JP2001195776A - 波長多重多層光記録媒体 - Google Patents

波長多重多層光記録媒体

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JP2001195776A
JP2001195776A JP2000006232A JP2000006232A JP2001195776A JP 2001195776 A JP2001195776 A JP 2001195776A JP 2000006232 A JP2000006232 A JP 2000006232A JP 2000006232 A JP2000006232 A JP 2000006232A JP 2001195776 A JP2001195776 A JP 2001195776A
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reflection
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Yoshinobu Nakayama
義宣 中山
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的波長に対しては高反射率、他の記録層用
の波長光に対しては高透過率を、多層膜による反射透過
層により実現し、全体を多層化することで、高感度記録
再生可能な波長多重多層光記録媒体を提供する。 【解決手段】 吸収透過層と反射透過層との対をなす2
種類の層からなる複数の記録層5〜9を積層させてな
り、各々の記録層5〜9において吸収透過層を反射透過
層よりも光入射側に配設させ、かつ、各々の分光特性を
異ならせる。例えば、一番対物レンズ2側の第1の記録
層5は400nmの波長で記録再生される。次の第2の
記録層6は500nmの波長で記録再生される。この
際、手前側となる第1の記録層5は、波長500nmに
対しては透明に近い特性を示すため、記録再生光は第2
の記録層6まで十分到達する。以下同様にして600n
m、700nm、800nmの各記録再生波長は、目的
とする記録層7,8,9まで達し、記録再生が可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大容量記録が可能
な波長多重多層光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】入射させる光ビームに関して、数種類の
波長の違いを利用し、光ディスクの記録層を区別できる
ようにすることで、1枚の光ディスクに多層記録する記
録方式は、古くから提案されており、基本的には、各記
録層に何らかの分光特性を与え、それを基に、光源波長
の違いで、信号記録及び再生を行なう方式である。特
に、有機色素系の材料を用いた場合、多様な分光特性を
得られる可能性があり、光源として用いる半導体レーザ
の進歩も伴って、光による記録方式の記録密度の限界が
見え始めたこともあり、実現が待たれている。
【0003】多層膜光ディスクを構成するのに適した有
機色素材料の製造に関する技術として、特許第2510
171号公報に示されるものがある。同公報に記載され
ているように、ブロンズ光沢を有する有機物質又は定融
点金属からなる反射層と、有機物からなる吸収層を積層
してなる機能分離記録層なる構成は、有機色素を用いる
多くのCD−Rなどに応用されている通常の構成であ
る。より詳しくは、例えば、ぶんしん出版「光ディスク
用有機記録材料」の5章図5.6中にもあるような2層
又は3層の構成をとり、同5.2節冒頭にあるような、
「光反射、光吸収その他の光ディスク記録層の必要な特
性を各層に分担させる」ことで、性能の向上を得ること
が述べられている。また、同5.2.1節にあるよう
に、吸収層や吸収反射層の影響を受け、反射率は影響さ
れると述べられている。
【0004】また、多層記録といっても、一般には、特
公平7−114027号公報等に見られるように、記録
層は2〜3層の膜で構成され、その中で、膜厚を調節す
ることで、ある程度反射率を制御できるようにしている
ものである。従って、同公報に見られる多層構造の記録
性とは、記録層を多層にすることで、吸収率と反射率を
制御できることを考慮したものであると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許第251
0171号公報による当時の光ディスク開発での目標
は、情報を記録する記録層の数はあくまで、1層だけで
ある。光記録再生技術のその後の進歩によって、さら
に、高密度の要求されるような、光ディスクについて述
べたものではない。
【0006】また、特公平7−114027号公報によ
