JP2001195874A - 情報記録媒体のドライブ装置 - Google Patents

情報記録媒体のドライブ装置

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JP2001195874A
JP2001195874A JP2000010201A JP2000010201A JP2001195874A JP 2001195874 A JP2001195874 A JP 2001195874A JP 2000010201 A JP2000010201 A JP 2000010201A JP 2000010201 A JP2000010201 A JP 2000010201A JP 2001195874 A JP2001195874 A JP 2001195874A
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frequency
traverse mechanism
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JP2000010201A
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English (en)
Inventor
Yuji Shishido
祐司 宍戸
Tatsuro Hayakawa
達郎 早川
Hiroshi Ikuta
浩 生田
Takashi Mochida
貴志 持田
Fumiharu Sudou
文晴 須藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動を吸収した動吸振器が新たに発生する振
動が光学ユニットに影響を与えず、外部からの衝撃にも
強い情報記録媒体のドライブ装置を提供すること。 【解決手段】 情報記録媒体Dを回転するためのモータ
12、前記情報記録媒体Dの情報を記録、再生するため
の光学ユニット13、前記光学ユニット13を前記情報
記録媒体Dの半径方向に沿って移動させる送り機構部及
び、前記モータ12、前記光学ユニット13及び前記送
り機構部を保持するシャーシ11を有するトラバース機
構10aと、第1の粘弾性体を介して前記トラバース機
構に設けられており、前記トラバース機構10aの振動
を吸収するための動吸振器16と、第2の粘弾性体15
を介して前記トラバース機構10aに取り付けられるベ
ースシャーシ10bとを有し、前記第2の粘弾性体15
のバネ定数が前記第1の粘弾性体16aのバネ定数より
も大きいことを特徴とした情報記録媒体Dのドライブ装
置10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体の情
報を記録、再生するための情報記録媒体のドライブ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、周知の動吸振器を説明するため
に従来のドライブ装置110をモデル化して示した概略
構成図である。ドライブ装置110は、質量mrのトラ
バース機構110aが、バネ定数Krの粘弾性体115
を介して質量mbのベースシャーシ110bに取りつけ
られている。更に、トラバース機構110aには、質量
mdのウェイト116bとバネ定数Kdの粘弾性体11
6bを有する動吸振器116が取りつけられている。
【0003】文献「機械工学便覧A3力学機械力学(日
本機械学会編)」等に掲載される従来技術の動吸振器
は、振動体の自体に発生する共振周波数ωrの振動を除
去するための機構である。その振動吸収方法は、上記従
来技術に適用すれば、トラバース機構110a自体の共
振周波数ωr=(Kr/mr)1/2 /2π[Hz]と、
動吸振器116の共振周波数ωd=(Kd/md)1/2
/2π[Hz]とを一致させることによる。
【0004】図6は、従来の動吸振器116がドライブ
110における特定の周波数振動を低減した様子を示し
たグラフである。図6において横軸は振動周波数ω[H
z]を、縦軸はトラバース機構110aに発生する振動
加速度[G]を示している。図中における一点鎖線は、
動吸振器116が搭載されない場合のトラバース機構1
