層6として転
写用基板1上に形成する工程と、支持基板7の第一電極
層8形成面と転写用基板1上の転写層6形成面とを圧着
ローラー10で圧着する工程と、転写用基板1上に形成
された転写層6を支持基板7の第一電極層8形成面側に
転写する工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ等に
用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラウン管(CRT)よりも薄
型,低消費電力,軽量の表示装置としてフラットパネル
ディスプレイへのニーズが高まっている。
【0003】この、フラットパネルディスプレイとして
は、非発光型の液晶ディスプレイ(LCD),自発光型
のプラズマディスプレイ(PDP),エレクトロルミネ
ッセンス(EL)ディスプレイ等が知られている。
【0004】その中でもELディスプレイは、その発光
機構およびその構成材料の違いから、無機ELディスプ
レイと有機ELディスプレイの2つに分けられる。特
に、有機ELディスプレイは、自発光であること、低消
費電力化が図れること、発光色が多様であること等の特
徴を有するため、非常に注目を集めている。
【0005】上記のような、有機ELディスプレイに用
いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
において、特にマトリクスディスプレイやカラーディス
プレイ等を製造する場合には、発光層や陰極を特定のパ
ターンに形成することが必要となる。しかしながら、有
機エレクトロルミネッセンス素子を構成する有機材料は
有機溶剤や水,酸素等により侵食や特性の低下等のダメ
ージを受けやすいため、一旦有機材料を層形成した後は
一般的なフォトリソグラフィー法によりパターンを形成
することが困難である。
【0006】このため、発光色の異なる発光層や陰極を
パターン形成する方法としては、マスク蒸着によりパタ
ーン形成する方法や、基板上にあらかじめ隔壁を形成し
ておいて蒸着によりパターン形成する方法等が、例えば
特開平11−135257号公報,特開平8−3159
81号公報,特開平8−227276号公報,特開平5
−275172号公報等に開示されている。しかしなが
らこれらの方法でも、パターンの高精細化が難しかった
り、蒸着時の回り込みを考慮したマスクの位置合わせが
困難である、また工程が複雑になる等の理由により、生
産上必ずしも十分なものとは言えなかった。
【0007】更に、上記マスクや隔壁を用いたパターン
形成に代わる方法として、例えば特開平11―2605
49号公報に開示されているようなレーザ照射を用いた
パターン形成方法が知られている。
【0008】従来のレーザ照射を用いたパターン形成方
法を説明した断面図を図3に示す。
【0009】図3は、従来の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造工程の一部を表しており、フィルム41
上に光−熱変換層42および熱伝播層43を形成し、次
に陰極層44を形成し、次に発光層45bを重ねて形成
し、次に正孔注入性接着層45cを重ねて形成した後、
フィルム41の成膜面側をストライプパターニングした
ITO陽極48付き基板47上に貼り付け、その後フィ
ルム41の裏面側から13WのYAGレーザー51を陰
極形状を形成するように選択的に照射することにより多
重に形成した層46を基板47上に転写する。その後、
フィルム41を取り除き、多重に形成した層46を転写
した基板47に駆動手段を接続し、封止処理を施して有
機ELディスプレイを得る。
【0010】このレーザ照射を用いたパターン形成方法
は、乾式であるため有機エレクトロルミネッセンス素子
を構成する有機材料に有機溶剤や水等でダメージを与え
ることなく、且つ高精細なパターンを形成することが可
能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、以下のような問題点があった。
【0012】従来の転写方式では、転写時に転写したい
部分で転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素子
の支持基板が密着していなければならず、基板間に気泡
等に起因する隙間のできないよう、通常両基板を圧着さ
せる必要があるという問題点があった。
【0013】更に、支持基板上は平らではなくパターン
形成された電極層や有機材料層等による段差が存在する
ため、完全に圧着できない場合があり、このような場合
は気泡等に起因する隙間に応じた部分が転写できず、そ
の部分で電極−電極間の短絡が起こることにより表示欠
陥や歩留り低下等の原因となってしまうという問題点が
あった。
【0014】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、転写方式による有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法に関する上記課題を
解決し、歩留まりが良好な有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法は、支持基板上に第一電
極層、少なくとも有機発光材料を含有するエレクトロル
ミネッセンス層、第二電極層がこの順で形成されてなる
有機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板
上に少なくとも第一電極層を形成する工程と、エレクト
ロルミネッセンス層及び/又は第二電極層を構成する材
料を転写層として転写用基板上に形成する工程と、支持
基板の第一電極層形成面と転写用基板上の転写層形成面
とを圧着ローラーで圧着する工程と、転写用基板上に形
成された転写層を支持基板の第一電極層形成面側に転写
する工程とを有することを特徴とする。
【0016】本発明により、転写用基板と支持基板とが
完全に密着できるので、転写用基板と支持基板との間に
生じる隙間に起因した転写不良や層のひび割れを防ぐこ
とが可能になる。
【0017】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層はストライプパター
ン状に形成されており、且つストライプパターンの長手
方向と圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを特