る場合、有機色素を使った分光吸収特性とそれらを組み
合わせることで決まる反射特性(現行の光ディスクの多
層膜構成による記録層)に重点をおいているため、十分
な反射率を得ることができない。
【0007】ちなみに、特開平6−89459号公報に
おいては、金属による反射層を使わない多層膜反射層を
設けることを特徴としているが、同公報においては、記
録情報はディスク面垂直方向に1層のみの構成である。
記録性能の向上のために色素層も多層構造にしている
が、記録のための(色素)層や多層反射層の多数の組を
設け、かつ、吸収、透過、反射について分光特性を与
え、かつ、情報の記録を多層にしたものではない。
【0008】このようなことから、本発明は、光利用効
率を上げるためには、光ディスクの各記録層に、固有の
分光特性を持たせることは必須とし、さらに、記録再生
が容易に可能な方式を提案することを基本とし、さらに
は、有機色素による分光吸収層と多層分光反射層を分け
ることに主眼をおき(厳密には、分光吸収層の膜厚も反
射率に影響するが)、従来の金属反射膜では実現し難
い、目的波長に対しては高反射率、他の記録層のための
波長光に対しては高透過率を、多層膜による反射透過層
により実現し、全体を多層化することで、高感度書き込
み・高感度読み取り可能な波長多重多層光記録媒体を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の波
長多重多層光記録媒体は、主に分光吸収・透過特性を有
する情報記録材料による吸収透過層と主に分光反射・透
過特性を有する反射透過層との対をなす2種類の層から
なる複数の記録層を積層させてなり、各々の記録層にお
いて前記吸収透過層を前記反射透過層よりも光入射側に
配設させるとともに、各々の記録層の分光特性を異なら
せてなる。本発明において、「主に」とは、約90%以
上の透過率や吸収率や反射率を有する程度をいう。
【0010】従って、波長によって選択される特定の記
録層において、その記録層中の吸収透過層の光エネルギ
ーの吸収による熱的変化を生じさせることで情報を記録
し、その記録情報は、反射透過層が担当する反射光量の
変化として、光ヘッドによる再生が可能となる。このよ
うに各記録層への記録及び再生に影響する反射・吸収
は、基本的には別々の層で実現しており、独立に選択で
きるため、情報記録・再生特性を任意に選択でき、多層
とすることで、多波長による大容量多層記録が可能にな
る。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の波
長多重多層光記録媒体において、前記各記録層における
前記反射透過層は、多層膜による分光反射膜よりなる。
【0012】従って、各記録層は、特定の波長に対し、
記録時においては光エネルギーを高効率で吸収し、再生
時には光エネルギーを高効率で反射できることとなる。
分光反射特性を持つ反射透過層を用いることで、多層化
した場合でも、異なる波長に対しては、透明であるた
め、該記録再生波長に該当する分光反射特性を持つ反射
透過層を有する記録層以外の層に影響を与えることな
く、記録再生が可能となる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の波長多重多層光記録媒体において、前記各記録層に
おける前記吸収透過層の前記情報記録材料は、有機色素
系材料よりなる。
【0014】従って、各記録層は、特定の波長に対し、
記録時においては光エネルギーを高効率で吸収し、再生
時には光エネルギーを高効率で反射できることとなる。
分光吸収特性を持つ吸収透過層を用いることで、多層化
した場合でも、異なる波長に対しては、透明であるた
め、該記録再生波長に該当する分光吸収特性を持つ吸収
透過層を有する記録層以外の層に影響を与えることな
く、記録再生が可能となる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の波長多重多層光記録媒体において、前記各記録
層を形成する前記吸収透過層と前記反射透過層とは、対
象となる記録層に対して用いられる記録再生波長が、吸
収しかつ反射する波長域である。
【0016】従って、各記録層は、吸収透過層及び反射
透過層の、記録時においては吸収する波長、再生時にお
いては反射する波長が一致するようになったため、多層
構成をとったときに、特定の記録層への記録再生は、同
一の波長で可能となる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体において、
全ての前記記録層の分光透過特性が、短波長域側で高透
過率を持ち長波長域側で低透過率を持つHPF(High