10aの振動加速度Gを示し、実線は、動吸振器116
を搭載した場合のトラバース機構110aの振動加速度
Gを示している。動吸振器116は、周知の如く、トラ
バース機構110a自体の共振周波数ωrと、動吸振器
116の共振周波数ωrとを一致させることで、ある特
定の周波数、この場合には共振周波数ωrの振動を軽減
することができる。
【0005】しかし動吸振器116は、共振周波数ωr
など特定の周波数の振動は除去できるものの特性上、 ω12 =(ωr2 +ωd2 )/2ー[{ωr2 +ωd2 (1+μ)}2 −4ω r2 ωd2 1/2 /2 ・・・(1) 及び、 ω22 =(ωr2 +ωd2 )/2+[{ωr2 +ωd2 (1+μ)}2 −4ω r2 ωd2 1/2 /2 ・・・(2) で示される新たな2つの周波数の振動が、元の共振周波
数ωnの側波として発生してしまう。従って、文献等に
掲載されている従来技術の動吸振器はあくまでも、ある
特定の共振周波数をなくすための機構である。結果、様
々な回転周波数でディスクが回転する光ディスクドライ
ブや磁気記録ドライブに、文献に掲載されている従来技
術の動吸振器を使用する場合には、新たに発生する周波
数の振動を考慮しなければならなかった。
【0006】例えば、特許登録番号第2951943号
公報には、動吸振器をディスクプレーヤに応用した技術
が示されている。図7は、従来の動吸振器124を搭載
したドライブ110の概要を示すモデル図である。ドラ
イブ110に搭載された動吸振器124の原理、構成
は、上記従来の動吸振器116と全く変わらない。ドラ
イブ110は、図5のシャーシ111、スピンドルモー
タ112、光ピックアップ113、スレッドモータ11
4及び、光ピックアップ113を移動させるための送り
機構部などを具備するトラバース機構110a、ディス
ク17をローディングしたりエジェクトするためのロー
ディング機構などのベースシャーシ110bに粘弾性体
115介して取りつけられ、更に、トラバース機構11
0aに弾性体124aとウェイト124bから構成され
る動吸振器124が設けられた構成になっている。
【0007】ドライブ110の特徴は、動吸振器124
側の粘弾性体124aのバネ定数Kdに比べ、ローディ
ング機構などのベースシャーシ110b側の粘弾性体1
14のバネ定数Krを低くしていることである。これに
より、ドライブ110は、大きなアンバランスを持った
ディスク117が高速で回転することで発生するトラバ
ース機構110aの振動がベースシャーシ110bに漏
洩したり、更にその外部へと漏洩しないよう工夫されて
いる。即ち、ドライブ110の特徴は、バネ定数Kr<
Kdという点である。
【0008】ドライブ110は、後述する図3において
破線で記載されているように、動吸振器124側の共振
周波数ωdを約130Hz(7800RPM)に設定す
ることで、トラバース機構110aに発生する130H
zの振動を抑え、更にローディング機構側の弾性体のバ
ネ定数Krを低くし、振動の伝達利得を低くすること
で、ベースシャーシ110bへと漏洩する振動を抑制し
ている。
【0009】例えばここで、前記式(1)、(2)を用
いて具体的に計算をすれば、トラバース機構110a中
のシャーシ111を剛性に乏しいが軽量化のために樹脂
などで構成し、トラバース機構110aの質量mr=1
50gとなるべく、通常よりも軽く設定し、ウェイト4
6bの質量md=150gとすれば、(即ち質量比μ=
150/150=1)、回転周波数ω=130Hzなの
で、動吸振器124側の弾性体のバネ定数Kd=md・
ω2 =0.15×(2π×130)2 =1.00×10
5 N/mとなる。後述する図3では、新たに約20Hz
付近に動吸振器124によって発生する共振周波数があ
るので、弾性体115のバネ定数Kr=mr・ω2
0.15×(2π×20)2 =2.4×103 N/mと
なり、結果、バネ定数Kr<Kdとなっていることが確
認できる。
【0010】ここでトラバース機構110aの質量mr
を比較的軽く設定したのは、ウェイトとの質量比μが大
きくでき、新たに発生する振動周波数をより低くでき、
高速回転での振動の漏洩に有利であるからである。すな
わち、従来技術のドライブ110の利点は、動吸振器1