徴とする。
【0018】本発明により、ストライプパターン状に形
成された第1電極層の段差により、転写用基板と支持基
板との間に生じる隙間に起因した転写不良や層のひび割
れを防ぐことが可能になる。
【0019】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、転写層はストライプパターン状
に転写され、且つストライプパターンの長手方向と圧着
ローラーの回転軸とが略平行であるこを特徴とする。
【0020】本発明は、特に発光色が異なる複数の発光
層を支持基板上の任意の位置に選択的に転写形成する場
合の2番目以後の転写形成に対し有効であり、先に転写
した層の段差により転写用基板と支持基板との間に生じ
る隙間に起因した転写不良や層のひび割れを防ぐことが
可能になる。
【0021】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層を
構成する材料は少なくとも一部が支持基板上に一層以上
層形成されており、層形成されたエレクトロルミネッセ
ンス層を構成する材料は少なくとも一部がストライプパ
ターン状にストライプ層として形成されており、且つ最
も層厚の大きいストライプ層のストライプパターンの長
手方向と圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを
特徴とする。
【0022】本発明により、支持基板上に設けられた最
も層厚の大きい層の段差による転写基板と支持基板との
間の密着不良が無くなり、転写不良や転写層のひび割れ
を防ぐことが可能になる。
【0023】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層を
構成する材料は少なくとも一部が支持基板上に一層以上
層形成されており、層形成されたエレクトロルミネッセ
ンス層を構成する材料は最上層がストライプパターン状
にストライプ層として形成されており、且つストライプ
層のストライプパターンの長手方向と圧着ローラーの回
転軸とが略平行であることを特徴とする。
【0024】本発明により、支持基板上にストライプパ
ターン状に設けられた最上層の段差による転写基板と支
持基板との間の密着不良が無くなり、転写不良や転写層
のひび割れを防ぐことが可能になる。
【0025】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層と第二電極層は少な
くともどちらか一方が透明電極層であることを特徴とす
る。
【0026】本発明により、光を支持基板の任意の側に
取り出すことが可能になる。
【0027】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とする。
【0028】本発明により、エレクトロルミネッセンス
層が複数の層により形成され、実質的な層厚が厚くなっ
ても、エレクトロルミネッセンス層の段差により転写用
基板と支持基板との間に生じる隙間に起因した転写不良
や層のひび割れを防ぐことが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について詳し
く説明する。
【0030】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法は、支持基板上に第一電極
層、少なくとも有機発光材料を含有するエレクトロルミ
ネッセンス層、第二電極層がこの順で形成されてなる有
機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板上
に少なくとも第一電極層を形成する工程と、エレクトロ
ルミネッセンス層及び/又は第二電極層を構成する材料
を転写層として転写用基板上に形成する工程と、支持基
板の第一電極層形成面と転写用基板上の転写層形成面と
を圧着ローラーで圧着する工程と、転写用基板上に形成
された転写層を支持基板の第一電極層形成面側に転写す
る工程とを有することを特徴とし、また圧着時の圧着ロ
ーラーの回転軸と転写前の支持基板上の、或いは転写用
基板から支持基板へ転写される有機エレクトロルミネッ
センス素子を構成する材料のストライプパターンの長手
方向とが平行であることを特徴とする。
【0031】まず、転写前の支持基板にストライプパタ
ーンの第一電極層のみ形成されている場合を説明する
と、本発明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法では、第一電極層のストライプパター
ンの長手方向と圧着ローラーの回転軸とが略平行となる
ような位置関係で転写用基板と支持基板を圧着する。支
持基板上には第一電極層のある部分と第一電極層がなく
支持基板表面の露出した部分で第一電極層の層厚分だけ
の段差が存在するが、このような位置関係で圧着するこ
とにより転写用基板が支持基板上の段差にかかわらず第
一電極層表面、第一電極層側面、支持基板表面露出部の
どの部位においても、圧着後の転写処理において気泡等
に起因する基板間の隙間が原因と考えられる転写不良や
表示不良が起こりにくくなることを見出した。
【0032】また、同時に第一電極層のストライプパタ
ーンの長手方向と圧着ローラーの回転軸とが略垂直とな
るような位置関係で転写用基板と支持基板を圧着する
と、第一電極層の層厚が大きい場合、第一電極層表面で
の転写状態は一見良いものの、特に第一電極層側面およ
び第一電極層エッジ付近の支持基板表面露出部で転写不
良が起こり易いこと、また、第一電極層表面においても
一見すると転写抜けがないにもかかわらず電極間短絡が
起こる場合があることを見出した。
【0033】これらは、第一電極層のストライプパター
ンの長手方向と圧着ローラーの回転軸とを略平行とする
ことにより、どの瞬間においても圧着ローラーが支持基
板上の同じ高さの部分を圧着するため圧着ローラーの接
触している領域内に段差が存在せず、本来圧着時に最も
圧力の印加しにくい第一電極層側面および第一電極層エ
ッジ付近の支持基板表面露出部の圧着時にも均一に圧力
を印加できる結果、転写用基板と支持基板とが全面にお
いて良好に密着し良好な転写状態が得られるのに対し、
略垂直とした場合には、どの瞬間においても圧着ローラ
ーの接触している領域内に段差が存在するため、主に第
一電極層表面に圧力が集中し、第一電極層側面および第