Path Filter)型として形成されている。
【0018】従って、記録再生に用いられる特定波長の
光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達できる
ようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを吸
収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に可
能となる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載の波
長多重多層光記録媒体において、短い記録再生波長が割
り当てられる記録層ほど光入射側に位置するように各記
録層が順に積層配設されている。
【0020】従って、記録再生に用いられる特定波長の
光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達できる
ようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを吸
収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に可
能となる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体において、
全ての前記記録層の分光透過特性が、長波長域側で高透
過率を持ち短波長域側で低透過率を持つLPF(Low
Path Filter)型として形成されている。
【0022】従って、記録再生に用いられる特定波長の
光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達できる
ようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを吸
収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に可
能となる。特に、LPF型によれば、光入射側から見て
遠い記録層ほど手前側の記録層の影響を多く受けること
になるが、遠い記録層ほど長い波長を使うことで、手前
側の短波長用の記録層の影響を極力なくすことができ
る。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項7記載の波
長多重多層光記録媒体において、長い記録再生波長が割
り当てられる記録層ほど光入射側に位置するように各記
録層が順に積層配設されている。
【0024】従って、記録再生に用いられる特定波長の
光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達できる
ようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを吸
収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に可
能となる。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体において、
特定の波長域の光を遮断するBSF(Band Shut Fil
ter)型の記録層が任意の積層位置に介在されている。
【0026】従って、層構成上からは、請求項5又は7
記載の発明のように、必ずしも単一の吸収極大の必要は
なく、反射層の分光特性と吸収特性の組み合わせによっ
ては、光ヘッドから目的波長で見通せるような層構成に
するのみで、十分である。即ち、特定の波長域の光を遮
断するBSF型の記録層を任意の積層位置に介在させ得
る。これは、反射多層膜を構成する場合でも、或いは適
切な材料を設計する上でも単一の極大の材料を求めるよ
り容易である。
【0027】請求項10記載の発明は、請求項1ないし
9の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体におい
て、光入射側から最も離れた記録層の前記反射透過層に
代えて金属材料よりなる反射層を有する。
【0028】従って、光入射側から一番離れた記録層で
あるために、多層膜による分光反射層のような複雑な反
射透過層を使わずに、簡単な構成で高効率の反射特性を
持つ記録層を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。
【0030】図1(a)は本実施の形態による波長多重
多層光記録媒体1に対して光記録再生装置の対物レンズ
2により波長λの平行光3を集光照射させて記録又は再
生を行っている様子を模式的に示している。ここに、波
長多重多層光記録媒体1は、例えば光入射側に位置する