24側の共振周波数ωd=130Hzにおいてのみトラ
バース機構110aの振動を抑え正常に記録再生動作が
でき、且つ漏洩する振動も低くすることができるという
点である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記述べた如く、従来
技術のドライブ110には、ある特定の周波数において
は、ローディング機構などのベースシャーシ110bへ
の振動漏洩を抑え、且つ、記録再生系であるトラバース
機構110aの振動を抑えることができたが、それ以外
の周波数(回転数)においては、記録再生系であるトラ
バース機構110aの振動は大きくなり、正常な記録再
生動作が出来なくなる可能性があるという欠点がある。
【0012】例えば、CD−ROMなどの再生専用ドラ
イブではなく、CD−RWなどの、記録再生ドライブの
場合には、熱記録をするレーザーパワーが不足、高速回
転に伴うジッタマージンの減少などの要因で、記録はC
LV(線速度一定の制御)によって低い回転数で行い、
再生は情報転送の高速化を狙いCAV(回転数一定の制
御)によって高い回転数で行われるのが通常である。
【0013】具体的には、上記記録再生ドライブでは、
記録は例えば標準速度(線速度1.4m/s)から8倍
速CLVまでで行い、再生は例えば36倍速CAVで行
われる。すなわち、記録は、約230RPM(4Hz)
〜4600RPM(77Hz)の回転数(周波数)で行
われ、再生は、約8300RPM(138Hz)の回転
数(周波数)で行われることになる。従来のドライブ1
10のように、記録再生系のトラバース機構110aが
記録回転領域の20Hz(1200RPM)で大きく振
動していては、光ピックアップ113などに振動が印加
され、正常に記録ができない。
【0014】従来のドライブ110は、ベースシャーシ
110b側の粘弾性体115のバネ定数Krを低くして
漏洩振動を抑えたものの、トラバース機構110aとベ
ースシャーシ110b間の共振周波数ωrや動吸振器1
24が新たに作り出す共振周波数ω1、ω2について
は、何ら配慮がない。また、従来のドライブ110は、
なるべく広い範囲で記録再生系トラバース機構110a
の振動を抑える工夫がされていない。このため、従来の
動吸振器は、CD−R、CD−RW、書き換え式DVD
ドライブなどの広い回転数範囲を使用する記録再生型の
ドライブには不適格であった。
【0015】また、ベースシャーシ110b側の弾性体
115のバネ定数Krを小さくしすぎると、ドライブ1
10の外部から大きな衝撃が加えられた場合には、加え
られた衝撃加速度以上にドライブ110の内部のトラバ
ース機構110aに衝撃加速度が発生してしまうという
欠点もある。
【0016】一例として実験を行うと、50Hz程度に
共振周波数が設定されているドライブ110では、印加
衝撃加速度70G(11msec半サイン波)に対し、
トラバース機構110aには97Gの加速度が発生して
いた。尚、トラバース機構110aの質量は175gな
ので、バネ定数K=1.73×104N/mである。即
ち、従来技術のドライブ110は、外部からの振動に弱
いという欠点もあった。
【0017】そこで本発明は上記課題を解消し、振動を
吸収した動吸振器が新たに発生する振動が光学ユニット
に影響を与えず、外部からの衝撃にも強い情報記録媒体
のドライブ装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明にあっては、情報記録媒体を回転するためのモー
タ、前記情報記録媒体の情報を記録、再生するための光
学ユニット、前記光学ユニットを前記情報記録媒体の半
径方向に沿って移動させる送り機構部及び、前記モー
タ、前記光学ユニット及び前記送り機構部を保持するシ
ャーシを有するトラバース機構と、第1の粘弾性体を介
して前記トラバース機構に設けられており、前記トラバ
ース機構の振動を吸収するための動吸振器と、第2の粘
弾性体を介して前記トラバース機構に取り付けられるベ
ースシャーシとを有し、前記第2の粘弾性体のバネ定数
が前記第1の粘弾性体のバネ定数よりも大きいことを特
徴とした情報記録媒体のドライブ装置により、達成され
る。請求項1の構成によれば、ベースシャーシ及びシャ