一電極層エッジ付近の支持基板表面露出部に十分な圧力
を印加できず、この部分での密着性が不十分になる結
果、気泡等に起因する基板間の隙間が生じ転写不良がお
こったり、主に第一電極層表面に圧力が集中した結果、
この部分の転写層にひび割れ等のダメージが生じ電極間
短絡の原因となっているものと考えられる。
【0034】また、本発明の他の実施の形態の有機エレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法においては、転写
用基板側から支持基板側へ転写される転写層がストライ
プパターン状に転写される場合、そのストライプパター
ンの長手方向と圧着時の圧着ローラーの回転軸とが略平
行となるような位置関係で転写用基板と支持基板を圧着
する。このような位置関係で圧着することにより、圧着
後の転写処理において気泡等に起因する基板間の隙間が
原因と考えられる転写不良や転写される有機エレクトロ
ルミネッセンス構成材料層のひび割れ等を原因とする表
示不良が起こりにくくなることを見出した。また、この
ような位置関係で圧着することは、発光色の異なる複数
の発光層を支持基板の場所により選択的に転写形成する
場合の、特に2番目以後の転写形成に有効である。
【0035】また、本発明の他の実施の形態の有機エレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法においては、予め
転写前の支持基板上に形成されたエレクトロルミネッセ
ンス層を構成する層のうち少なくとも一部がストライプ
パターン状にストライプ層として形成されている場合、
そのうち最も層厚の大きいストライプ層のストライプパ
ターンの長手方向と圧着時の圧着ローラーの回転軸とが
略平行となるような位置関係で転写用基板と支持基板を
圧着する。このような位置関係で圧着することにより、
やはり、圧着後の転写処理において気泡等に起因する基
板間の隙間が原因と考えられる転写不良や転写される有
機エレクトロルミネッセンス構成材料層のひび割れ等を
原因とする表示不良が起こりにくくなることを見出し
た。
【0036】また、本発明の更に他の実施の形態の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、
あらかじめ転写前の支持基板上に形成されたエレクトロ
ルミネッセンス層を構成する層の最上層がストライプパ
ターン状にパターン形成されている場合、そのストライ
プパターンの長手方向と圧着時の圧着ローラーの回転軸
とが略平行となるような位置関係で転写用基板と支持基
板を圧着する。このような位置関係で圧着することによ
り、やはり、圧着後の転写処理において気泡等に起因す
る基板間の隙間が原因と考えられる転写不良や転写され
る有機エレクトロルミネッセンス構成材料層のひび割れ
等を原因とする表示不良が起こりにくくなることを見出
した。
【0037】尚、本発明の実施の形態の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法においては圧着時の圧着
ローラーの回転軸と転写前の支持基板上の、或いは転写
用基板から支持基板へ転写される有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を構成する材料のストライプパターンの長
手方向とが平行であることを特徴とするが、圧着ローラ
ーの回転軸とどのストライプパターンを平行とするか
は、どのストライプパターンの段差が転写の際に最も大
きく影響するかによるため、よく検討しなければならな
い。
【0038】例えば、発光色の異なる複数の発光層を支
持基板の場所により選択的に第一電極と直交するストラ
イプパターンに転写形成する場合等は、圧着ローラーの
回転軸を第一電極層のストライプパターンの長手方向と
平行にするか、転写するストライプパターンの長手方向
と平行にするかは、第一電極層の膜厚と既に転写された
転写層の膜厚の比較により決定される。
【0039】また、本発明に用いられる転写用基板は材
質や形状,材料を特に限定するものではないが、高分子
フィルムのようにある程度の柔軟性を有する材料で構成
することが好ましく、転写する有機エレクトロルミネッ
センス素子の構成材料を成膜することができ、且つ転写
処理が可能である限りにおいてどのような材料を用いて
もよい。
【0040】また、転写用基板と支持基板とを圧着した
のち転写処理を行う場合、圧着ローラーで圧着する際に
は支持基板への転写が起こらない温度であれば密着性向
上のために加熱してもよく、また転写前に転写用基板と
支持基板が剥離しないよう圧着後速やかに転写処理を行
うことが必要である。
【0041】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法において転写用基板から有機
エレクトロルミネッセンス素子の支持基板へ転写する方
法としては、転写用基板と支持基板とを密着させて転写
する方法であれば、特に限定されるものではないが、例
えば従来の技術に記載されているような、光−熱変換
層、熱伝播層および剥離層とパターン形成が必要な材料
層を全面に形成した転写用基板と、少なくとも電極層が
形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基
板とを圧着し、転写箇所に選択的にレーザー照射するこ
とにより転写用基板から有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板上へ転写用基板上の材料層を所定のパタ
ーンで転写する方法に特に好適に用いることができる。
【0042】また、パターン形成が必要な材料層をマス
ク蒸着等によりパターン形成した転写用基板と、少なく
とも電極層が形成された有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板とを圧着し、圧着時または圧着後に基板
全面を転写が起こる温度まで加熱して転写用基板上の形
成パターンをそのまま支持基板上に転写する方法等にも
好適に用いることができる。
【0043】上記本発明の実施の形態の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法によって得られる有機エ
レクトロルミネッセンス素子は、支持基板上に少なくと
も第一電極層、発光層、第二電極層がこの順で形成され