透明な基板4上に第1〜第5の5つの記録層5,6,
7,8,9を順に積層配設させてなる。
【0031】図1(a)では、対物レンズ2による集光
光10の焦点11が例えば第3の記録層7に結び、この
第3の記録層7に対して記録又は再生を行っていること
となる。図1(b)は焦点11付近を拡大して示す波長
多重多層光記録媒体1の断面構造図である。図示の如
く、焦点11を結んでいる記録層を第3の記録層7とす
ると、この第3の記録層7よりも光入射側に位置する第
2の記録層6はその分光特性として、透明であることが
必要である一方、光入射側より離れる第4の記録層8は
その分光特性として必ずしも透明である必要はない。
【0032】このような原理を踏まえ、第1〜第5の記
録層5〜9の全ては、図1(b)に示すように、光を吸
収し情報を記録する機能を持たせた吸収透過層5a〜9
aと、光を反射し対物レンズ2(光記録再生ヘッド)側
へ光を送り返す機能を持たせた反射透過層5b〜9b
と、各記録層5〜9間に適当な間隔を持たせるために設
けられた間隙層5c〜9cとにより形成されている(図
1(b)では、便宜上、第2〜第4の記録層6〜8のみ
を示している)。即ち、各記録層は、主に分光吸収・透
過特性を有する情報記録材料による吸収透過層と主に分
光反射・透過特性を有する反射透過層との対をなす2種
類の層により形成されている。何れの層においても、吸
収透過層側が光入射側に配設されている。これらの記録
層5〜9は、各々の分光特性が後述する如く異なるよう
に構成されている。また、反射透過層5b〜9bは、化
合物半導体などの単体の材料や、多層膜で構成されて分
光特性を持つ高反射膜により形成されている。一般に、
吸収透過層5a〜9aも薄膜であるので、単純な透過及
び吸収透過層に情報が記録された時の屈折率や透過率な
どに対しても考慮されている。
【0033】このような積層構造の記録層5〜9は、図
2(a)に示すように、短波長側に約90%以上の高透
過率を持ち、長波長側で反対に約90%以上の吸収及び
反射波長域(10%以下の透過率)を持つ材料群(HP
F型と称する)、又は、逆に、図2(b)に示すよう
に、長波長側に約90%以上の高透過率を持ち、短波長
側で反対に約90%以上の吸収及び反射波長域(10%
以下の透過率)を持つ材料群(LPF型と称する)の何
れか一方のみで構成されなければならない。
【0034】まず、波長透過帯域特性を示す図2(a)
中における分光透過特性〜は、図3中に示す各記録
層5〜9の位置〜に対応しているとする。図2
(a)において、一番光入射側で透明基板4に隣接する
の位置に配設された第1の記録層5は、の分光透過
特性を持っている記録層でなければならない。即ち、8
00nm以上の波長のとき全ての記録層5〜9は、透過
率が高い。しかし、記録再生波長が800nmのとき、
の分光透過特性の第1の記録層4のみ、透過率が約1
0%以下、つまり、吸収透過層と反射透過層の各々の吸
収率及び反射率の合計がおよそ90%以上となり、その
他の記録層6〜9は、全て透過率が90%となってい
る。
【0035】さらに、記録再生波長が700nmのと
き、の分光透過特性の第2の記録層6は、図3中の
の位置に配設させることで、の位置の第1の記録層5
を透過し、図3中のの位置で、初めて、吸収又は反射
されることになる。以下、同様にして、記録再生波長
が、400nmのときは、の分光特性の材料は、図3
中のの位置にあれば、〜の第1〜第4の記録層5
〜8を透過してで初めて吸収又は反射するようにな
り、波長によって、特定の記録層5〜9を選択できるこ
ととなる。
【0036】このことは、波長透過帯域特性が反対の場
合を示す図2(b)の場合も同様である。図2(b)中
の分光透過特性〜は、図3中の各記録層5〜9の位
置〜に対応しているとする。400nm未満の短い
波長では、全ての記録層5〜9が吸収及び反射をするよ
うになる。の分光透過特性の第1の記録層5が図3の
の位置にあるとすると、記録再生波長が400nmの
とき、吸収又は反射する。記録再生波長が500nmの
ときは、図3中のの位置に配置された分光透過特性
を持つ第1の記録層5を透過して、の位置で初めて吸
収及び反射することになる。以下の分光透過特性の場
合も同様にして、800nmのときは〜の分光透過
特性の第1〜第4の記録層5〜8を透過でき、の分光
透過特性の第5の記録層9で初めて吸収及び反射するこ
とになる。
【0037】なお、図2(a)に示す例では′、図2
(b)に示す例では′として示すように、特定の波長
域で、光を約10%以下に遮断(BSF型と称する)
し、それ以外の使用波長域では約90%以上の透明な記
録層とする場合は、対物レンズ側から見て、その記録層
を見通せる任意の位置に記録層を作製できる。つまり、