ーシを保持する第2の粘弾性体のバネ定数は、動吸振器
及びシャーシを保持する第1の粘弾性体のバネ定数より
も大きい。このような構成とすると、ドライブ装置は、
ベースシャーシ及びシャーシの間で新たに生ずる共振周
波数や、シャーシの振動を吸収する際に動吸振器が新た
に作り出す共振周波数についても配慮でき、記録再生時
の広い周波数範囲で振動を抑えることができる。従っ
て、このドライブ装置は、情報記録媒体の情報を記録再
生する際に広い周波数範囲で振動しても好適な記録再生
特性を発揮することができる。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記トラバース機構の振動を吸収する際に前記動吸
振器が新たに作り出す第1の共振周波数は、前記情報記
録媒体に情報を記録する際の低速回転時の振動周波数範
囲と、前記情報記録媒体の情報を再生する際の高速回転
時の振動周波数との間にあることを特徴とする。請求項
2の構成によれば、動吸振器が新たに作り出す第1の共
振周波数は、情報記録媒体に情報を記録する場合の低速
の回転周波数範囲と、前記情報記録媒体の情報を再生す
る場合の高速の回転周波数との間にあり、これらの回転
周波数範囲及び回転周波数にかからないようになってい
る。従って、シャーシの振動を吸収した動吸振器が新た
に生ずる振動は、情報記録媒体の情報の記録、再生に影
響を与えない。このため、ドライブ装置による情報記録
媒体の情報の記録、再生特性が安定することになる。
【0020】請求項3の発明は、請求項1の構成におい
て、前記情報記録媒体の回転により生ずる振動周波数
が、前記動吸振器が前記トラバース機構の振動を吸収す
る際に新たに作り出す第1の共振周波数よりも低い方に
存在すると共に、前記動吸振器が作動する振動周波数に
も存在することを特徴とする。請求項3の構成によれ
ば、動吸振器がトラバース機構の振動を吸収する際に新
たに生ずる振動は情報記録媒体の情報の記録、再生に影
響を与えず、ドライブ装置による情報記録媒体の情報の
記録、再生特性が安定することになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施に形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。図1は、本発明の好ましい実施形態としての情報記
録媒体のドライブ装置の構成例を示す斜視図である。ド
ライブ10(ドライブ装置)は、例えば円盤状のディス
ク(情報記録媒体)の情報記録、再生装置である。ドラ
イブ10は、ベースシャーシ10bに、弾性体及び粘性
体を有する粘弾性体としてのダッシュポット15(第2
の粘弾性体)を介してトラバース機構10aが設けられ
た構成となっている。トラバース機構10aには、情報
の記録、再生時のディスク等の振動を吸収するための動
吸振器16が設けられている。動吸振器16は、ウェイ
ト116bが、弾性体及び粘性体を有する粘弾性体とし
てのダッシュポット16a(第1の粘弾性体)を介して
トラバース機構10aに設けられた構成になっている。
【0022】動吸振器16のウェイト16bは、トラバ
ース機構10aのデッドスペースを使用して効率よく配
置されている。このような構成では、トラバース機構1
0aに対して大きな質量比μのウェイト16bを設ける
のは困難であり、質量比μを低くせざるを得ない場合が
多い。ここで、質量比μとは、トラバース機構10aの
質量に対するウェイト16bの質量をいう。上記のよう
に、ドライブ10は、動吸振器16のウェイト16bを
小さして質量比μを低くでき、且つトラバース機構10
aは重くしてよい。トラバース機構10aは、例えば鉄
を材質とすることができる。
【0023】図2は、図1の動吸振器16を搭載するド
ライブ10の構成例をモデル化して示した側面図であ
る。トラバース機構10aは、シャーシ11、スピンド
ルモータ12(モータ)、光ピックアップ13(OP)
及びスレッドモータ14等のOP13(光学ユニット)
をディスクの半径方向に移動させるための送り機構部な
どを具備している。このトラバース機構10aは、上記
の構成の他、ディスク17をローディングしたりエジェ
クトさせるためのローディング機構などを備えるベース