ており、第一電極層、発光層、第二電極層以外に、正孔
注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層のうち少
なくとも一つの層を含んでもよく、また、透明電極層は
第一電極層、第二電極層のどちらでもよい。
【0044】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法に用いる支持基板は、この基
板上に第一電極層を形成するため、電極形成面の電気絶
縁性を確保できるならば特に材料を限定するものではな
いが、第一電極層を透明電極層とし、光を支持基板側に
取り出す場合には透光性が必要となるため、液晶表示素
子等に使用されるガラス板やプラスチック板等の他、柔
軟性のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いるこ
とができる。また、第二電極層を透明電極とし、発光を
第二電極層側に取り出す場合には、透光性を必要としな
いため駆動回路等の基板と兼用することや駆動回路のI
Cチップ等をそのまま支持基板とすることも可能であ
る。また、支持基板上に直接電極層を形成する場合には
基板表面の電気絶縁性を確保できる材料を用いなければ
ならないが、基板表面に絶縁膜を形成しその上に電極層
を形成すれば金属等導電性の材料を用いることも可能で
ある。更に、支持基板の主たる機能は、その上に積層さ
れる第一及び第二電極層とエレクトロルミネッセンス層
の支持基板としての機能であるが、カラーフィルター層
や色変換層,オーバーコート層,ブラックマトリクス
層,マイクロレンズ層,アクティブ素子層,偏光層等、
その他の機能を発現する構造を含む複数層からなる基板
を用いることも可能である。
【0045】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法に用いる有機発光材料を含有
するエレクトロルミネッセンス層は、実質的に1種また
は複数種の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1
種または複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又
は電子輸送材料との混合物からなる有機発光層等有機発
光層のみからなる単一層、或いは、有機発光層以外に正
孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から
選ばれる層を含む複数層からなる層構造でも構わない。
又、このエレクトロルミネッセンス層を構成する材料も
特に限定されるものではなく、従来より有機エレクトロ
ルミネッセンス素子用の有機発光材料、正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料として利用
されている物質をそのまま利用することができる。尚、
有機エレクトロルミネッセンス素子用の正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料としては有
機材料のみではなく無機半導体も利用されており、本発
明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法においても有機物、無機半導体のいずれでも利
用することが可能である。
【0046】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第一電極層や第二電
極層に用いる電極材料も特に限定されるものではない
が、従来より有機エレクトロルミネッセンス素子用の電
極材料として利用されているものをそのまま利用するこ
とができ、特にその仕事関数や透光性等により選択され
る。また、通常有機エレクトロルミネッセンス素子では
透明電極と背面電極を組み合わせて用いるが、本発明に
おいても第一電極層を透明電極、第二電極層を背面電極
とするか、或いは、第一電極層を背面電極、第二電極層
を透明電極とすることができる。
【0047】また、電極層間に電圧を印加もしくは電流
を注入して有機エレクトロルミネッセンス素子を発光さ
せる際に、相対的に高い電位とする側の電極を陽極、相
対的に低い電位とする側の電極を陰極と表現した場合、
陽極材料としては、4.5eV程度より仕事関数の大き
い金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの混合
物等を利用することができ、例えばAu等の金属や、C
uI,ITO,SnO 2,ZnO等の透明電極材料等を
挙げることができる。また、陰極材料としては、4.5
eV程度より仕事関数の小さい金属,合金,電気伝導性
化合物、またはこれらの混合物等を利用することが可能
であり、例えばCa,Na,Na−K合金,Mg,Li
とAgとの合金または混合金属,Al/AlO2,I
n,希土類金属等を挙げることができる。尚、陽極用に
適した材料と陰極用に適した材料を分ける目安として仕
事関数4.5eVを挙げたが、実際には対向する電極の
材料やエレクトロルミネッセンス層の材料等により好適
な材料は異なるため、この数字に限定されるものではな
い。
【0048】通常、透明電極には透光性を有する仕事関
数の大きい陽極材料が用いられ、背面電極には仕事関数
の小さな金属からなる陰極材料が用いられることが多
く、本発明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセン
ス素子においても同様に使用することができる。また、
仕事関数や透光性により電極材料を選択した場合、その
導電性や層厚・画面サイズ等によっては電極線上で均一
な電極性能を得られないため、これらの電極層をより導
電性の高い補助電極を併設した構造とすることができ
る。更に非発光時等に、素子外部の光が背面電極で反射
するのを抑制するため、金属の不完全酸化膜等反射率の
調整機能を有する構造やさらにその他の機能を付加する
ための層を併設した構造とすることも可能である。
【0049】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法では、上記第一電極層,第二
電極層をそれぞれ複数本からなるストライプパターン状
に形成し、かつ、両者が略直交となるように配置して、
両電極が交差する部位を画素とするマトリクス構造の表