図2(a)の例では、図3中の〜の位置の任意の記
録層5〜8との入れ替えが可能であり、図2(b)の例
では、図3中の〜の位置の任意の記録層5〜7との
入れ替えが可能である。即ち、HPF型のみ、或いは、
LPF型のみによるように、必ずしも単一の吸収極大の
必要はなく、反射層の分光特性と吸収特性の組み合わせ
によっては、対物レンズ2側から目的波長で見通せるよ
うな層構成にするのみで、十分であり、特定の波長域の
光を遮断するBSF型の記録層を任意の積層位置に介在
させ得る。これは、反射多層膜を構成する場合でも、或
いは適切な材料を設計する上でも単一の極大の材料を求
めるより容易であることを意味する。
【0038】ところで、図1において、これらの記録層
5〜9は、既存のCD−Rなどの有機色素を用いた光デ
ィスクの場合と同様に、基本的には、有機色素材料によ
る記録層(吸収透過層)と反射層(反射透過層)で構成
されている。しかし、反射層にCD−Rなどの場合と同
様にAlなどの金属材料を用いた場合、目的波長域で全
て反射してしまうため、多層構造による記録再生は不可
能となってしまう。そこで、分光反射特性を得る手段と
して、多層薄膜構造による分光反射層(一種のHR層)
を、対物レンズ2から見て、有機色素材料による各記録
層の後側(遠い方)に設けることによって、記録層の記
録・再生特性の改善と設計の自由度を得るように工夫し
ている。
【0039】ここで、HPF型の場合を例にとり、本実
施の形態による特徴的な透過、吸収、反射特性について
図4を参照して説明する。図4(a)は、或る1つの吸
収透過層に照射された光に対する、透過率、吸収率及び
反射率の割合を示したものである。図4(b)は対をな
す反射透過層の場合、図4(c)はその記録層全体の場
合を表している(破線は、吸収透過層及び反射透過層の
透過率の曲線を表している)。理想的な記録層は、対象
となる記録再生波長において、適切な反射率と吸収率を
持って、透過率はゼロに近いほどよい。一方、当該記録
再生に関係のない記録層であって、当該対象となる記録
層よりも光入射側に配設されている記録層は、透過率が
高いほど、例えば、90%以上に達していることが望ま
れる。従って、吸収透過層及び反射透過層の何れも、透
明領域では少なくとも90%以上の透過率になるような
材料や層構成を選ぶことが重要である。
【0040】一方、吸収透過層の吸収領域では、吸収率
が高いところでも、100%とはせず、吸収率は40%
〜70%の範囲に留める。これは、光記録再生装置によ
る書き込みや読み取り時も十分な光量の反射が必要だか
らである。また、反射に関しては、反射透過層も利用す
るため、透過する光も、再び吸収透過層を通過すること
になるためである。その他、図4(a)の例では、HP
F型になっているが、BSF型でもよい。
【0041】これに対し、反射透過層は、理想的には、
透過域と遮断域が、明確に別れている方がよい。従っ
て、図4(b)に示すように記録波長付近が、反射率1
00%である以外は、透過率100%(BSF型)、場
合によっては(この例の場合は)、HPF型の特性であ
っても構わない。
【0042】図4(c)において、縦軸は透過率を表し
ている。透過率は、その記録層の記録再生波長以外の波
長では、透明であることが望ましい。HPF型の記録層
を組み合わせる場合には、長波長側も遮断したままでも
よい。図示特性例の場合は、完全な透明にまでは戻って
いないが支障はない。
【0043】図4では、記録層の分光特性をHPF型の
吸収透過層材料とした場合で述べたが、もちろんLPF
型であってもよい。また、BSF型であればなおよい。
これは、反射透過層についてもBSF型を使った場合に
ついて述べたが、記録再生波長において吸収透過層の分
光特性と一致していれば、吸収透過材料がHPF型であ
ればHPF型、LPF型であればLPF型を使ってもよ
い。もちろん、BSF型同士でも構わない。
【0044】ところで、前述した図2(a)の特性を参
照して記録再生動作について説明する。図2(a)は、
横軸が波長、縦軸が透過率のグラフで、5種類の記録層
の分光透過特性を示している。番号〜は各々その分
光透過特性を持つ記録層を表しており、これらの記録層
の配置を図3に対応させて示した。具体的には、一番対
物レンズ2側のの位置の第1の記録層5は400nm
の波長で記録再生される。500nmの波長ではの位
置の第2の記録層6が記録再生される。この際、手前側
となるの位置の第1の記録層5は、波長500nmに
対しては既に透明に近い状態になっているため、記録再
生光はの位置の第2の記録層6まで十分到達する。同
様にして、600nm、700nm、800nmの各記
録再生波長は、目的とする記録層まで達し、記録再生が