シャーシ10bに、ゴムなどの樹脂や、バネ鋼などを材
質とした、比較的高いバネ定数Krの粘弾性体15介し
て取りつけられている。更に、トラバース機構10aに
は、例えばゴムなどの樹脂やバネ鋼材などからなるバネ
定数Kdの粘弾性体16a及び、質量mdのウェイト1
6bを有する動吸振器16が設けられた構成になってい
る。
【0024】ドライブ10の特徴は、動吸振器16側の
ダッシュポット16のバネ定数Kdに比べ、ベースシャ
ーシ10a側のダッシュポット15のバネ定数Krを高
くしていることである。すなわち、これはバネ定数Kr
>Kdが成立する。
【0025】例えば大きなアンバランスを持ったディス
ク17がドライブ10に搭載された場合であってディス
ク17が高速で回転したときには、動吸振器16が作動
してトラバース機構10aの振動を抑えるとともに、例
えば比較的低い回転数領域でもベースシャーシ10aの
振動を抑えることができる。ドライブ10は、動吸振器
16の動作によって様々な回転数領域でトラバース機構
10aの振動を低くすることができるので、低回転数で
の正常な記録及び高回転数での正常な再生を両立するこ
とができる。
【0026】例えば、ドライブ10aが記録を標準倍速
CLVから8倍速CLVまでの領域で行い、再生を36
倍速CAVで行うCD−RWドライブであるとすると、
記録時の振動周波数が約4Hz(230RPM)〜77
Hz(4600RPM)の領域と、再生時の振動周波数
が約138Hz(8300RPM)近辺で、正常な記録
再生をするために、トラバース機構10aの振動が低く
なければならない。
【0027】そこで本実施形態では、標準的なトラバー
ス機構10aの質量mr=220gとする。また、動吸
振器16が新たな周波数に作り出す振動ピークω1を記
録回転領域と再生回転領域の不使用の部分に設定するた
めに、ウェイト16bを質量md=70gとする。ま
た、動吸振器16が再生時36倍速138Hzで動作す
るように、振動周波数ω=(K/m)1/2 /2πの関係
から、弾性体16aのバネ定数Kd=md×(2π・ω
d)2 =0.07×(2π×138)2 =5.26×1
4 N/mに設定した。
【0028】共振周波数ωrは、トラバース機構10a
の質量mr及び弾性体15のバネ定数Krで決定され
る。また、振動周波数ω1は、共振周波数ωrと、ウェ
イト16bの質量mdと、トラバース機構10aの質量
mrの比μ=md/mr=70/220=0.32とで
決定される。ダッシュポット15のバネ定数Krは、新
たに発生する振動周波数ω1が4600RPM〜830
0RPMの不使用の回転数領域に発生するように以下の
式(3)を用いて計算をし、決定されている。 ω12 =(ωr2 +ωd2 )/2ー[{ωr2 +ωd2 (1+μ)}2 −4ω r2 ωd2 1/2 /2 ・・・(3) 尚、共振周波数ωrは、ダッシュポット15のバネ定数
Kr及び、既知であるトラバース機構10aの質量mr
で一義的に決定される。
【0029】この場合には、ベースシャーシ10b側の
ダッシュポット15のバネ定数Kr=1.05×105
N/mとし、バネ定数Kr>Kdとしてある。このた
め、トラバース機構10a自体の共振周波数ωrは、 となり、 ω12 =(ωr2 +ωd2 )/2−[{ωr2 +ωd2
(1+μ)}2 −4ωr2 ωd2 1/2 /2 より、動吸振器16等が新たに作り出す振動周波数ω1
は、ω1=88.6Hz(5310RPM)となり、振
動周波数(この場合も共振周波数と呼ぶ)ω1を示す回
転数を4600RPM<8300RPMのドライブ10
が使用しない回転数領域に押し込まれる。以下、この回
転数領域を「不使用領域」という。
【0030】ここで、上記計算データは例えば以下のよ
うになっている。 トラバース機構10aの質量mr=220g バネ定数Kr=1.05×105 N/m 動吸振器16のウェイト16bの質量md=70g 粘弾性体16aのバネ定数Kd=5.26×104 N/
m 質量比μ=md/mr=70/220=0.32 トラバース機構10a自体の共振周波数ωr=110H
z(6600RPM) 動吸振器16等による振動周波数ω1=88.6Hz
(5310RPM)
【0031】図3は、上記計算例により設計した回転周