示素子とすることができる。また、数字や任意の絵記号
等の形状に形成し、セグメント表示素子とすることも可
能である。
【0050】また、一般にこれら有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を構成する材料の中には水や酸素により特
性が変化するものも含まれるので、発光特性を安定化さ
せるために、通常、上記素子の積層構造をさらに外気か
ら遮断する構造が設けられる。
【0051】また、従来の技術に記載の方法のように、
光−熱変換層,熱伝播層および剥離層用いる場合も、こ
れらの材料は特に限定するものではなく、例えば光−熱
変換層にはカーボン粒子を混合した樹脂等光を熱に効率
よく変換可能な材料が、熱伝播層兼剥離層にはポリαメ
チルスチレン等比較的低融点の材料が使用できる。
【0052】次に、具体的な実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。
【0053】以下、本発明の実施の形態の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の具体的な製造方法について図面
を参照して詳しく説明する。
【0054】(実施例1)図1(a)乃至(c)は本発
明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を示
す模式図である。
【0055】図1(a)に示すように、大きさ100×
100mm厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート
製フィルムを転写用基板1とし、この全面に、光−熱変
換層2としてカーボン粒子を混合したエポキシ樹脂を5
μm、熱伝播層兼剥離層3(熱伝播層と剥離層は別々で
もよい。)としてポリαメチルスチレンを1μmの厚さ
で形成した後、真空蒸着法により、第二電極層4として
膜厚100nmのアルミニウム、エレクトロルミネッセ
ンス層5を構成する材料のうち、電子輸送層5aとして
膜厚40nmのトリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ム、発光層5bとして0.15重量%ペリレンを添加し
た膜厚25nmのビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム、正孔輸
送層5cとして膜厚40nmのN,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミンをこの順で積層し転写層6を形
成した。
【0056】次に、図1(b)に示すように、大きさ1
00×100mm厚さ1.1mmのガラス基板を支持基
板7とし、この全面に第一電極層8として膜厚200n
mのインジウム−スズ酸化物(以下ITOと略する)を
スパッタ法により形成した後、フォトリソグラフィー法
により、支持基板7上の中央60×60mmの領域に
0.45mm幅、0.5mmピッチ120本のストライ
プパターンとなるよう第一電極層8をエッチングした。
【0057】更に、図1(c)に示すように、移動ステ
ージ9上に、ステージ移動方向Aと回転軸が直交するよ
うに、圧着ローラー10を配置した支持基板7を第一電
極層8形成面が上向き、且つ、第一電極層8のストライ
プパターンの長手方向が圧着ローラー10の回転軸と平
行となるよう真空吸着により固定した。次に、転写用基
板1の転写層6形成面が支持基板7の第一電極層8形成
面と対向するよう合わせ、移動ステージ9を定速で移動
させながら対向させた転写用基板1と支持基板7を両基
板の端から圧着ローラー10で連続的に圧着し、圧着後
の部分に15WのYAGレーザー11を選択的に照射す
ることで、転写用基板1上の転写層6を支持基板7上へ
転写し、転写用基板1のポリエチレンテレフタレート製
フィルムを剥離して有機エレクトロルミネッセンス素子
を作成した。
【0058】このときの転写層6のパターンは第一電極
層8と同じく基板中央60×60mmの領域に0.45
mm幅、0.5mmピッチ120本のストライプパター
ンとしたが、その具体的な形成方法は、転写用基板1と
支持基板7を圧着後に、例えばレーザ11を圧着ローラ
ー10の回転軸と垂直に連続的に走査させて、転写層6
のストライプパターンの長手方向が第一電極層8に対し
て垂直方向に形成されるようにした。或いは、転写用基
板1と支持基板7を圧着直後の部分にレーザ11を圧着
ローラー10の回転軸と平行にパルス状に走査させて、
転写層6のストライプパターンの長手方向が第一電極層
8に対して垂直方向に形成されるようにしてもよい。
【0059】本実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、転写不良は確認されな
かった。また、駆動装置に接続し点灯試験を行ったとこ
ろ良好な表示が得られた。
【0060】(比較例1)支持基板7を第一電極層8ス
トライプパターンの長手方向が圧着ローラー10の回転
軸と垂直となるよう移動ステージ9に真空吸着により固
定したこと以外は全く同じ作成方法により、有機エレク
トロルミネッセンス素子を得た。
【0061】本比較例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、基板内数十箇所で第一
電極層8エッジのすぐ外側付近に転写抜けが確認され
た。また、駆動装置に接続し点灯試験を行ったところい
くつかの画素で電極間短絡による表示不良が確認され
た。
【0062】(実施例2)図2(a)乃至(e)は本発
明の他の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
を示す模式図である。
【0063】図2(a)に示すように、大きさ100×
100mm厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート
製フィルムを転写用基板21aとし、この全面に、光−
熱変換層22としてカーボン粒子を混合したエポキシ樹
脂を5μm、熱伝播層兼剥離層23としてポリαメチル
スチレンを1μmの厚さで形成した後、スパッタ法によ
り第二電極層24として膜厚200nmのITOを、更
にその上に真空蒸着法により、エレクトロルミネッセン
ス層25を構成する材料のうち、正孔輸送層25cとし