可能になる。本実施の形態では、全部で5層の記録が可
能になる。
【0045】本実施の形態の場合、光入射側に近い記録
層ほど、長波長側に広い透過域を持っている。なお、
の分光透過特性の代わりに、同じ波長でも′で示すよ
うな狭帯域の記録層の場合であれば、LPF型とHPF
型とを混在させることさえなければ、適宜組み合わせて
使っても、支障はない。
【0046】また、図3では、HPF型の分光透過特性
をもつ記録層の場合を示したが、もちろんLPF型の分
光透過特性を持つ記録層に対しても同様に可能である。
そのときは、図2(b)において、記録波長が一番長い
波長に対応する記録層をの位置に、一番短い波長に対
応する記録層をの位置に配設させればよい。
【0047】ところで、実際に記録されているときの波
長多重多層光記録媒体1上の様子を図5に示す。図5
は、5つの記録層のうち例えば第1,第3,第5の記録
層5,7,9の様子を平面的に拡大誇張して示しており
(第2,第4の記録層は省略)、例えば、12はトラッ
ク、13は記録されたピットパターンを示している。ト
ラック12及びその上のピットパターン13は、記録層
毎にそのサイズが異なる。この図5のような場合、光の
回折限界から、トラック12及びピットパターン13の
最も小さい第1の記録層5が最も短い波長で記録されて
いることを示している(一番記録再生波長が短い記録層
を光入射側に配設させることから、図2(b)に示すよ
うな特性のLPF型構成の記録層である)。このよう
に、各記録層の記録密度を各々限界まで上げた場合、各
記録層毎の記録密度は異なることになる。
【0048】記録波長は、対物レンズ2に最も近い記録
層に記録再生波長が最も短い記録層を持っていくるのが
実用的である。これは、同じ凸凹のときには、一番影響
を受けやすい短波長を最初に読んでしまい、長い波長の
信号ほど対物レンズ2から遠くになるため、全体として
最もピットによる干渉を受けないような構成となるから
である。
【0049】ところで、図6は、対物レンズ2から最も
遠い第5の記録層9に関しては、そこでの光特性を特に
問題にする必要がないため、反射透過層9bをなす多層
膜反射層に代えて、反射率特性の優れて安価なAl等の
金属製の反射層14を用いた例を示している。従って、
最も離れた記録層9は、対物レンズ2寄りの他の記録層
5〜8が光を遮断するため、分光特性は特に考慮しなく
ても、差し支えない。
【0050】また、有機色素に関しては、信号の他の記
録層による混信を防ぐためには、HPF型の構成の方が
優れるものの、ナフタロシアニン系の材料において、L
PF型の良好な吸収透過特性を得やすい。
【0051】なお、分光反射特性を持つ反射透過層に、
適切な膜厚を選択することにより、化合物半導体のよう
な組成を連続的に変えることのできる材料系で実現する
こともできる。ただし、この場合は、半導体による反射
と透過だけでなく吸収されるので、比較的少ない数の記
録層の媒体のときに適用できる。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明の波長多重多層光記
録媒体によれば、波長によって選択される特定の記録層
において、その記録層中の吸収透過層の光エネルギーの
吸収による熱的変化を生じさせることで情報を記録し、
その記録情報は、反射透過層が担当する反射光量の変化
として、光ヘッドによる再生が可能となる。このように
各記録層への記録及び再生に影響する反射・吸収は、基
本的には別々の層で実現しており、独立に選択できるた
め、情報記録・再生特性を任意に選択でき、多層とする
ことで、多波長による大容量多層記録が可能になる。
【0053】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の波長多重多層光記録媒体において、各記録層におけ
る反射透過層は、多層膜による分光反射膜よりなるの
で、各記録層は、特定の波長に対し、記録時においては
光エネルギーを高効率で吸収し、再生時には光エネルギ
ーを高効率で反射できることとなり、このような分光反
射特性を持つ反射透過層を用いることで、多層化した場
合でも、異なる波長に対しては、透明であるため、該記
録再生波長に該当する分光反射特性を持つ反射透過層を
有する記録層以外の層に影響を与えることなく、記録再
生が可能となる。
【0054】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の波長多重多層光記録媒体において、各記録層
における吸収透過層の情報記録材料は、有機色素系材料
よりなるので、各記録層は、特定の波長に対し、記録時
においては光エネルギーを高効率で吸収し、再生時には