波数ωに対するトラバース機構10aに発生する振動加
速度G値の関係を示した図である。図3において、実線
は本実施形態としてのドライブにおける実測値を示して
おり、点線は従来のドライブにおける実測値を示してお
り、一点鎖線は後述する本実施形態としてのドライブに
おいてバネ定数を大きくした場合の実測値を示してい
る。従来のドライブ110では、回転周波数約20Hz
の記録の領域に共振点ωcがある。これに対して、本実
施形態としてのドライブ10では、実験でも、共振し大
きな振動を及ぼす周波数は、ディスクの情報の記録や再
生時において不使用の77〜138Hzの回転領域(図
中の「不使用領域」)にあり、4〜77Hz(4600
RPM)までの記録回転領域と、138Hz(8300
RPM)の再生回転領域とに顕著な大きな振動がない。
【0032】上記述べた如く、動吸振器16を搭載する
搭載のドライブ10では、ベースシャーシ10a側のダ
ッシュポット15のバネ定数Krを、動吸振器16のダ
ッシュポット16aのバネ定数Kdよりも例えば若干大
きくしている(Kr>Kd)。このため、動吸振器16
が新たに作り出す振動数ω1(第1の共振周波数)は、
ディスクに情報を記録する際の低速の回転周波数と、デ
ィスクの情報を再生する際の高速の回転周波数との間の
領域、つまり不使用な回転周波数領域に設定することが
できた。ドライブ10は、トラバース機構10aの振動
が使用する回転周波数においては抑制され、記録再生性
能の優れたドライブとなった。
【0033】ここで、ダッシュポット15のバネ定数を
大きくしたことによるベースシャーシ10bへの漏洩振
動について説明をする。図4は、振動の伝達を説明する
ためのモデル図である。質量mrのトラバース機構10
a(主振動系)と、質量mbのベースシャーシ10b
(副振動系)とは、バネ定数Kr及び粘性減衰係数Cr
の粘弾性体としてのダッシュポット(図2におけるダッ
シュポット15に相当)で結合されている。
【0034】ここで主振動系の質量mrが一定の振動量
x1のとき、副振動系の質量mbの振動量x2との比、
即ち伝達率x2/x1を漏洩振動の大きさと考えればよ
い。ここで伝達率x2/x1を決めるのは、質量mr及
びバネ定数Krから決定される共振周波数ωr=(Kr
/mb)1/2 /2π[Hz]、粘性減衰係数Cr、質量
比mb/mr、副振動系の粘弾性体のバネ定数K0及び
粘性減衰係数C0である(文献「機械工学便覧A3(日
本機械学会編)」77項等参照)。
【0035】バネ定数Kr、質量mbによる共振周波数
ωが低い程、質量比mb/mrが大きい程、粘性減衰係
数C0が大きい程、振動は伝達(漏洩)しにくい。また
周波数軸で考えれば、主振動系の共振周波数ωrと副振
動系の共振周波数ω0のときが最も伝達率x2/x1が
高い。
【0036】もしここで、ベースシャーシ10aが強固
であり、質量の大きなコンピュータ本体などに強固に固
定されているとすると、コンピュータ本体とベースシャ
ーシ10aとを剛体と扱えば、質量mbが極端に大きく
なるので振動の伝達は極めて小さくなる。定性的には、
質量mbが無限大であればベースシャーシ10a自体は
振動できないということである。
【0037】即ち振動の伝達漏洩は、ダッシュポットの
バネ定数によってのみ一義的に決定されるのではなく、
上記主振動系及び副振動系の質量の比mb/mr、粘弾
減衰係数C0らによっても影響され、調節できるもので
ある。これらも踏まえた上で、ドライブ10は、ダッシ
ュポット等の調整をすれば、トラバース機構10a自体
の振動や漏洩振動を低くすることができる。
【0038】更にここで、ドライブ10の副振動系にお
いてベースシャーシ10bの質量mrを更に大きくでき
れば漏洩振動は低くなるので、ドライブ10は、記録回
転領域でのトラバース機構10aの振動を低くするため
に、更に弾性体15のバネ定数Krを大きくすることが
できる。
【0039】このような条件の下、ドライブ10は、バ
ネ定数Kr=1.95×105 N/mのように大きくす
れば、図3において一点鎖線で示すように記録回転数領
域(4〜77Hz)における振動を抑えることができ、
トラバース機構10aは、共振周波数ωr=(Kr/m
r)1/2=150[Hz]となり、新たな振動周波数