て膜厚40nmのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’
−ジアミン、発光層25bとして0.15重量%ペリレ
ンを添加した膜厚25nmのビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム、電子輸送層25aとして膜厚40nmのトリス(8
−キノリノラト)アルミニウムをこの順で積層し転写層
26aを形成した。
【0064】次に、図2(b)に示すように、発光層2
5dとして0.15重量%ペリレンを添加したビス(2
−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラ
ト)アルミニウムの代わりに、2重量%2−[2−[4
−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−
4−ジシアノメチレン−6−メチル−4H−ピランを添
加したトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを用い
た以外は図2(a)の転写用基板21aと全く同じ作成
方法により転写層26bを層形成した転写用基板21b
を得た。
【0065】次に、図2(c)に示すように、大きさ1
00×100mm厚さ1.1mmのガラス基板を支持基
板27とし、この全面に第一電極層28として膜厚10
0nmのアルミニウムを真空蒸着により形成した後、フ
ォトリソグラフィー法により、支持基板27上の中央6
0×60mmの領域に0.45mm幅、0.5mmピッ
チ120本のストライプパターンとなるよう第一電極層
28をエッチングした。
【0066】次に、図2(d)に示すように、移動ステ
ージ29上に、ステージ移動方向Aと回転軸が直交する
ように、圧着ローラー30を配置した支持基板27を第
一電極層28形成面が上向き、且つ、第一電極層28の
ストライプパターンの長手方向が圧着ローラー30の回
転軸と平行となるよう真空吸着により固定した。次に、
転写用基板21aの転写層26a形成面が、支持基板2
7の第一電極層28形成面と対向するよう合わせ、移動
ステージ29を定速で移動させながら対向させた転写用
基板21aと支持基板27を両基板の端から圧着ローラ
ー30で連続的に圧着し、圧着直後の部分に15WのY
AGレーザー31を選択的に照射することで、転写用基
板21a上の転写層26aを支持基板27上へ転写した
のち、転写用基板21aのポリエチレンテレフタレート
製フィルムを剥離した。
【0067】このときの転写層26aのパターンは基板
中央60×60mmの領域に0.45mm幅、1mmピ
ッチ60本のストライプパターンとしたが、その具体的
な形成方法は、転写用基板21aと支持基板27を圧着
後に、例えばレーザ31を圧着ローラー30の回転軸と
垂直に連続的に走査させて、転写層26aのストライプ
パターンの長手方向が第一電極層28に対して垂直方向
に形成されるようにした。或いは、転写用基板21aと
支持基板27を圧着直後の部分にレーザ31を圧着ロー
ラー30の回転軸と平行にパルス状に走査させて、転写
層26aのストライプパターンの長手方向が第一電極層
28に対して垂直方向に形成されるようにしてもよい。
【0068】更に、図2(e)に示すように、移動ステ
ージ29上に、ステージ移動方向Aと回転軸が直交する
ように、圧着ローラー30を配置し、転写層26aをス
トライプパターン状に転写形成した支持基板27を転写
層26a形成面が上向き、且つ、転写層26aのストラ
イプパターンの長手方向が圧着ローラー30の回転軸と
平行となるよう真空吸着により固定した。次に、転写用
基板21bの転写層26b形成面が、支持基板27上の
転写層26a転写面と対向するよう合わせ、移動ステー
ジ29を定速で移動させながら対向させた転写用基板2
1bと支持基板27を基板の端から圧着ローラー30で
連続的に圧着し、圧着直後の部分に15WのYAGレー
ザー31を選択的に照射することで、転写用基板21b
上の転写層26bを支持基板27上へ転写し、転写用基
板21bのポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥
離して有機エレクトロルミネッセンス素子を作成した。
【0069】このときの転写層26bのパターンは基板
中央60×60mmの領域に0.45mm幅、1mmピ
ッチ60本のストライプパターンとし、図2(a)の転
写層26aのストライプパターンと合わせて0.5mm
ピッチ120本のストライプパターンとなるようにした
が、その具体的な形成方法は、転写用基板21bと転写
層26aをストライプパターン状に転写形成した支持基
板27を圧着後に、例えばレーザ31を圧着ローラー3
0の回転軸と平行に連続的に走査させて、転写層26b
のストライプパターンの長手方向が転写層26aに対し
て平行方向に形成されるようにした。尚、レーザ31の
照射は圧着直後に行う方がより望ましい。
【0070】本実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、転写不良は確認されな
かった。また、駆動装置に接続し点灯試験を行ったとこ
ろ良好な2色表示が得られた。
【0071】(比較例2)転写層26aをストライプパ
ターン状に転写形成した支持基板27を転写層26aの
ストライプパターンの長手方向が圧着ローラーの回転軸
と垂直となるよう移動ステージ29に真空吸着により固
定したこと以外は全く同じ作成方法により、有機エレク
トロルミネッセンス素子を得た。
【0072】本比較例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、基板内数十箇所で転写
用基板21bからの転写パターンに転写抜けが確認され
た。また、駆動装置に接続し点灯試験を行ったところい
くつかの画素で電極間短絡による表示不良が確認され
た。
【0073】以上の実施例および比較例により、本発明
の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法によって、転写不良なく有機エレクトロルミネッ
センス素子が作成可能であることを確認した。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、
転写時の転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素