光エネルギーを高効率で反射できることとなり、このよ
うな分光吸収特性を持つ吸収透過層を用いることで、多
層化した場合でも、異なる波長に対しては、透明である
ため、該記録再生波長に該当する分光吸収特性を持つ吸
収透過層を有する記録層以外の層に影響を与えることな
く、記録再生が可能となる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、請求項1,
2又は3記載の波長多重多層光記録媒体において、各記
録層は、吸収透過層及び反射透過層の、記録時において
は吸収する波長、再生時においては反射する波長が一致
するようになるため、多層構成をとったときに、特定の
記録層への記録再生は、同一の波長で可能となる。
【0056】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体にお
いて、全ての記録層の分光透過特性が、短波長域側で高
透過率を持ち長波長域側で低透過率を持つHPF型とし
て形成されているので、記録再生に用いられる特定波長
の光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達でき
るようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを
吸収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に
可能となる。
【0057】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の波長多重多層光記録媒体において、短い記録再生波
長が割り当てられる記録層ほど光入射側に位置するよう
に各記録層が順に積層配設されているので、記録再生に
用いられる特定波長の光は、対象となる特定の記録層に
まで確実に到達できるようになり、かつその特定の記録
層で光エネルギーを吸収反射でき、当該特定の記録層へ
の記録再生が容易に可能となる。
【0058】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体にお
いて、全ての記録層の分光透過特性が、長波長域側で高
透過率を持ち短波長域側で低透過率を持つLPF型とし
て形成されているので、記録再生に用いられる特定波長
の光は、対象となる特定の記録層にまで確実に到達でき
るようになり、かつその特定の記録層で光エネルギーを
吸収反射でき、当該特定の記録層への記録再生が容易に
可能となる。特に、LPF型によれば、光入射側から見
て遠い記録層ほど手前側の記録層の影響を多く受けるこ
とになるが、遠い記録層ほど長い波長を使うことで、手
前側の短波長用の記録層の影響を極力なくすことができ
る。
【0059】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の波長多重多層光記録媒体において、長い記録再生波
長が割り当てられる記録層ほど光入射側に位置するよう
に各記録層が順に積層配設されているので、記録再生に
用いられる特定波長の光は、対象となる特定の記録層に
まで確実に到達できるようになり、かつその特定の記録
層で光エネルギーを吸収反射でき、当該特定の記録層へ
の記録再生が容易に可能となる。
【0060】請求項9記載の発明によれば、請求項1な
いし8の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体にお
いて、特定の波長域の光を遮断するBSF型の記録層が
任意の積層位置に介在されているので、層構成上から
は、請求項5又は7記載の発明のように、必ずしも単一
の吸収極大の必要はなく、反射層の分光特性と吸収特性
の組み合わせによっては、光ヘッドから目的波長で見通
せるような層構成にするのみで、十分であり、特定の波
長域の光を遮断するBSF型の記録層を任意の積層位置
に介在させ得る。この結果、反射多層膜を構成する場合
でも、或いは適切な材料を設計する上でも単一の極大の
材料を求めるより容易である。
【0061】請求項10記載の発明によれば、請求項1
ないし9の何れか一に記載の波長多重多層光記録媒体に
おいて、光入射側から最も離れた記録層の反射透過層に
代えて金属材料よりなる反射層を有するので、光入射側
から一番離れた記録層であるために、多層膜による分光
反射層のような複雑な反射透過層を使わずに、簡単な構
成で高効率の反射特性を持つ記録層を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態による波長多重
多層光記録媒体に対して記録再生を行っている様子を模
式的に示す構成図、(b)はその焦点付近の波長多重多