ωtも110Hz(6590RPM)と従来設定とおり
に、不使用の回転周波数領域(図中の「不使用領域」)
に存在している。
【0040】
【表1】
【0041】表1は、質量比μと新たに発生する振動周
波数ω1との関係についての計算結果である。表1にお
ける条件としては、トラバース機構10aの共振周波数
ωr=110Hz(6600RPM)、動吸振器16の
共振周波数ωd=138Hz(8300RPM)の場合
の質量比μが大きい程に振動周波数ω1は低くなり、や
がて、振動周波数ω1が記録回転周波数領域4〜77H
zに入ってしまう。
【0042】ドライブ10における動吸振器16の共振
周波数ωrは、記録回転数領域の77Hz(4600R
PM)を下回るのは好ましくないので質量比μ=0.6
程度までがよい。このため、このドライブ10では、各
要因のトレランスを考慮して例えば質量比μ=0.32
を採用した。無論、バネ定数Krや質量mrなどで動吸
振器16の共振周波数ωrを調整すればよいので、質量
比μはこの限りではない。
【0043】以上のようなことから、ドライブ10は、
動吸振器16のウェイト16bの質量mdを小さくする
ことができるので、ウェイト16bの小型化を図ること
ができ、ドライブ全体として薄型化、小型化を図ること
もできる。
【0044】またここで使用している共振周波数等と
は、実際に様々な慣性モーメントをもつディスクが回転
している状態のものであり、実際にドライブが駆動され
ている状態における周波数である。即ち、上記共振周波
数は、様々なジャイロモーメントを含んでいる。また、
バネ定数は、例えば複数設けられた弾性体のバネ定数の
総和である。
【0045】ここで、既に公知技術との違いについて述
べる。特開平2−292781号公報及び実開平3−6
9336号公報では、それぞれ光ピックアップ上に動吸
振器を設け、光ピックアップをトラバース(移動、送
り)したときの振動を除去するための従来技術が記載さ
れている。この従来技術では、目的が異なる上、動吸振
器が配置されている場所が光ピックアップ上であること
も異なっている。これらの従来技術では、実際に使用す
る上で配慮しなければならない共振周波数についても考
慮されていない。
【0046】特開平10−339354号公報では、主
に動吸振器自体の構造に着目した従来技術が記載されて
いる。この従来技術では、振動周波数(回転周波数)と
いう点について、上述したように新たに発生する2つの
共振周波数ω1、ω2の間でドライブを動作させるとい
う点に着目している。しかし、本実施形態としてのドラ
イブ10は、動吸振器の低い側の第1の共振周波数ω1
よりも低い回転周波数と、動吸振器が作動するある特定
の回転周波数(範囲ではない)において使用するという
ことであり、周波数に対する考え方が全く異なる。つま
り、上記動吸振器が作動するある特定の回転周波数にお
いて使用するとは、CAVで一定速(角速度)でしか使
用しない(要するに1つの回転数しか使用しない)とい
うことを意味している。
【0047】特開平11−3582号公報では、やはり
主は動吸振器自体の構造に着目したものであり、振動周
波数について、ディスクの回転数に基づく振動周波数と
動吸振器の共振周波数とを一致させるという従来技術が
ある。この従来技術では、振動体の振動周波数と動吸振
器の共振周波数を合わせている。この従来技術は、ディ
スクの回転数に基づく振動周波数と共振周波数とを一致
させたディスク装置であり、つまり、回転数一定のCA
V(各速度一定の)制御をするということである。本実
施形態としてのドライブ10における従来技術との違い
は、CLV(線速度制御)とCAV制御等を複合して使
用している点であり、ドライブ10は従来のドライブと
は全く異なる。即ち、特開平11−3582号公報に記
載された従来技術は、先に述べたように、事実上、CD
−RWドライブのような記録を伴うドライブ装置に対し
ては配慮が足りない。
【0048】本実施形態によれば、トラバース機構10
aなどの主振動系とベースシャーシ10bとなるローデ
ィング機構などの副振動系との質量比μや、それぞれの
質量を調整している。更に、ドライブ10では、トラバ
ース機構10aと、ローディング機構などのベースシャ