子支持基板の密着性を著しく向上することができるの
で、従来の転写方式において発生していた支持基板上の
段差を原因とする転写用基板と支持基板の密着不良によ
って生ずる転写抜け等の転写不良の発生を防止すること
が可能になり、その結果、有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造工程における歩留りを著しく向上すること
ができる。
【0075】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法は、支持基板上に第一電極層、少なくとも
有機発光材料を含有するエレクトロルミネッセンス層、
第二電極層がこの順で形成されてなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、支持基板上に少なくとも第
一電極層を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス
層及び/又は第二電極層を構成する材料を転写層として
転写用基板上に形成する工程と、支持基板の第一電極層
形成面と転写用基板上の転写層形成面とを圧着ローラー
で圧着する工程と、転写用基板上に形成された転写層を
支持基板の第一電極層形成面側に転写する工程とを有す
ることを特徴とし、本発明により、転写用基板と支持基
板とが完全に密着できるので、転写用基板と支持基板と
の間に生じる隙間に起因した転写不良や層のひび割れを
防ぐことが可能になるので、従来発生していた第1電極
層と第2電極層との間のリークの原因や、非点灯部分の
発生による表示品位,信頼性等の低下がなくなり、高品
位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機エレクトロルミネ
ッセンス素子が提供できる。
【0076】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層はストライプパター
ン状に形成されており、且つストライプパターンの長手
方向と圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを特
徴とし、本発明により、ストライプパターン状に形成さ
れた第1電極層の段差により、転写用基板と支持基板と
の間に生じる隙間に起因した転写不良や層のひび割れを
防ぐことが可能になるので、従来発生していた第1電極
層と第2電極層との間のリークの原因や、非点灯部分の
発生による表示品位,信頼性等の低下がなくなり、高品
位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機エレクトロルミネ
ッセンス素子が提供できる。
【0077】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、転写層はストライプパターン状
に転写され、且つストライプパターンの長手方向と圧着
ローラーの回転軸とが略平行であるこを特徴とし、本発
明は、特に発光色が異なる複数の発光層を支持基板上の
任意の位置に選択的に転写形成する場合の2番目以後の
転写形成に対し有効であり、先に転写した層の段差によ
り転写用基板と支持基板との間に生じる隙間に起因した
転写不良や層のひび割れを防ぐことが可能になるので、
従来発生していた転写不良や転写層のひび割れ等がなく
なり、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機エレク
トロルミネッセンス素子が提供できる。
【0078】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層を
構成する材料は少なくとも一部が支持基板上に一層以上
層形成されており、層形成されたエレクトロルミネッセ
ンス層を構成する材料は少なくとも一部がストライプパ
ターン状にストライプ層として形成されており、且つ最
も層厚の大きいストライプ層のストライプパターンの長
手方向と圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを
特徴とし、本発明により、支持基板上に設けられた最も
層厚の大きい層の段差による転写基板と支持基板との間
の密着不良が無くなり、転写不良や転写層のひび割れを
防ぐことが可能になるので、従来発生していた転写不良
や転写層のひび割れ等がなくなり、高品位で高信頼性、
且つ高歩留まりの有機エレクトロルミネッセンス素子が
提供できる。
【0079】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層を
構成する材料は少なくとも一部が支持基板上に一層以上
層形成されており、層形成されたエレクトロルミネッセ
ンス層を構成する材料は最上層がストライプパターン状
にストライプ層として形成されており、且つストライプ
層のストライプパターンの長手方向と圧着ローラーの回
転軸とが略平行であることを特徴とし、本発明により、
支持基板上にストライプパターン状に設けられた最上層
の段差による転写基板と支持基板との間の密着不良が無
くなり、転写不良や転写層のひび割れを防ぐことが可能
になるので、従来発生していた転写不良や転写層のひび
割れ等がなくなり、従来発生していた転写不良や転写層
のひび割れ等がなくなり、高品位で高信頼性、且つ高歩
留まりの有機エレクトロルミネッセンス素子が提供でき
る。
【0080】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層と前記第二電極層は
少なくともどちらか一方が透明電極層であることを特徴
とし、本発明により、光を支持基板の任意の側に取り出
すことが可能になる。第一電極層を透明電極層とし光を
支持基板側に取り出す場合には、支持基板にも透光性が
必要であり、ガラス板やプラスチック板等の他、柔軟性
のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いること
で、支持基板側或いは支持基板の両面から均一な発光を
取り出すことが可能になり、また第二電極層を透明電極
とし発光を第二電極層側に取り出す場合には、支持基板
には透光性を必要としないため例えばセラミック基板,
PWB,フレキシブル基板,多層配線基板等に駆動回路
や能動素子等を登載した基板と兼用することも可能にな