層光記録媒体を拡大して示す断面構造図である。
【図2】(a)はHPF型の場合の波長透過帯域特性を
示す特性図、(b)はLPF型の場合の波長透過帯域特
性を示す特性図である。
【図3】図2の特性に対応させて位置関係を示す構成図
である。
【図4】或る記録層に関する吸収透過層、反射透過相及
び全体の透過率、吸収率及び反射率を示す特性図であ
る。
【図5】記録状態を拡大誇張して模式的に示す説明図で
ある。
【図6】反射層を用いた変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 波長多重多層光記録媒体 5〜9 記録層 5a〜9a 吸収透過層 5b〜9b 反射透過層 14 反射層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主に分光吸収・透過特性を有する情報記
    録材料による吸収透過層と主に分光反射・透過特性を有
    する反射透過層との対をなす2種類の層からなる複数の
    記録層を積層させてなり、各々の記録層において前記吸
    収透過層を前記反射透過層よりも光入射側に配設させる
    とともに、各々の記録層の分光特性を異ならせてなるこ
    とを特徴とする波長多重多層光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記各記録層における前記反射透過層
    は、多層膜による分光反射膜よりなることを特徴とする
    請求項1記載の波長多重多層光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記各記録層における前記吸収透過層の
    前記情報記録材料は、有機色素系材料よりなることを特
    徴とする請求項1又は2記載の波長多重多層光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記各記録層を形成する前記吸収透過層
    と前記反射透過層とは、対象となる記録層に対して用い
    られる記録再生波長が、吸収しかつ反射する波長域であ
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の波長多重
    多層光記録媒体。
  5. 【請求項5】 全ての前記記録層の分光透過特性が、短
    波長域側で高透過率を持ち長波長域側で低透過率を持つ
    HPF(High Path Filter)型として形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載
    の波長多重多層光記録媒体。
  6. 【請求項6】 短い記録再生波長が割り当てられる記録
    層ほど光入射側に位置するように各記録層が順に積層配
    設されていることを特徴とする請求項5記載の波長多重
    多層光記録媒体。
  7. 【請求項7】 全ての前記記録層の分光透過特性が、長
    波長域側で高透過率を持ち短波長域側で低透過率を持つ
    LPF(Low Path Filter)型として形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載の
    波長多重多層光記録媒体。
  8. 【請求項8】 長い記録再生波長が割り当てられる記録
    層ほど光入射側に位置するように各記録層が順に積層配
    設されていることを特徴とする請求項7記載の波長多重
    多層光記録媒体。
  9. 【請求項9】 特定の波長域の光を遮断するBSF(B
    and Shut Filter)型の記録層が任意の積層位置に介
    在されていることを特徴とする請求項1ないし8の何れ
    か一に記載の波長多重多層光記録媒体。
  10. 【請求項10】 光入射側から最も離れた記録層の前記
    反射透過層に代えて金属材料よりなる反射層を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし9の何れか一に記載の波
    長多重多層光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050079018A (ko) * 2004-02-03 2005-08-09 엘지전자 주식회사 광 디스크 구조

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KR20050079018A (ko) * 2004-02-03 2005-08-09 엘지전자 주식회사 광 디스크 구조

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