ーシ10bとの間のダッシュポット15のバネ定数Kr
を、動吸振器16側のダッシュポット16aのバネ定数
Kdよりも大きくしている。このドライブ10は、新た
に発生する共振周波数ω1を不使用領域に入れることが
できたので、CD−R、CD−RW、書き換え式DVD
等のドライブに適している。
【0049】また、ドライブ10は、ダッシュポット1
5のバネ定数Krを大きくしたことで、その外部から印
加された衝撃加速度よりも大きな加速度がトラバース機
構10aに発生することはなくなり、衝撃に対しても強
くすることができる。また、ドライブ10では、質量比
μを比較的小さくできるので、動吸振器16のウェイト
16bを小型化でき、全体として薄型化、小型化を図る
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動を吸収した動吸振器が新たに発生する振動が光学ユ
ニットに影響を与えず、外部からの衝撃にも強い情報記
録媒体のドライブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態としての情報記録媒
体のドライブ装置の構成例を示す斜視図。
【図2】図1の動吸振器を搭載するドライブの構成例を
モデル化して示した側面図。
【図3】上記計算例により設計した回転周波数ωに対す
るトラバース機構に発生する振動加速度G値の関係を示
した図。
【図4】振動の伝達を説明するためのモデル図。
【図5】周知の動吸振器を説明するために従来のドライ
ブ装置をモデル化して示した概略構成図。
【図6】従来の動吸振器がドライブにおける特定の周波
数振動を低減した様子を示したグラフ。
【図7】従来の動吸振器を搭載したドライブの概要を示
すモデル図。
【符号の説明】
10a・・・トラバース機構、10b・・・ベースシャ
ーシ、11・・・シャーシ、12・・・スピンドルモー
タ(モータ)、13・・・OP(光学ユニット)、15
・・・ダッシュポット(第2の粘弾性体)、16・・・
動吸振器、16a・・・ダッシュポット(第1の粘弾性
体)、D・・・ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生田 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 持田 貴志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 須藤 文晴 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体を回転するためのモータ、
    前記情報記録媒体の情報を記録、再生するための光学ユ
    ニット、前記光学ユニットを前記情報記録媒体の半径方
    向に沿って移動させる送り機構部及び、前記モータ、前
    記光学ユニット及び前記送り機構部を保持するシャーシ
    を有するトラバース機構と、 第1の粘弾性体を介して前記トラバース機構に設けられ
    ており、前記トラバース機構の振動を吸収するための動
    吸振器と、 第2の粘弾性体を介して前記トラバース機構に取り付け
    られるベースシャーシとを有し、 前記第2の粘弾性体のバネ定数が前記第1の粘弾性体の
    バネ定数よりも大きいことを特徴とした情報記録媒体の
    ドライブ装置。
  2. 【請求項2】 前記トラバース機構の振動を吸収する際
    に前記動吸振器が新たに作り出す第1の共振周波数は、
    前記情報記録媒体に情報を記録する際の低速回転時の振
    動周波数範囲と、前記情報記録媒体の情報を再生する際
    の高速回転時の振動周波数との間にある請求項1に記載
    の情報記録媒体のドライブ装置。
  3. 【請求項3】 前記情報記録媒体の回転により生ずる振
    動周波数が、前記動吸振器が前記トラバース機構の振動
    を吸収する際に新たに作り出す第1の共振周波数よりも
    低い方に存在すると共に、前記動吸振器が作動する振動
    周波数にも存在する請求項1に記載の情報記録媒体のド
    ライブ装置。
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