るので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。特
に、基板の選択幅が広がるため、セラミック基板、不透
明な高耐熱性プラスチック基板などにTFT素子を設け
たものを基板として用いていることも可能になるので、
従来のガラス、透明プラスチック基板(耐熱性が低い)
を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べ低消
費電力、薄型、軽量で安価な有機エレクトロルミネッセ
ンス素子が提供できる。
【0081】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とし、本発明に
より、エレクトロルミネッセンス層が1種または複数種
の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1種または
複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又は電子輸
送材料との混合物からなる有機発光層等有機発光層のみ
からなる単一層、或いは、有機発光層以外に正孔輸送
層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から選ばれ
る層を含む複数層からなる層により形成され、実質的な
層厚が厚くなっても、エレクトロルミネッセンス層の段
差により転写用基板と支持基板との間に生じる隙間に起
因した転写不良や層のひび割れを防ぐことが可能になる
ので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有
機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は本発明の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法を示す模式図である。。
【図2】(a)乃至(e)は本発明の他の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法を示す模式図である。
【図3】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を示す断面図である。
【符号の説明】 1 転写用基板 4 第二電極層 5 エレクトロルミネッセンス層 6 転写層 7 支持基板 8 第一電極層 10 圧着ローラー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板上に第一電極層、少なくとも有
    機発光材料を含有するエレクトロルミネッセンス層、第
    二電極層がこの順で形成されてなる有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法において、 前記支持基板上に少なくとも前記第一電極層を形成する
    工程と、 前記エレクトロルミネッセンス層及び/又は前記第二電
    極層を構成する材料を転写層として転写用基板上に形成
    する工程と、 前記支持基板の前記第一電極層形成面と前記転写用基板
    上の前記転写層形成面とを圧着ローラーで圧着する工程
    と、 前記転写用基板上に形成された前記転写層を前記支持基
    板の前記第一電極層形成面側に転写する工程と、を有す
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一電極層はストライプパターン状
    に形成されており、且つ前記ストライプパターンの長手
    方向と前記圧着ローラーの回転軸とが略平行であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記転写層はストライプパターン状に転
    写され、且つ前記ストライプパターンの長手方向と前記
    圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを特徴とす
    る請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エレクトロルミネッセンス層を構成
    する材料は少なくとも一部が前記支持基板上に一層以上
    層形成されており、前記層形成された前記エレクトロル
    ミネッセンス層を構成する材料は少なくとも一部がスト
    ライプパターン状にストライプ層として形成されてお
    り、且つ最も層厚の大きい前記ストライプ層のストライ
    プパターンの長手方向と前記圧着ローラーの回転軸とが
    略平行であることを特徴とする請求項1に記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エレクトロルミネッセンス層を構成
    する材料は少なくとも一部が前記支持基板上に一層以上
    層形成されており、前記層形成された前記エレクトロル
    ミネッセンス層を構成する材料は最上層がストライプパ
    ターン状にストライプ層として形成されており、且つ前
    記ストライプ層のストライプパターンの長手方向と前記
    圧着ローラーの回転軸とが略平行であることを特徴とす
    る請求項1又は4に記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第一電極層と前記第二電極層は少な
    くともどちらか一方が透明電極層であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかひとつに記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エレクトロルミネッセンス層は正孔
    注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のうち少
    なくとも一つの層を含むことを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかひとつに記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子の製造方法。
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